1: 2015/12/29(火) 03:40:47.29 ID:PG5Q+Em3.net
ほのうみSS

書き溜めあり。

2: 2015/12/29(火) 03:41:19.62 ID:PG5Q+Em3.net
穂乃果「あと少しで、今年も終わりだね~」

海未「そうですね。何かやり残したことはないですか?」

穂乃果「やり残したこと・・・・・・大丈夫、かな?」

海未「そうですか。それなら快く来年を迎えられそうですね」

穂乃果「うん!海未ちゃんは大丈夫?やり残したことない?」

海未「そうですね。私はあと一つあります」

穂乃果「え、そうなの?何だか意外だね」

海未「そうですか?」

穂乃果「海未ちゃんってさっさとやることやっちゃうイメージだから」

3: 2015/12/29(火) 03:41:59.58 ID:PG5Q+Em3.net
海未「まあ、あながち間違いではありませんね。やらないと気が済まない性質なので」

穂乃果「だよね~!それで、そのやり残したことって何なの??」

海未「……知りたいですか?」

穂乃果「う~ん。ちょっぴり?」エヘヘ

海未「珍しい。穂乃果ならなりふり構わず聞いてくるとばかり思っていましたが」

穂乃果「本当は知りたいよ?でも海未ちゃん、少し言いにくそうにしてたから」

海未「そう見えますか?」

穂乃果「何となくね。穂乃果だからこそ分かる程度だけど」

海未「まったく。敵いませんね、穂乃果には」クスッ

穂乃果「えへへ、それほどでも!」

海未「・・・・・・待っていてください。穂乃果にはちゃんと伝えますので」

海未「ただ今は、もう少しだけ時間が欲しいんです。まだ、気持ちが固まりきっていないので」

穂乃果「……そっか。じゃあ待っとくね。海未ちゃんの気持ちに整理がつくまで」

海未「ええ、待っていてください。必ず・・・・・・必ず伝えます」

穂乃果「うん!・・・・・・待ってるから」

4: 2015/12/29(火) 03:43:14.61 ID:PG5Q+Em3.net
―――――
―――――――

海未「今日はわざわざ呼び出してすいません」

穂乃果「大丈夫だよ、暇してたところだから」アハハ

穂乃果「それで、話って?」

海未「以前、話していたことです」

穂乃果「今年中にやり残したことの話?」

海未「ええ。ようやく、気持ちの整理がつきました」

穂乃果「……そっか、それじゃあ、穂乃果に話してくれるんだね」

海未「そういう約束でしたからね」クスッ

穂乃果「そうだったね。それじゃあ聞かせて、海未ちゃん」

海未「……はい」

5: 2015/12/29(火) 03:43:57.28 ID:PG5Q+Em3.net
海未「・・・・・・気が付けば、目で追っていた人がいるんです」

海未「その人と私は親友で、幼馴染。ですから、最初は大した問題ではないと思っていました」

海未「しかし、それは私の勘違いでした。日に日にその人を意識する時間が増えていき、しまいにはもう目で追わずにはいられなくなりました」

海未「その人が私以外の人と話していると胸が苦しくなる。近くにいるだけで鼓動が早くなる」

海未「そばに居たい。ともに多くの時間を共有したい。いつしか、そんな感情が私を覆い尽くしていました」

海未「そうです。私はその人に・・・・・・恋をしたんです」

穂乃果「……恋、かぁ」

海未「ええ。それから私は色々なことを考えるようになりました。その人との話し方、接し方」

海未「どうやったらもっと近づけるだろうか、どうしたらこっちを向いてくれるだろうか」

海未「けれど結局、答えはでませんでした。強いて言うなら普段通りの私でいる、ということぐらいですね」

穂乃果「普段通りの海未ちゃんで?」

6: 2015/12/29(火) 03:44:31.45 ID:PG5Q+Em3.net
海未「不器用なりの発想です」

穂乃果「海未ちゃんが不器用だなんて」クスッ

海未「私は穂乃果が思っているほど、できた人間ではありません」

海未「話に戻ります。それからというもの、予定通り普段通りの私でいることはできたのですが、一つ問題が生じたんです」

穂乃果「問題が?」

海未「はい。その人はいわゆる“にぶい”人でして。普通にしていたら、私の気持ちになんて気が付くはずがなく・・・・・・」

穂乃果「海未ちゃんも大変な人に恋しちゃんったんだね~」クスクス

海未「そうかもしれませんね。それでも、私が好きになった人です。後悔はしていません」

穂乃果「……そっか。何となく、話は読めちゃったかな」

海未「話が早くて助かります」

7: 2015/12/29(火) 03:45:09.68 ID:PG5Q+Em3.net
穂乃果「海未ちゃん、今年やり残したことは、その人への告白、でしょ?」

海未「……はい」

穂乃果「やっぱり。うん、いいと思う。とっても素敵!」

海未「穂乃果・・・・・・ありがとうございます」

穂乃果「それで、穂乃果はどうすればいい?話してくれたんだから、なにか理由があるんだよね?」

海未「・・・・・・そうですね。でしたら、少しの間、手を握っていてくれませんか?」

穂乃果「手?海未ちゃんの??」

海未「そうです。お願いします」スッ

穂乃果「……うん」ギュッ


穂乃果「!!」


穂乃果(海未ちゃんの手、震えてる・・・・・・)

穂乃果(・・・・・・そっか、そうだよね。“告白”するんだもんね)

穂乃果(いくら海未ちゃんでも、やっぱり緊張したり、怖かったりするんだ)

8: 2015/12/29(火) 03:45:51.72 ID:PG5Q+Em3.net
穂乃果「ねえ、海未ちゃん」

海未「は、はい!何でしょうか?」ビクッ

穂乃果「想いを伝えることは、やっぱり怖い?」

海未「……はい」

穂乃果「……そっか。そうだよね。多分穂乃果でもそう思っちゃうんだろうなぁ」

海未「どうかしたのですか?」

穂乃果「海未ちゃん、穂乃果は馬鹿だから、こんな時になんて声かけてあげればいいか、全然わからない」

穂乃果「でもね、これだけは分かるんだ」

穂乃果「人に好きって言ってもらえると、やっぱり凄く嬉しいんだよね」

穂乃果「穂乃果は羨ましいよな~、海未ちゃんに好きって言ってもらえる人が」

穂乃果「その人も多分同じ気持ちだよ!だから・・・・・・」

穂乃果「だから頑張れ!海未ちゃん!!」ギュウウ

9: 2015/12/29(火) 03:46:30.03 ID:PG5Q+Em3.net
海未「……穂乃果」

海未「ありがとうございます」クスッ

海未「やはりあなたに相談して正解でした」

穂乃果「海未・・・・・・ちゃん?」

穂乃果(あっ、震えが収まってる)

海未「今の言葉、とてもうれしかったです。おかげで勇気が持てました」

海未「穂乃果、一度しか言いませんから、よく聞いてください」

穂乃果「うん」

10: 2015/12/29(火) 03:47:23.37 ID:PG5Q+Em3.net
海未「私は、あなたが好きです」

海未「もう幼馴染としてあなたを見ることは出来ません」

海未「これからは、恋人としてあなたの傍で生きていきたい」

海未「私と・・・・・・付き合ってください」



穂乃果「……ありがとう。すっごく嬉しいよ」

穂乃果「海未ちゃん、穂乃果が好きだったんだね」

海未「はい。私は、あなたを愛しています」

穂乃果「……そっかぁ。うん、うん」

穂乃果「やっぱり、ね」

海未「やっぱり?」

11: 2015/12/29(火) 03:48:14.27 ID:PG5Q+Em3.net
穂乃果「実はね、知ってたんだ」

海未「知っていた??」

穂乃果「うん。海未ちゃんの好きな人とか全部、ね」

海未「なっ!?そんな、誰にも言っていないはずです!」

穂乃果「うん。穂乃果も誰からも聞いていないよ。ただ、分かっちゃっただけなんだ」

海未「・・・・・・分かった?」

穂乃果「そうだよ。最近、海未ちゃん妙によそよそしかったでしょ?」

穂乃果「ことりちゃんと話してる時は普通なのに、穂乃果と話すときは一転して顔さえ合わせようとしないんだもん」クスッ

穂乃果「だからさっき、普段通りでいるって言った時は笑いそうになっちゃった」

海未「なっ・・・・・・///」カァァ

穂乃果「その頃からかな。海未ちゃんの気持ちに気づき始めたのは」

海未「それだけで気が付いたのですか?私が、妙によそよそしいというだけで・・・・・・」

12: 2015/12/29(火) 03:49:08.85 ID:PG5Q+Em3.net
穂乃果「そうだよ」

海未「そんな、あなたはそんなに鋭いはずが・・・・・・」

穂乃果「・・・・・・海未ちゃんだからだよ」

海未「えっ」

穂乃果「海未ちゃんだから、穂乃果は気付くことができた」

海未「私・・・・・・だから?」

穂乃果「うん。海未ちゃんは穂乃果の事を誰よりも理解してくれてるよね」

海未「・・・・・・はい。それは自信をもって言えます」

穂乃果「それは、穂乃果もなんだよ?」

穂乃果「穂乃果も、誰よりも海未ちゃんの事を知ってる」

穂乃果「だから今回も分かったの。海未ちゃんの気持ちが」

13: 2015/12/29(火) 03:50:06.88 ID:PG5Q+Em3.net
海未「……なるほど。それは盲点でした」クスッ

海未「それでは勿論、返事をいただけますよね?」

海未「穂乃果なら、ここで逃げるという選択はしないはずです」

穂乃果「当たり前だよ」

穂乃果「海未ちゃんの事を知ってるからこそ、ここで逃げるなんてありえない」

海未「……ふふ。それでこそ、私の好きになった穂乃果です」

海未「それでは、聞かせてください。あなたの・・・・・・気持ちを」

穂乃果「……うん」

14: 2015/12/29(火) 03:51:02.52 ID:PG5Q+Em3.net
穂乃果「・・・・・・待ってて、よかったな」ボソッ

穂乃果「穂乃果もね、海未ちゃんのことは大好きで、大切で、かけがえのない存在だと思ってた」

穂乃果「だから、海未ちゃんの気持ちに気が付いたとき、穂乃果から告白しようとも考えたんだ」

海未「穂乃果から、ですか?」

穂乃果「そうだよ。でもね、やっぱりそれはやめた。穂乃果は待つことにしたんだ」

穂乃果「海未ちゃんから告白されるのを、ずっと待つことにね」

海未「告白を待つ!?もし、私が告白しなければどうするつもりだったのですか!?」

穂乃果「その可能性は考えなかったよ。それに、現にこうして海未ちゃんは穂乃果に好きって言ってくれたしね」ニコッ

海未「……もう、あなたという人は///」

穂乃果「海未ちゃん、ありがとう」ダキッ

海未「あっ・・・・・・」トクン

15: 2015/12/29(火) 03:51:43.35 ID:PG5Q+Em3.net
穂乃果「穂乃果も海未ちゃんが好き。ううん、大好き」

穂乃果「試すようなことしてごめんね。でも、面白半分でこんなことしたわけじゃないんだよ?」

海未「ええ、分かっています」

穂乃果「穂乃果はね、大好きな海未ちゃんだからこそ、どうしても先に好きって言ってほしかったんだ」

穂乃果「だからさっき海未ちゃんから好きて言われて、本当はすごく嬉しくて」

穂乃果「それと同時に、顔が燃えるように熱くなった」

穂乃果「それでね・・・・・・多分、今も・・・・・・」ギュウウウ

海未「ほ、穂乃果!ちょっと苦し・・・・・・」

穂乃果「ありがとう、告白してくれて。穂乃果の為に勇気を出してくれてありがとう」グスッ

海未「……穂乃果」

海未「こちらこそありがとうございます」ギュッ

穂乃果「海未ちゃん、大好き」

海未「私も、穂乃果が大好きです」

穂乃果「ごめんね、もうしばらくこのままでいて。あと少しで、落ち着くから」グスッ

海未「ええ、待ちますよ。いつまでも」

16: 2015/12/29(火) 03:52:25.93 ID:PG5Q+Em3.net
―――――
―――――――――


穂乃果「今日から私達、恋人同士だね」

海未「そうですね。何だか実感がわきません」クスッ

穂乃果「そう?穂乃果は今こうしている瞬間もドキドキしちゃってる」

海未「そんなの私もですよ。実感がわかないのは付き合っているという感じがしないということです」

穂乃果「えっと、ごめん。ちょっとよくわからない・・・・・・」

海未「簡単に言えば、今までとこれからがどう変わるのか分からないというのでしょうか」

穂乃果「ああ、なるほど。確かに・・・・・・穂乃果も分かんないや」

海未「でも、それはそれで面白いかもしれませんね」

穂乃果「そうなの??」

海未「ええ。たとえどう変わろうとも、穂乃果がそばに居れば問題ありませんから」ギュッ

穂乃果「海未ちゃん・・・・・・そうだね!穂乃果も海未ちゃんが居れば大丈夫!」ギュッ

17: 2015/12/29(火) 03:52:57.12 ID:PG5Q+Em3.net
海未「今年もあと少しですね。もうやり残したことは無いですか?」

穂乃果「無い・・・・・・かな?海未ちゃんは?」

海未「私も無いですね。先ほど全てが片付いてしまいましたから」クスッ

穂乃果「それじゃあ、いよいよだね」

海未「ええ。来年は私達にとってどんな年になるでしょうか」

穂乃果「多分、とっても幸せな一年になるんじゃないかな?」

海未「そうですね。私もなぜだかそんな気がします」

穂乃果「来年はずっと一緒にいようね」

海未「はい。私も穂乃果と一緒がいいです」

18: 2015/12/29(火) 03:53:52.65 ID:PG5Q+Em3.net
穂乃果「あっ、そうだ!やり残したこと一つだけあったんだ!」

海未「そうなのですか?」

穂乃果「うん!ねえ、海未ちゃん!目をつぶって?」

海未「目を?別にかまいませんが・・・・・・」スッ

穂乃果「それじゃ、今年最後のやりたいこと・・・・・・するね」

海未「は、はぁ・・・・・・」



 チュッ

19: 2015/12/29(火) 03:54:37.58 ID:PG5Q+Em3.net
海未「……なるほど///」

穂乃果「えへへ、どうだった///?」

海未「穂乃果らしいです」クスッ

穂乃果「これでもう今年やり残したことはないね」

海未「これで安心して年を越せます」

穂乃果「海未ちゃん」ギュッ

海未「穂乃果」ギュッ

  

 

  「「愛してる」」

20: 2015/12/29(火) 03:55:55.00 ID:PG5Q+Em3.net
これから先の事なんて

そんなの誰にもわからない。

でも、つないだ手から伝わる

あなたの温もりが

私に全てを与えてくれる。

不安だらけの未来だけど、

もう、恐れる必要はない。

だって・・・・・・

私には・・・・・・



 『いつだって、あなたがいるから』

21: 2015/12/29(火) 03:56:52.43 ID:PG5Q+Em3.net
おしまいです!

今年最後のSS。

ほのうみということで、少し真面目に書いてみました。

この後お母さんたちに付き合ってるとか言って、シリアスパターン突入!

は、無い・・・・・・かも。

読んでくれてありがとう!

よいお年を!

23: 2015/12/29(火) 04:11:49.35 ID:HJXbepc6.net
乙ですだよっ

24: 2015/12/29(火) 04:13:58.77 ID:iUiPFYBa.net

引用: 海未「年明け前に・・・・・・」