1: 2012/12/29(土) 22:42:58.40 ID:Kulh/5PB0
マミ「せっかくのお正月だしたまには贅沢しないとね」

杏子「・・・、その、いいのか?」

マミ「何がかしら?」

杏子「その・・・、お金だよ。マミだって両親がいないんだから、そんな高級なの買わせたら悪いんじゃないかって・・・」

マミ「ウフフ、うちは両親の生命保険がおりてるから、ね。それに」

杏子「それに?」

マミ「グノレーポンの割引っていうのがあって、2万円のおせちがなんと1万円で買えるのよ?」

杏子「ほ、本当か!?1万円も安いじゃねぇか!さすがマミだな」

マミ「ウフフ、だてに一人暮らし生活が長いわけではないわ」
魔法少女まどか☆マギカ ~The different story~ (上) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)
4: 2012/12/29(土) 22:43:58.91 ID:Kulh/5PB0
杏子「よっ、買い物上手!」

マミ「おだてても何も出ないわよ」

杏子「へへっ♪」

マミ「まあ、そういうことだからお正月は楽しみにしてなさい」

杏子「さやかにほむら、まどかも来るし、楽しい正月になりそうだな」

マミ(いつもお正月は独りだったけど、今年はおせちも頼んだのが来るし、杏子もいる。可愛い後輩達も来てくれる・・・。きっと素敵なお正月になるわ♪)

8: 2012/12/29(土) 22:44:39.04 ID:Kulh/5PB0
そんなこんなでお正月がやってきた

ピンポーン ピンポンピンポンピンポンピンポーン!!!!!!

マミ「このチャイムの鳴らし方、さやかさんかしら?杏子~、出てちょうだ~い」

杏子「へ~い」

ガチャッ

ほむら「お邪魔するわ」

杏子「おう、ほむらか。ま、あがってくれ」

マミ(以外だったわ。暁美ほむらがあんなチャイムの鳴らし方するなんて…)

ほむら「二人とも、あけましておめでとう」

マミ「ええ、あけましておめでとう。狭い家だけどどうぞくつろいで頂戴」

11: 2012/12/29(土) 22:45:23.04 ID:Kulh/5PB0
杏子「ほら、ここに座れよ。テレビでも見てまどか達が来るのを待とうぜ」

ほむら「ええ、そうね・・・・」ソワソワ

杏子「腹減ったな~・・・。ん?ほむら、ずいぶんと落ち着きが無いじゃないか?」

ほむら「そんなことはないわ」ムズムズ

杏子「ふ~ん?ま、いいけど、足が辛いなら崩してもいいんだぜ?」

ほむら「そういうわけにはいかないわ。ほら、テレビが今盛り上がってるわよ」

杏子「お、ほんとだ。お正月は番組にお金かかってていいよな~」

ほむら「・・・・・・・・・」ソワソワ

15: 2012/12/29(土) 22:46:45.12 ID:Kulh/5PB0
ほむら(テーブルの上にあるのはおせちよね。開けちゃいたいわ・・・。なんとしても・・・)ソローリ ソローリ…

マミ「めっ!」

ほむら「!?」ドキッ

マミ「暁美さん、まだ開けちゃダメよ?みんなと一緒に開けないと楽しみが減っちゃうでしょ?」

ほむら「・・・わかったわ。巴マミ」ホムーン…

杏子『へへへ、ほむらもやっぱ気になるんだな。あたしも今朝こっそり開けようとしたらマミがカンカンになってさ~』

マミ「杏子!念話がダダ漏れなんですけど!」

杏子「 ッヒィ~」

ほむら(気になって仕方がないけれど、まどか達と開ける楽しみが減るのは問題よね。我慢しましょう)

25: 2012/12/29(土) 22:51:32.42 ID:Kulh/5PB0
ピンポーン

マミ「はいは~い。杏子、お願い」

杏子「え~、またあたしかよ~」

マミ「じゃあ代わりに食器の用意とか頼もうかしら?」

杏子「今玄関に行こうと思ってたところだぜ!」

ガチャッ

さやか「さやかちゃん参上!」キラッ☆

杏子「お~、ま入ってくれ」テクテク

さやか「ちょっ、反応が薄いんですけど!」

27: 2012/12/29(土) 22:52:04.01 ID:Kulh/5PB0
さやか「やあやあみなさん、あけおめっ!ことよろっ!」

マミ「ええ、あけましておめでとう。さやかさん、今年もよろしくね」

さやか「へへ、こちらこそ。・・・・ってそこ!」

杏子「フヘヘ、やっぱさまぁ~ずはおもしれーな」

ほむら「ええ、そうね」チラッ

さやか「あ、今めんどくさそうな目で見た!杏子に至っては見向きもしてくれない!マミさ~ん」ダキッ

マミ「よしよし・・・。二人とも、テレビもいいけどお正月の挨拶でしょ?」

ほむアン「「あけおめ」」

さやか(えぇ~・・・、なんか納得いかないんですけど・・・・)

29: 2012/12/29(土) 22:52:42.94 ID:Kulh/5PB0
杏子「アハハ」

ほむら「・・・・・・・・・」ムズムズ

さやか(気まずい・・・。杏子はテレビに夢中だし、転校生は無口だし、マミさんはキッチンだし・・・。何か会話のきっかけさえあれば・・・)

杏子「まどかおせーな、何やってんだあいつ」

ほむら「彼女には彼女の事情があるのよ」

さやか「まどかはまどかな~(まだかな~)・・・、なんちゃ・・・・て・・・」

さやかの言葉は途中で勢いを失った
ほむらと杏子の冷たい視線に耐えられなかったのだ

杏子「ああ・・・、そうだな・・・」

ほむら「・・・・・正直それはないわ」

さやか(こーい、まどかこーい!)ウルウル

30: 2012/12/29(土) 22:54:15.28 ID:Kulh/5PB0
ピンポーン

ほむら「まどかね」スクッ

杏子「まどかだな」シュタッ

さやか(なんで二人とも立ち上がるのよ)

ほむら「私が出迎えるわ」

杏子「任せた」ストン

さやか(結局座るのかよ!)

マミ「杏子!お客様にお出迎えさせないであなたが行きなさい!」

杏子「ちぇっ、ほむらは座ってろよ」

ほむら「そ、そうね・・・」ショボーン

さやか(へへへ、まったく、仕方ない奴らだなあほんと)

31: 2012/12/29(土) 22:55:25.45 ID:Kulh/5PB0
まどか「みなさんあけましておめでとうございます」

杏子「おう!おめでとう」

ほむら「あけましておめでとう」

マミ「今年もよろしくね、まどかさん」

さやか「まどか~」ダキッ

まどか「さやかちゃんはお正月から甘えんぼさんだなあ」クスクス

ほむら「美樹さやか!ジュースを注いでもらえるかしら!」キッ

杏子「あたしもあたしもー」

マミ「じゃあ私は取り皿をみんなに回すわね」

さやか「へいへい」

まどか「あ、そのテーブルの真ん中のはもしかして・・・」

杏子「へへっ、おせちだぜ!みんなが来るまで開けないで待ってたんだ」

まどか「へ~、楽しみ~♪」

ほむら「まったくだわ。早く開けましょう」

33: 2012/12/29(土) 22:56:07.90 ID:Kulh/5PB0
さやか「じゃあ私がいっきまーっす!」

バシッ!

おせち伸びるさやかの手をほむらが優雅に払いのける

ほむら「美樹さやか、私が一番早くここに来たのよ?」ファサッ

さやか「な、なんだよ・・・。そんなの関係ないじゃん」

まどか「まあまあ、誰が開けたっていいじゃない。ね、杏子ちゃん?」

杏子は箸を構え、ギラギラとした目つきでおせちを狙っている

杏子「ああ、いつでもいいぜぇ・・・・」ギンギン

マミ「もう、行儀が悪いわねえ」

まどか「そうだ、マミさんに開けてもらおうよ!」

マミ「私が・・・・?」

36: 2012/12/29(土) 22:56:41.34 ID:Kulh/5PB0
ほむら「そうね。このおせちは巴マミがみんなのために買ってくれたのだし」

さやか「うん、私もマミさんが開けるのなら納得です。さ、マミさん」

マミ「みんな・・・・」

まどか「今日の主役はマミさんなんです。だから、マミさんがおせちを開けてくれたらみんなも嬉しいなって」

杏子「ああ、準備はできてる・・・」ギリリッ

マミ「・・・・、わかったわ。では開けるわよ、みんな!」

さやか「ヒューヒュー、いいぞー、マミさ~ん!」

ほむら「早く・・・、早くっ・・・」ソワソワ

まどか「私もとっても楽しみだなって」

杏子(勝負は一瞬・・・。一番いいのを私が取るっ・・・!)ギラギラ

マミ「それじゃあ開けるわね」

38: 2012/12/29(土) 22:57:17.70 ID:Kulh/5PB0
カパッ パタン

マミが開けかけたおせちの蓋は、わずかだけ開いて閉じられた

まどか「どうしたんですか?」

杏子「おいおい、焦らさないでくれよ。こっちは命張ってんだからさ」

さやか「がっつきすぎだよ杏子」

ほむら「早く・・・早くぅ・・・」ムズムズ

マミ「え、ええ。おかしいわね?」ソロリ ソローリ…

マミはうっすらと蓋を開け、一人中を確認すると再び蓋を閉じた

まどか「マミ・・・さん・・・?」

マミ「みんな、お寿司でも食べに行きましょうか。もちろんご馳走するわよ」ニコッ

杏子「えぇ~っ、何だよそれ~」ブーブー

ほむら「巴マミが開けないというなら私が開けるわよ!?」

さやか「ちょっと、じゃあ私が開けるって!」

まどか「二人とも、ケンカはダメだよ~」

マミ(えっと、えっと・・・、どうしたらいいのかしら・・・・)アセアセ

43: 2012/12/29(土) 22:57:49.71 ID:Kulh/5PB0
ほむら「私が最初に来たんだから私に譲りなさいよ、美樹さやか!」

さやか「そんなの関係ねぇ!そんなの関係ねぇ!ハイ!オッパピー!」ヘラヘラ

ほむら「こいつ・・・・!」

さやか「何よ、やるの?転校生!」

ほむら「私が!」

さやか「いーや私が!」

マミ「じゃ、じゃあ私が・・・」

ほむさや「「どーぞどーぞどーぞ」」

マミ(ハメられたわ・・・。念話で打ち合わせしてたのね!不覚ッ・・・・)

45: 2012/12/29(土) 22:58:47.87 ID:Kulh/5PB0
マミ「その・・・、みんなをガッカリさせるみたいで悪いんだけど開けるわね?」

カパッ

まどか(うっ・・・、何これっ・・・・腐ってるんじゃ・・・)

さやか(臭ッ・・・!てか臭ッ!?)

ほむら(どういうことなの!?これは一体・・・?)

杏子「へへっ、結構豪華じゃん。じゃ、あたしはこのピカピカしてる一個しかない特別なチーズもーらいっっと」ムシャムシャ

マミ「グスッ・・・グスッ・・・。みんな、こんなおせちでごめんね・・・」エグッ エグッ

杏子「何泣いてんだよ?美味いぜこれ。あたしおせちなんて食うの初めてだけど、すげー豪華じゃん。ほら、さやか。食うかい?」

さやか「え・・・、いや、私は・・・」

杏子「チーズは私が食ったから、こっちのクリームチーズあえみたいなのをやろう。ほれ、あーん・・・」グイグイ

さやか「パクッ・・・・・。ん゛ん゛~~~~~~!!!!!!」

杏子「ハハハ、大げさだなあさやかは。涙浮かべちゃって」ニコニコ

ほむら(美樹さやかッ・・・・・)

マミ「ごめんね・・・、ごめんね・・・」グスン

48: 2012/12/29(土) 22:59:33.77 ID:Kulh/5PB0
まどか「マミさん、大丈夫ですよ?ほら、杏子ちゃんだって美味しそうに食べてますし、さやかちゃんだって今は幸せそうに眠ってます・・・。だから・・・」

マミ「そんなこと・・言ったって・・・、だって・・・、だってぇ・・・、おせちがこんなんじゃ、みんな氏ぬしかないじゃない!」ジャキッ

マミは周りの空間にマスケット銃を無数に展開した

ほむら「まどか!取り押さえるわよ!」

まどか「うん!」

杏子「モグモグ・・・。これがアワビか。初めてだけど、何か不思議な味と匂いだな。やっぱ高級品は違うな」ムシャムシャ




ほむら「巴マミ、泣いてないで答えなさい。あなたはこのおせちをどこで買ったのかしら?」

まどか「そ、そうだよ。もしかしたら詐欺にあったんじゃ・・・」

マミ「うっ・・・、うっ・・・。グノレーポンよ・・・」

ほむら「ぐのれーぽん?」

52: 2012/12/29(土) 23:00:14.31 ID:Kulh/5PB0
マミ「ええ・・・。あなたたちのクラスメイトに志筑仁美さんっているでしょ?彼女がこの共同購入クーポンを使うと安くおせちが買えるからって・・・」

まどか「やっぱり!グノレーポンは仁美ちゃんのおうちで経営してる会社だよ!」

ほむら「許せないわね・・・志筑仁美ッ!」

まどか「うん・・・。こんなのあんまりだよ、酷すぎるよ!ね、さやかちゃん!?」

さやか(・・・・・・・・・・・・・・・)

ほむら「まどか・・・。美樹さやかはもう・・・・」

55: 2012/12/29(土) 23:00:56.19 ID:Kulh/5PB0
まどか「嘘でしょ・・・、さやかちゃんが・・・・?」

ほむら「嘘じゃないわ」

マミ「私の・・・、私のせいで・・・・」

まどか「仁美ちゃん・・・、こんなのってないよ・・・」

マミ「志筑仁美・・・許せない・・・!私たちの大事な友達をよくも!私たちの大事な仲間をよくも!」

ほむら「ええそうね。グノレーポンのくそ外道ども、うじ虫ども。美樹さやか、必ず敵は取るわ」

56: 2012/12/29(土) 23:01:49.47 ID:Kulh/5PB0
杏子「ケプッ・・・。食った食った。・・・・って、おい!何だよこれ!さやかは・・・!?」

まどほむマミ「「「かくかくしかじか」」」

杏子「チックショー!志筑仁美!許せねえ!」

マミ「行きましょう。お金持ち面してバカンスを楽しんでいる諸悪の権現の元へ」

まどか「うん・・・。この落とし前は高くつくってこと教えてあげないとね」

ほむら「みんな、行くわよ」ファサッ

杏子「あたしたちの戦いはこれからだ!」





さやか「ふぅ、治癒に時間がかかっちゃったよ。って、あれ・・・、みんなどこ行ったんだろう?」ムクッ

61: 2012/12/29(土) 23:02:26.69 ID:Kulh/5PB0
そんなこんなで終わりです
長い間付き合ってくれてありがとね、ありがと

引用: マミ「みんなの為にグノレーポンからおせちを取り寄せたわ」