1: 2008/12/25(木) 17:21:57.65 ID:GxCXyAP5O
JUM「今誰もいないはずなんだけど…。真紅達が帰ってきたのかな」

ガチャ

薔薇「…4連鎖……」

水銀燈「ち、ちょっとぉ! 人がせっかく積み上げたところを攻めるなんて良くないわよぉ!」

薔薇「…そういうゲーム…」

JUM「――あー、お二人さん。お楽しみのとこ悪いけど…、なにやってるの?」

水銀燈「見て分からない? ゲームよぉ」

薔薇「…お邪魔…してます…」
ローゼンメイデン 愛蔵版 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

9: 2008/12/25(木) 17:28:06.50 ID:GxCXyAP5O
水銀燈「あらぁ? 真紅たちはどうしたのぉ?」

JUM「真紅なら姉ちゃんとくんくんの映画を見に、翠星石は蒼星石とどっか行って、雛苺は柏葉の家に行った」

水銀燈「ふぅん、であなたがお留守番ねぇ」

JUM「まぁな。で、なんでお前らがこんなとこにいるんだ? マスターとクリスマス会でもやれば、」

薔薇「――ッ!」ビクッ

水銀燈「バっー、JUM、ちょっとこっち来なさぁい」

12: 2008/12/25(木) 17:35:37.24 ID:GxCXyAP5O
JUM「な、なんだよ廊下なんかに引っ張ってきて」

水銀燈「いい、JUM? 今のは何も知らなかったから許してあげるけど、薔薇水晶の前でマスターの話をするのは止めてちょうだぁい」

JUM「? なんでだよ、エンジュがどうかしたのか?」

水銀燈「エンジュは――、薔薇水晶の前から消えたわぁ」

JUM「え…? なんで。だってエンジュは薔薇水晶の」

水銀燈「それが分かったら苦労しないわぁ」

16: 2008/12/25(木) 17:40:23.45 ID:GxCXyAP5O
JUM「エンジュが居なくなったのは分かったけど…、どうして一緒にいたんだよ」

水銀燈「nのフィールドで会ったのよぉ。それから成り行きで、ねぇ」

JUM「で、なんで僕の家に?」

水銀燈「あなたになんか用は無いわぁ。本当は真紅たちと話したかったのだけど、留守なら仕方ないわねぇ」スッ

JUM「ん? おい、どこ行くんだ」

水銀燈「めぐの所よぉ、さすがに何日も行かないわけにもいかないし」

17: 2008/12/25(木) 17:45:25.67 ID:GxCXyAP5O
JUM「薔薇水晶はどうするんだよ…! 僕は無関係だぞ!」

水銀燈「真紅たちが帰ってくる頃にまた来るから、それまでは相手してなさぁい」

JUM「相手って、なにを」

水銀燈「…あなたがいつも真紅たちにしてあげてる事だけでいいわぁ。とりあえずあの子を一人にはしないことね」バサッ

JUM「待っ――! くそ、nのフィールドに入っちゃったか……」

JUM「――どうすればいいんだよ…」

19: 2008/12/25(木) 17:50:54.35 ID:GxCXyAP5O
JUM「僕が真紅たちにしてやってる事? なんなんだよ、押し付けていきやがって……」

JUM「とりあえず、居間に戻るか」

~居間~

JUM「薔薇水晶?」

薔薇「………」

JUM「……(膝抱えこんじゃってるな) なぁ、キャラGAME OVERになってるぞ」

薔薇「…と……ま」

JUM「ん?」

薔薇「おとう…さま……っ」

21: 2008/12/25(木) 17:57:58.44 ID:GxCXyAP5O
JUM「エンジュと……何があったんだ?」

薔薇「分からない……。nのフィールドから帰ったら…いなくなってた…」

JUM「なんだよ、それじゃあ出掛けてるだけかもしれないじゃないか」

薔薇「…飲みかけのコーヒーが……あったの…。まだ、あたたかかった…」

JUM「え?」

薔薇「私は…待った。でも…帰ってこなかった……」

23: 2008/12/25(木) 18:05:03.37 ID:GxCXyAP5O
薔薇「お、父さまは……私が…っ」

JUM「わっ、な泣くなよ!」

薔薇「私が嫌いに…っ、だから……居なくなっ…」

JUM「と、とりあえず泣き止めって。ほらハンカチ」

薔薇水晶「……ありがとう…」

JUM「(にしてもコーヒー飲みかけで出掛けるなんて普通は無いよな? なにかあったのかなぁ)」

24: 2008/12/25(木) 18:12:06.49 ID:GxCXyAP5O
JUM「(とにかく、僕一人じゃ何も出来そうにないな…。ったく、なんでこういう時に限って誰もいないんだ)」

薔薇「……」

JUM「だぁっ、だから落ち込むなって。きっとエンジュになにか急用が出来ただけだって!」

薔薇「……急用…?」

JUM「あぁ。白崎さんも居なかったんだろ? なら仕事関係かもしれない」

薔薇「……」

JUM「とにかく、もうちょっと待ってみよう。何かするのはそれからでも遅くないって」

25: 2008/12/25(木) 18:18:40.71 ID:GxCXyAP5O
JUM「もう少ししたら真紅か誰か帰ってくるし、水銀燈だってくる。そしたらまたエンジュのことを話そう。きっと力になってくれるさ」

薔薇「……うん…」

JUM「よし、そうと決まれば気分転換だ。薔薇水晶、今度は僕がゲームで対戦してやるよ」

薔薇「ハンデは……有りで…。JUMは…強そうだから」

JUM「じゃあ僕は辛口でやるよ」

27: 2008/12/25(木) 18:24:25.48 ID:GxCXyAP5O
JUM「む、くそ、このっ!」

薔薇水晶「…ばよえーん…」

JUM「あぁ! 大事な所が封印された!」

薔薇「…全消し」

JUM「――だぁー! ダメだ、ぜんっぜん勝てない!」

薔薇「…36戦34勝…2負…」

JUM「ハンデを逆にしてもらってこの結果だもんなぁ。薔薇水晶、このゲームどっかでやったことある?」

薔薇「ない……これが初めて…」

JUM「マジか…」

36: 2008/12/25(木) 18:51:45.35 ID:GxCXyAP5O
JUM「なんかゲームばっかりやってたけど小腹がすいてきたなぁ」

薔薇「…なにか……作る?」

JUM「ん、薔薇水晶って料理出来るのか?」

薔薇「何回か……やったことある…」

JUM「へぇ、意外だな。でもお客にやらせてばっかりっていうのも悪いしなぁ」

薔薇「良いの…迷惑かけるから……」

47: 2008/12/25(木) 19:49:43.82 ID:GxCXyAP5O
JUM「ならこうしよう」

薔薇「なに…?」

JUM「僕はやらせるわけにはいかない、薔薇水晶はやりたい。なら一緒に料理しよう」

薔薇「…一緒に…料理?」

JUM「あぁ。一人より二人のほうがいいだろ? 翠星石もやってるし」

薔薇「…分かった……なに作る…?」

JUM「ん、僕は料理スキルなんてほとんど無いからなぁ…カレーにしよう」

50: 2008/12/25(木) 19:56:17.34 ID:GxCXyAP5O
薔薇「…玉ねぎ…しみる……」

JUM「(ドールでもしみるんだな…)かして、僕が切るよ」

薔薇「…じゃあ私はなにをすればいい……?」

JUM「うーん、肉…は汚れるからなぁ。なんか入れたい野菜あったら出して」

薔薇「…分かった…」ガサゴソ

JUM「(いつも思うけど、こうしてみるとドールとは思えないよなぁ)」

51: 2008/12/25(木) 20:04:40.28 ID:GxCXyAP5O
JUM「こうしてカレーが出来たわけだけど」

薔薇「…不思議な味がする……」

JUM「豆腐とポテチを持ってくるとは思わなかったよ」パク

薔薇「……近くにあったから」モグモグ

JUM「まぁ入れたのは僕なんだけどね。不味くはなくて良かったよ」

薔薇「…初めての…合作……」

JUM「そうだな、僕と薔薇水晶の合作カレーだ」

52: 2008/12/25(木) 20:13:38.13 ID:GxCXyAP5O
JUM「もう9時か。あいつら遅いなぁ」

薔薇「……」

JUM「(そういや薔薇水晶、エンジュがいないから帰れないんだよな……)」

JUM「ふぅ、僕は皿の後片付けしてるから風呂入ってきていいよ」

薔薇「…お風呂……?」

JUM「うん、もう沸いてるはずだから。タオルは脱衣場にあるからすぐ分かるよ」

薔薇「分かった……先に行ってる…」タタタ…

59: 2008/12/25(木) 20:24:38.20 ID:GxCXyAP5O
JUM「ん? なんか今聞き逃せないセリフが…。まぁ薔薇水晶は行っちゃったし、後片付けしようかな」

ジャー
カチャカチャ

JUM「にしても真紅たちが帰ってきたら来たでうるさそうだな…。僕って損な生活してるよ」

JUM「(エンジュは一体どこに行ったんだろう…。あんなに薔薇水晶を大事にしてたのに)」

JUM「っと、考えごとしてたら皿洗い終わっちまった」

64: 2008/12/25(木) 20:41:54.22 ID:GxCXyAP5O
JUM「さて、薔薇水晶が上がってくるまでテレビでも見てるか」

ガチャ

JUM「ん、薔薇水晶もう上がっ――!」

薔薇「JUM…まだ…?」

JUM「ばっ、薔薇水晶! お前なんてカッコで出てくるんだよ!」

薔薇「? タオルは……巻いてる…」

JUM「いやそういう問題じゃ…! っていうかまだって、僕は一緒に入らないぞ!」

薔薇「…でも…、そうしないと湯船に……沈む…」

JUM「あ」

70: 2008/12/25(木) 21:08:23.73 ID:GxCXyAP5O
JUM「そっか、薔薇水晶の身長じゃ入るのは難しいのか…」

薔薇「……うん、ゆったり…入れない」

JUM「真冬に行水ってのも寒いだろうしなぁ…」

薔薇「…だから……一緒に…」

JUM「(まずい…、この流れは実にマズいッ!)」

薔薇「……くちっ…」

JUM「寒いのか? 早く風呂に――はっ!?」

薔薇「早く…」グイグイ

71: 2008/12/25(木) 21:31:31.68 ID:GxCXyAP5O
JUM「(けっきょく実力行使に負けた…)」

薔薇「それじゃJUM……湯船に入って…」

JUM「あぁ、分かったよ。ったく後は野となれ山となれだ!」

ザブ

JUM「(薔薇水晶はそんな気ないんだろうけど、やっぱ抱きかかえてるようにしか見えないよなこのポジション…)」

薔薇水晶「…JUM……あったかい…」

JUM「(薔薇水晶、なんか甘い香りがする…)」

75: 2008/12/25(木) 21:44:24.96 ID:GxCXyAP5O
薔薇「JUM…」

JUM「ん? どうした薔薇水晶」

薔薇「今日は……ありがとう…」

JUM「あ、いや、礼とかはいいよ。真紅たちも帰ってきてないから問題はそのままだし」

薔薇「…お父さまが居なくなったのは…悲しいけど…絶対に探し出す……」

JUM「うん、その調子だ。前向きに考えないとな」

薔薇「JUM……ありがとう…」

83: 2008/12/25(木) 22:12:11.40 ID:GxCXyAP5O
~同時刻JUM家玄関前~

真紅「くんくんの映画はやはり最高だったのだわ」

のり「ただいま~。ってあれ、JUMくんいないの?」

真紅「お風呂から人の気配がするのだわ」

のり「あらあら、お風呂に入ってたのね。それじゃ真紅ちゃん、私は部屋に戻るね」

真紅「分かったのだわ。まったく、JUMたら私の帰宅時にお風呂に入ってるだなんて。ちょっとJUM、話があるの」

88: 2008/12/25(木) 22:40:26.24 ID:GxCXyAP5O
JUM「じゃあそろそろ上がるか。先に上がっててくれ」

薔薇「……」プルプル

JUM「っぷ、濡れてる髪振り回さないでくれ。ほら、僕が向こうむいてる間に体にタオル巻いて脱衣場にいって」

薔薇「…分かった……」

JUM「(ふぅ、なんとか事なきを得たか。さて、僕も上がるか)」ザバッ

ガラッ

JUM「なんだ薔薇水晶、全然頭拭いてないじゃん」

薔薇「…別に……かまわない……」

JUM「僕が構うよ。ちょっとじっとしてろよ、拭くから」

薔薇「……くすぐったい…」

?「ちょっとJUM、話があるの」

93: 2008/12/25(木) 23:13:44.82 ID:GxCXyAP5O
JUM・真「あ」

薔薇「…おじゃましてます…」

真紅「JUM、これはどういう状況なのかしら?」

JUM「あ、いや、これは、まだ髪を拭いてやってるだけで」

真紅「腰にタオルを巻いただけで……?」

JUM「いや、これは……」

薔薇「JUM……お風呂…気持ち良かった…」

JUM「………」

真紅「……」

106: 2008/12/25(木) 23:40:17.10 ID:GxCXyAP5O
JUM「とりあえずすいませんでした」

真紅「まったく…、なにも無かったから良かったものの。それで薔薇水晶、貴女なんでここにいるのかしら?」

薔薇「…お父さまが…居なくなってしまったから……」

真紅「居なくなる? そんなことは」

カッ!

JUM「!? 鏡が光っ――」

水銀燈「こんばんはぁ、真紅ぅ。JUM、薔薇水晶はどう?」

真紅「水銀燈…っ!」

108: 2008/12/25(木) 23:43:47.10 ID:GxCXyAP5O
真紅「水銀燈、貴女までなんの用? 狙いすましたかのようなタイミングだけど」

水銀燈「ただの偶然よぉ。それより薔薇水晶の事だけど、話があるの。ちょっと時間もらうわよぉ」

JUM「えっと、僕は」

水銀燈「あなたはいらないわぁ。薔薇水晶とどこかに行ってなさぁい」

JUM「あ、あぁ…。薔薇水晶、居間のほうに行こう」

薔薇「……うん…」

109: 2008/12/25(木) 23:47:30.60 ID:GxCXyAP5O
薔薇「……あの二人は…」

JUM「大丈夫だよ、真紅ならきっと分かってくれるから。水銀燈だって薔薇水晶のこと心配してるみたいだし」

薔薇「……そう…良かった…」

JUM「それじゃ真紅達が話終わるまで何かしよう」

薔薇「……今度は…このゲームが…したい…」

JUM「ん、懐かしいなぁそのソフト。んじゃそれやるか」

112: 2008/12/25(木) 23:53:36.05 ID:GxCXyAP5O
薔薇「……おにごろし火炎ハンマー…」

JUM「(まさか薔薇水晶がハンマーなんて男らしい武器を使うとは……)おっと、僕のパラソル捌きの前じゃ相手にならないぜ」

薔薇「……JUM、このゲーム…上手い…」

JUM「かなりやり込んだからね。そうそう負けられ、ってあぁ! やられた!」

薔薇水晶「……クスッ…」

JUM「ちっくしょー、言ったそばから…。ん、今薔薇水晶笑った?」

薔薇水晶「…ううん……笑ってない…」

114: 2008/12/26(金) 00:00:27.71 ID:XEk15JzLO
ガチャ

真紅「JUM、話は聞いたのだわ」

水銀燈「まったく、貴女には呆れるわぁ。どれだけミーディアムのことが大事なのよ」

真紅「う、ウルサいのだわ水銀燈」

JUM「じゃあ、協力してくれるんだな」

真紅「えぇ。不本意ではあるけれど」

薔薇「……ありがとう…お姉さま方…」

JUM「それじゃ話をまとめていこうか。――薔薇水晶、話せるか?」

薔薇「…大丈夫……話せる…」

真紅「なるべく詳しくね。それとJUM!」

JUM「はいはい、紅茶だろ」

117: 2008/12/26(金) 00:14:23.18 ID:XEk15JzLO
薔薇「私は……nのフィールドをよく散歩する…。その日も…してた」

真紅「それで?」

薔薇「…お父さまのお店に帰ってきたら……お父さまが…いなかった…」

薔薇「探したけれど……いなくて…コーヒーがあったから待ったけど…、1日待っても帰ってこなかった…」

JUM「白崎さんもいなくなってたんだよな?」

薔薇「うん…。それで…またnのフィールドに行った…。そしてラプラスに話をしようと思ったけど……会えなかった」

水銀燈「そして私と会った、そう?」

薔薇「…うん…」

119: 2008/12/26(金) 00:19:50.72 ID:XEk15JzLO
真紅「確かにあのラプラスなら、何か知ってるのかもしれないのだわ」

水銀燈「でもあの兎、こっちが用事あるときに限っていないのよねぇ。その後も薔薇水晶と探したのだけれど」

JUM「会えなくて僕の家に来たってわけか…」

薔薇「…私の話は…これでおしまい…」

真紅「薔薇水晶、エンジュは居なくなる前に何か変わったところは無かったの?」

薔薇「…なかった…いつも通りの…お父さまだった…」

120: 2008/12/26(金) 00:25:13.34 ID:XEk15JzLO
JUM「うーん、なんで急にいなくなったんだろう」

真紅「とりあえず今日は遅いから捜索は明日にするわ。私と水銀燈はラプラスを探すから、JUMは薔薇水晶と一緒にいてあげて」

JUM「え、僕も探したほうが」

水銀燈「JUM、言ったはずよぉ。一緒にいてあげて、って」

JUM「あ……」

薔薇「……お姉さま方…ありがとう…」

真紅「礼なんかいらないわ。翠星石たちには私から話しておくわ、JUMじゃ余計に話こじれそうだし」

JUM「むっ…、悪かったな」

122: 2008/12/26(金) 00:29:36.70 ID:XEk15JzLO
JUM「って、翠星石たちはどうしたんだ!? もう夜遅いのに…」

真紅「翠星石たちはあちらの泊まるそうよ。雛苺も同じ。のりに連絡があったわ」

JUM「なんだ、そうか」

水銀燈「あらぁ、翠星石たちが心配?」

JUM「ばっ、バカ言うなよ! あんな性悪人形たちなんて心配じゃないさ」

薔薇「…JUM…顔……真っ赤…」

JUM「う、うるさいな! 薔薇水晶よけいなことは言わなくて言い!」

124: 2008/12/26(金) 00:41:26.85 ID:XEk15JzLO
水銀燈「それじゃ話もまとまったみたいだし、私も帰るわぁ」

真紅「あら水銀燈、ミーディアムを大切にね」

水銀燈「! 別に、めぐは関係ないわぁ」

JUM「あ~…、また始まっちまった」

薔薇「? また…?」

JUM「あぁ、薔薇水晶は初めてだから知らないか。なんかこの二人はよく分かんないことでぶつかり合ってね」

薔薇「……戦い…?」

JUM「そんなもんじゃないよ。ま、勝手に解決するんだけど」

125: 2008/12/26(金) 00:45:44.78 ID:XEk15JzLO
真紅「く、今日という今日はひれ伏させるのだわ!」

水銀燈「その言葉、そっくりそのまま返すわぁ」

JUM「はいはい、じゃあこれここに置いとくからな。薔薇水晶、僕の部屋行くぞ」

薔薇「……なに…これ?」

JUM「二人専用のゲーム機だよ。なんか最近ハマってるみたいで、喧嘩するたびに対戦するようになったんだ」

真紅「行くのだわリザード、水銀燈なんか焼き尽くすのだわ!」

水銀燈「甘いわよぉ真紅ぅ、行きなさぁいブラッキー」

128: 2008/12/26(金) 00:50:27.63 ID:XEk15JzLO
JUM「これが僕の部屋だよ。って言っても何も無いけどな」

薔薇「……くんくん…人形…」

JUM「それは真紅のだよ。触ると怒るんだよなー、僕が買ってやったやつなのに」

薔薇「…かわいい……ふかふか…」ギュッ

JUM「って聞いてないな…。まぁいいや薔薇水晶、僕はちょっとパソコンするからそこのベッドで寝ていいよ」

薔薇「…パソコン…?」

JUM「うん、といっも別に買うものとかないからチェックだけだけど」

130: 2008/12/26(金) 00:56:56.17 ID:XEk15JzLO
JUM「ふぅ…、今日もとくにめぼしい物は無しっと。そろそろ床で寝よう」

薔薇「JUM…」

JUM「ぅわっ! なんだ薔薇水晶、まだ起きてたのか…」

薔薇「…JUMを……見てた…」

JUM「僕なんか見てたって面白くないだろ」

薔薇「…ううん……面白かった…JUMの背中……大きい」

JUM「? そうか? 平均だと思うけど」

薔薇「JUM…」

JUM「ん、どした?」

薔薇「一緒に……寝よ…」

131: 2008/12/26(金) 00:58:19.13 ID:XEk15JzLO
風呂入ってくるノシ

148: 2008/12/26(金) 01:32:55.15 ID:XEk15JzLO
JUM「はぁ!? なっななな何を言ってるんだ薔薇水晶!」

薔薇「一人は……嫌…」

JUM「いや、ちゃんと僕はここで寝るから」

薔薇「……一緒に…」

JUM「…分かった、分かったから僕をそんな目で見ないでくれ」

~部屋外~

水銀燈「あらぁ、いい雰囲気ねぇ。真紅ぅ、どんな気持ち?」

真紅「別にどうもしないのだわ。それより貴女、帰るんじゃなかったの?」

水銀燈「帰るわよぉ。ブラッキー、やみうち」

真紅「あぁ! 私のリザードが…」

152: 2008/12/26(金) 01:38:35.22 ID:XEk15JzLO
JUM「はぁ…(なんでドールの隣にいるだけで緊張してるんだ僕)」

薔薇「JUM……嫌…?」

JUM「いや嫌じゃないよ。それより狭くないか?」

薔薇「…大丈夫……ちょうど良い…」

JUM「狭かったら言えよ。ズレるから」

薔薇「…うん……分かった」ギュッ

JUM「! えーと、薔薇水晶? そんなに腕にしがみつかなくても」

薔薇「この方が……安心する…」

153: 2008/12/26(金) 01:44:19.88 ID:XEk15JzLO
薔薇「…すー…すー」

JUM「(寝たか…。でも僕は寝れない…)」

ガチャ…

真紅「薔薇水晶はもう寝たの?」

JUM「あぁ。で、今日の試合の結果は?」

真紅「それを私に聞くなんて、勇気があるわねJUM」

JUM「(負けたのか…)ま、まぁ、それよりだ。ありがとな、薔薇水晶の力になってくれて」

真紅「さっきも言ったけど、別に礼を言われるものでもないのだわ」

JUM「それでも、だ。じゃあお休み真紅」

真紅「お休みJUM」

154: 2008/12/26(金) 01:50:08.55 ID:XEk15JzLO
JUM「ん…朝か…」

薔薇「……すー…」

JUM「まだ寝てる…。というかまだ腕掴んでやがる。おい薔薇水晶、朝だぞ」ユサユサ

薔薇「……ぅ…ん…」

JUM「ほら起きろ。真紅にどやされるぞ」

薔薇「…ぅ…おはよう…JUM…」

JUM「おう、おはよー」

のり「JUMくーん! 朝ご飯できたわよー!」

JUM「朝ご飯か。ってまだ薔薇水晶のこと言ってなかった! 薔薇水晶のご飯どうしよう…」

薔薇「私は別に…食べなくていい…」

JUM「それは僕が困る。とりあえず下に行こう」

155: 2008/12/26(金) 01:54:11.89 ID:XEk15JzLO
薔薇「おはよう…ございます…」

のり「あら、あなたが薔薇水晶ちゃんね。真紅ちゃんから話は聞いたわよー」

JUM「え、おい真紅」ヒソヒソ

真紅「本当のことは言ってないから安心しなさい。遊びに来たことにしてるわ」ヒソヒソ

JUM「なんだ、そういうことか。じゃあ朝ご飯も大丈夫だな」

真紅「まったく、後先を考えないミーディアムを持つと苦労するわ」

JUM「なんだと! まぁいいや、とりあえず朝ご飯にするぞ」

157: 2008/12/26(金) 01:55:57.22 ID:XEk15JzLO
ダメだ、眠い
とりあえずここら辺で寝るノシ

朝にまだあったら書く

188: 2008/12/26(金) 07:53:53.38 ID:XEk15JzLO
薔薇「…美味しかった…」

のり「それは良かったわ。あ、いけない! 今日は友達と約束してたんだった!」

真紅「あら、そうなの。お皿の片付けは私たちがやるから行ってきていいわよ」

のり「ごめんね真紅ちゃん、じゃあとはお願いね~」バタバタ

のり「行って来まーす!」バタン

JUM「行ったか…。さて、それじゃ皿洗いやるよ」

189: 2008/12/26(金) 07:57:43.61 ID:XEk15JzLO
真紅「私はくんくんのDVDを見てるわ。終わったら教えてちょうだい」

JUM「なんだよ、私たちって言っておきながら僕だけかよ」

真紅「あら、主人にたてつくなんてね」

JUM「誰が主人だ! ったく、相変わらず自己中なんだから…」

ジャー
カチャカチャ

薔薇「………」

JUM「ん、どした薔薇水晶」

薔薇「……手伝う…」

JUM「おぉ、ありがとう。じゃ皿拭いてくれるか?」

薔薇「おやすい…ごよう…」

191: 2008/12/26(金) 08:02:21.19 ID:XEk15JzLO
水銀燈「あらぁ、家事してるなんてね」

JUM「水銀燈、来てたのか」

水銀燈「つい今し方ね。真紅はいるぅ?」

JUM「アイツならそこでくんくんのDVDを見てるよ。っと、この皿で終わりね」

薔薇「……分かった…」フキフキ

水銀燈「―――ふぅん」

JUM「な、なんだよ、その目は」

水銀燈「別にぃ。ほら真紅、くんくんなんか見てないでラプラス探しに行くわよぉ」

193: 2008/12/26(金) 08:08:14.66 ID:XEk15JzLO
真紅「まだ見終わってないのに…仕方ないのだわ」

水銀燈「DVDなんていつでも見られるでしょぉ」

JUM「水銀燈の言うとおりだぞ真紅」

真紅「あら、そのDVDを貸してくれって真剣に言って来た貴女のセリフじゃないわね」

水銀燈「う、うるさいわよぉ! 思った以上に面白かったんだから仕方ないでしょ」

JUM「(水銀燈もハマったんだ…)はいはい、分かったから話戻すぞー」

194: 2008/12/26(金) 08:13:24.25 ID:XEk15JzLO
真紅「それじゃ、蒼星石たちには私から伝えておくから」

JUM「ドール皆で探すのか?」

水銀燈「そのほうが見つけやすいから。ま、翠星石あたりならここに来るかもしれないわねぇ」

JUM「? まぁ別に来る分には構わないけど…」

真紅「それじゃ行って来るのだわ」

JUM「あぁ、行ってらっしゃい」

薔薇「行って…らっしゃい……」

196: 2008/12/26(金) 08:19:06.98 ID:XEk15JzLO
JUM「――さて、なにしようか」

薔薇「昨日お姉さま方がやってた……ゲームが…したい…」

JUM「あれか? でもアイツらの勝手にいじると物凄い怒るんだよな」

薔薇「………」

JUM「僕のやつだったら貸すよ、もうやってないし。ほら」

ピコーン

JUM「どこでセーブしたっけなぁ」カチカチ

薔薇「……手持ちが…いっぱい…見せて…」ギュウ

JUM「わ、分かったからそんなに体重預けるな!」

197: 2008/12/26(金) 08:23:28.04 ID:XEk15JzLO
薔薇「…サイコキネシス…」カチカチ

JUM「薔薇水晶はエーフィが気に入ったのか」

薔薇「…かわいい…」

JUM「さて、じゃあ僕は本でも読んでようかな。なんか分からない操作とかあったら言えよ?」

薔薇「…分かった」

JUM「間違っても増殖法はやらないでくれよ」

薔薇「…増殖法……?」

JUM「いや、忘れてくれ」

198: 2008/12/26(金) 08:32:55.90 ID:XEk15JzLO
JUM「なぁ、薔薇水晶」

薔薇「………」

JUM「薔薇水晶?」

薔薇「…すぅ…」

JUM「ゲームつけっぱなしで寝てる…。昨日あんまりねれなかった僕に対する挑戦か?」

JUM「ほら薔薇水晶、そんなとこで寝ると風邪ひくぞ」

薔薇「…ん……」

JUM「ったく――、ソファーに寝かせるか。よっ、と」

ガチャ

翠星石「やいチビ人間! 翠星石が来てやったです、感謝するですぅ」

JUM「あ、翠星石」

翠星石「なっ――、なに薔薇水晶をお姫さまだっこしてやがるですかぁ!」

199: 2008/12/26(金) 08:36:55.36 ID:XEk15JzLO
JUM「いやこれは寝ちゃった薔薇水晶をソファーに移動させようと…」

翠星石「本当ですか? ……そういう事なら信じてやらないこともないです」

JUM「信じるも信じないも、それしか無いだろ…。で、真紅から話は」

翠星石「もちろん聞いてるです。でも居なかったから、休憩がてらちょっと来たわけですぅ」

JUM「そっか…。やっぱり簡単には見つからないか」

214: 2008/12/26(金) 11:54:21.85 ID:XEk15JzLO
翠星石「それにしても薔薇水晶がうちにいるのはやっぱり違和感があるですぅ」

JUM「そういうなよ。僕はこれ以上人形が増えようと驚かないし」

翠星石「それよりチビ人間、腹がすいたので何か出しやがれですぅ」

JUM「なにかって、それくらい自分でやれよ」

翠星石「家でぐうたらしてた奴が働いてきた翠星石にご飯を食べさせるのは常識ですぅ!」

JUM「う…、そう言われると弱いな」

翠星石「分かったらさっさとやるです」

215: 2008/12/26(金) 12:00:35.87 ID:XEk15JzLO
JUM「ほら、カレーだ。昨日のだけど」

翠星石「? なんだか不思議な味ですねこれ」

JUM「あぁ、豆腐とポテチ入れたからね」

翠星石「な、なんでそんなもの混ぜたですか?」

JUM「いや、薔薇水晶に入れるもの任せたらそれ持ってきた。混ぜたのは僕だけど」

翠星石「一緒に料理……したですか?」

JUM「あぁ、初めてにしちゃ上手くいったんじゃないかな」

翠星石「………」

ゲシッ!

JUM「痛ぁっ! くそ、いきなりなにするんだよ!」

翠星石「罰ですぅ」

JUM「なんの罰だよ…」

216: 2008/12/26(金) 12:06:30.03 ID:XEk15JzLO
薔薇「…ん…JUM……?」

JUM「お、起きたか薔薇水晶」

翠星石「まったく、お昼寝とはいい度胸してるです」

薔薇「…翠星石…お姉さま……」

翠星石「? なんですか?」

薔薇「いつから…そこに……?」

翠星石「ついさっきですぅ。とりあえずあの兎野郎は見つかってねーですから、もうちょっとしたらまた出掛けるですぅ」

JUM「悪いな、面倒かけて」

翠星石「まったくですぅ。世話がやける妹ですぅ」

薔薇「……ありがとう…」

218: 2008/12/26(金) 12:15:06.05 ID:XEk15JzLO
翠星石「じゃ、もう一度探してくるですぅ」

JUM「あぁ、よろしく頼む。そういや蒼星石はどうしたんだ?」

翠星石「蒼星石は…探してないですぅ」

JUM「え、なんで? こういう困り事は率先して関わっていきそうなのに」

薔薇「………」

翠星石「チビ人間、ちょっと耳を貸すです」

JUM「ん、別にいいけど……なんだよ」

翠星石「――蒼星石のマスターが病気になったのと…まだ薔薇水晶に良いイメージがないみたいで…真紅の申し出を拒んだのですぅ」ヒソヒソ

219: 2008/12/26(金) 12:21:13.76 ID:XEk15JzLO
JUM「はぁ!? 拒んだって、あの蒼星石が!?」

翠星石「ちょ、バカ人間! 声がデカいですぅ!」ヒソヒソ

JUM「わ、悪い…。でもなんで拒むんだよ…」ヒソヒソ

翠星石「さっきも言ったようにイメージですぅ。それに優先すべきマスターが病気になったからには仕方ないですぅ」

JUM「たしかにマスターのほうも大事だけど…」

翠星石「また蒼星石に協力を要請するって真紅は言ってましたから、大丈夫だとは思うですけど…」

JUM「予想外だったな…」

翠星石「まったくですぅ。と、そろそろ本当に翠星石は行くですぅ」

JUM「あぁ、わかった」

220: 2008/12/26(金) 12:25:10.62 ID:XEk15JzLO
薔薇「…JUM……」

JUM「ん、薔薇水晶どした?」

薔薇「拒んだって…聞こえた…」

JUM「(くそ、デカい声だしたから当たり前か…)蒼星石が…嫌がったらしい」

薔薇「………」

JUM「なんだかマスター関係で忙しいみたいでさ。大丈夫、蒼星石のことだから必ず力になってくれるって」

薔薇「うん……そうなったら、嬉しい……」

224: 2008/12/26(金) 12:31:29.77 ID:XEk15JzLO
JUM「(とは言ったけど…薔薇水晶そうとうショック受けたみたいだな)」

薔薇「………」

JUM「なぁ、大丈夫だって。すぐに皆ラプラスを見つけて戻ってくるさ、元気出せよ」

薔薇「…うん……」

JUM「そうだ、昼飯まだだろ? なんか食べたほうがいいぞ」

薔薇「…うん……」

JUM「………(見てるこっちもツラいなぁ)」

225: 2008/12/26(金) 12:35:33.06 ID:XEk15JzLO
薔薇「後片付けは……私がやる…」

ジャー
カチャカチャ

JUM「ん、わかった。それと薔薇水晶」

薔薇「? …なに……」

JUM「皿洗い終わったら気分転換に外行くぞ」

薔薇「……でも…JUMは…」

JUM「僕のことはいいから。とにかくこれは決定事項だからな」

薔薇「……分かった…、早く洗い物終わらせる…」

226: 2008/12/26(金) 12:40:47.92 ID:XEk15JzLO
JUM「うわ、寒っ! 快晴じゃないなんて…」

薔薇「天気予報では……曇りだった…」

JUM「何気に見てるんだな天気予報。――こっちだよ薔薇水晶」

JUM「(外に行くって言ったからには出たけど……、キツいなぁ…)」

薔薇「…誰もいない……」

JUM「まぁこの天気だし寒いからね。年末はどこも忙しいだろうし。お、着いたぞここだ」

薔薇「公園……?」

227: 2008/12/26(金) 12:46:34.68 ID:XEk15JzLO
JUM「僕がまだ小さかった頃に遊んだ公園だよ。今は寂れて誰も来なくなったけど」

薔薇「遊具が……あんまりない…」

JUM「狭いからね。でもこんなスペースがあるだけいいよ」

薔薇「…でも…JUMはなんで私をここに……?」

JUM「――なんだか薔薇水晶を見てたらここに連れてきたくなった。それだけだよ」

薔薇「………」

JUM「……無言にならないでくれよ。言うのちょっと恥ずかしかったんだぞ」

薔薇「…雪……」

JUM「え? あ本当だ」

薔薇「きれい……」

228: 2008/12/26(金) 12:51:25.45 ID:XEk15JzLO
~しばらく後~

JUM「はっ…、はくしょっ! あー雪降るんならもっと暖かい格好してくりゃ良かった」

薔薇「JUM……戻ろ…」

JUM「そうするか。薔薇水晶は寒くないのか?」

薔薇「…ちょっと寒いけど……大丈夫…」

薔薇「…JUM」

JUM「ん?」

薔薇「手…温めてあげる…」ギュッ

JUM「んじゃ薔薇水晶の手は僕が温めてやるよ」

238: 2008/12/26(金) 13:54:56.38 ID:XEk15JzLO
JUM「ただいまーっと、なんだか居間が騒がしいな」

薔薇「皆が…帰ってきた……?」

ガチャ

真紅「あら、お帰りなのだわJUMと薔薇水晶」

銀・金「お邪魔してるわぁ・かしら~」

JUM「金糸雀まで来てくれたのか…」

金「姉妹のピンチは皆のピンチかしら~」

翠星石「蒼星石、なんで協力してくれないんですかぁ!」

蒼星石「………」

さるさん食らってたw

そして夜までまた書けそうにないわ
なんとか今日には完結させたい

285: 2008/12/26(金) 17:11:05.46 ID:XEk15JzLO
蒼星石「…僕はまだ、薔薇水晶を信じきれないんだ」

薔薇「……!」

真紅「蒼星石、今はもう姉妹なのよ。なんで貴女はそんなに」

蒼星石「――分かってる。頭では薔薇水晶は悪くないって理解してる。でも、体は違うんだ」

蒼星石「薔薇水晶……、君を、拒むんだ」

翠星石「蒼星石…」

水銀燈「さっきからこの調子よぉ。私たちも出来る限りは説得してるんだけど」

雛苺「蒼星石の意志は固いのー…」

288: 2008/12/26(金) 17:17:46.34 ID:XEk15JzLO
JUM「蒼星石…、マスターの具合はいいのか」

蒼星石「…うん、落ち着いてきたみたい。でもまだ油断はできなさそうなんだ」

JUM「そうか…」

水銀燈「蒼星石ぃ、あなたのその考えはずっと変わらないのぉ?」

蒼星石「分からない…。少なくとも今は、変わらないと思う」

JUM「……なぁ、無理はよそう。蒼星石だって蒼星石の都合がある。いきなりこっちの用事を押し付けるのも悪いし」

290: 2008/12/26(金) 17:23:13.28 ID:XEk15JzLO
真紅「――そうね、今日はこれで解散にしましょう。探索はまた明日、各自戻っていいわ」

雛苺「…ぅゆー、ヒナは巴のとこに行くのー」

金糸雀「…それじゃあまた明日かしら」

蒼星石「じゃあ…僕もマスターのところへ帰るよ」ガタッ

水銀燈「――蒼星石ぃ」

蒼星石「……」

水銀燈「私はあなたを責める気なんて無い。ただね、あなたそれで良いのぉ?」

蒼星石「―――ッ」

水銀燈「私も帰るわぁ。皆、またねぇ」バサッ

292: 2008/12/26(金) 17:30:50.84 ID:XEk15JzLO
翠星石「JUM…」

JUM「今は蒼星石一人にしておこう」

真紅「そうね、蒼星石の問題は蒼星石が解決しないと」

薔薇「……私のせいで…ごめんなさい……」

JUM「いや、気にするなよ。――っていうかいつまでもこんな雰囲気じゃ元気出ないよなぁ」

真紅「JUM?」

JUM「うーん、なんか気晴らしになるもの無いかなぁ」

293: 2008/12/26(金) 17:36:24.74 ID:XEk15JzLO
JUM「4人で遊べるやつかぁ…。テレビゲームなんて気分じゃないだろうし」ブツブツ

翠星石「なんだかブツブツ言い始めやがったですぅ」

真紅「ほっときなさい、JUMはJUMなりに場を和ませようとしてるのだわ」

薔薇「……JUM…」

JUM「んー、料理4人じゃかえって邪魔だし…っと、どうした薔薇水晶」

薔薇「私は…大丈夫……そんなに…考えこまないで…」

297: 2008/12/26(金) 17:51:40.20 ID:XEk15JzLO
JUM「薔薇水晶…」

真紅「どうやら今度は薔薇水晶のほうがJUMの気分を和らげたようね」

翠星石「まったく、手間がかかるやつですぅ」

薔薇「蒼星石お姉さまのことは…残念だけど……他のお姉さま方が力になってくれて…私は…嬉しい……」

JUM「えっと…」

真紅「間抜けな顔しないの。薔薇水晶をここまで前向きにさせたのはアナタでしょ、JUM」

JUM「いや、僕は別になにもしてないぞ」

翠星石「やれやれですぅ」

300: 2008/12/26(金) 18:03:09.32 ID:XEk15JzLO
翠星石「それじゃ翠星石はお風呂に入ってくるですぅ。くれぐれもチビ人間は覗くなですぅ」

JUM「だっ、誰が覗くか! ――って翠星石は一人で風呂入ってるのか?」

真紅「? 皆普通に一人で入ってるのだわ」

JUM「え、いやだって身長的に無理じゃないのか? だから僕は薔薇水晶と一緒に風呂、」

翠星石「……いま、なんて言ったですか?」

JUM「だから、薔薇水晶は一人で湯船に入れないから僕も一緒に入って」

真紅「JUM、そのセリフはあらぬ誤解を受けるのだわ」

JUM「? あらぬ誤解って――」

翠星石「……このスケベ人間ー!」ゲシッ!ゲシッ!ゲシッ!

302: 2008/12/26(金) 18:10:41.86 ID:XEk15JzLO
JUM「くそー、何も痣が出来るまで蹴らなくても…あの性悪人形め」

薔薇「…大丈夫……?」

JUM「なんとかね。湿布貼ったし」

薔薇「……凄い…におい」

JUM「でもこの臭いが好きなやつもいるらしいよ。さて、どうしようか」

真紅「別に夜はやることがないわ。のりが帰ってくるまで自由にしてなさい」

JUM「で、真紅はさっそくくんくんのDVDですか」

真紅「1日はくんくんで始まりくんくんで終わるのだわ」

306: 2008/12/26(金) 18:33:03.40 ID:XEk15JzLO
薔薇「くんくん…」

真紅「あら薔薇水晶、貴女もくんくんの魅力に惹かれてきたの? 遠慮はいらないわ、一緒に見なさい」

薔薇「……JUMも一緒に…見よ…?」

JUM「…ま、やることもないからいっか。よっこいしょういちっと」

真紅「…JUM、年を考えなさい」

薔薇「JUM…そっちじゃない……こっち…」ポンポン

JUM「真紅と薔薇水晶の真ん中に来いってわけですか…。分かったよ」

309: 2008/12/26(金) 18:42:37.57 ID:XEk15JzLO
JUM「相変わらずそこらの探偵モノよりすごいよな」

真紅「当然なのだわ、あぁ…くんくん、私に会いにきてくれないかしら」

JUM「薔薇水晶、面白かったか?」

薔薇「…面白かった……また…見たい…」

JUM「んじゃ真紅のDVDを借りればいいよ」

薔薇「そうする……でも…」

JUM「ん?」

薔薇「……くんくんの…ぬいぐるみが欲しい…」

JUM「ぬいぐるみねぇ」

ガチャ

翠星石「あがったですよ」

真紅「それじゃ次は私が行ってくるのだわ」

312: 2008/12/26(金) 18:49:52.03 ID:XEk15JzLO
JUM「なぁ翠星石、湯船にどうやって浸かってるんだ?」

翠星石「スケベ人間には教えてやらんですぅ。真紅にでも聞きやがれです」

JUM「いつまで引きずってるんだよ…」

薔薇「翠星石…お姉さま……、何を飲んでるんですか…?」

翠星石「ん、牛乳ですぅ。風呂上がりはこれと昔から決まってるです」

JUM「なんで西洋人形がその心を理解してるんだよ…」

313: 2008/12/26(金) 18:57:25.14 ID:XEk15JzLO
ガチャ

のり「ひゃー、遅くなっちゃってゴメンねみんなー! 急いで晩ご飯作るからね」

JUM「おかえり」

翠星石「しょーがねぇですねぇ、翠星石も手伝ってやるです」

のり「翠星石ちゃんありがとう~!」

翠星石「ほら薔薇水晶、なにボサっと突っ立ってるですか。お前も手伝うですぅ」

薔薇「…私も…やっていいの……?」

のり「良いわよ~。皆で作ったほうがいいに決まってるわ」

JUM「――って二人が言ってるんだ、やってみたら?」

薔薇「うん……のり…私も手伝う…」

326: 2008/12/26(金) 20:13:21.94 ID:XEk15JzLO
真紅「あらのり、おかえりなさい」

のり「ただいま真紅ちゃん」

翠星石「じゃあ次は薔薇水晶、お風呂に入ってくるです」

薔薇「JUM……一緒に入、」

紅・翠「それはダメだわ・ですぅ!」

JUM「…なんでお前らが答えてるんだよ。薔薇水晶、今日は一人で入ってみたらどうだ?」

薔薇「…でも……」

真紅「薔薇水晶、いいことを教えてあげる。あの浴槽にはね、」

JUM「(ふう、また風呂に入るなんてことは防げたか。嬉しいような残念なような…)」

327: 2008/12/26(金) 20:20:09.82 ID:XEk15JzLO
のり「さ、薔薇水晶ちゃんがお風呂から上がる前にお皿を並べないと」

JUM「僕は食後に風呂入るから」

のり「じゃあ私は最後ね。上がったら教えてちょうだい」

JUM「あぁ。今日は花丸ハンバーグか。――あれ、なんか一個だけ形違うぞ」

のり「ふふーん、あとで薔薇水晶ちゃんに聞きなさい」

JUM「? わかった……」

紅・翠「………」

ガチャ

薔薇「……良いお湯だった…」

329: 2008/12/26(金) 20:27:16.43 ID:XEk15JzLO
JUM「なぁ薔薇水晶」

薔薇「なに……?」

JUM「なんか形違うハンバーグあるけど、薔薇水晶作ったのか?」

薔薇「…そう……JUMのこと考えながら…作った…」

JUM「へぇ、僕のことねぇ」

JUM「――へぇあ!? な、なんで僕なんだ」

薔薇「分からない……気付いたらそうしてた……」

翠星石「むー、薔薇水晶さっさとテーブルに着くですぅ!」
真紅「そ、そうなのだわ。のり、早くしてちょうだい」

のり「ふふっ、はいはい」

331: 2008/12/26(金) 20:33:12.54 ID:XEk15JzLO
一同「いただきま~す」

翠星石「チビ人間、ソース取ってですぅ」

JUM「ほらよ。ほら薔薇水晶、遠慮しないで食べていいぞ」

真紅「翠星石は遠慮が無さ過ぎるのだわ。少し落ち着きなさい」

薔薇「…美味しい…」

JUM「今度は皆との合作だな」

薔薇「……うん…そのハンバーグ美味しい…?」

JUM「普通に美味いよ。って薔薇水晶、鼻の頭にソース付いてるぞ」

薔薇「? …どこ…」

JUM「取ってやるから動くな…よし取れた」

翠星石「のり、おかわりですぅ」

のり「はいはい」

333: 2008/12/26(金) 20:42:26.14 ID:XEk15JzLO
~JUM部屋~

JUM「あー、今日も疲れた…。パソコンのチェックは明日でいいや」

翠星石「なに言ってるです、翠星石たちに比べれば全然疲れてないですぅ」

JUM「まぁそれは言わない約束で。とにかくお休み真紅、翠星石、薔薇水晶」

真紅「お休みなのだわ」

翠星石「お休みですぅ」

薔薇「…お休み…お姉さま方……」モゾモゾ

JUM「……えーと、なんで僕の布団に潜ってきてるんだ薔薇水晶」

334: 2008/12/26(金) 20:50:09.63 ID:XEk15JzLO
薔薇「JUMと…寝る…」

JUM「いや…、」

翠星石「それは許さんですぅ! 薔薇水晶、一人で寝やがれですぅ」

真紅「薔薇水晶、貴女はもう少し恥じらいをもつべきだわ」

JUM「(な、なんだか二人の雰囲気が真剣だぞ…っ! どうしたんだ?)」

薔薇「? …お姉さま方も…一緒に寝よ……」

紅・翠「!?」

339: 2008/12/26(金) 20:57:56.94 ID:XEk15JzLO
翠星石「ち、チビ人間こっちによりすぎですぅ、落ちるですぅ!」

真紅「JUM、これ以上こっちにはスペースが無いのだわ」

薔薇「………」

JUM「なぁ、もう一度考えよう。これが一番の打開策なのか?」

翠星石「あ、当たり前ですぅ。別に翠星石はチビ人間なんかと一緒に寝たくはないのですが、薔薇水晶の頼みだから仕方なくやってるですぅ」

真紅「そ、そうなのだわ。薔薇水晶の願いを却下するのは良くないわ」

薔薇「…ゆらゆら揺れる…面白い……」

JUM「(両腕と胸にドールがいると、さすがに息苦しい…。なんで僕がこんな目に)」

341: 2008/12/26(金) 21:06:13.37 ID:XEk15JzLO
~同時刻蒼星石~

蒼星石「マスターの熱が下がらない…」

爺「ぅっ…蒼星石…」

蒼星石「ッ! マスター、気付いたんですか」

爺「あぁ…。まったく、歳はとりたくないよ。こんなに弱るなんて…」

蒼星石「待ってて、すぐに食事と薬を」

爺「あぁいや…待ちなさい蒼星石」

蒼星石「? はぁ」

爺「蒼星石…、何か悩みでもあるんじゃないのかい? そんな顔をしているよ」

蒼星石「!」

342: 2008/12/26(金) 21:14:15.19 ID:XEk15JzLO
蒼星石「そ、そんなことは……」

爺「やはり、か。…どんなことで悩んでいるのかは聞かない。じゃがな、これだけは言っておく」

蒼星石「…なんですか?」

爺「悩みというものは人を一歩成長させる。蒼星石、お前は優しい……。じゃからその悩みを乗り越えてさらに成長することを祈っとる」

蒼星石「…………」

爺「ワシが言いたいのはそれだけ。あぁ、食事はもう一眠りしたらいただくよ」

蒼星石「はい……。お休みなさいマスター」

~店内~

蒼星石「――成長か。僕は薔薇水晶が…っ!?」

カッ!

蒼星石「鏡が…。ラ、ラプラス!?」

ラプラス「…………」

343: 2008/12/26(金) 21:19:06.21 ID:XEk15JzLO
JUM「(こいつら皆黙ったけど寝たのかな…。っていうかトイレ行けねー!)」

翠星石「(あぁぁぁぁ、JUMの腕が匂いが近くにあるですぅ…! こんな状態で寝れるわけねーですぅ!)」

真紅「(くっ…、私としたことが緊張して眠れないのだわ。もう皆寝たのかしら?)」

薔薇「…すー…すー…」

J・紅・翠「(この状況で眠れる薔薇水晶が羨ましい・のだわ・ですぅ)」

353: 2008/12/26(金) 22:11:15.17 ID:XEk15JzLO
>>347

ちょwww

355: 2008/12/26(金) 22:23:39.78 ID:XEk15JzLO
のり「おはよー皆~。ってあれ、どうしたの皆眠たそうにして」

J・翠・紅「いや…別になんでもない・ですぅ・のだわ」

薔薇「? 目の下に…クマが出来てる…」

JUM「それより、またどっか出掛けるのか?」

のり「うん、ちょっと外せない用事でね。年末は忙しいの」

JUM「そうか。行ってらっしゃい」

のり「朝ご飯はテーブルの上にあるからね。じゃ行って来まーす!」

バタン

356: 2008/12/26(金) 22:32:14.14 ID:XEk15JzLO
JUM「じゃあ今日も昨日と似たような感じかぁ…ふあぁっと」

真紅「いい加減ラプラスには出てきて欲しいのだわ…ぁふ」
翠星石「全くですぅ。安眠のためにも出てきやがれですぅ」

薔薇「今日は…見つかると嬉しい……」

カッ

JUM「ん? 誰か来たみたいだぞ」

薔薇「…水銀燈……お姉さま?」

蒼星石「……おはよう皆」

358: 2008/12/26(金) 22:42:28.25 ID:XEk15JzLO
JUM「蒼星石……」

真紅「あら、貴女から来るとは思わなかったわ」

蒼星石「ちょっと重要な話があってね」

翠星石「重要な話……ですか?」

蒼星石「薔薇水晶、僕は昨日ラプラスに会った」

薔薇「!」

真紅「…なんですって? 今なんと言ったの蒼星石」

蒼星石「言葉の通りだよ。マスターの所にラプラスが来たんだ」

薔薇「…お父さまの場所は……?」

蒼星石「…聞いても教えてくれなかったよ」

361: 2008/12/26(金) 22:58:23.21 ID:XEk15JzLO
JUM「え…じゃ他に何を言ってたんだ?」

真紅「待ってJUM。――蒼星石、昨日貴女は薔薇水晶に協力できないと拒んだ。それなのに私たちにラプラスに会ったことを伝えてきた。いったいどういう風の吹き回し?」

翠星石「真紅、蒼星石を疑いすぎですぅ」

真紅「そうかもしれないけど、気になるの」

蒼星石「……確かに昨日の僕は薔薇水晶に協力する気はなかった。だけど、マスターの一言で僕は考え直したんだ」

蒼星石「これが本当の僕の気持ちなのかは分からない。でも、これだけは言える」

薔薇「………」

蒼星石「薔薇水晶、これから僕も君のマスター探しに協力するよ」

363: 2008/12/26(金) 23:06:12.89 ID:XEk15JzLO
薔薇「! …ありがとう……」

蒼星石「昨日はヒドいこと言ってごめんね」

薔薇「いい…気にしてない…」

真紅「――貴女自身が納得いってるならいいわ。話を戻しましょ」

翠星石「ラプラスはなんて言ってたんですぅ?」

蒼星石「ラプラスは…『原点に戻り、されど他の道を行く』って言ってた」

JUM「原点に戻り…? なんだよそれ」

蒼星石「分からない。質問もしたけど、全てはぐらかされた」

JUM「なんだよ…それじゃ今までと何も変わってないじゃないか」

蒼星石「ごめん…」

JUM「あ、いや、蒼星石が悪いわけじゃないから謝らなくても」

366: 2008/12/26(金) 23:13:19.70 ID:XEk15JzLO
蒼星石「とりあえず、僕はこれからnのフィールドに向かう。ラプラスを探さないと」

真紅「そうね。その言葉だけじゃ解決にはならない」

翠星石「そうと決まればさっさとラプラスをふん捕まえて薔薇水晶のマスターの場所を聞き出すですぅ!」

薔薇「…………」

JUM「心配いらないよ。こいつらならきっとやってくれるさ」

薔薇「…うん……」

真紅「それじゃJUM、私たちもnのフィールドに行ってくるのだわ」

JUM「あぁ、気をつけてな」

367: 2008/12/26(金) 23:18:11.44 ID:XEk15JzLO
JUM「皆行っちまったな」

薔薇「お父さま……」

JUM「(薔薇水晶も会えなくて寂しいんだろうなぁ…)」

カッ

JUM「ん? 真紅たち戻ってきたのか?」

水銀燈「あらぁ? あなた達二人だけぇ?」

薔薇「…水銀燈お姉さま……」

JUM「水銀燈か。真紅たちならつい今し方nのフィールドに行ったよ」

水銀燈「すれ違いってわけねぇ…。まぁいいわ、ちょっとJUMを借りるわよ薔薇水晶」

368: 2008/12/26(金) 23:23:46.71 ID:XEk15JzLO
JUM「なんだよ水銀燈、また廊下なんかに引っ張って」

水銀燈「あの子、最初の時よりは明るくなってるわねぇ」

JUM「たぶん…と言うか明るくなったと思う」

水銀燈「そう。――JUM、ちょっと相談があるのだけどいいかしらぁ?」

JUM「相談? モノによっては断るけど…なんだ?」

水銀燈「これから私と薔薇水晶が話をするから、口を挟まないで聞いててくれるぅ?」

JUM「え、まぁそれくらいだったら良いけど…」

水銀燈「約束したわよぉ」

378: 2008/12/26(金) 23:48:15.22 ID:XEk15JzLO
水銀燈「薔薇水晶、少しは元気になったようねぇ」

薔薇「……JUMのおかげ…」

水銀燈「そうねぇ、その点に関してはあの人間を褒めてあげるわぁ」

薔薇「…それで…話ってなに…?」

水銀燈「貴女についての話よぉ。たしかに貴女はあの時より元気になったわぁ」

薔薇「……」

水銀燈「なのになんにも行動を起こさないのはどういうことぉ?」

JUM「待てよ、薔薇水晶はまだ完全に落ち着いていないんだから行動なんて、」

水銀燈「ウルサいわよ。口を挟まないって約束忘れたのぉ…?」

382: 2008/12/27(土) 00:03:55.64 ID:N8Em2A6wO
水銀燈「たしかにあの時私はあなたに『薔薇水晶を一人にしない』ように注意した」

JUM「………」

水銀燈「でもそれは『かなりふさぎ込んでいた薔薇水晶』に対してであって『少しは回復してきた薔薇水晶』に対してではないわぁ」

薔薇「………」

水銀燈「薔薇水晶、貴女は私や真紅がnのフィールドにいるとき、エンジュの事についてなにかした?」

薔薇「…してない……」

水銀燈「そうよねぇ。けど勘違いしないで、別にその事なんかに怒ってなんかいないわぁ。私が言いたいのは…、」

水銀燈「貴女、少し甘えすぎじゃなぁい?」

400: 2008/12/27(土) 00:25:21.21 ID:N8Em2A6wO
薔薇「甘え……」

水銀燈「そうよぉ。今の貴女なら少しの時間ならnのフィールドに一人で行けるわぁ」

薔薇「……」

水銀燈「だけど貴女はそれをしなかった。真紅たちと一緒に行くという選択すら思わなかった」

薔薇「……っ」

水銀燈「それが甘えなのよぉ。自分の心を最優先にして、エンジュの優先度を下げた」

薔薇「…それは……」

水銀燈「薔薇水晶。貴女のマスターはエンジュ。そのエンジュが消えた今、元に戻せるとしたらエンジュが愛した貴女だけなのよぉ」

401: 2008/12/27(土) 00:34:20.15 ID:N8Em2A6wO
薔薇「お父さまが…愛した……」

水銀燈「今すぐ行動しろと言ってるわけじゃない。ただ、そろそろエンジュのことを最優先にしてあげなさぁい」

JUM「話は…終わったか?」

水銀燈「まだまだ言い足りないけど、このくらいにしておくわぁ」

薔薇「お父さま……」

JUM「なぁ、あそこまで言わなくたって……」

水銀燈「――分かってるわぁ。でもね、このくらい厳しく言わないと、あの子は動かないわぁ」

JUM「……」

水銀燈「それじゃ、私もラプラスを探しに行くわぁ。悪いけど、また薔薇水晶のことお願いねぇ」バサッ

JUM「あ、あぁ。分かった」

水銀燈「(まったく…損な役回りだわぁ)」

407: 2008/12/27(土) 00:55:06.57 ID:N8Em2A6wO
~nのフィールド~

蒼星石「真紅! いた?」

真紅「いないのだわ。翠星石や雛苺たちのほうに望みをかけたいけど…」

水銀燈「その調子じゃ、まだ見つかってないみたいねぇ」バサッ

真紅「あら水銀燈、遅れて登場なんてとんだご身分ね」

水銀燈「真打ちは最後に登場するものよぉ。それより、蒼星石――考えは決まったようねぇ」

蒼星石「うん。水銀燈のおかげでもあるよ、ありがとう」

水銀燈「ふん…、礼なんかよりラプラスを探すわよぉ」

蒼星石「分かった。それじゃ真打ちのお手並み拝見だね」

412: 2008/12/27(土) 01:07:55.60 ID:N8Em2A6wO
JUM「なぁ薔薇水晶、まだ無理はしなくていいんだぞ。水銀燈の言ったことも正しいかもしれないけど…」

薔薇「…うん……」

JUM「そうだ、ラプラスが残した言葉の解読もしないといけないんだ」

薔薇「ラプラスは……回りくどい言い方をする…」

JUM「うん、それは分かってる。だけどわざわざアイツから蒼星石に託した言葉なんだから、なにか意味があるはずだ」

薔薇「なにか…重要な意味がある……」

JUM「そう、だから解読する。でも、まったく意味分かんない…」

413: 2008/12/27(土) 01:14:28.65 ID:N8Em2A6wO
JUM「まず出だしの『原点』すら分からない…。ったくラプラスめ、もっと分かりやすい問題出せよなぁ」

薔薇「…ちょっと…席外す……」

JUM「ん。『原点』ってことは最初だよな。なんの最初だよ…」

ガチャ
バタン

薔薇「…今日も…曇り……晴れにならない…」

薔薇「……お姉さま方も…無理しないで…」

415: 2008/12/27(土) 01:19:37.68 ID:N8Em2A6wO
~nのフィールド~

蒼星石「ハァ、ハァ……どう真打ちさん、なにか手掛かりあった?」

水銀燈「あるように見えるぅ…?」

真紅「真打ちがとんで呆れるのだわ…」

水銀燈「なんですってぇ…!」

蒼星石「もう、止めなよ二人とも。でもこれだけ探していないなんて……、ラプラスも隠れてると言うことかな」

真紅「あり得るわね。逃げ隠れは一級品だし」

水銀燈「手掛かりが逃げるなんて、嫌な追跡ねぇ」

416: 2008/12/27(土) 01:29:15.23 ID:N8Em2A6wO
JUM「あー…」

ガチャ

薔薇「……なんで倒れてるの…?」

JUM「特に深い意味はないよ。言葉の意味が分からなくて多少現実逃避してただけだから…」ムクッ

薔薇「…大丈夫……?」

JUM「まぁなんとかね。くそー、僕が役立つのはこれくらいしか無いのに…」

JUM「他の道ってことは違う行き先に行くことだよな…。でもラプラスのことだから裏をかいて――」

薔薇「……JUM…」

JUM「いや裏の裏かも……。ん? なに?」

薔薇「…nのフィールドに……行ってみる」

418: 2008/12/27(土) 01:34:06.55 ID:N8Em2A6wO
JUM「nのフィールドって…大丈夫か?」

薔薇「…平気……それに…お姉さまに言われたように…私だけ甘えてられない……JUMに迷惑ばかりかけられない…」

JUM「………」

薔薇「私は…お父さまに会いたい…だから……私は皆と協力して…ラプラスを探す…」

JUM「薔薇水晶…」

421: 2008/12/27(土) 01:48:54.64 ID:N8Em2A6wO
JUM「薔薇水晶が行くっていうなら止めはしないよ」

薔薇「………」

JUM「nのフィールドには真紅たちがいるはずだから、行けばすぐ会えるよ」

薔薇「……うん」

JUM「ただ、一つ約束な」

薔薇「……約束…?」

JUM「そう、絶対に無理はするなよ。ちょっとでもツラくなったら戻ってきてこいよ」

薔薇「………」コク

カッ

JUM「行っちゃったか…。さて、僕は皆が帰ってくる前に言葉を解読しないとな」

ピンポーン

JUM「ん、誰だろう。宅急便かな。はーい」

423: 2008/12/27(土) 01:53:01.75 ID:N8Em2A6wO
~nのフィールド~

翠星石「ダメですぅ、耳すら見つからないですぅ」

雛苺「ヒナもう疲れたのー…」

金糸雀「カナも体力の限界かしらー…」

翠星石「なに弱気なこと言ってるですか! 翠星石たちは薔薇水晶の代わりに――」

雛苺「ぅゆー、どうしたの翠星石?」

翠星石「薔薇水晶です…」

金糸雀「本当かしら~」

424: 2008/12/27(土) 01:58:17.48 ID:N8Em2A6wO
翠星石「薔薇水晶っ!」

薔薇「…翠星石お姉さま……こんにちは…」

翠星石「こんにちはじゃねーですぅ! なんで薔薇水晶がnのフィールドにいるですか!」

雛苺「翠星石落ち着くの~、怒鳴っちゃだめなの」

翠星石「チビ苺は黙ってるです!」

薔薇「……私も…ラプラスを探す……お父さまは…私が探さないと…」

翠星石「――誰かにそう言われたからですか?」

薔薇「違う…私の意志……」

425: 2008/12/27(土) 02:03:30.79 ID:N8Em2A6wO
翠星石「そう…ですか」

薔薇「………」

雛苺「薔薇水晶、JUMは?」

薔薇「…うちでラプラスの言葉を解読してる……」

翠星石「薔薇水晶がこっちに来てることはチビ人間も知ってるですか?」

薔薇「……JUMは知ってる…許してくれた…」

金糸雀「翠星石、なんだか薔薇水晶の意志は強そうかしら…」

翠星石「――なにか違和感があったらたたき返してやるですよ」

薔薇「…分かった」

474: 2008/12/27(土) 11:03:44.08 ID:N8Em2A6wO
翠星石「それじゃとりあえず真紅たちにも会うですぅ。あっち側の情報も集めないといけないですし」

雛苺「もしかしたら見つけてるのかも~!」

薔薇「真紅…お姉さま……」

金糸雀「そうと決まれば早く行くかしらー」

翠星石「それにしてもチビ人間、一人で大丈夫なんですかね」ブツブツ

雛苺「ぅゆー? 翠星石JUMのこと心配してるのー」

翠星石「なっ、このお馬鹿苺! 心配なんかしてるわけねーですぅ」

薔薇「……賑やか…」

476: 2008/12/27(土) 11:10:10.61 ID:N8Em2A6wO
真紅「薔薇水晶…、本当に大丈夫なの?」

薔薇「…私も力になる……ううん…私がやらないと……」

水銀燈「――無理はダメよぉ」

薔薇「分かってる……ありがとうお姉さま…」

水銀燈「べ、別に貴女のためじゃないわぁ」

翠星石「それで、そっちはどんな感じですか?」

蒼星石「――ダメだよ。やはりラプラスは見つけられない」

雛苺「かくれんぼ上手いのー」

金糸雀「かくれんぼじゃないかしら…」

477: 2008/12/27(土) 11:16:29.17 ID:N8Em2A6wO
真紅「はぁ、はぁ…」

翠星石「いま…何時ごろですか?」

蒼星石「たぶん夕方の5時くらいだと思う…」

水銀燈「やっぱり一日中探すのは疲れるわぁ」

金糸雀「足がプルプルするかしら…」

薔薇「……お姉さま方…大丈夫…?」

真紅「大丈夫よ。それより、姉妹が全員揃ったのは初めてね」

翠星石「そういえばそうですぅ。揃いそうで揃わなかったですぅ」

水銀燈「なんだか不思議な気分ねぇ。ま――、嫌な気分ではないわぁ」

カッ

蒼星石「あれ? なんか向こうのほうが光った…?」

479: 2008/12/27(土) 11:27:02.40 ID:N8Em2A6wO
水銀燈「なにか降ってくるわぁ」

翠星石「? なんですかあれ…」

ドサッ!

?「いたっ! ったくなんなんだよ、もうちょっと静かに下ろせよなぁ」

真紅「ジ、JUM!? なんでアナタがここに…?」

JUM「腰打ったかな…。あれ、真紅。なんだ、皆いるじゃないか」

雛「JUMが落ちてきたの~」

薔薇「…nのフィールドに…なんで来れたの…?」

JUM「え、なんでって、連れてこられたんだよ無理やり」

真紅「誰に? 私たち以外でnのフィールドに入れるなんて…」

JUM「――ラプラスだよ」

482: 2008/12/27(土) 11:39:50.71 ID:N8Em2A6wO
真紅「え?」

JUM「ちょうど薔薇水晶がnのフィールドに行ったとき、誰か来たんだ。そいつが、ラプラスだった」

真紅「通りでnのフィールドにはいなかったのね……」

翠星石「骨折れ損のくたびれもうけですぅ」

蒼星石「まぁまぁ、見つかったんだからいいじゃない。それでJUM君はラプラスにこの場に連れてこられたの?」

JUM「あぁ。嫌がったんだけど力ずくでね」

薔薇「……それでラプラスは今どこに…?」

ラプラス「私ならここですよ」

485: 2008/12/27(土) 11:49:57.05 ID:N8Em2A6wO
ラプラス「ここ連日、私を探すためにご苦労さまですローゼンメイデンの皆さん」

翠星石「ようやく現れやがったですね」

真紅「そんな前置きはいらないわ。ラプラス、薔薇水晶のマスターの場所を知らない?」

薔薇「………」

ラプラス「――蒼星石、私があなたに残した言葉の意味は分かりましたか?」

蒼星石「いや…まだだよ」

真紅「ラプラス」

ラプラス「まずは私の話をお聞きになったらその質問に答えますよ」

487: 2008/12/27(土) 12:11:30.44 ID:N8Em2A6wO
ラプ「原点というのは根元という意味です。これはご存知ですね?」

翠星石「なめるなですぅ」

ラプ「ではあなた方、ローゼンメイデンはなぜ存在しますか?」

真紅「――アリスになるためよ」

水銀燈「互いのローザミスティカを奪い合ってねぇ」

ラプ「そう、それが本来のあなた方の存在意義だ。しかし今は違う」

蒼星石「そうだね。今の僕たちは争うことをしない」

488: 2008/12/27(土) 12:18:14.71 ID:N8Em2A6wO
ラプ「そう…、あなた方は違う道を歩み始めた」

JUM「! 『原点に戻り、されど他の道を行く』ってもしかして」

水銀燈「なにか気づいたのぉ?」

ラプ「お気づきになった者もいますか。ならば長引かせるのは良くありませんね。真紅、先ほどの答えですが私はエンジュの居場所を知っています」

薔薇「…それは…どこなの…!」

ラプ「その前に。薔薇水晶、あなたはマスターであるエンジュが突如居なくなり、どう感じましたか」

490: 2008/12/27(土) 12:25:54.68 ID:N8Em2A6wO
薔薇「一人は…寂しい……私はお父さまが必要…」

ラプ「そう。あなたはエンジュ一筋で、それを糧にして生きている」

薔薇「………」

ラプ「以前のあなたはとても好戦的だった。しかし今のあなたは、他のローゼンメイデンの面々と協力している」

JUM「水銀燈、金糸雀、翠星石、蒼星石、真紅、雛苺…。薔薇水晶、今の君にとって皆は敵か?」

薔薇「違う……私は…お姉さま方と一緒にいたい…」

ラプ「その考えも以前のあなたには有り得なかった。しかし、変わった」

494: 2008/12/27(土) 12:34:27.68 ID:N8Em2A6wO
JUM「君も違う道を歩み始めたんだよ、薔薇水晶」

薔薇「…歩み…始めた……」

ラプ「――エンジュは居なくなる直前に言っていました。『薔薇水晶は、戦わなくても輝ける』と」

JUM「『原点』というのは薔薇水晶、君が作られた理由だ」

薔薇「私は…お姉さま方を越えるために……」

JUM「うん。だけどもうそれ以上に、一緒にいたい。そうだろ?」

薔薇「…うん」

ラプ「薔薇水晶は全てにおいてエンジュを最優先します。生活においても、感情においても。そしてそれが最大の難関だった」

503: 2008/12/27(土) 12:46:27.20 ID:N8Em2A6wO
ラプ「薔薇水晶、余計なことかもしれませんが貴女は他のことにもっと関心を持つべきです」

薔薇「…………」

ラプ「エンジュだけではなく、同じ姉妹に。他の人間に。そして――そこの少年に、ね」

JUM「…薔薇水晶、君はもっと好きに生きるんだ。それが君のマスターの、エンジュの気持ちなんだよきっと」

薔薇「…お父さまの気持ち……」

ラプ「少年、あなたの考えは当たってますよ。薔薇水晶、エンジュが消えた理由を教えてあげます」

504: 2008/12/27(土) 12:55:52.32 ID:N8Em2A6wO
ラプ「エンジュは自分がいれば、薔薇水晶は世界の広さを知らずに生きていくということについて悩んでいたようです」

ラプ「貴女はエンジュに付きっきり。ならばどうすればいいのか、と」

水銀燈「その結論が、突然の失踪に繋がったのねぇ」

ラプ「えぇ。自分が居なくなった場合のことを考えさせるために、ね」

薔薇「…………」

ラプ「そして貴女は、見事に他のローゼンメイデンと出会い、話し、時間を共有した」

ラプ「そのことをエンジュに話したところ、とても喜んでいましたよ薔薇水晶」

505: 2008/12/27(土) 13:03:25.85 ID:N8Em2A6wO
雛苺「なんだか話が難しくてついていけないの~…」

ラプ「おや、これでも簡潔に話したつもりなのですが」

翠星石「ぜんっぜん分からんですぅ」

真紅「ラプラス、つまりエンジュは薔薇水晶のことを私たちに託したってこと?」

ラプ「当たらずとも遠からずといったところです。全ての決定権は薔薇水晶にあるのですから」

薔薇「……」

JUM「薔薇水晶、これからの生き方は君が決めるんだ」

ラプ「もう貴女は一人で決められるはずですよ」

薔薇「…私は……」

510: 2008/12/27(土) 13:10:52.44 ID:N8Em2A6wO
薔薇「…私は……お父さまに会いたい…」

ラプ「……本当にそれでいいんですね」

薔薇「…うん…でも……それよりお姉さま方と……JUMと……遊びたい…一緒にいたい」

蒼星石「薔薇水晶……」

ラプ「――そうですか。まったく、我が儘な答えですね」

薔薇「…………」

ラプ「ですが、それがエンジュの望んだ答えですよ」

薔薇「!」

ラプ「自分の意志で、自分の大切なことを決める。それがエンジュの望みだったんです」

514: 2008/12/27(土) 13:16:54.51 ID:N8Em2A6wO
ラプ「それでは話も決まったことです。お別れの時間ですよ」

真紅「待って! エンジュはどこなの!」

ラプ「ああ…、恐らく今は店に戻ってると思いますよ。それでは皆さん、そこの少年の家に帰してあげますよ」

ブゥンッ

JUM「ちょ、なんだこのデッカいブラックホールみたいなのは…っ!」

ラプ「この大人数を一度で送るのはこの方法しかないんです。我慢してください。では」

JUM「では、じゃないってぇー!!」

523: 2008/12/27(土) 14:14:30.98 ID:N8Em2A6wO
~JUM宅~

カッ
ドサッ!

JUM「うわっ! ったく、また乱暴に落としやがってラプラスめ…」

ヒュウウウ…

真紅「JUM、動かないで!」

JUM「ん? 真k…どぁあ!」

ドサドサドサッ

翠星石「あの兎めぇ…、翠星石をこんな乱暴に放りやがって、次会ったとき覚えてろですぅ」

真紅「まったく、雑なんだか細かいんだか…。JUM、下で庇ってくれてありがとう」

JUM「庇うっていうか…下敷きにされてるだけだけどな」

水銀燈「とにかく…事件は解決したみたいねぇ」

薔薇「……JUM…大丈夫…?」

JUM「大丈夫、大丈夫だから首に乗らないでくれ…っ!」

524: 2008/12/27(土) 14:20:09.00 ID:N8Em2A6wO
JUM「あー、酷い目にあった」

蒼星石「でもJUM君がいてくれて誰もケガしなかったし、ありがとうね」

JUM「はいはい。で、これからどうするんだ薔薇水晶」

薔薇「…私は……お父さまと話をしてくる…」

JUM「ま、そうだろうな。皆は?」

蒼星石「僕はマスターの所に帰るよ。付きっきりで看ないと」

水銀燈「私も帰るわぁ。たまにはめぐとゆっくり話したいし」

金糸雀「カナもみっちゃんが心配する前に帰るかしら~」

525: 2008/12/27(土) 14:25:38.39 ID:N8Em2A6wO
JUM「じゃ、皆またな」

真紅「いろいろありがとうなのだわ」

蒼星石「薔薇水晶、またなにか悩みがあったら言ってね。皆で相談にのるよ」

薔薇「…ありがとう……JUM…また…ね」

カッ

JUM「はぁー、肩の荷がやっと降りたよ」

翠星石「一番働いてないやつが何言ってやがるですか」

真紅「とりあえず、薔薇水晶の件は一件落着ね」

雛苺「良かったのー!」

527: 2008/12/27(土) 14:32:05.13 ID:N8Em2A6wO
~店~

カッ

薔薇「…お父さま……」

エンジュ「薔薇水晶…すまないね、急にいなくなったりして」

薔薇「ううん……今会えるから…大丈夫…」

エンジュ「それで、どうだった。他のローゼンメイデンと触れ合って」

薔薇「……楽しかった……温かかった…」

エンジュ「――やはり、私の判断は間違っていなかったようだ」

薔薇「………」

エンジュ「私以外にも関心を持って、世界の広さを知った。今の薔薇水晶は、今までで一番輝いてるよ」

528: 2008/12/27(土) 14:37:29.35 ID:N8Em2A6wO
薔薇「…私が……輝いてる…?」

エンジュ「あぁ。戦っていた時よりもずっとね。それと薔薇水晶、JUMという少年のことはどう感じた?」

薔薇「JUMは……誰よりも温かかった…優しかった…JUMのことを考えると…わくわくする……」

エンジュ「――そうか。薔薇水晶、その気持ちは忘れないように。それより、君は私になにかを言いに来たんだろう?」

529: 2008/12/27(土) 14:42:13.86 ID:N8Em2A6wO
薔薇「うん……お父さま…私は…もっとお姉さまやJUMのことを知りたい…」

エンジュ「………」

薔薇「お父さまも大切だけど……それと同じくらい…皆が好き……だから…これからもJUMの家に行く…」

エンジュ「――…うん。やっぱり私の判断は正しかった」

薔薇「今から…行っても……いい…?」

エンジュ「止めると思うかい?」

薔薇「……思わない……それじゃ…行ってきます…」

カッ!

530: 2008/12/27(土) 14:46:46.37 ID:N8Em2A6wO
エンジュ「行った…か」

白崎「エンジュ……、泣いているんですか?」

エンジュ「白崎か…、馬鹿を言うな。薔薇水晶が更なる高みに進んだことに喜んでるんだ」

白崎「まったく…、どうして私の周りは素直な人がいないんでしょうね」

エンジュ「それより白崎、悪かったな私の我が儘に付き合ってもらって」

白崎「構いませんよ、面白かったですし」

エンジュ「それでは我が儘ついでに…、酒に付き合え」

白崎「やけ酒は体に毒ですよ。――ま、今日だけならいいでしょう」

531: 2008/12/27(土) 14:55:05.25 ID:N8Em2A6wO
~JUM宅風呂~

JUM「こんなに風呂が気持ち良く感じたことってないなぁ~。骨に染み渡るようだ……」

?「……お爺さんみたい…」

JUM「うわぁ!?」

カッ!

薔薇「…こんばんは…JUM……」

JUM「ばっ、薔薇水晶!? な、ななななんで風呂場から出て来るんだよ!」

薔薇「こっちから…JUMの気配がしたから……」

JUM「気配って、そんなの感じれるのか…」

真紅「ちょっとJUM! なんなのだわ今の叫びは!」

翠星石「なにかあったですか!」

ガラッ

薔薇「…こんばんは……」

JUM「ま、待て二人とも! 近寄るなー!」

542: 2008/12/27(土) 15:56:09.81 ID:N8Em2A6wO
~居間~

JUM「右頬とスネが痛い…また湿布貼らないと」

翠星石「あ、あんな叫びをあげるJUMが悪いですぅ! 冷静に対処しやがれですぅ」

JUM「出来るか! って言うか真紅は二回目なんだから状況分かるだろ!」

真紅「一度目とは状況が違うから分からないのだわ。それより薔薇水晶」

薔薇「…なに……?」

真紅「これからはお風呂場の鏡から入るのは禁止よ」

薔薇「…分かった……」

ガチャ

のり「ただいま~っ!」

544: 2008/12/27(土) 16:01:56.07 ID:N8Em2A6wO
JUM「あ、お帰り」

真紅「お帰りなのだわのり」

翠星石「あれ、こんなビニール袋抱えてどうしたですか?」

のり「え、薔薇水晶ちゃんが遊びに来たのなら晩ご飯はお鍋にしようかなって思って買ってきたの」

薔薇「…お鍋……いいの…?」

のり「勿論よぉ! さ、頑張って作らないと」

翠星石「翠星石も手伝ってやるですぅ」

薔薇「私も……手伝う…」

真紅「なら私もやるのだわ」

翠星石「そっ、それだけは許さんですぅ!」

JUM「待て真紅、お前は鍋を台無しにする気か?」

真紅「失礼ね。――まぁいいわ、くんくんのDVD見てるから準備できたら呼んでちょうだい」

545: 2008/12/27(土) 16:08:06.99 ID:N8Em2A6wO
JUM「あちっ! 豆腐がはふはふ、予想以上にはふはふ、熱い」

真紅「JUM、冷ましてから食べなさい」

翠星石「まったく、それくらいも出来ないですかチビ人間は。のり、ご飯おかわりですぅ」

のり「はいはい。薔薇水晶ちゃん、来れない雛苺ちゃん達のぶんもいっぱい食べてね」

薔薇「…分かった……JUM……よそってあげる…」

JUM「え? あ、ありがとう」

548: 2008/12/27(土) 16:36:09.85 ID:N8Em2A6wO
JUM「――食べた食べたぁ。って言うかなんで雛苺いなくなってんだ?」

真紅「あなたがお風呂に入ってるときに巴が来たのよ」

翠星石「それでついていったんですぅ。電話で呼んだんですけど、もう寝たみたいで来れなかったですぅ」

JUM「マジか…残念だな雛苺」

薔薇「今度は……お姉さま方を全員集めて…鍋がしない…」

のり「そうね。いつかはしたいわね、皆で」

549: 2008/12/27(土) 16:41:26.76 ID:N8Em2A6wO
~JUM部屋~

JUM「うー…、ん。もう一時かぁ。やっぱりパソコン1日やんなかっただけでも新しい情報いっぱいあったなぁ」

薔薇「…すー…すー…」

真紅「だわ……」

翠星石「ですぅ……」

JUM「…どんな寝言だよこいつら。って言うか当たり前のように僕のベッドで寝てやがる」

JUM「仕方ない、今日は居間で寝るか」

552: 2008/12/27(土) 16:57:53.61 ID:N8Em2A6wO
~居間~

JUM「やっぱり冬に毛布だけじゃ寒かったなぁ…」

真紅「おはようなのだわJUM」

翠星石「なんで毛布にくるまってるですか?」

JUM「うるさいなぁ。勝手に僕のベッド使ったやつが言うセリフか?」

薔薇「……だるまみたい…」

JUM「寒いんだから仕方ないだろ」

のり「朝ご飯できたよ~」

554: 2008/12/27(土) 17:09:26.73 ID:N8Em2A6wO
一同「ごちそうさま」

のり「はい、お粗末さまでした」

翠星石「真紅、あとで蒼星石のところに一緒にお見舞い行くですぅ」

真紅「そうね。のり、というわけで私と翠星石はあとで出掛けるわ」

のり「は~い。気をつけてね」

真紅「薔薇水晶とJUMはどうするの?」

薔薇「…今度は私が……蒼星石の力になる…けど……」

JUM「けど?」

薔薇「先に…お父さまに会ってくる……」

555: 2008/12/27(土) 17:15:03.57 ID:N8Em2A6wO
JUM「ん? そっか、もうエンジュは店にいるんだよな」

薔薇「……うん…」

JUM「気をつけて行ってこいよ。ん、気をつけて帰れよ、が正しいのかな」

薔薇「……JUM…」

JUM「ん?」

チュッ

薔薇「……行ってきます…」タタタッ

ガチャ
バタン

カッ!

JUM「―――へ?」

のり「あらあら」

真紅「………翠星石」

翠星石「………分かってるです真紅。今ここに言葉はいらんですぅ」

JUM「ちょ、なんで怒りの矛先が僕なんだよ! まて、人工精霊だすな!」

紅・翠「そこで大人しくしなさい・ですぅ!」

556: 2008/12/27(土) 17:18:29.95 ID:N8Em2A6wO
~nのフィールド内~

薔薇「……JUMの家…やっぱりあったかい…」

薔薇「お父さまとも……行けると嬉しいな…」

薔薇「……お姉さま方がいて…のりがいて…お父さまがいて……JUMがいる…」

薔薇「私は……一人じゃない…」

薔薇「……JUM…」

薔薇「……大好き…」

ーfinー

558: 2008/12/27(土) 17:21:14.19 ID:m28o6HPk0

560: 2008/12/27(土) 17:21:25.42 ID:hjENRvNl0

566: 2008/12/27(土) 17:27:31.02 ID:N8Em2A6wO
ふぅ、予定より長くなっちゃったけど、これで終わり

ばらしーとJUMと水銀燈のほのぼのSS書こうとしてたんだけど、かなり変わってしまったw

支援してくれた皆、ありがとう!

589: 2008/12/27(土) 20:38:32.92 ID:N8Em2A6wO
おまけ

真紅「この前は不覚をとったけど、今日の私は一味違うのだわ!」

水銀燈「ふふっ、返り討ちにしてあげるわぁ」

JUM「よく飽きないなぁ」

薔薇「…四天王……強い…」

JUM「そういや薔薇水晶にも貸してたな」

真紅「いくのだわリザードン! だいもんじ!」

水銀燈「ふふ、甘いわよぉ真紅ぅ。まもる」

真紅「ふ、防がれたのだわ!」

水銀燈「それじゃあ今度はこっちの番ねぇ。はかいこうせん」

真紅「あぁ…私のリザードンが……」

JUM「また真紅の負けか」

薔薇「……レベル48のカイリュー…珍しい…」

592: 2008/12/27(土) 20:56:21.24 ID:N8Em2A6wO
ラプ「エンジュ、また呑んでるんですか」

エンジュ「んあ~? これが呑まずにいられるかぁ!」

ラプ「薔薇水晶は別にあなたから離れたわけではないんですから」

エンジュ「わぁってるよぉ! でもなぁ…、夢に出て来たんだよぉ」

ラプ「なにがです?」

エンジュ「ウエディング姿でJUMの野郎と歩いてる姿だよぉ! 現実にはないと分かってても…くそぉ!」

ラプ「まったく…あなた自身から薔薇水晶の関心を広げたのに」

593: 2008/12/27(土) 21:07:57.66 ID:N8Em2A6wO
薔薇「…吸う……」

JUM「あっ! コピーされた!」

水銀燈「チャンスねぇ。ファルコン…」

翠星石「ピーケーサンダー!」

薔薇「…ストーン…」

JUM・銀「吹き飛ばされた・わぁ!」

翠星石「やるですね薔薇水晶。でも一位の座は翠星石のものですぅ!」

薔薇「…負けない……」

真紅「元気ねぇ、あなた達は」

596: 2008/12/27(土) 21:34:19.42 ID:N8Em2A6wO
雛苺「JUM登りするの~」

JUM「わっ、いきなり飛びかかってくるな!」

薔薇「……私も…」

JUM「だぁっ! 二人はさすがにうっとうしい! 離れろ~!」

翠星石「チビ人間うるせーですぅ! くんくんの声が聞こえないですぅ」

真紅「薔薇水晶が来てから、一段と騒がしくなったわね」

蒼星石「いいことじゃないか。これがJUM君家の素晴らしいところだよ」

599: 2008/12/27(土) 21:41:00.77 ID:N8Em2A6wO
JUM「そういや薔薇水晶って好き嫌いないよな」

薔薇「…そう……?」

JUM「あぁ。まぁうちに嫌いなものを言ってくるやつはいないけど」

水銀燈「JUM、ヤクルトもらうわよぉ」

JUM「当然のように冷蔵庫開けていくんじゃない」

水銀燈「いいじゃなぁい。私とあなたの仲じゃなぁい?」

JUM「いつ僕がお前と仲良くなったんだ――って痛っ! なんだよ薔薇水晶!」

薔薇「………罰…」

606: 2008/12/27(土) 22:09:41.21 ID:N8Em2A6wO
JUM「そういや蒼星石って翠星石と姉妹なんだよな」

蒼星石「どうしたのJUM君、改まって」

JUM「いや、なんで双子なのにこうも性格違うんだろうなって」

蒼星石「同じ性格がいたらいたで大変だと思うけどね」

JUM「――たしかに翠星石とか真紅が二人いたら大変だな」

薔薇「……JUM…お昼ご飯できたよ…」

JUM「ん、分かった。(でも薔薇水晶だったら別に良かったかも)」

608: 2008/12/27(土) 22:18:14.93 ID:N8Em2A6wO
JUM「薔薇水晶、ちょっと」

薔薇「? …なに…JUM……」トトト

JUM「昨日お前がいないときに荷物届いてね。ほら、これやるよ」

雛苺「あ~、くんくんのぬいぐるみなのー! おっきいの~!」

紅・翠「!」

JUM「ほら、前に欲しい欲しい言ってたからさ。あげるよ」

薔薇「! …ありがとう……」

真紅「ちょっとJUM、えこひいきは良くないわ」

翠星石「そうですぅ、翠星石たちに何にも無しとはなに考えてるですか!」

JUM「お前らにはずっと前にやったじゃないか!」

610: 2008/12/27(土) 22:24:17.92 ID:N8Em2A6wO
薔薇「すー…すー…」

水銀燈「こんにちはぁ。あら、薔薇水晶寝てるのね」

JUM「あぁ。最近は昼寝するのが増えてきたな」

水銀燈「ふぅん。……で、なんでくんくんのぬいぐるみを抱き締めてるの?」

JUM「よっぽど好きなんだろ、くんくんのこと」

水銀燈「……はぁ、翠星石も大変ねぇ」

翠星石「なっ、なななんで翠星石の名前がそこで出て来るですか!」

JUM「?」

水銀燈「さぁねぇ。真紅、そろそろ私に勝てるようになったかしらぁ?」

真紅「この間までの私とは思わないことなのだわ!」

614: 2008/12/27(土) 22:40:04.11 ID:N8Em2A6wO
JUM「ん、蒼星石来てたのか」

蒼星石「こ、こんにちはJUM君」

JUM「どうしたんだ、そんな困った顔して」

蒼星石「それが…、」

翠星石「姉妹の服を取り替えるですぅ!」

JUM「…また突然の思いつきだな。で、蒼星石はそれに反対してると」

蒼星石「反対してるっていうか…、出来ないっていうか」

JUM「なんだよ煮え切らないなぁ。どうしたんだ」

蒼星石「さすがに…雛苺の服はサイズ的に難しいよ…」

JUM「あぁ…」

617: 2008/12/27(土) 22:54:51.72 ID:N8Em2A6wO
真紅「第1回ローゼン会議なのだわ。議題はJUMの行動と薔薇水晶について」

翠星石「最近の二人はなんかいつも二人きりですぅ。可愛い翠星石がいるのにも関わらずですぅ」

水銀燈「…なんで私まで呼ばれたのかしらぁ」

蒼星石「僕も…」

真紅「そこ! お喋りしないで!」

翠星石「まずは事件が解決してから薔薇水晶とJUMが仲良くなったですぅ」

蒼星石「苦難を乗り越えた仲だしね。一番一緒にいたし」

真紅「そう、それなのだわ。だから私たちも何か悩みをJUMにぶつけるの。そうすれば、」

翠星石「チビ人間もこっちに振り向くってわけですぅ」

水銀燈「――そう簡単な話かしらぁ?」

620: 2008/12/27(土) 23:00:01.11 ID:N8Em2A6wO
真紅「あぁ…、困ったのだわ」

JUM「ん、どうした真紅」

真紅「私のくんくんのDVDボックスがどこかにいってしまったのだわ…。あれが無いと――」

JUM「……昨日のこと思い出してれば見つかるだろ。じゃ」スタスタ

真紅「ち、ちょっとJUM!」

JUM「僕はこれから本を読むの。探すのなら雛苺と探してくれ」

~物陰~

水銀燈「(くんくんとじゃ、悩みの重さが違うでしょ…)」

624: 2008/12/27(土) 23:04:05.53 ID:N8Em2A6wO
翠星石「困ったですぅ…」

JUM「なんだ、こっちでもか。どうしたんだ?」

翠星石「翠星石の大事なスコーンが無くなっ(ry」

JUM「じゃあな、見つかることを祈ってるよ」

翠星石「なっ、なぜですかぁ!?」

~物陰~

蒼星石「(翠星石、あまりにもどうでもいい悩みだよそれ……)」

629: 2008/12/27(土) 23:27:09.78 ID:N8Em2A6wO
JUM「今日は魚料理なのか?」

のり「うん。魚は体にいいんだからね」

翠星石「また翠星石が手伝っ――てなんですかそれは!」

薔薇「…魚……」

翠星石「それは知ってるですぅ! なんでまだ頭とかあるですかぁ」

JUM「そりゃ料理する前なんだから当たり前だろ。なんだ、魚苦手なのか」

翠星石「にっ、苦手じゃねーですけどその目がイヤなんですぅ」

薔薇「…翠星石お姉さま……」

翠星石「? な、なんですか薔薇水晶」クルッ

薔薇「……どうぞ…」ポイッ

翠星石「ッ!? いやあぁ~ですぅー!」ダダダッ

JUM「あ、逃げた」

632: 2008/12/27(土) 23:34:20.22 ID:N8Em2A6wO
水銀燈「おじゃまするわよぉ――ってあら、薔薇水晶あなた一人?」

薔薇「……JUMはお風呂…他のお姉さま方は出掛けた…」

水銀燈「ふぅん、真紅がいないとゲームで対戦できないじゃなぁい」

薔薇「私も……したい…」

水銀燈「あなたが? まぁいいわ、遊んであげるぅ」

~数十分後~

薔薇「……ぜったいれいど…」

水銀燈「あぁ、ブラッキー!」

薔薇「12連勝…」

636: 2008/12/27(土) 23:43:31.80 ID:N8Em2A6wO
?「待て、止めろ! 金ならいくらでも……ぎゃああぁぁぁぁ!」

JUM「うわっ、けっこうヤバいな」

真紅「こ、こんなの全然怖くないのだわ」

翠星石「ま、まったくですぅ。子供騙しもいいとこですぅ」

水銀燈「つ、作りモノだって丸分かりだわぁ」

JUM「の割にはお前ら震えてるじゃないか…。薔薇水晶は大丈夫か?」

薔薇「……大丈夫…」ギュッ

JUM「(声まで震えてる…。ダメだったか)」

637: 2008/12/27(土) 23:56:24.83 ID:N8Em2A6wO
JUM「ま、こうなることは予想出来たけどね」

薔薇「……一緒にいて…」

真紅「いいJUM、朝になるまでは動いたらダメよ」

翠星石「か、勘違いするなですぅ。チビ人間が怖いだろうと思って一緒に寝てやるです」

水銀燈「まったく、怖がりねぇ」

真紅「毛布にくるまったまま言われても説得力ないのだわ」

JUM「ていうか僕のベッドで4人で寝ろよ、狭い」

一同「そんな…」

JUM「……はぁ」

641: 2008/12/28(日) 00:13:23.34 ID:P3KkZy2DO
真紅「第2回ローゼン会議なのだわ。今回は雛苺のJUMに対するコミュニケーションについてよ」

翠星石「チビ苺は思い立ったことをすぐ行動にするです。しかしチビ人間は最近それを気にしなくなってきたですぅ」

水銀燈「(まだ前回ので懲りなかったのねぇ…)」

蒼星石「(ていうか僕と水銀燈は必要ないよね、陰で見てるだけだし)」

真紅「しかし私たちには雛苺ほど無邪気にはなれないわ。だから、」

翠星石「たまにはチビ人間のために動くですぅ」

644: 2008/12/28(日) 00:20:46.98 ID:P3KkZy2DO
真紅「JUM、ちょっと用事が」

JUM「また紅茶か。まったく、たまには自分でいれろよなぁ」

真紅「いえ、そうじゃなくて私がいれて」

JUM「まぁ、多少は僕もいれるの上手くなったんだろうから別にいいけどさ」

真紅「そうね、最初に比べると上手いわ。JUM、熱くし過ぎないようにね」

JUM「りょーかい。あ、菓子いるか?」

真紅「いただくわ」

~物陰~

水銀燈「(驚くほど進歩してないわぁ…。ま、幸せそうだからいいけど)」

646: 2008/12/28(日) 00:27:05.39 ID:P3KkZy2DO
翠星石「やいチビ人間、このケーキを食べさせてやるですぅ」

JUM「ケーキ? お前作ったのか?」

翠星石「あったり前ですぅ。翠星石が本気を出せばこんなものちょろいですぅ」

JUM「ふぅん。じゃあ皆呼ぼ(ry」

翠星石「み、皆はもう食べたですぅ。とにかく食いやがれですぅ!」

JUM「わ、分かったよ。――ん、旨い」

~物陰~

蒼星石「(あんな嘘に騙されるのがJUM君のJUM君たる所以なんだろうなぁ…)」

648: 2008/12/28(日) 00:31:53.24 ID:P3KkZy2DO
水銀燈「薔薇水晶、今日こそ倒してやるわぁ」

真紅「貴女を倒せば、間接的に水銀燈に勝ったことになるのだわ」

薔薇「……じゃあ…まずは真紅お姉さまと……」

JUM「良く飽きないよなあいつら」

蒼星石「初めてはやっぱり思い入れが強いんだよ。JUM君もあれかなりやり込んだんでしょ?」

JUM「あぁ、かなりの時間を費やしたな」

薔薇「……真紅お姉さま…撃破…」

真紅「だわっ!?」

水銀燈「任せなさい真紅ぅ、仇はとるわぁ」

JUM「…平和だな」

蒼星石「平和だね」

651: 2008/12/28(日) 00:37:43.22 ID:P3KkZy2DO
のり「それじゃ皆お箸持った?」

真紅「全員持ってるのは確認したのだわ」

JUM「まさか7体の人形と一緒に晩ご飯食べることになるとは…」

薔薇「…賑やかな…鍋…」

雛苺「あ~! それヒナが食べたかったのー…」

翠星石「ふんっ、早いもの勝ちですぅ!」

蒼星石「もう翠星石…。ほら雛苺、僕のをあげるから元気だして」

水銀燈「ちょっと金糸雀、お醤油とってくれるぅ?」

金糸雀「どうぞかしらー」

654: 2008/12/28(日) 00:42:07.90 ID:P3KkZy2DO
JUM「狭い…。ちょっと部屋に戻るか」

ガチャ
バタン

薔薇「………」

真紅「翠星石、私のお肉を取る勇気は認めてあげるわ…っ!」

翠星石「だから早いもの勝ちですぅ~。ってチビ苺、それは翠星石のですぅ」

雛苺「早いもの勝ちなの~」

水銀燈「まったく……世話のやける妹達ねぇ」

のり「心配しなくてもまだまだ沢山あるからね」

蒼星石「はい、金糸雀」

金糸雀「ありがとうかしら~」

655: 2008/12/28(日) 00:46:19.55 ID:P3KkZy2DO
JUM「ふぅ。お、今日は満月なのか」

ガチャ

JUM「ん、薔薇水晶か。どうした、皆まだ下で食べてるんじゃないのか?」

薔薇「…JUMは…食べないの……?」

JUM「いや食べるよ。だけどちょっとスペースが空くまで待ってるだけ」

薔薇「じゃあ……私も待ってる…」

JUM「薔薇水晶は食べてきていいよ。せっかく姉妹全員でのご飯なんだから」

薔薇「…いい……大丈夫…」

656: 2008/12/28(日) 00:52:14.70 ID:P3KkZy2DO
薔薇「ありがとう……力になってくれて…」

JUM「? なにか力になったっけ」

薔薇「…お父さまがいなくなったとき…元気付けてくれた……」

JUM「あぁ…。でもあれは僕より真紅達のほうが」

薔薇「お姉さま方にも……感謝してる…でも一番感謝したいのは…JUM……」

JUM「僕は特になにもしてないよ」

薔薇「…今の私がいられるのは……JUMのおかげ…」

薔薇「だから……言いたいことがある…」

JUM「言いたいこと?」

薔薇「…うん……JUM…ずっと一緒にいようね…」

659: 2008/12/28(日) 00:59:01.52 ID:P3KkZy2DO
JUM「――へ? い、いきなりなんだよ改まって」

薔薇「…それだけ……言いたかった…」

JUM「そっか。うん、これからも一緒にいような薔薇水晶」

薔薇「うん……!」

のり「JUMくーん! 早く来ないとお肉が無くなっちゃうよー!」

翠星石「食い尽くしてやるですぅー!」

JUM「あ、お呼びがかかったか…。それじゃ行くか、薔薇水晶」

薔薇「……うん…一緒に行こう…」ギュッ

ーおまけfinー

662: 2008/12/28(日) 01:02:36.35 ID:P3KkZy2DO
ふぅ、おまけも終わりました

2・3個のネタで終わらせるつもりが予想以上にwww
なんかもう一生ぶん出し尽くした感があるわ…

幼稚な文に付き合ってくれた方々サンクス

最後に一言!
ばらしー可愛いよばらしー!

663: 2008/12/28(日) 01:04:38.67 ID:SX7oTgHx0
おつでしたっ!

664: 2008/12/28(日) 01:05:16.47 ID:6yin3yyOO
乙ううううう!

698: 2008/12/28(日) 17:52:58.65 ID:P3KkZy2DO
まだあった

引用: JUM「――ん? 居間に誰かいるのか?」