1: 2017/06/02(金) 01:39:05.99 ID:16zw6gsq0

しんげき9話の前日談

こんな裏話があったら面白いなと思います

しんげき9話を視聴してから読んで欲しい


アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場(9) (電撃コミックスEX)

2: 2017/06/02(金) 01:39:44.37 ID:16zw6gsq0

モバP(以下P)「・・・・・・・・・・・・」

ちひろ「どうしたんですか?今日電話があってからずーっと考え込んでますけど。」

P「スイマセン。この仕事なんですけど、ありすにとってどうなんだろうと思って。」

ちひろ「どんな仕事ですか?」

(ちひろにしんげき9話台本を渡すP)

ちひろ「あー・・・。これ断ってもいいと思いますよ?ありすちゃん、『こんなの、私がやる仕事じゃありません!』って言うんじゃないですか?」

P「でも絶対可愛いんですよ、これを演じるありす。それに今のありすなら『仕事なら、全力でやります。でも理由はちゃんと説明はしてください、プロデューサーさん。』っていうと思います。」


3: 2017/06/02(金) 01:40:37.71 ID:16zw6gsq0

ちひろ「そうですか、確かにハマリ役といえばハマリ役なんですけどねぇ」

P「この仕事が来てすぐは断ろうと思ったんですけど、きっとありすがこういう役をするのは今だけなんですよ」

ちひろ「というと?」

P「ありすはこれからも色んな人と関わって、もっと成長していきます。それこそこういう仕事が来なくなるほど、彼女の様々な魅力に磨きがかかっていくでしょう。
そして、頃合いを見てもう一度話し合い、音楽活動に専念していくか、アイドル活動を続けていくか話をしようと思っています。」

P「今回はドラマの仕事で反響も大きいはずです。」

P「でも彼女の夢は音楽で誰かの心を動かすことなんですよ。」

P「橘ありすというアイドルを優先させるか、橘ありすという一人の女の子の夢を優先させるべきなのか、一社員のプロデューサーとしてどちらを優先させるかは明白で・・・」

ちひろ「・・・。プロデューサーさんの意見は大体わかりました。確かに将来、ありすちゃんがアーティストになったとしたら、こういう役を演じたという過去はプラスにならないかもしれませんね。」


4: 2017/06/02(金) 01:41:17.44 ID:16zw6gsq0

ちひろ「でもありすちゃんのプロデューサーはPさんなんですよ?」

ちひろ「会社はあなたにありすちゃんのプロデュースを任せたんです。会社を言い訳にするPさんなんて見たくもないし求めてもいません。しっかりと彼女のプロデュースに責任を持ってください。」

P「・・・」

ちひろ「ありすちゃんは立派なアイドルになりました。三度のライブを経験し、ある選挙では一位になりました。それは間違いなくPさんのおかげです。」

ちひろ「だから、これからも自分の信念に沿って前向きなプロデュースをしてください。」

ちひろ「私はそういうプロデューサーさんだからアシスタントとしてを頑張れるんです!」

ちひろ「今日の仕事は私が片付けておきますから、明日までにしっかり考えてきてくださいね。」


5: 2017/06/02(金) 01:41:47.15 ID:16zw6gsq0

P「・・・」

P「」ゴシゴシグイッ

P「ちひろさん、すいませんでした。今日はさっさと仕事終わらせて飲みに行きましょう!奢りますよ!」

ちひろ「そう言ってくれると思ってました♪じゃあこれ、Pさんの分の仕事です♪」

P「・・・なんかちひろさんのと比べて多くない?」

ちひろ「多くないです♪」

P「・・・」

ちひろ「早く終わらせてくださいねー♪楽しみですね!飲み!」

P「・・・」


6: 2017/06/02(金) 01:42:53.75 ID:16zw6gsq0

翌日

事務所

ありす「おはようございます。橘です。」

P「おはようありす。ちょっとこれから時間いいか?」

ありす「? わかりました、すぐ行きます。」


7: 2017/06/02(金) 01:43:37.19 ID:16zw6gsq0

会議室

ありす「どうしたんですか?改まって」

P「新しい仕事の依頼が来たぞ、しかもドラマの仕事で準レギュラーだ」

ありす「え・・・!?ほ、ほんとうですか!」

ありす「す、すごいじゃないですか!プロデューサーさん!」

P「でも役がありすの要望には合ってないんだ」

ありす「え・・・どういう、ことですか」

P「とりあえず台本を読んでくれ」

ありす「・・・分かりました。」

台本を渡し、それを読むありす

ありす「・・・」


8: 2017/06/02(金) 01:45:04.51 ID:16zw6gsq0

ありす「Pさんの言いたいことは分かりました。」

P「ありすはこの役をどう思った?」

ありす「正直な感想を言わせてもらうと、やりたいとは思いません。でも仕事ってそういうものですから。Pさんがやれというのなら、やります。」

P「そうだよなぁ。」

P「結論から言うと、俺はこの仕事、受けようと思ってる。」

ありす「!」

ありす「・・・まぁ、そうですよね。せっかくのドラマの仕事です。受けないというほうが不自然です。おかしいです。」

P「俺は、ありすの将来を思ってこの仕事を受けようと決めたんだ。」

ありす「え!?いや、それはおかしいと思います!プロデューサー!!」

ありす「私は!音楽で人の心を動かしたいと思って、この業界に入ったんです!まだ幼いですが、私なりの覚悟を持ってアイドルになったつもりです!Pさんはちゃんと分かってくれていると思ってました!!それを、将来とか、私のためを思ってとか、大人がよく使う言葉で誤魔化して、私を騙そうとするなんて、」

P「・・・」

ありす「・・・すいません。感情的になりました。ですが、今言ったことは本当の気持ちです。」

P「・・・」


9: 2017/06/02(金) 01:45:56.30 ID:16zw6gsq0

P「本当に成長したな、ありす。」

ありす「え・・・?」

P「俺はありすのプロデューサーになれて本当に良かったと思ってる。」

ありす「きゅ、急に何を言い出すんですか?ご機嫌取りですか?」

P「さっきの言葉はもっとちゃんと説明してから言うべきだったな、申し訳ない。」

P「最初に会ったときはあんなに素直じゃなかったのが嘘みたいだ。あれから、色んなアイドルと共演したり、色んなスタッフさんと関わって色んなことを吸収していってる。」

P「ありす、人は変わっていくんだ。当時は確信を持って思っていたことでも、いろんな経験や考え方の変化でいとも簡単に崩れていくことがある。」

ありす「わ、私にも当てはまるっていうんですか?」

P「絶対に当てはまらないとは言えない。」

ありす「っ・・・」


10: 2017/06/02(金) 01:46:46.89 ID:16zw6gsq0

P「もちろんありすの考え方が必ず変わるとは言わない。でも変わることもある。例えば、ありすの夢が音楽を通して人を感動させる、ということから、アイドル活動を通して人を感動させる、というものになるかもしれない。」

P「もしそうなったときに、あの仕事をやっておけば、もっと違う結果が出ていたかもしれないと後悔させたくない。できることは全て全力でやりたい。俺はそう思ってる。」

ありす「・・・」

ありす「だから、今回の仕事は受けた方がいいって言うんですか?」

ありす「もしそうなら、安直だと思います。Pさんの仰ることは理解できます。でも一度やったことは二度と元には戻りません。将来、音楽家として活動していくことになったら、今回の仕事は足かせになると思います。」

P「ありすの言うとおりだ。一度やったことは戻せない。でも、将来音楽家として活動していくうえで橘ありすという人物の知名度を上げることは多少のマイナス要素もあるが、大きなプラスになる。」


11: 2017/06/02(金) 01:48:31.40 ID:16zw6gsq0

P「知名度が高ければ多くの人の目に留まり、その分だけ多くの人生に関わることができる。それに今のアイドルとして姿を見せておくことで将来は、成長した自分、という大きな要素を追加することもできる。」

P「とはいえ、アーティストは第一に作品が評価される。誰がその作品を生み出したか、というのは二の次だ。しかし、どんなに良い作品を生み出しても評価してくれる人がいなければ世の中に対して、何もしていないのと変わらない。知名度が高いうえで、良い作品を生み出すことができればより多くの人を感動させることができる。」

P「どんな役だろうがドラマで色々な演技をすることは表現の幅を広げることにもなる。アーティストとしてはとても大事なことだ。」

P「もう一度言うけど、過去はやり直せない。みんなそれを分かっているから今、その時点で頑張っている人に心を打たれ、応援したくなる。」

P「もし、今回の仕事で将来のありすの仕事に支障が出ようものなら、プロデューサーとして、一人のありすのファンとしてそんな奴ら俺がどうにでもする。少なくとも、メディアを通してはそんなことは絶対にさせない。プロデューサーとして、それだけの責任は負う。」

ありす「・・・」

P「だから、俺はこの仕事をありすに受けて欲しい。」

ありす「・・・」


12: 2017/06/02(金) 01:49:28.01 ID:16zw6gsq0

ありす「本当に、プロデューサーはすごい人ですね。」

ありす「まず、さっきの暴言について謝ります。ごめんなさい。」

ありす「私も、後悔はしたくありません。ぜひ、その仕事、受けさせてください!」

P「ありがとう、その目を見たら俺もプロデュースのしがいがあるってもんだよ。」

P「じゃあ、電話で出演するって伝えてくる、レッスン今日も頑張ってな!ありす!」

ありす「はい!Pさん!」


しんげき9話へつづく


13: 2017/06/02(金) 01:50:03.14 ID:16zw6gsq0

終わりです。いやーーーーしんげき9話面白かったですね
宮城公演も最高でした。旅館でお世話になったPさん達、2日目のアリーナ後ろで握手したP、色んな人と話せて楽しかったです。アイマスの世界を広げてくれた友人にも感謝してます。

旬が過ぎましたが一応過去作貼っておきます
ピコありす「TTTT」

14: 2017/06/02(金) 02:05:42.77 ID:16zw6gsq0
書き忘れましたがちひろさんにありすがここまで成長できた、というやつは全国のありすPに向けて言ってもらってます。

引用: ありすP、しんげき9話の裏側