203:◆jG7j9/TnTg 2014/05/13(火) 12:09:49.17 ID:+SQTRDXKo
前回までのあらすじ
モバP「他のプロダクションの片桐早苗をスカウトするか」
――――
P「橘ありすという子がいいな」
P「12才か」
P「千枝より1個上だな。うちに入ったら仲良くなれるといいな」
P「さて……」
P「12才か」
P「千枝より1個上だな。うちに入ったら仲良くなれるといいな」
P「さて……」
206: 2014/05/13(火) 14:50:45.31 ID:+SQTRDXKo
プルルルル プルルルル ガチャ
P「あ、お忙しいところ申し訳ありません。私CGプロダクションのPと申しますが……」
P「はい。いつもお世話になっております。橘Pさんはいらっしゃいますでしょうか? 」
P「あ、お世話になっております。――実は、そちらで短期研修をさせていただきたく思い――」
――――
――
207: 2014/05/13(火) 15:14:48.54 ID:+SQTRDXKo
P「――はい。ありがとうございます。ではその日に……はい。失礼いたします」
ガチャ
P「前に俺がスカウトしてた時から1年以上経ったからか、あっさり取り付けたな」
P「まぁ去年から関係を持ち続けたプロダクションのひとつだ。信用は十分にあるから……当然といえば当然か」
P「……これで橘ありすのプロデュースをすることができる」
P「ふぅ……久々だな。研修も……」
212: 2014/05/13(火) 15:39:47.23 ID:+SQTRDXKo
P「ちひろさーん」
ちひろ「はいっなんでしょうかPさん?」
P「久々に、研修に行くことになりました」
ちひろ「え? 1年ぶりに急にきましたね!?」
P「はい。えーと……三日後にとりあえず挨拶に行きます。そのあとから本格的に一ヶ月、研修をしてきますから」
ちひろ「そ、そうですか……Pさん研修大好きですね?」
P「ええ。実りになることが多いので」
ちひろ「このこと、アイドルの皆に言ったら多分やばいですよ?」ガクガク
P「あぁ、泰葉ならもう大丈夫ですよ。そんなワガママ言う子じゃなくなりましたし」
ちひろ「そ、それは本当ですか……? よかったです……」
P「ええ。俺も頑張りましたからね」
ちひろ「なにを……?」
213: 2014/05/13(火) 15:43:54.47 ID:+SQTRDXKo
雪歩「プロデューサー? お茶がはいりましたよ」コトコト
ちひろ「雪歩ちゃん、ひとつもらいますね?」スッ
P「おお、ありがとう」スッ
P「雪歩にも言っとこうか」
雪歩「へ? なにをですか?」
早苗「なになに? なんの話? 」ヒョコ
P「早苗さんにも、言いたかったので、ちょうどいいです。実は――」
215: 2014/05/13(火) 16:01:01.36 ID:+SQTRDXKo
雪歩「た、短期研修ですか!?」
早苗「ちょっと! あたしをほったらかして研修なんて許さないわよ!」ピーッ
雪歩「ひゃあっ!」
P「急に耳元でホイッスル鳴らさないでください……雪歩がびっくりしたでしょう」
P「それに、研修は一ヶ月間ですから。すぐ帰ってきますよ」
雪歩「ぷ、プロデューサーぁ……」ウルウル
P「ん? 雪歩どうした」ナデ
雪歩「私……プロデューサーがいないとどうしたらいいか……」
216: 2014/05/13(火) 16:06:12.28 ID:+SQTRDXKo
P「雪歩なら大丈夫さ。幸いこの一ヶ月の期間はあまり忙しくないし、撮影が何度かあるけど、もう大分慣れたろう?」ナデ
雪歩「で、でも……すんっ……」
P「雪歩は少しずつだけど、確実に成長してる。心配しなくても大丈夫だよ」ナデナデ
雪歩「プロデューサー……はいっ、私、頑張ってみますぅ……すんっ」
P「よしよし、いい子だね」ナデナデ
雪歩「んっ……ふふっ」
早苗「な、なによ……雪歩ちゃんまで……」
