815:◆Y6loZZb8bNXp 2013/07/09(火) 23:09:51.21 ID:2qjUDRfzo
モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです
前回はコチラ
私の先輩、上条春菜は眼鏡が大好きな女の子である。
初対面の人にも「まぁまぁ眼鏡どうぞ」と眼鏡を勧めてくる。
「私ね、世界中の人がみんな眼鏡をかければ、世界は平和になると思うんだ」
そんなことを真顔で言う彼女は
口の悪い友人から「眼鏡キチOイ」
略して「メガキチ」なんて呼ばれることもあったらしい。
私自身、彼女の発言にドン引きすることは多々あった。
けれど私にとって彼女は、ちょっと変わっているけれども、優しくて頼れる先輩だったのだ。
…数か月前までは。
----------------------------------------
それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。
それと同じ日に、宇宙から地球を侵略すべく異星人がやってきました。
地球を守るべくやってきた宇宙の平和を守る異星人もやってきました。
異世界から選ばれし戦士を求める使者がやってきました。
悪のカリスマが世界征服をたくらみました。
突然超能力に目覚めた人々が現れました。
未来から過去を変えるためにやってきた戦士がいました。
他にも隕石が降ってきたり、先祖から伝えられてきた業を目覚めさせた人がいたり。
それから、それから――
たくさんのヒーローと侵略者と、それに巻き込まれる人が現れました。
その日から、ヒーローと侵略者と、正義の味方と悪者と。
戦ったり、戦わなかったり、協力したり、足を引っ張ったり。
ヒーローと侵略者がたくさんいる世界が普通になりました。
「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。
・一発ネタからシリアス長編までご自由にどうぞ。
816: 2013/07/09(火) 23:10:44.84 ID:2qjUDRfzo
――――――――――
春菜「ねえ、真尋ちゃん、知ってる?」
真尋「先輩…またいつもの妄言ですか? もう勘弁してください!」
春菜「もう、全部本当のことだってば。私にはわかるんだよ」
「いい?人間がここまで進化してきたのはね、眼鏡をかけていたからなんだよ!」
「眼鏡の形状は、生物の進化を促す力を持っているんだ!ピラミッドパワーみたいにねっ!」
「ほら、これがその証拠だよ!」
そう言って彼女が差し出してきたのは、高校の生物の時間で見た、ヒトのDNAの構造図。
真尋「…で、これが?」
春菜「見てのとおり…」
「 ヒ ト の D N A の 形 は 無 限 に 連 な っ た 眼 鏡 を 表 し て い る ん だ よ ! 」
――この人は、何を言っているんだろうか…
真尋「ねえ先輩、やっぱり病院行きましょうよ。あの旅行の後から、先輩絶対おかしいですよ!」
春菜「もう、そんなことないってば。真尋ちゃんは心配しすぎだよー」
真尋「はあ…もうどうしたらいいんだろう…」
――――――――――
春菜「ねえ、真尋ちゃん、知ってる?」
真尋「先輩…またいつもの妄言ですか? もう勘弁してください!」
春菜「もう、全部本当のことだってば。私にはわかるんだよ」
「いい?人間がここまで進化してきたのはね、眼鏡をかけていたからなんだよ!」
「眼鏡の形状は、生物の進化を促す力を持っているんだ!ピラミッドパワーみたいにねっ!」
「ほら、これがその証拠だよ!」
そう言って彼女が差し出してきたのは、高校の生物の時間で見た、ヒトのDNAの構造図。
真尋「…で、これが?」
春菜「見てのとおり…」
「 ヒ ト の D N A の 形 は 無 限 に 連 な っ た 眼 鏡 を 表 し て い る ん だ よ ! 」
――この人は、何を言っているんだろうか…
真尋「ねえ先輩、やっぱり病院行きましょうよ。あの旅行の後から、先輩絶対おかしいですよ!」
