833: 2012/02/14(火) 23:23:47 ID:vlvTF7g60
<YUI-previous day>
明日はバレンタイン。
みんなとチョコ交換するのだよ~!!
憂に作り方聞いて練習したし、私も気合入れて作っちゃおう。
これがりっちゃんで、こっちが澪ちゃん、そしてこれがムギちゃん用。
これが憂で、これが和ちゃんで、これがさわちゃん…
それぞれにチョコペンでメッセージを書いちゃおう。
ふっでぺ~ん ふっふ~♪
そして、あずにゃんにも、あげるんだよね。
大好きなあずにゃんだから気持ちを込めたい。
でも気持ちを込めてるうちに、他のみんなにあげるのより、全然大きな物になってしまった。
一人だけ特別なのを渡したら、やっぱり引いちゃうかな…
だって女の子同士だもんね。
バレンタインは本来恋人同士で愛を確かめ合う日で、
女の子同士のチョコになんて大した価値は持たせちゃいけないよね。
それに、あずにゃんだってちゃんとまともに付き合ってる人が居るかもしれない。
私の大好きなあずにゃん。とっても愛おしくて、しっかり物で頼りになるあずにゃん。
もし自分が男の子だったら、付き合ってしまいたいと思う。
そんな魅力的なあずにゃんに、私より前に気持ちを伝えて愛を確かめあっている人が居てもおかしくはない。
…やっぱり、やめようかな。他のみんなと同じサイズにしよう。
でも、この大きなチョコも、せっかく作ったんだから持ってくだけ持って行ってみようかな。
明日はバレンタイン。
みんなとチョコ交換するのだよ~!!
憂に作り方聞いて練習したし、私も気合入れて作っちゃおう。
これがりっちゃんで、こっちが澪ちゃん、そしてこれがムギちゃん用。
これが憂で、これが和ちゃんで、これがさわちゃん…
それぞれにチョコペンでメッセージを書いちゃおう。
ふっでぺ~ん ふっふ~♪
そして、あずにゃんにも、あげるんだよね。
大好きなあずにゃんだから気持ちを込めたい。
でも気持ちを込めてるうちに、他のみんなにあげるのより、全然大きな物になってしまった。
一人だけ特別なのを渡したら、やっぱり引いちゃうかな…
だって女の子同士だもんね。
バレンタインは本来恋人同士で愛を確かめ合う日で、
女の子同士のチョコになんて大した価値は持たせちゃいけないよね。
それに、あずにゃんだってちゃんとまともに付き合ってる人が居るかもしれない。
私の大好きなあずにゃん。とっても愛おしくて、しっかり物で頼りになるあずにゃん。
もし自分が男の子だったら、付き合ってしまいたいと思う。
そんな魅力的なあずにゃんに、私より前に気持ちを伝えて愛を確かめあっている人が居てもおかしくはない。
…やっぱり、やめようかな。他のみんなと同じサイズにしよう。
でも、この大きなチョコも、せっかく作ったんだから持ってくだけ持って行ってみようかな。
834: 2012/02/14(火) 23:25:28 ID:vlvTF7g60
<AZU-previous day>
バレンタインかぁ。
別に付き合ってる人も居ないし、日頃のお返しとか、
ちょっとしたパーティみたいな物だと思えばいいのかな。
大事な先輩たちや友達の為だから、ちゃんと作った方がいいとは思うけど。
みんなに作ってみたチョコは、市販のチョコを一旦溶かして型でくり抜いたオーソドックスな物だ。
こんな物でいいのかととも思うが、気持ちが大事なんだろうな、きっと。
一応甘い物大好きな私が選んだチョコだし…。
はぁ。みんなの分を一様に作ってはみたけど、これってどうなのかな…
私だってみんなに等しく接しているわけではない。
渡す人の中に嫌いな人は居ないけど、逆にちょっと特別な人は居る。
そういう人に対しては、ほんの出来心ではあるけどちょっと大きめのチョコを作ってみた。
唯先輩。
いつも私の傍に居てくれて見守ってくれてる、唯先輩。
ちょっとどころじゃない位天然で私の方が気を遣わなきゃいけない事もあるけど、
それでも私の手を優しく引いてくれる。抱き締めて温もりを与えてくれる。
でも普段私は表向きあんなに嫌がったり文句ばかり言ってばかりだ。
内心悪く思われてないかな。
ああ見えて結構気配りの出来る人だから、スキンシップだって建前でやってるかもしれないし。
もしそれでも本当に気に入ってくれてたとしても、私の態度を見て心が通じてないと思われてるかもしれない。
だからたまには、お返しだってしたいかな…いや、やっぱりやめとこ。
このチョコはしまって他の人と同じチョコにしよう。あ、でも勿体無いから一応持っていこう。
バレンタインかぁ。
別に付き合ってる人も居ないし、日頃のお返しとか、
ちょっとしたパーティみたいな物だと思えばいいのかな。
大事な先輩たちや友達の為だから、ちゃんと作った方がいいとは思うけど。
みんなに作ってみたチョコは、市販のチョコを一旦溶かして型でくり抜いたオーソドックスな物だ。
こんな物でいいのかととも思うが、気持ちが大事なんだろうな、きっと。
一応甘い物大好きな私が選んだチョコだし…。
はぁ。みんなの分を一様に作ってはみたけど、これってどうなのかな…
私だってみんなに等しく接しているわけではない。
渡す人の中に嫌いな人は居ないけど、逆にちょっと特別な人は居る。
そういう人に対しては、ほんの出来心ではあるけどちょっと大きめのチョコを作ってみた。
唯先輩。
いつも私の傍に居てくれて見守ってくれてる、唯先輩。
ちょっとどころじゃない位天然で私の方が気を遣わなきゃいけない事もあるけど、
それでも私の手を優しく引いてくれる。抱き締めて温もりを与えてくれる。
でも普段私は表向きあんなに嫌がったり文句ばかり言ってばかりだ。
内心悪く思われてないかな。
ああ見えて結構気配りの出来る人だから、スキンシップだって建前でやってるかもしれないし。
もしそれでも本当に気に入ってくれてたとしても、私の態度を見て心が通じてないと思われてるかもしれない。
だからたまには、お返しだってしたいかな…いや、やっぱりやめとこ。
このチョコはしまって他の人と同じチョコにしよう。あ、でも勿体無いから一応持っていこう。
835: 2012/02/14(火) 23:27:07 ID:vlvTF7g60
<YUI-valentine day>
昨日は悩んでるうちに何時の間にか寝てしまっていた。
頑張って作ったからみんな喜んでくれるといいな。
「お姉ちゃん、今日は大事な人へ気持ちを伝える数少ないチャンスだよ」
家を出る前に一言憂が肩を押してくれた。本当に頼りになるいい妹だと思う。
あと、後で渡して驚かそうとした憂へのチョコはあっさりバレてしまった。
お互いのチョコを期待してりっちゃんとの間でニヤニヤと視線を送りあって授業を過ごした後、
いつものように音楽室へと向かう。
準備が早いムギちゃんが既にティーセットを用意してくれていた。
今日のケーキはチョコレートケーキ。…あ、なるほど。ムギちゃん頭いい。
「こんな物しか出せないですが…」
いいよいいよ、何時にも増してメイド服が似合ってるし。
「はい、唯の分とムギの分。あっ、律の分はあったっけ」
「うわ~ん、澪が苛めるよぅ、唯~~っ」
「悲しむのは早いよりっちゃん、私がりっちゃんの新たな女になるよ」
「冗談だよ。律の分もちゃんとあるから安心しろ、あと最後のはどういう意味だ!!」
何時も通りの和やかな時間が過ぎる。
女の子同士だから深い意味はないけど、その分気楽に楽しめていいかもしれない。
「遅れました~っ」
愛らしい声とともに扉が開いた途端、はっと意識が何かに引き戻されたようになった。
あずにゃんだ。
昨日あれだけ悩んでいた割に、どんな風に渡すのかという事まで考えていなかった。
いやそうじゃなくて、渡すチョコの中身を急遽他の人と同じものに変えたから、
そこまで頭が回っていなかったんだ。