雪歩「気持ちいいですぅ……あったかい……」
早苗「むぅ」
217: 2014/05/13(火) 16:13:45.24 ID:+SQTRDXKo
早苗「はあ……自分より年下の子が納得してるなら、あたしも納得する他ないじゃない」
P「早苗さん……」
早苗「その代わり、帰ってきたら飲みに行くわよ!」
P「ふふっ……いいですよ」ギュウウ
早苗「ふぁっ……な、なによ急に……」
P「いいえ……ありがとうございます」ボソッ
早苗「っ……も、もう……ばかなんだからっ」カアア
ちひろ「蚊帳の外です……ずずっ」ホッ
P「……それじゃあちひろさん。皆のこと、よろしくお願いしますね。任せましたよ?」ナデ
ちひろ「っ!! 」
ちひろ「はーいっ! 任されました!」ニコッ
218: 2014/05/13(火) 16:14:14.21 ID:+SQTRDXKo
――――
――
―
219: 2014/05/13(火) 16:19:15.26 ID:+SQTRDXKo
――プロダクション前――
P「ここか……」
P「研修の内容の確認という名目だが、俺の目的は橘ありすだ」
P「さて……どんな人物かな」
コンコンコン ハーイ
ガチャ
P「失礼いたします。CGプロダクションより参りましたPです。本日はよろしくお願いします」ペコ
220: 2014/05/13(火) 18:14:07.69 ID:y8sFnF6Xo
橘P「おはようございますPさん。いつもお世話になっております……」
P「いや、こちらこそ」
橘P「では、さっそく応接室までご案内しますよ。こちらです」スッ
P (まあまあの規模だな……)チラッ
橘P「どうぞ、お掛けになってください」
P「失礼します」
橘P「いやあ、Pさんが研修にくるとは思いませんでしたよ」
P「ははは……」
222: 2014/05/13(火) 18:24:09.89 ID:y8sFnF6Xo
P「急な話で、申し訳ないです」
橘P「いえいえ、大丈夫ですよ」
橘P「あの……Pさんは、何かしてみたいことってありますか?」
P「……私がこのプロダクションでやってみたいことですか?」
橘P「ええ。研修というか……体験というか……違うプロでしか感じることができないことって、あると思うんです」
P「……それは、研修ではない気がするんですが……」
橘P「Pさんにはお世話になってますから。一ヶ月間の体験みたいになっちゃいますけど」
P「……いえ、ありがとうございます。是非やらせてください」
橘P「はい……で、Pさんがやりたいことなんでしょう? 出来る限りのことしかアレですけど……」
224: 2014/05/13(火) 19:00:48.32 ID:y8sFnF6Xo
P「……」
P「そうですね。やはり私もプロデューサーですから……ここのアイドルをプロデュースしてみたいです」
橘P「ははっそれはそうでしょう。では一ヶ月うちの担当アイドルを持って、活動するということでしょうか」
P「ええ。お願いできますか」
橘P「はい。勿論ですよ。逆にうちが助かっちゃうくらいです」クス
P「はは……」
橘P「アイドルですが、どの子をプロデュースしたいとかありますか?」
P「そうですねぇ……」
橘P「あ、うちの所属アイドルの一覧わ持ってきますよ」パタパタ
P (自分からえさを差し出すようなものだな……)
226: 2014/05/13(火) 20:00:42.68 ID:y8sFnF6Xo
橘P「はい。これがうちのアイドルの一覧です」バサッ
橘P「珠美なんかどうですか?」チョン
P (どこかで聞いたことあるな……)
P「いえ……そうですね」スッ
「プロデューサー、おはようございます」
P「お……」
橘P「おぉ、ありす。おはよう」
橘ありす「橘……まぁ、いいです」
ありす「こちらの方は……?」
228: 2014/05/13(火) 20:20:56.69 ID:y8sFnF6Xo
橘P「CGプロダクションの、プロデューサーのPさんだ。短期研修の件で来たんだよ」
ありす「そうですか。橘です。よろしくお願いします」
P「Pです。よろしくね、ありすちゃん」
ありす「橘です。名前で呼ばれるのは好きではないので、橘と呼んでください」
P「そうかい……よろしくね。橘ちゃん」
ありす「はい」
橘P「す、すみません……」
P「いえ、決めました」
橘P「え?」
P「橘ちゃんを一ヶ月間、プロデュースします」
ありす「……?」
230: 2014/05/13(火) 20:35:08.50 ID:y8sFnF6Xo
――――
P「と、いうわけで今日からよろしくね。ありすちゃん」
ありす「橘です……一度言ったことは覚えておいてください」
P「けど、橘Pさんは君のことを名前で呼んでるじゃないか」
ありす「……プロデューサーは、頼りになる人なのでいいんです」
ありす「それより、なんで私が貴方にプロデュースされなきゃいけないんですか」
P「んー……俺がプロデュースしたかったからかなぁ」
ありす「はぁ……なんですかそれ。意味がわからないです」ジト
P「まあいいじゃないか。頑張ろうよ」
ありす「ふんっプロデューサーに言われたことは守りたいので、一ヶ月間、仕方ないですけどお願いします」ムスッ
231: 2014/05/13(火) 20:50:28.36 ID:y8sFnF6Xo
――――
P「それじゃあ橘ちゃん? まずは撮影だな」
ありす「……それから、橘 ちゃん はやめてください。呼ぶなら橘でお願いします」
P「……橘は、撮影は好きかい?」
ありす「好き嫌いで、仕事を選ぶつもりはありません」プイ
P「そうじゃなくて、好きな仕事と、そうじゃない仕事はあるだろう?」
ありす「……それはありますけど……」
P「どういうの?」
232: 2014/05/13(火) 20:53:32.62 ID:y8sFnF6Xo
ありす「……きわどい水着を着るような撮影は、なるべくやりたくはありません……」
P「着たことあるのかい……?」
ありす「ぷ、プロデューサーが一度だけ……あの恥ずかしさは、あまり……」
P「ふふっ」
ありす「なにがおかしいんです!」
P「いや、ははっ……着たのか」
ありす「むぅぅ……バカにしてますね?」
P「いやいや、そうだよな。そんな水着嫌だよなぁ」ナデナデ
ありす「ひゃっ! な、撫でないでください! 子供扱いしないでっ」
P「あははっ……さぁ、撮影いくぞ」
ありす「」プクッ
233: 2014/05/13(火) 21:26:00.88 ID:y8sFnF6Xo
――――
P「よし橘。今日はレッスンだ」
ありす「はい。前のところまでは予習しておきました」
P「おお、偉いな!」ポンポン
ありす「や、やめてください……」
P「じゃあさっそく、曲に合わせて動いてみてくれ」
ありす「はい。では……」
♪
234: 2014/05/13(火) 21:56:45.61 ID:y8sFnF6Xo
ありす「はっ……ふぅ……」タンタン
ありす「はっ……はっ……どうでした?」
P「凄いぞありす! 完璧じゃないか!」ギュウ
ありす「ひゃあ! っ離してくださいっ! あと名前! 橘ですっ」
P「ごめんごめん……びっくりしちゃってさ。本当にマスターしてるじゃないか」
ありす「と、当然です。予習復習は基本ですからね」
P「しっかりしてるな、橘は……」ナデナデ
ありす「っ……んん……」
235: 2014/05/13(火) 21:57:57.04 ID:y8sFnF6Xo
P「……さ、じゃあこの動きを生かして、ステージでバック、踊ってみようか」
ありす「へっ? い、いや……私まだステージに上がったことないんですけど……」
P「こんなにマスターしてるんだ。誰かに見せなきゃ勿体ないだろ?」
ありす「いえ……これは体を慣れさせる課題曲だからっ」
P「明日だからな。確認含めてもっかい見るぞ。さ、踊ってくれ」
ありす「ご、強引すぎます……」
236: 2014/05/13(火) 22:00:46.26 ID:y8sFnF6Xo
――――
P「いよいよ本番だな」
ありす「あ、あの……プロデューサー」
P「ん?」
ありす「こ、この衣装は?」
P「あぁ、橘に似合うと思って用意したんだ。俺のプロダクションから持ってきたものなんだけど」
ありす「そうですか……」
P「気に入った?」
ありす「い、いえ! ただ……衣装を着るて踊るのなんて、はじめてで……」
P「そうなのか……?」
ありす「はい……ちゃんとできるかな……」
237: 2014/05/13(火) 22:04:44.58 ID:y8sFnF6Xo
P「ありす」ポン
ありす「あっ……」
P「ありすなら出来る。俺は信じてるぞ」ナデナデ
ありす「……」
ありす「まったく、なんの根拠があって言ってるんでしょうね……」
ありす「けど……頑張りますね」
P「あぁ」スッ
ありす「……私、アイドルみたいですね」
P「みたいもなにも、お前はアイドルだろう。ほら、行ってこい」
ありす「ふふっ……実感しただけです。いってきますね」
238: 2014/05/13(火) 22:17:52.44 ID:y8sFnF6Xo
ワーワーワー !!
ありす「はっ……ぷ、プロデューサーっ! やりました、やりましたよ!!」
P「ありす!」ギュウウ
ありす「ありすって……まあいいです。見ましたか? 見ましたか、プロデューサー」
P「あぁ見たとも。素晴らしかったぞ」ナデ
ありす「私、こんなにアイドル活動楽しんだの、初めてかも……はあっ」
P「そうか、よかった……」
ありす「……もしかして、あえて私に急にステージのバックなんてやらせましたね……」
P「ありすがあまりアイドル活動を楽しんでないように見えたからな。今日はバックだけど、このライブこそアイドル活動の醍醐味だろ?」
P「けど、緊張やプレッシャーで負けなかったのは、ありすの力だ。ありすしか出来ないことだったかもな」
ありす「私じゃなかったら、できなかったこと……ふふっ……調子がいいですね」
ありす「でも今日は……満足でしたので……ゆる……っ……すぅ……すぅ」
P「寝ちゃったか……疲れてたんだろうな……ありす」ナデ
P「お疲れさま。よかったよ」サラ
ありす「んぅ……すぅ……」
240: 2014/05/13(火) 22:26:17.47 ID:y8sFnF6Xo
――――
ありす「昨日はハードでしたね。プロデューサー」
P「そうだな。今日からはもうちょいゆっくり活動するぞ」ナデナデ
ありす「はい」
P「よしいい子だ。ちょっと待っててくれ。今日の撮影の衣装を持ってくる」
ありす「なるべく、早くお願いしますね」
P「偉そうにいうなっ……ははっ」ポン
ありす「えへっ……」
ありす (なんだか、お父さんみたい)
ありす (プロデューサーは、私のことを子供扱いするけど……)
ありす (悪い気はしない……かな)
243: 2014/05/14(水) 06:57:02.58 ID:K4eIl0vfo
ガチャ
橘P「おうありす。昨日はライブのバックやったらしいな?」
ありす「あ……橘プロデューサー……はい」
橘P「成功したらしいじゃないか。おめでとう」
ありす「はい。ありがとうございます」
橘P「バックなんて初めてだったろ? はははっ」
ありす (橘プロデューサーは、前まで頼りになるって思ってたけど……)
ありす (ちょっと考えすぎだったかな……)
橘P「ほらありす。えらいえらい」ワシャワシャ
ありす「」ムッ
ありす (雑……)
ありす「はあ……どうも」スッスッ
橘P「そうだ、明日お得意先に営業いくんだけど、ありすを連れてこうと思う」
ありす「営業ですか……」
244: 2014/05/14(水) 07:03:43.32 ID:K4eIl0vfo
橘P「あぁ。そこで昨日やったダンス、やってもらおうかと思ってるんだ」
ありす「あぁ、あの動きから大丈夫ですけど……」
橘P「そうか! うまくいけば使ってくれるかもしれないし、でかいとこだから採用されたら、さらにうちのプロダクションも有名になるぞ!」
ありす「そうですか……明日ですね。わかりました」
橘P「よろしくな。Pさんには俺から伝えとくから」スタスタ
ありす「……まったく、昨日の今日でダンスはきついとは思わないんでしょうか」
246: 2014/05/14(水) 07:16:21.06 ID:K4eIl0vfo
P「お待たせありす」ガチャ
ありす「遅いですよ」
P「ごめんごめん。ほらこの衣装、ありすにきっと似合うぞ」
ありす「ありがとうございます」クス
ありす「あ……明日、橘プロデューサーと営業に行くことになりました」
P「営業?」
ありす「ええお得意先だとか」
P「そうなのか……」
ありす「昨日のダンス、またやるみたいです」
P「昨日のダンスって……2日連続でダンスなんて、慣れてないときついじゃないか」
ありす「っ! え、ええ……でも仕事ですから」
247: 2014/05/14(水) 07:21:35.89 ID:qiorp7Upo
P「そうか……けど心配だな……無理はするなよ?」ナデナデ
ありす「んっ……はいっわかってます」
ありす (これ……気持ちいい……安心する)
ありす (プロデューサーは、私のこと、ちゃんとわかってくれてる人だ……)
ありす (けど、期間が終わったら……帰っちゃう)
ありす (なんか、嫌だな……あっ)
ありす (こんなこと考えるなんて、子供みたいっ……明日のこと考えなくちゃ)フルフル
251: 2014/05/14(水) 07:36:47.13 ID:AUVfik/Uo
――――
橘P「いいかありす。今日重要な営業だ。プレッシャーをかけるわけじゃないけど、頑張ろうな」
ありす「はい。わかってます」
橘P「それと……昨日の練習したダンスなんだが」
ありす「?」
橘P「一ヶ所、ちょっと振りを変えようと思う」
ありす「え!?」
橘P「いや、変えたほうが向こうにも印象的になる振り付けだ。Bパートのステップを変えるから。まぁ応用みたいなもんだよ。あとで軽く教えるからさ」
ありす「そんな……そんな急に言われても……」
橘P「ありすなら、きっと出来るさ」
ありす (お、応用なんて……けど、やらなきゃ……失敗するわけにはいかない……)
ありす (ぅぅ……)
253: 2014/05/14(水) 07:44:26.93 ID:AUVfik/Uo
――――
TV局P「いつもお世話になってます」
橘P「いえいえ、こちらがお世話になってばかりで……」
TV局P「はは……橘ありすちゃん、今日はよろしくね」
ありす (どうしよう……まだ完全に覚えてない……)
橘P「あ、ありすっ! 挨拶!」
ありす「あっ、すみませんっよろしくお願いしますっ」アセ
TV局P「うん。じゃあさっそく踊ってもらおうかな」
橘P「はい。では曲の準備を……」カチャ
ありす (どうしよう……どうしようっ……)
~♪
ありす (っいけない……集中しなきゃ……)
254: 2014/05/14(水) 07:55:46.81 ID:AUVfik/Uo
~♪
ありす「っ……ふっ……」スッ
ありす (ここまでは大丈夫……)
橘P「……よし……」
TV局P「おぉ……」
~♪
ありす (Bパート……ここでくるっ…… )
ありす「はあっ……ふっ」タンタン
~♪
ありす (――!! ここでっ!) バッ
ありす「あっ……!」ヨロッ
バタッ
255: 2014/05/14(水) 08:00:30.62 ID:AUVfik/Uo
橘P「ぁっ!!」
TV局P「……」
橘P「っ……す、すみません!! すみませんっ!」
TV局P「本番に弱いタイプか……うーん……はい。ここまでで結構ですよ」
橘P「いやっもう一度最初から! お願いしますっ」
TV局P「いえ、結構ですから」
橘P「そんな! ……くっ」
ありす「はっ……はぁぁ……」ガク
ありす (転んじゃった……足……つまずいて)
ありす (っ……)
256: 2014/05/14(水) 08:07:40.31 ID:AUVfik/Uo
ブロロロロ……
橘P「……」
ありす「……」
橘P「営業、駄目だったな」
ありす「……」
橘P「向こうも、使うかは電話でよこすっていってたけど……まず断られるよな」
ありす「……」
橘P「っ!! おい、ありす! 聞いてるのか!」
ありす「っ……聞いてますから……」
橘P「あまり責めたくないけどさ……お前言われたことはちゃんとやるって言ったよな」
ありす「それは……」
橘P「こんな肝心なところで……ホント頼むぞお前……!」
ありす「っ!!」
258: 2014/05/14(水) 08:19:50.04 ID:AUVfik/Uo
ありす「勝手すぎます!」
ありす「私は、最初から急な振り付けの自信なんてなかったんです!」
ありす「貴方が余計なこと付け加えるからっ! 失敗しちゃったんです!!」ウル
橘P「はあ? 俺のせいかよ……俺は向こうに少しでも印象を残せることを考えただけだ」
橘P「プロデューサーってのはこういう臨機応変さが必要なんだよっ! それに一生懸命従うのがアイドルだろ!!」
ありす「っ……最低です」ウル
ありす「……第一……一昨日ライブのあとに、またすぐにダンスなんてキツいんです! できっこないんです!そんなことも気づけないなんて、プロデューサーやる資格ないですよっ」
橘P「っ……いい加減にしろ!! もういい、事務所ついたら頭冷やしとけ!」
ありす「自分に都合が悪いと逃げるんですかっ どうなんですかっ!」
橘P「いいから黙ってろ!」
ありす「もういいですっ……はぁ……はぁっ」ウルウル
263: 2014/05/14(水) 08:42:25.01 ID:AUVfik/Uo
――――
ガチャ
ありす「……」トボ
P「おお、おかえりありす」カタカタ
P「ん……橘Pさんは?」
ありす「……そのまま、レッスンスタジオ行きました」
P「そうか……ありす」
ありす「……?」
P「ちょっとおいで」
ありす「なんですか……」テクテク
P「なんかあったろ? 話してごらん」ナデ
ありす「っ!! プロデューサーっ」ダキ
P「おおっ、どうしたんだありすっ」ギュウ
ありす「私、私……失敗しちゃった……」
P「……」ナデ
ありす「振り付け、間違っちゃった……転んじゃって……営業駄目でっ……もうどうしたらいいか……」グス
P「なんだ、そんなことか」ナデ
ありす「ふぇっ……」
265: 2014/05/14(水) 08:59:22.99 ID:AUVfik/Uo
P「そんなことより、転んだって……怪我はないのか?」サス
ありす「け、怪我は大丈夫ですけど」
P「そうか、ならよかった」
ありす「そ、それより……失敗、そんなことってどういう……」
P「失敗しないアイドルなんて、絶対いないじゃないか」ナデ
ありす「っ……」
P「失敗しても、次に繋げればいい。そうやって成長してくのが大切なんだよ」ナデ
ありす「成長……ですか?」
P「そう。ほらっありす」ギュ
ありす「ひゃっ……だっこなんて……」
P「嫌か? 」
ありす「……ちょっとだけ安心するので、このままで……」ギュウウ
266: 2014/05/14(水) 11:15:29.82 ID:AUVfik/Uo
P「よしよし……」
ありす「温かい……」
P「失敗したっていいんだよ。そういうときこそ、俺たちプロデューサーが助けてあげる時なんだから」ナデ
ありす「プロデューサー…………もっと、頼ってもいいんですか?」
P「勿論。どんどん使ってくれよ」
ありす「ぐすっ……プロデューサーぁ……」ギュウウ
P「よしよし、大丈夫大丈夫」ユサユサ
ありす「あり、がとうございますっ……すんっ……うわああん……」
267: 2014/05/14(水) 11:56:46.92 ID:AUVfik/Uo
P「落ち着いたか?」ナデナデ
ありす「はいっ……お見苦しいとこをお見せしました」
P「そんなことないさ」
ありす「あのっプロデューサー……」
P「うん?」
ありす「プロデューサーは、研修期間が終わったらいなくなっちゃうんですよね」
P「……まあそうだな」
ありす「私……プロデューサーにプロデュースしてもらいたいです……」
P「ありす……」
ありす「ここじゃあ私、楽しくないですし……あの……」
P「そうか、じゃあ――」
P「俺のプロダクションに来るか?」
ありす「っ……はいっ!」
ありす「……プロデューサー……ありがとうございます……」ギュウ
ありす (この人は……私の支えになってくれる……)
ありす (この気持ちは……お父さんにとかじゃなくて……)
282: 2014/05/14(水) 18:53:09.95 ID:44rzmaNko
――――
ありす「私、このプロダクション辞めたいので、手続きお願いします」
橘P「え……? あ、ありす。あの時のことは俺も悪かったよ……大事な会社だったんだ。だからついカッとして……」
橘P「だから、辞めないでくれ……」
ありす「そんなの理由になりません。大人げないって言葉がピッタリです」
橘P「本当にすまない……もう一度、一緒に頑張ろう?」
橘P「悪かった、ありす……」ペコ
ありす「……あの、一つだけいいですか」
橘P「っなんだ? ありす」パァァ
ありす「お願いです。名前で呼ぶの、やめてもらえますか」
橘P「」
296: 2014/05/14(水) 22:05:49.66 ID:44rzmaNko
――――
P「――ということで、今日からうちのプロダクションに所属する……」
ありす「橘ありすです。橘と呼んでください。よろしくお願いします」ペコ
ちひろ「小さい子は千枝ちゃんしかいませんでしたから、新鮮ですね!」
雪歩「おかえりなさいプロデューサー! 橘ちゃんも、よろしくね」
早苗「よろしくね。ありすちゃん」
ありす「橘です」キッ
早苗「た、橘ちゃん。よろしくね……」
早苗 (今時の子ってこんな感じなのかしら……)
P「ほら、これから皆で頑張るんだ。名前で呼んでもいいだろう?」
ありす「でも……」
P「みんないい人だぞ。それに、いい名前じゃないか。ありす」ポン
ありす「ま、まあ……プロデューサーが言うなら……」カァ
早苗「あやまぁ……これは……」
297: 2014/05/14(水) 22:09:22.16 ID:44rzmaNko
ありす「Pさん……」ボソッ
P「んっ? Pさんて……」
ありす「私、Pさんに会えてよかったです。頑張りますので、プロデュース、よろしくお願いします」
P「あぁ、勿論だとも」 ナデ
ありす「えへへ……」
ありす「……もうちょっとだけ、待っててくださいね。Pさん?」
P「なにをだ?」
ありす「いえ、それはまだ秘密ですっ」
ありす「……♪」
298: 2014/05/14(水) 22:10:00.55 ID:44rzmaNko
――――
橘ありす 編 終了
299: 2014/05/14(水) 22:13:57.71 ID:44rzmaNko
P「橘ありすが所属してくれた」
P「うちのプロダクションも、年齢のバランスが良くなってきたな」
P「それに、ありすは千枝や、歳は離れるが泰葉ともうまくやってるみたいだ」
P「うん、安心安心。さて……」
P「↓3 ってアイドルが気になるな……」
↓3 アイドル指定
コンマ以下の値が現プロデューサーとの好感度
302: 2014/05/14(水) 22:14:19.10 ID:Yxa0RBCAO
唯
315: 2014/05/14(水) 22:30:56.58 ID:44rzmaNko
続きは明日書きます。ありがとうございました
316: 2014/05/14(水) 22:31:43.88 ID:MEqnn3qno
乙
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります