1: 2008/10/29(水) 12:58:21.56 ID:xManJKOkO
勇次郎「…なんだこの鞄は?」

勇次郎「…まきますか?まきませんか?」

勇次郎「…プッ」

勇次郎「クスクスクス」

勇次郎「ネジを巻け…この俺に指図しようなどと」

勇次郎「意外に可愛い人形じゃねぇかオイ…。この穴に差し込めば良いのか?」

ギュウウウゥ…バキバキッッッ

翠星石「いやぁあああ!巻き過ぎですぅ!鬼人間!」ガバッ

勇次郎「ッッ!?」

4: 2008/10/29(水) 13:04:00.19 ID:xManJKOkO
勇次郎「…クス」

翠星石「?」

勇次郎「クスクスクス」

翠星石「ビクッ」ササッ

勇次郎「ふん…所詮は雌。相手に背を向けるなどと…」

翠星石「お、おお、お前がネジを巻いたですか…」

勇次郎「その通りだ。いつぶりだ、俺に挑む奴なんざ」

ゆらぁあ…

翠星石「な、なに背景歪ませてるですか…!別にお前に挑むつもりなんてないですぅ!」

13: 2008/10/29(水) 13:09:14.19 ID:xManJKOkO
翠星石「お前、名は?」

勇次郎「クスクス…面白い女だ。気に入った」ガシッ

翠星石「きゃああ!?ですぅ!いたぁいです!掴むなぁですー!」ジタバタ

勇次郎「おい」ギュウウウ

翠星石「つぶれるぅぅです!ローザミーディアム出るぅ!ですぅ…」シクシク

勇次郎「範馬勇次郎」

翠星石「へ?」

勇次郎「俺の名だ。覚えておけ」

15: 2008/10/29(水) 13:12:37.88 ID:xManJKOkO
>>14
間違い。予測変換で打ったら間違えた



翠星石「…もう握るなですよ?鬼人間」

勇次郎「保証は出来ねぇな」

翠星石「…私は翠星石。誇り高いローゼンの第3ドールですぅ…実は…」



勇次郎「ようするに、だ。姉妹に勝ちゃあいいんだろう?他愛もない事だ」

翠星石「…本当に理解してくれたですかぁ?」

21: 2008/10/29(水) 13:16:30.36 ID:xManJKOkO
翠星石「やい、鬼人間!」

勇次郎「シュッ…!シュッ…!」

翠星石「雨なんか避けてないで呼んだらさっさと来るですぅ」

勇次郎「なんだ?」

翠星石「翠星石はお腹が減ったです!ご飯にするですよ!」

勇次郎「ほぅ…そんなちまい身体で飯が作れるのか」

翠星石「なんで翠星石が鬼人間なんかにご飯作らなきゃならんのですぅ?さっさと作れです!」

28: 2008/10/29(水) 13:24:23.24 ID:xManJKOkO
翠星石「…ここまでエプロンの似合わん男は見たことがないですぅ…」

勇次郎「黙ってな」ギュウウウゥ

翠星石「生米なんか握ってどうするですか…」

勇次郎「ふん!」

ほかほか

翠星石「ホアアア!?握力だけでご飯が炊けたですぅ!!」

勇次郎「ほら、食いな」

翠星石「お前の手から直接ですか…せめておはしを…」

33: 2008/10/29(水) 13:30:07.20 ID:xManJKOkO
翠星石「塩が効いててうまぁいです!見かけはあれだけど料理はうまいです!」

勇次郎「クスクス…可愛い野郎だ」

翠星石「でもご飯だけじゃ足りんです…おかずはないですか?」

勇次郎「ここまで物怖じしない女は珍しいな。ちょっと待ってな」

ふっ…

翠星石「あ、こら!どこ行ったですか!?一瞬で消えるなですぅ…」

35: 2008/10/29(水) 13:34:27.06 ID:xManJKOkO
ふっ

勇次郎「待たせたな」

翠星石「全くです!今後翠星石を一人にする時は断りを入れやがれですぅ!」ポカポカ

勇次郎「い~いパンチだ。だが握りはそうじゃない、こうだ」

翠星石「いだだだ!翠星石の拳を握るなですぅー!そんな事よりおかずは?です」

勇次郎「ほらよ」ドサドサ

翠星石「すごいご馳走ですぅ…どっから持ってきたですか」

39: 2008/10/29(水) 13:39:15.03 ID:xManJKOkO
翠星石「もうお腹いっぱいですぅ」

勇次郎「あん?もっと喰らえ!」

翠星石「え?でもお腹いっぱい…」

勇次郎「喰らえい!!喰らって喰らって喰らい尽くせッッ!!!」

翠星石「ヒィッ!ヒィィィ!!」

勇次郎「さて…俺も喰うか」

モキュ…
モキュ…
ガポ…
ズボボボボ
ブルァ

翠星石「どんだけ喰うですか…」

46: 2008/10/29(水) 13:46:06.87 ID:xManJKOkO
勇次郎「げふぅ…」

翠星石「よ、く、喰うですぅ…お前の胃袋はどうなってやがるですか…」

勇次郎「喰らう事はすべての本能の根源だ」

翠星石「さいですか。腹ごしらえも済んだし、本題に入るですよ」

勇次郎「本題ぃ?」

翠星石「良いですか、よぉく聞くですよ?かくかくしかじか…」

勇次郎「…くぁ…」

翠星石「あくびすんなです!で、お前には翠星石と契約してもらうです」

49: 2008/10/29(水) 13:50:30.04 ID:xManJKOkO
勇次郎「俺にお前の力の媒介になれ…と」ペキ…パキ…

翠星石「だ、ダメですかやっぱり…」ビク

勇次郎「…クク」

翠星石「…契約しなくても良いから壊すなよ…ですぅ」ビクビク

勇次郎「お前みたいな奴に力を吸われた所でどうなる訳でもない。些細な事だ」

翠星石「え…てことは…」

勇次郎「良いぜ」

翠星石「やったぁです!じゃあさっさと薬指にくちづけを!」

勇次郎「なんだと?」ゆらぁ

51: 2008/10/29(水) 13:54:17.15 ID:xManJKOkO
翠星石「早くするです!」

勇次郎「くだらねぇ…人形にくちづけるなどと子供じみた事を…」ブツブツ


ちゅっ


翠星石「契約完了です。自分の薬指を見てみろですぅ」

勇次郎「なんだこりゃ?指輪?」

翠星石「それが契約の証です。契約が解かれるまでは抜けないですよ」

勇次郎「あん?」スポッ

翠星石「外すなっつってんだろうがぁ!です!!!」

61: 2008/10/29(水) 14:02:29.15 ID:xManJKOkO
翠星石「と、ともかく!これで翠星石は思う存分力を使えるです」

勇次郎「力ってのはどんなもんだ?腕力じゃなさそうだが」

翠星石「一度見せとくですか。お前は頑丈そうだし全力で行くですよ!スイドリーム!!!」

ズドドド!!

勇次郎「おお。植物か」

翠星石「ふふ…びびりやがったですか?そろそろ身体が疲れて来たです?」

勇次郎「?」

翠星石「まさかビクともしないなんて…行くですよ!フルパワァー!!!」

ズドドドズドドド!!!!

勇次郎「ん?ちょっとチクっとしたな」

64: 2008/10/29(水) 14:08:48.30 ID:xManJKOkO


翠星石「その底無しのタフネスはどうなってやがるですか…」ハァハァ

勇次郎「こりゃあ立派な木だな。すげぇ力だ」

翠星石「そうだろそうだろですぅ。ビビったですか?」

勇次郎「…ニヤァ」ゆらぁあ

翠星石「お、おい鬼人間!また背景歪ませて何するつもりですか!?」

勇次郎「ヂャッ!!!!!」

バコッ!!
ぐらぁ……
ずどぉぉぉん!!

翠星石「なんて野郎ですか……裏拳…で……」

67: 2008/10/29(水) 14:14:19.22 ID:xManJKOkO
勇次郎「おい、翠星石とやら」

翠星石「はい?」

勇次郎「さっきの技、もう一度やってみな」

翠星石「もうお前のタフネスはわかったですよ?スィドリーム!」

ズドドド

勇次郎「おい、もっとしっかり構えろ」

翠星石「こうですか?」

勇次郎「そうだ…」

勇次郎「~~~~~~~!!!!」バッ

翠星石「ヒッ!?背中に鬼の顔が…キャアアアアアアアア!??」

メキョメキョメキョメキョメキョ

翠星石「木が……世界樹ばりにでっかくなっちまったです…」

勇次郎「俺が本気を出せばお前の力も上がるようだな」

翠星石「これなら!!水銀燈にだって負ける気はしねぇです!」

74: 2008/10/29(水) 14:19:20.50 ID:xManJKOkO
刃牙「…君は?」

蒼星石「始めまして。僕はローゼンメイデンの第4ドール、蒼星石。女の子だよ」

刃牙「…ごめん、急過ぎて何がなんだか…」

蒼星石「それもそうだね。一から説明するよ」

刃牙「うん、よろしく頼むよ」

92: 2008/10/29(水) 14:31:09.01 ID:xManJKOkO
刃牙「なるほど。おおまかな事はわかったよ。で、俺に協力して欲しい、と」

蒼星石「そうなんだ。理解が早くて助かるよ」

刃牙「どうすれば良いのかな」

蒼星石「うん。この薬指にくちづけを…」

刃牙「ハハ、照れるな」スッ

ガラガラ

刃牙・蒼「!?」

梢「……刃…牙…くん…?」

97: 2008/10/29(水) 14:37:28.48 ID:xManJKOkO
刃牙「いや、聞いてくれ」

梢「はは…お人形か、良いじゃない…」

刃牙「違う!これには訳があるんだって!なぁ蒼星石!?」

蒼「…」

刃牙「おいぃ!?なんで喋んないんだよ!なに普通の人形のふりしてんだよ!なぁ!」

梢「大丈夫…刃牙君、大丈夫だから…私だけはどこにも行かないから…」

刃牙「蒼星石…こいつ…」

103: 2008/10/29(水) 14:43:38.32 ID:xManJKOkO
ちょっと保守頼んで良い?
続きは必ず書く

179: 2008/10/29(水) 21:20:55.71 ID:xManJKOkO
蒼「ごべんなざい…」

刃牙「次はデコピンじゃ済まないぞ」ポン

蒼「はい…」

梢「刃牙君が強さを求めるあまり違う強さを身につけたかと思ったじゃない」

刃牙「ま、誤解が解けてよかったよ。で…薬指にキスすれば良いんだっけ?」

蒼「うん。じゃあ…はい」スッ

ちゅっ

蒼「これで契約は完了だよ、マスター。自分の薬指を見て」

刃牙「うわ?!指輪!?」

蒼「そう、それが契約の証。無理に外そうとすると肉がそげるよ」

刃牙「マジだ…取れないな」ググググ…

蒼「ちょ、そんな握ったらヒビが入る…!あーあ…」

180: 2008/10/29(水) 21:23:06.17 ID:xManJKOkO
蒼「マスターはどうしてそこまで強さに固執するの?」

刃牙「俺は強さを求めてる訳じゃないよ」

蒼「そうなの?」

刃牙「ただ勝たなきゃいけない人が一人居てね。そいつがたまたま地上最強なんだ」

蒼(地上最強…マスターってちょっと痛い子なのかな)

184: 2008/10/29(水) 21:31:30.61 ID:xManJKOkO
刃牙「ところでさ、蒼星石」

蒼星石「なぁにマスター」

刃牙「君は力の媒介になれって言ったけど…具体的にはどんな力なんだ?」

蒼星石「うーん…口で説明するものでもないし、一度見てもらった方が良いし」

刃牙「そうだな、俺の身体に負担がかかるようだし」

蒼星石「じゃあ行くね?レンピカ!」

シャキーン

刃牙「刃物ッ…!いや…これは…闘気ッ!闘気が見えてる…!?」
蒼星石「ごめん…普通の刃物なんだ…」

刃気「そっか…」

190: 2008/10/29(水) 21:38:58.27 ID:xManJKOkO
蒼星石「ハァッ!!」

シュバッ

刃牙「おっ」スッ

蒼星石「さすがだねマスター…本気で切りに行ったのに」

刃牙「前触れなしに本気で頃しに来る…君は戦いのなんたるかを知っているんだな」

蒼星石「……僕達は…もう何百年も戦い続けて来たからね…」

刃牙「…」

蒼星石「どうしたのマスター?」

刃牙「蒼星石、君は戦いをやめたほうが良い」

蒼星石「え!?」

194: 2008/10/29(水) 21:45:35.99 ID:xManJKOkO
刃牙「本当は戦いを望んでない」

蒼星石「そんな事は…」

刃牙「頃す事に躊躇いはないだろう。だけどそれは恐怖に打ち勝った訳じゃない」

蒼星石「…」

刃牙「人が人を傷つけるのを恐れるのは復讐が怖いからだ」

刃牙「暴力!!実刑!!監獄!!氏!!それらを忘れた時、人はいともたやすく人を頃す」

刃牙「君はそうじゃない…。諦め、かな?」

蒼星石「…諦め…」

刃牙「そう。戦うしかないから戦う。アリスになるには仕方ないから戦う。運命ならば仕方ない。違うかい?」

蒼星石「…」

刃牙「戦いはそんな気持ちで勝ち残れる程甘くはない。やめた方が良いよ」

201: 2008/10/29(水) 21:55:19.18 ID:xManJKOkO
刃牙「戦うしかないから戦う。それで勝てると思っていた時期が俺にもあった」

蒼星石「違う!!」

刃牙「!」

蒼星石「ごめん…綺麗事ばかり並べた所で、僕は自分を偽れないや」

刃牙「なにが言いたいのかな?」

蒼星石「僕はお父様に作られたローゼンメイデン。戦う為に作られた。戦う事で自分を証明するんだ」

刃牙「…」

蒼星石「いくら口で仕方ないとは言っても、身体は嘘をつけない。戦いを求める血には逆らえない!!」

刃牙「ッッッ!!!!」

蒼星石「マスター!僕は戦いたい!!!戦って勝ちたい!!最強は自分だと!!見ろ、強いのは僕だと!!僕は」

刃牙「わかった!!!」

蒼星石「…マスター…」

209: 2008/10/29(水) 22:03:16.13 ID:xManJKOkO
刃牙「…俺に似ているな、君は」

蒼星石「そうなの?ねぇマスター、聞きたい事があるんだ」

刃牙「言ってごらん」

蒼星石「戦って勝ったら、何が残るんだろう?どうしてアリスになる方法が戦いだけなんだろう」

刃牙「…」

蒼星石「それを理解らないまま戦って…意味があるのかな?どうしたら良い?」

刃牙「戦えば良い」

刃牙「その先に何があるかなんて、その時考えりゃいいさ」

蒼星石「…そうだね」

刃牙「親父に勝てたとして、そのあとに残るのがなんなのか?そんな事はどうでも良い。ただ勝ちたい!!」

蒼星石「最強になりたい!」

刃牙「親父に勝つ」

蒼星石「姉妹に勝つ!」

212: 2008/10/29(水) 22:08:55.48 ID:xManJKOkO
刃牙「さぁ蒼星石、打って来い」

蒼星石「ハァッ!!ヤァッ!!」

シュバッッッ!
シュバ!!

刃牙「硬い。違うんだ蒼星石。力むな」

蒼星石「でも僕の攻撃は速さが命…」

刃牙「言葉じゃわからないかな。よし、蒼星石。俺を突き刺せ」

蒼星石「マスター、なんで目をつむって…!?どういうつもり!?」

刃牙「勝ちたいんだろう?」

蒼星石「…!エヤァアア!!」

ザクッ

216: 2008/10/29(水) 22:14:33.22 ID:xManJKOkO
クルッ

蒼「!?」

バキィ!!

蒼星石「うわぁ!?」ドサッ

刃牙「…ふぅ。たいした速さだ。ちょっと切り傷ついちゃったな」

蒼星石「どうして…!?僕の鋏の刃が届いてから出した蹴りがどうして当たるの!?」

刃牙「これが戦いだ。目をつむっていても相手の先手くらいいつでも上回れる。そのためには脱力だ」

蒼星石「脱力…」

刃牙「そう。それでいて集中力は尖らせる。完璧に掴めば速さもいらないさ」

蒼星石「僕はまだまだ強くなれる…!!」

219: 2008/10/29(水) 22:26:05.03 ID:xManJKOkO
花山「…」

雛苺「おじちゃんがヒナを起こしてくれたのー?」

花山「…?」

雛苺「おっきぃのー!ねぇお名前は?お名前は?」

花山「…花山薫だ」

雛苺「かーわいい名前なの!カオル!」

花山「人形…?」

雛苺「そうなのよ!ヒナはローゼンメイデンなの!」

225: 2008/10/29(水) 22:31:41.17 ID:xManJKOkO
雛苺「…という訳で、カオルにはヒナと契約して欲しいの」

花山「…」

雛苺「黙ってちゃわかんないのよカオルー!」

花山「薫…そう呼ばれるのはお袋が逝って以来か。懐かしい…」

雛苺「はい、お姉さんゆびにチューして欲しいのー!」

花山「何の因果か、薔薇乙女…薔薇か…。これもまた何かの縁だ。手ェ出しな」

チュッ

232: 2008/10/29(水) 22:35:03.92 ID:xManJKOkO
花山「…」

雛苺「きゃああ!?指が太すぎて指輪が肉にめり込んでるのー!痛そうなのー!」

花山「…」ジー

雛苺「なんで痛そうにしないのー!血が出てるのよ!骨が見えかけつるのー!」

花山「…」ググッ

ムリ…
ムリ…

ムリュ…
パキィィン!!
ポトッ

雛苺「うおおおおおお!?握力で指輪が契れたのー!!」

240: 2008/10/29(水) 22:40:42.49 ID:xManJKOkO
雛苺「カオル力持ちなのー!すごーい!」

花山「…」

雛苺「カオルはあんまり喋らないのー…。雛といて楽しくない?」

花山「いや…楽しい」

雛苺「ホントに!?わぁい!カオル大好きなのー!カオル登りー」ヨジヨジ

花山「…」ヒョイ

雛苺「うよ?すごーい、ヒナ人差し指と親指だけで摘まれてるのー」

花山「ここにいろ」ストッ

雛苺「うわぁー…カオルの頭の上、すごく高いのー!」キャイキャイ

花山「…ふ」ナデナデ



ガラガラ

ヤクザA「二代目失礼しやす!!!」

248: 2008/10/29(水) 22:47:04.60 ID:xManJKOkO
ヤクザA「…」

花山「…」

雛苺「…うゆ?カオル?この人だぁれ?なんで固まったのー?」

花山「おい」

ヤクザA「は、はいぃぃ!」

花山「俺の握力は何キロだ」

ヤクザA「はい!1211キロです!」

花山「それは小学生の頃だ。…お前は今何を見た」

ヤクザA「なみも!なみもみてまてん!!」

花山「…行け」

ヤクザA「失礼しやしたぁ!!」

254: 2008/10/29(水) 22:51:48.76 ID:xManJKOkO

雛苺「こら、カオル!脅かしちゃメッ!なのよ」

花山「…雛苺」

雛苺「あの人怖がってたのよ?怖い顔しちゃダメー」

花山「…」

雛苺「わかったの?」プンプン

花山「…わかった」

雛苺「うふふ、良い子良い子なのー」ナデナデ

花山「…」

260: 2008/10/29(水) 22:58:48.97 ID:xManJKOkO
雛苺「ねぇカオルー」ゴロゴロ

花山「んん?」

雛苺「ヒナおなか減ったのー。うにゅうが食べたいなー」

花山「うぬぅ?」

雛苺「中が赤くて柔らかくてー、強く握ると潰れちゃうのー」

花山「…食べたいのか」

雛苺「食べたいのー!」

花山「…待っていろ」

ガラガラ

雛苺「うゆ?カオルが指を鳴らして出ていったのー」





ヤクザA「ああッッ!!誰にも言ってませんッ!誓って!!許して下さい!!」

275: 2008/10/29(水) 23:14:25.53 ID:xManJKOkO
ヤクザA「うぁああ…」メキ…メギ…

ガラガラ

雛苺「カオルー!!」

花山「雛苺?」パッ

ヤクザA「はぁ…はぁ…」

雛苺「また虐めてるのー!言ってもわからない子はお仕置きなのよー!」

花山「いや…ちが」

雛苺「ちがくないの!ちゃんとその人に謝りなさぁい!」

雛苺「はやく謝るのカオル!」プンプン

花山「…すまん」

雛苺「ちゃんとごめんなさいって言うのー!」

花山「ごめんなさい…」

ヤクザA「いえいえ…良いんスよカオル…じゃなくて二代目」

花山「…」

雛苺「良い子良い子。もう虐めちゃダメなのよ」

281: 2008/10/29(水) 23:20:52.91 ID:xManJKOkO
雛苺「今日はいっぱい遊んだのー。楽しかったのーカオル♪」

花山「そうか…」

木崎「あ、二代目。お疲れ様です」

花山「木崎。今夜は誰も部屋に通すな」

木崎「え!?まさかそのガキを…」

花山「わかったのか?」

木崎「わかりやした…」

雛苺「木崎さん、おやすみなのー」フリフリ

木崎「おやすみなさい…ん?」

309: 2008/10/29(水) 23:36:31.34 ID:xManJKOkO
木崎(今、あのガキの匂い…そうか、薔薇乙女とか言ってたか)

木崎「二代目、おやすみなさい」

花山「…誰にも言うな」

木崎「わかっています」

━━━━━

雛苺「カオル、どうしたの?苦しいのよ」

花山「…お前は、良い匂いがするな」

雛苺「ヒナ達はローゼンメイデンだから、ちょこっとだけ薔薇の匂いがするのよー」

花山「そうか」

雛苺「でももう鞄で寝ないと…それにカオルの抱っこはちょっと苦しいのよー」

花山「もう少し待て…」

雛苺「カオルはわがままなのー。……え?……カオル…」

花山「…」

318: 2008/10/29(水) 23:43:35.26 ID:xManJKOkO
雛苺「ねぇカオル」

花山「…なんだ」

雛苺「カオルは薔薇の匂いが好きなのね」

花山「好きだ」

雛苺「…どうしてなの?聞いても良い?」

花山「俺の…大切な人が、この匂いが好きだった。こんな香水をつけていた」

雛苺「…ねぇカオル」

花山「…なんだ」

雛苺「ヒナはねぇ、居なくならないからね。ずーっとカオルと一緒が良いの。ずっと一緒にいようね」

花山「…もう寝る」

雛苺「おやすみなさい、カオル。今日はヒナもベッドで寝るの」ポフッ

355: 2008/10/30(木) 00:35:50.56 ID:853mnwAtO
渋川「いやぁ…長生きはするもんですな」

金糸雀「あなたが私の新しいミーディアムかしら?」

渋川「みーであむ?ワシはただネジを巻いただけです」

金糸雀「じゃあやっぱりあなたがミーディアムかしら!私は誇り高いローゼンメイデン第2ドール、金糸雀かしら!」

渋川「はぁ…かなりあさん」

金糸雀「あなたはお名前なんて言うかしら?」

渋川「あっあ…渋川剛気です」ペコ

金糸雀「よろしくなの、おじいちゃん!」ペコ

359: 2008/10/30(木) 00:42:26.56 ID:853mnwAtO
渋川「おや?その楽器は…」

金糸雀「これはねぇ、バイオリンかしら!聞いた事あるかしら?」

渋川「いやぁ、残念ながら…数十年の間、武に身を置いて来ましたからなぁ…」

金糸雀「じゃあおじいちゃんに聞かせてあげるかしら!カナはバイオリン得意かしら!」

渋川「ほっほっ…こんな年寄りのために、優しい女の子じゃね」


~♪

金糸雀「おしまいかしら」ペコリ

金糸雀「おじいちゃん、どうだったかしら?上手に弾けたかしら?」

渋川「本当に上手じゃった…よかったよ、カナさん」

金糸雀「本当かしら!?おじいちゃんに喜んでくれてカナもうれしいかしら~」ピョン

441: 2008/10/30(木) 13:25:49.18 ID:853mnwAtO
金糸雀「でね!カナはその姉妹の中でも1番の頭脳派かしら!」

渋川「ほっほっ。そうですか。カナはすごいんじゃね」ニカッ

金糸雀「うん!かしら」パァァ

渋川(こんな小さな子までが戦いを…。武とはかくも残酷なものかッ)

渋川(いや…こんな子にこそ武は必要なのか…?)

渋川(…わからん…この年になってまだ武というものがッッ)

金糸雀「おじいちゃん?どうしたのかしら?」

渋川「え?いやぁ、何でもないんじゃよ」

金糸雀「そうかしら…」

445: 2008/10/30(木) 13:29:33.66 ID:853mnwAtO
金糸雀「それからね、前の前のミーディアムだった人の家は…」

渋川「よく喋る活発な子じゃのう…子宝に恵まれなかった身には新鮮な…」

金糸雀「で…おじいちゃんにお願いがあるかしら。聞いてくれるかしら」

渋川「はいはい。何でも言うてごらんなさい」

金糸雀「カナと契約して欲しいのかしらー!」

455: 2008/10/30(木) 14:05:42.38 ID:853mnwAtO
渋川「なるほど。カナはワシから力を吸って戦うという事じゃな」

金糸雀「そうかしら。でもおじいちゃんはもうおじいちゃんだから強制はできないかしら…」

渋川「ほっほっほ。心配はいりません。かわいい孫の頼みじゃ、それくらい構わんよ」

金糸雀「でも…あんまり無茶し過ぎるとおじいちゃんの身体が…」

渋川「力を吸うは戦う時だけじゃろ?戦いに関してはわしゃ達人を自負しとるからの」

金糸雀「おじいちゃん達人なの?すごいかしらー!」

渋川「ほら、どこからでも良いからおもいっきり叩いてみるとええよ」

渋川(…何で来る?パンチ?キック?いや頭突きも有り得る…!)

金糸雀「本当かしら?おもいっきり行くのかしら!えーい!バイオリンクラッシュ!」ブン

渋川「え…バイオリンッ!??」

459: 2008/10/30(木) 14:11:41.31 ID:853mnwAtO
渋川「なんの…!ほいっ」

金糸雀「へ?」ふわ…

金糸雀「かしらーーー!?」ガッシャーン

渋川「ほっほっほ…わかったかの?これが合気じゃ」

金糸雀「ジャパニーズ・柔…すごい力かしら!じゃあこれはどうかしら?」

渋川「ん…バイオリンを弾くんか?」

金糸雀「そう!これがカナの能力、音で相手を攻撃するかしら!」

渋川「ストップ!ストーーップ!やめておくぞい…物理攻撃以外は本当にやばいから」

463: 2008/10/30(木) 14:22:22.73 ID:853mnwAtO
渋川「で…契約はどうすれば良いんじゃ?」

金糸雀「カナの薬指にちゅーするだくかしら!はい!」スッ

渋川「いやぁ~…いくつになっても照れますな」

ちゅっ

金糸雀「ありがとうかしら!これで証の指輪がついてるかしら」

渋川「おお。これで晴れてワシはみーであむになったんじゃな」

金糸雀「かしら!カナもおじいちゃんの孫になったつもりで頑張るかしら」

渋川「ほっほ…武とは不思議なものです。人との繋がりを断つものかと思えば、こうして素敵な巡り会わせもある」

渋川「久しぶりに本気で『守りたい』と思った…これが武の根源じゃ」

金糸雀「おじいちゃーん、ちょっと来てかしらー」

渋川「ほいほい」

486: 2008/10/30(木) 16:27:46.30 ID:853mnwAtO
烈「巻きますか?巻きませんか?」

カチカチ…カチカチ…

カタタ…

水銀燈「…ふぁ…眠…」

烈「うわ!?」

水銀燈「…あなたが私のネジを巻いたのぉ?」

烈「!…そ、そうだが…人形が動いた…」

水銀燈「ふぅん、すごいガタイしてるわねぇ…格闘技でもやってる訳ぇ?」

烈「う、うむ…中国拳法をな。しかし驚いた…」

水銀燈「そ。都合が良いわ。あなた、私のミーディアムになりなさぁい」

烈「ミーディアム?」

496: 2008/10/30(木) 16:34:35.66 ID:853mnwAtO
水銀燈「要するにぃ、あなたの身体と力を私に差し出せってことよ」

烈「な…なんと破廉恥なっ!」

水銀燈「はぁ~?なぁに勘違いしてんのよ。私の力の媒介になってもらうだけよぉ」

烈「媒介?私の力を吸い取ると言う事か」

水銀燈「そういう事。拒否権はないわ」

烈「それ相応の理由があるのならば協力は惜しまない。説明をしてもらおうか」

水銀燈「…しょうがないわねぇ」

498: 2008/10/30(木) 16:39:05.70 ID:853mnwAtO
水銀燈「…で、私はお父様に最初に作られたの。私が最初よ、最初」

烈「ふむ。では水銀燈は1番お姉さんなんだな」

水銀燈「そうなるかしらね…で、かくかく然々…」

烈「…」

水銀燈「でねぇ?聞きなさいよ、私だけ身体のパーツが足りないからって…皆ジャンクなんて言うのよぉ…」

烈「かわいそうに…人はみな不完全を補いあって生きていると言うのに…」

水銀燈「よね!そうよね!あなたわかってるわぁ」

500: 2008/10/30(木) 16:41:57.97 ID:853mnwAtO
水銀燈「しかもね…。あの子達、私だけ嫌ったり…仲間外れにしてるのよぉ…一度倒されたし…」

烈「…」る…

水銀燈「私だってお父様に会いたいのにぃ!皆でくんくん見たりしたいのにぃ…酷いと思わなぁい?」

烈「…会わせてやるさ」ガシッ

水銀燈「ちょっとぉ、何泣いてるのよ?みっともなぁい」

504: 2008/10/30(木) 16:46:19.72 ID:853mnwAtO
烈「私が会わせてやるさ、お父様に…その為ならいくらでも協力しよう」ボロボロ

水銀燈「あなた、顔とガタイに似合わず情に脆いのね」

烈「しかも一度倒されてから復活したんだ…勝たない訳にはいかないな」スゥー

水銀燈「!?あなた、上半身が風船みたいに膨らんでるわよ!?」

烈「水銀燈復活ッ!!!」

水銀燈「きゃああああ!?き、急に大声出さないでちょうだい!」ドキドキ

烈「水銀燈復活ッ!水銀燈復活ッ!水銀燈復活ッ!水銀燈復活ッ!!!」

水銀燈「うるっさいわぁ…!!」

515: 2008/10/30(木) 16:55:09.77 ID:853mnwAtO
水銀燈「私の復活を喜んでくれるのはわかったからぁ…落ち着いてちょうだい?ね?」

烈「す、すまん…君には共感する所が多くてな」

水銀燈「まぁ…あなたが私に協力してくれるのはわかったわ。じゃあ早速契約しましょう」

烈「うむ。して、方法は?」

水銀燈「口づけよ」

烈「な、な…いかん…煩悩に惑わされるな…!」

水銀燈「なに動揺しまくってるのぉ?ガキね」

烈「すまない…人生の全てを武に捧げてきた故に…私は性には弱い」

518: 2008/10/30(木) 17:03:13.01 ID:853mnwAtO
烈「…私が…恐怖している…」ガチガチ

水銀燈「ちゅっで済むんだから早くしなさいよ。ほら、ここに」スッ

烈「これは水銀燈の為…水銀燈がアリスになる為…!行くぞ!!」

ググッ

水銀燈「へ?…ちょ!!コラ!!口じゃな…!」

ちゅっ

528: 2008/10/30(木) 17:10:09.87 ID:853mnwAtO
ばっちぃいいん!!!

烈「救命阿ッ!!」

水銀燈「ハァ…ハァ…な、なぁんて事するのこの人間!!お父様にもされた事ないのに!」

烈「…す、すまん…。はやとちりした…でもそんなにおもいっきりビンタしなくても…」

水銀燈「…ふ、ふん…私も説明不足だったからこれで許しといてやるわ…」

烈「本当に済まない…!!」

水銀燈「良いって言ってるじゃない!」

烈「…薬指だな?間違いないな?」

水銀燈「そうよぉ…まったく…早くしなさぁい」スッ


ちゅっ

538: 2008/10/30(木) 17:21:36.74 ID:853mnwAtO
水銀燈「なんで契約するのにこんなに疲れなくちゃならないのかしらぁ…。これで契約は完了よぉ」

烈「…?特に変化が見られないようだが。心なしか心拍数がいつもより早いような気がするが…」

水銀燈「それはあんたのせいでしょう?薬指を見てごらんなさい」

烈「指を?…何もないぞ」

水銀燈「はぁ~?指輪があるでしょ…って、ない!?」

烈「そのようだ」

水銀燈「な、なんでぇ!?もしかして私が口づけのせいで汚れたから…?」

烈「…」

水銀燈「ちょっと、アンタも探しなさいよ!どっかに落ちてるかも知れないでしょう!」ガサゴソ

烈「う、うむ」ガサゴソ

水銀燈「足で探すなッ!って、足器用だわね…ん?」

545: 2008/10/30(木) 17:31:50.74 ID:853mnwAtO
水銀燈「ちょっとぉ!なんで神聖な指輪が足の薬指についてんのよぉ!?」

烈「おや、本当だ」

水銀燈「なんでぇ!?おかしいわぁ!今までこんな事なかったのに!?」

烈「あぁ、最近足指を鍛える為に日常の行動を全て足でやってたんだ」

水銀燈「もう最悪ッ!なんで!!もう嫌ぁ…!!トイレも!?食事も!?着替えも!?全部足なのぉ!?」

烈「ああ」

553: 2008/10/30(木) 17:36:43.44 ID:853mnwAtO
ちょっと野暮用。保守お願いします

608: 2008/10/30(木) 20:44:49.15 ID:853mnwAtO
保守thx。再開しまつ

611: 2008/10/30(木) 20:47:28.05 ID:853mnwAtO
水銀燈「はぁ…今日はめちゃくちゃ疲れたわ…。もう寝ようかしら」

烈「え?もう寝るのか」

水銀燈「寝るわよぉ。誰のせいで疲れたと思ってんのよ?」

烈「そうか…すまない」

水銀燈「なぁに?がっかりしてるの?」

烈「いや、お詫びにと思って食事を用意したのだが…」

水銀燈(うわぁ…すごいご馳走だわ…美味しそう)

水銀燈(でもがっつくように見られたら嫌だしぃ…)

水銀燈「はぁ?こんなもので私を釣ろうなんて、お馬鹿さぁんねぇ」

615: 2008/10/30(木) 20:53:51.34 ID:853mnwAtO
烈「そうか…この料理も無駄になってしまうな」シュン

水銀燈「な、なによ…そんなにがっかりしなくても良いじゃないの」

烈「そ、そうだな。用意する前にいるかどうか聞かなかった私が悪い。ゆっくり休むといい」ニカ

水銀燈「はぁ…良い人過ぎてヘドが出るわ。早く食器を準備しなさい」

烈「え?」

水銀燈「食べてやるって言ってんの。早くしなさぁい」

烈「そ、そうか!待っていろ、すぐに用意しよう!」

ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ

水銀燈「なんであんなに小刻みに足上げて走るのかしら?全然進んでないじゃない」

624: 2008/10/30(木) 21:01:03.28 ID:853mnwAtO
水銀燈「ハフハフ…」

がぽ…
むにゅ…
ずぞぞぞぞ
がちゅ…
はも…

水銀燈「おいしーわぁー!!」モキュモキュ

烈「そうかそうか。たくさん喰うんだぞ」ニカァッ

水銀燈「あなた…本当に優しいのねぇ」

烈「…!」カァァァ

烈「黙って喰うんだ」プイ

水銀燈「ふふふ…案外かわいいところあるじゃなぁい。料理の腕前も良いし」

烈「そう言ってもらえるとうれしい」


烈「久しぶりに厨房で足を奮った甲斐があった」

水銀燈「ぶはぁぁぁ!!」

633: 2008/10/30(木) 21:13:46.62 ID:853mnwAtO
水銀燈「ごちそうさまぁ」ポンポン

烈「うむ。喜んでくれて何よりだ」


水銀燈「あなたって…」

烈「うん?」

水銀燈「間抜けで、下品で、お馬鹿さぁんだけど…優しいし、悪い人間ではないわぁ」

烈「そう言われる事は少ないがな」ニカッ

水銀燈「そうなのぉ?」

烈「ああ。所詮は武の事しか頭にない人間だ。さぁ、もうおやすみ。遅くまで付き合わせてすまなかった」

水銀燈「…そう。おやすみなさぁい」

水銀燈「私はあなたの人間性、嫌いじゃないわぁ…」ボソ

烈「ん?」

水銀燈「なんでもないわぁ。おやすみなさぁい」

烈「ああ、おやすみ」

641: 2008/10/30(木) 21:22:21.39 ID:853mnwAtO
独歩「しん…く…?」

真紅「そう。私は誇り高きローゼンメイデンの第5ドール、真紅。お前、名は?」

独歩「自分から名乗るとは道を知った嬢ちゃんだな。オイラは独歩。空手家だ」

真紅「どっぽ…変わった名前ね。ではどっぽ。紅茶を入れて頂戴」

独歩「紅茶だァ?」

645: 2008/10/30(木) 21:26:32.63 ID:853mnwAtO
独歩の奥さんの名前って夏江?

653: 2008/10/30(木) 21:40:18.88 ID:853mnwAtO
独歩「紅茶…冷蔵庫にあったな確か」

ガチャ

独歩「おう、これだ。台所なんて久しぶりに来るな。コップに氷を入れて…と」

トクトクトク

独歩「よし、客人をもてなすんだから菓子くらい持ってくか」

ガチャ

独歩「おう、待たせたな」

真紅「…それはなに?」

独歩「何って、紅茶よ。カカァしか飲まないから銘柄は知らねぇが、午後の紅茶だったかな。お前さんの注文通りだぜ」

コト

真紅「…」

独歩「台所から菓子も持って来たぞ。おかきで良いか?」

真紅「あなたには一から礼儀を教えないといけないようね。どっぽ、ちょっと顔を近づけなさい」

独歩「あ?こうか?」

ペチン!!

662: 2008/10/30(木) 21:48:22.11 ID:853mnwAtO
独歩「…!」

真紅「良い事?あなたは今日から私の下僕となるの」

独歩「…」

真紅「私が紅茶を入れなさいと言ったらきちんと茶葉からいれなさい。きちんと温度にも気を配るように」

独歩「…」

真紅「それに何?紅茶におかきって?気の使える風貌には見えないけど食べ合わせくらいはわかるでしょう」

独歩「…嬢ちゃんこそ、礼儀を知らねぇようだな」ヒョイ

真紅「触らないでちょうだい」ペチィン!!

676: 2008/10/30(木) 21:56:31.13 ID:853mnwAtO
真紅「まったく…想像以上に下劣ね」

独歩「いってぇ…」サスサス

真紅「主従関係は理解できたかしら?」

ガッシャアアアン!!!

真紅「…!?」

独歩「なんだ!?ガラスが急に!?」ダンッ

真紅「きゃ!?どっぽ…私を庇って…!?」

独歩「女に怪我させるのは男の恥だからな。さて、オイラ以上の礼儀知らずがいるようだぜ」

??「…」ストッ

真紅「あれは…人形!?まさか水銀燈の使い!?」

683: 2008/10/30(木) 22:02:51.20 ID:853mnwAtO
水銀燈「見なさぁい、すごいでしょう?」

烈「おおッ!人形がひとりでに!?」

水銀燈「ふふ、この子は私の言いなりよ。どうしようかしら」

烈「だったらそれは水銀燈にあげよう。私も処分に困っていたものだ」

水銀燈「え~…いらないわよこんな汚い人形…」

烈「…」

水銀燈「真紅の所にでも送ってやろうかしらぁ」

ポイ

690: 2008/10/30(木) 22:09:06.18 ID:853mnwAtO
人形「…ふしゅる…ふしゅ…」

独歩「…人形のくせになんてぇ目をしやがるんでぇ…」

真紅「明確な敵意を感じるわね」

独歩「こいつは厄介だな。怨みで戦う奴は何をしでかすかわかんねぇ。嬢ちゃん、下がってな」

真紅「な!何を言ってるのどっぽ!人間にかなうはずがないわ!早く契約を!」

独歩「良いから下がってな…人形でも女にケガさせたくねぇんだ」

真紅「…どっぽ…」

701: 2008/10/30(木) 22:19:20.95 ID:853mnwAtO
人形「ふしゅ…しゅっ!!」

ズババババ

独歩「ふっ!!」バチバチバチ!!

真紅「すごい…!素手なのに全ての攻撃を防いでる…!」

独歩「お人形さんよォ…何をそんなに怨んでるのか知らねぇが」

ズボォォォ!!!!!!

人形「~~~~~~~ッッ」

ポト…

独歩「怨みで人は倒せねぇぜ」

真紅「まさか…人間が…どっぽ…」

704: 2008/10/30(木) 22:24:18.01 ID:853mnwAtO
ちょっと飯食ってくるわ

725: 2008/10/30(木) 23:05:57.11 ID:853mnwAtO
真紅「どっぽ…」

独歩「おぅ嬢ちゃん、ケガぁなかったか?」

真紅「ええ。あなた、強いのね」

独歩「強ェさ。オイラはこっそり最強を自負してるからな」

真紅「ええ、あなたは最強よきっと…。どっぽ、お願いがあるの」

独歩「お願い?命令口調じゃなくなっちまったな」

真紅「ッ…!」カァァァ

真紅「あなたに敬意を評しているのよ…!それよりも…私と、契約してくれないかしら」

独歩「契約?さっきもそんな事言ってたな、なんの事だ」

733: 2008/10/30(木) 23:11:43.89 ID:853mnwAtO
真紅「かくかくしかじか…」

独歩「なるほどな。姉妹達のローザミスティカを手に入れて、アリスを目指す…か」

真紅「そう…そして私と契約して、ローザミスティカを守って欲しいの…」

独歩「…」

真紅「…どうしたの?」

独歩「真紅よォ…お前は矛盾してるぜ」

真紅「矛盾…ですって?」

独歩「そう、決定的な矛盾だ。お前さんは勝ちたいのか?守りたいのか?どっちなんだィ」

真紅「…ッ!」

737: 2008/10/30(木) 23:17:13.73 ID:853mnwAtO
独歩「オイラに言わせりゃあ…勝つ事と守る事はまったく別物だ」

真紅「…どういう事」

独歩「結論から言うとだな。強いのは、守るために戦う奴だ」

真紅「そう、ならば守る為に私は戦うわ」

独歩「だがなぁ…守る為に戦う奴は、勝利を手にする事はない。わかるかい?女子供にゃ難しいかも知れないが」

真紅「わからないわ。守り抜く事は勝利ではないの?」

独歩「違うんだこれが」

745: 2008/10/30(木) 23:24:20.48 ID:853mnwAtO
真紅「…私にはわからない。教えて欲しいのだわ、どっぽ!」

独歩「それは自分で学ぶと良い。人から教わるもんじゃねぇ」

真紅「そんな…」

独歩「氏にたくなる程後悔して、悲しくて、怒った…俺が学んだ時はそうだった」

真紅「どっぽ、なにがあったの?」

独歩「悪いな、教えられねぇ。だがな、守る為に戦うってのはそういう事だ。それでも戦うか?」

真紅「…ええ。私は戦うわ。どっぽが共に居てくれるなら」

761: 2008/10/30(木) 23:41:25.44 ID:853mnwAtO
独歩「よし、契約しようじゃねぇか。協力するぜ」

真紅「ありがとう。では誓いの口づけを…私の口に」

独歩「こっ恥ずかしいやり方だなオイ…目ぇ閉じな」

真紅「…はい」

ちゅっ

独歩「これで良いのか?」

真紅「それからもうひとつ…今度は薬指に口づけをしてちょうだい」スッ

独歩「お、おうよ」

ちゅっ

真紅「これで完了よ、どっぽ」

独歩「おお…オイラの薬指に指輪がッ」

780: 2008/10/30(木) 23:51:14.34 ID:853mnwAtO
真紅「どっぽ、抱っこしてちょうだい」

独歩「お?なんだいきなり」

真紅「リビングに行きたいの。紅茶を飲みましょう」

独歩「しょうがねぇなぁ…ほらよ」スッ

真紅「抱き方はそうじゃ…それで良いわ。ゆっくり話がしたいのだわ」

独歩「話なら今した所じゃねぇか」

真紅「もっと聞きたい事があるの。あなたの生き方や戦い方…他の戦士達の事も」

789: 2008/10/30(木) 23:57:33.38 ID:853mnwAtO
独歩「ほら、言われた通りに煎れたぜ」カチャ

真紅「美味しいわ…良い人ねどっぽ」

独歩「よせやい。で、聞きたい事ってのは?」

真紅「守る戦い、勝つ戦いの話をしたわよね…あなたはどちらなの?」

独歩「…」

真紅「…」

独歩「俺の知ってる奴にな…勝つ戦いに徹する、いや…勝つ戦いしかできねぇ奴がいる」

真紅「その人は強いのね」

独歩「強いッ!とてつもなくな。どうしてわかんだ?」

真紅「だって…どっぽの目が子供みたいに生き生きしだしたものだから」クス

799: 2008/10/31(金) 00:09:36.10 ID:cwaqMKpuO
独歩「…もしかしたらそいつは…勝とうともしてねぇかも知れねーんだ。それほどに強い」

真紅「あなたがそこまで言うなんて…すごい人がいるものだわ」

独歩「純粋に相手を壊す事だけを考える。食事より、性よりも戦いを欲する」

独歩「そいつに勝てた奴はいない…だけどよ、守り抜いた奴は居るんだこれが」

真紅「…守り抜いた…その人はどうなったの」

独歩「…」

独歩「だけどな…そいつが守り抜いたのは自分自身だ。誰かを守るのは並大抵の事じゃねぇ」

真紅「…誰かを…守る…」

独歩「良いか真紅。戦いに情は不要だ。守る為にも、自分は強くなくちゃならねぇ。」

独歩「最後まで守り抜く…守る為に戦う…それが出来たらお前は強くなれるはずだ」

真紅「ええ…どっぽ。私、強くなるわ…!」

810: 2008/10/31(金) 00:19:52.50 ID:cwaqMKpuO
金糸雀「おじいちゃーん」トテトテ

渋川「おや?どうしたんじゃカナ」

金糸雀「カナお出かけしたいかしら!おじいちゃんも一緒に行くかしらー!」

渋川「お出かけ…ですか。よし、久しぶりに散歩でも…よっこら」

渋川「せっ…?」グラ

金糸雀「…?大丈夫なのかしらおじいちゃん?」

渋川「はは、歳には勝てんのぉ…よいしょ」ツル

ドテ

金糸雀「?」

渋川(この感覚…)

815: 2008/10/31(金) 00:26:29.15 ID:cwaqMKpuO
渋川「のぅカナや…お出かけは明日にせんか?」

金糸雀「えー…こんなに良い天気なのにお家はもったいないかしら。公園でバイオリン弾きたいかしらー」

渋川「…そ、そうじゃな。じゃあ靴を履くかね」

渋川「!!!!!」

渋川(玄関の外が…海じゃとッッ…!?)


ツカ…

ツカ…

ツカ…

渋川「いかん…カナ、家に戻るんじゃっ!」

826: 2008/10/31(金) 00:34:12.33 ID:cwaqMKpuO
ツカ…

ツカ…

翠星石「良い天気ですぅー。こんな日は散歩に限るですぅ」

勇次郎「散歩じゃねぇだろう。俺の肩に座ってるだけじゃねぇか」

翠星石「お前の肩は座り心地が良いんですよ、鬼人間!とっとと歩くですぅ」

勇次郎「チィッ…」

ツカ…



渋川(…なぜ…あやつがここに…!?しかもあの肩の人形は…!)

金糸雀「あーっ!翠星石かしらー!!翠星石ぃー!!」フリフリ

渋川「ッ!!」

勇次郎「んん?」

838: 2008/10/31(金) 00:42:38.78 ID:cwaqMKpuO
翠星石「お!金糸雀じゃねーですか!久しぶりですぅ!」

金糸雀「翠星石ー!」トテトテ

勇次郎「…」チラ

翠星石「ちょっと下ろすですぅ、鬼人間」ヒョイ

渋川(ここは坊主でも出て行かにゃいかん所じゃな…)

渋川(カナは守ってみせるッッ…!)

ダッ

渋川「久しぶりじゃな…オーガ」

勇次郎「…たまには散歩も良いもんじゃねぇか。面白い拾いもんだぜ」ゆらぁぁ

846: 2008/10/31(金) 00:50:33.58 ID:cwaqMKpuO
丹ッ

渋川「壊させはせんッ…!逡巡の幸せを…大切な孫を…ッ!」

勇次郎「願ってもない…」


翠・金「キャイキャイ」

渋川「…」チラ

渋川(カナに会って数日…)

渋川(ワシは…)

渋川(ワシは…!!!)

渋川「オーガ!!」ダッ

勇次郎「ヂャッ!!!!」

カシュッ…

855: 2008/10/31(金) 00:56:34.78 ID:cwaqMKpuO
コロ…

コロ…

コツン

翠星石「ん?なんか靴に当たったですぅ?」

金糸雀「なにかしらー?これは…目?」

翠星石「目…?」

金糸雀「お、…おじい…ちゃん…?」


渋川「ぁ………が…が……」

金糸雀「おじいちゃん!!?」ダッ

渋川「カナ…にげ…るんじゃ…あ……」

勇次郎「まだ…やらせてくれるか」ゆらぁぁぁ

金糸雀「やめてー!!!」

864: 2008/10/31(金) 01:05:17.50 ID:cwaqMKpuO
翠星石「鬼人間ッッッ!!」

金糸雀「おじいちゃんッ!!おじいちゃんッッ!!!」ユサユサ

渋川「…カナ…にげ…」

翠星石「お前!なんて事しやがるですか!?」ガッ

勇次郎「おい翠星石…お前はあの人形の相手をしなくちゃいけねぇんじゃねぇのか?」

翠星石「え!?」クル


金糸雀「許さないかしら…!!翠星石、あなたのマスターかしら…!!あなた達、絶対に許さないかしらッッッ!」ブン

翠星石「ちょっと待ってです、金糸雀!…くっ!」

874: 2008/10/31(金) 01:11:43.71 ID:cwaqMKpuO
金糸雀「ちょこまかするなかしらー!」ブンッ ブンッ

翠星石「ま、まずいです…!とりあえず蔦で拘束するですっ…!!」

金糸雀「…こうなったら…おじいちゃんが褒めてくれたバイオリンでッ!!」

翠星石「スィドリーム!」


ズガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!!!!

翠星石「え?」

パキ
ペキ
ブチッ

金糸雀「あっ…あ…」

金糸雀「…おじ………ちゃ……」

金糸雀「…………」

894: 2008/10/31(金) 01:18:17.30 ID:cwaqMKpuO
翠星石「ち…違うです…」

金糸雀「」スッ

翠星石「いらんですっ!ローザミスティカなんかいらんです!!」

翠星石「入ってくんな!!翠星石に入ってくんなです!金糸雀の所に帰れですぅ!!」

翠星石「あっ…」スッ

翠星石「スィドリーム…金糸雀を離してやるです」

シュルルル

金糸雀「」カクン

翠星石「すまんですぅ…金糸雀…すまんですぅ…!!」ギュ

912: 2008/10/31(金) 01:25:01.56 ID:cwaqMKpuO
渋川「…ぉ…」

翠星石「金糸雀を…返すです…」

翠星石「ぐちゃぐちゃになっちゃってるですが…顔は無事ですから…」

すとっ
カクン

渋川「オオオオオォ………!!」

翠星石「……すまんですぅ…」ポロポロ

勇次郎「クス」ポン

翠星石「…鬼人間…?」

勇次郎「誇れッッッ!!翠星石ッッッ!!!」

翠星石「!?」

926: 2008/10/31(金) 01:35:13.20 ID:cwaqMKpuO
勇次郎「強さを誇れッ!勝利を誇れッ!力を誇れッ!」

翠星石「お…お前はっ…!!」

勇次郎「誇れッ!ハハハハハ!!」

翠星石「何考えてやがるですかっ!!こんな時に!!!」ポカポカ

勇次郎「何を悲しむ?何を泣く事がある?」

翠星石「当たり前だろォが!!です!姉妹が氏んだんですよ!」

勇次郎「それはお前が望んだ事じゃなかったのか?」

翠星石「…え?」

勇次郎「姉妹を倒して、アリスになる。そして父親に会う。違ったか?」

翠星石「…そ、うです…」

勇次郎「ならばお前は勝たなくてはならないッ!誇れ!誇示しろ!勝ったのは自分だと!拳をあげろ!」

翠星石「…勝った…」グ…

翠星石「勝った!アリスゲームに勝ったのは私!見たかぁ!強いのは翠星石です!!」

950: 2008/10/31(金) 01:47:21.56 ID:cwaqMKpuO
翠星石「金糸雀は抱かせておいたです。救急車も呼んどいたですから。目もここに置いとくです」

渋川「…あ………お…おに…」

翠星石「…」


翠星石「…行くです、鬼人間」

勇次郎「ああ。肩には乗らねえのか?」

翠星石「自分で歩くです」

勇次郎「…」ヒョイ

翠星石「ひゃあ!?歩くっつってんだろうが!です!」ポカポカ

勇次郎「疲れてんだろう?無理すんな」

翠星石「…馬鹿やろうです。変な気を使うなです」

勇次郎「血がついちまってるな」

翠星石「洗濯しなきゃならんです…」

勇次郎「今日ぐらいはやってやるよ」

翠星石「おめーがやったら服が布きれになるから良いです」ツカ… ツカ…

957: 2008/10/31(金) 01:52:13.81 ID:cwaqMKpuO
とりあえずこのスレではここまでにしとく
誰か次スレ立てて

964: 2008/10/31(金) 01:55:22.97 ID:VNQ4xhxKO
乙ッッッ!!!

986: 2008/10/31(金) 02:06:58.59 ID:cwaqMKpuO
金糸雀「埋めかしらー」

990: 2008/10/31(金) 02:07:50.33 ID:zVx3OMV20
1000ならどっぽがアリスになる

991: 2008/10/31(金) 02:08:03.31 ID:oYnhXHx50
1000なら翠星石最強説浮上

992: 2008/10/31(金) 02:08:15.88 ID:VNQ4xhxKO
>>1000なら烈は俺の嫁

引用: 翠星石「やい、鬼人間!」