1: 2015/12/24(木) 22:03:42.86 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果「私お友達の家は自宅から遠く離れた田舎にあります」


穂乃果「お米の農家なんですけど、なんだかそういう雰囲気が好きで、よく行ったりしてました」


穂乃果「電車で長い時間かけていくと、2人ともも『久しぶり!』と喜んで迎えてくれていました」


穂乃果「でも、最後に行ったのはいつだっただろう・・・もう、ずいぶん前のことになります」


穂乃果「決して、行かなかったわけじゃないんです」


穂乃果「行けなかったんです」


穂乃果「その訳を、今からお話ししたいと思います・・・」

2: 2015/12/24(木) 22:04:20.35 ID:Rn54Ryml0EVE.net
~~~~~~~~~~~~~


穂乃果「凛ちゃんと花陽ちゃん、元気にしてるかなぁ」


穂乃果「あっ、お地蔵さんだ」


穂乃果「よく知らないけど拝んで行こう」ナム-


穂乃果「・・・」


穂乃果「よしっ、早く2人のとこに行こっと!」


穂乃果「それにしてもお腹すいたなぁ」


穂乃果「持ってきたチョコがあるんだった!」ガサゴソ


穂乃果「たーべよっと」ヒョイッ


穂乃果「~~~~♪」テクテク

3: 2015/12/24(木) 22:04:42.76 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果「ひさしぶりー!」ガララ


凛「穂乃果ちゃん!」


花陽「久しぶり、よく来たね!」


穂乃果「うん!また連休に入ったから来たくなっちゃった」


凛「上がって上がって!」


花陽「私、いつものおにぎりの準備してくるね」トテトテ


穂乃果「わーい!花陽ちゃんのおにぎり大好き!」


花陽「ふふふ、ちょっとまっててね」

4: 2015/12/24(木) 22:05:07.70 ID:Rn54Ryml0EVE.net
凛「そこでゆっくりしてて。すぐにお茶とおにぎり準備するから!」


穂乃果「はーい♪」

穂乃果「う~ん!いい天気・・・」ポケ-

穂乃果「なんだかこのまま寝ちゃいそう」

穂乃果「う~ん・・・」ウトウト






ポッポポッポポポ…

5: 2015/12/24(木) 22:05:29.54 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果「ん?何、この音・・・」


ポッポポポッチカ…ポポッ


穂乃果「機械・・・じゃなくて、ひとの・・・笑い声?」


??「ぽっぽぽっぽぼぽ…」


穂乃果「なんだろ、これ・・・」


穂乃果「ん?生垣の上からポニーテールの結び目が見える・・・」

穂乃果「あれ?でもこの生垣、2mくらいあった気が・・・」


穂乃果(あ、一輪車でも乗ってるのかな?)

8: 2015/12/24(木) 22:08:58.80 ID:c+N6kPz1dEVE.net
??「ぽっぽぽっ…」



穂乃果(あ、移動した)


穂乃果(垣根の切れ目に・・・)


穂乃果「!?」


??「ぽぽぽっぽぼっ…」


穂乃果「すごい、身長だけで2mもあるんだ・・・」


??「ぽっぽぽっ…」

12: 2015/12/24(木) 22:10:56.72 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果(あ、行っちゃった)


穂乃果「何だったんだろう・・・?」

穂乃果「初めて見る人だったなぁ」


穂乃果「まあ、今どきマジックブーツとかあるし、そんな感じの何かだったんでしょ!」



凛「穂乃果ちゃーん!こっちでおにぎり食べよー!」


穂乃果「はーい!」

14: 2015/12/24(木) 22:11:27.57 ID:Rn54Ryml0EVE.net
花陽「はい、召し上がれ♪」


穂乃果「うわーい、いっただっきまーす!」


凛「暖かいお茶もあるからねー」


穂乃果「はーい♪」


~~~~~~~~~~~~~



穂乃果「ごちそうさまー」


花陽「お粗末様です」


穂乃果「美味しかったー!」


凛「よかったよかった」


穂乃果「うーん、何だか眠くなってきちゃった」


花陽「お昼寝する?」


穂乃果「うぅーん・・・あ、そういえばさっきね、背が高い女の人を見たんだ」


凛「へえー」


花陽「私、食器下げてくるね」

15: 2015/12/24(木) 22:12:18.82 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果「その人ね、生垣から頭が見えるくらい背が高くてねー、『ぽぽぽ』ってわらってたんだー」


花陽「」ガシャン


凛「」ピタ


凛「いつ見た!?」ガシッ


穂乃果「うええ!?」ユサユサ


凛「どこで見た!?「どれくらい生垣より高かった!?」ユッサユッサ


花陽「かみさま・・・どうか穂乃果ちゃんを・・・」


穂乃果「えええ・・・?」

16: 2015/12/24(木) 22:12:53.92 ID:Rn54Ryml0EVE.net
~~~~~~~~~~~~~


凛「・・・」

凛「・・・あの人に電話してくる」ピシャン


花陽「お願い・・・凛ちゃん」


穂乃果「えええ・・・?」

穂乃果「何が起こったの・・・?」


花陽「かみさま・・・」フルフル


凛「~~~!」

凛「~~~、~~~~」


穂乃果「・・・?」

17: 2015/12/24(木) 22:13:19.80 ID:Rn54Ryml0EVE.net
凛「穂乃果ちゃん」ガララ

凛「今日は泊まっていって」


穂乃果「・・・?」


凛「いや、返すわけにはいかなくなったの」


穂乃果「えっ、はい、わかりました」

穂乃果(・・・何か悪いことしたのかな?)


穂乃果「・・・」


穂乃果(いや、思い浮かばないなぁ・・・)


穂乃果(あの人だって向こうから来たわけだし・・・)

18: 2015/12/24(木) 22:13:48.60 ID:Rn54Ryml0EVE.net
凛「かよちん、あとはお願い」

凛「凛はあの人呼んでくる・・・!」ガララピシャッ


花陽「うん・・・」


穂乃果「・・・」


花陽「・・・」


穂乃果「・・・」


花陽「・・・」


穂乃果「・・・」

19: 2015/12/24(木) 22:14:15.71 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果「・・・ねえ、花陽ちゃん」


花陽「・・・」


穂乃果「何が起こってるの・・・?」


花陽「・・・」

花陽「八尺様に・・・魅入られてしまったの・・・」

花陽「凛ちゃんとあの人が何とかしてくれる。大丈夫だから・・・」フルフル


穂乃果「八尺・・・様・・・?」

21: 2015/12/24(木) 22:14:46.50 ID:Rn54Ryml0EVE.net
花陽「・・・この辺りには、八尺様って言う厄介なモノがいてね・・・」


穂乃果「・・・うん」


花陽「八尺様は女の人の姿をしているの」

花陽「名前の通り八尺・・・2m以上の背丈があってね・・・」

花陽「ぼぼぼ、って男の人みたいな笑い声をするの」


穂乃果「ぼぼぼ・・・」


花陽「人によって、メイド服だったり、チャイナドレスだったり、水着だったりするんだけど・・・」


穂乃果「キワドイんだね・・・」

23: 2015/12/24(木) 22:15:19.34 ID:Rn54Ryml0EVE.net
花陽「常に背が高くて、ポニーテールなのはいつも同じなの」


穂乃果「ポニーテール・・・」


花陽「しかも、あんまり泣くとチュウされちゃうって・・・」


穂乃果「あんまり泣くと・・・チュウ?」


花陽「あくまで噂なんだけどね・・・」


穂乃果「あ、噂か・・・」

24: 2015/12/24(木) 22:15:44.05 ID:Rn54Ryml0EVE.net
花陽「おでん缶を持ってくる妹がいるって話もあるけど、本当かどうかはわからないの・・・」


穂乃果「こ、個性的なんだね・・・」

穂乃果「それだけ聞くと悪い人には思えないけど・・・」ハハハ


花陽「笑い事じゃないのっ!!」バンッ


穂乃果「はいっ」ビクッ

25: 2015/12/24(木) 22:16:15.25 ID:Rn54Ryml0EVE.net
花陽「この地区は東西南北に通じる道に、お地蔵様が祀られてあって」

花陽「それによって封印されていてね・・・」

花陽「梅干しをお供えして八尺様が出て行かないようにしてるんだけど・・・」


穂乃果「う、梅干しを」


花陽「そのお地蔵さんの眼の前でチョコを食べちゃうと、八尺様が出てきちゃう、って難点があるの」


穂乃果「・・・!」



穂乃果『たーべよっと』ヒョイッ



穂乃果「・・・」タラタラ


花陽「誰がそんなことをしたのかわからないけど・・・そのせいで穂乃果ちゃんが・・・」オイオイ

26: 2015/12/24(木) 22:16:39.98 ID:Rn54Ryml0EVE.net
花陽「最後に被害が出たのは9年前くらいなんだけど・・・」


穂乃果「う、うん・・・」タラタラ


花陽「魅入られた人は、数日のうちに取り殺されちゃうの・・・」


穂乃果「こっ殺される!?」


花陽「そうなの・・・!」

27: 2015/12/24(木) 22:17:04.17 ID:Rn54Ryml0EVE.net
花陽「昔の人たちが、周りの村と協定を結んで、水の利権を優先してもらう代わりに八尺様をここに封印したらしいの」


穂乃果「水の利権・・・?」


花陽「質のいい水を回してもらったの」

花陽「だから、この辺りはお米が美味しいの」


穂乃果「・・・」


穂乃果(・・・そんなこと聞いても、全然リアルに感じない・・・)

29: 2015/12/24(木) 22:17:29.86 ID:Rn54Ryml0EVE.net
凛「ただいま」ガララ


??「おじゃまします」


花陽「こんな時間にごめんね?」

花陽「あ、この子がその・・・」


穂乃果「・・・」


凛「宜しくお願い致します」ペコ


??「うん、大変なことになったね」

??「今はこれを持ってなさい」


穂乃果「お守り・・・」

30: 2015/12/24(木) 22:17:53.63 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果「お姉さん、だれ?」


??「ウチは、東條希」

希「よろしくな」


穂乃果「はい、お願いします・・・」


凛「じゃ、凛たちは二階の準備してくるね」


希「穂乃果ちゃん、外には出んようにね」


穂乃果「・・・わかりました」

31: 2015/12/24(木) 22:19:23.99 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果「花陽ちゃん、トイレ行ってきてもいい?」


花陽「どうしても?」


穂乃果「え?」


花陽「・・・1人になっちゃだめなの」


穂乃果「わかったよ・・・」

32: 2015/12/24(木) 22:19:49.54 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果「じゃ、すぐ済ませるから」


花陽「まって」

花陽「ドアは閉めちゃだめ」


穂乃果「えぇ!?」

穂乃果「花陽ちゃんそんな趣味が・・・」


花陽「それくらい大変なの」ジッ


穂乃果「・・・はい」シュン

穂乃果「あっち向いててね?」


花陽「うん」クルッ


穂乃果(・・・もしかして、本当にやばいんじゃ・・・)

33: 2015/12/24(木) 22:20:14.12 ID:Rn54Ryml0EVE.net
~~~~~~~~~~~~~


希「2人とも、お待たせ~」


凛「準備、できたよ」


穂乃果「準備?」


花陽「じゃ、二階にあがろっか」


穂乃果「に、二階?」


希「うん、行こっか」

34: 2015/12/24(木) 22:20:35.16 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果「こ、これは・・・」


穂乃果(二階の部屋の窓は、全て新聞紙で覆われていて、その上からお札が貼られていた)


穂乃果「あれは・・・」


希「見ての通り、オマルや」


凛「それで用を済ませてね」


穂乃果「う、うん」

35: 2015/12/24(木) 22:21:10.17 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果「あれは・・・」


穂乃果(仏像、なの・・・?)


穂乃果(弓を持った女の子・・・)


希「あれはね、あなたを守ってくれる・・・まあ、仏さんみたいなもんよ」


凛「祭壇なんで用意する暇がなかったからね、これしか用意できなくて・・・」


希「まあ、気休めみたいなもんやから」

36: 2015/12/24(木) 22:21:32.99 ID:Rn54Ryml0EVE.net
希「もうすぐ日が暮れる・・・」


凛「いい?凛達は明日の朝まで絶対にここに来ないから・・・」

凛「絶対にここから出たらだめだよ?」


希「そうやね・・・明日の7時になったら、ここを出ておいで」


穂乃果「いつも休みの日は10時に目が覚めるんですけど・・・」


希「・・・9時にしよっか」


穂乃果「はい・・・」

37: 2015/12/24(木) 22:22:31.29 ID:Rn54Ryml0EVE.net
花陽「穂乃果ちゃんのお母さんには私から連絡しておくから」


希「いい?明日の朝まで絶対にここを出ないこと!」


凛「今言われてことを守るようにね?」


希「何か起きたら、祭壇もどきの前でお祈り。声がしても返事はしちゃだめ。いいね!」


穂乃果「は、はいっ」


花陽「じゃあ、私達は下にいるから・・・」

38: 2015/12/24(木) 22:22:54.66 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果「・・・」


穂乃果(・・・なんだか、本当に怖い雰囲気になってきたな)


シ-ン…


穂乃果「・・・」


穂乃果(・・・テレビでも見よっと)ピッ

39: 2015/12/24(木) 22:24:06.97 ID:Rn54Ryml0EVE.net
テレビ『にっこにっこにー!あなたのハートににこにこにー♪笑顔届ける矢澤にこにこー♪』

テレビ『キモチワルイ…』

テレビ『ぬわんでよ!』


穂乃果「」ポケ-


穂乃果(・・・集中できない)


穂乃果(・・・全然頭の中に入ってこない)

40: 2015/12/24(木) 22:25:13.73 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果(・・・花陽ちゃんのおにぎりでも食べよう・・・)


穂乃果「・・・」モッサモッサ


穂乃果(・・・喉をとおらない)


穂乃果「」コトッ


穂乃果「・・・」


穂乃果(布団に包まっておこう・・・)


穂乃果「・・・」


穂乃果「・・・」ガクガクブルブル

41: 2015/12/24(木) 22:25:41.79 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果「・・・」ガクブル



穂乃果「・・・」ウトウト


穂乃果「・・・」カクン


穂乃果「・・・zzz」

42: 2015/12/24(木) 22:26:04.65 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果「・・・zzz」


穂乃果「・・・はっ」


穂乃果(いつの間にか寝ちゃってたみたい)


穂乃果「時間は・・・」ガサゴソ


穂乃果(あっ、スマホ、居間に忘れてきちゃった・・・!)


穂乃果「時計・・・あった」


穂乃果(1時過ぎ・・・)


穂乃果(嫌な時間に起きちゃったなぁ・・・)

43: 2015/12/24(木) 22:27:11.36 ID:Rn54Ryml0EVE.net
コツコツ…


穂乃果「・・・ん?」


コツコツ…


穂乃果(何の音・・・?)

穂乃果(小石・・・が二階にぶつかるわけないし・・・)


コツコツ…


穂乃果(まさか・・・)


ガンガンガンッ


穂乃果「」ビクッ


穂乃果(誰かが叩いてる・・・!)

44: 2015/12/24(木) 22:27:36.15 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果(気のせいだ気のせいだ気のせいだ気のせいだ気のせいだ気のせいだ気のせいだ気のせいだ気のせいだ気のせいだ!)ガクガクブルブル


ガンッガンッ…


穂乃果「いゃぁ・・・」ガクガク


穂乃果(花陽ちゃん・・・!凛ちゃん・・・!)


ガンッ…


穂乃果(誰か・・・!)

45: 2015/12/24(木) 22:28:05.87 ID:Rn54Ryml0EVE.net
凛?「おーい、穂乃果ちゃん、大丈夫チカ?」


穂乃果「!」


花陽?「怖かったら無理しなくてもいいチカ!」


穂乃果「うん!こわかっt・・・」


穂乃果(・・・チカ?)



凛『いい?凛達は明日の朝まで絶対にここに来ないから・・・』

凛『絶対にここから出たらだめだよ?』



穂乃果「・・・!」ゾワァ

46: 2015/12/24(木) 22:28:28.61 ID:Rn54Ryml0EVE.net
凛?「どうしたチカ?無理しなくてもいいチカ・・・」


穂乃果「・・・」ビクッ


穂乃果(限りなく2人そっくりだけど・・・)

穂乃果(ニセモノ・・・!)ゾオッ


花陽?「・・・チッ」


穂乃果「・・・!」ビクッ

47: 2015/12/24(木) 22:28:53.24 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果(仏様・・・!)ガバッ


穂乃果(助けてください・・・助けてください助けてください・・・!)


穂乃果「・・・」ガクブル


??「ぽっぽぽっぽぽぽぽ…」


穂乃果「ぁぁ・・・ぁぁぁ・・・!」ガクガクブルブル


??「ぽぽぽ…ぽぽっぽ…」

48: 2015/12/24(木) 22:29:16.91 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果(・・・想像してしまう・・・!)ブルブル


穂乃果(あの背の高い女の人が手を伸ばして、この二階の窓を叩いてるところを・・・!)ブルブル


穂乃果「ぁぁ・・・」ガクガクブルブル


穂乃果(お助けください、神様・・・)


??「ぽぽぽ…」


穂乃果(かみさま・・・!)


??「ぽっぽぽぽっぽぽ…」

50: 2015/12/24(木) 22:30:00.48 ID:Rn54Ryml0EVE.net
~~~~~~~~~~~~~


穂乃果「・・・」


穂乃果「・・・」ムクッ


穂乃果(新聞紙とお札の隙間から光が射してる・・・)


穂乃果「・・・朝」


穂乃果(あれから何時間経っただろう・・・)


穂乃果(今は何時間・・・)チラッ


穂乃果「10時、半・・・」


穂乃果「・・・はは、いつもより遅いや」

52: 2015/12/24(木) 22:31:21.62 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果「助かった・・・のかな?」ガララ


花陽「穂乃果ちゃん!」ガバッ


凛「よかった!無事で・・・!」ダキッ


穂乃果「うん・・・うん・・・!」ポロポロ


希「・・・安心するのはまだ早いよ」


穂乃果「のぞみ・・・さん」


希「ふふ、希ちゃん、でいいよ」


穂乃果「希、ちゃん・・・」

53: 2015/12/24(木) 22:31:49.09 ID:Rn54Ryml0EVE.net
希「下に降りて。もう準備してあるから」


穂乃果「準備・・・」


花陽「うん、急ごう・・・」


穂乃果「・・・まだ終わってないの?」


凛「・・・最後に、まだあるの」


穂乃果「・・・」

54: 2015/12/24(木) 22:32:17.79 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果「車・・・?」

穂乃果「運転してるのは・・・お父さん!?」


ほのパパ「」コクリ


希「さ、早く乗って」


穂乃果「はい、わかりました・・・」パタン


花陽「穂乃果ちゃん、私たちも乗るからね」


凛「凛たちも一緒に頑張るから・・・!」


穂乃果「・・・うん、ありがと」


ほのパパ「・・・」


穂乃果(助手席に凛ちゃん、後部座席の私の左に花陽ちゃん、そして右側に・・・)

55: 2015/12/24(木) 22:32:52.72 ID:Rn54Ryml0EVE.net
ことり「穂乃果ちゃん!」ガバッ

ことり「無事でよかったよ・・・!」


穂乃果「ことりちゃん!」

穂乃果「・・・どうしてここに?」


ことり「花陽ちゃんに呼ばれてね・・・」


ほのパパ「・・・」コクン


ことり「事情は聞いたよ・・・大変なことになったけど、これからは絶対に頭を上げちゃいけないよ」

56: 2015/12/24(木) 22:33:15.90 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果「頭を上げちゃ・・・だめ?」


ことり「私たちには見えないけど、穂乃果ちゃんには見えちゃうはずだから」


穂乃果「?」


希「ことりちゃんの言う通り。絶対に顔を上げないでね?」


穂乃果「・・・わかりました」


ほのパパ「・・・」

57: 2015/12/24(木) 22:33:50.67 ID:Rn54Ryml0EVE.net
希「・・・じゃ、そろそろ出発しよっか」


穂乃果「あの・・・この車の前後にいるアルパカは?」


希「まあ、八尺様に対する目くらましみたいなもんかな?」


ことり「大丈夫!お守りは首につけてあるから・・・」


穂乃果「・・・?」

穂乃果「・・・うん」

58: 2015/12/24(木) 22:34:18.82 ID:Rn54Ryml0EVE.net
希「じゃ、車を出してください・・・」


ほのパパ「」コクン


アルパカ「車に合わせるぜ」テクテク


穂乃果「・・・」


ことり「・・・大丈夫、大丈夫だから」


希「ここが踏ん張りどころやね」

希「~~~~~~~・・・」


穂乃果(・・・お経?)



ポポッポッポッポッ…

59: 2015/12/24(木) 22:34:46.36 ID:Rn54Ryml0EVE.net
「ぽっぽぽぽっぽぽ…」


穂乃果「・・・!」


ほのパパ「!」ハンドルギュッ


穂乃果(またあの声・・・!)


凛「・・・穂乃果ちゃん、目を閉じて」


穂乃果「うん・・・」


穂乃果(・・・黙って、目を閉じた)

穂乃果(・・・でも、なぜか私は、薄眼を開けて外を見てしまった)

60: 2015/12/24(木) 22:35:14.55 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果(目に入ったのは長い足。病的なほどに白い肌。)


穂乃果(顔は見えなかったけど・・・あの女の人が大股でついてきていると思うと・・・!)ガクガクブルブル


ことり「みちゃだめっ!」


穂乃果「・・・!」ビクッ


花陽「お守りを握ってて・・・!」


穂乃果「・・・っ」ギュッ

61: 2015/12/24(木) 22:35:39.23 ID:Rn54Ryml0EVE.net
コツコツ…


ことり「・・・えっ」


花陽「!?」


凛「なんで・・・」


ほのパパ「・・・!」


穂乃果「・・・!」

穂乃果(昨日と同じ音・・・!)

62: 2015/12/24(木) 22:36:20.75 ID:Rn54Ryml0EVE.net
コツコツ…


希「~~~~~っ、~~~~~!」


穂乃果(希ちゃん・・・苦しそう)


穂乃果(お願い・・・もうやめて・・・!)ギュッ


花陽「・・・」

凛「・・・」

ことり「・・・」ギュッ


ほのパパ「・・・」


希「~~~~~~~~~~っ!」


………………………
……………
……

63: 2015/12/24(木) 22:36:47.40 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果「・・・」


希「もう大丈夫や、顔を上げて」


穂乃果「終わった・・・の?」


花陽「もう大丈夫だよ、助かった」


ことり「よかったね、穂乃果ちゃん!」


穂乃果「・・・たす・・・かった」ヘナヘナ


凛「大丈夫!?」


ほのパパ「!」ダキッ


穂乃果「うん、力が抜けちゃったみたい・・・えへへ」

64: 2015/12/24(木) 22:37:10.80 ID:Rn54Ryml0EVE.net
希「お守り、見せてみ?」


穂乃果「お守り・・・えっ」ボロッ


花陽「真っ暗・・・」


希「それだけ強力な相手やった、ってことよ・・・」

希「もう大丈夫やと思うけど、念のために、これ」


凛「新しいお守り?」


穂乃果「ありがとう・・・ございます」


希「なんかあったら、それを握ってうちの名前を呼んで、助けに行くから!」


穂乃果「え?」


希「はは、冗談冗談、電話でもかけて~」ヒラヒラ


ほのパパ「・・・」ペコリ

65: 2015/12/24(木) 22:38:32.62 ID:Rn54Ryml0EVE.net
~~~~~~~~~~~~~


