1: 2017/08/16(水) 01:33:35.038 ID:aKpsI/z50.net
提督「おーい」
提督「おーい? 北上ー?」
提督「北上ー、みんなー」
提督「どこにいるんだよ、何で誰もいないんだ?」
提督「おーい? 北上ー?」
提督「北上ー、みんなー」
提督「どこにいるんだよ、何で誰もいないんだ?」
3: 2017/08/16(水) 01:34:48.159 ID:aKpsI/z50.net
提督「何で誰も鎮守府にいないんだ……」
提督「いつ深海棲艦が襲ってきてもおかしくないっていうのに……」
提督「おーい、北上ー?」
提督「いつ深海棲艦が襲ってきてもおかしくないっていうのに……」
提督「おーい、北上ー?」
4: 2017/08/16(水) 01:35:59.734 ID:aKpsI/z50.net
提督「いつもと同じ鎮守府の階段」
提督「いつもと同じ廊下」
提督「いつもと変わらない蝉の声」
提督「でもみんなだけがいない」
提督「おーい、悪い冗談はやめて、早く姿を見せてくれ!」
提督「いつもと同じ廊下」
提督「いつもと変わらない蝉の声」
提督「でもみんなだけがいない」
提督「おーい、悪い冗談はやめて、早く姿を見せてくれ!」
7: 2017/08/16(水) 01:37:32.724 ID:aKpsI/z50.net
提督「ここか」
提督「俺の執務室……」
提督「ここに皆がいるんだ、きっとそうだ」
提督「皆隠れて俺のことをからかってるんだ。そうに違いない」
提督「おい! いい加減にしろ!」
提督「俺の執務室……」
提督「ここに皆がいるんだ、きっとそうだ」
提督「皆隠れて俺のことをからかってるんだ。そうに違いない」
提督「おい! いい加減にしろ!」
10: 2017/08/16(水) 01:38:35.991 ID:aKpsI/z50.net
提督「やっぱりここにいたか」
12: 2017/08/16(水) 01:41:13.407 ID:aKpsI/z50.net
北上「さっきからうるさいよー、提督。出て行こうにも行けないじゃないさー」
提督「北上、その格好は何だ」
提督「今は戦時下だぞ」
提督「北上、その格好は何だ」
提督「今は戦時下だぞ」
13: 2017/08/16(水) 01:42:54.028 ID:aKpsI/z50.net
北上「提督、“また”なんだね」
提督「北上、お前は何で今、平日の、真っ昼間に、私服なんだ」
北上「提督、戦争は終わったんだよ、因みにこのやり取りは四回目だよ、何ならその時の映像と音声が残ってるから今すぐにでも見せられるけど」
提督「北上、お前は何で今、平日の、真っ昼間に、私服なんだ」
北上「提督、戦争は終わったんだよ、因みにこのやり取りは四回目だよ、何ならその時の映像と音声が残ってるから今すぐにでも見せられるけど」
15: 2017/08/16(水) 01:46:04.494 ID:aKpsI/z50.net
提督「何を言って……」
北上「戦争は今から三年前の今日に終わったんだよ。私達は深海棲艦に完全に勝利した。私達は国の英雄として崇められた」
北上「当時先進国諸国が軍事的政治的な影響力を喪失していた中で、私達の国は奇跡的に往時の国力を保ったままでいられた、だから諸国に対する政治的アドバンテージを得ることができた」
北上「そして私達の国は三年前以来世界のリードネーションとして今に至っている……そろそろ落ち着いてきた?」
提督「……ちょっと待ってくれ」
北上「提督は戦時下のあまりにも強過ぎるストレスが元で時々強烈な健忘症が起こるようになったの。それで、こうやって昔みたいにたまに鎮守府に来ては混乱してしまうようになった」
北上「戦争は今から三年前の今日に終わったんだよ。私達は深海棲艦に完全に勝利した。私達は国の英雄として崇められた」
北上「当時先進国諸国が軍事的政治的な影響力を喪失していた中で、私達の国は奇跡的に往時の国力を保ったままでいられた、だから諸国に対する政治的アドバンテージを得ることができた」
北上「そして私達の国は三年前以来世界のリードネーションとして今に至っている……そろそろ落ち着いてきた?」
提督「……ちょっと待ってくれ」
北上「提督は戦時下のあまりにも強過ぎるストレスが元で時々強烈な健忘症が起こるようになったの。それで、こうやって昔みたいにたまに鎮守府に来ては混乱してしまうようになった」
17: 2017/08/16(水) 01:47:42.046 ID:aKpsI/z50.net
