366: ◆UCaKi7reYU 2013/07/05(金) 16:54:34.05 ID:Ciyrvjyq0
モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです
前回はコチラ
―――とある日、日菜子のマンション前。
「はわぁ……どうしましょう」
「……………にゃ」
「どこか忘れてしまいましたぁ……ほえぇ…」
「……そうかにゃ」
「ふえぇ……確かこの近くのはずなんですぅ…」
「……なるほどにゃ」
「困りましたぁ……くとさんは何わかりますかぁ?」
『×』
ペシペシペシペシ。
「………………にゃあ」
「ほえぇ………本当どうしましょう…」
『…』
ペシペシペシペシ。
「……………ほえぇ~」
「………にゃあもうなんなんだにゃこれっていうかコイツなんとかするにゃさっきからペシペシペシペシみくになんの恨みがあるんだにゃ果てしなく鬱陶しいにゃあああ!!?」
『?』
「ふえ?」
「………むふふ♪」
「そこ!見てないで助けるにゃあ!ゼッタイ日菜子ちゃんの関係者にゃこの感覚は!」
―――その日、みくは、超弩級天然少女と、手のひらサイズで緑色のタコに遭遇した。
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それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。
それと同じ日に、宇宙から地球を侵略すべく異星人がやってきました。
地球を守るべくやってきた宇宙の平和を守る異星人もやってきました。
異世界から選ばれし戦士を求める使者がやってきました。
悪のカリスマが世界征服をたくらみました。
突然超能力に目覚めた人々が現れました。
未来から過去を変えるためにやってきた戦士がいました。
他にも隕石が降ってきたり、先祖から伝えられてきた業を目覚めさせた人がいたり。
それから、それから――
たくさんのヒーローと侵略者と、それに巻き込まれる人が現れました。
その日から、ヒーローと侵略者と、正義の味方と悪者と。
戦ったり、戦わなかったり、協力したり、足を引っ張ったり。
ヒーローと侵略者がたくさんいる世界が普通になりました。
「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。
・一発ネタからシリアス長編までご自由にどうぞ。
367: 2013/07/05(金) 16:56:25.36 ID:Ciyrvjyq0
―――所変わって、日菜子家。
「あ、おかえりー」
「……愛梨ちゃんなんで居るにゃ?」
「……暑かったから?」
「あ~!愛梨さんこんにちわです~」
「久しぶりだねー里美ちゃん!」
『!』
「ん、くとさんも久しぶりー!」
みくと日菜子、そして榊原里美と名乗った少女とその頭の上に乗っている謎のタコ『くとさん』が日菜子の家に入ると当たり前のように十時愛梨が居て、勝手に麦茶を飲んでいた。
とりあえず4人で机を囲んで座る。
「………………にゃあ」
「あれ、どうしたのみくちゃん?」
と、みくがなぜか落ち着き無く尻尾を振っている事に気づいた愛梨が声をかける。
「どうしたもこうしたもないにゃ。慣れはしたけどやっぱり3人+オマケまで居たら落ち着かないにゃ」
「みくさんはなかなか感受性が強いですからねぇ…感じ取ってしまうのもむりないですよぉ」
「はい、くとさんお茶ですよ~」
『♪』
「………いや、なんかもうどうでもいいにゃ…」
脱力したように座り込み机に突っ伏すみく。
その右側では里美がくとさんにお茶を与えていた。
―――このくとさん、見た目はほぼタコなのだがジェスチャーで意思疎通ができていた。
…………ただし、その姿は可愛いというか、むしろガリガリと何かゲージ的な物を削られて脱力してしまうようなものなのだが。
368: 2013/07/05(金) 16:57:51.71 ID:Ciyrvjyq0
「それにしても今日も暑いですねー……あ、脱いでいいですか?」
「やめるにゃ、女の子しか居ないけどその凶器を出すのはやめるにゃ」
「むふふ……確かに暑いですねぇ…あ、日菜子もちょっと汗がでてきましたぁ」
「日菜子ちゃん便乗しないでほしいにゃ、十中八九面白がってるってのはお見通しにゃあ」
「ほえぇ……皆さ脱ぐんですかぁ……なら私も脱ぎます~」
「だぁこのド級天然娘があああ!?なんでホントにぬぐにゃあああああ!!」
『///』
「そこ!赤くなるにゃ茹でダコと変わんないにゃああ!!………はぁ、なんでこんな目に合わなきゃなんないにゃ…」
「はわぁ……お疲れ様です~」
ひとしきりツッコミをした後、ガクンっと心底疲れたように脱力するみく。
「だいたい、もうちょっと色々教えてくれても良いと思うにゃあ」
「何をですかぁ?」
「……のあちゃんから聞いたにゃ。ベルちゃんが日菜子ちゃん達は、なんというか………この世界の条理というか、法則というか、そう言ったものから外れかかってる感じがするって言ってたって」
それは紛れもなく、力を持つ七大罪の悪魔の一人、ベルゼブブの言葉であった。
更にいえば、ある意味妹分である城ヶ崎莉嘉や最近来るようになった北条加蓮もベル程ではないが何か感じ取っていたようだった。
「……確かに、最初はちょっと怖かったにゃ。けど、日菜子ちゃんも愛梨ちゃんも、それにまだよくわかんないけど里美ちゃんもきっと悪い子じゃ無いっていうのは感じるにゃ」
だからこそ、みくは聞いてみようと思った。
―――一緒に過ごしてきた中で、感じた違和感を。
「だから、教えてほしいにゃ。日菜子ちゃん達が何を抱えてるかを、にゃ」
「…………参りましたねぇ……むふふ」
「えーと、隠してるつもりは無かったんだけどなぁ」
「ほえぇ…」
『…』
「………そうですねぇ、」
そして彼女は、
369: 2013/07/05(金) 16:59:14.30 ID:Ciyrvjyq0
「―――日菜子達は、寂しくて寂しくてしかたがなかった神様たちに魅いられちゃったんですよ……むふふ♪」
―――謳うように、笑うように、憐れむように、懐かしむように、そう言った。
370: 2013/07/05(金) 17:02:27.95 ID:Ciyrvjyq0
「むかしむかし、本当に気が遠くなるくらいとてつもなく昔、この世界に存在していた、旧くて忘れられて世界に否定された神様たち―――『旧支配者』………それが、日菜子とみなさんが内に秘めてるものですよ」
「本当にとてつもなく強い力を持ってたらしいんだけどね……それでも、ある時突然ほとんどが姿を消したって教えられたよ」
「えっとぉ……強すぎたから世界に嫌われたんでしたっけ~?」
『○』
「むふ……そして、嫌われ者の神様たちはその全てがあらゆる場所に分けられて封じられたんです……終わることのない牢獄に」
「それが解けたのが『あの日』なんだよね」
「けど、それでもたくさんダメダメって感じなんですよね~、くとさ~ん」
『○』
「………え?なにまさかとは思ってたけどコイツがそのきゅーしはいしゃって奴なのかにゃ?」
「むふふ…そうですよぉ、くとさんは本当は怖くて忌まわしい神様の一柱なんです」
「ほえぇ……くとさん怖いんですかぁ?」
『×』
「うわっ…色々と台無しになった気がするにゃ」
机の上でふんぞり返っていたのに、里美が天然発動して日菜子の言葉を信じかけると慌てて否定しているタコもどきを見ていると本当に色々と台無しだった。
「むふふ♪……けど、本当にこんなになってしまうくらい運良く封印から開放された神様たちは弱ってたんですよぉ」
「後は……みんなそれぞれ事情が違うし、人に話すような事じゃないから今は言えないけど……こうして、神様たちが存在するために一緒になったんだ」
「……あ、神様と一緒にいることは日菜子後悔してませんよぉ?むしろ日菜子は自分からしましたからぁ♪」
「私も………うん、私も後悔してないかな。きっと、こうするのが一番だったから」
「ほわぁ………私もです~。かわいそうでしたし……大変、でしたから~」
『…』
371: 2013/07/05(金) 17:03:14.21 ID:Ciyrvjyq0
「………とりあえず、今はこのくらいですねぇ……あまり話せる事は少ないですし、一気に説明すると分かりづらいですからぁ…むふふ」
「……なんだかよくわかんなかったけど、やっぱりみくの目に間違いはなかったにゃ」
「ほぇ?」
一通り話を聞いて、けどまだよくわからなかったみくだが、一つだけわかったことがあった。
「3人ともやっぱり悪い子じゃないって事にゃ。それだけ分かってちゃんと話してくれたんだからみくはそれで十分にゃ」
「…流石だなぁ、みくちゃんは」
『○』
空気が和む。
少なくとも、嘘をついている目では無かったし、なら今はこれでいいとみくは思う。
「にゃはは!……にゃ、そろそろ準備しないと莉嘉ちゃんとの約束に間に合わなくなるから、続きはまた今度聞くにゃ」
「はい♪日菜子はいつでも構わないですからねぇ……王子様の事でもありますし………むふ、むふふ♪」
「…そういえば、ずっと気になってたけけど日菜子ちゃんの王子様って名前とかないのかにゃ?いやきっとさっき話した、きゅーしはいしゃってのだとは思うけどにゃあ」
「……知りたいですかぁ?」
「にゃ」
「……………むふ、むふふふふ♪」
ふと起きた一つの疑問。
その答えを持つ少女が、立ち上がると同時にふわっとみくの隣に来る。
「…特別ですからねぇ、ちゃんと聞いてくださいねぇ♪」
372: 2013/07/05(金) 17:04:48.48 ID:Ciyrvjyq0
「―――『這い寄る混沌』―――『ニャルラトホテプ』と呼ばれていた素敵な素敵な日菜子の王子様ですよぉ……むふふ♪」
373: 2013/07/05(金) 17:05:38.90 ID:Ciyrvjyq0
――――――。
「……強いね、みくちゃん」
「みくさんだけじゃないですよぉ……ここに来る人はみんな、心の中に何か強いものを持っていますからぁ」
『…』
「日菜子ちゃんがそう言うなら、きっとそうですよ~」
「……なら、私たちも頑張らないとね!」
「むふふ♪…そうしましょうかぁ♪」
「はわぁ…お二人ともやる気が出てます~、私たちも頑張りましょうね~くとさん」
『!』
みくを見送った後、神に魅入られた者たちは何気ないように話していた。
「とりあえずですけど『原罪』は『悲劇』が起きた場所に埋めておきました……『種』みたいだったので生まれるのはきっと『木』だと思いますよぉ」
「『旧き魔道書』の一冊がありそうな場所を見つけたけど…あそこは『歪み』が酷くて私だけじゃちょっと時間がかかるかも……そんなに強い本じゃなさそうだけど…」
「桃華ちゃんの所は、なんかおかしい動きがあるっておにいちゃんが言ってました~……でも残りの『悪魔』さんも『死神』さんもどこにいるかさっぱりです~…」
『×』
「そうですかぁ……とりあえず、今までどおり一つずつこなしていきましょうかぁ………むふふ♪」
続く?
374: 2013/07/05(金) 17:06:43.84 ID:Ciyrvjyq0
『旧支配者』
→太古の昔、世界を支配していたとされる神々の総称。
強大な力を持つが、ある時世界そのものに存在を否定され、様々な種族の手によってことごとくが封印された。
現在では、一部が封印から脱しているがその力は極端なまでに低下しており、存在を維持するには人間の魂と同化・共存しなければならない。
しかし、それでも古と比べてのパワーダウンであり一般的な目から見れば充分強大な存在である。
『くとさん』
→榊原里美がいつも連れ歩いているタコみたいな緑色のナマモノ。
手のひらサイズであり、ジェスチャーで意思疎通をするがその様子は何かがガリガリと削られていく感覚が起きる少々冒涜的なものだったりする。
その正体は旧支配者の一体であり水の神性。
里美と共生している。
『原罪の種』
→日菜子が回収した原罪の核が変化した、植物の種のような物質。
日菜子曰く、成長するとやがて『木』となるらしい。
現在はとある場所に埋まっているらしい。
『旧き魔道書』
→太古の昔に存在していた力もつ書物。
そのほとんどは歴史の闇に葬られ、人々の記憶からは消え去っている。
しかし、それでも現存はしているらしく空間を超えて様々な場所・世界に散らばっている。
『ニャルラトホテプ』
→『這い寄る混沌』『無貌の神』とも呼ばれる。
旧支配者の中でも特に強大な力をもつ神の一体であり、日菜子と共生している。
今のところ名前以外は謎の存在。
375: 2013/07/05(金) 17:07:24.62 ID:Ciyrvjyq0
・榊原里美
属性:人間?
能力:「水」の操作、???
詳細:
名家中の名家『榊原家』の出身であるドがつくレベルの天然少女。
榊原家は古くから財界や政界と根深い関係にある家系であり、主に監査や査察を受け持ってきた。
のだが、そういった事は『おにいちゃん』にまわることが殆どで里美自身はのびのびと育ったためそういう『暗部』についてはあまり知らない。
いつも『くとさん』と呼ばれるタコみたいな生物を連れて歩いており、ある意味里美のボディガードである。
あまり戦うのは得意ではないと言うが、くとさんがサポートしているためやはり侮れなかったりする。
・イベント情報
1.原罪の核が種になって埋められました。最近起きた大きな悲劇の舞台といえば…
2.どこかのダンジョンに精神をやられそうな魔道書が出現しました。
376: 2013/07/05(金) 17:09:28.86 ID:Ciyrvjyq0
投下終了です
…なんだか一気に設定掘り下げたから少し不安ですが、何か無理がありましたらスルーで;
それではお目汚し失礼しました。
…なんだか一気に設定掘り下げたから少し不安ですが、何か無理がありましたらスルーで;
それではお目汚し失礼しました。
377: 2013/07/05(金) 17:14:11.99 ID:ZWw+NPXQo
乙乙です
よし、あとは生ける炎あたり呼んでくれば属性コンプリートですね!
・・・ひなこっつとは相性最悪ですがw
よし、あとは生ける炎あたり呼んでくれば属性コンプリートですね!
・・・ひなこっつとは相性最悪ですがw
【次回に続く・・・】
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