1: 2011/12/03(土) 20:02:54.47 ID:fPBrTZ9a0
まどか「変だよここ……どんどん道が変わっていく」

まどか「やだ! 何かいる!」

さやか「冗談だよね、あたし悪い夢でも見てるんだよね!」


ルーサー「何や? これがロックヘイムけ?」

稀男「そういうわけでも無さそうだな」

稀男「一先ず回りの奴らだな。ルーサーさん、懲らしめておやりなさい」

ルーサー「かしこまりました」

さやか「え……何この人達」
魔法少女まどか☆マギカ ~The different story~ (上) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)
3: 2011/12/03(土) 20:05:01.40 ID:fPBrTZ9a0
ルーサー「終わったでー」

稀男「まあ、見た目通りの雑魚だわな」

まどか「凄い……あの人、いっぱいいたのを素手で」

さやか「あたし達、助かる……?」ピト

稀男「……」

稀男「そりゃ」ゲシ

さやか「きゃあっ!」ドテ

まどか「さ、さやかちゃん?!」

ルーサー「おま、なにやっとんねん!」ガッシ

稀男「放せルーサー! 今のはどう見ても蹴りの流れだろうが!」

さやか「え、ええぇぇ~」

4: 2011/12/03(土) 20:07:55.18 ID:fPBrTZ9a0
マミ「あら……急に使い魔の気配が消えたと思ったら。まさか貴方達が倒したの」

まどか「同じ制服っ……」

ルーサー「驚かれるほど強うなかったで」

稀男「それよりここは何処なんだ? ジャリどもも変なのもうじゃうじゃいやがって」

マミ「そうねぇ、まずは自己紹介しないとかしら」ガサガサ

マミ「その前に……」パァァ

5: 2011/12/03(土) 20:11:08.59 ID:fPBrTZ9a0
まどか「凄いっ……」

さやか「景色が戻ってくっ……」

ルーサー「何やアレ、変身したで! ありえんとは思うが躰化の術やないやろうな」

稀男「あんなアホな躰化がある訳ないだろ。んな事よりルーサー、気付いているか?」パチパチ

稀男「次元の扉は閉じちまっているし、アカーシャ球体も命の緒も見えなくなっている」

ルーサー「ほんまや、何も感じられへん……どないなっとんねん」

ほむら「……」

ほむら(何……この男二人は? いきなりイレギュラーだなんて)

6: 2011/12/03(土) 20:13:59.69 ID:fPBrTZ9a0
……
マミ「御互い、無用なトラブルとは無縁でいたいと思わない?」

ほむら「……」クル

まどさや「ほっ……」

マミ「さ……QBの傷を治してあげないとね」パァ

マミ「これで、良しと」

QB「ありがとうマミ! 助かったよ!」

マミ「ふふ、お礼はこの子達に、ね?」

QB「どうもありがとう! 僕の名前はキュウベエ!」

QB「鹿目まどか、美樹さやか、君達にお願いがあって来たんだ!」

QB「僕と契約して魔法少女になってほしいんだ!」

ルーサー「稀男さん稀男さん、この白い獣を叩き潰してもよござんすか?」イラッ

QB「え゛っ!」

8: 2011/12/03(土) 20:16:49.45 ID:fPBrTZ9a0
稀男「止めとけルーサー。今は現状の把握を優先すべきだ」

マミ「え、と……こちらの二人は一体?」

さやか「いやーあたし達もあそこで会ったばかりでして……て、うわっ! よく見たらこの人、目が白い! 気持ち悪ぅ!」

稀男「結局ぼかぁそういう扱いですか……」

マミ「……ここで立ち話もあれだし、もしよろしければわたしの家に来ないかしら?」

マミ「大したお持て成しもできないけどもね」

まどか「い、いいんですか?」

稀男「俺らもついていっていーかね?」

マミ「そうねぇ……こちらから聞きたい事もあるし、来て頂けると助かるわ」

マミ「それと自己紹介をしないとね。わたしは巴マミよ」

ルーサー「俺はルーサー・ナッチェスや」

稀男「凡蔵稀男だ」

9: 2011/12/03(土) 20:19:53.44 ID:fPBrTZ9a0
マミホーム
マミ「QBに選ばれた以上、貴女達にとっても人事じゃないものね」

マミ「これはソウルジェム……QBと契約したわたし達魔法少女の証であり、魔力の源なの」

さやか「契約って?」

QB「ぼくは君達の願い事を何でも一つを叶えて上げるよ」

さやか「願い事っ!?」

QB「どんな奇跡だって叶えてあげられるよ。けれどその代償に出来上がるのがソウルジェム」

QB「それを手にした者は魔女と戦う使命を課せられるんだ」

ルーサー「稀男さん稀男さん……」イラッ

稀男「まだ黙って話を聞いてろよ」

10: 2011/12/03(土) 20:23:03.21 ID:fPBrTZ9a0
さやか「魔女って何なの? 魔法少女とは違うの?」

QB「願いから生まれるのが魔法少女だとすれば、魔女は呪いから生まれた存在なんだ」

QB「そして魔女は災いの種を世界にもたらす存在なんだ」

さやか「そんなやばい奴がいるのに、どうして誰も気付かないの……?」

QB「魔女は結界の奥深くに隠れ住んで、決して人前には現れないからね」

マミ「さっき貴女達がいた迷路みたいの所がそうよ。あれに飲み込まれた人間は、普通は生きて帰れないから」

まどか「マミさんはそんなのと戦っているんですか……?」

マミ「そう、命懸けよ……。それでナッチェスさんと、凡蔵さんは一体何者なのかしら?」

ルーサー「ルーサーでええで。……しっかし、何者かと聞かれたら何て答えたらええんやろ?」

稀男「ここは日本で間違えないみたいだし、完全に別の世界の人間になるだろうな」

さやか「別の世界……?」

11: 2011/12/03(土) 20:27:25.52 ID:fPBrTZ9a0
ルーサー「お、だいたいの考えがまとまったんかい。ちょっと分析聞かせてくれへん」

まどか「どういう事なんですか?」

稀男「日本という国がある別世界なんだろうな。東郷やらなんやらが無い、パラレルワールドってところか」

ルーサー「アカーシャ球体とかについてはどう考えとるけ?」

稀男「これは完全に推測でしかないが銀の法則やアカーシャ球体ってのは法律みたいなもので」

稀男「日本のどこそこがソロモンへイム、日本のどこそこがロックヘイム……西比利亜がここ、だから球っころはありません」

ルーサー「他所には他所の法則があるっちゅー事か」

稀男「それがここだと魔女やら魔法少女ってところだろうな」

ルーサー「ちょい待ち! それやと俺らは!」

稀男「そうだよ、力自慢の筋肉男と非力なニスだ」

まどか「ええと……」

さやか「全く話についていけないわー」

12: 2011/12/03(土) 20:30:17.83 ID:fPBrTZ9a0
ルーサー「にしても稀男、本当にここは悪魔どものおらん世界なんけ?」

まどか「えぇっ? どんな世界なんですか……?」

稀男「肯定はできないが、少なくとも俺らの知っている悪魔はいないだろうな」

ルーサー「この獣のゆうとる事なんぞ、まるっきし悪魔どもやんけ」ギリギリ

QB「ぐる……だず……」

マミ「やめて!!」

稀男「放してやれよ。今はいいとしても、そいつにはまだまだ聞きたい事もあるしな」

13: 2011/12/03(土) 20:33:17.35 ID:fPBrTZ9a0
マミ「う~ん、元の世界に返してあげられたらそれが一番なんだけども……」

ルーサー「そもそも何で俺らだけなんや? アスちんも同じ所から出たやん」

稀男「俺らが来た時にいたちびっこいやつ等の所為なんじゃねーの」

まどか「えっと……凡蔵さん達はこれからどうするんですか?」

稀男「まずは寝床を確保しねーとだな。近くに潰れたホテルとかはないのか?」

マミ「そういった所はいくつかあるけども……」

ルーサー「金なら少しはあるで? 普通に泊まったらええやんけ」

稀男「恐らく、通貨単位は同じでも硬貨や紙幣は全くの別物で使い物にならないだろうな」ジャラジャラ

さやか「うわ、何このお金! 何処の国よ!」

ルーサー「え、何やコレ。ノーマネーノーアイテムノーヒントやん」

14: 2011/12/03(土) 20:36:12.10 ID:fPBrTZ9a0
稀男「一般的には認識されない魔女……今のところ、辿るべきはそこだろうな」

稀男「さっきのは使い魔って奴で、親玉の魔女は別にいるんだろ?」

マミ「ええ、明日にでも魔女を探しに行くわ」

稀男「俺らもついていくわ。期待は出来ないが、何か分かるかもしれねーからな」

マミ「そう? なら、明日の夕方にでもわたし達の学校の前に来てもらえると助かるわ」ゴソゴソ

マミ「これが地図ね。現在地がここで学校がここ……このあたりが廃ホテルがあるところね」

ルーサー「おお、助かるわ」

ルーサー「せやけど、俺ら邪魔にならんへんか?」

マミ「魔法少女でも無いのに、使い魔倒せる人なんて初めて見るわ」クス

マミ「それに体験コースとは言え、鹿目さんや美樹さんと一緒にいてくれると心強いわ」

15: 2011/12/03(土) 20:39:38.79 ID:fPBrTZ9a0
マミ「絶対にわたしの傍を離れないでね」

まどさや「はい!」

ルーサー「お、うじゃうじゃおるやんけ」ドコォ

稀男「あの時は結界内だからかとも思ったが、やっぱり球っころは見えないな」パチパチ

ルーサー「にしてもこいつらほんま弱いわ」バキィ

さやか「あ、あたしもバット振り回せば倒せるかな」ドキドキ

まどか「や、止めようよさやかちゃん」

マミ「……まだ大して戦っていない」

16: 2011/12/03(土) 20:42:11.95 ID:fPBrTZ9a0
ルーサー「なんやあの気持ち悪いの」

さやか「グロい……」

マミ「あれが魔女よ……さあ、ここからはわたしの出番よ!」ドゥン

稀男「ルーサー、準備しておけよ」

ルーサー「お、躰化できるようになったんかい」

稀男「ジャリどもには命の緒は無いな……俺達のはしっかりとあるのに」

ルーサー「どういうこっちゃ?」

稀男「命の緒や各個人を取り巻くアカーシャ球体は、あっちで生まれた連中にしか適用されないんだろうな」

ルーサー「なんや面倒な話やな……稀男じゃ魔女は倒せないっつー事け?」

稀男「魔女の敗北条件次第だがな。これで『魔法少女の攻撃による総ダメージ』とかだったら、お前でもどうにもできんわな」

さやか「えーと、ルーサーさんは何で準備運動をしているんですか?」

ルーサー「出番があればすんごいもの見せたるで」

17: 2011/12/03(土) 20:45:08.86 ID:fPBrTZ9a0
マミ「あっ!」シュルン

まどか「マミさーん!!」

ルーサー「稀男!」

稀男「ほんじゃ、物理攻撃の有効性の確認も兼ねていってみるかね」

ルーサー「よっしゃ! 5乗45秒リミットや!」バンッ

まどか「きゃあっ!」

さやか「うわ、なに?!」

18: 2011/12/03(土) 20:48:07.26 ID:fPBrTZ9a0
マミ「大丈夫。未来の……」ボフッ

ルーサー「何や魔女の体の一部が飛んでいきおったで」ボッ

稀男「なんだ、これなら俺達でも倒せそうだな」

さやか「ル、ルーサーさん凄いっ」

ルーサー「しっかし、こうも大きいとダメージになっとんのかよう分からんわ」ドチ

ゲルトルート「……」フラフラ

ルーサー「お、わざわざ頭下げて助かるやん、こいつで終いや!」バフッ

ゲルトルート「」ズゥン

マミ「えー」

19: 2011/12/03(土) 20:51:04.20 ID:fPBrTZ9a0
さやか「景色が……」

稀男「ルーサー、次元の扉だ」

ルーサー「ちっさ! 何やねん、こんなのどうくぐれっちゅうんや」

アス『二人とも無事ですか! 一体今何処にいるのです?!』

稀男「それはこっちが聞きてーよ」

ルーサー「ソロモンへイムとは違う日本におんねん。どうにかこれを広げられへんのか?」

アス『これで限界なのですよ! あなた達はどうしてそう変な事に……』キュッ

稀男「扉が縮まる……また明日このくらいの時間に開いてくれ。それとアンブロシアちょーだい」

アス『ですから、あれは貴重な……ああ、もう……』キュム

稀男「……」パチパチ

稀男「やっぱり向こうと繋がっている間だけみたいだな」

ルーサー「なんやこっからスーパールーサーの出番やってのに」ドサ

20: 2011/12/03(土) 20:53:07.22 ID:fPBrTZ9a0
まどか「マミさん……それは?」

マミ「これはグリーフシード。魔女の卵よ」

さやか「ええ?! これが魔女の……」

QB「その状態なら安全だし、むしろ役に立つ貴重な物なんだ」

マミ「わたしのソウルジェム……」

マミ「こ、これでも少し濁っているのよ」

まどか「え、そうなんですか?」

マミ「グリーフシードを使えば、ほら」シュワ

さやか「綺麗になったっ」

マミ「これでわたしの消耗した魔力は元通りよ」

21: 2011/12/03(土) 20:56:05.19 ID:fPBrTZ9a0
ほむら「これは貴女の獲物よ。貴女だけの物にするといい」ヒュン

マミ「そう、それが貴女の答えね」パシ

ルーサー「えらい感じ悪いやん。敵対しとるんか?」

マミ「わたし達にとってグリーフシードは必需品だから、こうして縄張り争いも起こるのよ」

マミ「本当は協力し合うのが一番なんだけども……」

さやか「ところでルーサーさんは何で寝転がってるんですか?」

ルーサー「さっき俺の体がごつうなったやろ。あれをするとしばらく体が動かれへんのや」

まどか「ええ?! 大丈夫なんですか?!」

ルーサー「3分の5乗、4時間の辛抱や」

22: 2011/12/03(土) 20:59:04.40 ID:fPBrTZ9a0
稀男「もうこの辺りには魔女はいないんだろ?」

マミ「ええ、反応は無いわ」

稀男「なら放置しておいても問題ないな」スタスタ

さやか「酷っ!」

ルーサー「ええねんええねん。こんなんいつもの事や」

マミ「え、と……凡蔵さんとはお友達ではないのですか?」

ルーサー「少ーし違うわ。せやけど、頼りになる奴やからあんま邪険にせんといてくれーや」

さやか「はあ……でも、あたしはあの人嫌だなー」

23: 2011/12/03(土) 21:02:05.55 ID:fPBrTZ9a0
……
ルーサー「戻ったでー」

稀男「グガー……グガー……」

ルーサー「起きーや。大事な話があるやん」ユッサユッサ

稀男「ウガ……ああ、戻ってきたか」

ルーサー「正直な話、魔法少女どう思うとるん」

稀男「良くは無い代物だろうな。まあ、確認すべき事柄がいくつかあるけどな」

稀男「あのソウルジェムってのは、魔力を使うと穢れていくが穢れきったらどうなるか」

稀男「後はあのグリーフシードの発生源だな。魔女狩りが昨日の今日の始まりじゃないだろうからな」

稀男「何かしらの発生源が無い限り、魔女の数は頭打ちになって、全滅しているはずだからな」

24: 2011/12/03(土) 21:05:10.51 ID:fPBrTZ9a0
ルーサー「そこら辺の事、マミは知っとるんかなぁ……」

稀男「さあな。どうにか毛玉をとっ捕まえたいが、一旦は後回しでいいだろう」

ルーサー「そんでどないすんねん。魔女狩り続けるんかい」

稀男「それと平行してあのほむらってのにも接触しておくべきだろうな」

ルーサー「めっさ敵やんけ。近づいて攻撃されへんか?」

稀男「本当に敵意があったのなら、いくらでも攻撃のしようがあったはずだ」

稀男「それをしてこないところを見ると、敵意とは別の思惑で行動していると見るべきだろうな」

稀男「何にせよ、今はアンブロシアが手に入るまではあまり動けないがな」

ルーサー「一般ピープルみたいなもんやもんなぁ……」

25: 2011/12/03(土) 21:08:07.16 ID:fPBrTZ9a0
……
ルーサー「にしても、随分と違うもんやな」

ルーサー「こっちはこないな乗り物や家が普通みたいやし」

稀男「歴史が違うから発展の仕方も違う」

稀男「そもそも、時代が同じとも限らないからな」

ルーサー「うちらのとこも未来はこーなるんけ……?」

稀男「さあな。そいつを知りたきゃ長生きしないとだな」

26: 2011/12/03(土) 21:11:00.24 ID:fPBrTZ9a0
マミ「さて、それじゃあ今日も行きましょうか」

さやか「はーい!」

まどか「あのルーサーさん達の……そのピンク色の物は?」

アス『決して無駄に使わないように! リョースから……う事がああもう……』キュム

さやか「ありゃ? 消えちゃった」

ルーサー「俺らがこっちに来た扉や。今は何故か小さなってて戻る事もできへん」

まどか「どうにか大きくする事はできないんですか?」

稀男「扉を出している奴もさっぱりだとさ。昨日に比べれば少し大きくなっているし、開いている時間も長くはなっている」

マミ「そのうち戻れるようになるのかしら?」

ルーサー「焦ったってなんにもならへん。のんびりやっていくわ」

27: 2011/12/03(土) 21:14:14.00 ID:fPBrTZ9a0
稀男「次元の扉は閉じちまったし、今日はもう俺らに出番はなさそうだな」

ルーサー「俺は使い魔倒せるやん」

マミ「お二人はどういった状況でも、冷静に判断して動いてくれますし」

マミ「本当に頼りにしているんですよ?」

さやか「ですよねー! ルーサーさんすっごい強いですし!」

稀男「縛りプレイっつっても、ソロモンへイムに比べればまだまだ温いからな」

ルーサー「それにレックスに比べれば恐ろしくないけ」

まどか「レックス、さんですか?」

稀男「もんげーおっかないルーサーのパパだ。俺でもトラウマだよ」

さやか「……その人、なんで稀男をやっつけてくれなかったんだろ」ボソ


さやか「きゃーーー!」グッシャグシャ

28: 2011/12/03(土) 21:18:17.57 ID:fPBrTZ9a0
マミ「ティロ・フィナーレ!!」ズドォォン

さやか「いや~やっぱマミさんってカッコイイねっ!」

マミ「もうっ、危ない事をしているって意識は忘れないでね」

まどか「あれ? グリーフシードを落とさなかったね」

QB「あれは使い魔だからね。彼らはグリーフシードを持っていないのさ」

稀男「……」

さやか「なんかハズレみたいな感じで嫌だわー」

マミ「いずれ、分裂元の魔女になるから放っておけないのよ。それに、使い魔だって人間を頃してしまうから余計、ね」

29: 2011/12/03(土) 21:21:13.22 ID:fPBrTZ9a0
マミ「二人は何か願い事は見つかったのかしら?」

さやか「う~んあたしは……まどかは?」

まどか「あたしも……」

マミ「いざ考えるとなると、そうゆうものよね」

ルーサー「マミはどーゆー願い事をしたんけ?」

マミ「……あたしは、考えている余裕さえも無かったから」

まどか「マミさん……」

マミ「後悔はしていないわ。あそこで氏んじゃう事に比べたら」

マミ「だからこそ、選択の余地がある子には、きちんと考えた上で決めてもらいたいの」

ルーサー「マミの言うとおり。無理してまで叶える必要だってないやんけ。よーっく考えたほうがええで」

30: 2011/12/03(土) 21:24:12.62 ID:fPBrTZ9a0
マミ「それじゃあわたしはここで」

まどか「はい、お疲れ様です」

さやか「はーい! 明日もよろしくお願いしまーす!」ブンブン

QB「それじゃあ僕は今日もまどかの家に行くね」

ルーサー「ほなうちらもな」

稀男「……」

マミ「あら? ナッチェスさん達は戻らないのですか?」

稀男「ちょいと話を聞きたくてね」

31: 2011/12/03(土) 21:27:05.30 ID:fPBrTZ9a0
マミ「わたしは構わないけども……少し後になってもいいかしら?」

ルーサー「やっぱ俺らをつけていたんかい」

ほむら「……分かっているの? 貴女は無関係な一般人を危険に巻き込んでいる」

ルーサー「俺らの事かいな?」

ほむら「違うわ」

ルーサー「……即答されてしもうたわ」

稀男「関係あるかもしんねーし一般人じゃねーだろ」

ほむら「……」

32: 2011/12/03(土) 21:30:01.59 ID:fPBrTZ9a0
ほむら「貴女とは戦いたくないのだけれど」

マミ「なら、二度と会う事が無いよう努力して」

マミ「話し合いで済むのは、これが最後でしょうから」スタスタ

マミ「それで、凡蔵さんは……」

稀男「いいや、今度にするわ」

ルーサー(ええんけ? 毎回毎回白いのがまどかについていく保障あらへんで)ヒソヒソ

稀男(多分、あのほむらってジャリのが知っているだろうからな)ヒソヒソ

33: 2011/12/03(土) 21:33:05.58 ID:fPBrTZ9a0
稀男「アンブロシアが三本か……」

ルーサー「ケチ臭いわなー」

稀男「『あの時の子供に上げたのは貴方でしょうが!』だとさ」

ルーサー「ほんでこっからはどうすんねん? 次元の扉がしっかり開くまで待つんかいな?」

稀男「アポとって土日にでもあのジャリに会おう」

稀男「明日の魔女狩りの時に現れてくれりゃあ早いんだがな」

ルーサー「そうなったらマミと衝突確定やん……」

34: 2011/12/03(土) 21:36:05.21 ID:fPBrTZ9a0
ルーサー「あかん! 遅れてもうた!」

稀男「流石に律儀に校門前で待ってはいないわな」

ルーサー「どないすんねん……今日の魔女狩りはパスかい」

稀男「……あん?」

教師「コホン……貴方達、ここで一体何をなさっているのですか?」

ルーサー「俺ら怪しいもんちゃうで。知り合いと待ち合わせしてんねん。巴マミいうんやけど知らへん?」

教師「……」ジー

稀男「時間に遅れたのは俺らだ。もう帰ちまっただろ」

教師「……巴さんでしたら二年生の子と慌てて出て行きましたよ」

35: 2011/12/03(土) 21:39:04.13 ID:fPBrTZ9a0
ルーサー「ちょ、いきなりなに急いでんねん!」

稀男「両方で髪を結わえたって言っていただろ! 見学のジャリと慌てて出ていくとしたら魔女しかいねーだろ!」

ルーサー「焦りすぎちゃうんかい? だいたい、マミがいれば安心やんけ」

ルーサー「だいたい方角だけで見つけるんは……稀男、ほむらって奴や!」

稀男「追いかけるぞ。最悪、道案内でもさせりゃあいい」


ルーサー「どっち行ったんや!」

稀男「仕方が無い、この辺りを探すぞ」

ルーサー「病院……? こんなところで魔女やなんて」

稀男「お、壁に入り口あるな」

ルーサー「おっしゃ、飛び込むで稀男!」

36: 2011/12/03(土) 21:41:03.36 ID:fPBrTZ9a0
ほむら「貴方達は……」プラーン

稀男「おまはんこんなところでなんぞしとんの。マゾかえ」

ほむら「巴マミに拘束されているだけよ」

ルーサー「なんや、また何かしたんかいな」

ほむら「……貴方達は魔法少女でもないのに、魔女や使い魔に対抗できる力があるのね」

ほむら「お願い、急いで巴マミの援護に向かって」

ルーサー「あんだけ敵意剥き出しといて心配しとんのかい」

稀男「駄目だな。マミが作り出した紐は普通じゃないみたいだ」パン

稀男「次元の扉も開いているし、閉じちまう前に最深部にいかないとな」パチパチ

稀男「悪いが全力で引っ張ってくれ」

ルーサー「おっしゃあ、持続力重視でいくでー!」バン

37: 2011/12/03(土) 21:44:09.27 ID:fPBrTZ9a0
マミ「これで終わりよ!」ドゥゥン

シャルロッテ「……」ニュルン

マミ「……え」

シャルロッテ「……」グワァ

まどさや「マミさん!」




稀男「運1%使用『黒い魔女の両目を打ち抜け』」パンッパンッ

38: 2011/12/03(土) 21:47:15.17 ID:fPBrTZ9a0
シャルロッテ「――! ――!」グネングネン

マミ「凡蔵さん!」

まどか「稀男さんにルーサーさん!」

さやか「げっ稀男!」

ルーサー「なんで心臓を打ち抜かんねん!」

稀男「あれにちゃんと臓器があるようには見えないからな。後はお前がボコって終わりだろ」

ルーサー「そういう事かい!」ツァ

ルーサー「いっくでーーー」ドドドド ボフ

まどか「やったあぁぁ!」

さやか「ルーサーさんかっくぃ~~!」

39: 2011/12/03(土) 21:50:22.55 ID:fPBrTZ9a0
稀男「おい」

さやか「うげっ。な、なによ」

稀男「お前ちゃっかり俺だけ呼び捨てしおっていい度胸じゃねーの」グシャグシャ

さやか「ぎゃーー!」

まどか「さ、さやかちゃーーん!」

ルーサー「またやっとんかい」

マミ「……ありがとう。本当に……貴方達がいなかったら」

稀男「ルーサー伏せろ!」

シャルロッテ「……」ガブ

まどか「ルーサーさん!」

ルーサー「おわっ! なんやねんこいつ!」ボフッ

シャルロッテ「」ニュルン

41: 2011/12/03(土) 21:53:13.30 ID:fPBrTZ9a0
ルーサー「ぬおおおお!!」ドドドド

さやか「なんで! なんで氏なないの!」

シャルロッテ「」ニュルン

マミ「何度も再生して……何処かに本体が?!」ドゥンドゥン

シャルロッテ「」ニュルン

ルーサー「あかんで! あと30秒以内にケリつけな!」バフッ

稀男「運1%使用『黒い魔女の心臓部を打ち抜け』」パンッ ヒュウゥン

まどか「あれ……当りもしない?」

稀男「魔女には中核も無いってか」チャキ

稀男「運1%使用『椅子に座っている魔女の頭部を打ち抜け』」パンッ

ルーサー「稀男! こっちをどうにかしてーや!」ボフッジャッ

シャルロッテ「」プシュゥゥ

ルーサー「な、なんや?」

42: 2011/12/03(土) 21:56:02.91 ID:fPBrTZ9a0
ルーサー「なにが起こったんや?」

稀男「椅子の上にいたやつが本体かなんかだろ」

マミ「なんで、分かったんですか?」

稀男「魔女ってのが倒せる事を前提とするなら、あの無限コンテニューには仕掛けがあるはずだ」

稀男「マミも本体がどっかにいるみたいな事を叫んでいたしな」

稀男「使い魔は的みてーな顔をしていたし、椅子にいた奴も同じだったろ」

まどか「凄い……あんな短い時間でそんなに分かるんですか?」

ルーサー「な、頼りになるやろ」ドサ

43: 2011/12/03(土) 21:59:50.32 ID:fPBrTZ9a0
さやか「ああっルーサーさん!」

ルーサー「今回は30分やから大した事ないねん」

稀男「にしても、なんだってマミとまどかの二人で急いでいたんだ?」

まどか「あたしとさやかちゃんで孵化しかけているグリーフシードを見つけて……」

さやか「あたしが残って、まどかにはマミさんを呼んできてもらったんだよ」

ルーサー「二人ともどっか悪いんけ?」

まどか「さやかちゃんの幼馴染がここで入院してて、そのお見舞いの帰りだったの」

マミ「そうだったの……美樹さん、前にも言ったけでもQBとの契約の事、安易に考えちゃ駄目だからね?」

さやか「あはは、分かってますってばー」

44: 2011/12/03(土) 22:02:32.25 ID:fPBrTZ9a0
ほむら「……」カツ

マミ「……あら、まだいたの?」

ほむら「どうやら、貴方達のおかげで助かったようね」

ほむら「お礼は言っておくわ。ありがとう」

稀男「なら後で話がしたいんだが構わんかね」

マミ「凡蔵さん?」

ほむら「……わたしに?」

ルーサー「この子はマミを助けて欲しい言うたんや」

マミ「え……?」

まどか「そ、そうなのほむらちゃん?」

稀男「敵じゃあねーだろうし、危険がある訳じゃないんだ。お前らは帰れ帰れ」

45: 2011/12/03(土) 22:05:08.08 ID:fPBrTZ9a0
ほむら「それで、どういった用件があるのかしら」

稀男「あの白い毛玉が言っている事は本当か?」

ルーサー「……?」

ほむら「……本当の事よ」

稀男「あいつ等は嘘を吐かない。が、全てを話さない」

ほむら「貴方……何を知っているの?」

稀男「似たような連中を知っているだけだ。ここの事は知らねーよ」

稀男「だから話をしてるんだ」

46: 2011/12/03(土) 22:07:58.71 ID:fPBrTZ9a0
稀男「あのグリーフシードとかいう魔女の卵。そして、魔法少女のソウルジェムの穢れを取り除く重要アイテム」

稀男「あれは魔女からしか手に入らないらしいが、使い魔が魔女になった場合はどうなるんけ?」

ほむら「その魔女もグリーフシードを持っている可能性はあるわ」

ルーサー「つまり、連中を全滅させるには魔女も使い魔もいっぺんにやって、グリーフシードを全て回収すればええんか」

ほむら「……魔女を根絶やしにする事はできないわ」

稀男「因みにソウルジェムの穢れが貯まりきるとどうなるんよ」

ほむら「……魔法少女は氏ぬわ」

ルーサー「な……ほならグリーフシードの在庫が無くなったら終わりやんけ」

稀男「氏ぬだけなのか?」

ルーサー「ま、稀男……?」

47: 2011/12/03(土) 22:11:11.71 ID:fPBrTZ9a0
稀男「というよりも、元々魔女の発生元ってのは何だ?」

稀男「グリーフシードがどっかから沸いて出てくるんじゃないんだろ」

ほむら「まるで、何かを知っているかのようね」

稀男「毛玉は願いから魔法少女、呪いから魔女が生まれると言っていた」

稀男「が、今までの話からして、その二つは対極に位置し繋がりを持っていると考えるべきだろう」

ほむら「……そうよ。さっき言ったソウルジェムの穢れ。あれが限界まで貯まると魔法少女は魔女になるのよ」

ルーサー「……ほ、ほなら今まで俺やマミが倒してきたんは」

ほむら「魔法少女の成れの果てよ」

48: 2011/12/03(土) 22:14:02.51 ID:fPBrTZ9a0
ルーサー「……これ、マミは知らんのけ」

ほむら「ええ。彼女には絶対知らさないで」

ルーサー「そりゃ、魔法少女になってもうた以上、どうする事もできへんにしても……」

稀男「分かった。内密にしておく」

ルーサー「稀男……」

稀男「最後にもひとつだけ。近い内に何か起こったりすんのか?」

ほむら「……どういう意味かしら?」

稀男「俺達はこことは別の世界にいたが、ちょっとした時にこっちに引き込まれたんだ」

稀男「原因として魔女絡みの何かがあるんじゃないかと思っているが……そこら辺はどうなんよ」

49: 2011/12/03(土) 22:17:00.79 ID:fPBrTZ9a0
ほむら「そうね。近い内にワルプルギスの夜というとてつもなく強い魔女が現れるわ」

ルーサー「……そいつに勝てるんけ?」

ほむら「勝つのよ。必ず」

稀男「ラスボスみてーなもんか?」

ほむら「……ええ、あたしにとってはラスボスそのものね」

稀男「そうかい」

稀男「一応だがそれまでに帰れなかったら、俺らもその魔女を倒すのを手伝ってやるよ」

ルーサー「珍しく優しいやんけ」

稀男「恐らくその魔女に起因する何かが、俺達の現状を作り出している」

ほむら「……」

稀男「そのワルプルギスの夜ってのを倒さない限り、次元の扉は開ききらないだろうさ」

51: 2011/12/03(土) 22:20:03.60 ID:fPBrTZ9a0
稀男「付き合わせちまって悪かったな」

ほむら「構わないわ」

ルーサー「……仮にそのワルプルギスの夜ってのがラスボスやとして」

ルーサー「こっからどないすんねん」

稀男「マミと一緒に魔女狩りでいいだろ」

稀男「それともほむらについて行った方がいいか?」

ほむら「わたしの心配は要らないわ」

ほむら「巴マミについて、鹿目まどかが契約しないよう立ち回ってもらえないかしら?」

稀男「……そいつがお前の目的か」

ルーサー「魔法少女になって得するもんでもないやん。全力で止たるわ」

ほむら「そう言って貰えると助かるわ」

52: 2011/12/03(土) 22:23:16.45 ID:fPBrTZ9a0
ルーサー「つっても……俺らは四六時中一緒いるわけじゃないのに、どう止めたらええんやろ」

稀男「一先ずは一人、魔法少女候補を抑えておくか」

ルーサー「どっちの事や?」

稀男「さやかだよ。可能性の上でだが、見舞い相手の為に願い事をするかもしれねーだろ」

稀男「見舞い相手の状態次第でもあるが、明日にでも一度会ってみるか」

53: 2011/12/03(土) 22:26:12.04 ID:fPBrTZ9a0
……
上条「諦めろって言われたんだ。先生から直々に……」

上条「今の医学じゃ無理だって。……奇跡や魔法でもない限り、この腕は二度と動かない」

さやか「あるよ……!」

さやか「奇跡も魔法も……」

稀男「悪いごはいねーが」ニュ

さやか「ぎゃーーー!」

稀男「人様見て悲鳴たー可愛がり甲斐のある奴め」グシャグシャグシャ

さやか「きゃーーー!」

ルーサー「だから止めんか稀男」グイグイ

上条「え……? 誰、え、目が……グロい」

稀男「悪いごはおめーがぁー」ズイ

上条「うわあああ!」

54: 2011/12/03(土) 22:29:07.86 ID:fPBrTZ9a0
上条「い、いきなり何をするんだ! それにさやかの髪をぐしゃぐしゃにするし、なんなんだ!」

稀男「あん? このジャリにあたっていたおまはんに言われたくないわな」

ルーサー「そやそや! 男としてもオドレの頭、さやかに下げさせんと気ぃすまんわ!」

さやか「ちょ、ルーサーさんまで止めて下さい!」

上条「……さやか、この人達は一体」

さやか「えぇと、深くも広くも無い浅い知り合いというかー……」

稀男「とにかく一度とっちめねーと気が収まらねーんだよ」グリグリ

上条「ちょ痛、ってなんだよその試験管! 蛍光ピンクじゃん!」

さやか「ちょっと稀男! 毒じゃないでしょうね!」グイグイ

ルーサー「まーまー、さやかは落ち着いて見ててや」

55: 2011/12/03(土) 22:32:24.36 ID:fPBrTZ9a0
上条「むぐぐぐ」

稀男「『入れ』」

上条「むぐーーー!」

さやか「大丈夫なの!? ルーサーさん本当にこれ大丈夫なんですよね?!」

上条「げほっごほっ」

上条「一体何を飲ま……あ、あれ」

さやか「きょ、恭介……手が!」

上条「あ、ああ……動く。右手が動くよ!」

ルーサー「ほな行くか」

稀男「……ああ」スッ

さやか「あ……ありがとう! ありがとう稀男、ルーサーさん!」

56: 2011/12/03(土) 22:35:10.53 ID:fPBrTZ9a0
病院屋上
稀男「出て来い、QB」

QB「……やれやれ、君達は一体何がしたいんだい」テコテコ

ルーサー「いけしゃあしゃあとこんの毛玉がぁぁ」

稀男「やっぱりあの場面で待ち構えていやがったな」

稀男「どうせ勢力だの地位だのどーでもいい事で魔法少女を増やしてんだろ」

QB「失礼だなぁ。僕は宇宙の未来の為に彼女達と契約し、魔法少女になってもらっているんだよ?」

稀男「どういうこっちゃ?」

57: 2011/12/03(土) 22:38:16.40 ID:fPBrTZ9a0
QB「彼女達の力は宇宙を存続させる為のエネルギーになっているんだ」

ルーサー「流石のルーサーちゃんでも分かるわ。よーするに魔法少女が魔女化する時、あるいは魔女が倒れた時に出るエネルギーとか言いたいんやろ」

QB「へえ、魔女の発生源を知っていたんだね」

ルーサー「……」イラッ

QB「因みに今の話だと、前者で合っているよルーサー・ナッチェス」

ルーサー「そうかい!」バンッ ドォォン

稀男「おいおい……とっとと逃げないと騒ぎに巻き込まれるじゃねーか」

ルーサー「一先ず毛玉をぶっ潰したんやし、一つ問題解決やろ」

稀男「ほむらのように魔法少女の魔女化を知る奴は今までにもいただろうな」

稀男「そこで逆鱗した魔法少女に攻撃されてもいい策として……今の状況からいけばどっかの銀バエみたく復活するだろうよ」

ルーサー「え? ほならどないすんねん」

稀男「ほむらに考えがあるみてーだし、マミ達を守るしかねーだろ」

58: 2011/12/03(土) 22:41:41.29 ID:fPBrTZ9a0
ルーサー「まどか達はおらんのけ?」

マミ「ええ、今日は体験コースは中止よ」

稀男「何かあったのか?」

マミ「美樹さんが用事があるという事で鹿目さんもお休みよ」

ルーサー「なんや少し寂しい魔女退治やな」

マミ「元々はわたし一人だったから、十分賑やかなんだけどね」

59: 2011/12/03(土) 22:44:11.16 ID:fPBrTZ9a0
稀男「今日は魔女は出てこないのか?」

マミ「そうねぇ。最近は連続だったけども、毎日現れる訳ではないからね」

ルーサー「そりゃそうか。一日でも見逃したら犠牲者出るんやったら、もっと酷い事になってるはずやもんな」

さやか「マミさん! ルーサーさん達も!」

稀男「おまはん、お見舞いはもうええんけ?」

さやか「えと、あ、本当にありがとうござ……じゃなかった、いや間違ってない!」

マミ「落ち着いて美樹さん。何があったの?」

さやか「まどかがまだ家に帰っていないんです! 今日は真っ直ぐ帰るって言っていたのに……」

ルーサー「……まさか魔女絡み?」

さやか「携帯も繋がんなくて……」

マミ「少し……急いだ方がいいかもしれないわね」

61: 2011/12/03(土) 22:47:07.16 ID:fPBrTZ9a0
……
まどか「嫌だ……誰か! 助けて!」グネングネン

ドゥンドゥン

まどか「マミ、さん……!」

マミ「鹿目さん、もう大丈夫よ!」ドゥンドゥン

マミ「これで終わりよ! ティロ・フィナーレ!!」ドォォン

ルーサー「おう終わったんかい、お疲れさん」

マミ「あらありがとう、ルーサーさん」

さやか「まどかあぁ!!」

まどか「さ、さやかちゃん?!」ダキ

さやか「良かった、良かったよぉぉ!」グズグズ

62: 2011/12/03(土) 22:50:00.80 ID:fPBrTZ9a0
ルーサー「せめて俺らも援護したかったんやけど」

稀男「次元の扉はもう夕方に開いちまっていたからな」

稀男「もうちょい魔女の出現時間に合わせたいが法則とかないんだろ?」

マミ「ええ、残念ながらね」

稀男「弾が確保できないとなると、俺らは力不足だからな」

ルーサー「俺は使い魔倒せるやん。稀男の弾はあとどんくらい残っとるん?」

稀男「後七発だよ」

63: 2011/12/03(土) 22:53:12.37 ID:fPBrTZ9a0
ほむら「貴方達……」

まどか「ほむらちゃん!」

ほむら「どうやらまた貴方達に助けられたみたいね……」

稀男「今回は何もしちゃいねーがな」

ルーサー「全部まとめてマミがやっつけたんや。礼ならマミにな」

マミ「あら、言いたくないのなら言わなくても結構よ?」

ほむら「……ありがとう、巴マミ。そして凡蔵稀男とルーサー・ナッチェスも」

ルーサー「何で俺らも?」

ほむら「……」チラ

さやか「な、何よ転校生……」

ほむら「なんでもないわ」ファサ

64: 2011/12/03(土) 22:56:01.35 ID:fPBrTZ9a0
杏子「で、あれがおかしな二人組?」

QB「そうだよ。白いのは必ず銃弾を当てる力があり、茶色いのは魔女も倒す怪力だ」

杏子「それで狩場を広げてるっての?」

QB「そういう訳じゃないけど、彼らが何を考えているのか分からない以上、あまり野放しにしていいたくないんだよ」

杏子「……あたしにどうしろってんだい」

QB「マミ達は彼等を信用してしまっている。だから杏子には彼等を見張っててほしいんだ」

QB「もしも僕達が知らないところで魔女を狩って、グリーフシードを隠し溜め込んでいたら大変な事になる」

杏子「ふーん」

杏子「まーいーわ。獲物を無駄に減らされるくらいなら、潰しちゃったほうがいいもんねっ」

65: 2011/12/03(土) 22:59:17.71 ID:fPBrTZ9a0
マミ「ここね……」

QB「この結界は使い魔のもののようだね」

マミ「……」

マミ「二人はまだ見学を続けるのかしら?」

まどか「え……?」

さやか「あー……あたしらお邪魔ですもんねぇ」

マミ「そういう意味じゃないの」

マミ「この間の戦いの時に感じたわ……」

マミ「あたし一人じゃ、貴女達を満足に守れもしないのに」

マミ「これ以上、魔女狩りに付き合わせてしまうのは危険だわ」

まどか「マミさん……」

66: 2011/12/03(土) 23:02:52.57 ID:fPBrTZ9a0

ルーサー「せやなぁ。正直言って俺らも、特定時間外は魔女には太刀打ちできへんし」

ルーサー「そん時は稀男も完全に戦力外なわけやしなぁ」

まどか「そう、ですよね……でも」

稀男「んなモン昼間に考えりゃあいーだろ。ほれ、飛んできたぞ」

マミ「外に……! 逃がさないわよ!」バァン

67: 2011/12/03(土) 23:05:24.26 ID:fPBrTZ9a0
杏子「あーいかわらず、使い魔でも倒してんだねぇ」

マミ「佐倉さん……!?」

さやか「知り合いですか?」

マミ「ええ……隣町の魔法少女よ。それで、どうしてここに?」

杏子「『おかしな二人組が魔女を倒している』」

杏子「『魔法少女でもなく、グリーフシードが目的でもない』」

杏子「それってさ、あたしら魔法少女にとって超迷惑じゃない?」

ルーサー「まっさか俺らの刺客かいな……」

杏子「マミも何でこんな奴らを信用しているのかしらないけどさー」ヒュルルル

杏子「邪魔なんだよね!」ヒュンッ

69: 2011/12/03(土) 23:08:29.01 ID:fPBrTZ9a0
稀男「……」バンッ ガン

さやか「凄い! 弾いた!」

杏子「へえ……本当に当てられるんだ」

マミ「止めて佐倉さん! この人達は悪い人ではないのよ!」

杏子「そんなんで納得すると思ってんの?!」ヒュバ

ルーサー「稀男!」

稀男(一旦、抑えたところで説得するっきゃないか)ガンガンガン

杏子(こいつっ、飽くまであたしの攻撃だけっ)ギリ

71: 2011/12/03(土) 23:11:08.44 ID:fPBrTZ9a0
杏子「これならっ」ブワッ

稀男「ルーサー、組み伏せろ」ガンガン

ルーサー「ラジャー!!」バッ

杏子「くぅ、コラ放しやがれ! くそ、怪力ヤロー!」

ルーサー「暴れんで俺らの話を聞くんならええで」

杏子「話ぃ? 魔女狩りしている言い訳でしょ?」

稀男「別に俺らだけで魔女狩りしちゃいねーよ。マミに同行してグリーフシードもマミに渡している」

杏子「……本当なのか?」

ルーサー「こないな事、嘘ついてもしゃーないやんけ」

杏子「なんか……早とちりしちまってたみたいだな。ごめん、悪かったよ」

稀男「ゴメンで済んだら警察はいらんのだよちみぃ」グシャグシャ

杏子「ぎゃーーー!」

73: 2011/12/03(土) 23:14:03.04 ID:fPBrTZ9a0
杏子「何だこいつ! うっぜぇ! 超うっぜえぇ!!」

稀男「勘違いで襲撃した割りに、態度が改まってねーな」ドタバタ

杏子「おわっ! 止めろ、コラ!」

ルーサー「……」ドガッ

稀男「ぎにゃっ」

ルーサー「誤解が解けたんならそれでええねん」

杏子「……ぜぇはぁ、そうかい」

ほむら「流石、というべきかしら?」

まどか「ほむらちゃん!」

杏子「な、こいつ……いつの間に」

ルーサー「なんや? 心配して見に来てくれたんけ?」

ほむら「ええ、いくら貴方達が魔女を倒せるとは言っても、魔法少女とぶつかって無事で済むとは思っていないもの」

74: 2011/12/03(土) 23:17:06.42 ID:fPBrTZ9a0
ほむら「……佐倉杏子。この二人の事は一体誰から聞いたのかしら」

杏子「あんた……何処かで? まぁいいか、そこにいるQBだよ」ボリボリ

マミ「QB? なんでそんな事を?!」

QB「正直、僕は二人の事をあまりよく思っていないんだ」

QB「いくら違う世界の人間と言えど、常軌を逸した存在だ」

QB「とは言え、信用しているマミ達に言っても仕方がないからね」

QB「探りをいれて欲しくて杏子に話したんだけど、まさか正面切ってくるとは思わなかったよ」

杏子「て、めぇ!」

稀男「お前にとって妨害たりうるイレギュラーだからってか」

マミ「え……?」

まどか「どういう事ですか?」

75: 2011/12/03(土) 23:20:13.48 ID:fPBrTZ9a0
稀男「俺達がさやかの契約を止めたもんだから腹立ててんのさ」

まどか「え……さやかちゃん、魔法少女になろうとしてたの?!」

さやか「いやー……あはは、ちょっと事の成り行きでねー」

マミ「美樹さん……」

ほむら「消えなさい、インキュベーター」チャキ

杏子「串刺しになりたいってんなら話は別だけどねぇ」チャキ

QB「やれやれ、暁美ほむらに加え佐倉杏子までそんな態度じゃ、引き下がるしかなさそうだね」

ほむら「……」

ほむら「改めてお礼を言うわ。凡蔵稀男、ルーサー・ナッチェス」

ほむら「ここまで……誰も失わずに来れたのは」

稀男「ほなら、銃と弾をくれよ」クイクイ

ほむら「えっ?!」

さやか「あいつ絶対悪者だよ」ブツブツ

杏子「分かる、すっげ分かる」ブツブツ

76: 2011/12/03(土) 23:23:15.04 ID:fPBrTZ9a0
ほむホーム
さやか「ワルプルギスの夜?」

ほむら「そうよ、最悪の魔女よ。最速なら今週末に見滝原に上陸する。出現範囲はこのあたり、そして時間はこの通りよ」

杏子「このあたりって……根拠はなんだい?」

ほむら「統計よ」

マミ「統計? そんなにこの町にワルプルギスの夜が来ていたの?」

杏子「そんな話聞いた事がないよ」

ルーサー「信用できるデータけ?」

稀男「今までの言動からすればだいたいの理由は分かるがな」

まどか「え……? そうなんですか?」

稀男「何処までネタバレしていいんだ?」

ほむら「……本当に貴方の頭の中はどうなっているのかしら」

マミ「それはわたしも思うわ」

ほむら「凡蔵稀男は黙っていて。わたしから話すわ」

78: 2011/12/03(土) 23:26:07.36 ID:fPBrTZ9a0
……
まどか「ほむらちゃん、あたしの為に……」

ほむら「……だから、お願いまどか。わたしに守らせてっ」ギュ

マミ「……そんな事があったなんて」

杏子「ふーん、なんか5人で戦っていたとか想像できないわー」

さやか「転校生……ごめん、あんたの事誤解してた」

稀男「……」スック

ルーサー「なんや、もうええんけ?」

79: 2011/12/03(土) 23:29:02.46 ID:fPBrTZ9a0
稀男「俺らに必要な情報は集まったからな」

稀男「後はジャリ共でじゃれ合ってりゃいいんでねーの」

杏子「あんた本当に空気読めよ」

さやか「そーだそーだ!」

稀男「そりゃ」スパァンスパアンッ

さやか「った!」

杏子「てんめぇ!」ガッシ

さやか「杏子抑えてて! 今度はあたし達が!」ボコ

稀男「こいつ等、俺に歯向かってくるだと……」ググ

杏子「おりゃあ!」ブン

ルーサー「マジで女の子に力負けしたで……」

80: 2011/12/03(土) 23:32:01.93 ID:fPBrTZ9a0
さやか「全くこいつは何時も何時も~~っ」

まどか「さ、さやかちゃん……」

杏子「あんたも苦労しているんだな……」

稀男「おふざけも済んだし行くとするか」ムク

ルーサー「ガチ負けやったやんけ……」

ほむら「これからワルプルギスの夜が出現するまで、他の魔女は現れないわ」

ほむら「巴マミも佐倉杏子もそれまで力を温存しておいてちょうだい」

ほむら「まどか達は当日、避難しておいて」

さやか「そりゃあ、流石に今回ばっかりは見学なんていってられないしね」

81: 2011/12/03(土) 23:35:04.53 ID:fPBrTZ9a0
ルーサー「俺らはこれでな~~」バタン

ルーサー「……ワルプルギスの夜ってのは本当に倒せるんかいな?」

稀男「無理って事はないだろうな」

稀男「何べんかは分からないが、それなりの回数を挑んで試行錯誤くらいしてるだろうさ」

ルーサー「ほならなんでまだほむらは時間を巻き戻しとるんや?」

稀男「倒せたのかもしれない。が、犠牲ありきだったんだろうな」

ルーサー「まどかかい」

稀男「だ、ろうな」

83: 2011/12/03(土) 23:38:08.82 ID:fPBrTZ9a0
稀男「なんの悪戯か、今回は俺達がいるわけだ」

ルーサー「スーパールーサーちゃん大活躍の予感かいな」

稀男「実際のところワルプルギスの夜ってのの強さがどうか、ってところだがな」

稀男「とりあえずは現れてから、どう動くかを決めようと思う」

ルーサー「どう動くって……倒さなへん事にはロックヘイムどころかソロモンへイムにも戻れへんやん」

稀男「最悪無理なら、ここで暮らすしかないだろ」

稀男「悪魔も躰化の暴走も無いんだ」

稀男「お前にとっても悪い話ばかりじゃないだろ」

ルーサー「マミ達を見捨てるんかい……」

稀男「俺達には魔女と戦う義務は無いんだ。こっちの世界の事はこっちの世界の連中に任せるべきだろ」

84: 2011/12/03(土) 23:41:07.61 ID:fPBrTZ9a0
ほむホーム
稀男「……」ピンポーン

ほむら「あら……凡蔵稀男」ガチャ

稀男「ちょっくら頼みたい事があるんだがええけ?」

ほむら「内容次第ね。とりあえず上がって頂戴」

マミ「凡蔵さん?」

杏子「うげっ白いの」

稀男「おまはんもさやかみてーな反応かえ」グシャグシャ

杏子「うわっやめ、てっめぇぇぇ!」

85: 2011/12/03(土) 23:44:09.56 ID:fPBrTZ9a0
稀男「にしても二人はどうしてここにいるんだ?」

マミ「ワルプルギスの夜に対しての作戦会議よ」

稀男「ヒットマンやっておいて、仲間に入ったのかよ」グシャグシャ

杏子「……」ガッシ

稀男「こいつ、また俺に歯向かうだと……」グググ

杏子「とりゃあ!!」ブォン

ほむら(また力負けしている……)

86: 2011/12/03(土) 23:47:19.59 ID:fPBrTZ9a0
杏子「超ど級の魔女が来るって言うのに見物しているわけにいかないでしょ」

杏子「だいたい、対岸どころか目の前の火事だしねぇ」

ほむら「それで、凡蔵稀男の頼みって何なのかしら?」

稀男「ちょいと武器と弾の調達を頼みたい」

ほむら「先日、ハンドガンと弾を渡したじゃない」

稀男「あんなんでワルプルギスの夜にどう対抗しろっつーだんよ」グシャグシャ

ほむら「止め、分かったから止めなさい、凡蔵稀男!」

87: 2011/12/03(土) 23:51:06.73 ID:fPBrTZ9a0
ほむら「それで、どういった武器を求めているの?」ファサァ

稀男「こんな感じだが用意できるか?」ピラ

ほむら「……なに、これは?」

稀男「俺らのいた世界と繋がっている間、その世界にある法則の一部は適用される」

稀男「そのうち、どれだけが魔女に有効かは分からないが、俺達側の力を最大限引き出すとしたら」

稀男「そいつらが必要となってくる訳だ」

マミ「……デタラメな内容ね」

杏子「だいたいほむらはどうやってその武器を調達しているのさ」

ほむら「……銃器本体は何とかなるけれども」

稀男「どうにかしてくれ。俺らじゃ工面のしようがないし、このままだと一分未満のルーサーアタックしか手段がない」

88: 2011/12/03(土) 23:54:53.58 ID:fPBrTZ9a0
……
ほむら「来るわよ……」

杏子「いよいよか」

マミ「……」ゴクリ

杏子「あれ? 稀男達は来ていないのか?」

マミ「そう、みたいね」

ほむら「余所見をしないで。現れるわ」


ルーサー「なんやあのでかさ……規格外やんけ」

稀男『結界に隠れる必要が無いってだけはあるな』

稀男『まずはあの三人でどれだけダメージを与えられるか、だな』

ルーサー「なあ、俺ら分断してて大丈夫なんかい」

ルーサー「わざわざ無線使わなあかんのけ?」

稀男『あんなばかでかいの相手に、俺ら二人で固まってたって仕方が無いだろ』

89: 2011/12/03(土) 23:58:11.25 ID:fPBrTZ9a0
ドォォ..ゥン
ワルプルギス「キャハハキャハハハ」

ルーサー「なんやあいつ、どんだけダメージ与えてもびくともしてないやん」

稀男『魔法少女軍劣勢だな』

ルーサー「……どないすんねん。フル躰化しても勝てるわけあらへんがな」

稀男『まだほむらの手数も残っているし焦る必要は無いだろう』

ルーサー「というかこの位置取りってどういうことけ?」

ルーサー「確かにこの建物の屋上なら、魔女が近づいてくれれば張り付く事もできるやろうけど……」


杏子「くそっかってえぇぇ!!」ガンガン

マミ「佐倉さん! 一度退いて!」ガチャ

マミ「ティロ・フィナーレ!!」ドォン

ほむら「くっ」カチ

ほむら「駄目なの……? これでも倒せないというの……?」ドシュッドシュッ

ほむら「凡蔵稀男にも動きはないし……どうにか凌がないと」カチ ドォォン

90: 2011/12/04(日) 00:01:16.66 ID:rC/4LYjv0
ほむら「……もう、武器がっ」パタタタタ

杏子「くっそぉ……これじゃ魔力の方がジリ貧になって負けるっての!」ガガン

マミ「何とか、何とか押せ返せないの?!」ドンドンドン

ほむら(残っている武器は……間に合わないの?)


ルーサー『稀男、どないすんねん! このままじゃ本当にやられてまうで!』

次元の扉「」キュワ

稀男「そうだな……そろそろ頃合いかね」

稀男「ルーサー、お前のところに魔女が行くだろうから、飛び降りて攻撃をしろ」

ルーサー『稀男はどうすんねん』

稀男「大したダメージにならないにしても、銀の法則が魔女にも有効なら動きくらいは止められるだろう」

稀男「運1%使用『この弾丸はワルプルギスの夜の頭部をぶちぬく』」ドゥン

91: 2011/12/04(日) 00:04:18.13 ID:rC/4LYjv0
ワルプルギス「キャハハ……」パス

杏子「なんだ? 狙撃……誰が?」

ほむら(来た!)

ほむら「佐倉杏子! 一旦下がって!」

杏子「なんか策でもあんのかよ?!」

マミ「動きが止まっている今がチャンスじゃないのかしら……」

ほむら「いいから早く!」

杏子「わ、分かったから怒鳴るなよ」

マミ「暁美さん……?」

ほむら「ワルプルギスの夜を吹き飛ばすわ。指示するまで巴マミも攻撃は止めて」

92: 2011/12/04(日) 00:07:00.50 ID:rC/4LYjv0
ドォォンドォォォン
ルーサー「おお、真下で止まったで、稀男!」

稀男『弾数は少ないが、可能な限りこっちも撃ち続けてやる』

ルーサー「おっしゃあ、やったるで!」ドン

ルーサー「いっくぞぉぉぉぉぉ!!」バッ


アス『どういう状況なのです?』

稀男「でっかい化け物と戦っているんだよ。今ルーサーが攻撃している」

アス『それに勝てたらこちらに戻ってこれるのですか?』

稀男「確証は無いが戻れるんでねーの」ドゥン

93: 2011/12/04(日) 00:11:05.78 ID:rC/4LYjv0
杏子「誰か飛び降りたぞおい!」

マミ「ルーサーさん?!」

ほむら「35秒後、再度総攻撃を仕掛けるわ」

杏子「あの怪力ヤローはいいのかよ」

ほむら「凡蔵稀男の話では、今回ルーサー・ナッチェスが活動できるのは30秒」

ほむら「動けなくなって魔女から振り落とされる時間を考えれば、そのくらいが妥当よ」

ほむら「もっとも、今わたし達が攻撃してもダメージを負わないかもしれないそうだけども」

ほむら「流石にそれは気が引けるわ」

マミ「でも……あのパワーアップした状態ならもしかしたらっ」

杏子「押し切ってくれると助かるんだけどもねぇ」

94: 2011/12/04(日) 00:14:17.29 ID:rC/4LYjv0
ルーサー「うおおおぉぉぉぉ!!」ズドドドド

ルーサー「歯車は壊せるけど、ダメージになっとんかい!」ドドドド


杏子「うわっ歯車の部分がどんどん壊れていってる!」

ほむら「音が止んだ……時間切れね。5秒後よ」

マミ「これがラストチャンスね」


アス『爆音……? どういう状況なのです?』

稀男「ルーサーアタックでの撃破に失敗。こっちの世界の連中が最後の総攻撃中」

アス『勝てるのですか?』

稀男「どうだかね」

95: 2011/12/04(日) 00:16:56.61 ID:rC/4LYjv0
杏子「駄目だ……倒せない!」ガガガ

ほむら「……っ」ギリ

マミ「……もう、魔力が」ドン ドン

ワルプルギスの夜「キャハハ キャハハハハ」ヨロヨロ

ほむら「後……一押しなのに」

杏子「お、おい! 建物の上! なんだあの赤い奴!」

マミ「丸まった……?」

96: 2011/12/04(日) 00:19:36.37 ID:rC/4LYjv0
稀男「最後の一発だ。受けとれ逆さ女。運1%使用『この弾丸はワルプルギスの夜の頭部を打ち抜く』」ドゥン

稀男「これで動きは止まったな。そのまま真っ直ぐ水平に撃ってくれ」

イフリート「」ボヒュッキュゥゥゥン

アス『全くどれだけ主人である私に迷惑をかけるつもりですか』ダヴゥゥゥン

稀男「んなもん俺らのせいじゃねーだろ」

稀男「結果的にこっちの世界の連中を守ったんだ。おめさだって悪い気分でないだろ」

アス『それはそうですが……あ、また縮まって、稀男、ルーサー。急いでこちらに!』

稀男「そっちはどうかは知らんが、こっちはジャリが通れるくらいの大きさだ」

稀男「それにルーサーは109時間動けない。五日後にでもまた開けてくれりゃそっちに行くよ」

97: 2011/12/04(日) 00:23:03.18 ID:rC/4LYjv0
マミ「爆炎と共にワルプルギスの夜が……」

ほむら「崩れていく……わたし達、勝てたのね」

杏子「……なんていうかさあ」

ほむら「……」

杏子「もうあいつ等だけでやっつけられたんじゃないの」

ほむら「正直、万感の思いも何も無いわ」ファサァ

マミ「今までにこんなにすんなり倒せた事は?」

ほむら「あったらこの時間軸に来ていないわ」

98: 2011/12/04(日) 00:25:55.31 ID:rC/4LYjv0
まどか「ほむらちゃーーん!」

さやか「マミさーーん!」

ほむら「まどか?!」

マミ「二人ともどうしてここに……」

まどか「嵐が止んだから、ワルプルギスの夜を、倒したんだ、て思って」ゼェハァ

さやか「うわあぁ、酷い有様……マミさん達は、大丈夫なんですか?」ハァハァ

杏子「見てのとおり、あたし達三人ともピンピンしてるよ」

まどか「やったね、ほむらちゃん! もう、もう時間を戻らなくてもいんだよね!」

ほむら「ええ、そうよ……やったのはあたし達じゃないけれども……」

杏子「済んだ事だしもう喜んじゃいなよー」

99: 2011/12/04(日) 00:30:45.12 ID:rC/4LYjv0
マミ「あ、ナッチェスさんを助けないと!」

さやか「え、どうかしたんですか?」

ほむら「例の力が上がる能力を使ったのよ」

まどか「でも、それだったら助けるって……」

マミ「浮遊している魔女と戦って、そのまま瓦礫の海に落ちたのよ」

まどか「だ、大丈夫なんでしょうか?」

杏子「あんだけ力があるんだから自分で這い上がってくるでしょー」

ほむら「あの力の副作用としてしばらく動けなくなるそうよ」

杏子「ありゃ、そうなの? んじゃああたし達であの人運ぶのぉ?」

さやか「うわっそう考えるとなんかやだなぁ。前みたく30分とかで動けるようにならないのかなぁ」

100: 2011/12/04(日) 00:33:33.37 ID:rC/4LYjv0
稀男「ルーサー生きているか?」ガランガラン

ルーサー「なんやねん。結局アスちんが良いとこ取りけ」

稀男「あいつがこっち来てりゃ、それこそ精獣でぼんぼか攻撃するだけで済む話だからな」ポイ

ルーサー「何の台車かと思ったがルーサーちゃん専用輸送車かい」

稀男「俺がお前を運んでいけると思ってんのかよ」ガラガラ

ルーサー「俺はしばらく寝たきりやけど稀男はどないするん」

稀男「適当に時間を潰すさ」ガラガラ

101: 2011/12/04(日) 00:36:15.19 ID:rC/4LYjv0
ほむら「凡蔵稀男、ルーサー・ナッチェス!」

まどか「稀男さん! ルーサーさん!」

さやか「うわぁ、ルーサーさん台車で運ばれてる」

杏子「まあ、あたしらが手伝わなくなっていいのは助かるけどさ」

マミ「ルーサーさんは怪我をしていないのかしら?」

稀男「心配いらねーよ。それよかほむら、こっちに背中向けてみーや」ガラ

ほむら「……こうかしら?」

稀男「……」スパァン

ほむら「きゃあ!」

まどさやマミ「」

杏子「マジキチ」

103: 2011/12/04(日) 00:39:14.13 ID:rC/4LYjv0
稀男「なーにが勝つのよ必ず、だ! 俺らがいなけりゃボロ負けだったでねーの!」グシャグシャ

ほむら「ちょ、止めな、いい加減にしなさい凡蔵稀男!」

稀男「……そーいや」ピタ

稀男「マミとまどかはまだだったな」クル

マミ「え……!」

まどか「ま、稀男さん?!」

杏子「」ガッシ

さやか「」ボコ

ほむら「」チャキ

104: 2011/12/04(日) 00:42:02.18 ID:rC/4LYjv0
ルーサー「稀男……中学生相手にいてこまされ過ぎやん」

稀男「多対一でどうにかできるか」ギリギリ

杏子「とりあえず抑えたしどうする?」グググ

ほむら「もういいわ……流石に疲れたわ」

マミ「そもそも、前衛だったのに佐倉さんが一番元気なのがおかしいのよね」フゥ

杏子「攻撃自体もらった訳じゃないしさあ」

杏子「そもそも、マミやほむらがそんなに疲れているのがおかしいんじゃないの?」

まどか「……稀男さん達はこれからどうするんですか?」

稀男「ルーサーが動けるようになるのには五日後だ。そっから帰る」

ルーサー「まだこれで帰れる決まったわけやないけどな」

105: 2011/12/04(日) 00:45:20.50 ID:rC/4LYjv0
稀男「んじゃーな」ガラガラ

マミ「もう行っちゃうの?」

稀男「あんだよ、これ以上手伝う事もないだろ」

さやか「本当ばっさりしてるね……」

まどか「お別れの挨拶とかしたいんですが……」

稀男「したきゃ勝手にしろよ」ガラガラ

ルーサー「五日後の朝には動けるようになるんや。そん時にほむらんちにでも行くわ」

ほむら「……二人とも本当にありがとう」

ほむら「貴方達がいなかったら、わたしは今頃また戻っていたでしょうね」

稀男「そーかい。じゃあな」ガラガラ

106: 2011/12/04(日) 00:48:12.53 ID:rC/4LYjv0
まどか「行っちゃった……」

さやか「なんか五日後、稀男は来そうに無いね」

マミ「そうねぇ……。でも凡蔵さんらしいと言えばらしいわね」クス

杏子「さーてあたしはこれからどうするかねぇ……」

ほむら「ここから先はわたしも知らない世界」

ほむら「良かったら、三人で手を組まないかしら?」

杏子「……」

マミ「わたしは大歓迎よ……佐倉さんももし良ければ、また一緒に……」

杏子「あたしだって何時までも子供じゃないんだ」ハッ

杏子「また、よろしく頼むよマミ。そして改めてよろしくなほむら」

107: 2011/12/04(日) 00:51:29.11 ID:rC/4LYjv0
五日後、やはりきたのはルーサー・ナッチェスだけだった。
そしてわたしの家で、小さいなりにも送迎会を行った。
これで最後ともあってか色々な話で大いに盛り上がった。

特に凡蔵稀男の話は何を聞いても驚かされる。良くも悪くも。
きっと彼にして見れば、ワルプルギスの夜の事は大した問題にも思っていなかったのだろう。
そんな彼の助力を得られたわたしは幸せ者なのかも知れない。

そして夕暮れ、ルーサー・ナッチェスと共に廃ビルへと向かった。
凡蔵稀男には露骨に嫌な顔をされたり、最後の復讐劇と言わんばかりに、
佐倉杏子と美樹さやかが嫌がらせをしようとして、足蹴にされて終わったりと最後まで騒がしい中、
二人は次元の扉というものをくぐり帰って行った。

108: 2011/12/04(日) 00:54:40.40 ID:rC/4LYjv0
まどか「おはようほむらちゃん!」

仁美「おはようございます、ほむらさん」

ほむら「おはよう、まどか、仁美。さやかはまだ来ていないのかしら?」

まどか「お寝坊さんかなぁ?」

仁美「噂をすれば来ましたわ」

さやか「うわあぁぁ、ごめーん! 待たせちゃった!」

まどか「さやかちゃん凄い寝癖だよ」

さやか「いやぁ寝坊しちゃって直す暇もなかったのよぉ」スッスッ

ほむら「まるで何処かの誰かにされたみたいね」

まどか「本当だねぇ」ウェヒヒ

109: 2011/12/04(日) 00:57:14.78 ID:rC/4LYjv0
仁美「誰の話ですの?」

ほむら「ちょっとした知り合いよ」

さやか「感謝はしているけどもさあ……やっぱりお近づきにはなりたくないわぁ」

まどか「一番さやかちゃんが可愛がってもらえていたもんね」ウェヒヒ

ほむら「そうね、もしもまたこちらに来る事があったら、いっぱい頭を撫でてもらうといいわ」

さやか「あれはもう撫でるってレベルじゃないから!」

仁美「まあ、随分と仲の良い方なのですね……私もお会いしてみたかったですわ」

さやか「仁美は絶対に止めたほうがいいよ」

ほむら「そうね……格好の的ね」

110: 2011/12/04(日) 01:01:55.74 ID:rC/4LYjv0
まどか「それにしても、稀男さん達は今頃何をしているのかなぁ」

さやか「さー? でもまあ心配するだけ無駄ってのは確かなんだよね」

仁美「何をなさっている方ですの?」

さやか「普段はどうかは知らないけど、何でも悪者退治に行くんだとか」

仁美「……警察や軍人の方でしょうか?」

さやか「いやあ……それは絶対無いわぁ」

ほむら「何にせよ、彼らなら大丈夫でしょうね」

ほむら「たったの一度でわたし達に未来を運んでくれたんだもの」


稀男「魔法ぉ少女ぉ?」ルーサー「これ以上契約とかいらんわっ!」 完

111: 2011/12/04(日) 01:04:25.49 ID:96jaP/Df0

引用: 稀男「魔法ぉ少女ぉ?」ルーサー「これ以上契約とかいらんわっ!」