それでも目の前で他のみんなとチョコのやり取りをしている以上、
今更あずにゃんに何も渡せないとはいえない。
私は、考えがどうにもならないまま、あずにゃんへと歩み寄っていく。
「はい、これあずにゃんの分だよ」
とてもそっけない声になってしまった。自分の顔の方はどうなってたのか分からない。
普段でも抱き付きのオマケ位は付けるのに、
よりによってこんな日に、一番そっけなくしてしまった。
そんな私に対してあずにゃんも、丁寧にお返しのチョコをくれて、
胸がキュッと締め付けられた。
昨日は悩んでるうちに何時の間にか寝てしまっていた。
頑張って作ったからみんな喜んでくれるといいな。
「お姉ちゃん、今日は大事な人へ気持ちを伝える数少ないチャンスだよ」
家を出る前に一言憂が肩を押してくれた。本当に頼りになるいい妹だと思う。
あと、後で渡して驚かそうとした憂へのチョコはあっさりバレてしまった。
お互いのチョコを期待してりっちゃんとの間でニヤニヤと視線を送りあって授業を過ごした後、
いつものように音楽室へと向かう。
準備が早いムギちゃんが既にティーセットを用意してくれていた。
今日のケーキはチョコレートケーキ。…あ、なるほど。ムギちゃん頭いい。
「こんな物しか出せないですが…」
いいよいいよ、何時にも増してメイド服が似合ってるし。
「はい、唯の分とムギの分。あっ、律の分はあったっけ」
「うわ~ん、澪が苛めるよぅ、唯~~っ」
「悲しむのは早いよりっちゃん、私がりっちゃんの新たな女になるよ」
「冗談だよ。律の分もちゃんとあるから安心しろ、あと最後のはどういう意味だ!!」
何時も通りの和やかな時間が過ぎる。
女の子同士だから深い意味はないけど、その分気楽に楽しめていいかもしれない。
「遅れました~っ」
愛らしい声とともに扉が開いた途端、はっと意識が何かに引き戻されたようになった。
あずにゃんだ。
昨日あれだけ悩んでいた割に、どんな風に渡すのかという事まで考えていなかった。
いやそうじゃなくて、渡すチョコの中身を急遽他の人と同じものに変えたから、
そこまで頭が回っていなかったんだ。
それでも目の前で他のみんなとチョコのやり取りをしている以上、
今更あずにゃんに何も渡せないとはいえない。
私は、考えがどうにもならないまま、あずにゃんへと歩み寄っていく。
「はい、これあずにゃんの分だよ」
とてもそっけない声になってしまった。自分の顔の方はどうなってたのか分からない。
普段でも抱き付きのオマケ位は付けるのに、
よりによってこんな日に、一番そっけなくしてしまった。
そんな私に対してあずにゃんも、丁寧にお返しのチョコをくれて、
胸がキュッと締め付けられた。
836: 2012/02/14(火) 23:28:49 ID:vlvTF7g60
<AZU-valentine day>
翌日、唯先輩の事に関してモヤモヤが収まらないまま、学校へと登校した。
教室へ入ると、みんな案の定プレゼント交換ならぬチョコレート交換の真っ最中だった。
「梓ちゃん、いつもありがとう~」
「私からも、ほんの気持ちだけど…あっ、そうそう、これ澪先輩に…お願い、出来るかな…」
「憂も純もありがとう!でも純~、そういうのは自分から渡すもんでしょ~?」
「梓ちゃんの言うとおりだよ。信頼する人に自分の想いを自分の手で渡すから伝わるんだと思うな」
「ええ~…?恥ずかしいなあ…」
「澪先輩の方がもっと恥ずかしがり屋だから大丈夫だよ~」
いつもの3人で、暢気に会話を広げながらチョコを回す。
「梓ちゃんも、想いが通じるといいね!」
「何がおかしいのよ~っ!?」
憂の言葉に冗談じみた様子で返す。
でも、ちょっと励ましてくれてるような気がして、胸の奥が暖かくなった。
そして授業が終わり任されていた掃除を終えてから、何時ものように音楽室へ行った。
「遅れました~っ」
掛け声と共に入室する。…あれ?
何かが物足りなかった。何時もならある、何かが。
「はい、これあずにゃんの分だよ」
私にチョコを渡してくれる唯先輩。
でも、今日はどこか淡々としている。それに何となく表情も、暗い。
…そうだ、何時もならここでスキンシップがあるんだ。
何時もなら音楽室に入った途端唯先輩に抱き締めて貰えるのに、
よりによって、こんな日に、何もない。
やっぱり私、唯先輩に嫌われちゃってるのかな…?
…今はそれよりも、お返しだけでもしないと。
何とか表情を切り替えて、唯先輩に対して私からのチョコを渡す。
もし今、大きい方のチョコを渡していたら先輩を困らせてしまっただろう。
その後、他の先輩達とチョコレートの交換をした。
皆丁寧に作ってあって、普段大雑把な律先輩の物でさえ綺麗なラッピングに包まれていた。
ここにはちょっと頭が上がらなかった。
私も精一杯頭を下げて渡すと、澪先輩が頭を撫でてくれ、ムギ先輩と律先輩がフォローを入れてくれた。
ただ、その間唯先輩とは顔を合わせられなかった。
翌日、唯先輩の事に関してモヤモヤが収まらないまま、学校へと登校した。
教室へ入ると、みんな案の定プレゼント交換ならぬチョコレート交換の真っ最中だった。
「梓ちゃん、いつもありがとう~」
「私からも、ほんの気持ちだけど…あっ、そうそう、これ澪先輩に…お願い、出来るかな…」
「憂も純もありがとう!でも純~、そういうのは自分から渡すもんでしょ~?」
「梓ちゃんの言うとおりだよ。信頼する人に自分の想いを自分の手で渡すから伝わるんだと思うな」
「ええ~…?恥ずかしいなあ…」
「澪先輩の方がもっと恥ずかしがり屋だから大丈夫だよ~」
いつもの3人で、暢気に会話を広げながらチョコを回す。
「梓ちゃんも、想いが通じるといいね!」
「何がおかしいのよ~っ!?」
憂の言葉に冗談じみた様子で返す。
でも、ちょっと励ましてくれてるような気がして、胸の奥が暖かくなった。
そして授業が終わり任されていた掃除を終えてから、何時ものように音楽室へ行った。
「遅れました~っ」
掛け声と共に入室する。…あれ?
何かが物足りなかった。何時もならある、何かが。
「はい、これあずにゃんの分だよ」
私にチョコを渡してくれる唯先輩。
でも、今日はどこか淡々としている。それに何となく表情も、暗い。
…そうだ、何時もならここでスキンシップがあるんだ。
何時もなら音楽室に入った途端唯先輩に抱き締めて貰えるのに、
よりによって、こんな日に、何もない。
やっぱり私、唯先輩に嫌われちゃってるのかな…?
…今はそれよりも、お返しだけでもしないと。
何とか表情を切り替えて、唯先輩に対して私からのチョコを渡す。
もし今、大きい方のチョコを渡していたら先輩を困らせてしまっただろう。
その後、他の先輩達とチョコレートの交換をした。
皆丁寧に作ってあって、普段大雑把な律先輩の物でさえ綺麗なラッピングに包まれていた。
ここにはちょっと頭が上がらなかった。
私も精一杯頭を下げて渡すと、澪先輩が頭を撫でてくれ、ムギ先輩と律先輩がフォローを入れてくれた。
ただ、その間唯先輩とは顔を合わせられなかった。
837: 2012/02/14(火) 23:30:28 ID:vlvTF7g60
<YUI-way home>
結局あずにゃんにはそっけなくしたまま部活も終わってしまった。
あずにゃんに嫌われたりしないかな、私…。
いいよ、もう。どうせチョコの一つもちゃんと渡せないんだし。
そういえば朝、憂が気になる事を言ってたな。
大事な人への気持ち、か…。
私に付き合ってる人が居ない事なんて憂も分かってるはずなのに、
余計なお世話だなあ。
ん、でも付き合ってる人とは限らないのかも。
私がこれから告白する相手の人の事かもしれないし。
…そんな人も今は居ないよ。
じゃあ、誰なのかな…。
やっぱり、あずにゃんにちゃんと渡したかったな。
何であんなに大きなチョコ作っちゃったんだろう。
ただ抱き締めるだけの相手だけなら、そこまでしなくてもいいのに。
やっぱり、あずにゃんは特別なのかな。
どういう風に特別なのかは、自分でも分からない。
でも、これもありだよね…憂。
私は少し前に音楽室を出て先を歩いていたあずにゃんを追いかけだした。
<AZU-way home>
唯先輩は今日一日、ずっと私から一歩引いているようだった。
それどころか、私が他の先輩達にチョコを渡すと思い出したようにより一層引いていくようにも見えた。
やっぱりチョコのやり取りなんて、ない方がよかったのかな。
さっき憂が言ってくれた想いが通じるといいねというメッセージが再び脳裏に浮かぶ。
と言われても、別に相手も居ないし、
女同士なら今日渡した殆どの相手と気兼ねなくやり取りが出来たしなあ。
頭の中で詮索してみても、想いが通じなくて困っている相手など殆ど居ないのだ。
ただ一人だけを除いては。
今回その一人になったのが、唯先輩なんだよね。
普段はあんなに私の事を思いやってくれる唯先輩。
その唯先輩が、今日に限って私に対して素っ気無かったのは、何か理由があるのかもしれない。
本当は唯先輩は私の事をどう思っているのだろう。
正直に言うと、怖い。
素っ気無いという事は嫌われているか、そうでなくとも関心が低いのかもしれない。
今まで文句を言いつつも唯先輩に縋って来た私に、その事実が耐えられるのだろうか。
しかし、間もなく私が気づくまでもなく、唯先輩はその回答を出したのだった。
結局あずにゃんにはそっけなくしたまま部活も終わってしまった。
あずにゃんに嫌われたりしないかな、私…。
いいよ、もう。どうせチョコの一つもちゃんと渡せないんだし。
そういえば朝、憂が気になる事を言ってたな。
大事な人への気持ち、か…。
私に付き合ってる人が居ない事なんて憂も分かってるはずなのに、
余計なお世話だなあ。
ん、でも付き合ってる人とは限らないのかも。
私がこれから告白する相手の人の事かもしれないし。
…そんな人も今は居ないよ。
じゃあ、誰なのかな…。
やっぱり、あずにゃんにちゃんと渡したかったな。
何であんなに大きなチョコ作っちゃったんだろう。
ただ抱き締めるだけの相手だけなら、そこまでしなくてもいいのに。
やっぱり、あずにゃんは特別なのかな。
どういう風に特別なのかは、自分でも分からない。
でも、これもありだよね…憂。
私は少し前に音楽室を出て先を歩いていたあずにゃんを追いかけだした。
<AZU-way home>
唯先輩は今日一日、ずっと私から一歩引いているようだった。
それどころか、私が他の先輩達にチョコを渡すと思い出したようにより一層引いていくようにも見えた。
やっぱりチョコのやり取りなんて、ない方がよかったのかな。
さっき憂が言ってくれた想いが通じるといいねというメッセージが再び脳裏に浮かぶ。
と言われても、別に相手も居ないし、
女同士なら今日渡した殆どの相手と気兼ねなくやり取りが出来たしなあ。
頭の中で詮索してみても、想いが通じなくて困っている相手など殆ど居ないのだ。
ただ一人だけを除いては。
今回その一人になったのが、唯先輩なんだよね。
普段はあんなに私の事を思いやってくれる唯先輩。
その唯先輩が、今日に限って私に対して素っ気無かったのは、何か理由があるのかもしれない。
本当は唯先輩は私の事をどう思っているのだろう。
正直に言うと、怖い。
素っ気無いという事は嫌われているか、そうでなくとも関心が低いのかもしれない。
今まで文句を言いつつも唯先輩に縋って来た私に、その事実が耐えられるのだろうか。
しかし、間もなく私が気づくまでもなく、唯先輩はその回答を出したのだった。
838: 2012/02/14(火) 23:32:25 ID:vlvTF7g60
<YUI-declared>
「あずにゃ~~んっ!!」
追いかけたら意外とすぐに追いついた。
「急にどうしたんですか!?」
いや、必氏に追いかけたからすぐに追いついただけなのかもしれない。
今追いかけないと、あずにゃんがそのままどこか遠くへ去ってしまいそうな気がした。
「あずにゃんに…はぁ、はぁ、もう一つ、渡したい物があるんだよ」
驚くあずにゃん。私はおそるおそる、鞄の中からチョコを取り出した。
「これが、私の想いだよ」
精一杯あずにゃんに差し出した。
今までにない恥ずかしさが顔に出てきた。
多分、恥ずかしくて氏にそうって、こういう状態なんだろうな。
そして、慎重に頭を上げて、あずにゃんの顔を見る。
「何ですか、この変な形のチョコ。私の顔のつもりですか…」
あずにゃんは泣いていた。もしかして、ショックで困らせてしまったんだろうか。
「何時ものお返しですっ」
――あずにゃんが、私に抱きついていた。
「これは、私の想いです」
そう呟くと、あずにゃんは鞄の中から大きなハート型のチョコを取り出し、
私へと差し出した。
言葉で分かる形よりも、先に涙が出てきた。
私もあずにゃんの事を力いっぱい抱き返した。
抱き返した腕の上に、あずにゃんの雫が落ちる。
私の目からも、あずにゃんの腕へ涙が落ちていく。
「あずにゃん、これからも、ずっとずっと、一緒だよ」
あずにゃんの愛おしい声はその期待に応えてくれた。
「はいっ!」
「あずにゃ~~んっ!!」
追いかけたら意外とすぐに追いついた。
「急にどうしたんですか!?」
いや、必氏に追いかけたからすぐに追いついただけなのかもしれない。
今追いかけないと、あずにゃんがそのままどこか遠くへ去ってしまいそうな気がした。
「あずにゃんに…はぁ、はぁ、もう一つ、渡したい物があるんだよ」
驚くあずにゃん。私はおそるおそる、鞄の中からチョコを取り出した。
「これが、私の想いだよ」
精一杯あずにゃんに差し出した。
今までにない恥ずかしさが顔に出てきた。
多分、恥ずかしくて氏にそうって、こういう状態なんだろうな。
そして、慎重に頭を上げて、あずにゃんの顔を見る。
「何ですか、この変な形のチョコ。私の顔のつもりですか…」
あずにゃんは泣いていた。もしかして、ショックで困らせてしまったんだろうか。
「何時ものお返しですっ」
――あずにゃんが、私に抱きついていた。
「これは、私の想いです」
そう呟くと、あずにゃんは鞄の中から大きなハート型のチョコを取り出し、
私へと差し出した。
言葉で分かる形よりも、先に涙が出てきた。
私もあずにゃんの事を力いっぱい抱き返した。
抱き返した腕の上に、あずにゃんの雫が落ちる。
私の目からも、あずにゃんの腕へ涙が落ちていく。
「あずにゃん、これからも、ずっとずっと、一緒だよ」
あずにゃんの愛おしい声はその期待に応えてくれた。
「はいっ!」
839: 2012/02/14(火) 23:34:38 ID:vlvTF7g60
<AZU-declared>
「あずにゃ~~んっ!!」
まさに、思い悩んでいる最中の事だった。
その唯先輩の声が、真後ろから近づいてきた。
振り返ると、走り疲れてフラフラになった唯先輩の姿があった。
「急にどうしたんですか!?」
私が音楽室を出たとき、まだ帰る支度すら始めてなかったのに。
一体どれ程の距離を走ってきたのだろう。
「あずにゃんに…はぁ、はぁ、もう一つ、渡したい物があるんだよ」
えっ…私の為に…?
手を震わせながら鞄の中から何かを取り出す唯先輩。
「これが、私の想いだよ」
暫く下を向いたままの唯先輩の前で、私は一心不乱にその物の包みを開いていった。
中には、大きなチョコが入っていた。
とても似ても似つかないけど、私の顔を形作ろうと頑張った、大きなチョコ。
「何ですか、この変な形のチョコ。私の顔のつもりですか…」
頭の中が錯綜する。今自分がどんな状況なのかも分からない。
しかし、自然と涙が溢れてくる。
そして、今なら、今日くらいは、私から抱き付いてもいいような気がした。
「何時ものお返しですっ」
私からも、渡さなくてはならない。
さっきの唯先輩と同じように、手が震えて鞄から出すのに手間取った。
何も考えずに、無我夢中でそれを差し出した。
「これは、私の想いです」
唯先輩はそれを手に取った瞬間、ボロボロと泣き出した。
そして、優しく、力を込めて、私の事を抱き返した。
電柱の影で誰かがニッコリと笑った気がする。
目が霞んで、愛のキューピッドの幻覚でもみえたのかな。
「あずにゃん、これからも、ずっとずっと、一緒だよ」
暖かい温もりと優しい声に、私は答えた。
「はいっ!」
「あずにゃ~~んっ!!」
まさに、思い悩んでいる最中の事だった。
その唯先輩の声が、真後ろから近づいてきた。
振り返ると、走り疲れてフラフラになった唯先輩の姿があった。
「急にどうしたんですか!?」
私が音楽室を出たとき、まだ帰る支度すら始めてなかったのに。
一体どれ程の距離を走ってきたのだろう。
「あずにゃんに…はぁ、はぁ、もう一つ、渡したい物があるんだよ」
えっ…私の為に…?
手を震わせながら鞄の中から何かを取り出す唯先輩。
「これが、私の想いだよ」
暫く下を向いたままの唯先輩の前で、私は一心不乱にその物の包みを開いていった。
中には、大きなチョコが入っていた。
とても似ても似つかないけど、私の顔を形作ろうと頑張った、大きなチョコ。
「何ですか、この変な形のチョコ。私の顔のつもりですか…」
頭の中が錯綜する。今自分がどんな状況なのかも分からない。
しかし、自然と涙が溢れてくる。
そして、今なら、今日くらいは、私から抱き付いてもいいような気がした。
「何時ものお返しですっ」
私からも、渡さなくてはならない。
さっきの唯先輩と同じように、手が震えて鞄から出すのに手間取った。
何も考えずに、無我夢中でそれを差し出した。
「これは、私の想いです」
唯先輩はそれを手に取った瞬間、ボロボロと泣き出した。
そして、優しく、力を込めて、私の事を抱き返した。
電柱の影で誰かがニッコリと笑った気がする。
目が霞んで、愛のキューピッドの幻覚でもみえたのかな。
「あずにゃん、これからも、ずっとずっと、一緒だよ」
暖かい温もりと優しい声に、私は答えた。
「はいっ!」
840: 2012/02/14(火) 23:36:22 ID:vlvTF7g60
投下は以上です。失礼いたしました
841: 2012/02/15(水) 03:00:51 ID:bw7lF4Nw0
本スレ書き込めないけどGJ!
二人もそうだけどキューピッドさんもよく頑張ってくれたね
二人もそうだけどキューピッドさんもよく頑張ってくれたね
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります