1: 2020/10/14(水) 21:30:05.803 ID:HmRw6RHj0.net
商人「今日も……売れませんでしたね……」
奴隷少女「もっと工夫しろ……」
商人「工夫しろ、とおっしゃいますと?」
奴隷少女「商品(わたし)の横で突っ立ってるだけなら、案山子でもできる」
奴隷少女「売り方を考えろ! どうすれば私が売れるのかを!」
商人「は、はいっ!」
商人「なんとか考えます!」
奴隷少女「私を失望させるなよ……」
奴隷少女「もっと工夫しろ……」
商人「工夫しろ、とおっしゃいますと?」
奴隷少女「商品(わたし)の横で突っ立ってるだけなら、案山子でもできる」
奴隷少女「売り方を考えろ! どうすれば私が売れるのかを!」
商人「は、はいっ!」
商人「なんとか考えます!」
奴隷少女「私を失望させるなよ……」
3: 2020/10/14(水) 21:33:12.537 ID:HmRw6RHj0.net
商人(考えた工夫……とにかく声を張り上げる)
商人「いらっしゃいませー!」
商人「奴隷はいかがですかー!」
商人「いらっしゃいませぇぇぇ!!」
商人「奴隷はいかがですかぁぁぁ!!」
商人「いぃらっしゃいませぇぇぇぇぇ!!!」
商人「奴隷ィはいかがぁですかぁぁぁぁぁ!!!」
奴隷少女「……」
商人「いらっしゃいませー!」
商人「奴隷はいかがですかー!」
商人「いらっしゃいませぇぇぇ!!」
商人「奴隷はいかがですかぁぁぁ!!」
商人「いぃらっしゃいませぇぇぇぇぇ!!!」
商人「奴隷ィはいかがぁですかぁぁぁぁぁ!!!」
奴隷少女「……」
4: 2020/10/14(水) 21:36:22.373 ID:HmRw6RHj0.net
商人「いらっしゃい――」
奴隷少女「やめろ」
商人「え」
奴隷少女「工夫というのはまさか、ただでかい声を張り上げるだけのことか?」
商人「ええ、まあ……」
奴隷少女「これなら猫でも鳴かしておいた方がまだ宣伝効果があるわ! このたわけがッ!」
商人「申し訳ございません!」
奴隷少女「やめろ」
商人「え」
奴隷少女「工夫というのはまさか、ただでかい声を張り上げるだけのことか?」
商人「ええ、まあ……」
奴隷少女「これなら猫でも鳴かしておいた方がまだ宣伝効果があるわ! このたわけがッ!」
商人「申し訳ございません!」
7: 2020/10/14(水) 21:41:28.794 ID:HmRw6RHj0.net
商人「では、価格を下げるというのは――」
奴隷少女「おい」ギョロッ
商人「ひっ!」
奴隷少女「例えば宝石を捨て値で売れば、誰にだって売れるし、誰だって買うだろう」
奴隷少女「それでは意味がないのだ!」
奴隷少女「よいか……奴隷にとって、どこの誰に買われるかというのは氏活問題だ」
奴隷少女「いわば、就職活動のようなもの……」
奴隷少女「安売りすればいいというものではないッ!」
商人「おっしゃる通りです……」
奴隷少女「ならばもっと真剣に考えろ! どうすれば私をより高く売り込めるかを!」
奴隷少女「砂漠で砂を高値で売れるぐらいでなければ、真の営業マンとはいえんのだ!」
商人「ははーっ!」
奴隷少女「おい」ギョロッ
商人「ひっ!」
奴隷少女「例えば宝石を捨て値で売れば、誰にだって売れるし、誰だって買うだろう」
奴隷少女「それでは意味がないのだ!」
奴隷少女「よいか……奴隷にとって、どこの誰に買われるかというのは氏活問題だ」
奴隷少女「いわば、就職活動のようなもの……」
奴隷少女「安売りすればいいというものではないッ!」
商人「おっしゃる通りです……」
奴隷少女「ならばもっと真剣に考えろ! どうすれば私をより高く売り込めるかを!」
奴隷少女「砂漠で砂を高値で売れるぐらいでなければ、真の営業マンとはいえんのだ!」
商人「ははーっ!」
10: 2020/10/14(水) 21:45:08.335 ID:HmRw6RHj0.net
紳士「……」スタスタ
商人(金持ちっぽい奴が来たぞ……よーし、営業トークをかましてやる!)
商人「いらっしゃいませ、奴隷はいかがですか?」
紳士「今、間に合ってるから……」
商人「あ、そうですか……」
奴隷少女「粘りが足らん! お前はろくに混ぜてない納豆か! 100回は混ぜろ!」
商人「ひいい、ちゃんと混ぜます……」
商人(金持ちっぽい奴が来たぞ……よーし、営業トークをかましてやる!)
商人「いらっしゃいませ、奴隷はいかがですか?」
紳士「今、間に合ってるから……」
商人「あ、そうですか……」
奴隷少女「粘りが足らん! お前はろくに混ぜてない納豆か! 100回は混ぜろ!」
商人「ひいい、ちゃんと混ぜます……」
11: 2020/10/14(水) 21:48:08.590 ID:HmRw6RHj0.net
商人(食べ物なんかだと、試食させてから買わせたりするよな……)
商人「あの、試しに抱っこはいかがです?」
青年「へぇ~、いいの?」
商人「どうぞどうぞ」
青年「じゃあ、どっこいしょ」ダキッ
奴隷少女「……」ニィッ
青年「ひっ! あ、あのまた今度で……」タタタッ
商人「ああっ!」
商人「あの、試しに抱っこはいかがです?」
青年「へぇ~、いいの?」
商人「どうぞどうぞ」
青年「じゃあ、どっこいしょ」ダキッ
奴隷少女「……」ニィッ
青年「ひっ! あ、あのまた今度で……」タタタッ
商人「ああっ!」
12: 2020/10/14(水) 21:52:20.999 ID:HmRw6RHj0.net
商人「この奴隷を買ってくれたら、洗剤つけますよ!」
客「いや……」
商人「タワシもつけます!」
客「いらない……」
商人「なんなら私もつけちゃう!」ウフッ
客「だから買わないって! 気持ち悪いな!」
商人「そうですか……」
奴隷少女「おまけをつければいいというものではないわ!」
客「いや……」
商人「タワシもつけます!」
客「いらない……」
商人「なんなら私もつけちゃう!」ウフッ
客「だから買わないって! 気持ち悪いな!」
商人「そうですか……」
奴隷少女「おまけをつければいいというものではないわ!」
15: 2020/10/14(水) 21:55:07.743 ID:HmRw6RHj0.net
商人「ポイントカード始めました!」
商人「奴隷を買うごとに1ポイント、10ポイント集めれば、粗品がもらえまーす!」
奴隷少女「商品が私しかいないのに、そんなもん始めてどうする!」
商人「神様……!」
商人「どうか、彼女が売れますように……!」パンパンッ
奴隷少女「とうとう神頼みか……!」
商人「奴隷を買うごとに1ポイント、10ポイント集めれば、粗品がもらえまーす!」
奴隷少女「商品が私しかいないのに、そんなもん始めてどうする!」
商人「神様……!」
商人「どうか、彼女が売れますように……!」パンパンッ
奴隷少女「とうとう神頼みか……!」
16: 2020/10/14(水) 21:58:14.649 ID:HmRw6RHj0.net
商人「うう……ダメだった……。こんなに努力したのに……」
奴隷少女「……」
奴隷少女「お前には失望したぞ」クルッ
商人「え!」
奴隷少女「今日までご苦労だった。後は勝手にしろ」
商人「……!」
奴隷少女「……」
奴隷少女「お前には失望したぞ」クルッ
商人「え!」
奴隷少女「今日までご苦労だった。後は勝手にしろ」
商人「……!」
19: 2020/10/14(水) 22:02:01.861 ID:HmRw6RHj0.net
商人「待って下さい!」ガシッ
奴隷少女「!」
奴隷少女「見苦しいぞ……」
商人「時間を……少しだけ時間をください!」
商人「必ずや、あなたを高く売れる商人になってみせます!」
奴隷少女「……その目、本気のようだな」
奴隷少女「いいだろう、しばしの暇をやろう」
奴隷少女「見捨てられたくなくば、必氏で努力しろ。蟻地獄に落ちたアリのようにあがけ」
商人「は……ははーっ!」
奴隷少女「!」
奴隷少女「見苦しいぞ……」
商人「時間を……少しだけ時間をください!」
商人「必ずや、あなたを高く売れる商人になってみせます!」
奴隷少女「……その目、本気のようだな」
奴隷少女「いいだろう、しばしの暇をやろう」
奴隷少女「見捨てられたくなくば、必氏で努力しろ。蟻地獄に落ちたアリのようにあがけ」
商人「は……ははーっ!」
21: 2020/10/14(水) 22:05:20.758 ID:HmRw6RHj0.net
商人(今度しくじったら、私は間違いなく見捨てられる……)
商人(こうなったら、優れた商人にアドバイスを聞くしかない……)
商人「あなたはなぜ、国内武器シェアNo.1商人に上り詰めることができたのですか?」
武器屋「私は鍛冶師も兼ねているが、やはり他の剣に比べて切れ味がいいことがウリだね」
武器屋「他の商品に負けない、絶対的な価値!」
武器屋「これが私が武器市場で天下を取れた理由だと思っているよ」
商人「なるほど……」
商人(こうなったら、優れた商人にアドバイスを聞くしかない……)
商人「あなたはなぜ、国内武器シェアNo.1商人に上り詰めることができたのですか?」
武器屋「私は鍛冶師も兼ねているが、やはり他の剣に比べて切れ味がいいことがウリだね」
武器屋「他の商品に負けない、絶対的な価値!」
武器屋「これが私が武器市場で天下を取れた理由だと思っているよ」
商人「なるほど……」
25: 2020/10/14(水) 22:08:13.795 ID:HmRw6RHj0.net
薬師「僕の傷薬が王家御用達になった理由?」
薬師「“プレゼン”だろうね」
商人「プレゼン?」
薬師「プレゼンテーションさ。僕の傷薬がいかに優れてるか、資料を渡してしっかり説明してやったのさ」
薬師「商品がいいだけではダメだ。どう優れてるかをちゃんとアピールしなければ売れないよ」
商人「ふむふむ……」
薬師「“プレゼン”だろうね」
商人「プレゼン?」
薬師「プレゼンテーションさ。僕の傷薬がいかに優れてるか、資料を渡してしっかり説明してやったのさ」
薬師「商品がいいだけではダメだ。どう優れてるかをちゃんとアピールしなければ売れないよ」
商人「ふむふむ……」
28: 2020/10/14(水) 22:11:14.629 ID:HmRw6RHj0.net
料理人「見た目も大事でしょうね」
商人「味だけじゃダメですか」
料理人「ダメです」
料理人「どんなにおいしくても、見た目がイマイチなら、料理は流行りません」
料理人「昔の私は“味がよければいい”と、盛り付けや色合いを軽視してしましたから」
商人「勉強になります」
商人「味だけじゃダメですか」
料理人「ダメです」
料理人「どんなにおいしくても、見た目がイマイチなら、料理は流行りません」
料理人「昔の私は“味がよければいい”と、盛り付けや色合いを軽視してしましたから」
商人「勉強になります」
29: 2020/10/14(水) 22:14:11.753 ID:HmRw6RHj0.net
……
……
……
商人「ただいま戻りました」
奴隷少女「さて、さっそく私を売ってもらおうか」
商人「その前に……」
奴隷少女「?」
商人「あなたに、これを着てもらいましょうか」サッ
……
……
商人「ただいま戻りました」
奴隷少女「さて、さっそく私を売ってもらおうか」
商人「その前に……」
奴隷少女「?」
商人「あなたに、これを着てもらいましょうか」サッ
32: 2020/10/14(水) 22:17:50.275 ID:HmRw6RHj0.net
奴隷少女「なんだこれは? このフリルのついた、カラフルな服は……」
商人「あなたを売るためです。着て下さい」
奴隷少女「ふざけるなよ。私は奴隷、こんな上等なものが着れるか!」
商人「シャラップ!!!」
奴隷少女「!」
商人「私は悟りました……。ビジネスは私だけ張り切っても無意味なのだと」
商人「商品も磨かねばならないと!」
商人「あなたには絶対これを着ていただきます!」
奴隷少女「ふん……一皮、いや十皮は剥けたようだな」ニィッ
商人「あなたを売るためです。着て下さい」
奴隷少女「ふざけるなよ。私は奴隷、こんな上等なものが着れるか!」
商人「シャラップ!!!」
奴隷少女「!」
商人「私は悟りました……。ビジネスは私だけ張り切っても無意味なのだと」
商人「商品も磨かねばならないと!」
商人「あなたには絶対これを着ていただきます!」
奴隷少女「ふん……一皮、いや十皮は剥けたようだな」ニィッ
35: 2020/10/14(水) 22:20:50.007 ID:HmRw6RHj0.net
商人「美容院に行きましょう」
奴隷少女「うむ」
商人「メイクを雇いました。軽く化粧もしましょう」
奴隷少女「うむ」
商人「それから、歩き方の練習……礼儀作法……」
…………
……
奴隷少女「うむ」
商人「メイクを雇いました。軽く化粧もしましょう」
奴隷少女「うむ」
商人「それから、歩き方の練習……礼儀作法……」
…………
……
39: 2020/10/14(水) 22:25:10.905 ID:HmRw6RHj0.net
奴隷少女「どう?」キラキラ…
商人「美しい……」
奴隷少女「世辞はよせい」
商人「お世辞なものですか。許されるなら、今すぐあなたを抱きしめたいですよ」
奴隷少女「別にかまわんぞ」
商人「ふふ、ご冗談を……。売り出す前の商品に手をつけるような真似はいたしませぬよ」
奴隷少女「心得ておるな」
商人「私を試しましたね。さっそくあなたを売り出すショーを開催しましょう!」
商人「美しい……」
奴隷少女「世辞はよせい」
商人「お世辞なものですか。許されるなら、今すぐあなたを抱きしめたいですよ」
奴隷少女「別にかまわんぞ」
商人「ふふ、ご冗談を……。売り出す前の商品に手をつけるような真似はいたしませぬよ」
奴隷少女「心得ておるな」
商人「私を試しましたね。さっそくあなたを売り出すショーを開催しましょう!」
40: 2020/10/14(水) 22:28:12.513 ID:HmRw6RHj0.net
ワァァァ… ワァァァ…
商人(でかい会場を貸し切って……いよいよ奴隷ショーの開始だ!)
商人「皆さま、大変お待たせいたしました!」
商人「私が発掘し、手塩にかけて磨き上げた珠玉の奴隷の入場です!」
奴隷少女「……」ジャン!
オオオオオオオッ!!!
奴隷少女「……」スッスッ…
「なんて美しい……!」 「綺麗だ……」 「神々しさすら感じる!」
商人(お見事です! まるで一流モデルのような風格! 否――それ以上!)
商人(でかい会場を貸し切って……いよいよ奴隷ショーの開始だ!)
商人「皆さま、大変お待たせいたしました!」
商人「私が発掘し、手塩にかけて磨き上げた珠玉の奴隷の入場です!」
奴隷少女「……」ジャン!
オオオオオオオッ!!!
奴隷少女「……」スッスッ…
「なんて美しい……!」 「綺麗だ……」 「神々しさすら感じる!」
商人(お見事です! まるで一流モデルのような風格! 否――それ以上!)
42: 2020/10/14(水) 22:31:08.332 ID:HmRw6RHj0.net
奴隷少女「……」クルクルッ
ワァァァ… ピーピー!
商人(さぁ、決めるのです! 練習したあの――)
商人(必殺必中の投げキッスを!)
奴隷少女「うふ~ん」チュパッ
ウオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!
商人(この瞬間、会場はまるで活火山が噴火したかのような盛り上がりを見せたのだった)
ワァァァ… ピーピー!
商人(さぁ、決めるのです! 練習したあの――)
商人(必殺必中の投げキッスを!)
奴隷少女「うふ~ん」チュパッ
ウオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!
商人(この瞬間、会場はまるで活火山が噴火したかのような盛り上がりを見せたのだった)
43: 2020/10/14(水) 22:34:54.803 ID:HmRw6RHj0.net
商人「さあ、イッツ・商談(ショー)タイム!」
商人「彼女にいったいいくら値をつける!? 客人(セレブ)たちよ!」
奴隷少女「さぁ……私を買って。損はさせないわ」チュパッ
ウオオオオオオオオオオオオッ!!!
「100万G!」
「200万!」
「500万!」
「1000万出すぞ、ワシは!」
商人(どんどん値が釣り上がる! この時点ですでに投資の元を取れる額!)
商人「彼女にいったいいくら値をつける!? 客人(セレブ)たちよ!」
奴隷少女「さぁ……私を買って。損はさせないわ」チュパッ
ウオオオオオオオオオオオオッ!!!
「100万G!」
「200万!」
「500万!」
「1000万出すぞ、ワシは!」
商人(どんどん値が釣り上がる! この時点ですでに投資の元を取れる額!)
44: 2020/10/14(水) 22:37:25.385 ID:HmRw6RHj0.net
大富豪「10億G!」
商人「10億出たァ!」
商人「さあ、他にいないか!? 他にいないかァ!?」
ザワザワ…
商人「商談成立ゥ!!!」
商人「持ってけドロボー! ……じゃなかった持ってけセレブ!」ビシッ!
奴隷少女(ふん……成長したものよ)
商人「10億出たァ!」
商人「さあ、他にいないか!? 他にいないかァ!?」
ザワザワ…
商人「商談成立ゥ!!!」
商人「持ってけドロボー! ……じゃなかった持ってけセレブ!」ビシッ!
奴隷少女(ふん……成長したものよ)
45: 2020/10/14(水) 22:40:15.538 ID:HmRw6RHj0.net
商人「やっと……売れましたね」
奴隷少女「うむ、お前のおかげだ」
商人「いえいえ、商品がよかっただけのことです」
奴隷少女「元気でな」
商人「あなたこそ……お幸せに」
ガシッ!
握手を交わす二人。
商人と奴隷の別れに涙はいらない――
奴隷少女「うむ、お前のおかげだ」
商人「いえいえ、商品がよかっただけのことです」
奴隷少女「元気でな」
商人「あなたこそ……お幸せに」
ガシッ!
握手を交わす二人。
商人と奴隷の別れに涙はいらない――
46: 2020/10/14(水) 22:43:54.632 ID:HmRw6RHj0.net
その後、商人は培ったビジネステクニックでめきめきと頭角を現し、
多角的ビジネスを手掛ける国内有数の大商人となっていった。
商人「秘書君、今日の予定は?」
秘書「午前中はグループ社員への訓示、午後はギルドでの会議、夜は武具協会会長様と会食が……」
商人「ありがとう」
商人(やれやれ、今日も忙しいな)
多角的ビジネスを手掛ける国内有数の大商人となっていった。
商人「秘書君、今日の予定は?」
秘書「午前中はグループ社員への訓示、午後はギルドでの会議、夜は武具協会会長様と会食が……」
商人「ありがとう」
商人(やれやれ、今日も忙しいな)
51: 2020/10/14(水) 22:48:09.057 ID:HmRw6RHj0.net
……
秘書「商人様」
商人「なんだ?」
秘書「どうしてもお会いしたいという来客の方が……」
商人「アポも無しにか? すぐ追い払え」
秘書「それが……“奴隷”といえば、すぐ分かると」
商人「!」
商人「す、すぐ通したまえ! 最高のお茶を出してな! 早く!」
秘書「商人様」
商人「なんだ?」
秘書「どうしてもお会いしたいという来客の方が……」
商人「アポも無しにか? すぐ追い払え」
秘書「それが……“奴隷”といえば、すぐ分かると」
商人「!」
商人「す、すぐ通したまえ! 最高のお茶を出してな! 早く!」
52: 2020/10/14(水) 22:52:25.716 ID:HmRw6RHj0.net
奴隷少女「久しぶりだな」
商人「お久しぶりです!」
奴隷少女「あのひよっ子が……立派になったものだ」シュボッ
奴隷少女「……」フゥ~
商人「葉巻がお似合いですよ。あなたの年齢で吸うのは推奨されてませんが」
奴隷少女「お子様向けの健康志向の葉巻だ。案ずるな」フゥ…
商人「フッ……威厳を出しつつ、健康にも配慮する。流石です」
商人「お久しぶりです!」
奴隷少女「あのひよっ子が……立派になったものだ」シュボッ
奴隷少女「……」フゥ~
商人「葉巻がお似合いですよ。あなたの年齢で吸うのは推奨されてませんが」
奴隷少女「お子様向けの健康志向の葉巻だ。案ずるな」フゥ…
商人「フッ……威厳を出しつつ、健康にも配慮する。流石です」
53: 2020/10/14(水) 22:55:36.055 ID:HmRw6RHj0.net
商人「今はなにを……?」
奴隷少女「大富豪に才能を見出され、財閥のビジネス部門を任されている」
商人「おおっ!」
奴隷商人「ついては、海外にも手を広げようと考えていてな」
商人「それはよいことですな。しかし、海外はなかなか一筋縄ではいかないでしょう」
奴隷少女「うむ、今までのセオリーが通用する相手ではない」
奴隷少女「そこでどうだ……。私たち、手を組まないか」
奴隷少女「私に10億の価値をつけ、今なお成長を続けるお前の力を借りたい」
商人「!」
奴隷少女「大富豪に才能を見出され、財閥のビジネス部門を任されている」
商人「おおっ!」
奴隷商人「ついては、海外にも手を広げようと考えていてな」
商人「それはよいことですな。しかし、海外はなかなか一筋縄ではいかないでしょう」
奴隷少女「うむ、今までのセオリーが通用する相手ではない」
奴隷少女「そこでどうだ……。私たち、手を組まないか」
奴隷少女「私に10億の価値をつけ、今なお成長を続けるお前の力を借りたい」
商人「!」
54: 2020/10/14(水) 22:58:19.074 ID:HmRw6RHj0.net
商人「是非……!」
奴隷少女「お前ならば断らぬと信じていた」
商人「私とあろう者が、久しぶりにワクワクしてきましたよ! こんな昂ぶりはあなたを売ってた時以来だ!」
奴隷少女「だいぶ退屈しておったようだな」
商人「私たち二人で、ビジネス界にさらなる革命を起こしましょう!」
奴隷少女「うむ……工夫することを忘れるなよ!」
― 完 ―
奴隷少女「お前ならば断らぬと信じていた」
商人「私とあろう者が、久しぶりにワクワクしてきましたよ! こんな昂ぶりはあなたを売ってた時以来だ!」
奴隷少女「だいぶ退屈しておったようだな」
商人「私たち二人で、ビジネス界にさらなる革命を起こしましょう!」
奴隷少女「うむ……工夫することを忘れるなよ!」
― 完 ―
55: 2020/10/14(水) 22:58:41.673 ID:jAaGBwCE0.net
良い話だった乙
56: 2020/10/14(水) 23:01:57.118 ID:H1e1H4Wpr.net
乙
変わり種ながらいいコンビだった
変わり種ながらいいコンビだった
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります