1: 2008/10/31(金) 01:52:56.98 ID:fzclVrUS0
立ててみた

前作
翠星石「やい、鬼人間!」
18: 2008/10/31(金) 02:17:26.26 ID:cwaqMKpuO
烈「ところで水銀燈」

水銀燈「なぁに?」

烈「この前に私が水銀燈にあげた人形を水銀燈があげた子は、大事にしてくれているだろうか」

水銀燈「知らないわよぉそんな事…」

烈「それが気になって私は…」

水銀燈「ま、少なくとも真紅は人形は大事にする子よぉ」

烈「そうか。それを聞いて安心した」
範馬刃牙(1) (少年チャンピオン・コミックス)
24: 2008/10/31(金) 02:21:37.22 ID:cwaqMKpuO
もうダメだ…新スレ入ったし寝そうだ

77: 2008/10/31(金) 11:29:23.53 ID:cwaqMKpuO
水銀燈「そんなに気になるのならnのフィールドから見に行くぅ?」

烈「nのフィールド?」

水銀燈「鏡はあるかしら?」

烈「鏡…広間にあったな。案内しよう」

水銀燈「ちょっと待ちなさいよ。私に歩かせる気?」

烈「?」

水銀燈「察しなさいよ…。ほら、抱っこしなさぁい」

烈「ああ、済まない。気が付かなかった」ヒョイ

80: 2008/10/31(金) 11:35:49.04 ID:cwaqMKpuO
烈「ここだ」

水銀燈「ふぅん…中華風だけど立派な鏡じゃない。じゃあ行くわよ」

ニュッ

烈「おおッ!?鏡の中に!」

水銀燈「これがnのフィールドよ」

烈「これは摩訶不思議な…」

スイーッ

水銀燈「ねぇ。どうしてあのボロっちい人形にそこまでこだわるのぉ?どこにでもある人形じゃない」

烈「ああ…あれはな。幼少の頃、母上からいただいたものなんだ」

水銀燈「そう…。そんなもの、どうして私にくれたのよぉ?すぐ真紅に送っちゃったけど…」

烈「水銀燈なら大切に可愛がってくれると思ったからな」

水銀燈「…悪い事しちゃったわねぇ」シュン

84: 2008/10/31(金) 11:43:10.68 ID:cwaqMKpuO
烈「私は構わん。あの人形も私に持たれているより、可愛がってくれる女の子の方が良いだろう」

水銀燈「…そう?あなたに人形も似合わなくはないわよ」

烈「ははは、私ほど人形の似合わん男はいないさ。真紅という子も人形が好きなんだろう?」

水銀燈「ええ。あの子は薔薇乙女の中でも生粋の人形好きだから」

烈「それはよかった。母上も喜んでくれているだろう」

水銀燈「え?あなたのお母様って…」

烈「…古い話だ。私は武に生きてきたからな」

水銀燈「…烈…」ギュ

85: 2008/10/31(金) 11:46:53.61 ID:cwaqMKpuO
烈「はじめて名前で呼んでくれたな」

水銀燈「…ふん。くだらない事言ってないの。ほら、着いたわよ」

烈「おお、ここか」

ニュッ

ストッ

水銀燈「さぁて、真紅はどこにいるのかしらぁ?」

烈「ここは…独歩氏の家か?なぜここに…」

水銀燈「ん?」

88: 2008/10/31(金) 11:53:30.89 ID:cwaqMKpuO
人形「」ボロ…

水銀燈「お腹が…殴られたみたいにへこんでる…」

烈「オオ…」フ…

水銀燈「…烈」

烈「オオオオォ…」ポロポロ

水銀燈「真紅ぅ…!!なぜこんな事をっ!?」

水銀燈「悲しまないで。大丈夫…私が仇をとってやるわぁ…!」

烈「待て…!復讐は駄目だ…」

水銀燈「あなたが悲しんでる姿を見て、黙ってられないわぁ!!」

91: 2008/10/31(金) 12:00:43.64 ID:cwaqMKpuO
独歩「なんだかあっちの部屋が騒がしいなぁオイ」

真紅「まったく…ゆっくり紅茶も飲めないのだわ」

独歩「ちょっくら見てくるぜぃ」スッ

真紅「待ってどっぽ。私も行くわ。抱っこしてちょうだい」


ガッシャアアアアン!!

真紅「きゃあ!?」

独歩「またかッ!??」


水銀燈「許さなぁい…真紅、許さないわぁ」

真紅「水銀燈!やはり来たわね…」

123: 2008/10/31(金) 14:45:28.09 ID:cwaqMKpuO
水銀燈「あの人形には殴られた痕があった…真紅のものではないわね」

真紅「人形…?あの襲ってきた子の事ね?やはりあなたの使いだったのね」

水銀燈「あんたねぇ、烈がくれた人形をボロボロにしたのは」

独歩「人形を倒したのは確かにオイラだけどよォ、あれが烈のだったとはな」

水銀燈「烈がどれだけ悲しんだかわかってるぅ?母様からもらった大切な人形をよくも…」

独歩「烈が来てんのか?…ッてうおっ!?」

水銀燈「ジャンクにしてやるわぁッ!!」シュババババ

125: 2008/10/31(金) 14:51:19.69 ID:cwaqMKpuO
真紅「独歩!」バッ

独歩「嬢ちゃん心配すんな。どきな、これくらい平気だ」

真紅「駄目よ。あなたを傷つけるわけにはいかないもの」

独歩「…ッ!」

水銀燈「ふふ…二人まとめてジャンクにしてあげるッッッ!!」シュババババ

真紅「くっ…!なんの…羽は手数は多くても決定打にはならないわ」

127: 2008/10/31(金) 14:56:59.70 ID:cwaqMKpuO
水銀燈「私の能力が羽だけだと思ってぇ?あなたって本当に…お馬鹿さぁん♪」

破ッ!!

真紅「突き…!?キャアッ!」ドグッ

独歩「今の動き、間違いねェ!中国憲法!!こいつのミーディアムが烈ってのはマジだな」

独歩「だが…来てるとしたら今どこに!?」


━━━━━━

烈「…おぉぉ…」ポロポロ

ギュッ

人形「」

130: 2008/10/31(金) 15:06:31.02 ID:cwaqMKpuO
水銀燈「ふふっ、手も足も出ないじゃなぁい?」

丹ッ
破ッ
掌ッ


真紅「~~~~~ッ!!」

独歩「眉間、人中、鳩尾、股間…!正確に正中線を狙って来るッ」

真紅「がはっ…」ザン…

水銀燈「とどめよぉ!アリスになるのはこの私ッ!」ガチ

真紅「…何…首の上に飛び乗って…!?」

独歩「嬢ちゃん!後ろに倒れろォオ!!」

水銀燈「無駄よッ」


水銀燈「  転  蓮  華  」

ぐるん

137: 2008/10/31(金) 15:13:56.31 ID:cwaqMKpuO
ゴキッ

真紅「~~~~」

水銀燈「終わりねぇ」ストッ

独歩「嬢…ちゃん」

真紅「」ぐらぁ…

水銀燈「さぁ…無様に倒れると良いわぁ。人形をジャンクにした報いよ」

真紅「…それは」ガッ

水銀燈「!?」

真紅「あなたがあの子を使いに使ったのが悪いんではなくて?」

水銀燈「馬鹿なッ…確かに頚椎は粉々になったはず…!」

真紅「あらよっ」かぽ

水銀燈「直前に球体関節を外したと言うの!?」

184: 2008/10/31(金) 18:49:51.22 ID:cwaqMKpuO
独歩「たくよォ、冷や冷やさせやがってぇ…嬢ちゃん、反撃だッ!」

真紅「ええ。どっぽ、おもいっきり吸い取るわよ。覚悟するのだわ」

独歩「おうよ。守りは必要ねぇ、構えな」

真紅「行くわよ、水銀燈」ぐぐっ

独歩「オ、オイラと同じ構え…何も教えずに…!」

水銀燈「ふん、氏にぞこない…!次こそローザミスティカ吐き出させてやるわぁ…!」

真紅「…シュッ!!」ダッ

水銀燈「速いッッッ!??」

ドキュ!!

186: 2008/10/31(金) 18:54:00.05 ID:cwaqMKpuO
水銀燈「!?重いッッッなんて重さッッッ」

真紅「ふんっ!!」ババババッ

ドガガガガ

水銀燈「ヒ、ヒイィィ!!」

独歩「正中線四連撃ッッッ!!」

水銀燈「…ぐ…」ガクッ

真紅「…無様ね。胴ががら空きなのだわ」ドカッ

水銀燈「レ、肝臓…!!がはぁッ」

192: 2008/10/31(金) 19:00:07.36 ID:cwaqMKpuO
水銀燈「…ぐ…あ…」ドサ

真紅「まだ終わらないのだわっ!」ダダッ

独歩「待てェッ!!」

真紅「どっぽ、何故止めるの!?」

独歩「相手を見てみな…」

真紅「水銀燈を?」

水銀燈「オゲ…ゲェェェ」ビシャビシャビシャ

独歩「ここで追撃するつもりか?お前さんは守る為に戦うんじゃなかったのかい」

真紅「…そうだったわ。私は…闘争心しか頭になかった…」


ガラガラ

烈「水銀燈、すまなかった…取り乱してしまった。もう大丈…ぶ…?」

水銀燈「オエエェェ…」ビシャビシャ

独歩「烈!」

烈「水銀燈ッ!何があった!?」ダッ

195: 2008/10/31(金) 19:02:11.03 ID:cwaqMKpuO
なかなかまとめて書けない…
また用事だ…

242: 2008/10/31(金) 22:41:00.25 ID:cwaqMKpuO
独歩「烈…おめぇさん来てたのか」

烈「独歩ッ!!」

水銀燈「ハァ…ハァ…れ、烈…手を出さないでちょうだぁい」

烈「しかし…!」

水銀燈「これは私の戦いよぉ…あなたは私に力を差し出せば良いの」

独歩「察してやんな」

烈「独歩…!!」

独歩「嬢ちゃん達には嬢ちゃん達の戦いがある。横槍なんて野暮な真似はできねぇよ」

烈「く…ッ!黙って見ていろと言うのかッッッ」

247: 2008/10/31(金) 22:47:23.31 ID:cwaqMKpuO
烈「無力ッ!未熟ッ!自分の事しか見えず、守るべき者の危機にも気付けなかったッ!」

水銀燈「…烈…」

烈「詫びようもないッ…ただ、水銀燈よ、勝ってくれ!!!」ポロポロ

水銀燈「任せときなさぁい。あんたにそこまで言われて負けたら、薔薇乙女の治れだわぁ」

ヌギ…ヌギ…

烈「おお…靴を…!!」

水銀燈「もう遠慮はしないわぁ。真紅、あなたは強い。全力で行かせてもらうわよぉ」グッ

真紅「あら、ようやく気付いたの?素足になったところで何が代わるというのかしら」グッ

252: 2008/10/31(金) 22:56:17.11 ID:cwaqMKpuO
独歩「前羽の構え…伝統空手が誇る絶対防御の構えだ…!」

水銀燈「無駄よぉ。たかが空手!素足になった中国拳法の前では無力ッ!」

フワッ…

真紅「飛んだ!?」

水銀燈「ふふ…その構え、上からの攻撃でも防げるのかしらぁ」

バキャ
ガシッ
ガコッ
グシッ

烈「上空から真下への連蹴り!連蹴り!!羽根を持つ水銀燈ならではの攻撃だッ!真紅もそれを捌ききっている!!」

真紅「甘いッ!あなたは伝統空手を甘く見すぎなのだわッ!!」ギョロ!!

独歩「さ…散眼…だとォ…!?」

260: 2008/10/31(金) 23:02:53.86 ID:cwaqMKpuO
真紅「いつまでこの攻撃を続けても入る事はないのだわっ!」

ガシッ
ガコッ
ガシッ

水銀燈「そうみたいねぇ…!なら!このさらに真上から振り落とす踵落としに耐えられるかしらぁ!?」ガバァ

真紅「裁いてみせるわッ!」ググッ


グサァッ!!

真紅「!??」グボ…

独歩「な…!?フェイント!?高く振り上げた右足を囮に、左足の爪先で咽をえぐりやがった…」

水銀燈「ふん…お馬鹿さぁん」

267: 2008/10/31(金) 23:10:38.84 ID:cwaqMKpuO
グサッ!!
ガキィッ!
ズボッ!!

水銀燈「破ァ!!」

ズボォォ

烈「咽にもろに入った…ここまでだ…」

真紅(馬鹿な…私が負ける…!?)

真紅(守るべきもの…どっぽ…)

ドサッ…

真紅「…倒れてる?私が…負けるというの…?」

水銀燈「…」スタ…

真紅「…参ったのだわ…ローザミスティカ…持って行くといいわ…」

水銀燈「真紅…あなたは強かったわぁ。あなたに足りなかったのは…」

真紅「わかっているわ…言われなくても…」

281: 2008/10/31(金) 23:49:27.87 ID:cwaqMKpuO
独歩「…」

真紅「私の守るべきもの…私のミーディアム…」

水銀燈「…」

真紅「どうか……抜け殻になった私を…彼のもとに…」

水銀燈「わかったわぁ…必ず」

真紅「どっぽとの絆だけは…守りたい…」

独歩「嬢ちゃん…」

真紅「やっとわかったわ……守り抜く事に比べれば、勝利など…なんと小さい事なの…」

真紅「どっぽ…」

独歩「お前さんはよく戦った。守りたいものを守りきった。よくやったぜ」

真紅「…抱っこしてちょうだい…」

独歩「…ほらよ」ギュッ

真紅「ああ…どっぽ…私の愛しいスーパーマン……」


カクン…

291: 2008/10/31(金) 23:56:34.81 ID:cwaqMKpuO
真紅「」スッ…

独歩「これが真紅のローザミスティカか…なんて綺麗なんだ。水銀燈、受け取ってやってくれ」

水銀燈「確かに、受け取ったわ。真紅の意志は私が受け継ぐッ!」スッ

独歩「見ろ真紅。お前さんの『守る為の戦い』を継いでくれるとよ」

独歩「守る為に戦い続けるのは難しいって言ったっけなァ。水銀燈の中で戦い続ける…見事にやり遂げたじゃねぇか」

烈「立派な戦士だった…」る…

水銀燈「私は必ずアリスになるわッ!今回のアリスゲームはもう止められないッ」

水銀燈「烈!最後まできちんと協力するのよ」

烈「うむ。必ず。約束しよう」

296: 2008/11/01(土) 00:00:43.44 ID:aV74tqqqO
雛苺「うよ!?」

花山「どうした?雛苺」

雛苺「うゆ…ヒナの姉妹の気配が二つ消えたの…」

花山「例のアリスゲームか」

雛苺「…真紅ぅ…金糸雀ぁ…」シクシク

花山「…雛苺…」ナデナデ

雛苺「かおる…やぁなのよ…なんで戦うの?皆仲良しじゃ駄目なの?」シクシク

花山「…」ナデナデ

309: 2008/11/01(土) 00:08:36.96 ID:aV74tqqqO
雛苺「もう真紅達に会えないのぉ…?」シクシク

花山「…」



ガラガラ!

木崎「失礼しやす!二代目、そろそろ支度を…」

花山「…」スクッ

雛苺「カオル?お出かけするの?」グスッ

花山「すぐ戻る。雛苺はここで待っていろ」

雛苺「いやーなの!ヒナも行くの!一人はやぁなのよ…」

花山「…」

木崎「二代目ッ!」

雛苺「カオル…」グイ

花山「…木崎。連れて行くぞ」

木崎「し、正気ですかッ!?」

雛苺「わーいなの!カオル大好きぃ!!」ヨジヨジ ポフッ

317: 2008/11/01(土) 00:18:00.47 ID:aV74tqqqO
ブロロロ…

木崎「二代目…どういうつもりなんですか、雛苺さんを出入りに連れて来るなんて」

雛苺「カオルと~お出かけ~~♪」

木崎「どう考えても危険なだけだッ!今回ばかりは言わせていただきやす!雛苺さんが大切なら…」

花山「木崎よ…」

木崎「はい」ビク

花山「雛苺はどういう訳か俺に懐いているが…俺がどういう人間かを知らない。
   隠し通す程俺は器用な男じゃねぇ…そして隠し通すのは懐いている雛苺に対して不義理だろう」

木崎「二代目…」

花山「懐いているからこそ連れて行く。俺がどういう男かを見せる。
   雛苺が危険に晒される事はない。俺が戦うからだ…」

木崎「二代目が雛苺さんを守ると…?」

花山「いや…俺は敵を潰すだけだ。守る戦いができる程綺麗な人間じゃねぇからな…」

321: 2008/11/01(土) 00:26:10.42 ID:aV74tqqqO
ブロロロ…ウウン…

ガチャ

バタン!!

木崎「着きやした」

雛苺「うゆー?ヒナあれ知ってるの!お船なのー!たくさーん!人もたくさーん!」

花山「木崎、雛苺を頼む」

木崎「…また一人で行かれるんですか。雛苺さん、ここで二代目を待ってましょう」

雛苺「えー!?嫌なのよ!ヒナもカオルと遊ぶの!」


花山「…」

ツカ…

ツカ…

ツカ…

326: 2008/11/01(土) 00:32:33.38 ID:aV74tqqqO
敵対ヤクザ「花山だァ!取れッッッ!」

バキュウ…ン

雛苺「え?」

花山「…」ツカ… ツカ…

雛苺「カオルどうしたの…?肩から血が出てるのよ!?」

木崎「あれくらい二代目にはなんともありやせん。それより、しっかりと見ていて下さい…」

雛苺「?」



敵対ヤクザ「お、おい…当たっただろ今…!?」

花山「…」ツカ…ツカ…

敵対ヤクザ「弾ァ…当たったじゃねぇかぁ!!」

ズキュン!!ズガン!!

花山「…」ツカ…ツカ…

敵対ヤクザ「ヒ…ヒィィィィッッッ!!!」

328: 2008/11/01(土) 00:35:54.78 ID:aV74tqqqO
敵対ヤクザ「…あ…あ…化け物…」ジョロロロ…

花山「…」ツカ…

ガシッ

敵対ヤクザ「あぁがぁ…あぁあ…!!」

メキョ…
メキ…
グギギィ…

敵対ヤクザ「」

グチャ

花山「…」フキフキ



雛苺「カ…オル…?」

333: 2008/11/01(土) 00:42:09.77 ID:aV74tqqqO
敵対A「うぁーー!!」

敵対B「なんなんだコイツぁ!?撃っても切ってもビクともしねぇじゃねえかぁッッ!」

敵対C「勝てる訳ねぇ…!勝てる訳ねぇよぉ…!!」

グチャ
メコォ
ぐしゃっ
メキッ

パンッッッ

し……ん

花山「…」


木崎「終わったな…氏体の山で一人立つ姿…。あれが二代目だ」

雛苺「…」

338: 2008/11/01(土) 00:46:33.00 ID:aV74tqqqO
花山「…」ツカ… ツカ…


木崎「良い喧嘩でやした」スッ

花山「…」ビキッ ガブガブガブ

雛苺「…」



花山「雛苺」

雛苺「…」

花山「…」

雛苺「痛そうなの…血が出てるのよカオル…大丈夫?」

花山「!!!」

340: 2008/11/01(土) 00:51:33.47 ID:aV74tqqqO
木崎(怯えて泣き出すかと思ったら…なかなか肝が据わってるな)

花山「ああ…なんともない」

雛苺「なんともなくないの…いっぱい血が出てるのよ?あっちの人達も痛そうなの…」

花山「…お前は」

雛苺「うゆ?」

花山「戦いに、慣れているのか」

雛苺「…ヒナは、作られた時からずぅっと戦わないとダメだったの。いっぱい痛い思いもしたのよ」

花山「…」

341: 2008/11/01(土) 00:55:59.43 ID:aV74tqqqO
雛苺「だから…戦いは見慣れてるの。嫌だけど…ヒナは戦わないと駄目みたいなの…」

花山「…」

雛苺「でも…どうして戦うの?ヒナは皆仲良しが良いのに…戦わないといけないのはわかるの。でもどうしてなの?」

花山「…戦う…理由…」

雛苺「ねぇ…カオルはどうして戦うの?」

花山「『道』だ」

雛苺「みち?」

344: 2008/11/01(土) 00:59:42.23 ID:aV74tqqqO
花山「戦う事が俺の『道』だ…お前にとってのアリスゲームのようにな」

雛苺「ヒナの『道』…」

木崎「…二代目」

花山「…喋り過ぎた。帰るぞ」

ブロロロ…ンゥ

348: 2008/11/01(土) 01:06:14.74 ID:aV74tqqqO
雛苺「ねぇカオル」

花山「なんだ」

雛苺「痛いの痛いの飛んでいけー♪」ナデナデ

花山「~…」

雛苺「えへへ。ヒナもいっぱいナデナデして貰ったから、お返しなの」

花山「…そうか」ナデナデ

雛苺「んふふ♪カオルのおててはおっきくてズシッてなって気持ち良いの」

花山「…」

雛苺「カオル、今日は連れて来てくれてありがとうなの…。カオルの姿、言葉で…ちょっとモヤモヤがなくなったのよ」

花山「そうか」

351: 2008/11/01(土) 01:10:37.05 ID:aV74tqqqO
ブロロロ…

木崎「お疲れ様でやした」

ガチャ

バタン

ヤクザA「二代目、お疲れっした!客人がお見えになってます!」

花山「客?」

刃牙「やぁ、花山さん。久しぶり」

357: 2008/11/01(土) 01:16:45.41 ID:aV74tqqqO
花山「刃牙…」

刃牙「いつ以来かな。相変わらず忙しそうだね」

花山「ああ…世間話をしにきたって面じゃなさそうだな」

刃牙「うん、悪いね急で…」

花山「いつでも良いぜ」

ぐにゃあ~…

刃牙「違うんだ。用があるのは俺じゃなくてさ」

蒼星石「…こんにちは」ペコ

花山「…!」

刃牙「俺の所に来たからさ。もしかしたらアンタのとこにも…って思ったんだけど」


刃牙「どうやらビンゴかな」

366: 2008/11/01(土) 01:31:33.83 ID:aV74tqqqO
刃牙「こいつがね…『姉妹達と戦いたいッ』て」

花山「…」ギロリ

蒼星石「…良い顔だ。見かけ倒しじゃない。強いね貴方は」

刃牙「へェ~…花山さんを初見でびびらないか。たいした根性だな」

花山「…」

雛苺「蒼星石、顔…ううん纏う雰囲気が変わったの……」

蒼星石「君こそ、良い顔になっている。君のマスターによく似た目だ」

373: 2008/11/01(土) 01:44:14.10 ID:aV74tqqqO
花山「どうするんだい…雛苺」

雛苺「聞かれるまでもないの。挑まれたらいつでもヤる。それがヒナの『道』なのよ」

花山「そうだな…済まなかった」


刃牙「だそうだ蒼星石」

蒼星石「…ああ…うれしい…。さぁ雛苺。すぐにでも」


花山「雛苺」

雛苺「うゆ?」

ビリィッ!!

花山「お前の背中にも背負うものがあるだろう。しっかりやってこい」

雛苺「す…ごい、入れ墨なの…大丈夫、ヒナは負けないのよカオル!!」


蒼星石「大層な塗り絵を披露した所で何が変わるんだい?」

雛苺「蒼星石はなんにもわかってないの。戦えば背負う物の重さがわかるのよッ!」グッ

378: 2008/11/01(土) 01:49:02.18 ID:aV74tqqqO
刃牙「さぁ、蒼星石。ぶっ倒して来い」

蒼星石「うん!」


花山「雛苺…ぶっ潰して来い」

雛苺「応!!なの!」


蒼星石「レンピカ!」

雛苺「ベリーベル!」

カッ!!!

383: 2008/11/01(土) 01:56:22.58 ID:aV74tqqqO
蒼星石「ヒュッ!!」ドリュッ

バシィ

蒼星石「な…顔面で蹴りをモロに…」

雛苺「…」ツー

蒼星石「構えを…とらないのかッ!雛苺!」


刃牙「ハハ…まるで花山さんだな」

386: 2008/11/01(土) 02:01:09.30 ID:aV74tqqqO
蒼星石「僕の攻撃が…ッ!」

バシィ!!
ガキッ!!

雛苺「…」のろぉ~…

蒼星石「軽いと言うのかッ!!」

ガシッ

刃牙「捕まった…!」

雛苺(たしかカオルはこうやって…!!)


ミシッ…ミシィ…!!

蒼星石「!?なんて握力ッ!!」

390: 2008/11/01(土) 02:06:56.66 ID:aV74tqqqO
蒼星石「~~~!!」

ガシッボカッグワキィッ!!

雛苺「くっ…」パッ

蒼星石「危なかった…下手をすれば握り潰される所だった…」

蒼星石「しかし…捕まらなければ恐るるに足りないッ!」

シュババババッ!!

雛苺「ちょこまかと…ッ!うっとうしいのー!」

蒼星石「もらったぁ!!」

グシ!!

花山「水月…!!」ギリ

395: 2008/11/01(土) 02:12:36.41 ID:aV74tqqqO
雛苺「うぐッ…!!」

蒼星石「下がった頭を利用して…」

スパアン!

蒼星石「前蹴上げ…!」

蒼星石「上がった顎に…」

チッ

蒼星石「手刀ッ!!」

蒼星石「崩れる体勢に合わせて…!!」

ガチィ!!

蒼星石「フック!!終わりだ…!」


雛苺「~…」トサッ

399: 2008/11/01(土) 02:16:08.15 ID:aV74tqqqO
蒼星石「力だけでは戦いに勝てないと言う事だよ、雛苺」

蒼星石「とどめだ。レンピカ…庭師の鋏を」

シャキン

蒼星石「呆気なかったね雛苺。ローザミスティカはいただくよ」

雛苺「…」

ザクッ

402: 2008/11/01(土) 02:22:01.92 ID:aV74tqqqO
花山「…」

刃牙「なにッ!?」

蒼星石「素手で…止められた!?」

雛苺「うにゅぅぅああ」ヌッ

蒼星石「うわッわッ!?鋏ごと…持ち上げられてる!??」ジタバタ

雛苺「甘いのよ、蒼星石。その驕りが命取りになるの」

ガッシ!!

雛苺「ねぇ蒼星石。アイアンクローって知ってる?」

406: 2008/11/01(土) 02:26:33.70 ID:aV74tqqqO
ミキミキミキィ…
ミシ…
ミシ…

蒼星石「うああ…うああああああああ!!!」ジタバタジタバタ

ミシ…
ミシ…

蒼星石「うぅあああ!氏ぬ…!氏ぬぅああ!!」

ミシ…



雛苺「まだやるの?」

410: 2008/11/01(土) 02:34:38.03 ID:aV74tqqqO
刃牙(まずいっ…顔面が破壊されるッッッ!)

蒼星石「…ぐ…!!」

蒼星石(まずいっ…なんとか逃れる方法は…!!)

蒼星石(!!鋏…そうか、鋏で…)

蒼星石「だああああッッッ!!」ブン


ザクゥッ!!!!
ボトッ

蒼星石「…!」ドサッ

雛苺「~~~!?」

蒼星石「…はぁ…はぁ…ふふ、雛苺…!片腕だと形勢逆転だね」


雛苺「まだやるの…」

413: 2008/11/01(土) 02:39:54.86 ID:aV74tqqqO
刃牙「腕を…切り落とした…だと…」


雛苺「…」のそ…

蒼星石「しょうっ!!」バキィ

雛苺「…」グラァ

蒼星石「らぁッッッ!!」ドカァ

雛苺「……」ぐぐぐぐ…

蒼星石「はは、なんだいその構えは?苦し紛れかな?ボディがガラ空きじゃないか」

雛苺「…」ぐぐ…

417: 2008/11/01(土) 02:43:34.29 ID:aV74tqqqO
雛苺「体重…かける…」ぐ…

蒼星石「もう降参するんだ!君に勝ち目はない!」ドカッ

雛苺「握力……かける…」ミシミシミシィ…

蒼星石「これ以上苦しむ必要はない!諦めるんだ!」バキィ

雛苺「スピードぉ!!」

ぐおおお

蒼星石「!?」

420: 2008/11/01(土) 02:47:38.35 ID:aV74tqqqO
ドグシャアアア

蒼星石「 」ブンッッッ  ドカッ ドシャッ

雛苺「…」

ツカ…

ツカ…

ツカ…

蒼星石(…なんて…パンチだ…)

ツカ…

ツカ…

雛苺「まだやるの?」グィ

蒼星石「…まだ…だッ…!」


ドグシャアアア!!

422: 2008/11/01(土) 02:50:19.44 ID:aV74tqqqO
蒼星石「  」

雛苺「まだやるの?」

蒼星石「…負けな……」

ドグシャアアア!!


雛苺「まだ…やるの?」

蒼星石「……ま…」

ドグシャアアア!!


刃牙(今多分参ったって言おうとしたよな…)

426: 2008/11/01(土) 02:55:10.72 ID:aV74tqqqO
蒼星石「    」

雛苺「まだやるの?」

蒼星石「    」

花山「…」スッ

雛苺「…カオル?」

花山「雛苺、おめぇの勝ちだ」ポン

雛苺「ヒナ…勝ったの!?……やったあぁなの!!」ピョン

刃牙「ふっ…参った…敵わねぇや……完敗だ…」

434: 2008/11/01(土) 03:02:35.82 ID:aV74tqqqO
雛苺「蒼星石…起きるの」ペチペチ

蒼星石「…?僕は…ここはどこだ…?マスターは?マスターはどこ?」オドオド

刃牙「ここに居るよ。…よく戦ったな、蒼星石」

蒼星石「そうか…僕は負けたんだね。ごめんねマスター…」

刃牙「謝るな!誇れ!良い戦いだったぞ、蒼星石!」

花山「ああ…良い喧嘩だった」

雛苺「蒼星石、とっても強かったのよ!!」

蒼星石「…みんな…」

436: 2008/11/01(土) 03:11:56.61 ID:aV74tqqqO
蒼星石「もう駄目みたいだね…どこも動かない…。最後の相手が君でよかったよ、雛苺」

雛苺「…蒼星石」

蒼星石「マスター、今までありがとう…貴方のおかげで、強くなれた」

刃牙「…ああ。君は強くなった」

蒼星石「花山さん…雛苺の…貴方の戦い方…いや、生き方か…。勉強になりました…」

花山「…」

蒼星石「雛苺……僕の…ローザミスティカを…君に…」

雛苺「任せるのよ…!」

蒼星石「最後に聞いて良いかな…なぜ最後まで苺わだちを…使わなかったの?手加減…?」

雛苺「誓って違うの。蒼星石は手加減して勝てる相手じゃないの。素手は…ヒナの『道』だからなのよ」

蒼星石「そ…よか…た……あ…」カク…

462: 2008/11/01(土) 10:00:21.13 ID:aV74tqqqO

蒼星石「  」スッ

雛苺「…蒼星石のローザミスティカ、確かに受け取ったのよ」スッ

刃牙「強い子だな。こんなに小さいのに」

花山「…ああ。雛苺は強い」

刃牙「花山さん、あんたに似てるよ」

花山「…」

雛苺「カオルー…」ヨジヨジ

花山「…よくやった。お前の『道』を見た」ナデナデ

雛苺「えへへ…でも…腕、取れちゃったの…ほら」

465: 2008/11/01(土) 10:08:49.25 ID:aV74tqqqO
花山「その傷は、蒼星石が生きた証…背負っていってやりな」

雛苺「証…ねぇ、蒼星石のミーディアム…?」

刃牙「どうしたんだい?」

雛苺「蒼星石をどうするの?」

刃牙「埋めてやろうと思う。花がたくさんある綺麗な場所を知ってるから…」

雛苺「じゃあ…。このヒナの片腕を、蒼星石と一緒に…」スッ…

刃牙「…わかった。手厚く弔っておくよ」

469: 2008/11/01(土) 10:15:14.25 ID:aV74tqqqO
trrrr

ピッ

花山「…」

雛苺「うよ?電話なの、カオル?」

花山「…本当か」

刃牙「…」ピク

花山「場所は?…わかった、すぐに向かう」

ピッ

雛苺「カオル、誰だったのー?ヒナも電話でお話したいのよー」グイ

刃牙「何かあったみたいだね」

花山「ああ……」

雛苺「うゆ?」

花山「…渋川剛気がやられた」

刃牙「渋川さんがッッッ?!」

473: 2008/11/01(土) 10:26:50.61 ID:aV74tqqqO
ピッ…ピッ…ピッ…

渋川「……」


ガチャ!!


刃牙「渋川さんッ!!」ダッ

花山「…」雛苺「…」

医者「静かに。大丈夫、命に別状はない」

刃牙「…よかった…!!」

花山「…おい、雛苺。隣に置いてある人形の残骸は…」

雛苺「…ギリ…!!第2ドール…金糸雀で間違いないの…!!」

477: 2008/11/01(土) 10:45:03.70 ID:aV74tqqqO
刃牙「渋川さんも薔薇乙女のミーディアムになっていたのか…」

雛苺「許せないの…!ヒナの大事な大事なお姉ちゃんを…!!」ギリ…ミシ…

刃牙「路上で渋川さん程の達人を倒して…金糸雀にもこの必要以上の破壊的な攻撃…」

花山「オーガ…」

刃牙「親父…まさか親父が絡んでくるとは…!!」

ガチャ…

独歩「ここか…渋川先生の病室は」

花山・刃牙「!」

485: 2008/11/01(土) 11:21:59.86 ID:aV74tqqqO
独歩「俄かには信じがたかったが…どうやら本当のようだなァ」

花山「独歩…その抱いてる人形は…もう事切れてんのか」

刃牙「…あんたも、ミーディアムだったのかい…」

独歩「おうよ。綺麗なもんだろう?真紅ってんだ」

雛苺「真紅ぅ……!!」ジワ…

独歩「嬢ちゃん…泣くなッ!!」

雛苺「ッ!」ビタッ!!

独歩「こいつはなァ、自分の守りたいものの為に戦い、守り抜いて氏んだ」

雛苺「…」

独歩「誇りこそすれ、泣く事は真紅の為にならねぇぜ」

雛苺「…そうね、ヒナ泣かないの」

487: 2008/11/01(土) 11:38:20.28 ID:aV74tqqqO
雛苺「よく戦ったのね、真紅。よく頑張ったの」

独歩「そうだ。それで良い。よォ真紅。妹が誉めてくれてるぜ」

真紅「   」カクン

雛苺「独歩に抱かれて幸せそうなのよ。きっと真紅は独歩が好きだったの」

独歩「…へっ。趣味が良いとは言えねぇな」

雛苺「真紅は誰に負けたの…?」

独歩「水銀燈。烈海王のドールだ」

501: 2008/11/01(土) 13:05:48.61 ID:aV74tqqqO
刃牙「烈さんまでアリスゲームがに一枚噛んでるのか」

雛苺「水銀燈、ついに真紅を倒したの…」


花山「雛苺」

雛苺「んゆ?なぁにカオル」

花山「負けられねぇな…」

雛苺「もちろんなのよッ!ヒナには背負ってるものがあるの!負けられないのよ!」

504: 2008/11/01(土) 13:12:32.24 ID:aV74tqqqO
━━━━━

ツカ…

ツカ…

勇次郎「ここか」

翠星石「ですぅ。ちょっと下ろすです鬼人間」

勇次郎「ふん」

ストッ

翠星石「この部屋の中に皆居るですか…」ピト…

雛苺『許せないの…!ヒナの大事な大事なお姉ちゃんを…!』

翠星石「…ッ!」

勇次郎「クス…ひよっこどもの慰め合いか。くだらねぇ」

翠星石「雛苺…。翠星石は…そこまでやるつもりはなかったですよ…」

506: 2008/11/01(土) 13:23:40.13 ID:aV74tqqqO
雛苺『ヒナには背負っているものがあるの!負けられないのよ!』

勇次郎「ぷっ…ハハハハハハ!愚か過ぎて言葉もねぇ!」

翠星石「鬼人間?」

勇次郎「あまっちょろい考えだ…戦いに不純なものを持ち込むッ」

勇次郎「上等な料理にハチミツをぶっかけるが如くッッッ!!」

翠星石「…そうかも知れねぇです…」

勇次郎「翠星石、奴らに教えてやれ」

ドカァッッ!!

翠星石「こらぁ!ドアを蹴り破るなですッ!鬼人間!」

508: 2008/11/01(土) 13:35:20.12 ID:aV74tqqqO
花山・独歩「!!!」

刃牙「お…親父ッッッ!!」

雛苺「翠星石!?」

ぐにゃあ~

勇次郎「よォ…邪魔するぜ」

翠星石「…」

雛苺「翠星石ッ!あなたが金糸雀をこんなにしたのッ!?」

翠星石「…」

雛苺「答えるのッ!翠星石!!」

翠星石「何を怒っているです?」

雛苺「!」

翠星石「翠星石はアリスゲームで勝った。金糸雀は負けた。ただそれだけの事…」

雛苺「何言ってるの!!」ギリ…

翠星石「それがお前の甘さです。純粋な戦いに、絆だの、情けだの、背負うだの…余計なものを持ち込むからお前は弱いッ!」

雛苺「…」ギリ…ミシ…ミシ…

513: 2008/11/01(土) 13:42:38.06 ID:aV74tqqqO
翠星石「今のチビ苺など喰う気にもならんです…」

雛苺「ヒナは負けないのよ!」

翠星石「良いですかッ!破壊に情はいらんです!情を捨てろッ!欲のままにッ!破壊を楽しめッ!ですぅ」

雛苺「…翠星石…どうしちゃったの」

翠星石「…ふん。帰るですよ、鬼人間。抱っこしやがれです」

勇次郎「…ふん。お優しい事だぜおめぇは…」スッ

翠星石「雛苺、次に会う時はお前も甘い事は言ってられないですよ。頃す気でかかってくるです!」

雛苺「逃げる気なの!?翠星石!」

勇次郎「…帰るぜ」

フッ

515: 2008/11/01(土) 13:46:02.35 ID:aV74tqqqO
雛苺「…カオル…抱っこ」

花山「…」ヒョイ

雛苺「ヒナは…翠星石の言葉なんて聞かないのよ。ヒナは自分の戦いを貫くの」

花山「そうか」

雛苺「それがヒナの『道』なの」

花山「それでいい。お前の好きなようにしたら良い」

雛苺「うゆ…カオル…」ぎゅ

532: 2008/11/01(土) 14:01:30.68 ID:aV74tqqqO
オリバ「…」ズズ…

オリバ「フンム…昼食後のコーヒーは格別デス…」

ニュ

雪華綺昌「…すごい身体…たくましいですわ」

オリバ「オウ!??どこから入って来たんデスか!?」

雪華綺昌「nのフィールドから…あなた様のたくましい身体をいただきに」

オリバ「…こんな小さなお嬢さんに挑まれたのは初めてデース…」

544: 2008/11/01(土) 14:11:25.68 ID:aV74tqqqO
雪華綺昌「私は、誇り高きローゼンメイデンの第7ドール、雪華綺昌。あなた様のお名前は?」

オリバ「私はオリバ。ビスケット・オリバ」スクッ

雪華綺昌「素敵なお名前ですわ。では早速ですが失礼します」シュッ

ガシッ

雪華綺昌「なっ!?防がれたッ!?」

オリバ「嬉しいね…ステーツではもう私に挑もうなどという者は居なくなってしまってね」

雪華綺昌「見かけによらず素早いですわ…」

オリバ「ならば打ってみると良い」

雪華綺昌「?」

オリバ「当たれば倒せると思うのならば、好きな所に打てばよろしい」ムキッ

雪華綺昌「屈辱ですわ…!」シュババババッ

570: 2008/11/01(土) 15:41:37.73 ID:aV74tqqqO
ズドドドド

オリバ「ん~…少しは期待していたんだが…」

雪華綺昌「き、効かない…?」

オリバ「残念だ。終わらせるとしよう」

ぐぐ…

雪華綺昌「待って…!待って下さい…!」

オリバ「んん?」

雪華綺昌「全力の攻撃をものともしないその身体…すばらしい…」
雪華綺昌「どうかあなた様の力を私に…!」

571: 2008/11/01(土) 15:48:23.05 ID:aV74tqqqO
オリバ「…では、私に薬指に口づけをしろと言うわけだ」

雪華綺昌「はい」スッ

オリバ「すまない」

雪華綺昌「…え…」

オリバ「レディにそんな悲しい顔をさせるのは胸が痛いのだが…私には愛する人がい」

雪華綺昌「えいっ」ピョン

オリバ「るッ!?」

ちゅっ

574: 2008/11/01(土) 15:54:00.09 ID:aV74tqqqO
雪華綺昌「これで契約は完了です」

オリバ「…やれやれ。参った…マリアに顔向けできないな」

雪華綺昌「おお…」ググ

雪華綺昌「すごいです…!!凄まじい腕力が…!」グググ

雪華綺昌「…これなら…どのドールにも負ける気がしない…!!」


オリバ「ノー、違う違う。逆三角形の作り方はそうじゃない。こうダ」ぐっ

雪華綺昌「こうですか?」ぐっ

579: 2008/11/01(土) 16:02:07.36 ID:aV74tqqqO
オリバ「うーん…細身な女子の身体では恰好つかないな」

雪華綺昌「…ポーズは別に良いです…さっそくアリスゲームを始めます!」

オリバ「アリスゲーム?何の説明もないとまったくついていけないのだが…」

雪華綺昌「オリバ様は後ろで見ていてくだされば結構です。あ!あそこにドールが…」

オリバ「あれは…オーガ?と小さな女の子が二人…緑色のドレスと紫のドレスか…?」

585: 2008/11/01(土) 16:08:38.79 ID:aV74tqqqO
グシャアッ!!


ツカ…

薔薇水晶「う……あ…」

ツカ…

翠星石「…」

ツカ…

薔薇水晶「お…おに……」

翠星石「どうしたですぅ?ローザミスティカが欲しくないですか?」ニタァァ

薔薇水晶「ひ…」

翠星石「シュッ!!」ビュオッ

グシャアッ!!

ボトッ…



雪華綺昌「首が…取れ…」

588: 2008/11/01(土) 16:14:54.57 ID:aV74tqqqO
オリバ「オウ、ユージロウ!久しぶりです。この人形はユージロウのですか?」

勇次郎「近づくなッ!」

オリバ「…?」

勇次郎「喰われるぜ」

翠星石「…」ズル…ズル…

オリバ「倒した相手の首を掴んで歩く姿…オーガの雰囲気を纏っている…!」


雪華綺昌「お姉様…アリスゲームを始めましょう」

翠星石「お前は雪華綺昌?これはこれは…願ってもないですぅ」ゆらぁ

591: 2008/11/01(土) 16:18:49.22 ID:aV74tqqqO
>>589>>590
すまんいっぺん氏んでくる

598: 2008/11/01(土) 16:26:08.01 ID:aV74tqqqO
雪華綺晶「倒した相手の首を掴むなんて…スマートじゃありませんね」

翠星石「所詮は壊れた人形ですぅ。どう扱おうが些細な事です」

雪華綺晶「さぞかし力をお持ちのようですね。私と純粋な力比べをする勇気はありますか?」スッ

翠星石「クス」

雪華綺晶「?」

翠星石「クスクスクス…挑発するにせよ幼稚な…。良いです、やるですよ」スッ

ガシッ

ググググググ…ッ!!

600: 2008/11/01(土) 16:30:43.69 ID:aV74tqqqO
雪華綺晶「…オッ…!オッ…!?」

グググ

雪華綺晶「~~~~~~~~~!!!」

翠星石「オイオイ…ですぅ。この程度で翠星石に力比べを挑んだですかぁ?」

雪華綺晶「くっ!!」

ググ…

ピシッ…ピシッ…

パキィン!!

雪華綺晶「ああああああっ!!」

605: 2008/11/01(土) 16:39:38.87 ID:aV74tqqqO
翠星石「脆いですぅ…」

雪華綺晶「腕が…腕が…」ワナワナ

翠星石「薔薇水晶の方がまだ手応えがあったですよ?反撃の一つでもして見ろですぅ」

雪華綺晶「腕が…」

翠星石「…ふわぁぁ。興ざめです…やめたです。帰るですよ鬼人間」クルッ

雪華綺晶(隙…ッ!後頭部に蹴りが入れば勝機はあるッ!)

雪華綺晶「だぁオッ!!」バッ

翠星石「…」ピタッ!!

翠星石「しつけぇ野郎ですぅ…シャッ!」バシュッ

パキィン…

610: 2008/11/01(土) 16:46:46.27 ID:aV74tqqqO
翠星石「さ、帰るですよ鬼人間。とんだ時間の無駄だったですぅ」

勇次郎「翠星石…目覚めたなッ!」

翠星石「目覚め?」

勇次郎「心の内に住まう鬼が目を醒ました」

翠星石「なぁに言ってやがるですか。そんなもん翠星石の心にはおらんです!とっとと抱っこするですよ」

勇次郎(その証拠に…他人の命を終わらせる事になんの躊躇もしなくなった)

ヒョイ

翠星石「楽チンですぅ。やっぱり鬼人間の肩は座り心地が最高です!」

勇次郎「そうか?たまには一人で歩けよ」

翠星石「やーですぅ♪」

620: 2008/11/01(土) 17:19:58.35 ID:aV74tqqqO
━━━━━━━

水銀燈「烈…」

烈「どうした?」

水銀燈「あなたには感謝しているわぁ」

烈「な、なんだいきなり」

水銀燈「はじめは契約で口にキスしたり、足に指輪嵌めたりめちゃめちゃだったけど…」

水銀燈「あなたがミーディアムでなければ、真紅には勝てなかったわぁ。…ありがと、烈」

烈「感謝しているのはこちらだ。私も多くの事を学んだ。武を考えさせられた」

水銀燈「…そう。もうすぐ、ここに雛苺が来るわ」

烈「雛苺?姉妹の一人か。何故わかる?」

水銀燈「さぁ?ただ何となく…勘かしらね。だから…この戦いが終わった時、私が立っていられるかはわからないから…」

烈「水銀燈、それは違う。勝て。真紅の意志を継ぐんだろう」

水銀燈「えぇ、そうね…ごめんなさぁい。少し、不安だったのよ」

623: 2008/11/01(土) 17:32:42.04 ID:aV74tqqqO
花山「今日は抱っこは良いのか」

雛苺「良いのよ。今日は自分の足で歩いて行くの」

ツカ…ツカ…
トテトテトテトテ

ツカ…ツカ…
トテトテトテトテ

水銀燈「来たわよォ」

烈「うむ」

ツカ…

雛苺「水銀燈、待っていてくれたのね」

水銀燈「ええ。待ちくたびれちゃったわぁ。まさかあんたとヤる事になるとはねぇ」

雛苺「…水銀燈、なんだか雰囲気が変わったの。強くなったの」

水銀燈「あんたこそ。良い顔ね。隻腕になってでも闘う目は氏んでない…腕は、前の戦いで?」

雛苺「そうなの。この傷は友の生きた証なのよ。そして腕は友と一緒に眠ってるの」

水銀燈「でかくなったわ。さぁ、すぐに」

雛苺「始めるの」ペキ…パキ…

628: 2008/11/01(土) 17:40:21.82 ID:aV74tqqqO
彈ッ

水銀燈「吩ッ」ダシュ

雛苺「さすがに速いのッ…!」バッ

水銀燈「まだまだよォ…私の足に耐えられるかしら?」ドリュッ

雛苺「掴みさえすればすぐにでも潰せるのッ!」

ガシッ
バキャ
ザクゥ
バシッ

花山「強ェ…!!」

烈「水銀燈の連蹴りをまともに喰らってビクともしないッ!?」

629: 2008/11/01(土) 17:46:47.01 ID:aV74tqqqO
ドカッバキッグキッ

水銀燈「真紅を倒した真上からの連蹴りッ!反撃の隙も与えないわ!」

雛苺「ぐっ…その足を掴みさえすれば…なの…!」

水銀燈「ハイィッ!!」

グサァ!!

花山「喉に入った…!」

雛苺「ぐはッ…くぅ…片手じゃ捌ききれないの…」

630: 2008/11/01(土) 17:51:45.76 ID:aV74tqqqO
水銀燈「情けはかけないわ…!雛苺、すぐに終わらせるわよォ!」
ガシッ

烈「転蓮華の構えッ!いかん!!」

水銀燈「転蓮華」グイッ

ぐる…

水銀燈「え?」

雛苺「…うぬぅううなのォォ」グググ…

烈「頚の力だけで持ちこたえてると言うのかッ!?」

雛苺「やっと捕まえたのよ、水銀燈の足…!」

ガシィ

632: 2008/11/01(土) 17:56:14.59 ID:aV74tqqqO
雛苺「えいッ!!」ブンッ

ドカァ!

水銀燈「きゃあッ!!」

雛苺「えやぁ!!」ブンッ

ドカァ!

雛苺「もう一回ィなの!!」ブンッ

ドカァッ!!

水銀燈(片手で振り回されてる…!!なんて握力…!?)

665: 2008/11/01(土) 20:03:47.95 ID:aV74tqqqO
水銀燈「ぐあ…!!」

水銀燈(いけない…このままじゃ…!!)

水銀燈(次床にたたき付けられた時が勝負ッ!!)

雛苺「うにゅああああッ!」ブンッ!!

ドカッ

水銀燈(今ッ!!)

水銀燈「ぜあァッ!!」ビュッ!!

ズボッ

雛苺「!?爪先を床に突き刺したの!?く…抜けないのっ!」グイグイ

水銀燈「破ッ」バサササッ

烈「おお!雛苺の強靭な握力から抜けたッ!」

667: 2008/11/01(土) 20:09:14.52 ID:aV74tqqqO
水銀燈「よぉくもやってくれたわね雛苺ッ!」

雛苺「…」グググ

花山「またあの構え…!!己の道を通すのか雛苺…!」

雛苺「体重かける」ググ…

水銀燈「打たせなければ良いだけの話ッ!!せいッ!」

グボッ

雛苺「握力…かける…」ミシ…ミシ…

水銀燈「怯まないッ」ドガガガ

雛苺「スピード…いこーる…」

水銀燈「避け…ッ」

雛苺「破壊力なのォオ!!」

ドゴォ!!!

水銀燈「~~~~!!がっ…は…」

671: 2008/11/01(土) 20:16:42.42 ID:aV74tqqqO
水銀燈「くっ…」バサササッ

雛苺「一撃で…仕留められないのッ!」

水銀燈「そのパンチは確かに強大!!しかし…連打が効かないのが弱点なのよォ!!」

雛苺「逃がしたのッ…」

水銀燈「そして…そのパンチに本来の力はないッ!あなたは体重が圧倒的に足りない!」

雛苺「!」

水銀燈「ましてや片手!そのパンチはあまりに不完全ッ!!」

雛苺「ならば…何度でもッ次のパンチを出すだけなのよッ!!」ミシミシミシィ…!

パキッ

雛苺「な…」

675: 2008/11/01(土) 20:26:40.01 ID:aV74tqqqO
雛苺「そんな…ヒナの拳が…」

パキィン…
ボロ…ボロボロ…

雛苺「崩れていくの…」

花山「自分自身の握力に…耐え切れなかったのか…!!」

雛苺「構わないの…!!粉々になっても…ヒナは道を貫くのッ!」
グググ…

水銀燈「情けは不要!!行くわよぉ!」

雛苺「うぬぅああなのォ…」ミシミシミシ

雛苺「体重…かける…」

水銀燈「破ッ」グサッ

雛苺「握力…かける…」ボロ…

水銀燈「吩ッ!!」グサッ

682: 2008/11/01(土) 20:33:47.71 ID:aV74tqqqO
花山「…!!!」ミシミシミシ!!

烈(花山…!!止めたくて仕方ないのだろう…!)

花山「……!!!!」ミリ…ムリ…

烈(だが…!!自身の喧嘩士としての血がそれを許さない…!!)

烈(花山自身の言葉ッ…『喧嘩を止める権利を持つのは勝者のみ!!!』)

花山「~~~~!!」ブシュウッ

烈「な…花山の拳から血がッッ!!」

688: 2008/11/01(土) 20:40:14.65 ID:aV74tqqqO
雛苺(大丈夫なのよ、カオル…!)

雛苺(この一撃に…ヒナの命を乗せるッ!)

雛苺(散っていった友の命も!信じてくれるカオルの命も!)

ボロ…

雛苺「スピード…いこぉる…!!」

ピシッ

水銀燈「はぁああああッ!!!!」

雛苺「破壊力ゥゥゥゥウ!!!!」

691: 2008/11/01(土) 20:44:10.73 ID:aV74tqqqO
ドガァアアアアアッ!!

グボ…






烈「どうなった…!」

花山「…雛苺」

烈「雛苺の拳がッ…ないッッ!!!」

692: 2008/11/01(土) 20:51:56.51 ID:aV74tqqqO
雛苺「……」

水銀燈「…倒れなさい、雛苺」

雛苺「……」

水銀燈「両腕をなくし…もうただの一発も残っちゃいないでしょう」

雛苺「ヒナは………倒れない。氏んでも降参はしないのよ」

雛苺「それが…ヒナの『道』だからッ!」


花山「……」ギリ

烈「立派だ…雛苺ッ」る…

花山「……」


水銀燈「わかったわ…私も全力であなたに止めを刺すッ!」カッ

ビュオッ

グシャア………

697: 2008/11/01(土) 21:01:57.68 ID:aV74tqqqO
烈「…決着だ。よくやった水銀燈」

水銀燈「烈…」ふら…ふら…

ドサ…

烈「よくやったぞ水銀燈…!」ギュ

水銀燈「はぁ…はぁ…雛苺…強かった…」

烈「そうだな…強敵だった…。立ったまま絶命している…」





花山「…」

雛苺「    」

花山「良い…」

雛苺「    」

花山「良い、喧嘩だった」

ギュ

706: 2008/11/01(土) 21:15:48.43 ID:aV74tqqqO
花山「烈…水銀燈…」

烈「…」

花山「少し外してくれ」

烈「…うむ。水銀燈、傷の手当てに行こう」

水銀燈「え…でもまだローザミスティカが…」

烈「後で良い。漢には、見せられぬものがあるんだ」ヒョイ

水銀燈「…わかったわぁ」




花山「雛苺…」


雛苺『カオルは薔薇の匂いが好きなのね』

雛苺『カオル、心配しないで。ヒナはどこにも行かないの。カオルとずぅーっと一緒にいるのよ』

雛苺『カオル登りー♪』


雛苺「    」

花山「立派な侠立ちだ…」

713: 2008/11/01(土) 21:28:12.48 ID:aV74tqqqO
水銀燈「痛ッ…」

烈「染みるか?少し我慢するんだ」ポンポン

水銀燈「はぁ?痛い訳ないじゃないこのぐらい」

烈「そうか、すまなかった」ポンポン

水銀燈「~~…」



ツカ…

ツカ…

花山「…」

烈「…済んだのか」

花山「悪ぃな、気を遣わせて…」

716: 2008/11/01(土) 21:31:39.35 ID:aV74tqqqO
花山「水銀燈」

水銀燈「…」

花山「これを受け取ってやってくれ。雛苺のローザミスティカだ」スッ

水銀燈「ええ。確かに受け取ったわ」ギュ

花山「…」スクッ

烈「もう行くのか」

花山「ああ…雛苺を送ってやる」

花山「…」

ツカ…ツカ…



水銀燈「男の背中って、ああいうのを言うのね…」

烈「あの男の背中は特別だ。雛苺もあの男に抱かれて幸せだろう」

726: 2008/11/01(土) 22:17:24.34 ID:aV74tqqqO
翠星石「…」スゥ~~~…ピタッ

翠星石「…」ゆるぅ~~…ピタッ

翠星石「…」ゆるぅ~~…ピタッ

翠星石「やッ!!!!」バッ

ビシャビシャビシャッッ





翠星石「…雛苺が脱落したみたいです」

勇次郎「残るドールはお前と…」

翠星石「水銀燈…あいつ、翠星石の予想を覆しやがったですッ!」

勇次郎「…身に覚えがありすぎるぜ。くっくっく」

翠星石「?どうしたですか鬼人間」

勇次郎「いやぁ、楽しくてな。水銀燈と言ったか。そいつはお前を腹いっぱいにしてくれるだろうよ」

734: 2008/11/01(土) 23:00:37.19 ID:aV74tqqqO
水銀燈「とうとう…ここまで来てしまったわねぇ」

烈「ついに決着か…ッ」

水銀燈「長い年月を超えて続いてきたアリスゲームも、ついに終わりを迎えるのね…」

烈「真紅や雛苺、蒼星石の意志を閉ざすわけには行かないな。勝つしかないぞ、水銀燈」ポン

水銀燈「そんな事わかってるわぁ。…ねぇ烈、最後の戦いに行く前に…喉が渇いたわ」

烈「そう思ってな…いいものを用意しておいた」

水銀燈「あぁら、気が利くじゃない。私の好みは教えたかしら?乳酸菌飲りょ…」

烈「わが中国文化が誇る薬茶だ。まむしや鰻、薬草などを煎じたもので、味はヒドイが 精がつく」コトッ

水銀燈「…」

烈「飲むといい。私自らが淹れた茶だ」

水銀燈「足で?」

烈「足でだ」

736: 2008/11/01(土) 23:06:18.77 ID:aV74tqqqO
水銀燈「あなたらしいと言えばそれまでね…」ハァ

烈「…気に入らなかったか?」シュン

水銀燈「ふん。しょうがないわね。飲んであげるわよぉ」

烈「そうか。それは良かった」ニカッ

チビ…

水銀燈「まっず…」

烈「ハッハ。味はひどいと言っただろう」

水銀燈「なぁんでそんなものを勧めるのよ…」クス

水銀燈(こんなやりとりも…今日が最後ね。いよいよ終わる…)

740: 2008/11/01(土) 23:12:42.99 ID:aV74tqqqO
独歩「よォ嬢ちゃん。いよいよらしいな」

水銀燈「真紅のミーディアム!来てくれたのねぇ」

独歩「あったりめぇよ。コイツも喜んでるだろうぜ」

真紅「    」

水銀燈「真紅ぅ…あなたも来てくれたのね。必ず勝つわ。そして…アリスになるッ」

独歩「嬢ちゃん、また強くなったな…前に会ったときよりも格段に良い顔してやがるぜ」

水銀燈「ええ。私の中には親友(とも)が居るもの」

744: 2008/11/01(土) 23:23:57.92 ID:aV74tqqqO
刃牙「やぁ…遅くなっちゃって」

水銀燈「蒼星石のミーディアム…。雛苺の意志は、私が継いだわ」

刃牙「みたいだね。君の視線からすこしだけ蒼星石の力を感じるよ」

水銀燈「そう。あの子も良い人間に巡り合ったものね」

刃牙「…水銀燈、相手は強い。とてつもなく」

水銀燈「そんな事承知の上よ。私は負けないわぁ」

刃牙「良い眼だ。闘志があり、背負うものがあり、守る強さもある。言うことはなにもなさそうだ」

752: 2008/11/01(土) 23:47:23.85 ID:aV74tqqqO
ヨタ…ヨタ…

渋川「遅くなりましたな…」

烈「渋川老ッッ!!お怪我をなさっているのに…!!」

水銀燈「まさか…金糸雀の…」

渋川「そうじゃよ。カナが目指しとったアリスを見たくてな…」

水銀燈「その腕に抱いているのはまさか…金糸雀…」

渋川「…この子は良い子じゃった。この年寄りに本当に優しくしてくれて。…水銀燈さん」

水銀燈「…」

渋川「期待しております」ペコ

水銀燈「…負けないッ!!負けないわぁッ!!」ぞわ…




翠星石「クスクス…相変わらず甘ったるい連中ですぅ」

水銀燈「!!!」

761: 2008/11/02(日) 00:07:28.23 ID:+/vy07JIO
翠星石「お前…誰です…?」

水銀燈「はぁ?おかしくなりすぎて眼も見えないのかしら?」

翠星石「蒼星石…?真紅…?」

水銀燈「…翠星石」

翠星石「その目は…蒼星石ッッ!!!!」

水銀燈「そう…あの子も私の中よ。共に戦うわぁ」

翠星石「…」

勇次郎「聞く耳を持つなッッ!!」

翠星石「鬼人間…そうだったです。戦いに不純なものを持ち込んではいけないッ」

翠星石「蒼星石は甘いですぅ。だから雛苺なんかに不覚を取った…」

水銀燈「彼女達の戦いは気高かったわ。あなたのような単なる破壊とは違う」

翠星石「ほざけですぅ!!純粋な戦いを教えてやるですッ!!!」

ぐにゃあああああ

770: 2008/11/02(日) 00:20:05.57 ID:+/vy07JIO
翠星石「…さぁ」スタ…

水銀燈「…ええ」スタ…


独歩「なんて穏やかな表情で近づきやがる…」

刃牙「不謹慎かも知れないけど…とても……綺麗だ…」

烈「…美しい」



カッ

水銀燈「っ吩!!!」ダッ

翠星石「っしゃあ!!!!」シュッ

ドシャ
ガキッ
ボカァ
ドキュ!!!

779: 2008/11/02(日) 00:39:39.78 ID:+/vy07JIO
独歩「…!!速いッ!!!目で追うので精一杯だ…」

烈「水銀燈ッまさかオーガのドールと互角に戦えるほどとは…ッ!!!」

刃牙「…強いッッ!!!」


ガチィ!!
ブシャ!!
ゴシャ!!

バッ!!!!

水銀燈「ああ…気持ち良いわぁ…良い感じに温まってきた…」

翠星石「互角ぅ~?クスクス…お前らは勘違いしているですッッ!!!」

782: 2008/11/02(日) 00:46:37.88 ID:+/vy07JIO
水銀燈「手を抜いてたとでも言うつもり?」

翠星石「あまり失望させるなですぅ…準備運動にもなりゃしねぇです」

水銀燈「…構えもしないで…舐めんじゃないわよぉッ!」バッ

翠星石「ヂャッ!!!」


メキィ!!

水銀燈「~~~~~!!!」ゴロゴロゴロ…ズドン

刃牙「た、ただの順突きが…まるで親父だッ…!」

783: 2008/11/02(日) 00:53:14.52 ID:+/vy07JIO
水銀燈「…強いッ…!まさかこれほどとは…」

ツカ…

ツカ…

翠星石「…水銀燈」グイ

水銀燈「きゃあ!?か、髪を掴むなんて…!!あなた、薔薇乙女の誇りも忘れたの…?」

翠星石「誇り?それが戦いに必要なんですか?」ガシッ

花山「額を掴んだ…!アイアンクローかッ」

水銀燈「く…」

翠星石「おらよ、ですぅ」
メキメキメキメキメキィ!!

水銀燈「いやぁああああああああ!!!!」ジタバタ

791: 2008/11/02(日) 01:00:09.98 ID:+/vy07JIO
水銀燈「く、くだけ…ッ!!ぐああああ…!!!」ジタバタ

翠星石「ふん…所詮こんなもんです。戦いに不純物を持ち込んだ結果…」

グイッ

花山「なんてやろうだ…片手で掴んだまま持ち上げやがった…」

水銀燈「がぁ!!」ガシッ

翠星石「なッ!?」

水銀燈「…雛苺ォ!潰してやるわよぉ!!」

メキメキメキメキメキィ!!!

翠星石「ぐあ…なんて握力…してやがるですか…ッッ!!」


水銀燈「~~~ッッ!」グググ…

翠星石「~~~ッッ!」グググ…

795: 2008/11/02(日) 01:05:33.29 ID:+/vy07JIO
水銀燈「~~~~ッッ」

翠星石「~~~~ッッ」ガクッ

勇次郎「!」

花山「翠星石が膝を…!たたみ掛けろッッ!!」

水銀燈「うあああああ!!!」グググ…

翠星石「い…いやぁ…!!!」ジタバタジタバタ

水銀燈「潰れろォオ!!」グッ!!

翠星石「…どああ!!」
ドグォ

水銀燈「…う…!!」

花山「あ、あの体勢から蹴りが出るか…!!」

801: 2008/11/02(日) 01:17:41.32 ID:+/vy07JIO
翠星石「ふふ…良いですぅ…熱くなって来たですぅ!!」ゆらぁああ

水銀燈「…嬉しそうな顔しちゃって…」

翠星石「ふふ…水銀燈、自分の顔を鏡で見やがれですぅ」

水銀燈「!?」

翠星石「い~い顔で笑ってやがるですよ…!!」

806: 2008/11/02(日) 01:21:29.86 ID:+/vy07JIO
水銀燈「馬鹿なッッ…」

翠星石「さぁ続きです…スィドリーム!!!」

ズガァァアン!!!

水銀燈「ッッ!」サッ

水銀燈「な、なんて巨大な蔦…!!これじゃあまるで大木ッ」

翠星石「逃げ回る隙間も与えないですぅ」

ズガァァアン!!
ズガガガガ!!!

水銀燈「くっ…地面を割って追って来るッ…!!!」

810: 2008/11/02(日) 01:28:23.07 ID:+/vy07JIO
翠星石「ハハハハハッ!!捕まえる所じゃねぇ、一瞬で粉々ですぅ!!」

水銀燈「無理ッ…避け切れなッ」

翠星石「潰れろですッッ!!」

水銀燈「~~~!!」

ズガガガガ

水銀燈(なに…!身体の中で何かが…叫んでる!?)

水銀燈(…レンピカ!)

水銀燈「レンピカァ!!!」

818: 2008/11/02(日) 01:36:47.75 ID:+/vy07JIO
ズバァ!!!

ぐら……ズシィン…


翠星石「庭師の鋏…!」

水銀燈「蒼星石の意志が今…」

水銀燈「『あんたをヤッちゃえ』って…」シャキン

翠星石(蒼星石…お前まで翠星石の敵なのですかッ…)

翠星石「面白い…やってみたらどうです?」

翠星石「シャオラッ!」ボッ

水銀燈「…」スッ

刃牙「目を閉じたッ!アレをやる気かッ!?」

823: 2008/11/02(日) 01:42:32.21 ID:+/vy07JIO
翠星石「もらったです!!」グオオオ

ピッ 水銀燈「ッだァ!!」

くるんッ

翠星石「なッ…カウンターからの胴回し回転蹴り!」

ピッ 翠星石「甘いッ…!」

くるんッ

ズガアン!!

水銀燈「………ッ」

ザン…

827: 2008/11/02(日) 01:53:35.53 ID:+/vy07JIO
水銀燈「ハッ!?」ガバッ

翠星石「…」

水銀燈「気絶したの…私がッ!」

翠星石「まだくたばるんじゃねぇです…」

水銀燈「…くっ!」

翠星石「ふんッ!」ダダダッッ

水銀燈「速いッ!受け切れないッ!」

ドガァ!

水銀燈「きゃあッ!…速い!受けが間に合わない…!」グッ

翠星石「しゃッ!」シュババ

水銀燈「ぐあッッ…!」ドサ…

829: 2008/11/02(日) 01:57:07.22 ID:+/vy07JIO
水銀燈「速い…しかも一撃が重いッとてつもなくッ!どうすれば良いのぉ…!」

翠星石「無様にいつまでも倒れてると…次が飛んでくるですよッ」

水銀燈「無様…ですってぇ!…」

真紅『無様ね、水銀燈』

水銀燈「真紅ッ!」ガバッ

スゥー…

翠星石「前羽の構え…です!?」

832: 2008/11/02(日) 02:04:18.29 ID:+/vy07JIO
翠星石「何かと思えば…!構えを変えた所で速さが間に合わなければ意味がないですッ」シュババ!!

水銀燈「あんたは…伝統空手を甘く見すぎよぉ!」

バチバチバチィ!!

翠星石「捌かれた!?」

水銀燈「それだけじゃないわぁッ!ガードを弾かれてんのよ!」

ダッ

水銀燈「ずりゃああッ!!」

ドンッッ!!

翠星石「~…!!」ドサッ…

独歩「綺麗な正拳突きだッ!決まった…もう起きられねぇ」

833: 2008/11/02(日) 02:09:00.32 ID:+/vy07JIO
翠星石(こいつら…に…負けたくねぇです…!アリスになりたい……ッ!)

翠星石(負けられないですッッ!!)

ムク…

水銀燈「!」

翠星石「負けられねぇですッッ!」ガバアアアッ


刃牙「ああっ!あの構えは…!親父の本気の構えッッ!!!」

グニャアアアア…

勇次郎「さぁ…鬼が目覚めたぜ」

841: 2008/11/02(日) 02:17:28.62 ID:+/vy07JIO
ビリビリビリィッッ!!

翠星石「…ッッ!」ぐぐ…グググ…

翠星石「あぁ!!」ぐわっ!!

水銀燈「鬼の面相…」

水銀燈「…同じ事よ。前羽の構えで受けてやるわぁ」

翠星石「…ッッ!」ブシュアッ!!

水銀燈「拳のスピードで身体が…消えたッ!?」

翠星石「うああぁぁッッ!!」ブンッッ

水銀燈(これを…受けられるッッ!?)

ぐしゃっ

845: 2008/11/02(日) 02:23:13.24 ID:+/vy07JIO
勇次郎「もう…誰にも止められんッッ」

水銀燈「なんて速さ…見えなかった…!!次も受けられるかわからないッッ!」

翠星石「次?はっ!どうやって受けるつもりですぅッッ!?ハハハハハッ!!!」

水銀燈「ふん、1回目に受け…………え?」ズキッ

水銀燈「………私の腕は?」

水銀燈「腕が…私の腕がない…」

水銀燈「うあああああああああああ!!!!!」

翠星石「ハハハハハハハハハハッッ!!」

850: 2008/11/02(日) 02:29:51.20 ID:+/vy07JIO
翠星石「次で終わりですぅッッ!!」グググ…

水銀燈「ぐ…あ…ああぁ…」

翠星石「水銀燈…さよならですぅ」ググ…


刃牙「鬼が…哭いてる…」


翠星石「蒼星石…真紅…雛苺…金糸雀…さらばです…」グ…

烈「水銀燈ォォオ!!」

855: 2008/11/02(日) 02:37:30.55 ID:+/vy07JIO
水銀燈「烈ッッ!?」

水銀燈「…そうだわぁ…私にはまだ烈の両足が残ってる!!」

水銀燈「残りの命すべて削ってでも…戦い抜いてやるわッッ!!」

水銀燈「私のミーディアム…!力を貸してッッ!!」


烈「?!」

独歩「指輪がッ真紅が負けて光らなくなった指輪がッッ!」

渋川「また光っとる…!!熱い…!!」

刃牙「腕全体が焼けるようなッ!!」

烈「足がッッ焼けるッッ!!」

863: 2008/11/02(日) 02:46:28.95 ID:+/vy07JIO
翠星石「うりゃああああ!!!!」ブシャアアッ!!!

水銀燈「はああああああ!!!!」バッ!!

グシャアアアアア!!

翠星石「翠星石のッ勝ッッ」

水銀燈「足はもう一本あんのよぉッッ!!!」シャッ!!

ドカァアアアアアア…!!!

870: 2008/11/02(日) 02:51:49.96 ID:+/vy07JIO
翠星石「……ッッ」

水銀燈「ああッ…」ドサッ


翠星石「あ…あ…」


刃牙「鬼が…」

勇次郎「消えた…」


翠星石「あぁぁ………」
ガクッ
ドサッ……


水銀燈「勝った…」

烈「水銀燈ッ!!」

水銀燈「烈…勝ったわぁ…!」ギュ~~…

烈「ああ!よくやった!よくやったぞ水銀燈!!」

878: 2008/11/02(日) 03:01:26.58 ID:+/vy07JIO
翠星石「…私は…」ジワ

翠星石「なにもかもなくしたです…」

翠星石「勝つ為に…絆も…情も…誇りも…なにもかも捨てたのにッ…」ぽろぽろ

翠星石「…もう翠星石には…なにもない…」ぽろぽろ

水銀燈「それは違うわぁ」

翠星石「水銀燈…」ぽろぽろ

水銀燈「私達はみんなこのアリスゲームで何かを得たわ。誇り、闘志、絆、優しさ…そしてあなたは強さ…」

水銀燈「どれとして単独で完璧なものはない。それぞれが補い合って、一つになってこそ完璧なのよ」

翠星石「水銀燈…」

水銀燈「誇りなさい。あなたは完璧を構成するための重要な要素を完成させた。私一人では絶対に勝てなかったわ」

886: 2008/11/02(日) 03:12:33.28 ID:+/vy07JIO
翠星石「…うっ…うっうっ…」

水銀燈「さぁ、もう泣かないの…顔をあげなさい」

翠星石「水銀燈…今までごめんなさいです…」

水銀燈「…良いのよ。皆もわかってくれてるわぁ」


勇次郎「へッ…俺は帰るぜ。せいぜい大団円を楽しんでくれ」スタ…

翠星石「待つです、鬼人間!」

勇次郎「あん?」

翠星石「…感謝してるですよ。お前の事は忘れんですぅ」

勇次郎「…」スタ…スタ…フッ


翠星石「さぁ水銀燈…もうやり残した事はねぇです。ローザミスティカを…」

水銀燈「わかったわ…お疲れ様、翠星石」

翠星石「…ありがとう…お姉ちゃん…」

翠星石「   」スッ

水銀燈「…おやすみなさい」ギュ

891: 2008/11/02(日) 03:19:50.60 ID:+/vy07JIO
水銀燈「…ローザミスティカは揃ったわぁ」

烈「よかったな、水銀燈…」

水銀燈「…あなたのおかげよ…感謝してあげるわぁ」

烈「…うむ。私もだ。感謝している」

水銀燈「ちょっとぉ…何泣いてるのよぉ情けなぁい」

烈「水銀燈こそ…!!」

水銀燈「…ふん。さぁ、抱っこしなさぁい。私はもう起きられないのよ」

烈「最後の抱っこになりそうだな…」

水銀燈「そういう事言わないのぉ!悲しくなるじゃないの…!」ぽろぽろ

烈「…すまん」

水銀燈「いよいよアリス…じゃあ行くわぁ。ありがとう烈。…………好きよ」ちゅっ

烈「~~~!!」




烈「…消えた………」

896: 2008/11/02(日) 03:28:50.58 ID:+/vy07JIO
水銀燈「お父様…」

ローゼン「来たか…よく頑張ったね」

水銀燈「はい…!」

ローゼン「全部見ていたよ。完璧な少女とは…水銀燈が翠星石に言った通りだ。私から言う事はなにもない」

水銀燈「…え…?」

ローゼン「水銀燈も…中にいる姉妹達も、すでにアリスだと言う事だよ」

水銀燈「すでに…アリス…」

ローゼン「そう、全員がアリスだ…。」

水銀燈「ありがとうございました、お父様。私達は皆、成長出来ました」

ローゼン「そうだね。これからどうするつもりだ?」

898: 2008/11/02(日) 03:34:23.84 ID:+/vy07JIO
水銀燈「一度だけ、頭を撫でていただけますか…?」

ローゼン「一度と言わず、いつまでも居て良いんだよ」

水銀燈「いえ…行きたい所があるのです…」

ローゼン「…そうか。私は止めない。おいで水銀燈」

水銀燈「お父様…」

ローゼン「…よく頑張った」ナデナデ

水銀燈「お父様…!」ぽろぽろ

ローゼン「さぁ、行きなさい。淋しくなったらまたいつでも来たら良い」

水銀燈「はい…ありがとうございました」












ローゼン「…」ぽろぽろ

902: 2008/11/02(日) 03:40:36.17 ID:+/vy07JIO
烈「あれから一週間…」

烈「…淋しくなったな」

烈「指輪も無くなった…今思えば、夢だったのかも知れないな…」

烈「水銀燈…君は本当にここに居たのだろうか」

水銀燈「失礼ねぇ」

烈「ッ!?」

水銀燈「あなたもう忘れたの?ついこないだまで一緒に居たじゃなぁい」

烈「ハハ…水銀燈」

水銀燈「あなたが淋しそうだから…もう一度来てあげたのよぉ。感謝しなさぁい」

烈「…」スゥー

水銀燈「え!?ちょ、ちょっと待ちなさい!!」

烈「水銀燈復活ッッ!!水銀燈復活ッッ!!水銀燈復活ッッ!!水銀燈復活ッッ!!水銀燈復活ッッ!!!」

水銀燈「~~~~!!」

910: 2008/11/02(日) 03:47:50.88 ID:+/vy07JIO
刃牙「…今日もきちまったよ、蒼星石」

刃牙「お父様には会えたかい?」

刃牙「姉妹達は元気にしてるか?」

刃牙「…また会いたいな」

お墓「~~~ッッ!!!~~~ッッ!!!」

刃牙「ハハハ…君の声が聞こえるような気がする」

刃牙「じゃあまた…次は花でも持ってくるよ」

スタ…スタ…スタ…

ドカァッ!!

蒼星石「ぷはぁッッ!!生き返っていきなり氏ぬかと思った~…うわ!?棺の中に雛苺の腕入ってる!気持ち悪ッ!」

蒼星石「あ、待ってよマスター!!」タッタッタ…

922: 2008/11/02(日) 03:56:33.15 ID:+/vy07JIO
雛苺「カオル~!!」

花山「…ッッ!!雛苺!?」

雛苺「カオル、ただいまッ!」

花山「…なぜ…??」

雛苺「ただいまなのよ!お帰りなさいは?」

花山「あ、ああ…お帰りなさい」

雛苺「ただいまっ♪会いたかったのよーカオル!」ギュー

花山「…どうして…」

雛苺「んっとねぇ、水銀燈がナデナデした後に行きたい所があるってお父様に!」

花山「??刃牙に事情聞くか…」

雛苺「カオル登り~♪♪」ヨジヨジ

花山「まぁ…後にするか…」なでなで

雛苺「カオル、ヒナの匂いまだ好きー?」ニコニコ

花山「ああ…好きだ」

927: 2008/11/02(日) 04:03:42.18 ID:+/vy07JIO
渋川「…すぅ…すぅ…」

看護師「あら…?渋川さん今日はお人形抱いてないわね」

渋川「…すぅ…」

看護師「まぁ良いわ。次の回診の時に聞きましょ」


金糸雀「♪」ぴょこ

金糸雀「…おじいちゃん、ただいまかしらー」

渋川「む…ん?カナ…?」

金糸雀「おじいちゃんっ!会いたかったかしら!」

渋川「おお…カナ…ワシにもついに迎えが…」

金糸雀「違うかしら!本物かしらー!ほら起きておじいちゃんっ!ただいまかしらー!」

渋川「カナ…カナ?治ったのか?」

金糸雀「そうかしらっ!聞いて欲しい話がいっぱいあるかしらぁ!」

渋川「オ…オオオオ…カナ…」ぽろぽろ

931: 2008/11/02(日) 04:09:53.90 ID:+/vy07JIO
真紅「…どっぽ…」

独歩「おッ!?し、真紅…生き返ったのか!?」

真紅「愛しい私の…スーパーマン…会いたかったのだわ…」じわ…

独歩「どうしてッ!?よく帰って来たなぁオイ!」

真紅「どっぽ…グス…抱っこしてちょうだい…」ぽろぽろ

独歩「お、おう。いくらでもしてやるぜ。ほら」ヒョイ

真紅「もっとギュッとしなさい…!」ギュー

独歩「…しょうがねぇなぁ…」ギュッ

936: 2008/11/02(日) 04:19:55.76 ID:+/vy07JIO
勇次郎「……………」

翠星石(あの鬼人間、何黄昏れてやがるですか…あ!翠星石がいなくなって淋しいんですねきっと)

翠星石(後ろから声かけて驚かせてやるですぅ)ソロ…ソロ…

翠星石「やい、鬼人間!」


翠星石「…って、あれ?いないです…キャ!?」ヒョイ

勇次郎「…帰って来たのか」

翠星石「ですぅ。淋しかったですかぁ?」ニヤニヤ

勇次郎「ふん。それは貴様だろう」

翠星石「はぁ!?そんな訳ないだろです!お前が淋しいだろうから来てやったです!」

勇次郎「言ってろ。ほらよ」ポス

翠星石「…やっぱり鬼人間の肩は座り心地良いですぅ。ねぇ鬼人間」

勇次郎「あ?」

翠星石「ただいまですぅ」

勇次郎「…ああ」

938: 2008/11/02(日) 04:23:40.50 ID:+/vy07JIO
保守、支援thxでした。長くなってすまん…2スレ丸々はやりすぎた。反省してる。
ローゼンちゃんと書ききるの初めてだけど、ハルヒより全然難しい。
またなんか書くから、次回作もよろしくお願いします。
ありがとうございましたッッ!!!

939: 2008/11/02(日) 04:24:38.90 ID:6X5icGQ00
乙と言っておこうか

940: 2008/11/02(日) 04:24:53.12 ID:tlsKdgBvO
乙~!
お休み!

958: 2008/11/02(日) 04:34:11.22 ID:+/vy07JIO
雪綺華晶はオリバみたいになりました。終わり

964: 2008/11/02(日) 05:02:54.47 ID:LR3HDhfS0

引用: 翠星石「やい、鬼人間!」 part2