1: 2015/12/22(火) 03:15:22.022 ID:KOvG4PGtd.net
口裂け女「大丈夫よ、電話くらいで成仏させられないわよ」

メリーさん「本当なの…?」ブルブル

プルルルル プルルルル

メリーさん「ひっ!」ビク

口裂け女「………まさか」

メリーさん「寺生まれの人だ…私氏んじゃうよう…」

口裂け女「あんたもう氏んでるでしょ」

メリーさん「そうだけど…でない方がいいよね…?」

プルルルル プルルルル ガチャ

メリーさん「!?!?」

口裂け女「どうやら無視はできなさそうね…」

寺生まれ『よう、俺はTっていうんだけどよ、そこは…××丁のコンビニがあるとこか』

メリーさん「ぁ…ぁぁ…まって…まっ!!」ガクブル

プツッ ツー ツー

メリーさん「どうしようどうしようどうしよう…」オロオロ
妖怪アパートの幽雅な日常(27) (シリウスコミックス)
4: 2015/12/22(火) 03:29:03.897 ID:KOvG4PGtd.net
男「何やってんだ?お前」

メリーさん「あの…電話が…寺生まれが…」

男「寺生まれ?」

口裂け女「私…キレイ?」

男「ちょっと黙ってて」

口裂け女「………」

メリーさん「逆探知されて…寺生まれがもうすぐ来るの…」

男「ったく、そのスマホ貸せよ」

メリーさん「え……」

男「いいから早く!」

メリーさん「はい…」

男「うおおおおおお!!」モゾモゾ

メリーさん「わっ!あなたも幽霊なの?」

男「あぁ…まぁ俺は…」ゴニョゴニョ

メリーさん「え?」

男「……んげちらし」

7: 2015/12/22(火) 03:35:42.881 ID:KOvG4PGtd.net
メリーさん「??」

男「妖怪チンゲチラシだよ!!何度も言わせんな!!」

メリーさん「あー……」

男「ほらよ、これで探知はされねぇ」モジャ

メリーさん「あ…ありがと…」

男「ともかくここは直ぐに去った方がいい」

メリーさん「でも電話が使えないと移動が……」

男「はぁ?歩けばいいだろ」

メリーさん「そんなに高等な幽霊じゃないから無理だよ…」

男「………はぁ、背中に憑け」

メリーさん「え、いいの?」

口裂け女「あんたどっかで見たことあるような……」

男「気のせいだろ、ほらよ」

メリーさん「ありがとう…」スー

男「とりあえず俺の家行くか」

9: 2015/12/22(火) 03:41:48.659 ID:KOvG4PGtd.net
メリーさん「お邪魔します」

口裂け女「なんかボロい家ね、なんか出そう」

男「お前が言うな」

メリーさん「ここは安全なの…?」オドオド

男「あぁ、チンゲでジャミングしてるからな、やつらにも雑魚い地縛霊程度にしか思われないだろうよ」

メリーさん「よいしょ、とにかくありがとうなの」スー

男「にしても……」

メリーさん「?」

男「最近のメリーさんはスマホ使ってんだな」

メリーさん「最近は色んな幽霊が使ってるの」モジャ

男「でもなぁ、それもう使えねーぞ?」

メリーさん「………」

男「壊していいか?」

口裂け女「………」ギロ

男「怖い顔すんなよ洒落になってねーぞ、別に成仏させようってんじゃないぞ」

11: 2015/12/22(火) 03:49:57.130 ID:KOvG4PGtd.net
男「俺も一応ガラパゴス携帯だけど持ってんだ」モジャ

メリーさん「……?」

男「こっちを新たな霊媒体にしたらいかが?って提案だ」

口裂け女「………」

メリーさん「……いいの?」

男「別にほぼ使ってねーしな」

口裂け女「私が新しいのをぱくってきた方が…よくない?」

男「そういう事してると直ぐ消されるぞ」

口裂け女「……」

メリーさん「うん…わかった、それ使う」

男「ほらよ」

メリーさん「ありがと……なの」スー

男(ひとまずこれでなんとかなったな……)

12: 2015/12/22(火) 03:58:40.940 ID:KOvG4PGtd.net
メリーさん「……!」

男「お?」

メリーさん「のろのろだけど動けるの…!」ユラユラ

男「やっぱ古い携帯の方がよく馴染むみたいだな」

口裂け女「……へぇ、マスク変えようかしら…」

男「で、お前はどうすんだよ」

口裂け女「ん」

男「この町の幽霊じゃないだろ?何しに来たんだ?」

口裂け女「あんたには関係ない…」

男「いいや、そういうわけにはいかねぇ」

口裂け女「………?」

男「俺妖怪だけど、ゴーストバスターズもやってるんでね」

メリーさん「!?」

口裂け女「………!!」バッ

男「落ち着け落ち着け、霊力を出すな」

14: 2015/12/22(火) 04:07:18.708 ID:KOvG4PGtd.net
メリーさん「ゴ、ゴーストバスターズって……」

男「俺らが相手にしてんのは八尺様とかくねくねとかそういうタチの悪い連中だけだよ」

口裂け女「………」

男「ま、メリーさんは低級だから何もしないけど」

メリーさん「………」ホッ

男「あんたはちょい話が変わってくる、割と厄介な属性の霊だからな」

口裂け女「ふん、それで成仏でもさせる気?」

男「ま、それはお前の目的次第だ」

口裂け女「………」スッ

男「やめといた方がいいぜ?俺の能力はサポート向きだけど、ここは俺のテリトリーなんでね」モジャ

口裂け女「………はぁ、今日はついてないわね」

男「話は聞くぜ?」

口裂け女「別に大した目的はないわ…ただ幽霊を探してただけよ…」

男「ほう?」

15: 2015/12/22(火) 04:16:03.203 ID:KOvG4PGtd.net
口裂け女「最近どこも住みにくくてね…どこからともなくお祓いだの浄化だの…」

男「………」

口裂け女「それで考えてたのよ、誰かと組めば…って」

男「そんで力をつけて、都市伝説にでもなる気か?」

口裂け女「ふん……成仏させられないくらいになればそれでいいわ…」

男「とんでもなく考えの浅い行動だな」

口裂け女「………」ギロ

男「考えてみろ、成仏させられないくらい?確かにその辺の神主や寺の坊主なら弾けるかもしれねぇがな」

口裂け女「………」

男「目立てば目立つ程さっきの電話のやつや俺みてーな本職に結局成仏させられんだよ」

口裂け女「じゃあどうしろっていうのよ」

男「それは知らね」

口裂け女「……はぁ?」

男「ま、その目で見て、自分で考えて行動するんだな」

口裂け女「何よそれ……」

16: 2015/12/22(火) 04:20:40.908 ID:KOvG4PGtd.net
男「そんじゃ、鍵開けとくから適当にくつろぐか出てくか好きにしてくれ」

メリーさん「あ………」

男「おっと、メリーさんは……まぁ憑いてきてもいいか」

メリーさん「メリーでいい……」

男「ん、了解」

口裂け女「ちょっと…」

男「ん?」

口裂け女「目で見て行動すりゃいいんでしょ?」

男「あぁ」

口裂け女「じゃ、私も憑いてくわ…」

男「別にいいけどこれから行くのゴーストバスターズ支部だぞ?」

口裂け女「え」

メリー「え」

17: 2015/12/22(火) 04:26:40.220 ID:KOvG4PGtd.net
男「ちわーす」ガチャ

爺「!!!」

女「あーーー!!男!!」

男「どうも、ご無沙汰してました」

爺「ったく、急に消えるから肝が冷えたわい」

女「ふん!別に心配なんて」

男「自分なりに色々考えてたんですよ」

爺「ま、ええわい、今はそれどころではないんじゃ」

男「え?」

爺「………というか後ろの女性は?」

口裂け女「………はじめまして」

メリー「………っ」ペコ

男「あぁ、メリーさんと口裂け女」

爺「口裂け女!?!?」

女「ちょっと!!何憑れこんでんの!?」

18: 2015/12/22(火) 04:32:36.405 ID:KOvG4PGtd.net
男「話せば長くなるんですが…」

爺「ま、ええわい、仕事の話をしよう」

男「あ、はい」

女「姦姦蛇螺よ……」

男「え?」

爺「最近のう、あやつが力をつけてるという話を聞いたんじゃ」

男「力をつける…?あいつは確か場所を移し替えるお祓い方法で逆に弱ってるって話では?」

爺「それがのう、恐らくある山から動いてないんじゃ」

男「………」

メリー「あ、あの…」

男「ん?」

メリー「かんかん…ってなんですか?」

男「かんかんだら、えーっとこれって話してもいいっすよね?」

爺「うむ」

19: 2015/12/22(火) 04:42:56.565 ID:KOvG4PGtd.net
男「昔な?ある村の山に人食い大蛇がいたんだよ」

メリー「………」

男「んでそいつに退治に何故か霊力がある巫女さんを使ったんだ」

男「酷い話だよな、大蛇に女の子一人だぜ?つーか動物タイプの妖怪は俺ですらキツイってのに…」

メリー「それで…?」

男「あぁ、結論からいうと巫女さんは大蛇を倒せなかったんだ」

メリー「………」

男「さらに酷いことに村人はなぁその巫女さんを達磨にして生贄にするかわりに村の安全を大蛇に頼んだんだ」

男「当然霊力のある巫女を食えることにご満悦の大蛇はそれを承諾したんだ」

メリー「ひどい……」

男「で、姦姦蛇螺は生まれてしまったんだ」

メリー「………」ゴクリ

口裂け女「それって…相当やばいんじゃないの?」

男「まぁな、だから霊力が薄まるように封印したんだろうな」

爺「一時封印が解かれかけたらしいがのう」

男「でもそれは解決済みだろ?」

爺「うむ………」

21: 2015/12/22(火) 04:52:40.890 ID:KOvG4PGtd.net
男「んでも力をつけるってどういうことだ…?」

爺「それは現場にいかんとどうにも…」

男「今すぐ行きましょうよ」

爺「うむ、そもそもお主がおらんから話が進まなかったんじゃぞ」

男「あ、すんません……」

爺「まぁええわい、準備出来次第向かってくれ」

男「今回は誰と?っていうか場所はわかってるんで?」

爺「ええい、資料に目を通すんじゃ」

男「すんません、久々すぎて手順がどうにも」パラパラ

女「ねぇ」

男「ん?」

女「あんた何やってたのよ…」

男「あー…爺さんから聞いといて」

女「はー!?支部長!!知ってたんですか!?」

爺「だって聞かれなかったんだもん」

22: 2015/12/22(火) 04:59:30.198 ID:KOvG4PGtd.net
男「さて、と行ってきます」

爺「うむ、十二分に気をつけるんじゃぞ」

男「大丈夫ですって」

女「……はい、これ」

男「何これ」

女「お守り」

男「ぎゃああああああああ!!」

女「みたいなもんよ!別に本当のお守りじゃないってば!」

男「なんだ、ありがとな」

爺「……ところで」

男「ん?」

メリー「………」

口裂け女「行ってらっしゃい」

爺「こやつらは……成仏させなくて大丈夫なのか?」

男「あー、口裂け女は一応見張っといてください、あとメリーは俺の携帯に憑いてるんで連れてきます」

爺「ふむ、了解したぞい」

23: 2015/12/22(火) 05:07:37.056 ID:xNLCkS5Md.net
男「出勤してすぐ大仕事かぁ」

メリー「あの…」

男「ん?」

メリー「あの人たちも…幽霊なの?」

男「あぁ、女の方はそうだけど爺さんは違うよ」

メリー「すごいね…幽霊と人間が普通に…」

男「ま、そのうちメリーもあんな感じになるさ」

メリー「……ふふ」

男「結構遠いな、電車使うか」

メリー「電車…!」

男「乗ったことない?」

メリー「うん…幽霊になってからは一回も」

男「しっかり憑依してないと普通に置いてかれるから気をつけてね」

メリー「うん……」スー

24: 2015/12/22(火) 05:21:27.840 ID:xNLCkS5Md.net
男「さて、とここらで仲間と落ち合う事になってたが…」キョロキョロ

メリー「……うしろ!」クイクイ

男「え?」

女侍「………」シュッ

男「うおっ!?二重螺旋チンゲ!」ガギギギ

女侍「ふむ、中々」

メリー「………」ブルブル

男「挨拶にしては殺気こもりすぎだろ!」

女侍「一つ、君はこの仕事を大幅に遅れさせている。二つ、姦姦蛇螺は生半可ではない。従って一回斬っておきたかった」

男「あんたが妖刀属性の…」

女侍「女侍だ、よろしく頼む」

男「……チンゲチラシ属性の男です」

女侍「うん、話は聞いている、面白い能力だ」プルプル

男「笑いを堪えるのやめてもらえますか」

25: 2015/12/22(火) 05:28:58.506 ID:xNLCkS5Md.net
女侍「噂を聞く限りあの山の麓で何か良からぬことが起きたらしい」

男「ふむ」

女侍「まったく、人間なんぞに封印を任しておくからこんなことに……」

男「俺らは封印とかできませんけどね」

女侍「……こほん、ともかく向かうぞ」

男「山に?村に?」

女侍「まずは村だ、何が起こってるのか確かめねばならん」

男「んじゃ、潜入は任せてください、チンゲチラシの特権ですから」

女侍「……その必要は無いかもしれん」

男「え……?」

メリー「………」ブルブル

26: 2015/12/22(火) 05:36:31.782 ID:xNLCkS5Md.net
男「なんだこの有り様は……」

女侍「随分と寂れている、何があったんだ…」

男「姦姦蛇螺ってテリトリー内しか移動できないんですよね?」

女侍「あぁ、少なくとも過去の文献ではそうだ、しかし……」

男「幽霊や地縛霊すらいないとなると、何が起こったのかわからねーな……」

女侍「人の気配はあるか?」

男「……………」ブンブン

女侍「……そうか」

男「ただ家の中にチンゲを送り込んだが、嫌な感じがするな」

女侍「嫌な感じ?」

男「家の雰囲気は慌てて人が逃げたような、そんな感じだ」

28: 2015/12/22(火) 05:45:43.288 ID:xNLCkS5Md.net
女侍「ふむ、仕方ない、山に行くしかないな」

男「えー?ここで一晩越した方がよくないですか?」

女侍「いや、これは異常事態だ、少なくとも現状把握だけでもしておきたい」

男「出くわしたら?」

女侍「斬る」

男「脳筋ですね、作戦はあるんですか?」

女侍「一応姿形からシミュレーションはしていたが…」

男「が?」

女侍「これは私の予想だが恐らく奴は文献よりも腕が多い」

男「で?」

女侍「君のサポートが無ければ多分倒せないだろうな」

男「で、作戦は?」

女侍「君がサポートをする、私が斬る、以上」

男「うわぁわかりやすい」

30: 2015/12/22(火) 05:51:13.957 ID:xNLCkS5Md.net
女侍「それと、その女の子は連れて行かない方がいい」

メリー「!」

男「でもここに置いていくのも危険かと」

メリー「……っ」コクコク

女侍「いざというとき守れるのか?」

男「まぁ、そこは大丈夫ですよ」

女侍「……変なとこだけ自信満々だな」

男「んじゃ、いきますか」

女侍「あぁ」

メリー「………」ギュ

男「心配すんな」

女侍「………!」ピク

女侍「入り口だけでこれか」

男「こりゃ大仕事になりそうだ」

31: 2015/12/22(火) 05:57:03.751 ID:xNLCkS5Md.net
男「なんか、封印されてるって感じの山ではなさそうですね」

女侍「確かに、歩道らしきものはあるな」

男「ん」

女侍「どうした?」

男「あっちっぽいですね」

女侍「ふむ、便利だな君は」

男「まぁ超優れた感みたいなもんですけど」

チリンチリン

男「!」

女侍「………」カチャ

メリー「?」

女侍「気づかれたのか…?」キョロキョロ

男「……うーん今はまだなんとも」シュルシュル

33: 2015/12/22(火) 06:01:31.201 ID:xNLCkS5Md.net
女侍「何をやっている」

男「チンゲ結界ですよ、向こうも張り巡らしてるみたいなんで一応ね」

女侍「ふむ…」

男「でもおかしいですね」

女侍「何がだ?」

男「恐らくあいつのテリトリーは最早山の麓まで広がってると思うんですよ、村を見るに」

女侍「………」

男「でもこのタイミングで鈴……うーん」

女侍「どうする…?」

男「とりあえず結界を張ったところまで行きましょう」

女侍「………」キョロキョロ

チリンチリン

男「………」

メリー「………」ブルブル

36: 2015/12/22(火) 06:06:38.225 ID:xNLCkS5Md.net
チリンチリンチリンチリン

女侍「………随分と進んだが、鈴の音しかこないな」

男「………」シュルシュル

メリー「……怖がりすぎて疲れて…」

男「!」

チリンチリンチリンチリンチリンチリンジリジリジリ

女侍「!!」チャキ

男「………」シュルシュル

女侍「何故来ないんだ…」

男「………」

女侍「どうした?」

男「どうやら……本人に聞けそうですよ」

姦姦蛇螺「…………」ガシャガシャガシャガシャ

女侍「う……わ」

メリー「………っっっっ!!!!」ゾワ

37: 2015/12/22(火) 06:12:04.148 ID:xNLCkS5Md.net
姦姦蛇螺「………っ!……っ!」ガシャガシャガシャガシャ

チリンチリンチリンチリンチリンチリンチリンチリン

女侍「あいつ……出られないのか?」

男「………」

メリー「うぅぅぅ」ガクブル

男「姿が違う…!」

女侍「なに…?」

男「明らかにパーツが足りてないんです」

姦姦蛇螺「……に……っ……ろ…」ガシャガシャガシャガシャ

男「!」

姦姦蛇螺「ウゥッオオオッボォオエエエ!!!」グニュルン

女侍「なに……!?」

男「………しまった、そういうことか!」シュルシュルシュルシュル

女侍「おい!どういう……」

39: 2015/12/22(火) 06:21:48.889 ID:xNLCkS5Md.net
男「あの話ですよ!!少年達が封印を解きかけた!」

女侍「……!」

男「なんで少年達が無事だったかって!あいつは今本気じゃない!恐らく遊びの状態があれだ!!」

姦姦蛇螺「エゥゥウッグウウウウッッッ!!!アァアアアアアア!!!!」

女侍「ぐっ…!うるさ…」

男「女侍さん!あいつの胴体が揃う前に早く斬ってください!!」

女侍「あ…あぁ…!」シュッ

姦姦蛇螺「ソウ?来ちゃうの?」ギョロ

女侍「!」ゾクッ

男「女侍さん!?」

姦姦蛇螺「ソウ…折角…ソウ食べなきゃ…ソウ…折角…」ガシッ

女侍「ぁ……」クラッ

男「まずいまずいまずい…!」シュルルッ

40: 2015/12/22(火) 06:28:35.264 ID:xNLCkS5Md.net
男「うおおおおお!!」シュルシュル

女侍「あぐっ」ズサァァァ

男「あっぶねぇ……あんた何属性なんだよ姦姦蛇螺さんよぉ」

姦姦蛇螺「…………」

男「その無表情でこっち見んのやめようぜ…」

女侍「うっ…うぇぇっ」

男「大丈夫ですか?」

女侍「私…腕…どうなった…」

男「どうもなってないですよ!」

女侍「良か…った」ガク

男「女侍さん…!?」

メリー「右……」

姦姦蛇螺「…………」ニュルニュル

男「!?」ガキン

男「さ、サンキューメリーさん…」

41: 2015/12/22(火) 06:35:16.092 ID:xNLCkS5Md.net
メリー「上……」

男「!?」ガキン

メリー「右斜め下と正面やや左…」

男「ちょっ…おいおい!」ガキンガキン

男「速すぎる……!この間合いからどうやって攻撃して…うっ…」ゾクッ

姦姦蛇螺「………コェッ」ニュルニュル

男「腕が……いくつもくっついてやがんのか……」

メリー「正面…」

男「うっ…くるか!」

メリー「正面…」

男「………ん?」

メリー「正面正面正面正面正面正面正面…」

姦姦蛇螺「…………」ニィィ ニョキニョキニョキニョキニョキ

男「おいおいおい…うそだろ…!何人食ったんだよ…!」シュルシュルシュルシュルシュルシュル

43: 2015/12/22(火) 06:44:30.225 ID:xNLCkS5Md.net
姦姦蛇螺「ァァァアアアアアアア!!!!」

男「ぐっ!!ぐうぅうううう!!」

メリー「…う…しろ…!」

男「無理!正面だけでも無理……だ…!ぐああああああ!!」バキン

男「………い、いきて…る?」ヨロ

坊さん「いや、おめーさんは氏んでるだろ」ポン

男「!?」

坊さん「よう、久しぶりだな」

男「後ろって…あんたかよ……寺生まれ」

姦姦蛇螺「…………」ニュルニュル

坊さん「ありゃすげぇことになってるな」

男「あぁ…ほぼ完全体だ」

坊さん「おめーさん、隙…作れるか?」

男「俺がただ殴られてただけだと思うか?」シュルルッ

坊さん「ふん、思ってねーから聞いたんだよ」

46: 2015/12/22(火) 06:51:41.110 ID:xNLCkS5Md.net
男「姦姦蛇螺ちゃんよぉ、反撃させてもらうぜ」シュルシュルシュルルッ

姦姦蛇螺「カハァッ!?」ギシギシ

坊さん「相変わらず悪趣味な縛り方だな」

男「これ以外しらねーんだよ!」

姦姦蛇螺「コヘェァアアアアアアッッッ!!!」ニュルニュルッ

男「なに…!?まだ腕があったのか…!?おい寺生まれ!そっちいったぞ!!」

坊さん「ふん、どこ狙ってんのかわからんが……」シュン

男「………はや」

姦姦蛇螺「!」

坊さん「破ァァァァアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」ブォン

姦姦蛇螺「…ァァァァアアアアアアアアアアアッッッッッッ!!!!」

姦姦蛇…「ァァァァアアアアアア!!」

姦姦…「ア………」

姦…「ァ…」


47: 2015/12/22(火) 06:59:53.467 ID:xNLCkS5Md.net
男「初めて見たが…凄まじいな寺生まれ…」

坊さん「ま、こんなとこかね」

ァ… ァァ…

男「!」

坊さん「ん?あれは」

巫女「……ぁ…う」

男「巫女…さん?」

坊さん「………」スッ

男「待った」

坊さん「あのなぁ、おめーさんの仕事と俺の仕事は似てるようで…」

男「大丈夫…か?」ダッ

巫女「うぅ……あなたは……」

男「え?ええと、俺、妖怪チンゲ……チラシだけど」

巫女「え?あー…」

男「なんか納得されたくねぇ…!」

48: 2015/12/22(火) 07:07:30.637 ID:xNLCkS5Md.net
巫女「も、もしかして…私は…」

男「………」

巫女「うっ…うぅぅっ」グス

男「あー…なんていうか、辛かったね…」

巫女「うわぁぁぁあああん」ギュ

男「!」

坊さん「……ったく、じゃあな」

男「お、おう、あーあー、よしよし」

巫女「わたじ…うっ…みんなにうらぎられて…うっ…でも恨んじゃいけないのに…うぁぁぁあん」

男「………」

巫女「大蛇に…乗っ取られて…うぅっ…」

男「あー…大丈夫、大蛇は寺生まれが吹き飛ばしたから

巫女「……よかっ…た…」グスン

50: 2015/12/22(火) 07:17:16.155 ID:xNLCkS5Md.net
男「とりあえず女侍さんの様子も気になるし、早いとこ下山しよう」

巫女「あ、あの…長いことあの姿だったからうまく」ヨロヨロ

男「あぁ、それなら俺に憑いて…」

巫女「申し訳ないです…」

男「………って女侍さんおもっ!!鎧が…!!」

巫女「や、やっぱり自分で!」

男「いや、ギリいける…!」

巫女「で、ですが…」

メリー「んー…!」グイグイ

男「メリー、気持ちはありがたいんだが俺の携帯に憑いてる状態で持ち上げても何の足しにもならん!」

メリー「あ…じゃあ私自分で歩くの…」

男「だーかーらー!ギリいけるって…!」

女侍「誰が重いって……」

男「うわ!あんた起きてたのか!」

女侍「その…なんだ…何の役にも立たなくてすまない……」

51: 2015/12/22(火) 07:26:15.441 ID:xNLCkS5Md.net
男「……というのが今回の事件の報告書です」

メリー「…です」

爺「ふむ、ご苦労であった!」

男「今回ばかりは氏ぬかと思ったぜ…」

口裂け女「もう氏んでるでしょ」

男「うお、びっくりした」

口裂け女「で、その巫女さんは?」

男「霊になっても村を守るってさ」

口裂け女「ふぅん…」

男「そういえばメリー、どうして敵の攻撃がわかったんだ?」

メリー「わからない…けどなんとなく」

男「それがメリーさん属性の能力…なのかな」

メリー「役に立てた?」

男「おう、ばっちりな」

メリー「……ふふ、やった」

52: 2015/12/22(火) 07:34:24.182 ID:xNLCkS5Md.net
男「そういえば爺さん、こいつ変なことしなかった?」

口裂け女「変なことって何よ…」

爺「特に何も?」

男「ま、そうだろうな」

口裂け女「はぁ、信用もへったくれもないわね」

男「だってお前さ……」

口裂け女「………」

男「初代、口裂け女だろ?」

口裂け女「………ふふ、さて、ね」

53: 2015/12/22(火) 07:35:50.477 ID:xNLCkS5Md.net
とりあえずここまでで終わっておきます
昔書いた妖怪チンゲチラシのSSのつづきというかオマージュみたいになったけどどっかでまた書きますおやすみ

54: 2015/12/22(火) 07:37:42.161 ID:r7HTiTtla.net

引用: メリーさん「ど、どうしよう…寺生まれの人に電話かけてしまったの…」