1: ◆GtxVadXeUQ 2016/02/13(土) 12:34:56.64 ID:RmP+OnMn0

このSSは『咲-Saki-』の須賀京太郎が主役となります。

時系列はNAVERまとめを参考にしております。
舞台は>>1が実際に旅行した場所となります。
営業内容や時間は、当時から変化している場合もあります。
京豚でない方は「ころたんイェイ~」で御願い致します。

以上のことに注意して頂けると助かります。

1話目
京太郎「うおおお!日本一周旅行のチケット当たったぞー!!」

2話目
京太郎「日本一周?いえいえ岩手旅行ですよ!」

咲-Saki- 23巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)

15: 2016/02/13(土) 19:00:15.21 ID:RmP+OnMn0

盛岡駅前ホテル


京太郎「あー……やっべー……」

京太郎「昨日の夕方に盛岡に着いたのは良かったけど」

京太郎「何も考えられずにボーっと過してしまった……」

白望『今日のお礼、どうぞほっぺに』

胡桃『ただのファーストキスのやり直しなんだから!!』

京太郎「…………」

16: 2016/02/13(土) 19:02:03.97 ID:RmP+OnMn0

京太郎「あれはなんだったのだろうか……」

京太郎「鹿倉先輩には嫌われてるはずだし」

京太郎「白望先輩は何考えてるのか分からんし」

京太郎「…………」

京太郎「まっ、まさか……あれが噂に聞く」

京太郎「田舎の女の子に遊ばれるってやつなのか……?」

17: 2016/02/13(土) 19:04:00.37 ID:RmP+OnMn0

胡桃『結婚する人だけしか……さ、触っちゃ……』ハァハァ

白望『ごめんね、京子ちゃん』ダキッ

京太郎「…………」ムクムク

京太郎「あー!おっ勃ててんじゃねーよ、俺!!」

京太郎「駄目だ駄目だ!ナニかしてねーと煩悩が!!」

京太郎「Hey,siri!」

18: 2016/02/13(土) 19:06:17.93 ID:RmP+OnMn0

携帯「なんや?」

京太郎「煩悩をなんとかしたいんだけど……」

携帯「風俗行けや、盛岡にはソープあるやろ」

京太郎「アホか!俺は高校生だぞ!!」

携帯「そんなん知らんわ、山にでも篭っとれや!」

京太郎「お前本当にsiriか!?もういいわ!」トットン

19: 2016/02/13(土) 19:08:03.55 ID:RmP+OnMn0

京太郎「…………山、ねぇ」

京太郎「岩手県 登山 自然 と……」トットン

京太郎「八幡平市山岳協会、ん?八幡平?」

京太郎「『八幡平』ねぇ……お!画像発見!」トットン

京太郎「へー!結構良さそうな景色じゃん!」

京太郎「この池も形が素晴しい、ってこれ沼なのか!」

20: 2016/02/13(土) 19:10:48.62 ID:RmP+OnMn0

京太郎「アクセスはどうなんだろう?」トットン

京太郎「車で1時間半くらいか、タクシーは厳しいな」

京太郎「今回の旅行だとルート外なんだよなー」

京太郎「自費になるからなんとか抑えたいが……」

京太郎「お、朝から盛岡駅発のバス出てるじゃん」トットン

京太郎「往復券が1,300円か、これで出発するかな」

21: 2016/02/13(土) 19:12:38.64 ID:RmP+OnMn0

八幡平山頂レストハウス


京太郎「着いたぜー!八幡平ー!」

京太郎「バスの中からでも感じてはいたが……」

京太郎「360度、どっから見ても凄く雄大な景色」

京太郎「もう、ほんっと!緑があるんだよね!」

京太郎「駐車場も広いな~」キョロキョロ

22: 2016/02/13(土) 19:14:13.02 ID:RmP+OnMn0

おばちゃんM「ほんまに疲れまんねん」ゾロゾロ

おばちゃんN「ほんまでっか?」ゾロゾロ

おばちゃんO「ほんまでんがな」ゾロゾロ

おばちゃんP「ほんまっか?」ゾロゾロ

おばちゃんQ「ほんまやな」ゾロゾロ

おばちゃんR「めっちゃほんまやねん」ゾロゾロ

23: 2016/02/13(土) 19:16:08.82 ID:RmP+OnMn0

京太郎「こんにちわ~」

おばちゃんM「なんや色男やないかい」

京太郎「下山してきたんですか?」

おばちゃんN「せやで、あんちゃんも登るんかい?」

京太郎「はい、快晴なんで楽しみですね」

おばちゃんO「コース選べば簡単や、気軽に登らんかい」

24: 2016/02/13(土) 19:18:11.43 ID:RmP+OnMn0

京太郎「そうなんですか、助かります」

おばちゃんP「山頂まで約1.9kmのハイキングやさかい」

京太郎(だからこの人たちサンダルなのか……)

おばちゃんQ「八幡平は『日本百名山』の中でも最弱」

おばちゃんR「最弱やめーや、登り易い言わんかい」

京太郎「あはは、頑張りますねー」

25: 2016/02/13(土) 19:20:09.53 ID:RmP+OnMn0

京太郎「さてと、今いるところは標高が1,541m」

京太郎「夏だからいいけど春や秋は寒そうだな」

京太郎「あれ?秋田県と岩手県の県境の標識」

京太郎「へぇ、ここって本当に県と県の境目なんだ!」

京太郎「隣には登山口の標識が……頂上入口?」

京太郎「頂上入口って記載が簡単に登れることを教えてるな」

京太郎「うし、準備は完璧!さー、登るぞー!」

26: 2016/02/13(土) 19:22:35.02 ID:RmP+OnMn0

京太郎「うーん、道が凄く整備されてるよなー」

京太郎「山でこんな綺麗なコンクリートの斜面て」

京太郎「荒れてなくて良いね、本当に登り易い」

京太郎「お、木の道に変わった…………ん?」

「ぼっちはやだよ~……」メソメソ

京太郎(……女の子?)

27: 2016/02/13(土) 19:24:19.04 ID:RmP+OnMn0

豊音「お父さ~ん……お母さ~ん……」

豊音「怖いよ~……」

豊音「ちょー寂しいよ~……」

京太郎「あのー?大丈夫ですか?」

豊音「ふえっ……」グスッ

29: 2016/02/13(土) 19:25:49.71 ID:RmP+OnMn0

豊音「…………」

京太郎「どうかしました?怪我でも――」

豊音「救助隊が来てくれたよー!」ダキッ

京太郎「うぷっ!」

豊音「ちょー嬉しいよー!」ギュウウウ

京太郎(デカっ!この人身長デカい!)

32: 2016/02/13(土) 19:27:33.46 ID:RmP+OnMn0

豊音「助けに来てくれてありがとー!」ギュウウウ

京太郎(そんで俺ヤバい!超ヤバイ!!)

京太郎(絞まってる!腕とおもちに挟まれて息が――)

京太郎「あああ、あだっでま!むねあだっでまず!」

豊音「……え?あ……わ、わわわっ////」パッ

京太郎「ぜー!ぜー!ぜー!」ゴホゴホ

豊音「ご、ごめんなさい……////」ペコペコ

33: 2016/02/13(土) 19:30:09.07 ID:RmP+OnMn0

京太郎「い、いえ、大丈夫です……」

豊音「…………あの」オズオズ

京太郎「はい?」

豊音「よく見たら……若い人だよね……」

豊音「もしかして救助隊じゃないのー?」

京太郎「え?旅行者ですけど……」

豊音「」

34: 2016/02/13(土) 19:31:43.60 ID:RmP+OnMn0

豊音「…………」

京太郎「…………」

豊音「ぼっちはやだよー!うえーん!」

京太郎「ああっ!また泣き始めた!」

豊音「えーん!えーん!ぼっち怖いよー!」

京太郎「あああ!俺もぼっちなんで大丈夫!」

35: 2016/02/13(土) 19:33:50.00 ID:RmP+OnMn0

豊音「……え、君もぼっち?」グスッ

京太郎「まぁ、原作でも存在してるんだかどうだか……」

京太郎「ぼっちみたいなもんですよ、ははは(苦笑)」

豊音「可哀想だよー……」

京太郎「ぼっちが二人いれば、二人ぼっち」

京太郎「一人ぼっちよりは寂しくないと思いますよ」

豊音「それ面白いよー」クスクス

37: 2016/02/13(土) 19:36:24.77 ID:RmP+OnMn0

豊音「えへへ、岩手から来ました姉帯豊音です」ペコリ

京太郎(ここも岩手じゃ……ん?秋田?どっちだ?)

京太郎「長野から一人旅で来た、須賀京太郎です」ペコッ

豊音「えー!長野県!?」

豊音「遠いところから来たねー!高校生ー?」

京太郎「はい、高一ですよ」

豊音「やったー!後輩ができたよー!」

38: 2016/02/13(土) 19:39:14.71 ID:RmP+OnMn0

京太郎「後輩て、でもやっぱり先輩でしたか」

豊音「うっ、やっぱり大きいから分かったのー?」グサッ

京太郎「いえ?可愛いけど大人な雰囲気もあったんで」

豊音「かっ!可愛くなんてないよー!////」ブンブン

京太郎「そんなことないですよ?癒されましたし」

豊音「……あ、ありがとうだよー////」

39: 2016/02/13(土) 19:41:07.34 ID:RmP+OnMn0

京太郎「でも、どうして泣いてたんですか?」

豊音「……急に、寂しくなっちゃって……」

豊音「私、ちょっと前に宮守女子高校に転校したの」

豊音「それまでは歳の近い人が村に少なかったんだ」

豊音「でも、宮守で友達がたくさんできたんだよー」

京太郎(良い話だなぁ~)

40: 2016/02/13(土) 19:43:10.35 ID:RmP+OnMn0

豊音「友達といることに慣れたんだけど……」

豊音「久しぶりに一人で行動してみたら……」

豊音「前までぼっちだったのを思い出しちゃって……」

豊音「急に寂しい気持ちになったんだよー……」

京太郎「そうだったんですか……」

豊音「途中で下山してきたおばちゃんたちとお話したけど」

豊音「登ったら誰もいなくて不安になっちゃたんだー……」

41: 2016/02/13(土) 19:45:34.48 ID:RmP+OnMn0

京太郎「……あれ?姉帯さんは一人で来たんですか?」

豊音「トヨネでいいよー、家族で来たんだよー」

豊音「今日はこの近くの『藤七温泉』に泊まるんだよー」

京太郎「え?ご両親は今どこに?」

豊音「秋田県の有名な温泉を回ってくるって言ってたよー」

豊音「八幡平から近いところみたいだよー」

42: 2016/02/13(土) 19:47:18.36 ID:RmP+OnMn0

豊音「ここは簡単に登山ができるって知ったから」

豊音「登ってみたくなって、入口で降ろしてもらったんだー」

豊音「お父さんとお母さんとはそこで別れたの」

京太郎「なるほど、それで今に至るというわけですね」

豊音「そうなんだよー……」グスン

京太郎「じゃあ、一緒に登ります?」

43: 2016/02/13(土) 19:48:54.38 ID:RmP+OnMn0

豊音「ええっ!いいの!?」

京太郎「というより、俺は元々登りに来たんで」

京太郎「最短ルートで展望台に行きますけど」

豊音「ちょー嬉しいよー!もちろん行くよー!」

京太郎「俺も話し相手がいてくれて助かります」

京太郎「黙々と説明口調だと視聴者も飽きますからね」

豊音(……視聴者ってなんだろう?)

44: 2016/02/13(土) 19:50:25.91 ID:RmP+OnMn0

京太郎「――お、斜面が緩くなってきた」テクテク

豊音「ゴールが近いのかな?」

京太郎「ええ、そうだと思いますよ」

京太郎「それにしても本当に登り易い山ですねー」

豊音「そうだね、道も綺麗に舗装されてるし」

豊音「周りのお花さんたちもとっても綺麗だよー♪」

45: 2016/02/13(土) 19:52:06.42 ID:RmP+OnMn0

豊音「こんなに登り易い山は初めて」

京太郎「豊音さんは登山の経験があるんですか?」

豊音「宮守に来る前に少しだけあるよー」

豊音「でも基本は獣道だし、とっても危ないよー」

京太郎(やっぱ観光名所でもないと金が集まらないのかな?)

京太郎(どこの地区でもそうなんだろうなぁ……)

46: 2016/02/13(土) 19:54:11.41 ID:RmP+OnMn0

豊音「京太郎君は山登りしたことあるの?」

京太郎「いやー、今回が初登山なんですよね」

豊音「そうなんだ!びっくりだよー!」

京太郎「え?何がです?」

豊音「県外からの一人旅で初めての登山だよー?」

豊音「凄く行動力があるんだねー!」

47: 2016/02/13(土) 19:56:05.73 ID:RmP+OnMn0

京太郎「そう言われてみればそうかも」

豊音「今日は盛岡から八幡平に来たんだよね?」

京太郎「ええ、朝のバスで来ました」

豊音「どうして登山しようと思ったの?」

京太郎(フェラにおっOいに素股にキスに――)

京太郎「ちょっと煩悩を祓いに、ですね……」ムクムク

48: 2016/02/13(土) 19:58:05.25 ID:RmP+OnMn0

豊音「ぼんのー?」キョトン

京太郎「あああ、なんでもないです!」

京太郎「それよりほらっ!見えてきましたよ!」

豊音「わぁ……!」

京太郎「広い場所に出てきたな」

豊音「これが展望台なんだー!」


俺「せやで」パシャパシャ

50: 2016/02/13(土) 20:00:49.32 ID:RmP+OnMn0

京太郎「あ、どうも」ペコッ

俺「君たちすまんな、ちょい右にズレてくれんか?」

豊音「分かったよー!」

俺「おし、ありがとな」パシャッ

京太郎「良い風景撮れるんですか?」

俺「なんや、撮れるに決まっとるがな?」

51: 2016/02/13(土) 20:02:22.96 ID:RmP+OnMn0

京太郎「いやー、俺たちここ初めてなんで」

豊音「そんなに良い景色なんですか?」

俺「知らんのか、もったいない!」

俺「ほれ、二人とも展望台に上がってみい」

京太郎「んしょっと……おお!凄い!」ギッ

豊音「わー!すごーい!」ギッ

52: 2016/02/13(土) 20:03:58.54 ID:RmP+OnMn0

京太郎「ネットで見たのとまったく同じだ!」

俺「ははっ、そんなん当たり前やないか」

俺「せや、二人ともカメラ貸しや撮ったるさかい」

京太郎「いいんですか?」

豊音「嬉しいよー!」

俺「良い写真撮らせてくれたお礼や」

53: 2016/02/13(土) 20:05:39.40 ID:RmP+OnMn0

俺「二人の直ぐ後ろに見えるのが『八幡沼』やで」

京太郎「なら、俺さんの後ろにあるのが『ガマ沼』?」

俺「せやせや…………ん?君は何してん?」

豊音「……え、わ、私ですか?」

俺「もっと寄らな、二人とも入らんで」

豊音「ふっ、二人……!?」

54: 2016/02/13(土) 20:07:59.70 ID:RmP+OnMn0

俺「ほれほれ、もっと寄ってな」クイクイ

豊音「きっ、京太郎君、私隣にいても大丈夫?」

京太郎「え?全然大丈夫ですけど?」

京太郎(エイスリンさんとも普通に撮ってたし)

豊音「…………」ヨソヨソ

豊音(男の子と二人きりで写真なんて……)チラッ

豊音(き、緊張するよー……////)

55: 2016/02/13(土) 20:09:14.07 ID:RmP+OnMn0

俺「ほないくで、ほい!」パシャ

俺「もう1個のカメラも、ほい!」パシャ

京太郎「ありがとうございます!」

俺「二人とも上手く撮れたでー」

俺「うん、良い絵やな、中々お似合いや」

豊音(おっ、お似合いって……////)

56: 2016/02/13(土) 20:11:07.17 ID:RmP+OnMn0

俺「今度は『ガマ沼』をバックにしたる」

京太郎「あれ?直ぐ後ろで撮るんですか?」

俺「そこから展望台見えると思うが全体が映らんのや」

京太郎「なるほどー」スタスタ

豊音「~♪」スタスタ

俺「はい、チーズ!」パシャパシャ

57: 2016/02/13(土) 20:12:32.42 ID:RmP+OnMn0

豊音「ありがとうございましたー」ペコリ

俺「おお、そんで君らこれからどうするん?」

京太郎「来た道を戻ろうと思っていますが」

俺「せっかくなら頂上まで行った方ええ、5分も掛からん」

京太郎「そうなんですか、近いですね」

豊音「行ってみようよ、京太郎君!」

58: 2016/02/13(土) 20:15:03.47 ID:RmP+OnMn0

俺「俺は君らと逆のルートで来たんや」

京太郎「逆のルート?ああ、入口から直ぐの分かれ道か」

俺「せやで、君らは右で俺は左から登ってん」

俺「途中に『眼鏡沼』と『鏡沼』ちゅう沼があんねん」

俺「頂上から分かれ道まで戻れば約25分」

俺「つまり1周すれば合計1時間のコースなんや」

俺「ま、気楽に頑張りや~」スタスタ

59: 2016/02/13(土) 20:16:33.36 ID:RmP+OnMn0

八幡平 頂上


京太郎「あっさり着いちゃた、本当に直ぐだった」

豊音「頂上の柱見つけたよー!」

京太郎「展望台がある場所は木に覆われてる……」

京太郎(絶景とは言えないな、なんとも微妙な景色……)

京太郎「写真撮ったところが1番良かったですね」

豊音「え!……う、うん……そうだね////」

京太郎「?」

60: 2016/02/13(土) 20:18:15.08 ID:RmP+OnMn0

眼鏡沼 鏡沼


京太郎「うーん、綺麗な形をした沼なんだが……」

京太郎(八幡沼が素晴らし過ぎて比べるとなぁ……)

豊音「先にこっちから登りたかった?」

京太郎「いえいえ、そんなことはないですよ」

京太郎「あっちから来たんで豊音さんにも会えたし」

豊音「……ふぇっ////」ツルッ

スッテンコ口リン

62: 2016/02/13(土) 20:20:24.28 ID:RmP+OnMn0

京太郎「とっ、豊音さん!?」

豊音「あ、あいたただよー……」

京太郎「大丈夫ですか!怪我してませんか!?」

豊音「少し転んじゃっただけ……痛っ……」ズキッ

京太郎「足ですか!?」

豊音「あはは、だっ、大丈夫だよー……」ズキズキ

京太郎(我慢してる様にしか見えんぞ、これ)

63: 2016/02/13(土) 20:22:13.97 ID:RmP+OnMn0
京太郎「大丈夫じゃありませんよ!」ダキッ

豊音「きょっ、京太郎君!?」ドキッ

京太郎「すみません、おんぶじゃ前に倒れそうなんで」

豊音(だだだ、だからって!お姫様だっこだよー!?)

京太郎「もうちょっとで下山できるはずです」

京太郎「すみませんが、それまで我慢してもらえれば」

豊音「はっ、はい……////」コクッ

64: 2016/02/13(土) 20:24:16.86 ID:RmP+OnMn0

京太郎「ふぅ、ふっ、ふぅ……」テックテック

豊音「……お、重くない、かな?」

京太郎「そんなことより痛みは大丈夫ですか?」

豊音「京太郎君のおかげで少しは……」

京太郎「そうですか、もう5分も掛からないと思うので」

京太郎「ふぅ、ふっ、ふぅ……」テックテック

豊音「……」

65: 2016/02/13(土) 20:26:25.11 ID:RmP+OnMn0

豊音「本当に重くない?京太郎君ごめんねだよー!」

京太郎「……豊音さん?」

豊音「だって私の不注意で怪我したんだよ!」

豊音「私……大きいからとっても重いはずだよー!」

豊音「め、迷惑かけてごめんだよー……」グスッグスッ

京太郎「…………」

66: 2016/02/13(土) 20:28:25.01 ID:RmP+OnMn0

京太郎「豊音さん」

豊音「ふぇっ……?」ウルウル

京太郎「正直言って、結構重いです」

豊音「ほらっ!ほらやっぱりだよ!」ポカポカ

京太郎「でも降ろしませんよ」

豊音「な、なんでだよー?」

67: 2016/02/13(土) 20:30:46.05 ID:RmP+OnMn0

京太郎「ま、ヘリとか搬送があるなら助かりますが」

京太郎「ここは男にカッコつけさせてくださいよ」

京太郎「一緒に登るって言ったじゃないですか」

京太郎「無事に下山するまでが登山、ですよ」ニコリ

豊音「京太郎君……」

京太郎「お、スタート地点が見えてきた」

68: 2016/02/13(土) 20:32:41.58 ID:RmP+OnMn0

八幡平山頂レストハウス


京太郎「ふぅ、着いた着いた」

豊音「た、助かったよー……」トテ

京太郎「足の具合は――」

豊音「京太郎君ありがとうだよー!」ダキッ

京太郎「うぷっ!」

69: 2016/02/13(土) 20:34:20.66 ID:RmP+OnMn0

豊音「ホントに!ホントに嬉しかったよー!」ギュウウウ

京太郎(んげげ!ヤバい!またヤバイ!!)

京太郎(絞まってる!腕とおもちに挟まれて息が――)

京太郎「あああ、あだっでま!むねあだっでまず!」

豊音「あ……わ、わわわっ////」パッ

京太郎「ぜー!ぜー!ぜー!」ゴホゴホ

豊音「ご、ごめんね……////」モジモジ

71: 2016/02/13(土) 20:36:59.75 ID:RmP+OnMn0

京太郎「そ、それより足の具合は?」

豊音「うん、少し歩くくらいなら平気……」ズキッ

京太郎(こりゃ山道は絶対に歩かせちゃ駄目だな……)

京太郎(休める場所で安静に…………ん?休める?)

京太郎「豊音さん、今日温泉宿に泊まるんですよね?」

豊音「そうだよー、『藤七温泉』って言うんだよー」

京太郎「なら温泉に入りましょう!」

72: 2016/02/13(土) 20:38:29.96 ID:RmP+OnMn0

豊音「…………え?ええっ!?」

京太郎「秘境の温泉って効能があるって聞きますし!」

豊音「で、でも……あそこの温泉って……」

京太郎「安心してください、一緒に付いて行きますから!」

豊音(いいいいい、一緒!?きょっ、京太郎君と……////)

豊音「…………」

豊音「よ、宜しく御願いします……////」

73: 2016/02/13(土) 20:40:54.89 ID:RmP+OnMn0

京太郎「さて、タクシーは……当然いないよな」キョロキョロ

京太郎(山奥だしなー、呼ぶか歩くか……)

俺「なんや、君ら今下山してきたんかい」

京太郎「あ、どうも俺さん」

俺「俺はこれから青森に帰るとこやけど、君らは?」

京太郎「実は、かくかくじかじか――」

俺「なんや、そんなら俺の車に乗れや」

74: 2016/02/13(土) 20:42:27.76 ID:RmP+OnMn0

京太郎「え?俺たちはかなり助かりますけど」

豊音「い、いいんですか……?」

俺'「怪我しとるんやろ、早く休める場所に行かな」

俺「タクシーは来るまでに時間掛かるし」

俺「車で5分の距離やけど、歩きは下りを30分や」

俺「怪我人が歩けば間違いなく悪化する距離や」

俺「これも何かの縁と思って利用せい」

75: 2016/02/13(土) 20:44:09.46 ID:RmP+OnMn0

ブロロロロロロ

京太郎「そういえば、俺さんって青森の人なんですか?」

俺「せやで、青森市内や」

豊音「あれー?青森って関西弁なんですか?」

俺「いや、津軽弁らしいな」

京太郎「……じゃあ、なんでです?」

俺「俺もよく分からん、仕様やと思うで」

76: 2016/02/13(土) 20:46:19.09 ID:RmP+OnMn0

藤七温泉 彩雲荘 日帰り入浴(8:00~18:00)


俺「ここからなら盛岡行きの往復バスに乗って帰れるで」

京太郎「何から何まで、本当に助かります」ペコリ

豊音「ありがとうございました!」ペコリ

俺「チャックインは15:00からみたいやけど――」

京太郎「それまで日帰り入浴でもしてますよ」

俺「ほうか、ならまた縁があったらなー」ブロロ

78: 2016/02/13(土) 20:48:03.15 ID:RmP+OnMn0

京太郎「帰りは、15時までに上がれば充分間に合うな」

豊音「…………」ソワソワ

京太郎「さてと行きますかー」ガラガラ

受付「いらっしゃいのん」

京太郎「2人なんですけど、はい1,200円」

豊音「え、京太郎君!私、自分で払うよー!」

京太郎「いいですからいいですから」

79: 2016/02/13(土) 20:50:34.05 ID:RmP+OnMn0

彩雲荘 屋内大浴場


京太郎「ここかー」

豊音「…………」

豊音(……あれー?)

京太郎「じゃ、入りますか」

豊音「そっ、そうだね!あはは……」

京太郎「?」

80: 2016/02/13(土) 20:52:16.70 ID:RmP+OnMn0

※屋内風呂は現在は宿泊者のみかも?

京太郎「内湯、いいわー」ザー

京太郎「いかにも秘湯って雰囲気だよな」

京太郎「……何だろうこの感じ」

京太郎「大悪党とか浸かってそうというか」

京太郎「志々雄真が傷を癒してそうな……」

京太郎「うん、止めておこう、露天はどんな感じかな?」

81: 2016/02/13(土) 20:54:06.18 ID:RmP+OnMn0

京太郎「なんと雄大な景色」ザー

京太郎「花巻温泉とはまた違う方向で凄い」

京太郎「あっちは山奥で、こっちは高原って感じだな」

京太郎「ん?あれ岩手山か?すげー綺麗に見える!」

京太郎「カモン、ヤマビコ!いやっほー!」

やっほー! やっほー! やっほー!


豊音「……京太郎君の声?」

82: 2016/02/13(土) 20:56:32.01 ID:RmP+OnMn0

おばちゃんM「なんや、アンタ男連れやったんかい」

豊音「とっ、友達ですよ……////」

おばちゃんN「照れることないさかい」

おばちゃんO「顔真っ赤になっとるさかい」

豊音「うぅ……////」

おばちゃんP「よっしゃ、うちらが協力したるさかい!」

豊音「……協力?」

83: 2016/02/13(土) 20:58:04.56 ID:RmP+OnMn0

おばちゃんQ「今のところうちらしか温泉にはおらん」

おばちゃんQ「彼氏と二人きりにしたる」

豊音(彼氏!?)

おばちゃんQ「ちなみにな、『あっちの風呂』にあるが」

おばちゃんQ「泥を塗ってもらえば一瞬で怪我治るで」

おばちゃんQ「自分で塗ったらアカン、塗ってもらうんや」

豊音「そっ、そうなんですかー……」

おばちゃんR(Qさん嘘教えとるさかい)ニシシ

84: 2016/02/13(土) 21:00:02.43 ID:RmP+OnMn0

京太郎「うむ、美味い」モグモグ

豊音「……あ、京太郎君」トテトテ

京太郎「豊音さん、これどうぞ」スッ

豊音「卵?黒いね」

京太郎「何か他にも露天風呂があるみたいで」

京太郎「そっちで作ってる温泉卵だそうです」

豊音「!!」モグモグ

85: 2016/02/13(土) 21:01:38.62 ID:RmP+OnMn0

豊音「……京太郎君」

京太郎「なんですか?」

豊音「そっちの露天風呂って……」

京太郎「あ、今から行こうかなって思ってましたよ」

豊音「な、なら!私も行く……よー////」

京太郎「?」

86: 2016/02/13(土) 21:03:28.37 ID:RmP+OnMn0

京太郎「こっちか……あれ?」テクテク

おばちゃんM「大露天風呂ならこっちやさかい」

京太郎(山で会ったおばちゃんたちじゃん)

京太郎「お客さんなのに看板を拭いてるんですか?」

おばちゃんN「ちょいと看板の掃除やさかい」フキフキ

京太郎「は、はぁ……」テクテク

87: 2016/02/13(土) 21:05:33.78 ID:RmP+OnMn0

おばちゃんO「ほれ、さっさと行かんかい」フキフキ

おばちゃんP「山はいつ天気が変わるか分からんさかい」

京太郎「え?奥の看板も拭いてるんですか?」

豊音「げっ、元気なおばちゃんたちだねー」

京太郎(ボランティア精神なのかな?見習わないとなー)

おばちゃんQ「ほれ!入口はこっちや!」クイクイ

88: 2016/02/13(土) 21:07:07.65 ID:RmP+OnMn0

京太郎「入口の看板まで拭いてるんですか」

おばちゃんQ「今は誰も入ってへんみたいやぞー」フキフキ

京太郎「ちなみにその看板て何が書いて――」

おばちゃんQ「キエエエエエエエエエエイ!!」

京太郎「うひぃっ!?」ビクッ

おばちゃんR「そんなんええからさっさと入るさかい!」

京太郎「わ、分かりましたよ」ガラッ

89: 2016/02/13(土) 21:09:09.82 ID:RmP+OnMn0

おばちゃんQ「やっと入ったか、手間取らせおって」

豊音「あ、あのー」

おばちゃんQ「混浴の部分はしっかり隠してたからな」

おばちゃんQ「それにしてもあの兄ちゃんが彼氏か」

豊音「いえっ、その……////」

おばちゃんQ「あの兄ちゃん、ええ子やと思うで」ニコッ


京太郎『あのー?大丈夫ですか?』

豊音「……はい、本当にそう思います」

90: 2016/02/13(土) 21:12:11.78 ID:RmP+OnMn0

彩雲荘 露天風呂


京太郎「お、内湯かー」ザー

京太郎「温度高いねー、キモチー」

京太郎「周りの壁はプラスチックトタンか」

京太郎「外が見えそうではっきりと見えない」

京太郎「田舎の浴場って感じで味があるわ」

京太郎「露天はこっちかね」ゴトッ

91: 2016/02/13(土) 21:14:20.29 ID:RmP+OnMn0

京太郎「…………」ポカーン

京太郎「すっ!すっげー!!」

京太郎「なんじゃこりゃあああああ!!」

京太郎「ヤバい!これ本当にヤバい!」ダッダッダッ

京太郎「人いないことを確認してーの!」パシャパシャパシャ

京太郎「上からの撮影成功ですよ、我慢できなかった」

92: 2016/02/13(土) 21:17:02.55 ID:RmP+OnMn0

京太郎「こんなに広い露天風呂……」テクテク

京太郎「いやー、滅多に見られないと思うぞ」キョロキョロ

京太郎「露天風呂のテーマパークと呼ぶべきだろ」

>>1「ブログにそう書いてた人いたが全くの同感だー」

京太郎「良い表現する人もいるなー」テクテク

京太郎「…………ん?なんだ今の?」キョロキョロ

93: 2016/02/13(土) 21:19:22.42 ID:RmP+OnMn0

京太郎「お、なんだ?小屋がある」

京太郎「風呂とは違うのかな?ん?」

京太郎「入れ物に卵が入ってるぞ」

京太郎「あぁ、そうか、ここで温泉卵作ってるのか」

「へー、さっきの黒い卵ってここで作ってるんだー」

京太郎「ええ、そうみたいで…………え?」クルリ


豊音「////」

94: 2016/02/13(土) 21:21:29.85 ID:RmP+OnMn0

京太郎「ととととと、豊音さん!?」

豊音「////」

京太郎「アイエエエエ!ナンデ!?」

豊音「ここ……混浴だよー……////」

京太郎(何?こんな広い露天風呂が混浴!?)

豊音「……きょっ、京太郎君……」

95: 2016/02/13(土) 21:23:40.11 ID:RmP+OnMn0

京太郎「なな、何でしょう?」ビクッ

京太郎(バスタオル着用してるけどヤバいって!)

京太郎(スタイル良い!モデルみたいだ……)ムクムク

豊音「////」

豊音「か、隠した方がいいよー……////」

京太郎「…………え?」チラッ

京太郎「」

96: 2016/02/13(土) 21:25:52.42 ID:RmP+OnMn0

京太郎「すすす!すみません!」バッ

京太郎「粗末なものを見せてしまって!!」ペコペコ

豊音「そっ、そんなことないよー!」

豊音(おおお、大きかったよー……////)ゴクッ

京太郎「俺出ますね!すみま――」クルッ

豊音「いっ、一緒に入ってください!!」

97: 2016/02/13(土) 21:27:48.22 ID:RmP+OnMn0

京太郎「…………」

京太郎「……ん?…………んえっ!?」

豊音「ああ!その!!」

豊音「ここの温泉って怪我に良く効くみたいで!」

豊音「でも、深さとか分からないから」

豊音「京太郎君に確かめてもらいたいんだよー!」

98: 2016/02/13(土) 21:30:16.39 ID:RmP+OnMn0

京太郎「俺はその、大丈夫ですけど……」チラッ

豊音「ここバスタオル着ても大丈夫みたいだし」

豊音「お、お互いに隠せば平気だよー////」

京太郎「そ、そうですね……」

京太郎(確かに怪我してるし一人だと危ないかも)

豊音「宜しく……お願いします////」モジモジ

100: 2016/02/13(土) 21:32:36.88 ID:RmP+OnMn0

京太郎「あー、気持ち良いですねー」ザー

豊音「そうだねー♪」ザー

京太郎「入る場所で微妙に温度が違いますが」

京太郎「今入ってるところが1番いいですねー」

豊音「泡がぷくぷく浮いてたから気になったよー」

京太郎「下に何かありますよね……泥?」ザラザラ

豊音(……あっ!)

101: 2016/02/13(土) 21:34:52.37 ID:RmP+OnMn0

おばちゃんQ『泥を塗ってもらえば一瞬で怪我治るで』

豊音「京太郎君!泥塗ってあげるよー!」

京太郎「なぜにっ!?」ビクッ

豊音「その泥って凄い効能があるって聞いたんだよー」

京太郎「そ、そうなんですか?」

京太郎「でも、それなら逆に俺が足に塗りま――」

豊音「!?」

102: 2016/02/13(土) 21:37:08.00 ID:RmP+OnMn0

京太郎「……ん?あれ?あ……!」

京太郎(ああああ!完全にセクハラ発言じゃねーか!!)

豊音「お、お願いします////」

京太郎「すみま……マジですか!?」

豊音「////」

京太郎(此処は……天国だ……)

104: 2016/02/13(土) 21:38:53.41 ID:RmP+OnMn0

豊音「あ、ありがとうだよー////」

京太郎(あー、ドキドキが収まらねー)

京太郎(すっげぇ綺麗な肌してたもんな……)

京太郎(その人の足だけでも合法で触れるなんて)

豊音「じゃあ京太郎君にも塗るよー!」ザラザラ

京太郎(しかも触ってもらえる……だと……!?)

105: 2016/02/13(土) 21:40:47.09 ID:RmP+OnMn0

豊音「……今日は本当にありがとうね」ヌリヌリ

京太郎「い、いえ……」

豊音「京太郎君も疲れたはずだよー」ヌリヌリ

京太郎「そんなことないですよ、んあー……」

京太郎(やばー、最近肩凝ってたし気持ち良いわー)

豊音(大きい背中……京太郎君って逞しいんだ////)

京太郎「……あー……」

106: 2016/02/13(土) 21:43:35.54 ID:RmP+OnMn0

豊音「…………」ヌリヌリ

豊音「……私、本当に嬉しかったんだよ」ヌリヌリ

豊音「本当に寂しくて……怖くて……」ヌリヌリ

豊音「そんなとき、京太郎君が助けてくれた……」

豊音「私……私ね…………んみゅー」バシャ

京太郎「豊音さん!?」クルッ

107: 2016/02/13(土) 21:45:09.65 ID:RmP+OnMn0

豊音「うううー、少しのぼせちゃったよー……」

京太郎「休憩室で休んだ方がいいですね」

豊音(勢いで大変なこと言っちゃうとこだったよー////)

京太郎「歩けます?」

豊音「う、うん、大丈夫だよー」ザパァ

京太郎「それじゃ、あがりますか」ザパァ

109: 2016/02/13(土) 21:47:27.25 ID:RmP+OnMn0

彩雲荘 休憩所


豊音「色々とごめんねー……」

京太郎「俺は色々とありがとうございます、ですね」

豊音「……え?」

京太郎「今日は気晴らしのつもりで来ただけでしたけど」

京太郎「豊音さんのおかげで、本当に楽しかった」

京太郎「だから豊音さんも、ごめんって言うんじゃなくて」

京太郎「ありがとうって、言ってくれると嬉しいですね」ニコッ

豊音「京太郎君……」

110: 2016/02/13(土) 21:49:54.03 ID:RmP+OnMn0

京太郎「それにしても岩手って良いところですね~」

京太郎「んー、次はどんなこと体験できるんだろうなー!」

豊音(……そっか、そろそろお別れなんだよね……)

豊音(…………)

豊音(京太郎君、私……これっきりは嫌だよ……)

豊音「……京太郎君」

京太郎「ん?なんですか?」

111: 2016/02/13(土) 21:51:26.55 ID:RmP+OnMn0

豊音「私、もしかしたらなんだけど……」

豊音「また、寂しくなっちゃうかもしれないよ」

豊音「京太郎君に頼りたくなっちゃうかもしれないよ」

京太郎「豊音さん……」

豊音「だから、だから……!」

豊音「1つだけ……お願いがあるの……////」スッ

112: 2016/02/13(土) 21:52:38.24 ID:RmP+OnMn0

       __,,,                    _____
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     y \  ̄`-イ::ノ           ∨.:.:.∧ ⌒   ノリノ_ イ /{
     / \Λ¥|            \:.:.:.ヘ    /_. イノ/⌒i
    /   ヽ日 |               >--≧一'======x<´
                     ___/{r====イ 斗</

113: 2016/02/13(土) 21:53:59.91 ID:RmP+OnMn0

京太郎「携帯の番号交換なんて全然構いませんよ」

豊音「えへへ、ありがとうだよー♪」

京太郎(はー……すげぇ期待したんだけどなー……)

京太郎(そんな簡単に好きになってくれる訳ないよな)

京太郎(彼女できたことない俺に向こうから惚れるなんて)

京太郎(ま、都市伝説もいいとこだろうしな……)

京太郎「それじゃ、そろそろバスが来ると思うので」スクッ

114: 2016/02/13(土) 21:56:47.03 ID:RmP+OnMn0

豊音「分かったよ、ここで見送るよー」ニコニコ

京太郎(やっぱ勘違いだったよなー……)ガックシ

京太郎(惚れてたら外まで来てくれるもん!)

京太郎(少しでも歩いてくれるもん!ちくしょー!)

豊音「またねー!京太郎くーん!」フリフリ

京太郎「はーい!」フリフリ

115: 2016/02/13(土) 22:00:41.32 ID:RmP+OnMn0

ブロロロロロロ


豊音「…………」

豊音「……」

豊音「……もう、寂しくないよー」

豊音「…………」

豊音「……」グスッ

116: 2016/02/13(土) 22:04:06.83 ID:RmP+OnMn0

豊音「私、我慢したよー……」ウルウル

豊音「バスに乗るまで一緒にいたら泣いちゃうから」

豊音「ちゃっ、ちゃんと我慢したよー……」グスッ

豊音「笑って、お別れ……できたよー……」グスッグスッ

豊音「うえぇええんっ!ありがとうだよー!」ブワッ

豊音「ありがとうだよ!京太郎くーん!」ポロポロ


豊音「ありがとうー!!」

117: 2016/02/13(土) 22:06:17.32 ID:RmP+OnMn0

京太郎「…………ん?」

京太郎「あれー?運転手さん、呼んだ?」

運転手「のん?別に呼んでないの~ん」

京太郎「おっかしいなー」キョロキョロ

運転手「八尺様にでも取り憑かれたのん?」ニヤリ

京太郎(八尺様って何…………お……)トットン

118: 2016/02/13(土) 22:08:45.75 ID:RmP+OnMn0

京太郎「……そうですね」クスッ

京太郎「こんな綺麗な人になら、取り憑かれたいですね」

運転手「のんっ!?のののののののの!!」

京太郎(このトップ絵に出てるの、似てるなぁ……)

運転手「お客さん!笑えない冗談止めてのん!!」

京太郎「……え?何が?」


その後、調べてみたら少しブルッた京太郎であったとさ

119: 2016/02/13(土) 22:10:08.54 ID:RmP+OnMn0


 星屑の青春  八幡平編  完

120: 2016/02/13(土) 22:10:48.32 ID:RmP+OnMn0
 

            次回予告


        夏といったら海でしょ!


      ん?前回は山登りて言ってた?


          そんなん知るかよ!

121: 2016/02/13(土) 22:11:20.30 ID:RmP+OnMn0

京太郎「なっ、なんだよ……これ……」

京太郎(建物が……『ない』!?)

京太郎(こ、これ、見たら分かるけど……)

京太郎(建物が『あった』場所だろ、絶対……)

京太郎(あっ!向こうにあるのは鉄柱か!?)

京太郎「捻じ切れちまってるよ……」ゾクッ

122: 2016/02/13(土) 22:12:16.25 ID:RmP+OnMn0

塞「確かに、震災の爪痕は今も深く残ってる」

塞「あまりにも……大きな犠牲が出てしまった……」

塞「まだ、立ち上がれない人だって当然いる……」

京太郎「…………」

塞「それでもね、少しずつでも復興は進んでいる」

塞「みんな、前を向こうと頑張っているんだ」

123: 2016/02/13(土) 22:12:48.44 ID:RmP+OnMn0

塞(いや……そういうのじゃなくて……)

塞(確か、『恋人の聖地』とも呼ばれてる場所……)

塞(そんなとこに、男女が2人だけで行ったら……)

塞「…………」

塞「////」ボンッ

京太郎「塞さん?聞いてます?」

塞「わっー!?」ビクッ

124: 2016/02/13(土) 22:13:17.08 ID:RmP+OnMn0
 

    京太郎は砕けない  三陸編  完成済

126: 2016/02/13(土) 22:14:51.17 ID:MpveDH5YO
乙です!

引用: 京太郎「岩手って意外と観光しやすくね?マジで」