羽蛾「《狂信者の魂》…？」


闇遊戯「手札を全て捨て、効果発動！」

闇遊戯「こいつはμ’ｓメンバー以外のカードが出るまで何枚でもカードをドローし、墓地に捨てるカード」

闇遊戯「そしてその数だけ、攻撃力1500以下のμ’ｓは、追加公演できる！」


羽蛾「攻撃力1500以下……ハッ、あの時」


～数ターン前

闇遊戯『《翻弄されるナンジョルノ》で、《パラサイト・キャタピラー》を攻撃！』

羽蛾『ひょひょひょ！かかったな！』

羽蛾『《パラサイト・キャタピラー》は攻撃された時、相手モンスターの足に寄生するんだよぉ！（キャタピラだけに）』

ナンジョルノ『うあああああ！？ ひ、膝が…』　ATK2000→1500

羽蛾『寄生されたモンスターは攻撃力500ポイントダウン。さらにターンの終了時毎に、500ポイントのダメージを受けるんだひゃっひゃっひゃ』

・
・
・

羽蛾「遊戯のやつそこまで考えて…」

闇遊戯「さあいくぜっ！ まず一枚目！ ドロー！」ｼｭﾊﾞｯ

闇遊戯「モンスターカード、《怒れる類人猿-バーサークゴリラ-》を墓地に捨て」

闇遊戯「いけ、μ’ｓ！ 2017年も、追加公演！」

《ミューズ！ ミュージックぅぅぅスタート！》

羽蛾「うわああああああっ！！！？？？ ぐっ…ぐうううううう」


闇遊戯「二枚目ドロー！ 《りっぴー》モンスターカード！」ﾊﾞｯ

羽蛾「はっ…はあああああ…」

《ファイナルライブ3rd、いっくにゃー！》

羽蛾「うわああああああああっ！！！！」


闇遊戯「三枚目！《シカコ》モンスターカード！」ｼｭﾊﾞｯ

《ぴゃあ！ とうとうきゅ、9周年です！ 私たち9人がここまでこれたのも、皆さんのお陰ですっ！》

羽蛾「うわあああああああああああっ！！！！！！！」

闇遊戯「ドロー、《そらまる》モンスターカード！」

《にっこにっこにー！ 10thアニバーサリーにこ♡》

羽蛾「うぎゃあああああああっ！！！！」


闇遊戯「ドローッ、《くっすん》モンスターカード！」

《11周年やん？ はーいプシュ！》

羽蛾「ぎゃうあああああああああっ！！！！！」


闇遊戯「ドロー！《みもりん》モンスターカード！」

《ラブアローシュート！ 12射目ですっ！》


闇遊戯「ドロー、《うっちー》モンスターカードォ！」

《13回目の告白日和、です！ぷわぷわーお！》


羽蛾「うぎゃっ！うぐああああああああああああああ…あううううっ」

闇遊戯「ドロー！モンスターカ」

杏子「もうやめてっ遊戯ぃ！」ｶﾞｼｯ

闇遊戯「離せっ！」

杏子「これ以上、まだ南條さんを踊らせようというの…？」

闇遊戯「…！」

ナンジョルノ「ぜぇ、はぁ…っく…」ﾋﾞｷﾋﾞｷ

杏子「とっくにμ'sのライフはゼロよ。もう契約は切れたのよ…」

闇遊戯「ハァ…ハァ…」

息を切らしながら、今しがたドローしたカードに目を落とす闇遊戯。無論それはぱいちゃんのカードであった。

闇遊戯（時は、巻き戻らない…）

闇遊戯（《狂信者の魂》は、μ’ｓメンバー一人ひとりの犠牲と引き換えに、μ’ｓという概念を延命させるカード）

闇遊戯（俺の判断は、間違っていたのか…？）



羽蛾「ひょっひょっひょっひょっ…」

闇遊戯「！？」

羽蛾「まだ決闘は終わってないぜぇ…フィールドをよく見て見ろよ遊戯ぃ」

闇遊戯（こ、これは…？）

場の状況

遊戯：ライフ500　　　　　　　　　　　　　　　　　羽蛾：ライフ2200　
モンスター　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　モンスター
《翻弄されるナンジョルノ》　ATK1500　　　　 なし
魔法・罠　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魔法・罠
《狂信者の魂》発動中　　　　　　　　　　　　　伏せカード×1
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　フィールド魔法《オレイカルコスの結界》発動中


闇遊戯（羽蛾のライフが減ってない…！ 真姫戻しが起こったのか？ 一体何故…）

羽蛾「こいつの効果さ…」

羽蛾「リバースカードオープン！《封印の黄金櫃》！」

羽蛾「この効果により、俺はデッキからカードを一枚選んで黄金櫃に封印する。そのカードは決闘中使用できない」

羽蛾「そして俺の選んだカードは……《狂信者の魂》！」

闇遊戯「なにっ！？」

羽蛾「この効果は相手にも及ぶ。つまり、お前の《狂信者の魂》の発動は無効になるってわけだ…」

闇遊戯「……」


イシズ（これは、羽蛾からのもう一人の遊戯へのメッセージ。自ら旅立とうとする者たちを引きとめてはいけない）

イシズ（記憶の世界へと旅立つ女神たちの魂への引導。別れの決意を込めた羽蛾の切り札…！）

羽蛾「《翻弄されるナンジョルノ》のテキストをよく読めよ遊戯ぃ…」

羽蛾「次のライブが最後ってことは、今年の頭にはもう決まってたらしいじゃないか」

羽蛾「ファイナルライブに合わせて、色々もどかしい思いをしながらも有終の美を飾るために精一杯調整してきた彼女の意志をくみ取ってやれよ…」

羽蛾「そして一緒にドームで、ステージに向かってありがとうを言ってやろうぜ、なあ遊戯…」

闇遊戯「……」

闇遊戯「俺に手は残されていない……ターンエンド」

闇遊戯「この瞬間、《翻弄されるナンジョルノ》の効果により、俺は500ポイントのダメージを受ける…」

闇遊戯：ライフ500→0

決闘終了により、羽蛾の発動していた《オレイカルコスの結界》が闇遊戯の身体目掛けて収束していく。
このカードは敗者の魂を天へと導くのだ。


闇遊戯（光が眩しい…冥界へ帰る時が来たか）

闇遊戯（ああ、見えるぜ。光の中に、俺たちのμ'sの姿が）

闇遊戯（僕たちはひとつの光……俺も、その光の中に）


「もう一人のボク！」「遊戯！」


闇遊戯（相棒！みんな…）

本田「μ'sが今度のライブで最後って本当かよぉ…うう。解散なんてしなくていいんじゃねぇかなぁぁ…っていうかするなぁぁ！！」

表遊戯「くっ…」

杏子「アテム…ううん、μ's」

杏子「その光の向こうに、あなた達にとって帰るべき場所がある…それはわかってる…でも」

杏子「その光は私達にとって、あなた達との別れの境界線でしかない…まだ、よく意味がわかってないの！」

杏子「この五年間…ずっと一緒にいたあなた達が突然、私達の目の前から消えていくなんて…意味がわからないよ！」

城之内「杏子！わかんなくていいんだよ…」

城之内「わかんねぇから、頭ん中に必氏でそいつのことを刻み込むんだよ！」

城之内「そいつと過ごした時間（とき）……感情（おもい）を…絶対忘れねーように！！」

杏子「…！」

城之内「だから…今はあいつらを見送ってやろうぜ。あいつらの未来へ…」

闇遊戯（城之内君…杏子…）


ヘルカイザー亮「瞬間の喜び…地獄まで見て、俺が辿り着いた結論だった」

本田「あんたは…？」

ヘルカイザー亮「俺は今まで、只動くμ'sを見ることだけに意味を見出していた…しかし今やっと、その拘りから抜け出すことが出来た…」

ヘルカイザー亮「ヘルライバーとなって地獄を彷徨いやっと今、当選の喜びの為でも解散の恐怖でもない、この瞬間を輝かせたい…そんなスクールアイドルの心境に達することが出来た」

ヘルカイザー亮「μ'sは氏なない…この輝く瞬間を俺たちが感じている限り、μ'sに氏の闇は訪れない。瞬間は永遠となるのだ！」

本田「うっ…う゛う゛！今が最高ぉ！う゛ぇぇ…」


杏子（忘れない…あなた達のことを…μ's）

城之内「μ's！」


城之内「二次元だろーが三次元だろーが、お前らはμ'sだ！ 千年経とうが、お前らはずっとオレたちのアイドルだ！」


闇遊戯（ああ…！）


表遊戯（決して忘れない…君たちを…）


闇遊戯（ありがとうμ's…オレのアイドルたち…）


闇遊戯「」b


――

―――――

――――――――――


本田「いっちまったなあ…あいつら…」


城之内「……」


杏子「……」


表遊戯「……」

.

これは特別な「スクールアイドル」の物語ではない。


物語はみんなで叶えるもの


誰にでも物語はあり、それは光の中に完結する物語だ…


そして――



表遊戯（ボクたちの物語は、始まったばかりなんだ！！）



完

感動した

さすがにヘルライバーには草生える