さやか「あんたが…？どういう風の吹きまわしよ。そのお金だってどうやって手に入れたんだか…」

杏子「…あたしさ、思い出したんだ。魔法少女になった時の気持ち…」

杏子「あたしもさ、愛と正義が勝つっていう、そういうのに憧れて魔法少女になったんだ…」

杏子「それあんたが思い出させてくれたんだ」

さやか「…杏子…」

杏子「この金はさ、生まれて初めてバイトってのをしたんだよ」

杏子「掃除とか、新聞配ったりとか、土方もやったよ」

杏子「だから誓ってこの金は汚くなんかない！そして、それを思い出させてくれたさやかと一緒に食べたいんだ！」

杏子「…言いづらいんだけどさ…その…仲直りしたいんだ…///」

さやか「杏子…あんた…うん、わかった。あんたを疑ってごめん。一緒に食べよう｣ﾆｺ

杏子「さやかぁ！それじゃあそこのベンチで開けようぜ！」

さやか「ふふっ、はしゃいじゃって、子供みたいなヤツね」

杏子「なんせ2万円もしたからな！絶対合格で美味しいぜ！」

やめてくれ


頼むやめてくれ

また懐かしいものを

杏子「へへっ、準備はオッケーだ」

さやか「わぁ、豪華な箱じゃん！これは期待出来そうですなー！」

杏子「なんせ2万円だからな！じゃあ開けるぞ」

さやか「わくわく」

カパッ

杏子「…えっ…？」

さやか「…なに、これ？」

杏子「な、なんでだよ！写真はこんなんじゃ…」

さやか「…生ゴミをぐちゃぐちゃに詰めて、あたしに食べさせようってわけ？とんだ仲直りね！」

杏子「ち、違う！あたしは本当に！」

さやか「少しだけ…ほんの少しだけあんたを信じたのに…」

さやか「仲間に…友達に…なれるかもって…｣ｸﾞｽｯ

杏子「聞いてくれさやか！これは…」

さやか「もういいよ…さよなら…前は負けたけど今度会う時には決着をつける」

さやか「………最っ低」

杏子「さ、さやか…」

杏子「さやかああああぁぁぁぁ！！」

杏子「あぁ…さやか…」

杏子「…くしょう…ちくしょう…ちくしょう！！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

杏子「こんなもんっ！！」ﾌﾞﾝｯ

(食べ物を粗末にするんじゃねえ)

杏子「ッ」ﾋﾟﾀｯ

杏子「…そう…だよな…食べてやらないと可哀想だもんな…」

モグモグ

杏子「…まずい…な…」

モグモグ

杏子「ははっ…この肉、腐ってら…」

モグモグ

杏子「うっ…うううぅ…」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

杏子(思えば、あたしって今までずっとこうだった)

杏子(良かれと思ってやったことも、裏目に出て)

杏子(そうやって大切なものを失った)

杏子(だからあたしは、自分の為だけに力を使おうと決めたんじゃないか)

杏子(あれ…そう考えたら)

杏子(あたしって…生きてる意味、ないじゃん…)

杏子「あは、あははははははははははっ！！傑作だよな！！！」

杏子「あたしって、ホント馬鹿」

パリーン

ー一時間後 魔女空間にて

さやか「やっぱり、この魔女は杏子なのか…」

魔女(杏子)「ウオオオオオオォォン」

さやか「さっきはああ言ったけど、本当にこういう形で決着つけるなんてね…」

さやか「ハァァァ！！」ｻﾞｸｯ

魔女(杏子)「アアアァァァア」ｼｭｳｩ

さやか「…ふぅ、魔女空間も消えたかぁ」

さやか「…あれ、なんか落ちてる？手紙」ｽｯ

『さやかへ』

さやか「これって、もしかして杏子が…？」

さやか「…」

ガサガサ

さやか「………これって、あいつ」

さやか「本当にあたしと仲直りしようとしてたわけ…？」ブルブル

ー『ち、違う！あたしは本当に！』

ー『聞いてくれさやか！これは…』

ー『最っ低』

さやか「あ、あぁ…あああぁ…」ガタガタ

さやか「あたし、なんて事…」

さやか「謝んなきゃ…あいつに…」ワナワナ

さやか「でもあいつは…」

さやか「あたしが、頃した…」

さやか「あああああああああああっ！！！」ガクッ

さやか「あたしは最後まであいつを信じなかった！あいつはあたしの為に…！！」ポロポロ

さやか「…あたしって、ホント馬鹿」

まどか「あ、さやかちゃーん！って何か様子が…」

パリーン

ー魔女空間

まどか「えっ…さやかちゃん…？」

オクタヴィア「…」

まどか「嘘…でしょ？ねえさやかちゃん！ねえってば！！」

シュン

ほむら「離れて、鹿目まどか。危険よ」

まどか「ほむらちゃん！さやかちゃんが！お願いさやかちゃんを助けて！！」

ほむら「…美樹さやかの事は諦めて。もうどうもならない」

まどか「そ…んな」

まどか「そんなの嫌だよ！お願いだから！」

ほむら「…ごめんなさい、まどか」

カチッ

ピタッ

ほむら「まどかもいる以上、時間はかけられないの…」

爆弾設置

ほむら「さよなら、美樹さやか…」

カチッ

ドーン

オクタヴィア「ウオォォォ…」シュウ

まどか「う…そ…だよね？ほむらちゃんはさやかちゃんを頃してなんかないよね？」ワナワナ

まどか「さやかちゃんはどこかで生きてるんだよね？ねえ！ほむらちゃん！」ポロポロ

ほむら「…美樹さやかは氏んだわ。魔女化して、私が頃した」

まどか「嘘…」

ほむら「事実よ。これでわかったでしょう？魔法少女になるのはどういう事か」

まどか「…さい」

ほむら「ん？」

まどか「うるさいっ！この人頃し！よくもさやかちゃんを！！さやかちゃんを返してよ！」

ほむら「まどか…」スッ

まどか「触らないでッ！」パシン

ほむら「っ！」

まどか「もういい。私は魔法少女になる。そしてマミさんもさやかちゃんも生き返らせる！」

ほむら「な、何を言っているの！？魔法少女になったら貴方も！」

まどか「キュウべぇが言ってた。私は最強の魔法少女になるって」

まどか「だから私は魔女に負けたりしない。全ての魔女を倒してみせる」

ほむら「まどか！！馬鹿な考えはやめて！！」

まどか「その前に、ほむらちゃんを倒す。さやかちゃんの仇だからね。またさやかちゃんを頃すかもしれないから」

ほむら「………えっ？」

まどか「言ったとおりだよ。ほむらちゃん…いえ、暁美ほむら。貴方は私の敵」キッ

ほむら「そ…んな…まどか…」ガタガタ

まどか「キュウべぇ、出てきて。願いが決まったよ」

キュウべぇ「そうか。やっと契約だね」

キュウべぇ「ありがとう、暁美ほむら。結果的には君のおかげでまどかが魔法少女になる決心をしたんだ」

ほむら「貴様ぁぁああ！」カチャ

キュウべぇ「まどか、早く願いを！」

ほむら「まどか！！！だめええええ！！！！」

まどか「私の願いは…マミさんとさやかちゃんを生き返らせること」

キュウべぇ「契約成立だ」

ブワッ

ー数分後

ほむら「はぁ…はぁ…」

まどか「…下手に避けないで。そしたら楽に倒してあげるから。ほむらちゃ…貴方への最期の情けだよ」

ほむら「お願いまどか、話を…」

ヒュバッ

ドンッ

ほむら「きゃああああ！」

まどか「…これ威力が強すぎない？キュウべぇ」

キュウべぇ「君は魔法少女になりたてだからね。まだ制御がうまくいってないんだよ」

まどか「そっか。まぁいいや」

ほむら(ぐっ…ダメージが…動けない…)

ほむら(まどか…まどか…)

ほむら(私は貴方との約束の為だけに今まで戦ってきた)

ほむら(その結果が…これなの？)ポロポロ

ほむら(守るはずの貴方に殺されるなんて…)

ほむら(こんなの…惨すぎる…)

ほむら(もう、私の戦う意味は…)

パリーン

キュウべぇ「…暁美ほむらの魔女化が始まったね」

まどか「…ある意味よかったよ。一時は友達だったと思うし」

まどか「それに、いくらさやかちゃんの仇でも人の姿をしてる相手を倒したくなかったから」

魔女(ほむら)「ウォオオオオン」

まどか「…さよなら、ほむらちゃん」

バシュ

ドーン

まどか「ふぅ…さてと、さやかちゃんとマミさんの様子見にいかなきゃ」

まどか「そうだ！お正月だしおせち買って行こう！」

まどか「三人で食べたらきっと美味しいよね！」

まどか「なになに、わぁ、豪華なおせち！これが2万円なんてすごいなぁ！」

まどか「なんとかお小遣いでも買えるよ！早速注文しよっと！」

まどか「楽しみだなぁ、グルーポンのおせち」


完

ﾜﾛﾀ乙

ｲｲﾊﾅｼﾀﾞﾅｰ