1: 2013/09/08(日) 22:48:03 ID:JtX5UsYM

モバP「事務所が倒産して早半年…」トボトボ…

モバP「昨今の不況でアイドルやタレントの需要は激減…」

モバP「ウチの事務所も経営状態がどんどん悪くなっていき…」

モバP「ついに倒産してしまった…」

モバP「俺も早く職を見つけないとな…」ハァ…
アイドルマスター シンデレラガールズ劇場 第3巻 [Blu-ray]
2: 2013/09/08(日) 23:00:11 ID:JtX5UsYM

モバP「それでもアイドル全員の再就職先が決まったのは良かったな…」

モバP「スカウトした手前、最後まで面倒をみれなかったのが心残りだ…」

モバP「っと、偉そうなことは言えないな… 今は自分の面倒もみれないんだからな…」ハァ…

モバP「ハローワークに行かないと…」トボトボ

凛「……? プロデューサー……?」

3: 2013/09/08(日) 23:06:34 ID:JtX5UsYM

モバP「その声は… 凛!」

モバP「久しぶりだなぁ! 元気にしてたか?」ニコッ

凛「うん、私は元気だよ。Pさんこそ大丈夫なの? なんだか痩せたみたいだけど…」

モバP「あはは… あんまりちゃんと食べれてないかな… ちひろさんのドリンクも今は無いしな」

4: 2013/09/08(日) 23:14:47 ID:JtX5UsYM

凛「ドリンクって… ちゃんと食べないとダメだよ…」ハァ…

モバP「すまないな。 みんなの再就職先を探すのに奔走してたから…」…シュン

凛「Pさんを責めてるわけじゃ無いんだよ? でも、少しは自分のことも考えてほしいな…」

5: 2013/09/08(日) 23:26:44 ID:JtX5UsYM

モバP「すまん、凛にまで心配をかけてしまって…」

凛「私はいいの! Pさんのことを心配してたいの…」

モバP「凛…///」

凛「Pさん…///」

モバP「コホン!… そういえば、凛は実家の花屋の手伝いをしてるんだよな?」

凛「そうだよ。 学校を卒業するまでは頑張るつもり」

凛「そのあとどうするかは考えてないけど…」

7: 2013/09/08(日) 23:37:03 ID:JtX5UsYM

モバP「そうか… スマンな、トップアイドルにしてやれなくて…」

凛「しょうがないよ… 事務所が倒産したのはPさんのせいじゃないし…」

凛「それより、他のみんなはどうしてる? 元気にやってる?」

10: 2013/09/09(月) 00:56:49 ID:b4JVVMv6
結局凛とは雑談を交わして連絡先を交換して分かれてしまった…。

「仕事…どうするかな」

営業はどうだろう。
幸い人に揉まれるのには慣れてる。
そんなことばかりをぐるぐる考えてる時だった。

「…プロデューサー!プロデューサーですか!?」

「おわっ!?」

急に肩を掴まれて驚く。
振り向くと懐かしい顔があった。

「菜々‥…?」


「はいっ!ナッナでーす!」

相変わらず眩しい笑顔を浮かべた菜々。

11: 2013/09/09(月) 00:57:27 ID:b4JVVMv6
とりあえず菜々を家に招き入れることにする。
カランとグラスの中のアイスコーヒーの氷が音を立てる。

「…たった半年ぽっちなのに酷く懐かしい気がするな」

「半年って以外と長いものですよ?」

そうかもしれない。

だがその長い半年で自分で何か出来たかと考えると虚しくなる。

「ご馳走になりますねっ」

それから菜々は少しアイスコーヒーに口を付ける。

12: 2013/09/09(月) 00:58:00 ID:b4JVVMv6
「…もう、少しはお家、綺麗にしなくちゃ駄目ですよ?」

菜々は部屋中をキョロキョロしながら呟く。

「まぁ、菜々と会うって分かってたらちょっとは綺麗にしたんだが…」

なんて言い訳をしながらコンビニ弁当のパックをゴミ袋に放る。

「……大丈夫なんですか…?」

「何がだ…?」

「…精神的に…ですかね…?」


「…おかげ様でなんとかな」

相当参ってるように思われてたらしい。
仕方のないことかもしれない。

13: 2013/09/09(月) 00:58:33 ID:b4JVVMv6
「菜々こそ大丈夫なのか?」

少し突っ込んだ質問をしてみる。

「ナナはあれから…メイド喫茶に戻って、それなりに楽しくやってます」

「そうか、良かった」

菜々はある意味アイドルへの憧れという一点において突出していた。
正直楽しくやっていると聞いて心底安心した。

「他の面子はどうなんだ?」

「あはは…恥ずかしながらナナもあれから皆さんとは疎遠になってしまいまして…」

「悪い、変なこと聞いたな」

「いえいえ、心配になるプロデューサーの気持ちも分かりますから」

「あぁ、ありがとう」

ナナはそう言ってグラスの中のアイスコーヒーを飲み干す。

14: 2013/09/09(月) 00:59:04 ID:b4JVVMv6
「…今度は微糖のも用意しておいてくださいね?」

「図々しいやつだな」

また来るつもりなのか、なんて思いつつ、いつの間にか俺の頬は緩んでいた。

「…ふぅ、世の中ままならないですね」

「…全くだな」

同意する。
本当に、ままならない。
無意識のうちに拳を握りしめていた。

15: 2013/09/09(月) 01:00:00 ID:b4JVVMv6
「ナナは…まぁ勝手に思ってるだけなんですけどね…」

「プロデューサーは、その……」

「どうした?」

「才能も、実力もあるプロデューサーだと…今でも…思ってます…」

「……そうか、ありがとうな」

ありがたい限りだ、本当なら恨まれても仕方ないくらいに思っていたのに…。

「全員が全員…なんてナナは偉ぶったこと言えないですけど…」

16: 2013/09/09(月) 01:00:36 ID:b4JVVMv6
「……感謝…してると思うんです…プロデューサーに……」

「そっ、か……」

涙が出そうになる。

「今でもあの頃の映像、見るんですよ」

「ナナも、皆も……とっても楽しそうで…」

「…追いかけてたって気がするんです」



 『プロデューサーと一緒に』

17: 2013/09/09(月) 01:01:11 ID:b4JVVMv6
「俺も入れてくれるのか、追いかけてたヤツらに」

「当然ですよ!」

「…それに望みさえすれば、戻れる」

「戻れるってそりゃ……」

「魔法使いはしぶとくてそうそう氏なないんですよ、きっと」

菜々は俺の目をジッと見つめてくる。

「…冗談だろ?」

「……どうでしょう?」

菜々は茶目っ気たっぷりの笑みを浮かべる。

18: 2013/09/09(月) 01:01:53 ID:b4JVVMv6
「あははっ♪」

「参ったなぁ…」

釣られてくしゃっと顔を歪める。
少しだけあの頃のように笑えた気がする。

「少し、元気出たよ」

「限界一杯まで元気でもいいんですよ?」

「マイナスがプラスにひっくり返るくらいには元気になったよ」

「むむむっ、しょうがないですねぇ、今日はこのくらいで我慢してあげますっ!」

まったく、菜々には敵わない。

19: 2013/09/09(月) 01:02:40 ID:b4JVVMv6
「それで、これからどうするんですか?」

「変わんないさ、仕事探しの日々だよ」

「つまらないですねぇ」

「…強いていうなら他のアイドルが今何をしてるのかは…気になる」

「…そうですか」

「…さぁて、ナナはお仕事に行かなくちゃですからっ!」

「これで失礼しますねっ♪」

「あぁ、気をつけてな」

「はぁい♪」

菜々は勢いそのままに靴を履いて軽やかに玄関から飛び出していく。

20: 2013/09/09(月) 01:04:02 ID:b4JVVMv6


「…とりあえず微糖のアイスコーヒー買って…その後ハローワーク…」

「……」

「魔法使いはしぶとくてそうそう氏なない…か…」

なんてボヤきながら部屋の片付けを始める。

21: 2013/09/09(月) 01:07:54 ID:b4JVVMv6
「あぁ…!モヤモヤする!」

「会えそうなヤツに連絡してみるかな…」

そんなことを考えてしまうくらいには凛や菜々との出会いは衝撃で。

「はぁ…でも今更何の用とか言われたらどうするよ…」

「えぇい、ままよ!」

とりあえず連絡してみてから考えることにしよう。

22: 2013/09/09(月) 01:08:31 ID:b4JVVMv6
終わり。
なんか閃いたので。
菜々には幸せになって欲しい。

23: 2013/09/09(月) 01:12:43 ID:OOFRwe22
おう、しあわせにするところまで書くんだよあくしろよ

引用: モバP「事務所が倒産した…」