1: 2015/12/17(木) 20:59:17.11 ID:gRC72BQX0.net
※凛ママのデザインが好み過ぎてSSが書きたくなった次第。
凛ママ、花陽ママ、その他ママ達を書きますが「凛ママこんな喋り方じゃねぇだろ!」などなど、と思われるかもしれません。
それが許せる方だけ、どうぞ。オナシャス※

8: 2015/12/17(木) 21:04:29.49 ID:gRC72BQX0.net
※凛ママ達は16歳です※

凛ママ「私別に高校行かなくて良かったんだけど」

花陽ママ「何今更言ってるの?あれだけ私に勉強を教えておいて」

凛ママ「まあそうだけど……」

凛ママ「でも高校って何すればいいんだよ……」

花陽ママ「勉強したり青春したり恋したり」

凛ママ「女子高だろーが!どうやって恋すんだよ!」

花陽ママ「他校の男子とかな?」

凛ママ「いやそんな真面目に返されても……」

10: 2015/12/17(木) 21:10:24.02 ID:gRC72BQX0.net
理事長『……なので、君たちはこれから、この音ノ木坂学院で……』

凛ママ「眠い……」

花陽ママ「寝ちゃダメだよ。始業式で……」

凛ママ「あの理事長、話なげーんだよ。もっと短く出来んのか」

花陽ママ「まあまあ……」

凛ママ「ふあぁ……」

~~~

凛ママ「おー、同じクラスか」

花陽ママ「だね。……ちゃんと友達作るんだよ?」

凛ママ「なーに、私レベルだと一週間もすると、逆に友達しかいなくなるよ」

花陽ママ「ふぅん……」

~一週間後~

モブ「じゃーねー、ばいばーい」

花陽ママ「また明日~……」

花陽ママ「……」

凛ママ「……」

花陽ママ「……友達は?」

凛ママ「お前がいるさ……」

花陽ママ「……」

凛ママ「なんだよ」

花陽ママ「とりあえず口調でも直せば?」

凛ママ「いやいやいやもう無理だろ」

17: 2015/12/17(木) 21:18:57.50 ID:gRC72BQX0.net
凛ママ「そんなん変えたところで友達が出来るかよ」

花陽ママ「あなたは口調が荒いから不良かなにかに思われてるんだよ……」

凛ママ「まじかよ。生まれてこの方一度も悪いことしたことないのに」

花陽ママ「うん、だから損してるよ。かなり」

凛ママ「なんてこった、そうだったのか……まあ変えないけど」

花陽ママ「えー……」

凛ママ「だっていまさらすぎるしさ」

20: 2015/12/17(木) 21:25:08.07 ID:gRC72BQX0.net
凛ママ「そんな事よりさぁ、来週からさっそく学年対抗で初のテストがあるわけだけど」

花陽ママ「うん」

凛ママ「勉強教えてくれない?」

花陽ママ「えー、最初から?まだ最初だから中学でやったことばかりだよ?」

凛ママ「もう忘れた」

花陽ママ「ちょっと……」

凛ママ「いいじゃん、減るもんじゃあるまいし」

花陽ママ「私の勉強時間が減るね」

凛ママ「おー、なるほど」

22: 2015/12/17(木) 21:30:34.78 ID:gRC72BQX0.net
凛ママ「ちょっとだけ、ちょっとだけでいいから」

花陽ママ「……全部は教えないよ、少しは自主性を持ってもらわなきゃ困るからね」

凛ママ「ありがとーごぜーます」

花陽ママ「じゃあ今日からね」

凛ママ「え、マジで」

花陽ママ「うん。マジで」

凛ママ「……」

花陽ママ「私に教わるっていうのはそう言う事だよ」

凛ママ「……おおう。そういや、お前ここで次席で入学したってマジ?一年生の中で二番目に頭いいの?」

花陽ママ「うん」

24: 2015/12/17(木) 21:33:39.90 ID:gRC72BQX0.net
凛ママ「すげーな。一体どんな頭してんだ」

花陽ママ「ふさふさで分け目はこのあたり……」

凛ママ「いやだから真面目にとらえるなって」

凛ママ「そういや、一番って誰だっけ……」

花陽ママ「高坂さんだよ。すごいよね。私ともかなりの差だもん」

凛ママ「へーでも」

27: 2015/12/17(木) 21:43:24.18 ID:gRC72BQX0.net
凛ママ「へー。でもなんかそう言う奴は、それこそ友達少なさそうだな。勉強が友達、みたいな?」

花陽ママ「高坂さん、友達いっぱいいるし、冗談にも乗るような人だよ?」

凛ママ「……」( ゚Д゚)<ハァ?

花陽ママ「いや、はあ?とか言われても……」

凛ママ「完璧超人かよ……ずるいだろそれ」

花陽ママ「個人で得たものにずるいとかないでしょ?」

凛ママ「うググ……」

花陽ママ「はいはい、帰って勉強しようね」

凛ママ「う~い……」

29: 2015/12/17(木) 21:48:49.45 ID:gRC72BQX0.net
凛ママ「なんだこれは」

花陽ママ「……嘘でしょ、これ入試にも出た問題なんだけど」

凛ママ「だから覚えて」

花陽ママ「いやいやいやそういう問題じゃないね。なに?あんなに教えたのに!?」

凛ママ「だって入試終ったあとずっーと遊んで頭の中から全部、ぽっーん、だよ」

花陽ママ「そんなんだからテストで点数とれないんだよ……よく合格できたねぇ、本当に……」

凛ママ「そんなに点数が大事か!」

花陽ママ「大事だよっ!?学生にとっては!」

凛ママ「へんっ、私からしたら点数よりも……」

花陽ママ「点数よりも?」

凛ママ「……」

花陽ママ「……?」

凛ママ「……いや、なんでもない」

花陽ママ「? そう」

30: 2015/12/17(木) 21:55:17.68 ID:gRC72BQX0.net
凛ママ「……なあ」

花陽ママ「ん?」

凛ママ「サイコロが同じ目で出るかどうかの確率なんかわかって、人生で役に立つのか?」

花陽ママ「たつよ。だからつべこべ言わずに解いて」

凛ママ「うい……」

~~~

凛ママ「……なあ」

花陽ママ「ん?」

凛ママ「なんで日本語以外の言葉は覚えないといけないんだ?」

花陽ママ「英語が共通語だから。はい、つべこべ言わずに解いて」

凛ママ「むぅ……」

~~~

凛ママ「なあ、なあ」

花陽ママ「ん?」

凛ママ「なんで氏んだ人間の事なんか学ばなきゃいけないんだ?」

花陽ママ「そうしないと後世に残せないから」

凛ママ「残してどうする!」

花陽ママ「それが歴史だよ」

凛ママ「あーうー……」 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)

33: 2015/12/17(木) 22:01:05.78 ID:gRC72BQX0.net
凛ママ「も、もう無理……」

花陽ママ「そうだね、この辺にしておこっか」

凛ママ「なんで入試終わったのに入試勉強並に勉強しなきゃいけないんだ……」

花陽ママ「音ノ木坂学院に入学したからだね」

凛ママ「ですよねー……」

花陽ママ「……ご飯、食べてく?」

凛ママ「ああ、そうする」

~~~

花陽祖母「やっぱりよく食べるのねぇ、作りがいがあるってものね」

凛ママ「煮魚うまー」バクバク

花陽ママ「お肉も食べるんだよ」

凛ママ「……豚肉ってそこまで好きじゃないんだよな。鶏肉は好きなんだけど」

花陽ママ「まああなたはお魚大好きだもんね」

凛ママ「うまうま」

34: 2015/12/17(木) 22:05:34.32 ID:gRC72BQX0.net
凛ママ「ご馳走様でしたー、おじゃましましたー」

花陽祖母「気をつけて帰ってね~」

花陽ママ「途中まで送ろうか?」

凛ママ「なに、大丈夫だよ」

花陽ママ「でももう暗いし、一人じゃ危ないよ
?」

凛ママ「んな事言い出したらお前が帰るとき、一人であぶねーだろ」

花陽ママ「……」

凛ママ「じゃ、また明日」

花陽ママ「うん、また明日」

36: 2015/12/17(木) 22:16:12.36 ID:gRC72BQX0.net
凛祖母「……」

凛祖母「……ん?」

カリカリカリ……

凛ママ「……」カリカリカリ……

凛祖母「……」

凛祖母(明日は雨かもしれない……)

~翌日~

ザーザー……

凛ママ「うっうーん、今日は雨かぁ……」

凛ママ「早めに出るか……」

~~~

凛ママ「ふーふーん……ん?」

ヒエー……バシャバシャ

凛ママ(あらら、傘ないのか)

凛ママ「おーい、あんた、大丈夫か?」


ことりママ(17)「……えっ、あなた誰!?」


凛ママ「まあまあとりあえず入れよ」

ことりママ(えっ、この子……一年生なのになんでタメ口……)

ことりママ(いえ、好意で傘にいれてくれるみたいだし……多めに見てあげましょう)

ことりママ「ありがとう。……あなた、名前は?」

凛ママ「へっきしょん!……え?なに?なんか言った?」

ことりママ「……ううん、なんでもないわ」

ことりママ(やっぱりただの気まぐれ屋なのかも……)

39: 2015/12/17(木) 22:23:13.26 ID:gRC72BQX0.net
凛ママ(あ、二年生だこの人)

凛ママ(ま、いっか)

~~~

ことりママ「ふう……ありがとう、助かったわ」

凛ママ「いいって事よ」

ことりママ「ふふ……また会えたら会いましょう。それじゃ」

凛ママ「……」

凛ママ「なんかめっちゃいい匂いするな、さっきの人」

花陽ママ「あれ、今日は少し早いんだね」

凛ママ「おお、おはよう」

花陽ママ「おはよう……さっきまで誰かといたけど、もういいの?」

凛ママ「ん?ああ、なんか傘忘れたみたいだから入れてやったんだ」

花陽ママ「そうだったんだ。いい事したね」

凛ママ「友達増えるかな」

花陽ママ「さあ、それはどうかな」

40: 2015/12/17(木) 22:29:57.74 ID:gRC72BQX0.net
凛ママ「全校集会って何の為にあるんだ……」

花陽ママ「今日は生徒会長の話もあるんだし、仕方ないよ」

凛ママ「ふぁ~あ。どうせ大したこと話さないんだし、省略してくれないかな……」

『次は生徒会長による、挨拶です』

『生徒会長、お願いします』

ことりママ「はい」

花陽ママ「あの人が生徒会長かぁ、綺麗な人だね」

凛ママ「……ん。あれ」

凛ママ(あの人生徒会長だったのか)

ことりママ『~、……。……、ー。なのです。登校中も、傘など忘れないようにしましょう』

凛ママ(やばいな。超笑いそう)

花陽ママ(なんでニヤニヤしてるんだろ……)

41: 2015/12/17(木) 22:34:15.07 ID:gRC72BQX0.net
ー昼休みー

凛ママ「……」

花陽ママ「あれ、どうしたの、食べないの?」

凛ママ「箸忘れた」

花陽ママ「あらら」

凛ママ「うーん、職員室に行って借りてこようかな……」

花陽ママ「まあ待ちなされ」

凛ママ「んあ?」

花陽ママ「まずお弁当箱をあけて」

凛ママ「うん」パカッ

花陽ママ「とります」ヒョイ

凛ママ「うん?」

花陽ママ「あーん」

凛ママ「小っ恥ずかしいわ!!」

42: 2015/12/17(木) 22:42:34.39 ID:gRC72BQX0.net
花陽ママ「あーん」

凛ママ「いやだからしないって」

花陽ママ「あーん」

凛ママ「いやあの」

花陽ママ「あーん」

凛ママ「あーん……」モグモグ

花陽ママ「ははっ」

モブ(あの人、ちょっと怖いけどああいうところもあるんだなぁ)

花陽ママ「次からは気をつけるんだよ」アーン

凛ママ「んー……」モグモグ

43: 2015/12/17(木) 22:53:51.12 ID:gRC72BQX0.net
キーンコーンカーンコーン

凛ママ「んっん~終わったなー。さ、帰るか」

花陽ママ「今日も勉強だよ」

凛ママ「……え、マジで?」

~~~

凛ママ「うへぇ……」

花陽ママ「あと五日だよ。頑張って」

凛ママ「そ、そもそも私は別に上位を目指しているわけでは……」

花陽ママ「そのつもりでいないと不味いレベルで覚えてないんだけどね」

凛ママ「てへ☆」

花陽ママ「もっとする?」

凛ママ「勘弁してください」


~そしてテスト当日~

凛ママ「ああああああ、今日で全部終わりだー!!」

花陽ママ「成果を見せてね」

凛ママ「おうよ。見てろよ~?」

花陽ママ「う、うん。だから見せてね?」

~~~

凛ママ(あかん)

凛ママ(ちょっとわからんぞこれ)

凛ママ(なんだ……なにがいけなかった)

凛ママ(寝る前にがっつり漫画読んだのがいけなかったのか……?それしか思い出せない)

凛ママ(なにもかもSLAM DUNKが悪い)

~~~

花陽ママ「どうだった~?」

凛ママ「おおおお、おう。ままま、まあ余裕だったよよやよよ」

花陽ママ(ダメだったんだろうなぁ……)

44: 2015/12/17(木) 22:59:20.54 ID:gRC72BQX0.net
~結果~

花陽ママ「また高坂さんが一番だねぇ……」

凛ママ「お前は……2番か」

花陽ママ「わーい。……で、あなたは?」

凛ママ「えーとえーと」

花陽ママ「……こら、下から数えない」

凛ママ「いや絶対そっちのほうが早いって」

花陽ママ「前向きに考えなよ……」

花陽ママ「……あ」

花陽ママ「ほら、見てご覧」

凛ママ「ん?」

凛ママ「……お、おお!?」

花陽ママ「50番以内……すごいじゃない!」

凛ママ「う、うん。2番に言われてもなんかあれだけど……」

凛ママ「ちょ、ちょっといい気分だな……!」

45: 2015/12/17(木) 23:12:58.59 ID:gRC72BQX0.net
凛ママ「よーし、早速遊びに行こう!」

花陽ママ「どこに行くの?」

凛ママ「どうしようか……」

凛ママ「あ、そういえば近くに和菓子屋見つけたんだよ。行ってみない?」

花陽ママ「和菓子屋?あなた和菓子って好きだったっけ?」

凛ママ「栗饅頭とか好きだよ」

花陽ママ「ふうーん。じゃ、行ってみよっか」

~~~

ガララッ

ほのママ「いらっしゃいませー!」

凛ママ「……ん?」

花陽ママ「……高坂さん?」

ほのママ「はい?……あ、同級生か。初めまして」

花陽ママ「初めまして……高坂さん、ここのお店で働いてるんですか?」

ほのママ「っていうか家だよ」

花陽ママ「そうなんですか? ……いつもお手伝いを?」

ほのママ「そうだねー、任される時は結構あるかな」

凛ママ「大変だな」

ほのママ「でも楽しいよ、和菓子作りとかも」

凛ママ「そうなのか……あ、栗饅頭ある?」

ほのママ「ありますよー、えーと……」

~~~

アリガトウゴザイマシター!

花陽ママ「……ね?高坂さん、勉強が友達、な人じゃないでしょ?」

凛ママ「だったなー」ムシャムシャ

花陽ママ「もう食べてる……」

凛ママ「うまっ」

47: 2015/12/17(木) 23:18:46.31 ID:gRC72BQX0.net
~季節は変わり、七月~

凛ママ「もうすぐ夏休みだなー」

花陽ママ「だねぇ」

凛ママ「なんとか期末テストも乗り越えて、補修もなし……」

凛ママ「最高だな!!」

花陽ママ「でも課題は出されたでしょ?ちゃんとやらなきゃダメだよ?」

凛ママ「わかってるわかってる」

凛ママ(ぐひひ、どうせこいつがさっさと終わらせるだろうから写させてもらおっと……)

花陽ママ「言っておくけど、見せてあげないよ」

凛ママ「ええっ!?なんでだ!?」

花陽ママ「やっぱりその気だったんだ……」

63: 2015/12/18(金) 13:59:14.34 ID:jwj4rXMR0.net
花陽ママ「もう高校生なんだから、課題くらいは自分でやらないと」

凛ママ「はい出たよ、優等生にありがちなのが」

花陽ママ「中学の時も散々言ってきたでしょ?」

凛ママ「忘れた」

花陽ママ「出たよダメな学生にありがちなのが……」

凛ママ「課題なんてぜーんぶ復習なんだし、新しい事書いてるわけじゃないんだからしなくても平気だろ」

花陽ママ「課題テストあるけど……?」

凛ママ「あれ直接内申点には響かないんだしへーきへーき」

花陽ママ「……」ムッ

花陽ママ「だったら、やっぱり課題なんてしなくていいよね! 見せてあげないからね!」

凛ママ「んおー、いいよいいよ。最初から真面目にする気はなかったし」

花陽ママ「本当に知らないからね!?」

凛ママ「うんうん」

凛ママ「それより夏休みどこ行く?」

花陽ママ「それよりにしないで!?」

65: 2015/12/18(金) 14:19:17.46 ID:jwj4rXMR0.net
~~~

凛ママ「海だー!」

花陽ママ「元気だね……バスで長い事座ってたから疲れちゃった……」

凛ママ「寝てたしな!ほら、行こう!海が待ってる!」

花陽ママ「あ、ちょっと待って!ちゃんと日焼け止め塗っておかないと……」

~~~

凛ママ「ちべたーい!」

花陽ママ「綺麗だねー」

凛ママ「そりゃっ!」ピシャッ

花陽ママ「わぷっ!」バシャ

花陽ママ「やったな~?」

66: 2015/12/18(金) 14:28:46.64 ID:jwj4rXMR0.net
凛ママ「」キャッキャッ

花陽ママ「」アハアハ


ことりママ「……ん?あの子……」

真姫ママ「どうしたの?」

ことりママ「……いえ、なんでもないわ」

真姫ママ「そう?じゃ、早く続きよ。後少しなんだから」

ことりママ「砂でお城なんて、いつぶりかしらね」

真姫ママ「私はいつも作ってるのよ?」

~~~

凛ママ「あー……腹へったな」グー

花陽ママ「そろそろお昼にしよっか」

凛ママ「だな……」

花陽ママ「さっき立てておいたパラソルに戻ろ。お弁当作ってきたからさ」

凛ママ「いやっほー」


花陽ママ「ちょっと作りすぎちゃったかな……?」パカッ

凛ママ「おおー!美味そう!いただきまーす!」

凛ママ「うめー!」ムシャムシャ

花陽ママ「私も……」モグモグ

凛ママ「おにぎりに昆布入ってるじゃん。うまい」モグモグ

花陽ママ「美味しよね、昆布」

凛ママ「からあげ、からあげ……醤油だれ!うんまーい!」ムシャムシャモグモグ

花陽ママ「……」

花陽ママ(お母さんの気持ち、ちょっとわかったかも)

凛ママ「ん?どした?」

花陽ママ「ううん、なんでもない」

凛ママ「そか」ムシャムシャ

69: 2015/12/18(金) 15:10:44.28 ID:jwj4rXMR0.net
凛ママ「ううーん、満足」

花陽ママ「食べ切るとは思わなかったなぁ……」

凛ママ「美味かった」

凛ママ「さて、なにしよっかな」

花陽ママ「ちょっと、もう少し休憩しない?食べてすぐは……」

凛ママ「そうか?」

花陽ママ「うん」

凛ママ「ふーむ……」


ことりママ「――久しぶりね」

凛ママ「んあ?」

70: 2015/12/18(金) 16:09:39.52 ID:jwj4rXMR0.net
花陽ママ「生徒会長?!」

凛ママ「ども」

ことりママ「雨の日以来ね」

花陽ママ「?」

凛ママ「ああ、いやな……」

~~~

花陽ママ「そうだったんですか」

凛ママ「あの時は生徒会長なんて知らなかったなぁ」

ことりママ「ふふ、いいのよ」

ことりママ「今日はふたり?」

花陽ママ「はい」

凛ママ「そうだよ」

ことりママ「……まあいいでしょう」

ことりママ「ところで二人は、スイカは好き?」

花陽ママ「ええ、人並みには」

凛ママ「好き」

凛ママ「くれるの?」

ことりママ「んー、どうなるかしらね?」

ことりママ「こっち来て」

~~~

真姫ママ「……ん?その子達は?」

ことりママ「後輩よ。偶然会ったから、連れてきちゃった」

花陽ママ「初めまして」

真姫ママ「うん。初めまして」

凛ママ「ども」

ことりママ「それじゃ、さっそくしましょうか」

ことりママ「スイカ割り」

71: 2015/12/18(金) 16:15:36.79 ID:jwj4rXMR0.net
凛ママ「どりゃあ!」バッコーン

真姫ママ「わあ、綺麗に割れたわね~」

ことりママ「しかも一発」

凛ママ「得意だよ、こういうのは」

花陽ママ(……敬語)

花陽ママ(いいのかな……?)

ことりママ「食べましょうか」

凛ママ「おう」

花陽ママ「あ、私は大丈夫です……」

花陽ママ(もうお腹いっぱいだし……)

ことりママ「そう?なら少し余っちゃうわね……」

凛ママ「食べていいなら食べるけど」

花陽ママ(なんで入るんだろ……?)

74: 2015/12/18(金) 18:04:18.65 ID:jwj4rXMR0.net
ことりママ「……そろそろ、私達は帰りましょうか」

真姫ママ「そうね……貴方達も気をつけて帰ってね」

花陽ママ「はい」

凛ママ「じゃーねー」

~~~

花陽ママ「それじゃ、帰ろうか」

凛ママ「おう……いやー、いいね。まだ夏休み始まったばかりだから、まだまだ遊べる」

花陽ママ「そりゃあね。……部活とか、入ろうと思わなかったの?」

凛ママ「ん?いや、別に。特にやりたい事もなかったし」

花陽ママ「そっか」

凛ママ「うーーん! さっ、帰るか」

花陽ママ「来年も来ようね」

凛ママ「来年と言わず、来週くらいに行こうぜ?」

花陽ママ「うーん、どうかな……」

~~~
そして、楽しい夏休みは過ぎていき……

凛ママ「さて」

凛ママ「休みも残り五日な訳だが」

凛ママ「課題何一つやってねぇな……」

75: 2015/12/18(金) 18:12:03.06 ID:jwj4rXMR0.net
凛ママ「うーん……」

凛ママ「どうすっかなぁ……」

凛ママ「面倒くさいなぁ……」ペラッ

凛ママ「……ん?」

凛ママ「ありゃ、そんなに難しくないのな」

~~~

凛ママ「……終わりそうじゃん?」

凛ママ「なんだよなんだよ、もしかすると私はやれば出来る子だったのか?」

ピンポーン

凛ママ「ん? ……はい?」ガチャ

花陽ママ「……」

凛ママ「お、ちょうどいいところに。なあ聞いてくれよ、実は課題」

花陽ママ「今日、なんで学校来なかったの?」

凛ママ「え?だって休みじゃん」

花陽ママ「今日登校日だよ」

凛ママ「」

花陽ママ「わすれてたね……?」

76: 2015/12/18(金) 18:36:35.69 ID:jwj4rXMR0.net
~~~

凛ママ「明日で夏休み終わりか……」

花陽ママ「そうだねえ」

凛ママ「なにか、最後にしようぜ。なんかやってない事……あ」

凛ママ「そうだ、なんだ、まだあれやってなかったな!」

花陽ママ「あれ?」

凛ママ「花火!」

凛ママ「さっそく買って来る!」

~~~

凛ママ「うおおおお、どこ行っても売り切れなんだけど!」

花陽ママ「あちゃー……」

凛ママ「ぬう、なあ、倉庫とかにあったりしない?」

花陽ママ「ないかな……」

凛ママ「そうかぁ……」(´・ω・`)

77: 2015/12/18(金) 19:12:28.98 ID:jwj4rXMR0.net
真姫ママ「……あら、貴方達、海で会った……」

花陽ママ「あ、どうも」

真姫ママ「どうしたの……なんか暗いけど」

凛ママ「かくかくしかじかで」

真姫ママ「なるほど……」

花陽ママ(えっ、なんでわかったの……?)

真姫ママ「それならちょうどよかったかも」

凛ママ「え?」

真姫ママ「着いてきて」

~~~

真姫ママ「……ってわけで、連れてきちゃったけど、いい?」

ことりママ「もちろんよ」

凛ママ「おおー、会長」

花陽ママ「こんにちわ」

ことりママ「こんにちわ……花火がしたいのよね?」

凛ママ「ああ」

花陽ママ「もしかして……」

真姫ママ「ええ。実は私達も、やるつもりだったの」

真姫ママ「一緒にやりましょ」

凛ママ「ほんと!?さんきゅー!」

78: 2015/12/18(金) 19:32:22.80 ID:jwj4rXMR0.net
~~~

凛ママ「ひえー!ふぁいやー!」

花陽ママ「あぶないあぶない!」

真姫ママ「気をつけてね」

ことりママ「騒がしいのも嫌いじゃないけどね」

凛ママ「線香花火で誰が一番長く落とさずにいられるか競おうぜ」

花陽ママ「うんー」

ことりママ「負けないわよ~」

真姫ママ「いえーい」

凛ママ「最初に落とした奴罰ゲームな!」

凛ママ「ぐひひ」

花陽ママ「悪い顔……」

~~~

81: 2015/12/18(金) 20:17:47.53 ID:jwj4rXMR0.net
凛ママ「……」

花陽ママ「で、なににしようか、罰ゲーム」

ことりママ「そうねえ……」

真姫ママ「うーん」

凛ママ「……」

真姫ママ「あ、そうだ。二学期の文化祭で、ミスコンあるじゃない」

真姫ママ「それに出てもらいましょ」

凛ママ「はあ!?やだよ!」

ことりママ「それいいわねぇ、とっても」

凛ママ「ちょ!?」

花陽ママ「私もいいと思うな~」

凛ママ「おまっ……」

凛ママ「……え、マジで?」

ことりママ「何着てもらおうか」

真姫ママ「罰ゲームだからね、あなたが普段絶対に着そうにないもの……」

花陽ママ「そうですねぇ……」

凛ママ「いや、そんな真面目に考えなくても……」

82: 2015/12/18(金) 20:27:29.71 ID:jwj4rXMR0.net
ことりママ「決まったわ、あなたに着てもらう服は」

真姫ママ「メイド服よ」

凛ママ「なぜぇ!?」

真姫ママ「ごめんなさい、ベタすぎるほどベタだけど、きっと似合うわ」

凛ママ「そういう問題じゃねぇ!」

ことりママ「大丈夫、あなた一人だけに恥ずかしい思いはさせないわ」

ことりママ「今年はそういう衣装を着るっていう前提のミスコンにするわ」

凛ママ「だからそういう問題じゃねぇって言ってるだろ!?!」

花陽ママ「楽しみだな~」

凛ママ「うおおおい!?」

84: 2015/12/18(金) 20:40:46.26 ID:jwj4rXMR0.net
※いまから20年前くらいにメイド服とかって文化が存在したの?っていうのは無しで。勘弁してくだしあ。許してくださいなんでも※


~~~

9月。

ことりママ「調達してきたわ」

凛ママ「しなくてよかったのに……」

凛ママ「会長がなにやってんのさ……」

花陽ママ「さっそく放課後着てみて~」

凛ママ「嫌だなぁ……はあ……」

真姫ママ「罰ゲームだからね、仕方ないわね」

凛ママ「くそう……」

~放課後~

ことりママ「あら……」

真姫ママ「似合ってるじゃない」

花陽ママ「可愛い~」

凛ママ「……」プルプルプル

凛ママ「……脱いでいいか?」

花陽ママ「だめー」

凛ママ「うおおおお……」

85: 2015/12/18(金) 20:49:00.39 ID:jwj4rXMR0.net
ことりママ「これは優勝だって狙えるんじゃない?」

凛ママ「いや無理だろ……私みたいなのが……」

真姫ママ「え、そう?あなたって、とっても可愛いと思うけど」

花陽ママ「そうだよ、可愛いよ?」

凛ママ「いやいや……」

凛ママ「ないない……」

ことりママ「……」

真姫ママ「鏡見てみなさい、可愛いじゃないの」

凛ママ「いや自分じゃわかんないから……」

86: 2015/12/18(金) 20:58:05.29 ID:jwj4rXMR0.net
ことりママ「……わかったわ」

凛ママ「お、わかってくれたか」

ことりママ「足りないのはこれよ」猫耳

凛ママ「なにひとつわかってないな!?」

真姫ママ「完璧ね……」

凛ママ「いや、流石にそれは勘弁してくれ……」

花陽ママ「じゃんけんで決めようか」

花陽ママ「負けたらつけてね」

凛ママ「なんで!?なんでそんな余計な事言うんだよ!?」

花陽ママ「じゃーんけーん」

凛ママ「ちょ、ま」

~~~

ことりママ「可愛いわ!とっても」

凛ママ「………………」

真姫ママ「どうせならしっぽも」

凛ママ「いい加減にしろォ!!」

88: 2015/12/18(金) 21:19:27.84 ID:jwj4rXMR0.net
文化祭まで残り3日。

凛ママ「そういえば、今更だけど、うちのクラスはなんで普通のバナナ売るんだ?」

凛ママ「なんでプレーンバナーナ?チョコバナナとかさ」

花陽ママ「チョコが用意出来なかったんだって」

凛ママ「ならいっそバナナもやめておけばいいのに……」

花陽ママ「それはそれで売るもの無くなって困るけどね……」

花陽ママ「そういえば、今日はミスコンの打ち合わせがあるんじゃなかったの?」

凛ママ「ん、ああ、そうだったな……ちょっと行ってくる」

花陽ママ「うん」

~~~

ことりママ「あ、来たわね」

凛ママ「誰のせいだろうな……」

ことりママ「今、順番を決めるくじ引きをしてるところ……」

ことりママ「今回はすごいわよ、各クラス各学年から美人って評判の娘がいっぱい出場するの」

凛ママ「ふーん……例えば?」

ことりママ「そうね、例えば……」

ことりママ「まず今年、主席で入学した高坂さんね」

凛ママ「へえ、そうなのか」

ことりママ「まあ彼女の場合は、こういう催し物には積極的に参加するタイプみたいね」

ことりママ「後は、あの人ね……園田さんね」

凛ママ「園田……?」

ことりママ「園田流道場の跡継ぎだとかなんだとか」

海未ママ「……」

凛ママ「ふうん……そんな奴がミスコンなんかに出るのか」

ことりママ「弓道部の主将にいわれて、しぶしぶ、って感じらしいけどね」

ことりママ「でも、綺麗な娘でしょ?」

凛ママ「まあ、そだな」

89: 2015/12/18(金) 21:31:16.62 ID:jwj4rXMR0.net
凛ママ「さーて、何番かなー」

~~~

凛ママ「最後かよ……」

ことりママ「頑張ってね」

凛ママ「あい……」

~~~

凛ママ「はぁ~あ、やだなー、ミスコン……」

花陽ママ「ファイトだよ」

凛ママ「……んー」

花陽ママ「優勝出来たらなにか奢ってあげるよ」

凛ママ「あ、マジで?」

凛ママ「じゃあカラオケ」

花陽ママ「うーーん……まっ、いいよ」

花陽ママ「出来たらだよ?」

凛ママ「わかってるよ」

91: 2015/12/18(金) 22:15:12.82 ID:jwj4rXMR0.net
~当日~

「さー、いよいよ始まりました、音ノ木坂ミスコンテスト!」

「司会は私、音ノ木坂学院生徒会長が務めさせていただきます」

うおおおおおーー!!

凛ママ「……なんで女子高のミスコンにあんなに男がいるんだ」

真姫ママ「やっぱり、そういうものなのよ」

凛ママ「そういうものなのか……?」

ことりママ『さて、まず一人目は……今年、主席入学の高坂さんです!』

ウオオオオオ!!!

ほのママ「どうもー、音ノ木坂学院をよろしくおねがいしまーす!」

アオアオオオオオ!!!

ことりママ『おや、高坂さん、チャイナドレスが似合ってますね』

高坂「実家は中華とは違って和菓子屋ですけどね」

アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \

ことりママ『さあ、次は弓道部の次期主将と噂の……園田さん!』

オオオオオオオオッ!

海未ママ「……」

ことりママ『特に着飾らず、制服……ん?いや、これは……あ、セーラー服ですね』

ウオオオオオオッ!

海未ママ「……」

ことりママ『クールですねぇ、動じない感じ、私好きですよ』

ことりママ『さ、次は……』

~~~

ことりママ『さあ、最後は……ちょっと怖い?でも実は?な、一年生です!』

凛ママ(後でぶっとばす)

94: 2015/12/18(金) 22:46:21.56 ID:jwj4rXMR0.net
ヌオオオオオオッ!!!

ことりママ『おや、おやおや、これは意外な格好をしていますね』

ことりママ『メイド服とは』

凛ママ(誰が着させた、誰が!)

ことりママ『普段のがさつな振る舞いと性格とは裏腹に、可愛らしい格好をしてくれましたね


凛ママ(好き勝手言ってくれるねぇ!?)

ことりママ『なにか、一言あります?』

凛ママ(なんで私だけにんな事振るんだ!やめろ!?)

凛ママ「…………特に、なにも」

オオオオオオオオッ!!!!

凛ママ(なんでだよ……)

ことりママ『ギャップですね、これがいいんですね』

ことりママ『……さて、これで全出場者が終わりました』

ことりママ『いまから、投票時間を設けますので、一番可愛いと思った女の子に、票をいれてください』

ことりママ『……さあ、ミス・音ノ木坂は誰の手に!?』

…………

ことりママ『集計結果が出ました……』

ことりママ『優勝は――』

95: 2015/12/18(金) 22:55:07.74 ID:jwj4rXMR0.net
~~~

花陽ママ「二位おめでとう」

凛ママ「ん、あんがと」

真姫ママ「いやぁ、よかったわよ、本当。びっくりしたわ」

凛ママ「そいつはどーも……そういや、結局一位って誰だったんだ?」

ことりママ「えっーと」

ことりママ「東條っていう三年生ね。確かに綺麗な人だったわ」

凛ママ「ふぅん……」

真姫ママ「……なぁに?実はちょっと悔しい?」

凛ママ「ばっ、んな事ねーよ……」

花陽ママ「でも、二位だよ、二位」

凛ママ「この学校で2番目に可愛くて、一年生で一番可愛いって事だよ?」

凛ママ「私なんかよりお前のほうが可愛いと思うけどな……」

96: 2015/12/18(金) 23:04:19.74 ID:jwj4rXMR0.net
凛ママ「ちょっとトイレ……」

花陽ママ「うん。先に教室で待ってるね」

~~~

凛ママ「ふう……」

ブツブツブツ……

凛ママ「……ん?」


海未ママ「……」ブツブツブツ……

凛ママ(……園田、だっけ?……何ブツブツ言ってんだ?)

海未ママ「恥ずかしい……なぜ私があんな事を……男の人すごいいたし……」

海未ママ「主将もなぜ私に……」

海未ママ「弓道部をアピールしてきて、なんて言われても……」

海未ママ「緊張で何も言えなかったです……」ショボン

凛ママ「……」

凛ママ「……戻ろ」

103: 2015/12/19(土) 06:20:06.18 ID:/UNCVNho0.net
~~~~~~

~11月~

花陽ママ「ううっ、もう寒くなってきたね~……」

凛ママ「寒いのは嫌だなぁ……」

凛ママ「暑い方が絶対にいいよな……」

花陽ママ「そういえば、もうすぐ期末テストだけど、ちゃんと勉強してる?」

花陽ママ「中間テスト、散々だったよね?」

凛ママ「あー……」

花陽ママ「一年生の時から、しっかり点数をとっておく事が大切なんだよ」

凛ママ「えー、んな事言われても」

花陽ママ「もう、それが通るのは中学まで。ちゃんとしないと、留年しちゃっても、知らないんだからね?」

凛ママ「気をつけますよー」

104: 2015/12/19(土) 06:20:40.56 ID:/UNCVNho0.net
※寝落ちしてました。焦った※

105: 2015/12/19(土) 07:07:07.39 ID:/UNCVNho0.net
凛ママ「……そういえば」

凛ママ「お前卒業したらどうするんだ?」

花陽ママ「え、いきなりどうしたの?」

凛ママ「いや、なんとなく」

花陽ママ「そっかぁ……卒業かあ」

花陽ママ「入学して一年も経ってないのにもう卒業の話かぁ……今のところ、特には決めてないよ」

凛ママ「ふーん」

花陽ママ「大学に行くか、就職するか……」

凛ママ「大学なんて行きたくねぇなぁ、もう勉強したくない」

花陽ママ「今も大してやってないじゃない……」

108: 2015/12/19(土) 08:31:38.77 ID:/UNCVNho0.net
凛ママ「やりたい事とか、見つけなきゃな」

花陽ママ「どうしたの本当に。珍しく真面目なこと言って」

凛ママ「ひっでぇな……」

花陽ママ「だって本当でしょ?」

凛ママ「……」

花陽ママ「まあその前に、卒業はしてよね?」

花陽ママ「じゃないと始まらないよ」

凛ママ「あーもう、わかったわかった……」

凛ママ「卒業はする、するから」

花陽ママ「ん、よかった」

~~~

12月。

花陽ママ「今年ももう終わるねぇ……」

凛ママ「早かったな」

花陽ママ「うん。来年はもう二年生だよ」

凛ママ「そだな」

『クリスマスキャンペーン実施中!』

凛ママ「クリスマスかあ……」

花陽ママ「なにか予定が?」

凛ママ「いいや?なーんも」

花陽ママ「だよね」

凛ママ「あ?」

花陽ママ「なんでもないよ」

109: 2015/12/19(土) 08:38:11.73 ID:/UNCVNho0.net
凛ママ「大体恋愛なんて興味ないし……」

花陽ママ「……」

花陽ママ「私、今年のクリスマスは彼氏と過ごすんだ」

凛ママ「へー」

凛ママ「……」

花陽ママ「……」

凛ママ「は!?」

花陽ママ「反応おそっ」

凛ママ「ええええいつの間に……」

花陽ママ「夏には」

凛ママ「ええええええマジで!?いつの間に!?」

凛ママ「え、なに、したの、されたの?」

花陽ママ「なにを?」

凛ママ「告白」

花陽ママ「したよ」

凛ママ「……」ヒエー

凛ママ「……なんか、その」

凛ママ「なんかしたのか……?」

花陽ママ「キスとか」

凛ママ「ひえー!」

花陽ママ「まあ嘘だけどさ」

凛ママ「どんな……ん?」

花陽ママ「いやまあ、最初から嘘なんだけどね」

凛ママ「……」

111: 2015/12/19(土) 09:05:20.91 ID:/UNCVNho0.net
花陽ママ「痛い痛い、どつかないで」

凛ママ「びっくりしただろうがゴラァ!!」

花陽ママ「ごめんごめん」

凛ママ「ったく……」

花陽ママ(……でもやっぱり、私の方が先に彼氏とか出来る自信があるなぁ)

花陽ママ「……クリスマス、うち来る?」

凛ママ「行く行く、ターキー用意してくれよ?」

114: 2015/12/19(土) 12:13:43.32 ID:/UNCVNho0.net
花陽ママ「いらっしゃ~い」

凛ママ「お邪魔しまーす」

凛ママ「あ、いい匂い……」クンクン

花陽ママ「ターキー用意したよ……それと、やっぱりクリスマスと言えば」

~~~

花陽ママ「ケーキでしょ」

凛ママ「おおっー」

凛ママ「ターキーとケーキってなんか似てない?」

花陽ママ「字面はね……」

花陽祖母「いらっしゃい」

凛ママ「ども……あれ、親父さんは?」

花陽祖母「サービス中よ」

凛ママ「……ああ、なるほど」

花陽祖母「あの人の事は気にしなくていいわ。せっかくこの娘も、一生懸命手伝ってくれたんだし、さっそく食べましょう」

~~~

凛ママ「……」モグモグ

凛ママ「うんまーい!」モグモグ

花陽ママ「よかったぁ、それは私が作ったやつだったから」

凛ママ「なんてーの、これ?」モグモグ

花陽ママ「ボルシチ」

凛ママ「へぇー。うん、美味いよ」モグモグ

花陽ママ「えへへ」

115: 2015/12/19(土) 12:19:48.56 ID:/UNCVNho0.net
花陽祖母「さて、二人とも、サンタさんからいいものをあげましょうか」

凛ママ「?」

花陽祖母「はいこれ。……気にいるといいんだけど」

凛ママ「魚」

116: 2015/12/19(土) 12:19:48.91 ID:/UNCVNho0.net
花陽祖母「さて、二人とも、サンタさんからいいものをあげましょうか」

凛ママ「?」

花陽祖母「はいこれ。……気にいるといいんだけど」

凛ママ「魚」

117: 2015/12/19(土) 12:26:42.17 ID:/UNCVNho0.net
凛ママ「魚が猫に噛み付かれてる置物?」

花陽祖母「どうかしら?!」

凛ママ「…………うん、まあ、ありがとう」

花陽祖母「それと、はい」

花陽ママ「……おにぎりストラップ?」

花陽祖母「どうかしら?!」

花陽ママ「ありがとう、お母さん」

花陽祖母「ふふっ、喜んでもらえたなら、良かったわ」

~~~

花陽ママ「……あ」

凛ママ「ん?どした」モグモグ

花陽ママ「雪……」

凛ママ「おお……」

119: 2015/12/19(土) 12:38:56.26 ID:/UNCVNho0.net
凛ママ「ホワイトクリスマスか」

花陽ママ「そうだねぇ」

花陽祖母「……貴方達、彼氏くらい出来ないの?」

花陽ママ「で、出来ないのって……」

凛ママ「別に彼氏とかいらない……」

凛ママ「結婚だってする気ないんだし……」

花陽祖母「あら、結婚は一種のゴールなのよ?」

凛ママ「でもなぁ……」

花陽ママ「あなたってどんな人が好みなの?」

凛ママ「ええ?別に……本当にそういうのは……」

凛ママ「まっ、強いて言うなら私の相手して愛想つかないような奴なら、いいんじゃねぇかな」

花陽ママ「ふーん……」

凛ママ「いないだろそんなの」

121: 2015/12/19(土) 12:56:30.16 ID:/UNCVNho0.net
凛ママ「……じゃあ、次会うのは年明けかな」

花陽ママ「うん。ばいばい」

凛ママ「じゃなー」

~~~

凛ママ「彼氏ねぇ……」

凛ママ「ないな、うん。ない」

凛ママ「ふぁあ……早く帰って、寝るか……」

~~~
一月。

凛ママ「あけおめー」

花陽ママ「うん、あけましておめでとうございます」

凛ママ「199×年ですよ。早いもんだなー」

花陽ママ「だねー」

花陽ママ「今年の抱負とか、決めた?」

凛ママ「ん、そだな」

凛ママ「一攫千金」

花陽ママ「貪欲……」

凛ママ「いいじゃん、別に」

132: 2015/12/19(土) 13:47:37.93 ID:/UNCVNho0.net
凛ママ「お前は?」

花陽ママ「うーん、健康第一」

凛ママ「普通だな」

花陽ママ「普通が一番だよ」

凛ママ「ふうん……ん?」

ことりママ「……あら、久しぶりね」

真姫ママ「あけましておめでとう」

花陽ママ「あけましておめでとうございます」

凛ママ「あけおめー」

花陽ママ「お二人は、何をお願いしました?」

ことりママ「んー、やっぱり、合格かしらね」

ことりママ「今年で三年生なわけだし、やっぱりね」

真姫ママ「私は医学部に、この娘は、まあ無難に大学」

花陽ママ「そうなんですか……頑張ってくださいね」

凛ママ「まあ、頑張れ」

ことりママ「ありがとう……次は貴方達もよ?」

凛ママ「ははっ、私は大学行かないからいーの」

133: 2015/12/19(土) 14:11:06.97 ID:/UNCVNho0.net
~~~

二月。

凛ママ「街中がバレンタイン一色でうざったい」

花陽ママ「急だね……」

凛ママ「今日、学校来る途中もいろいろ目に入ってな」

~~~

モブ『そ、園田さん、これ受け取ってください!』

海未ママ『……どうも。ありがとうございます』

モブ『私のも!』

海未ママ『……ありがとうございます』

海未ママ(……なぜこの娘たちはチョコレートをくれるのでしょうか?)

~~~

花陽ママ「まあ園田さん、モテそうだしね」

凛ママ「私にはわかんねーな、その感覚」

花陽ママ「まあわかんないだろうね」

花陽ママ「私もわかんないけど」

凛ママ「まあいいや。帰ろーぜ」

花陽ママ「うん」

~~~

凛ママ「……?なんか入ってる」ガサゴソ

花陽ママ「なになに?」

凛ママ「なぁにこれ、♡便箋ついてる」

凛ママ「……なんかメモっぽいのが」

凛ママ「……文化祭でのミスコンでファンになりました、私の気持ち受け取ってください……ってさ?」

花陽ママ「チョコレートだね」

凛ママ「えー……」

花陽ママ「あっちゃったね、こんな事が」

134: 2015/12/19(土) 14:21:47.70 ID:/UNCVNho0.net
凛ママ「まあ美味いけどさ」モグモグ

花陽ママ「家帰ってから食べればいいのに……」

凛ママ「靴の臭いとかついてそう、って考えたらさっさと食べなきゃって思って」

花陽ママ「そっかぁ」

花陽ママ「じゃ、染み付いてないのなら、平気だよね?」ヒョイ

凛ママ「あ、くれるの?」

花陽ママ「あげるよ」

凛ママ「さんきゅー」モグモグ

花陽ママ「だから今食べなくてもいいのに……」

凛ママ「今食べたいんだよ」モグモグ

135: 2015/12/19(土) 14:35:49.06 ID:/UNCVNho0.net
~~~
三月。

凛ママ「……」

『ホワイトデーキャンペーン実施中』

凛ママ「……」

凛ママ「……ふむ」

~~~

花陽ママ「おはよう」

凛ママ「んー」

凛ママ「ん」

花陽ママ「……ん?」

花陽ママ「なにこれ?」

凛ママ「お返し」

花陽ママ「……!」

凛ママ「…………いらない?」

花陽ママ「いや、貰う、貰うよ」

花陽ママ「ありがとう」

凛ママ「んー……」

136: 2015/12/19(土) 15:09:25.75 ID:/UNCVNho0.net
~~~四月。

凛ママ「うーん」

花陽ママ「どうしたの?」

凛ママ「いや、一年ってはえーなー、って思ってさ」

花陽ママ「そうだね……さらに来年はもう三年生だね」

凛ママ「その頃にはもう会長とかもいねーんだな」

花陽ママ「だねー」

凛ママ「来年には後輩が出来るんだよな」

花陽ママ「うん」

凛ママ「責任感もできちまうわけだ」

花陽ママ「そうだね」

凛ママ「だからさ」

137: 2015/12/19(土) 15:23:43.14 ID:/UNCVNho0.net
凛ママ「課題を見せてくれ」

花陽ママ「えっとね」

花陽ママ「脈絡関係ないよね?なんでちょっといい話っぽくしようとしたの?」

凛ママ「巧みな話術でさりげなく借りようと思ってな」

花陽ママ「だめです」

凛ママ「ちくしょー!!」

花陽ママ「二年生になるんだから、課題くらいちゃんとやってね!」

凛ママ「ぎえぇええ……」

花陽ママ「わかった?」

凛ママ「あー、はいはい、わかったわかったよ……」

凛ママ「とりあえず、二年生でもクラスは同じかね……」

花陽ママ「どうだろうね、わかんないや」

凛ママ「ま、その時はよろしく」

花陽ママ「うん」



凛ママ「あー、とりあえず、課題見せてよ。本気はそのあと」

花陽ママ「ダメ」

凛ママ「ちくしょおおおお!!」


おしまい。

138: 2015/12/19(土) 15:25:46.94 ID:/UNCVNho0.net
凛ママ(17)「無理だわー、絶対に無理だわー」花陽ママ(17)「いや、もう二年生なんだからさ……」

に続く※

: 凛ママ(16)「ふーん、音ノ木坂学院ねぇ……」花陽ママ(16)「入学しちゃったねぇ」