1: 2010/01/04(月) 14:26:21.32 ID:459S+OlB0
美琴「……!!! ~~~ッ!!!!」

上条「(何言ってんだ… よく聞き取れない…)」

御坂妹「……」

上条「(なんだよその沈痛な表情は… ま、いつもとかわんねぇけど)」


上条「(あ~ 頭がぼーっとする   ん?)」

上条「(なんだ…これ 胸に鉄骨?)」

上条「(……あぁそうか そこで倒れてる白髪と相討ちになって)」

上条「(はは、倒したんだな  そうか、良かっ…)」


上条「ゲホッ!!ゲホッ!!!げほっ!!!」 パタタ

美琴「嫌ぁ!! 氏んじゃやだぁぁ!! うあぁあぁああああああ!!!」


とある魔術の禁書目録 5巻 (デジタル版ガンガンコミックス)


14: 2010/01/04(月) 16:28:18.07 ID:uS5ttMxHO
「お姉様~!!」

あの悪夢のような夜から一週間程たったある日
同じ寮の同じ部屋にすむ白井黒子が脳天気な声をかけてくる

「…何よ」

「いえ、最近のお姉様…何かお元気ないような気がしまして、黒子は心配なのですわ…」

余計なお世話だ、と彼女は思った

34: 2010/01/04(月) 21:26:43.08 ID:uS5ttMxHO
「お姉様、またお出かけに…」

「あんたには関係ないでしょうが!」

「ひっ…(ビク)」

仕方がない、かわいくて仕方がない筈の後輩にさえ優しくしてやれない
本当の事を話せば
彼女もまた、あの悪夢のような世界に引きずりこまれる事になってしまうのだから…

彼女は誓っていた不幸な少年がこの世をさったあの夜から!
ただ、たまたま、私と、妹達と出会い救おうとしたあいつを巻き込んだ
あのレベル5に復讐を
この学園都市に制裁を、と

35: 2010/01/04(月) 21:35:07.52 ID:uS5ttMxHO
あの夜から一週間
たった一週間で彼女の世界は変わった
思い出すのも忌ま忌ましい

あの血みどろの操車場
少年の胸からとめどなく溢れていくもの
何をしてもとまらなかった
ただ手を握り泣くことしかできなかった
何時間もそうしていた、もしかしたら30分もたっていなかったのかもしれないが

気がつけば彼女達の周りに何人、いや、何機もの駆動鎧が
彼女達を取り囲むように
次々と現れた

38: 2010/01/04(月) 21:40:20.45 ID:uS5ttMxHO
御坂美琴は闇にいた
記憶は途切れ途切れになっている
何か薬品のようなもので眠らされていたのだろうか
体は縛られてるわけでもない
ただ、この部屋から出られない
どういうわけか能力も一切使えない

唐突にどれだけ殴っても蹴ってもビクともしなかった扉が開かれた


39: 2010/01/04(月) 21:54:04.35 ID:uS5ttMxHO
「おはようございます、御坂美琴さん」

扉の向こうから駆動鎧が入ってきた
つっかえたのか入口横の壁がボロボロ崩れている
声から察するに女だろう
と、揺れる意識のなか彼女は考えた

「気分は…すぐれないようですね」

「あ、あいつは!…あの馬鹿はどうしたのッ!?」

「馬鹿…ああ、上条当麻ですか?お会いになります?」

女は言った

「遺体でよければですが☆」

41: 2010/01/04(月) 22:00:56.79 ID:uS5ttMxHO
「なっ………」

何も、何も考えられなかった
吐き気さえした
あの状態で生きているのが不思議なくらいだったが
それでも聞きたくなかった


「そんなことは置いといてですねー本題に…」

美琴は駆動鎧を睨みつけた
使えていたならこの瞬間には目の前の駆動鎧は10億Vの電圧と殺人的な電熱で中から蒸し上がっていただろう

駆動鎧の女は特に気にすることもなく続けた

「そんな反抗的な態度でこいつときたらー」

「とにかくあなたは知ってはいけない、来てはならない領域にまできてしまったんですねー」

「まったく、本来ならその場で抹殺☆だったんだけどあなたは7人しかいないサンプルだから」

42: 2010/01/04(月) 22:09:00.03 ID:uS5ttMxHO
彼女にはそんな言葉は頭に入っていなかった

(あいつが…氏んだ?…ありえない…私の全力を受けたってケロッとしてたじゃない!)

「というわけなのでって…聞いてますかー?」

「…」

「ガン無視ー!?こいつときたら!もう!この書類に目を通しておきなさいよ?でないと学習装置で無理矢理にでもぶち込んじゃうから☆」




その日から御坂美琴は闇に堕ちた

だが『アイテム』の構成員として、身体以外の自由を全て奪われてなお彼女は

決して消えることのない感情のみを原動力に闇のさらに奥へ踏み出す事を決意した

45: 2010/01/04(月) 22:19:33.49 ID:uS5ttMxHO
その一週間後の夜、彼女は後輩でルームメイトの白井を振り切った後
学生寮の外を電話を片手に歩いている

本来なら昼だろうが夜だろうが寮の外へは基本出られない
特別な理由の外出届を提出し、寮官からの了承がないとだが

いつもは恐怖の対象とされる寮官だが
寮の門からでていく御坂美琴を悲しげな哀れむような目で見送っていた


『ちょっと!さっそく遅刻ってどういう了見だコルァア!』

「うるさいわねー、トイレよトイレ」

『こいつときたら!貴様には上司を敬う心を叩きこむ必要があるみた」


欝陶しそうに通話の終了ボタンを押しながら
脇にとめてあった黒塗りのキャンピングカーに乗り込んだ

46: 2010/01/04(月) 22:24:32.50 ID:uS5ttMxHO
「新入りの分際で私を超待たせるとは、さすが常盤台の超お嬢様って訳ですか」

「結局、ここまで堕ちた人間にまともなひとっている訳ないんだってば」

「…こんばんは」

キャンピングカーのテーブルに腰掛けているのはアイテムの正式メンバーである
絹旗最愛、滝壺理后、フレンダの三人

つまりは仕事仲間である

48: 2010/01/04(月) 22:35:53.07 ID:uS5ttMxHO
『てか、あんた達の中誰ひとり通達した待ち合わせの時間にこないってのはどういう事かしら?』

突然にキャンピングの壁についてあるモニタから合成音声の筈なのにやけに透き通った声がきこえた
先程の電話の相手でもある『アイテム』の上司とやらだ
モニタにはSOUND ONLYと映っている

『こいつらときたら!正座!もう!一人10分遅刻で40分の遅れが生じてるんだけどわかってんの?』

モニタの声は内容とは裏腹にそんなに焦っているようにも聞こえない

その言葉に反応したのは

「でも結局、いつも時間余るくらいなんだから大丈夫だって」

『私はこんな仕事さっさと終わらせたいのー!テレビが…コホン』

「で?今回の超めんどい仕事内容は超なんですか?」


前もって送った情報にいつも目を通せっつってんだろうがあああああ、という無駄にうるさい闇組織一行は

夜の闇へとすいこまれていった

53: 2010/01/04(月) 23:35:48.73 ID:uS5ttMxHO
「結局、今この場で楽にしてあげるのが1番なんだって」

そういったのは金髪碧眼の少女
少女は銃やナイフを武装している男達の一人を何度も壁に顔面を楽しそうに打ち付けながら

「その通りとは超言わないですが、私達がやらなくても他にも超こいつらを始末したい組織がいるってのは超事実ですよ?」

そういったのはふわふわした大きめなセーターみたいなワンピースにみを包んだ12才ぐらいの女の子だ
彼女もまた2メートルはありだろう大男を拳一つで10メートルはぶっ飛ばしていた


仕事の内容はごくごく簡単なもの

『とある倉庫で取引があるから潰してね☆超瞬殺でヨロシク!』

結局、美琴は最後まで人を殺さなかった
取引につかわれたであろうアタッシュケースを抱えたまま
絹旗最愛とフレンダの無双乱舞をただ茫然と眺めていた

55: 2010/01/04(月) 23:46:03.81 ID:uS5ttMxHO
キャンピングカーに帰るとテーブルにうだーっと伏せていた滝壺がまだ眠そうに起き上がる

「おつかれさま、どうだったの?」

「超楽勝です、浜面浜面、『おかたづけ』班に超連絡ろしく、それと超おなか減りましたどっかファミレスに寄ってください」

へいへい、と浜面というらしき男のやる気のなさそうな声が運転席から聞こえてくる
彼はこの『アイテム』の下部組織、はやいところがパシリにあたる人物
なんとなく雰囲気があの不幸な少年に似ているような気がしないでもない
そんな事を考えていた美琴だが

『おーっす終わったかね?お疲れさーん』

唐突にモニタから声が流れてきた

58: 2010/01/04(月) 23:58:18.83 ID:uS5ttMxHO
『さすが仕事がはやいわねーお姉さんも鼻が高いわー』

「で、超何か用なんですか?」

椅子の上で体育座りという際どい恰好でなにやら映画のパンフレットを熟読しながら絹旗が答えた
『別に?ただ超電磁砲ちゃんの初陣だったからどうだったかなーと』

バサバサッと絹旗の持っていたパンフレットが床に落ちた

「れ、超電磁砲?あなたがですか?」

『あれ知らない?通達した筈なんだけ…ってまた読んでなかったんかい!!』

「うわーお嬢様学校の常盤台の制服だから変だと思ってたのよね…」

急に話題が自分の事になってしまい美琴は慌てる

「み、御坂美琴です…はい」

ほえーっと身を乗り出して美琴の隅から隅まで眺めまわす絹旗とフレンダ
隣でぐったりしてる滝壺でさえ頬をテーブルにつけたまま目だけは美琴の顔へ向いている

59: 2010/01/05(火) 00:07:33.73 ID:r2EO70pnO
『まー、これでますます仕事が楽になるってことで!お疲れさーん』

そういい残し通信はそこで途絶えた



「結局、さっきはとんだ役立たずが入ったもんだと思ってたけど」

「これで仕事も超はかどりますし、私達の身の安全度も超たかまるってもんですね」

「…みさかの入隊を祝して」

「「「(超)かんぱーい!」」」

愉快な声が深夜のファミレスに響き渡る
この辺はいくら闇組織の構成員といっても女の子なんだなあと
運転手あらためドリンクバー往復係の浜面は両手にそれぞれちがう飲み物を手に歩いてきた

一方、本日の主役の美琴はというと

62: 2010/01/05(火) 00:17:50.05 ID:r2EO70pnO
メニュー表をながめる少女たちを横目に

あるものに目を奪われていた

お子様セット限定!ゲコ太マグカップ!

と、でかでかと書かれたPOPだった


「まさかとは思うんですが…」

「はっ!」

「御坂さんそのマグカップが超欲しいんですか…?」

「い、いやそんな訳っ…ないじゃないこんなガキっぽいもの」

ガチャン!と一斉にたちあがる絹旗、フレンダ、滝壺 の三人は

「「「ゲコ太をなめるな!」」」

と激昂した

63: 2010/01/05(火) 00:27:01.26 ID:r2EO70pnO
すっかり意気投合した『アイテム』の四人は
その後もガールズトークに花をさかせ
気付けばもううっすら明るくなってきていた

浜面という男は向かいの席で隣の滝壺に寄り掛かって寝ていた
滝壺は滝壺でとっくに熟睡していたので気付かない
そして隣の絹旗は滝壺ごしに浜面の髪を鷲づかみにしながら
耳もとで何かを囁いた
瞬間、浜面は汗をダラダラながしながら伝票を握りしめレジへはしっていった

「まったく、油断も隙も超ありませんね、滝壺さん超帰る時間ですよ起きて下さい」

そう言いながら滝壺を優しくゆする


美琴はそんな様子をみて笑っていた
自分でも気付かないほどうっすらと
優しく微笑んでいた

64: 2010/01/05(火) 00:35:03.69 ID:r2EO70pnO
それから一ヶ月程の月日が流れていた

相変わらず御坂は学校には通わないものの
未だに寮に住んでいる
一応組織が自由につかえる仮眠室なるものがあるにはあるが
何故だか使う気にはなれなかった
まだ表の世界に未練があるのかもしれない、と彼女はなんとなく思った

ルームメイトの白井はもう学校に行っていて部屋には誰もいない
もう最近はまともに会話すらしていない後輩のことを思い浮かべながら
美琴はベッドへ横になっていた


そんな時、携帯にみしらぬ番号からの着信があった

67: 2010/01/05(火) 00:43:20.12 ID:r2EO70pnO
そろそろだと思って手に持っていた携帯を耳み当てる

『あと、二、三分ほどで車がつくから!遅刻は許さないんだからね』

それだけ言うと通話が切れた
準備と言っても特に何もない
必要な物はなんでも下部組織の連中が揃えてくれる
必要であれば武器なども簡単に揃うが
学園都市に7人しかいない超能力者
その中でも第三位の実力を誇る彼女には必要なかった

そう、彼女が人を頃すには必要なかった

68: 2010/01/05(火) 00:50:04.45 ID:r2EO70pnO
今回はキャンピングカーではなく
黒塗りのワゴンだった
スライド式のドアをあけるといつものメンバーが揃っていた

今日の仕事はいつもとは違う様だった
内容自体は『単に頃す系』で簡単な筈なのだが
今回は頃すべき目標が『アイテム』と同じ機密レベルの組織だ

美琴は他にも自分達のような組織がたくさんあると聞かされてはいたが
実際に会うのは、もとい頃し合うのはこれが初めてだった

69: 2010/01/05(火) 00:59:59.21 ID:r2EO70pnO
「結局、どうして『スクール』のクソ野郎共はわざわざ新しいスナイパーを雇ってまで親船を暗頃したかったんだろーね」

親船とは学園都市統括理事会のメンバーの一人だ
彼女が『スクール』の手によって狙撃されたが実際には失敗したらしい
「『スクール』とはまた別の組織が暗躍している」
との追加情報が美琴の携帯にも回ってきていた


「さあ、超クソ野郎の考える事なんて超くだらないに決まってます」

「はまづら、あそこは右じゃなくて左だったよ」

「うおいっ!だったよじゃねーだろ!早く言え馬鹿!」


特に緊張感のかけらもない車内は
今日も血みどろの戦場へ向かう

70: 2010/01/05(火) 01:06:52.76 ID:r2EO70pnO
今ワゴンが向かっているのはとある研究所
「任務はそこにある大事なモンを『スクール』の豚野郎どもに取られちゃダメよ!」だった


「で、大事な物って?」

美琴が誰に向かってでもなく聞くと

「んー、なんて説明すれば超わかりやすいですかねー、とにかくピンセットって呼ばれてる手袋みたいなもんらしいです」

「なんつーアバウトな…」

美琴が半ば呆れつついると

「あ!そうそう御坂さん、スクール(あちらさん)のレベル5は超お任せします」

「へ?」

89: 2010/01/05(火) 12:56:29.18 ID:r2EO70pnO
美琴が実際に会った事のある超能力者は二人
一人は同じ常盤台の女王として君臨している第五位『心理掌握』
もう一人はあの忌ま忌ましい第一位『一方通行』

最初は自分の雷撃にも平気で堪える上条も同じ超能力者だとおもった事もあったが
違う、彼は無能力者と言っていた


「結局、今まであいつらを何度も潰そうとしてて失敗してんのは」

「あのクソ野郎共の超親玉に第二位の超クソ野郎がいるから、ですよ」


第二位、第三位の美琴より格上の存在
美琴は自分の体が震えている事に気付いた
恐ろしいから、ではなく
これから第一位を頃す自分にとって第二位は絶好の獲物
全力をだしてぶつかる事ができる的

「やってやろうじゃない…」

『アイテム』の四人はワゴンを降りて、研究所へ向かう

91: 2010/01/05(火) 13:04:54.29 ID:r2EO70pnO
浜面は研究所近くの道の脇に停めてあるワゴンの中でぼんやりと窓の外を眺めていた

「御坂美琴ね…うわあ、さすがレベル5…全開だな」

研究所の屋根から青白い閃光が走り
おくれて雷鳴のよいな轟音が響く

「うわー引くわー、まるで災害だな、ありゃさすがの第二位さんもやばいんじゃねーの?」

無能力者の浜面にはレベル5同士の戦闘がどんな物か想像がつかない
レベル4の戦闘を何度も見ているのに想像すら付かないほどレベル5とは強力すぎた


92: 2010/01/05(火) 13:16:42.35 ID:r2EO70pnO
「結局、御坂一人で十二分なんじゃない?」

「超寝言いってないで『ピンセット』を超回収しに行きますよ」

絹旗、フレンダ、滝壺の三人は一人で『スクール』のメンバー全員を相手にしている美琴を尻目にさらに奥へ向かう

「結局、第二位はいなかったし、こりゃ今回は圧勝だって」

「確かに超いないに越したことはないですが…超どうしました?滝壺さん」

滝壺が急に立ち止まる
彼女の能力は『能力追跡』
AIM拡散力場に干渉して、例え太陽系の外にいても特定の能力者の位置を性格に把握する
逆に言えばこちらに向かってくるモノにも気付く
滝壺はポケットからシャーペンの芯入れのようなケースを取出し中に入っているもの少量舐めた

「北東の方角から信号が来てる…この反応は『未元物質』」

絹旗、フレンダが示された方角に体を向けた
瞬間、壁がゴバァッと音をたてて砕けた

93: 2010/01/05(火) 13:24:48.32 ID:r2EO70pnO
美琴は今までの一ヶ月間ですでに両手で数えられない程の人間を頃していた

最初はたまたまだった
頃すのは『一方通行』ただ一人
無関係の人間はたとえどんな残酷な人間であっても
頃すつもりはなかった

あの不幸な少年がそうだったように
上条当麻がそうしなかったように

そのつもりだった
たが、それは強い人間にしかできないことだった
もういい、と彼女は思った

(あいつを頃すためならなんでもやってやる)

頭に土星のような機械の輪をつけている同い年ぐらいの少年の手の動きに合わせて
何本もの鉄骨が飛んでくる

美琴はポケットの中の物を握りしめる

(なんだってやってやるのよ…)

94: 2010/01/05(火) 13:32:10.04 ID:r2EO70pnO
数秒の出来事だった

「ぐ…がはっ…」

土星のようなゴーグルを付けた少年は宙に浮かんでいた
ドチャアッという生々しい音と共に少年だった塊は床へ落ちる


飛んできた鉄骨、それを美琴は磁力で操り
空中でレールのような形に並べた
膨大な電気を帯びた二本の鉄のレール
その間には強力な磁場が発生している

あとは簡単だった、ポケットの中に入っていたどこにでもあるゲームセンターのコイン

音速の三倍で打ち出されたそれは少年の胸から下、膝から上の肉を
消失させた

98: 2010/01/05(火) 13:49:28.74 ID:r2EO70pnO
「おっとと、超電磁砲はいねーのかセーフ」

破壊された壁から出てきたのは学園都市第二位、垣根帝督

「ちっ…『未元物質』!」

「あん?おいおいちゃんと名前で呼べよ俺には垣根帝督っつう…おいいきなりか」

絹旗は壁に右手を添え、そのまま握る
豆腐のように崩れた壁のかけらを垣根へ向かって投げ付ける
ガアンッと鉄と鉄がぶつかったような音が弾ける

「痛ってーな、そしてムカついた。まずはてめえから頃してやる」

「全然痛そうには超見えませんが」

ゆらりゆらりと近づいてくる垣根
実力差は明らかだった
絹旗は先程掴んだ壁の辺りをもう一度、今度は殴った

「二人ともそこから超逃げてください!滝壺さんがいれば超逃げ切れる筈です」

コク、と頷いたフレンダはぼーっとしている滝壺を脇に抱えて壁の穴の奥へ走り出す

「あらら、わかってんじゃん『窒素装甲』…あのストーカー女がてめえらの核だってこと」

第二位と正面からぶつかるのはこれが初めてだった。実力差は明らか

(でも、私だけは逃げるわけには超いきません!)

99: 2010/01/05(火) 13:57:42.07 ID:r2EO70pnO
「もう終わりか?つまんねーな」

「…くっ」

(やっぱり超勝てる筈ありませんか
結構全力だしたんですが…)

(滝壺さんさえ、生きていれば『アイテム』は超機能します)

(私やフレンダみたいな能力者は超腐る程いますから…)

「ぐっ…かはっ」

絹旗は立ち上がる

「あん?まだやんのか?別にいいが…次は頃すぞ?」

彼の言っている事は事実だ
いま絹旗が呼吸をし立ち上がっているのも、彼の気まぐれに過ぎない
「次は頃す」これも気まぐれ
垣根帝督の背中に六枚の羽のような物が見えた

101: 2010/01/05(火) 14:03:19.57 ID:r2EO70pnO
『未元物質』
その能力はこの世には存在しない新たな物質を生み出すまたは引き出す能力

特異な能力の中でもさらに異質
はっきりいってわからない

しかし、その六枚の羽が自分を頃すに十分な力をもっている事だけは理解出来る

「くっ…超似合いませんね…超、天使にでもなりたいんですか…?」

「はっ…言うな、自覚はしてる」

垣根の羽がふいに輝きを増す
来る、そう覚悟した瞬間
自分のすぐ右側を
何かが通り抜けた

103: 2010/01/05(火) 14:29:49.44 ID:r2EO70pnO
絹旗の右袖が少し焦げていた
自分のすぐそばを通り抜けた膨大な熱の塊

超電磁砲

学園都市、第三位

噂に聞いていた力を目の当たりにしたのはこれが初めてだった


「み、御坂…さん」

超電磁砲は絹旗の言葉に耳を貸さなかった

「いたいたいたクソいやがったわね第二位!」

その声のさきに垣根は立っていた
折り畳まれ彼の前で盾の代わりになっていた六枚の羽がゆっくりと開いていく

「痛ってぇな…やっぱてめぇから粉々にしてやる…第三位」

104: 2010/01/05(火) 14:39:59.70 ID:r2EO70pnO
「てめぇの事は知ってる、ほかのレベル5とは違って最初はレベル1だったんだってな?」

「それが?」

「はん?一体どんだけMなんだっつう話だよ…いいねえすげえそそるわ」

「ったくレベル5にはまともな奴はいないのかしら?」

美琴はグシャグシャと頭をかきながら答える

「ハッ『アイテム』みてえなとこにいる時点でてめぇも存外まともじゃねーよボケがッ!!」

六枚の内の一枚が輝く
白い光線が美琴に向かって放たれる

「いいねえ…やっぱそそるわ」

光線は廊下の奥の壁をつき抜けて行った
当たっていない
美琴は磁力を足へ発生させ壁の中の鉄骨へ反応させる

天井に逆さまに立っていた

106: 2010/01/05(火) 14:51:17.91 ID:r2EO70pnO
「いや…何つーか…」

逆さまになっている第三位をみて第二位はため息をついた

「?」

「わかってねーなおまえ…短パンって…」

「は?」

第二位はそのまま先程自分が壊した壁へ戻ろうとする

「あーあ萎えた、見逃してやるよ」

「ちょ!ま、待ちなさいよ」

美琴の前髪から10億Vの青白い電撃が垣根へ向かう
第二位は一枚だけ出した羽を折り曲げてそれを受ける
バチバチと鳥の鳴き声のような音を響かせながら羽が
突然と開く

跳ね返された電撃は膝から崩れおちていた絹旗へと矛先を向ける

「チィッ」

天井から一気に床に着地して人差し指を絹旗のほうへむける
すると電撃は急カーブをまがるように美琴の人差し指へと勢いよくバチバチと吸い込まれる

109: 2010/01/05(火) 14:58:08.40 ID:r2EO70pnO
「クソ…逃げられたわね」

「おそらくピンセットはもう…まあ、超心配いりませんよ」

「え?」

「こっちには超滝壺さんが超いますから」



ワゴンのなかではハンドルに体をあずけて居眠りしている浜面がいた

「ーー!!」

「ん…んあ?」

ごんごんと耳障りな音がすると思ったらフロントガラスの向こう側で拳を振り上げている絹旗がいた

「…うわお白かぼげあッ!!」


現在風通し抜群の黒いワゴンはひとまずアジトと呼ばれる場所へ向かっている
先に逃げたフレンダと滝壺を回収、並びに『スクール』を追撃するにあたっての作戦会議をするためだ

120: 2010/01/05(火) 15:28:10.99 ID:r2EO70pnO
『でー………ピンセットは?』

「いまそれを追ってんのよ邪魔しないで」

『こ、こいつときたら!あんたがいながら失敗するなんて』

『まあいいや気持ち切り替えて☆次の仕事があるんだけど』

「は?」

『もうピンセットの件はいいわー『グループ』って連中がうごきだしてるから』

「『グループ』?…っざっけんじゃないわよ!私はあの第二位のクソ野郎をぐちゃぐちゃにしなきゃ気が済まないのよ!」

「頑張ってみさか、私はみさかを応援してる」

『アイテム』一行はアジトとしてつかっている個室サロンの一室にいた
テーブルにおいた携帯電話からぎゃあぎゃあと喚き声が聞こえる

『ふーふー…まあいっか『スクール』の連中にはムカつきっぱなしだし?あの管理人にも個人的な怨みもあるし』

「結局、そんなアバウトでもいいってこと?」

『こっちの新しい仕事はなんとかしとくわ☆そのかわり回収班が必要ないくらいバラバラのぐちゃぐちゃを所望します♪』

美琴は『グループ』なんてどうでもいい連中は眼中になかった
第一位の仮想敵、第二位を頃す

そのことだけが頭にあった

121: 2010/01/05(火) 15:39:57.64 ID:r2EO70pnO
滝壺の能力で第二位の位置を確認した彼女達は現場へむかう

外では浜面があらたな車を仕入れてまっていた


「でもよ?『スクール』の連中は一体ピンセットってやらで何をする気なんだ?」

「知りませんよそんな事、どうせあいつら自身もピンセットを超奪う理由は超知らないでしょう」

気だるそうに絹旗は答える
そして気付く、絹旗達の車に並走する巨大なトラック
その積み荷を載せる場所には巨大ななクレーンがあることに

ガガガと音をたててクレーンがうごきだす
クレーンの先についているのは金属製のフックではなく、建物を壊すときなどに使う巨大な鉄球

轟ッ!
勢いよく鉄の塊が孤を描く
真横からぶつかる形で
鉄球は停止していた

122: 2010/01/05(火) 15:43:11.63 ID:r2EO70pnO
絹旗は忘れていた
この車内に誰がのっているのかを
学園都市第三位の実力者
史上最強の電気使いには磁力を操る事も出来る

「なっ…」

クレーンを操っていた細い人影が慌てたように荷台へ飛び降りる

「逃がすわけ、ないでしょうがッ!」


123: 2010/01/05(火) 15:46:39.70 ID:r2EO70pnO
ズバチィッ!と凄まじい音が聞こえる
荷台に乗っている細身の少女は電撃の衝撃で広い道路へ
弾き飛ばされた、中央分離帯を越え反対車線にまで

グチャリ、という嫌な音はとっくに走り去った「アイテム」の車には届くことはなかった

『スクール』残り二人

126: 2010/01/05(火) 16:11:49.25 ID:r2EO70pnO
「つー訳だにゃー」

『グループ』構成員、土御門が脳天気な声をだす

「全く上も無茶な要求をしてくるものですね」

同じく構成員の海原が言う
顔だけならこんなところにいるはずがないのだが
彼は海原の皮を被った魔術師である
とある事情でそれが学園都市にばれてしまい今にいたる

彼は同じく魔術サイドにいるはずの少女に微笑みかける

「…」

白い少女は答えない

「ちょっと海原ぁ、気味悪いからこっち見ないでくれる」

そう答えたのはまたまた同じく構成員
学園都市第4位『原子崩し』麦野沈利だ

129: 2010/01/05(火) 16:35:13.93 ID:r2EO70pnO
土御門は俯いている白い修道女をみつめている
サングラスで隠されてはいるが
その目は悲しそうな目だった

上条当麻が氏んだあの夜
彼女はこれ以上ない悲しみにうちひしがれていた

禁書目録として存在する彼女を取り巻く環境には頃しはもともと頻発していたのも確か

だが、上条当麻の氏には耐えることができなかった
それほどにまで上条当麻を好いていた
長年つれそった相方のように

完全記憶能力を持ち主には忘れる事さえゆるされなかった

130: 2010/01/05(火) 16:40:41.38 ID:r2EO70pnO
そして彼女は隣人である自分にこう言った

「とうまを頃した人を頃す」

駄目だとは言えなかった
土御門自身も許せなかったからだ
『必要悪の教会』の同僚として彼はこう誓った


上条当麻が守りたかった禁書目録は俺が守る
同時に禁書目録の望みの力になる


133: 2010/01/05(火) 16:48:01.65 ID:r2EO70pnO
すみませんちょっとバイトいってきます

169: 2010/01/06(水) 01:36:14.74 ID:OWfk/vzZO
「結局さ、私達ってなにすればいいのかな?」

「さあ?今回の仕事はうちのお嬢様の超独断ですからね」

「悪かったわよ…嫌味たらしいわね」

「みさか、もう私かえりたい」

美琴達四人はとある学区の地下街にいた
滝壺の能力に間違いがなければターゲット『未元物質』はここに潜んでいる

彼女は、もはやピンセット強奪のことはすっかり頭から飛んでいた

170: 2010/01/06(水) 01:41:57.33 ID:OWfk/vzZO
地下街には騒音などの問題からか
カラオケ、ゲームセンターなどの娯楽施設が立ち並ぶ商店街のようなものだ

大きな一本道で、隠れる場所は店の中ぐらいしかない


隣でチャリ、と言う音が聞こえた絹旗が

「うわ超いきなりで」

言い終わるまでには向かって右側に立ち並ぶ店が軒並み破壊された

171: 2010/01/06(水) 01:49:08.06 ID:OWfk/vzZO
「結局おこられんのは電話ちゃんだしいいんじゃない?」

フレンダは特に気にする様子もなく携帯を弄っている

滝壺は奇跡的な破壊のされ方をしたガシャポンの景品をジャージのポケットにモゾモゾ詰め込んでいた

「はずれ、ね…んじゃもう一発…」

美琴の頭上、といってもアーケードの天井裏に当たる場所で
砂皿は正確に美琴の小脳に照準を合わせていた

172: 2010/01/06(水) 01:57:14.55 ID:OWfk/vzZO
「みさか、真上からは信号がないよ?」

無邪気な顔でカプセルと格闘する滝壺がふいに口を開いた

「わかってるわよ…」

美琴は振り向く事も、見上げる事もなく
前髪の当たりから青白い閃光だけを頭上に放つ

10億Vもの電圧を前進にあびるくぐもった男の悲鳴
それも数秒後には聞こえなくなった

滝壺のAIM干渉能力に反応しないということはおそらく『外』から雇われたスナイパーだろう
これで残る『スクール』は第二位のみ

174: 2010/01/06(水) 02:06:37.57 ID:OWfk/vzZO
左側の店も一軒のこらずぶち抜いた後、念のために天井も崩れない程度にあらかた潰したが
第二位はいなかった

「滝壺さん?いないんだけど」

「うーんもう逃げたのかも」

「だったらもう一度検索しなさい」

「御坂さん、体晶を超使いすぎると滝壺さんの負担が」

体晶は能力の暴走故意に引き起こす薬
そんな事は美琴は知っている


「いいから、さっさと検索をしなさい」

恐ろしく冷たい声だった

177: 2010/01/06(水) 02:16:56.19 ID:OWfk/vzZO
滝壺の話では今日持っている体晶はサロンで使い切ったらしい
とにかく第二位をぶち頃すためには一度、下部組織が待機している場所まで行かなければならない

半ば引きずるように滝壺の襟首を掴み浜面のまつワゴンに向かう
絹旗、フレンダは何も言わなかった、言えなかった


ドバン!という勢いよく開いたドアのおとで浜面は目を覚ます

「はーまづらぁ…」

美琴の低い冷たい声に両肩がビクンと跳ね上がる
「は、はいいっ!」

ドカドカと乗り込みながら美琴は叫ぶ

「一旦引くわよ…さっさと出しなさい超特急でね」

黒いワゴンは夜の街並へ消えていく

179: 2010/01/06(水) 02:33:49.98 ID:OWfk/vzZO
それなりだった
それなりでよかった
それなりで十分だった

いつの間にか生まれていたもの、それなりな友情

そんな小さな取るに足らないものが彼女達にとって「命を賭けて守るべきもの」になっていた


「は…はは…あははははははははッ!」

美琴は笑いながらふらふらと歩く


彼女の背後には逆さまになったスダボロのワゴン
その車体の下には血に濡れた金色の髪だけが見えていた

「どいつもこいつも…私の邪魔を…」


180: 2010/01/06(水) 02:44:12.32 ID:OWfk/vzZO
「いきなり仕事内容の変更だっつってもにゃー、さすがにターゲットがこいつとは」

さすがの土御門さんもやれやれですにゃー

「海原も血相変えて消えたけど、一人で上に逆らう気かしら?」

土御門、麦野の二人はキャンピングカーに乗っていた

土御門の隣では足首までハンバーガーの包み紙で埋もれた禁書目録もいる


土御門は車の天井を見上げながらつぶやいた

「かみやんが知ったら怒るんだろうにゃー」

280: 2010/01/06(水) 23:08:36.83 ID:OWfk/vzZO
「暴走した超能力者を回収生氏問わず…ねぇ、簡単に言ってくれるわね」

「麦のんが駄目ならどーにもならないにゃー?なんせ土御門さんはまったくの無能力、レベル0だぜい?」

「はあ?だれが無理っつったのよ…次麦のんって呼んだら頃す」

「まあ、俺とインデックスは海原を捜すから!御坂の件はたのむにゃー?」

これが15分程前の会話
はあ、とため息をつきながら麦野沈利は街を歩いていた
第三位の居場所はわからない
全くの手掛かりもなかったのが

282: 2010/01/06(水) 23:14:00.18 ID:OWfk/vzZO
「あらあらまあ、派手にやっちゃって…」

突如、雷鳴のような轟音
少し遅れて南の空に黒煙もあがっている
『アイテム』の仲間割れがおこっていたわけだが麦野に知る由はない

「ふうん、第三位、最強の『電気使い』ね…」


切り裂いたような笑みが麦野の顔に浮かぶ

284: 2010/01/06(水) 23:19:32.29 ID:OWfk/vzZO
美琴はふらふらとした足取りで、それでも進む

誰かが正面から見れば目の焦点が合っていない事がはっきりわかるだろう

「邪魔…邪魔…頃す…頃す」

身体からは堪えず細い電気が走り、鳥のさえずりのような音がする

「第二位…第一位…ふふ…隠れてんじゃないわよ…邪魔なのよ…」

彼女の正面、距離にして50メートルのあたりに
第四位は立っていた

285: 2010/01/06(水) 23:26:36.89 ID:OWfk/vzZO
美琴は俯いたまま崩れ落ちるように左へ一歩動く

空き缶ぐらいの太さの白い光線がさっきまで美琴がいた場所を高速で通りすぎた


「残念、はずしちゃったん☆」

麦野の口は笑ったまま
彼女の能力がもたらす物は破壊のみ

ドン!と麦野の両足から先の光線が発射される
その反動で一気に美琴との距離を詰める

互いの距離はすでに1メートルを切っていた

286: 2010/01/06(水) 23:37:36.99 ID:OWfk/vzZO
麦野の体制は低く
アスファルトの地面から30センチの辺りをほぼ水平に飛行していた
その両手は前方に伸ばされている
『原子崩し』粒子と波形の中間、曖昧なまま固定された電子はその場に留まる壁となる

掌から掌へ壁は細長く伸びている

(まずは足ッ!そのあとゆっくり達磨にしてやる)

ゴガンッ

鈍い音がする
何かが麦野の顎を下から直撃する


288: 2010/01/06(水) 23:47:10.22 ID:OWfk/vzZO
激しく揺らぐ視界の中で捉えた第三位は
目は前髪で見えないが、やはり笑っていた

「ぐがッ…はッ???」

マンホールの蓋が音をたてて地面に落ちる

勢いは殺されずそのまま美琴の横を転がるように滑る

麦野は起き上がる事もせず
美琴へ壁を放つ

転がっていたマンホールも含め
何処からともなく強力な磁力で引き寄せた5枚ものマンホールを重ねた盾を

白い槍はいとも簡単に貫く

289: 2010/01/06(水) 23:55:16.33 ID:OWfk/vzZO
「くっ…」

美琴の肩を白い槍が貫く
思い出したように噴き出す鮮血

脳を揺さぶられ視点が定まってない状態で麦野はゆらりと立ち上がる

「は、さすがは第三位…ていったところねぇ」

「…」

「はは、…格下には、興味ありませんってかぁ!!?」

麦野の両手から無数の壁が放射状に発射される

同時に、美琴の指先から音速の三倍でゲームセンターのコインが発射される

290: 2010/01/07(木) 00:01:17.48 ID:oP3Spkf0O
『原子崩し』を全力で放てばその膨大な威力は麦野の体ごと全てを吹き飛ばす

対して最大電圧の超電磁砲

打ち出されたコインは無数の『原子崩し』を纏めて掻き消し
そのまま麦野の左腕を肩から吹き飛ばした

291: 2010/01/07(木) 00:08:13.43 ID:oP3Spkf0O
聞くに堪えない汚い悲鳴
両膝を地面につけ
先が消失した左肩を押さる麦野

「ふー…ふー…はああ…、ブチコロシかくていね」

切り裂いたような笑みのまま肩から『原子崩し』の壁を発射、ロボットのアームのような形に固定させる


対し美琴は、麦野の能力であちこちえぐられたアスファルトの隙間から
砂鉄を操作、圧縮、高速振動する剣の形に固定させる

295: 2010/01/07(木) 00:19:02.11 ID:oP3Spkf0O
剣の切っ先を麦野へ向ける

凄まじい勢いで伸びる剣は
身を守るようにかざされた『原子崩し』の左腕を
直角に二回曲がる事でかわし
その延長線にある麦野額に突き刺さる

ドツッ と、釘の刺さるような音が鈍く響いた

白く輝く左腕がそれと同時に消える

美琴は高速で振動する砂鉄の剣を
ストンと、膝立ちの麦野の股下へ移動させる

美琴は能力を解除し振り返りまた、歩き始める

その後ろでは

麦野の左半身は仰向けになるように
右半身は俯せになるように
力無く文字通り崩れて落ちていたた

297: 2010/01/07(木) 00:21:20.80 ID:oP3Spkf0O
小出しにしてるみたいで申し訳ありません
明日も仕事なので…
残っていれば書きたいと思います

368: 2010/01/07(木) 23:14:54.71 ID:oP3Spkf0O
「こりゃ…厄介なことになってきたぜよ」

土御門が携帯を折りたたみながら呟く
第四位が第三位に敗北
やはり『樹形図の設計者』の定めた順位に狂いはなかった

「それに…あいつもどっか行っちまったしにゃー」

彼の隣にいるはずのインデックスも通話中、少し目を離した隙に消えていた

「はは、かみやんに向ける顔がないぜよ…すまんかみやん」

とりあえず禁書目録だけは見つけなければ
『必要悪の教会』メンバーとして
とある少年の『親友』として

372: 2010/01/07(木) 23:24:53.45 ID:oP3Spkf0O
とある少年の拳を受けた日からすでに一月以上立つ
何かが、違う
自分自身、弱くなったわけでもない
学園都市最強と言われる能力にもなんら変わりはない
今、集団になって無謀にも自分を潰そうとしている奴ら
最近になって一層沸き出したそいつらの少し先の未来も、何もかわらない
いつも通り、周りにゴミが増えるだけ

止めをさす気にもならない

何かが、変わった

一体、何が

「チッ…何なンですかァ?」

ゆらゆらと
白い、白い少年は歩く

373: 2010/01/07(木) 23:33:46.26 ID:oP3Spkf0O
後ろで不様に転がってる連中
以前なら、文字通りゴミになるまでいたぶり、引き裂き、踏み潰していた

違うのはこれだ

変わったのは自分の心だった

「…」

「~~~!~~~~!!」

「…」

白い少年のすぐ後ろに
彼を呼ぶ人影が着いて来ている事に少年は気付かない

「~~!!!」

彼が気付かないのは
最低限生きるために必要な酸素、重力など以外、全ての物を反射している少年は
意識的に空気を振動、つまり音も反射の対象に入れているからだ

375: 2010/01/07(木) 23:41:04.31 ID:oP3Spkf0O
「あン?…っと、そうだったな」

音の反射をやめて振り向くとそこには
紅茶のカップのような服をきた小さな外国人の少女がいた

「は?なンだオマエ」

「お腹減ったお腹減ったって言っているのにどうして無視するの立ち止まって私の話を聞いてくれないの?」

「…」

すたすたと、帰路につこうと再び歩き出す
が、シャツの裾を凄まじい力で引っ張られる
こめかみの辺りをピクピクと動かしながら振り向く

「オマエ…ぶち頃すぞ…」

「お腹いっぱいご飯を食べさせてくれると嬉しいな」

天使のような笑顔がそこにあった

377: 2010/01/07(木) 23:47:52.30 ID:oP3Spkf0O
とある、ジャンクフード店に
あまりにも不釣り合いな二人はいた

「何でこンな事になってンだオイ…」

目の前には明らかに物理法則を無視した量を平らげた少女が
満足気にデザートのアイス(五つ目)を頬張っている

「オマエ…それ食ったらとっとと帰れよ、それと何か俺に言うことはねェのかよ」

「?…あっ!…何で髪の毛真っ白けなの?」

「…それ食ったら消えろ」


381: 2010/01/07(木) 23:57:43.66 ID:oP3Spkf0O
「つか、こんな遅くに一人で出歩くンじゃねェよ…飯も食わずに何してたンだ?」

「晩ご飯なら食べて来たんだよ?人を探してるんだよ」

それであの量を…

「人捜しだ?オマエの保護者か?」

「!…」

一瞬だけ泣きそうな顔をした少女は

「…ううん逆だね、私の敵だよ?絶対に殺さなきゃならない人」

「…へェ」

「名前だけしかわからないんだけど絶対に忘れない、ねえ一方通行って人を知らないかな?」

386: 2010/01/08(金) 00:07:16.28 ID:brGyC7DCO
は、と一方通行は心の中で笑う
こんな奴にまで狙われてんのか、俺は

「私はその人を絶対に許さない、私の大事な人を頃したんだよ?どれだけかかっても捜しだして…」

「そりゃ…ご苦労なこったな」

「一緒に探してくれたらありがたいんだけど…さすがにそこまで無理は言えないね、ご飯ありがとう、ごちそうさま」

インデックスは席を立って出口へ歩きだす

「あァ」

「…一緒に探してくれると嬉しいんだけど」

「…」

「一緒に」

「わかったよ!!チッ…」

ありがとう!あなたにも神様のご加護がとか何とか言っているが
あまり耳には入って来なかった

387: 2010/01/08(金) 00:15:47.44 ID:brGyC7DCO
おかしな話だ
何でこんな事になっている
馬鹿馬鹿しい
自分で自分を捜す
ここまで無意味だと逆に笑えてくる

「どこにいるの!隠れてないで出てこないと駄目なんだよ!」

ガサゴソと、燃えないゴミ用のボックスの蓋をあけるシスター

「…」

人ををなんだと思ってンだ?
ふざけてンのか?いや、あれはマジなのか?

『一方通行』
彼にはしる由もないが、とある場所では
彼に対する復習を誓い、激戦を続ける少女が今も街をさまよっている中で

彼は自分探しの旅をしている

391: 2010/01/08(金) 00:24:51.81 ID:brGyC7DCO
インデックスの勘に従うまま
自分探しを続けているうちに
気がつくと、彼の学生寮の近くまで来ていた

これが噂に聞く…オンナノカンってやつか…

などと考えていると

「お腹減…つ、疲れたんだよ、あそこで一休みしようよ」

と、少女は指をさしながら寮と寮の間にある空き地のベンチへ向かっていた

「…帰れよ」

「?」

聞こえたのか聞こえてないのか、聞こえていて無視しやがったのか
少女は座りながら先程テイクアウトしたハンバーガーの包み紙を早くも破り捨てていた

393: 2010/01/08(金) 00:39:40.57 ID:brGyC7DCO
ため息混じりに一方通行も腰をおろす
インデックスが何故か顔を赤くして距離をあけるように少し横にずれる

「オイ…お…一方通行って野郎に殺された奴は兄弟かなンかか?」

「ううん、そうじゃないよ?とうま…はね」

誰かと会話をするのは久しぶりだった

「とうま…つーのか?」

「うん、いつもいつも私を置いてどこかに言っちゃうしいつもいつも行く先々で違う女の子を救っちゃうしいつもいつも私を怒らせるし心配させるし噛み付かせるし」

「…」

「でもいつも…いつも美味しいご飯を作ってくれたんだよ?」

声が奮えていた

「ベランダに引っ掛かってただけの私の命だって救ってくれたんだよ?」

「…」

「私…私は…とうまの事が大好きだったんだよ?」

一筋の雫が頬を伝って、地面に落ちた

397: 2010/01/08(金) 00:57:00.21 ID:brGyC7DCO
きっと、『とうま』と呼ばれる男は善人だったんだろう
きっと、こんな血に汚れた自分では決して手の届く事がないような善人だったんだろう

自分に殺されるためだけに作られた
あのクローン達を命を賭けて守ろうとした
あの少年のような。

学園都市第一位の超能力者

破壊しかもたらさないこの力

『殺意が芽生える程に』

自分が欲しくてやまなかった物を持っていた男

『羨ましかった』


「…チッ」

「どこに行くの?」

「あン?まだ探すんだろ?」

もしも、もしも救いの道がまだ残されているのならば

「見つけてやるよ」

401: 2010/01/08(金) 01:04:21.52 ID:brGyC7DCO
「ありがとう…あなたもいい人なんだね」

「ぐ…うだうだ言ってねェで探せッ!」


あっちの方さがして来るよ
と、インデックスはすたこらと見えなくなっていった

「はッ…どこをどうみたら『いい人』なンだ?」

いるはずもない植え込みを掻き分けながらそう呟いた時




見覚えのある人影が空き地のフェンス腰に突如現れた
見覚えがあるのは当たり前だろう
かつて10031人もの彼女に殺戮の限りを尽くしているのだから

408: 2010/01/08(金) 01:14:29.07 ID:brGyC7DCO
一方通行に笑みが戻る
真横に切り裂いたような冷たい笑み

「よォオリジナル…オマエも探しモンかァ?」

「………そんな所ね」

「ナンだァ?指輪でも落っことしたかァ?事のついでだから一緒に探してやっても」

突如、金網のフェンスにかかっている全て植え込みの葉が燃え上がる
高圧電流が流れる金網と引き起こされた炎はは
二人の間を区切るようにして
夜闇を照らしていた

409: 2010/01/08(金) 01:19:58.28 ID:brGyC7DCO
一方通行、上条当麻を頃した男

アイツが氏んではじめて気付いたモノ

それは胸の奥でひっそりと

だけど次第に大きくなっていった

無意識の中で閉じ込めていた扉を内から押し

扉を破り、その存在に初めて気付いた時には

上条当麻はすでにこの世を去っていた

412: 2010/01/08(金) 01:25:20.63 ID:brGyC7DCO
もうアイツはいない

それはどうしようもないこと

いくら泣いたって叫んだってどうすることもできない

わかってる、アイツは氏んだ もういない

私を守るために、私達を守るために

でも

この気持ちは?どんどん大きくなっていくこの感情は?

心の大部分をしめて閉まっているこれは?誰にぶつければいい?

414: 2010/01/08(金) 01:34:05.30 ID:brGyC7DCO
何をどうすればいいのかわからない

何も考えることができない

すでに美琴の『自分だけの現実は』崩壊寸前になっている
その暴走一歩手前の脳が導き出した答


「…頃す」

耳を刺すような轟音が炸裂する
一方通行に向かって放たれた電撃はやはり反射され
美琴が掴んでいるフェンスへ吸い込まれるように激突する

想像を絶する高温で金網がグニャリと飴のように曲がる

416: 2010/01/08(金) 01:41:27.14 ID:brGyC7DCO
一方通行は目の前に横一列に広がる全ての炎の『向き』を変換
バネのような形で渦をまくように美琴に襲い掛かる

横へかわすように走り抜ける
全身から青白い火花のような電気が勢いよく、絶え間無く出ている

これは軽度の能力の暴走
激しい怒りのあまり美琴の『自分だけの現実』の崩壊が始まった

419: 2010/01/08(金) 01:49:10.35 ID:brGyC7DCO
美琴の意識には二つの単語しか浮かんでいない

「頃す…一方通行ァ!」

咆哮と共に何本もの電気の角が一方通行に襲い掛かる

反射された電撃があちこちへの地面や木へ
空き地の至る所から火の手があがる



「一方…通行?」

何故か猫を抱いているインデックスが
轟音を聞き付け戻ってきていた
耳にした言葉を信じられない言葉を小さく繰り返す

421: 2010/01/08(金) 02:02:58.27 ID:brGyC7DCO
急に力の抜けたインデックスの腕から逃れた猫が
古くなり破れたフェンスの穴から空き地の外へ走り抜ける

「チィッ」

一方通行は彼女の存在に気付きインデックスと美琴の間、遮るような場所へ脚力の『向き』を変換し
地面をえぐり一歩で移動する

「ね、ねえ!あなたが一方通行って…どういう」

「うるせェ!さっさとどっか消えてろ!巻き込まれても知らねェぞ!」


彼の背中腰に短髪の少女の顔が見えた
ぞくり、と身が強張り総毛立つ
ただただ、恐ろしかった
狂気
口元は歪んだ笑い、血と唾液が混じった液体が唇の端から垂れている、目の焦点も合ってないようにみえる

顔は笑っている
でも、少女の目から次々と透明の液体がこぼれていた

469: 2010/01/08(金) 23:34:24.41 ID:8+kVrkVcO
「あの短髪は…スフィンクスのノミの…」

見覚えのある少女
インデックスの記憶に確かに刻まれているその少女はひどく悲しそうだった

「とうまが連れて来た子…一方通行…やっぱり!」

インデックスが何かに気付いた
その瞬間、青白い電撃が彼女に襲い掛かる

470: 2010/01/08(金) 23:40:48.33 ID:8+kVrkVcO
暴走した超能力はすでに制御することができなくなっていた

バチィッ!と高音が響く
思わず倒れこんだインデックスがうっすらと目を開くと
一方通行と呼ばれた男の
上条当麻を葬ったその白い手が

暴走した雷から
インデックスを守る

471: 2010/01/08(金) 23:47:55.95 ID:8+kVrkVcO
「な、何で?…あの人は…とうまを…」

完全記憶能力の持ち主である彼女は
頭のなかにある散り散りの記憶を一つ一つかみあわせ

上条当麻を頃した男、一方通行こそ目の前にいる少年だということ
そして、かつて上条当麻が連れて来た女の子
目の前で泣きながら戦っている彼女
おそらくは上条当麻に救われたのだろう
そして、自分と同じ事を考え、今こうしているのだろう

という結論に達した

だが、何故自分を守ったのか?
血も涙もない冷酷非道な男のはずなのに

インデックスの頭の中で
一つ、また一つ組み上げていたピースが壊れ始める

475: 2010/01/08(金) 23:56:35.53 ID:8+kVrkVcO
美琴は膝から崩れ落ちる
身体の至る所から発せられる電撃はもう止まらない、止められない
制御を失った能力は、あるいは地面へ、あるいは人へ

「は、はは…あれ?」

何で泣いているんだろう
もう一生分の涙はあの日に流し切ったはずなのに

(誰か、止めてよ…)

何度挑んでも自分の電撃を打ち消したあの少年はもういない

(誰か…助けてよ…)

放電は止まらない、ちいさな雷が地面や木やブロックを打ち砕く度
美琴の体力も少しずつ奪っていく

476: 2010/01/09(土) 00:03:17.00 ID:VghqubSuO
「離れてろって言ってンだけどなァ」

無数の電撃を地面へと跳ね返しつつ
一方通行はこめかみをピクピクさせながら言う

「だって…話はまだ終わってないんだよ?私はあなたに聞きたい事がきゃあ!」

彼女との会話に気を取られて制御が甘くなった
跳ね返し損ねた電撃がインデックスの足元へ突き刺さる

「言わンこっちゃねェ…オラ!話なら後でいくらでもしてやる!だから今は隠れてろ!」


インデックスは逃げない

「あの子もとうまの知り合いだよ?」


477: 2010/01/09(土) 00:11:30.80 ID:VghqubSuO
(成る程ね…)

一方通行は思い出す
10032回目の実戦演習
あの男は現れた


『御坂妹から離れろって言ってんだ!三下ァ!』


(そうか…あの野郎が『とうま』っつーのか…)


『歯を食いしばれよ最強…俺の最弱は、ちっとばっか響くぞ!』


「ハッ…くっだらねェ…」


彼は気付き、笑った
あの男が守っていたものを守る自分に気付き、笑った

478: 2010/01/09(土) 00:19:37.42 ID:VghqubSuO
「返してよ…一方通行…」

膝をつきうなだれていた第三位の少女が口を開いた

「…」

「ねぅ…お願い…アイツを…返してよぉ」

ズタズタな体で激しい電撃を所かまわず放ち続けながら
泣いている


「チッ…ほら見ろ…」


この俺がまともに生きる、ましてや誰かの救いになるなンざ…


フッ…と、闇に静寂が走る
放たれていた電撃が消える

482: 2010/01/09(土) 00:27:46.92 ID:VghqubSuO
「あン?…オイオイ…マジかよ」

美琴の周りに黒い煙りのような物が漂う
掘り起こされた空き地のどこかしこから体力の砂鉄が彼女に引き寄せられる

やがて、それは美琴の体を包む繭のように
直径1メートルほどの巨大な球体になった


「た、大変だよ!助けなきゃ」

と後ろから声がした
白い修道女の少女は黒い球体に駆け寄っていく


「オイ!馬鹿…近づくな!」


遅かった

ザシュッ!と鋭い音が聞こえた

484: 2010/01/09(土) 00:34:49.59 ID:VghqubSuO
まるでウニのように無数の刺が球体を中心に伸びている

数秒後、さらさらと砂鉄に戻り消えて行く球体
今度こそ本物の静寂が訪れた

一方通行の目の前には二人の少女が倒れている
白かった修道服は所々、赤くそまり、水玉模様が出来ている
今もなおその水玉はゆっくりと広がっていた

第三位の少女も同じようにボロボロだ

目の前に広がる惨劇に一方通行は絶句した

488: 2010/01/09(土) 00:41:30.51 ID:VghqubSuO
数日後

とある病院の一室で少女が一人、目を醒ました

「ん…ここは?」

「見ての通り病院だね?」

「???」

「そんなにパニックにならなくても大丈夫なんだよ?ここには君と僕しかいないからね?」

カエルみたいな顔の医師は微笑む

「いやあ、ホントに危ない所だったんだよ?一体何をしたらそんなに傷つくんだい?彼がいなかったら君、今頃は氏んでたよ?」

「…彼?」

少女は怪訝な顔で尋ねる

489: 2010/01/09(土) 00:47:31.33 ID:VghqubSuO
医師は答えた

白い髪の少年が君を運んできたんだ
君とあともう一人女の子を担いでね?
ただ運んできただけじゃない
君達二人の傷口から血がでないように
自分だってボロボロだというのに能力を使ってね


「…」

医師が立ち去ったあと
少女は一人ベッドの上で考える

490: 2010/01/09(土) 00:52:12.22 ID:VghqubSuO
医師はつげなかったが二人を運んできた彼もまた
重傷負っていた
胸のすこし左の辺り、なにか槍のような物で疲れたような穴が空いていた
普通なら即氏で間違いないほどの傷で
彼は二人の傷を優先し
無事に二人を病院へ届けた数分後、眠るように息を引き取っていた

医師が彼の傷に気付いたときには手遅れだった

496: 2010/01/09(土) 00:58:07.86 ID:VghqubSuO
少女は思った


きっととうまは、わかっていたんだね

今しなきゃいけない事が
、本当に倒さなきゃいけない敵が

『その幻想を、ぶち頃す!』

ぜんぶ、とうまにはわかってたんだね

1番救いを求めている人がだれなのか

あの夜も

きっととうまはあの女の子だけじゃなくて


あの白い男の子だって救っていたんだね

498: 2010/01/09(土) 01:02:28.50 ID:VghqubSuO
長い間付き合ってもらってありがとうございます
保守してくれた人も、本当にありがとうございました

とりあえずこれでおしまいです
美琴は未だ意識不明ということです、目を醒ましたあとどうなるかは想像にお任せします

遅くなりましてすみませんでした

499: 2010/01/09(土) 01:08:01.66 ID:VghqubSuO
補完

ていとくん…晴れて第一候補に(でも☆のプランはすでにエラーまみれ)

絹旗、浜面、滝壺…生きてます美琴に殺されたのはフレンダのみです

レベル6計画…かみやん氏んだ日に中止、もともと☆のプランではあそこで失敗するはずだった


500: 2010/01/09(土) 01:08:35.08 ID:s5eUo2NPP
乙です

引用: 美琴「なんで死んじゃったのよ・・・ バカ」