穂乃果「あの後、お父さんに希ちゃんから聞いた、という話を聞きました」


穂乃果「昔、花陽ちゃんの家族で八尺様に魅入られて、いなかったことにされたお兄さんがいたらしい・・・」


穂乃果「八尺様が狙うのは、子供や若い人ばっかりで、私が狙われたのは何も特別なことじゃないらしい」


穂乃果「・・・まあ、チョコのことがあったのかもしれないけど」


穂乃果「無闇にお地蔵様の前で物は食べないようにしよう・・・」

66: 2015/12/24(木) 22:38:59.67 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果「あと、車の中にみんなが乗ったのは、八尺様の目を少しでも誤魔化すためらしい」


穂乃果「年が近い子がいた方が、誤魔化しやすかったって・・・」


穂乃果「もしもの時は、お父さんが身代わりになるつもりだったって・・・」


穂乃果「夜に部屋に篭ったのは、お父さんがこっちに来る頃には夜になってしまうから、安全と思われる朝まで持ち堪えるためだったらしい」

67: 2015/12/24(木) 22:39:26.94 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果「そして、また魅入られることがないように、もうあそこには行くな、とも言われた」


穂乃果「家に帰って、凛ちゃんに電話で聞いてみたら、あの夜、声をかけたなんてことはなかったらしい」


穂乃果「やっぱりあれは・・・と思うと」


穂乃果「・・・寒気がしてくる」


穂乃果「もしあの時、返事をしていたら、今頃私は・・・」


穂乃果「考えたくもない」

68: 2015/12/24(木) 22:39:54.25 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果「そして、そんな私の元に恐ろしい知らせが届いた」


穂乃果「あのお地蔵様のうち、私の家に続く道のお地蔵様が壊されたって」


穂乃果「もし、またあんな目に遭ったら・・・」


コンコン…


穂乃果「ん?こんな時間に誰だろう?」ガララ

穂乃果「それにここは二階だし、手はとどk・・・」ピタッ

















「ぽっぽぽっぽぽぽぽ」

76: 2015/12/24(木) 22:56:29.61 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果「・・・って夢をね、今朝見たの」


絵里「」


ことり「し、氏んでる」


希「二重の意味でね」


穂乃果「怖かったなぁ」


にこ「なんでクリスマス会でそんな話するのよ・・・」


真姫「みんな眠たくなってきたからでしょ・・・」クルクル


海未「まあ昼から騒いでますしね・・・」


花陽「なんか私、お婆ちゃんみたいだったね・・・」


凛「凛はそんなかよちんも好きにゃー」

77: 2015/12/24(木) 22:56:55.91 ID:Rn54Ryml0EVE.net
希「ねぇ・・・なんか窓を叩いてる音が聞こえない?」


絵里「」


ことり「もうやめてあげて・・・」


海未「絵里が・・・息をしてません」


にこ「ちょっと凛、突然背中くっつけてきてどうしたのよ」


凛「に、にこちゃんが怖がらないようにしてあげてるにゃ・・・」


花陽「真姫ちゃん・・・」フルフル


真姫「だっだだだ大丈夫よ、希の冗談に決まってるわ・・・」ガクガク

78: 2015/12/24(木) 22:57:45.45 ID:Rn54Ryml0EVE.net
希「ぽっぽぽっぽぽぽぽ・・・」


真姫「きゃああああああっ!」ギュウウ


凛「ぐぇぇっ!真姫ちゃん!苦しい!苦しい!」バタバタ


にこ「落ち着きなさいよあんた達・・・」


花陽「凛ちゃん!?大丈夫!?」


希「にしし♪」

79: 2015/12/24(木) 22:58:08.54 ID:Rn54Ryml0EVE.net
ことり「それにしても・・・」

ことり「世の中は今、性の6時間、って呼ばれてるらしいけど」


海未「せっ・・・!」カアア


穂乃果「私たちには無縁な話だから・・・はは」


ことり「・・・穂乃果ちゃん」

ことり「・・・抜け出す?」ウワメヅカイ


穂乃果「抜け出さないよ」


ことり「はい・・・」シュン

80: 2015/12/24(木) 22:59:31.95 ID:Rn54Ryml0EVE.net
絵里「はっ、ここは誰、私はどこ!?」


穂乃果「あなたは私の奴隷、ここは奴隷小屋だよ」


希「嘘教えないの」ペシッ


ことり「夜の奴隷なら私がっ」


穂乃果「いや、遠慮しときます・・・」


海未「ことり・・・」ジトッ


凛「引くにゃ」


真姫「あなたが言う・・・?」


花陽「あはは・・・」

81: 2015/12/24(木) 22:59:59.98 ID:Rn54Ryml0EVE.net
希「まあ、夜は長いんやし、せっかくなら楽しも!」


穂乃果「そうだね!」


絵里「ええ!呑み直すわよ!」


花陽「ジュースだけどね・・・」


にこ「気分よ、気分」


真姫「子供っぽいわね・・・」クルクル


にこ「いいじゃない!久しぶりなんだから!」

82: 2015/12/24(木) 23:00:25.45 ID:Rn54Ryml0EVE.net
絵里「まあ、せっかく久しぶりにあったんだから、楽しみましょうよ!」

絵里「・・・浮いた話に縁のない者同士」イズ-ン


にこ「なに自爆してんのよ・・・」


凛「大学生って大変そうにゃー・・・」


希「まあまあ、絵里ちの言う通り、せっかくなんやし」


穂乃果「あ、ジュースなくなってる」


海未「買いに行きますか?」


ことり「本当は良くないけど・・・行っちゃおっか!」


絵里「よぅし!コンビニまで競争!負けた人ジュースおっごりぃー!」バタバタ


花陽「えっ、絵里ちゃん!?」


凛「凛も負けないにゃー!」タタタッ


ワイワイガヤガヤ…

83: 2015/12/24(木) 23:00:51.93 ID:Rn54Ryml0EVE.net
穂乃果「みんな行っちゃった・・・」

穂乃果「よーし、わたしも・・・」



コツコツ…


穂乃果「?」


穂乃果「気のせい・・・だよね」タタッ


バタン








??「・・・ぽっぽぽぽっぽぽ」

84: 2015/12/24(木) 23:02:45.84 ID:Rn54Ryml0EVE.net
おしまい。


クリスマスイブだからかな!
みなさんのコメントがいつもより多くてあったかい気持ちになったぜ!

カップルを妬む気持ちだけでつらつら書いたSSに付き合ってくれてありがとう!

メリークリスマス!

85: 2015/12/24(木) 23:03:11.21 ID:YZRIPor40EVE.net
面白かったで

引用: 【SS】穂乃果「八尺様・・・」