春菜「もう、そんなことないってば。真尋ちゃんは心配しすぎだよー」
真尋「はあ…もうどうしたらいいんだろう…」
――――――――――
817: 2013/07/09(火) 23:11:25.92 ID:2qjUDRfzo
おそらく、先輩がこんなことになってしまったのは、私が原因だ。
…数か月前、ちょうどあの異変が起こった少し後のことだったろうか。
高校を卒業した春奈先輩と友人達は、春休みを利用してイタリアに旅行に来ていた。
先輩方と仲の良かった私もそれに同行して、皆でイタリア観光を満喫していた。
旅行の最終日前日、私は観光していた古代遺跡近くの露店で
奇妙な石の仮面を見つけた。
その仮面の裏側には不気味な文様がびっしりと刻まれ
またその両目の部分には、奇妙なことに、まるで眼鏡のような装飾品の彫刻がなされていた。
店の主人によれば、古代の遺跡から発掘されたものらしい。
おそらくは観光客向けのガラクタだろうと思ったが
眼鏡好きの春奈先輩ならきっと気に入るだろうと考え、私はそれを購入した。
悲劇は、その日の夜に起きた。
…数か月前、ちょうどあの異変が起こった少し後のことだったろうか。
高校を卒業した春奈先輩と友人達は、春休みを利用してイタリアに旅行に来ていた。
先輩方と仲の良かった私もそれに同行して、皆でイタリア観光を満喫していた。
旅行の最終日前日、私は観光していた古代遺跡近くの露店で
奇妙な石の仮面を見つけた。
その仮面の裏側には不気味な文様がびっしりと刻まれ
またその両目の部分には、奇妙なことに、まるで眼鏡のような装飾品の彫刻がなされていた。
店の主人によれば、古代の遺跡から発掘されたものらしい。
おそらくは観光客向けのガラクタだろうと思ったが
眼鏡好きの春奈先輩ならきっと気に入るだろうと考え、私はそれを購入した。
悲劇は、その日の夜に起きた。
818: 2013/07/09(火) 23:12:04.91 ID:2qjUDRfzo
――――――――――
その日の夜、明日には日本に帰るのだからということで、私たちは酒盛りをしていた。
当然、私も先輩達も未成年だが、イタリアでは16歳からの飲酒が可能である。
初めて飲むお酒の効果で、私たちは浮かれ騒いでいた。
真尋「あっそうだ、私、先輩にプレゼントがあるんですよ」
春菜「ん~?なぁーにぃーまーひろちゃーん?」
先輩A「プレゼント?いいなー見せて見せて~」
真尋「…じゃんっ、これです!」
先輩B「ちょwwwなによこれw」
先輩A「メガネwww仮面にメガネついてるwww」
春菜「ちょっと何これ!すごいかっこいい!」
先輩B「春菜wそれかっこよくないから、むしろ不気味だからwww!」
真尋「土産物屋で売ってて、見た瞬間、これは春菜先輩にあげるしかないって思ったんです!」
先輩A「確かにwwwこれは春菜にあげるしかないwww」
先輩B「ていうか春菜以外誰が喜ぶのよこれww」
春菜「ありがとう、真尋!」
「よ~し…」
「 装 ☆ 着 ! 」
A&B&真尋「wwwwwwwwwwwwwww」
春菜「正義の使者!マスク・ド・メガネ参上!!!」
真尋「先輩ww何やってんですかwww」
先輩B「マスク・ド・メガネww」
先輩A「もうwwやめてwwおなか痛いwww」
――――――――――
その日の夜、明日には日本に帰るのだからということで、私たちは酒盛りをしていた。
当然、私も先輩達も未成年だが、イタリアでは16歳からの飲酒が可能である。
初めて飲むお酒の効果で、私たちは浮かれ騒いでいた。
真尋「あっそうだ、私、先輩にプレゼントがあるんですよ」
春菜「ん~?なぁーにぃーまーひろちゃーん?」
先輩A「プレゼント?いいなー見せて見せて~」
真尋「…じゃんっ、これです!」
先輩B「ちょwwwなによこれw」
先輩A「メガネwww仮面にメガネついてるwww」
春菜「ちょっと何これ!すごいかっこいい!」
先輩B「春菜wそれかっこよくないから、むしろ不気味だからwww!」
真尋「土産物屋で売ってて、見た瞬間、これは春菜先輩にあげるしかないって思ったんです!」
先輩A「確かにwwwこれは春菜にあげるしかないwww」
先輩B「ていうか春菜以外誰が喜ぶのよこれww」
春菜「ありがとう、真尋!」
「よ~し…」
「 装 ☆ 着 ! 」
A&B&真尋「wwwwwwwwwwwwwww」
春菜「正義の使者!マスク・ド・メガネ参上!!!」
真尋「先輩ww何やってんですかwww」
先輩B「マスク・ド・メガネww」
先輩A「もうwwやめてwwおなか痛いwww」
――――――――――
819: 2013/07/09(火) 23:12:58.78 ID:2qjUDRfzo
…人間、誰でも酔っぱらうと多少はおかしくなってしまうものだ。
私たちは、夜更け過ぎまでこんな馬鹿騒ぎを続けていたらしい。
気が付くと、ホテルの部屋には朝日が差し込み
室内の惨状を照らし出していた。
床には酒瓶が転がり、ベッドから落としてしまったのか割れているものもある。
また、先輩方も皆床に寝転がっていて、きちんとベッドで寝ていたのは自分だけのようだった。
上条先輩に至っては、昨日の仮面をまだつけたままである。
真尋「うーん…トイレ…」
私は床に転がる酒瓶や毛布をかき分け、洗面所に向かおうとした。
その時、私は不注意から、床で割れていた酒瓶を踏んでしまった。
真尋「あ痛ッ!」
そして、私はその場でよろめいてしまい
あろうことか
床で寝ていた上条先輩の顔面を
「ベチャッ!」
と思いっきり踏んづけてしまったのだ。
820: 2013/07/09(火) 23:13:41.22 ID:2qjUDRfzo
春菜「むーっ!むーっ!」
真尋「うわあああっ!!すすすいません先輩っ、大丈夫ですか!?」
私はあわてて足をどけたが、時すでに遅し
仮面は私の血によって、すっかり汚れてしまっていた。
春菜「もー、なにするのよ…うわ、私まだこれつけてたのか」
真尋「うわあ…本当にすいません先輩、仮面が…」
先輩は起き上がろうとして、先に仮面をはずそうと、仮面に手をかけた。
…その時!
「ガタガタガタガタ…
ジャキィンッ!
ズシュッズシュッズシュッ!」
急に仮面が光り、震えだしたかと思うと…
なんと仮面から無数の針が飛び出し、上条先輩の頭に深々と突き刺さったのだッ!
春菜「うぎゅうっ!?」
真尋「は?え、せん…ぱい…?」
春菜「う…あ…」
先輩はしばらく体を痙攣させたあと
その場で糸が切れたかのように
頭から崩れ落ちてしまった…
真尋「そんな…先輩…」
「い、いやあああああああああああああああ!!!」
821: 2013/07/09(火) 23:14:11.42 ID:2qjUDRfzo
私はすぐさまその場で救急車を呼び、先輩を病院へ連れて行こうとした…
しかし、そのときに奇妙なことが起きた!
救急車がついたときには、先輩の顔についていた仮面は、どこかへと消え去っていたのだ!
そのうえ、仮面の刺さった傷跡さえも、きれいさっぱりなくなっていた…
先輩自身も、自分が仮面をかけて寝ていたことまでは覚えていたが、そのあとの記憶は失くしてしまったらしい。
結局、そのときは私が寝ぼけていたのだろうということで、納得した。
だが、それから日本に帰国して以来、先輩の言動は徐々におかしくなっていったのだった…
822: 2013/07/09(火) 23:15:11.61 ID:2qjUDRfzo
――――――――――
真尋「とにかく先輩、一度病院で診てもらいましょう、私も一緒に行きますから…」
春菜「真尋ちゃんは心配性だなあ、大丈夫だって言ってるの…に…?」
真尋「…先輩?どうかしました?」
春菜「何かが…呼んでる…?」
真尋「先輩、ちょっと先輩!」
春菜「行かなきゃ…行って、守らなきゃ!」
真尋「先輩、どこに行くんですか、待ってください!」
――――――――――
823: 2013/07/09(火) 23:15:41.81 ID:2qjUDRfzo
走り出した先輩を追ってたどり着いたのは、人気のない路地裏。
そこには、腰を抜かした一人の眼鏡をかけた女性と…3体のカースの姿があった!