提督「……」
北上「っていうことなんだけど、だから鎮守府に誰もいないのは当たり前なの。分かった?」
提督「北上、俺は……」
北上「分かった、落ち着くまで時間が掛かるんだね。とりあえずこっち来なよ、椅子も綺麗に拭いといたからさ、座って少し休みなよ。多分あんまり寝れてないんでしょ?」
提督「……」
北上「っていうことなんだけど、だから鎮守府に誰もいないのは当たり前なの。分かった?」
提督「北上、俺は……」
北上「分かった、落ち着くまで時間が掛かるんだね。とりあえずこっち来なよ、椅子も綺麗に拭いといたからさ、座って少し休みなよ。多分あんまり寝れてないんでしょ?」
提督「……」
19: 2017/08/16(水) 01:49:56.299 ID:aKpsI/z50.net
提督「北上、今年は何年だ?」
北上「2017年、そして今日の日付は8月15日だよ」
提督「……」
北上「スマホの電波時計で確認するといいよ、何なら私のも見せるし」
提督「……いや、いい」
提督「そっち行っていいか?」
北上「2017年、そして今日の日付は8月15日だよ」
提督「……」
北上「スマホの電波時計で確認するといいよ、何なら私のも見せるし」
提督「……いや、いい」
提督「そっち行っていいか?」
20: 2017/08/16(水) 01:52:31.230 ID:aKpsI/z50.net
北上「いいよ、座りなよ。私は提督の仕事机の端にでも腰掛けていられればいいからさ」
提督「いやそれはどうなんだ……」
北上「提督、顔真っ青だよ、ホラ早く座って。飲み物も持って来てるからさ」
提督「北上……お前」
北上「数日前から提督のメールの返信おかしかったからねー、もしかしたら、ってことで、ちょっと前から伊勢っちと雷とで持ち回りで鎮守府に見回りに来てたんだよ。今日は私の番だったってわけ」
提督「いやそれはどうなんだ……」
北上「提督、顔真っ青だよ、ホラ早く座って。飲み物も持って来てるからさ」
提督「北上……お前」
北上「数日前から提督のメールの返信おかしかったからねー、もしかしたら、ってことで、ちょっと前から伊勢っちと雷とで持ち回りで鎮守府に見回りに来てたんだよ。今日は私の番だったってわけ」
22: 2017/08/16(水) 01:55:15.528 ID:aKpsI/z50.net
北上「今から二人にメールするからさ、二人も多分ここ来ると思うよ。基本三年前から年金生活で暇だし」
提督「そっか、俺もそうだったよ。暇で暇で仕方なかったんだ最近。ようやく思い出してきた」
北上「やっと笑ったね、ん、伊勢っちから着信だからちょっと電話するよ」
提督「分かった」
北上「ん……あ、もしもしー。そう、提督今そこにいるよー。前の時よりずっと落ち着いてる……うん、うん。分かった。じゃあ待ってるね、あ、今雷からメール着た。あっちもすぐ来るって」
提督「そっか、俺もそうだったよ。暇で暇で仕方なかったんだ最近。ようやく思い出してきた」
北上「やっと笑ったね、ん、伊勢っちから着信だからちょっと電話するよ」
提督「分かった」
北上「ん……あ、もしもしー。そう、提督今そこにいるよー。前の時よりずっと落ち着いてる……うん、うん。分かった。じゃあ待ってるね、あ、今雷からメール着た。あっちもすぐ来るって」
26: 2017/08/16(水) 01:58:31.197 ID:aKpsI/z50.net
提督(戦争は終わった)
提督(終戦後、ここは『奇跡の鎮守府』と呼ばれた)
提督(戦時において一人として艦娘たちから氏傷者が出なかったからだ)
提督(でも、一部の艦娘と、俺だけは少しだけ後遺症を引きずっていた。数ヶ月のタームでやって来る健忘症だ)
提督(北上も実はその患者の内の一人だったけど、一年半ほど前から急速にその症状も改善に向かっていて、今では殆ど症状が無い)
提督(だから現在では、俺を初めとする幾らかの患者達のカウンセラーやオブザーバーとなっている)
提督(終戦後、ここは『奇跡の鎮守府』と呼ばれた)
提督(戦時において一人として艦娘たちから氏傷者が出なかったからだ)
提督(でも、一部の艦娘と、俺だけは少しだけ後遺症を引きずっていた。数ヶ月のタームでやって来る健忘症だ)
提督(北上も実はその患者の内の一人だったけど、一年半ほど前から急速にその症状も改善に向かっていて、今では殆ど症状が無い)
提督(だから現在では、俺を初めとする幾らかの患者達のカウンセラーやオブザーバーとなっている)
27: 2017/08/16(水) 02:00:23.804 ID:aKpsI/z50.net
北上「じゃね、待ってるから……。提督?」
北上「……」
北上「よっぽど疲れてたんだね」
北上「ソッコー寝ちゃうとは……ちぇっ、つまんないなー」
北上「……ちゃんと息してるね、何か安心」
北上「……」
北上「よっぽど疲れてたんだね」
北上「ソッコー寝ちゃうとは……ちぇっ、つまんないなー」
北上「……ちゃんと息してるね、何か安心」
29: 2017/08/16(水) 02:02:02.879 ID:aKpsI/z50.net
北上「暑いなー」
北上「電気通ってないからなー」
北上「……蝉うるさー」
北上「お、これは伊勢っちのゴルフのエンジン音」
北上「鎮守府の窓から声届くかな」
北上「おーい、伊勢っちー」
北上「電気通ってないからなー」
北上「……蝉うるさー」
北上「お、これは伊勢っちのゴルフのエンジン音」
北上「鎮守府の窓から声届くかな」
北上「おーい、伊勢っちー」
30: 2017/08/16(水) 02:03:25.713 ID:aKpsI/z50.net
伊勢「北上ー、提督はー?」
北上「寝てるよー。ちょっと待たなきゃかも、まあ雷が来るまでどうせ待たなきゃだしね」
伊勢「今からそっち行くわー」
北上「了解ー」
北上「寝てるよー。ちょっと待たなきゃかも、まあ雷が来るまでどうせ待たなきゃだしね」
伊勢「今からそっち行くわー」
北上「了解ー」
31: 2017/08/16(水) 02:06:16.392 ID:aKpsI/z50.net
伊勢「ういっすー、相変わらず暑いねーここ」
北上「エアコン使えないからねー……どうする? これから」
伊勢「提督が起きたら中華街でご飯食べようよ、今日ずっと私そわそわしててさ、それで問題が解決したらお腹減ってきちゃった」
北上「了解、っていうか遊ぶ気まんまんだね、格好」
伊勢「まあね、でも北上はドイツ車好きでしょ?」
北上「あはは」
北上「エアコン使えないからねー……どうする? これから」
伊勢「提督が起きたら中華街でご飯食べようよ、今日ずっと私そわそわしててさ、それで問題が解決したらお腹減ってきちゃった」
北上「了解、っていうか遊ぶ気まんまんだね、格好」
伊勢「まあね、でも北上はドイツ車好きでしょ?」
北上「あはは」
32: 2017/08/16(水) 02:08:03.279 ID:aKpsI/z50.net
雷「提督ー! この雷が来たわよ! ……って寝てるー!」
北上「早かったねー、ところでこの後は中華で良い?」
雷「オッケーです! っていうか暑いですねここ!」
伊勢「やっぱ感想同じだよね」
北上「早かったねー、ところでこの後は中華で良い?」
雷「オッケーです! っていうか暑いですねここ!」
伊勢「やっぱ感想同じだよね」
33: 2017/08/16(水) 02:10:47.935 ID:aKpsI/z50.net
提督「……やけに騒がしいと思ったら雷が来てたのか、わざわざスマンな」
雷「ほんとよ提督! まだ症状があんまり改善してないの提督だけなんだからね! っていうか提督は一番ストレスを受ける責任者だったんだから仕方ないんだけどっ!」
提督「ありがとう、雷……ところで三人はこれからどうするんだ?」
北上「中華街行きますけど、当然提督も来ますよね?」
提督「俺、海軍の制服なんだが……」
北上「どうせ国民に顔割れてるんだから同じですよー、今日は終戦の日ってこともあるし、堂々といきましょー」
提督「ハハ……そうさせてもらうよ」
雷「ほんとよ提督! まだ症状があんまり改善してないの提督だけなんだからね! っていうか提督は一番ストレスを受ける責任者だったんだから仕方ないんだけどっ!」
提督「ありがとう、雷……ところで三人はこれからどうするんだ?」
北上「中華街行きますけど、当然提督も来ますよね?」
提督「俺、海軍の制服なんだが……」
北上「どうせ国民に顔割れてるんだから同じですよー、今日は終戦の日ってこともあるし、堂々といきましょー」
提督「ハハ……そうさせてもらうよ」
34: 2017/08/16(水) 02:12:08.828 ID:aKpsI/z50.net
提督「っていうか、暑いなここは」
伊勢「ですよね~」
END
伊勢「ですよね~」
END
36: 2017/08/16(水) 02:19:32.325 ID:PGZTejPN0.net
乙
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