「ザッケンナコラー!」
「スッゾオラー!」
「ハゲシク前後するドスエエエエエエ!」
千夏「いやっ…こっちに来ないでっ…」
真尋「ちょっと、あれカースじゃないですか!早くヒーローを呼ば…」
春菜「マモル… メガネ… マモル…」
春菜「って先輩!?何やってるんですか!?」
先輩は女性のもとに駆け寄り、彼女とカースの間に立ちふさがった!
そして次の瞬間!
「テメーナメテンジャネーゾッコラー!」
カースの一体が雄叫びをあげて、先輩に襲い掛かった!
真尋「せんぱあああああいっ!」
824: 2013/07/09(火) 23:16:33.37 ID:2qjUDRfzo
「 シュピイイイイイイイイインンンンンン!! 」
その時、先輩のメガネから、すさまじい光がほとばしった!
春菜「そうだ…全部、思い出した…!」
「私の力、そして、私の願い…!」
カースは光によって、先輩に近づくことができないようだった。
謎の光は、やがて先輩の全身を飲み込み、そして…!
春菜「はあああああああああああああああああああ…!」
「 ハァッ!!! 」
光の嵐が止み、そこに立っていたのは
全身をメカニカルなコスチュームに包んだ上条先輩だった!
825: 2013/07/09(火) 23:17:40.17 ID:2qjUDRfzo
春菜「私は眼鏡の戦士…そう、私の名は!」
「 『マスク・ド・メガネ』!!!」
真尋(名前ダサッッ!!)
「私の目的、それは…」
「 全世界の メガネっ娘 を 守ること! 」
真尋(えっ…メガネっ娘限定…?)
春菜「 そして… 全人類、いや、全宇宙の生物を、メガネっ娘化すること!!! 」
真尋(うわあ…何言ってんだこの人…)
春菜「眼鏡とはすなわち、人間の進化の印!」
「人は眼鏡によって火を起こし、眼鏡によって海を渡り、眼鏡によって宇宙へと到達した!」
「全人類が眼鏡をかければ、世界は平和になる!」
「貧困も、争いも、全ては眼鏡によって解決することができるんだ!」
「異星人だろうと、異界人だろうと、悪魔だろうと神様だろうと、人であっても、人でなくても…」
「眼鏡をかければ、みんな、分かり合えるんだ!!!」
826: 2013/07/09(火) 23:18:06.84 ID:2qjUDRfzo
真尋(さ、さっぱり意味が分からない…)
千夏(何なの、この子…?)
春菜「だからこそ…」
「眼鏡っ娘の美しさを、眼鏡をかける喜びを知らないお前たちは…」
「ここで私が成敗するっ!」
先輩がカース達を指さして挑発すると、あっけにとられていたカース達もまた動き出した。
そのうち、先ほど先輩を襲ったカースが、またも触手を先輩に伸ばしてきた!
「テメーアッコラー!ナニサマダッテコラー!」
827: 2013/07/09(火) 23:19:41.63 ID:2qjUDRfzo
春菜「遅いっ!」
「受けてみろ!メガネ・テンプル・カッター!」
先輩の眼鏡のつるがいくつにも分裂して伸び、カースの触手を切り払った!
「テ、テメーコラー!ナンオラー!」
驚くべきことに、先輩の攻撃は、カースを圧倒していた!
828: 2013/07/09(火) 23:20:15.98 ID:2qjUDRfzo
真尋「くらえ! マスク・ド・メガネ 88の眼鏡奥義が一つ!」
「 メガネ真拳大乱舞!!! 」
829: 2013/07/09(火) 23:20:43.47 ID:2qjUDRfzo
「眼鏡キック!」
左足でカースを蹴り飛ばして上空にぶち上げる!
つま先にはいつの間にか装着された硬化メガネ!
「眼鏡パンチ!」
上空のカースの腹へ強烈な右ストレート!
こぶしにはメリケンサックのごとく装着されたチタンフレームメガネ!
「眼鏡ハイキック!」
後ろへ吹っ飛ぶカースへ、追い打ちの右ハイキック!
カースの体にめり込むのは、軽くて硬いカーボンメガネ!
「眼鏡鉄山靠!」
落ちてきたカースの脇腹(?)へ、肩を使った強烈なぶちかまし!
両肩には、流線型の鋭いフレームが自慢のサンバイザー!
「眼鏡とび膝蹴り!」
路地の壁に当たって跳ね返ったカースへ、腰を深く落としてとび膝蹴り!
膝にはスポーツの時も安心、壊れにくい形状記憶フレーム眼鏡!
「眼鏡スルー!」
朦朧として突進してくるカースを、ここはあえてスルーし、反対側の壁に叩きつける!
チラリとスカートから覗くのは、白い靴下に留められた、本家直伝真っ赤なフレームのキュンキュンメガネ!
830: 2013/07/09(火) 23:21:24.38 ID:2qjUDRfzo
「これでとどめだ! 眼鏡ブレーンバスタァァァァ!!!」
壁に突っ込んだカースを引きずり出すと、そのまま両手でカースを掴み、空中で後方へ一回転!
背中と地面でカースを無慈悲にプレス!
颯爽と立ち上がった背中に翻るのは、マント…と見せかけて、無数に連なり編み込まれた細かいメガネ!
831: 2013/07/09(火) 23:21:50.97 ID:2qjUDRfzo
「フ…ザケンナ…コラ…」
容赦ない連続攻撃を受けたカースは、体内の核が砕けてしまったのか、その場で爆発四散!
真尋「つ…強い…」
「っていうか、眼鏡全く関係ないじゃん!?」
千夏「いったい何がどうなって…」
832: 2013/07/09(火) 23:22:41.77 ID:2qjUDRfzo
私と先ほどの眼鏡女性は、路地裏の隅で口をぽかんと開けて、先輩の活躍を見ていた。
しかし、先輩がカースを倒した瞬間、残りの2体のうちの一つが、私たちに向けて触手を放ってきた!
「ハヤクコスル、キンモチイイイイイイイ!!」
千夏「きゃあっ!いやっ!放してっ!」
真尋「あっ、やめろこらっ!ちょっ、どこ触ってんのよ!」
カースの触手は私たちを締め上げ、体をまさぐり始めた!
春菜「真尋っ!今助けに…「コッチミロヤコラー!」
よそ見した先輩を、もう一体のカースが殴り飛ばす!
春菜「ぐぅっ…!」
真尋「先輩っ…この、離せこのぉっ…!」
千夏「いやあぁ、そこはだめぇっ…そんなところっ…」
私は必氏で抵抗するが、カースの締め付けは強くまったく振りほどくことができない…
真尋(このままじゃ…!)
833: 2013/07/09(火) 23:24:51.93 ID:2qjUDRfzo
春菜「真尋っ!」
私が最悪の展開を予想しかけたその時、先輩が鋭い声で叫んだ!
春菜「真尋、いい!?集中して、私が今からいうことをよく聞いて!」
「あなたの今かけてるその眼鏡、それはいつ買ったもの!?」
真尋「はぁ!?こんな時に何言ってるんですか!?」
先輩はもう一体のカースと戦いながらも、叫び続ける!
春菜「その眼鏡、あなたがずっと使っているものでしょう!?それは、あなたに力を与えてくれるはずよ!」
「落ち着いて、眼鏡の声を聞くのよ!」
「その眼鏡はずっと、あなたと共に生きてきた!それは既に、あなたの一部ともいえる存在!」
「思い出すのよ、眼鏡を初めてかけた時のことを!眼鏡との日々を!」
834: 2013/07/09(火) 23:25:18.57 ID:2qjUDRfzo
――――――――――
真尋(この眼鏡を、初めてかけた時…)
私は、思い出していた。
自分の普段かけているオレンジ色の眼鏡は
父が、高校の入学祝として買ってくれたものだった。
高校でもスポーツをやりたいといった私に父は
激しく走っても落ちず、汚れにくく、頑丈で軽いこの眼鏡をプレゼントしてくれた。
真尋「うれしいけど、多分、陸上やるときはコンタクトつけることになると思うよ?」
そういった私に、父は
真尋父「まあ、そうだろうな」
「でも、真尋。お父さんは、眼鏡をかけてるおまえが、一番かわいくて、一番好きなんだ」
そう言った後、照れ隠しのように、
真尋父「それに、コンタクトってなんか怖いから、あんまり真尋につけてほしくないんだよ」
と笑いながら言っていたっけ…
――――――――――
835: 2013/07/09(火) 23:25:57.57 ID:2qjUDRfzo
真尋「…はっ!」
気が付くと、私の体を締め付けていた不快な感触は消え去っていた。
真尋「これは…?」
千夏「ううっ…」
私と眼鏡女性を襲っていたカースは、どうやら逃げ出したらしい。
そして、私の、父からもらった大切なメガネは
あたたかくて優しい光を纏い、キラキラと輝いていた…
真尋「もしかして、このメガネが…」
春菜「そう、そのメガネが、真尋ちゃんを守ったの」
真尋「先輩…この、メガネが…」
私は、震える指で眼鏡をはずし、そっと眼鏡を胸に抱きしめた
真尋「…守ってくれて、本当にありがとう」
(…ご主人様のためなら、お安い御用さ…)
真尋「えっ…!」
私は、どこからか声が聞こえた気がして、キョロキョロとあたりを見回した。
836: 2013/07/09(火) 23:26:30.40 ID:2qjUDRfzo
その時、路地裏の入り口に、私たちを襲っていたカースがいるのが見えた。
よろよろとした動きで、どうにかこの場から逃げ出そうとしているようだ!
真尋「先輩っ!あれっ!」
春菜「わかってるよっ!えいっ!」
先輩は自分が戦っていたカースをもう一体のほうにぶん投げて、二体のカースを衝突させた!
「アイエエエエエエエエ!」
「イテッコラー!ザケンナアア!」
二体のカースは絡まりあい、身動きが取れないようだ!
837: 2013/07/09(火) 23:27:06.40 ID:2qjUDRfzo
春菜「今が好機!」
「まずは、 マスク・ド・メガネ 88の眼鏡奥義が一つ!」
「 スケルトン・アナライザー! 」
838: 2013/07/09(火) 23:27:34.14 ID:2qjUDRfzo
眼鏡AI『前方7m先、二体の敵性反応有り』
『本時代における知識データを検索… 対象を「色欲」「憤怒」のカースと推定』
『対象の排除方法を検索… 対象内に存在する「核」と呼ばれる部位の破壊が有効と確認』
『対象2体の核の位置を確認 ロックオン完了』
839: 2013/07/09(火) 23:28:19.07 ID:2qjUDRfzo
春菜「よっし! では続いて、 マスク・ド・メガネ 88の眼鏡奥義、もう一つ!」
「 ダブル・∞メガネ・ブラスター!!! 」
眼鏡AI『エネルギー充填を開始します』
『 5 4 3 … 』
カウントダウンが開始されると同時に、先輩の眼鏡は、真っ白な輝きを帯びてきた。
その形はまさに、二つのレンズを中心とした、∞の軌道を描いている!
眼鏡AI『 2 1 … 』
真尋「いっけええええええ!せんぱあああああい!」
840: 2013/07/09(火) 23:28:46.04 ID:2qjUDRfzo
眼鏡AI『 0 』
『チャージ完了』
841: 2013/07/09(火) 23:29:44.50 ID:2qjUDRfzo
春菜「くらえ!ダブル・∞メガネ・ブラスター!発射ああああああああああああ!!!」
カース達「「ア、アイエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!」」
先輩の眼鏡から放たれた二本の光線は、二体のカースの一点を貫き…
二体のカースは、爆発四散!
その場で粉々に砕けっ散ったのだった…
842: 2013/07/09(火) 23:30:19.14 ID:2qjUDRfzo
――――――――――
春菜「おーい、真尋ちゃーん。こっちこっち!」
真尋「待ってくださいよせんぱ~い」
千夏「春菜ちゃん、真尋ちゃん、久しぶりね!」
あの日の戦いからしばらくして
私と先輩はあのときの眼鏡女性と知り合いになり
今日は三人で集まって、彼女のおすすめのカフェでお茶をしていた。
ちなみに、彼女の名前は「相川千夏」
カフェ巡りが趣味で、先日も路地裏の隠れ家的名店カフェから帰る途中、カースに襲われていたらしい。
843: 2013/07/09(火) 23:30:44.66 ID:2qjUDRfzo
私たちは、しばらくの間、他愛のない会話を続けていた
春菜「ねっ!ちょっと見て見てよこの娘!」
真尋「なんですかこれ?日○ジャーナル…?」
千夏「櫻井…桃香ちゃん?あら、かわいい娘ね」
春菜「この娘、絶対に眼鏡似合うよ!ああ、眼鏡かけさせてあげたいなあ~」
真尋「…櫻井財閥ってあの黒い噂の絶えないところですよね?」
「確か、この娘が悪魔なんじゃないかなんて噂もあったような…」
千夏「悪魔って…そんな馬鹿な…」
春菜「も~そんなわけないじゃない」
「それに、たとえ悪魔だとしても、眼鏡が似合う子に悪い子はいないよ!」
真尋「…先輩はブレませんね本当に」
844: 2013/07/09(火) 23:32:19.15 ID:2qjUDRfzo
――――――――――
少しした後、先輩が真剣な顔になって話をはじめた
春菜「この前、目覚めた私の力…『マスク・ド・メガネ』についてなんだけど…」
真尋&千夏(本当にその名前で行くんだ…)
春菜「…この力が、なんで私に宿ったのかはわからない」
「真尋ちゃんが話してくれた仮面が関係してるのかもしれないけど、その仮面も無くなっちゃったしね」
「でも、私がしたいことは、はっきりしている」
845: 2013/07/09(火) 23:32:47.83 ID:2qjUDRfzo
「私は、眼鏡をかけている皆を、この力で守りたい」
846: 2013/07/09(火) 23:33:14.83 ID:2qjUDRfzo
真尋「いや先輩、眼鏡限定じゃなくて、できればほかの人々も…」
春菜「あ、うん、ごめん。いやそうだね確かに」
847: 2013/07/09(火) 23:33:40.77 ID:2qjUDRfzo
「まだ、眼鏡をかけてない人々も含めて、すべての人々を、この手で守りたい」
848: 2013/07/09(火) 23:34:09.01 ID:2qjUDRfzo
春菜「それで…お願いがあるんだけど…」
春菜「真尋ちゃん、千夏さん、私に…力を貸してくれないかな?」
先輩は、不安気な顔で私たち二人を見た。
真尋「はぁ…」
「仕方ないですね、先輩には、助けてもらった恩がありますし」
「協力しますよ、春菜先輩」
私は、ニッコリと微笑んで言った。
千夏「私も…」
「私にできることなら、何でも協力させてもらうわ」
「こう見えても大人なんだから、頼りにしてくれていいのよ?」
千夏さんも、胸を張って、そう言ってくれた。
849: 2013/07/09(火) 23:34:53.41 ID:2qjUDRfzo
春菜「二人とも…」
春菜「本当にありがとう、二人が手伝ってくれれば、百人力だよ!」
そして先輩は、ニッコリと笑って
春菜「それじゃあまず、二人の眼鏡を改造しないとねっ!」
…またもとんでもないことを言い出した。
850: 2013/07/09(火) 23:35:19.33 ID:2qjUDRfzo
真尋&千夏「「 えっ…… 」」
春菜「二人は、どんな感じのヒーローになりたい?」
「あっ!もちろん眼鏡は着用必須だよ!」
「三人でがんばって、眼鏡を世界に広めようねっ!」
…私の受難は、まだまだ始まったばかりのようだ。
851: 2013/07/09(火) 23:37:30.52 ID:2qjUDRfzo
上条春菜(マスク・ド・メガネ)
職業
メガネヒーロー・大学生
属性
メガネ
能力
メガネを愛し、メガネに愛される力
詳細説明
普段はちょっと眼鏡が好きすぎる大学生だが、一般人(主に眼鏡をかけている人)
眼鏡をかけている人は大体知り合いらしい…?
が襲われているときは、メガネヒーロー「マスク・ド・メガネ」に変身する
マスク・ド・メガネに変身した春菜は
メガネ格闘術・メガネ魔術・メガネ妖術・メガネ錬金術などに精通しており
メガネによってできるありとあらゆることが可能である。
マスク・ド・メガネ88の眼鏡奥義には、本文中にでてきた以外にも
・メガネで霧を払い仲間との絆を深める。
・メガネをかけて光の巨人に変身する。
・メガネアイドルとしてデビューした後に引退し、優秀なメガネプロデューサーになる。
などの技が存在する。
また、基本攻撃として
・メガネのつるで相手を切り裂く。
・メガネを手裏剣のようにとばして攻撃するor強制的にメガネをかけさせる。
といったこともできる。
関連アイドル
北川真尋、相川千夏
職業
メガネヒーロー・大学生
属性
メガネ
能力
メガネを愛し、メガネに愛される力
詳細説明
普段はちょっと眼鏡が好きすぎる大学生だが、一般人(主に眼鏡をかけている人)
眼鏡をかけている人は大体知り合いらしい…?
が襲われているときは、メガネヒーロー「マスク・ド・メガネ」に変身する
マスク・ド・メガネに変身した春菜は
メガネ格闘術・メガネ魔術・メガネ妖術・メガネ錬金術などに精通しており
メガネによってできるありとあらゆることが可能である。
マスク・ド・メガネ88の眼鏡奥義には、本文中にでてきた以外にも
・メガネで霧を払い仲間との絆を深める。
・メガネをかけて光の巨人に変身する。
・メガネアイドルとしてデビューした後に引退し、優秀なメガネプロデューサーになる。
などの技が存在する。
また、基本攻撃として
・メガネのつるで相手を切り裂く。
・メガネを手裏剣のようにとばして攻撃するor強制的にメガネをかけさせる。
といったこともできる。
関連アイドル
北川真尋、相川千夏
852: 2013/07/09(火) 23:38:04.59 ID:2qjUDRfzo
北川真尋
職業
高校生
属性
メガネ
能力
無し(今のところ)
詳細説明
春菜の後輩の高校生。
春菜とカースの戦いに巻き込まれ、そのとき助けてもらった恩のため、春菜に協力する。
今のところは無能力者だが…
上条勢力のツッコミ担当。
関連アイドル
上条春菜、相川千夏
相川千夏
職業
フリーライター(女性誌にカフェ巡りの記事などを載せている)
属性
メガネ
能力
無し(今のところ)
詳細説明
ごく普通の眼鏡美人。
真尋と同じく春菜とカースの戦いに巻き込まれ
そのとき助けてもらった恩のため、春菜に協力する。
今のところは無能力者だが…
上条勢力の大人の色気担当。
関連アイドル
上条春菜、相川千夏
職業
高校生
属性
メガネ
能力
無し(今のところ)
詳細説明
春菜の後輩の高校生。
春菜とカースの戦いに巻き込まれ、そのとき助けてもらった恩のため、春菜に協力する。
今のところは無能力者だが…
上条勢力のツッコミ担当。
関連アイドル
上条春菜、相川千夏
相川千夏
職業
フリーライター(女性誌にカフェ巡りの記事などを載せている)
属性
メガネ
能力
無し(今のところ)
詳細説明
ごく普通の眼鏡美人。
真尋と同じく春菜とカースの戦いに巻き込まれ
そのとき助けてもらった恩のため、春菜に協力する。
今のところは無能力者だが…
上条勢力の大人の色気担当。
関連アイドル
上条春菜、相川千夏
853: 2013/07/09(火) 23:39:07.46 ID:2qjUDRfzo
上条勢力
上条春菜を中心に構成される眼鏡集団。
「メガネによる全宇宙の平和」をモットーにかかげている。
(このモットーを本気にしているのは春菜だけだが、彼女はいたって大真面目である)
854: 2013/07/09(火) 23:40:14.77 ID:2qjUDRfzo
以上になります…
855: 2013/07/09(火) 23:42:40.12 ID:i4kekkS7O
乙ー
そして、カオスwwwwwwちょっとそのメンバーに風香突撃させてみたい
まあまあメガネどうぞ
そして、カオスwwwwwwちょっとそのメンバーに風香突撃させてみたい
まあまあメガネどうぞ
856: 2013/07/09(火) 23:44:06.35 ID:/S5CsUgM0
乙です
メガネってなんだっけ…
メガネってなんだっけ…
857: 2013/07/09(火) 23:46:40.04 ID:Q+BsPe5DO
おつー
割と真面目にヒーローしてる連中が多いからここまでギャグ側だと新鮮に感じる
割と真面目にヒーローしてる連中が多いからここまでギャグ側だと新鮮に感じる
【次回に続く・・・】
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