1: 2023/10/20(金) 20:50:00.51 ID:ChJqzrDB.net
本文梢「ど、どうして? わたくしになにか悪いところがあったかしら……?」
花帆「いえ、梢センパイは優しくて、かっこよくて、綺麗で、あたしの憧れです」
花帆「その気持ちは付き合う前から変わってません」
梢「なら、どうして?」
花帆「変わってないからです」
梢「? ごめんなさい、どういうことかよくわからないのいだけれど」
花帆「あたしは、梢センパイに告白されて嬉しかったんです。憧れの人に好きって言ってもらえて嬉しかった」
花帆「でも、嬉しいだけなんです。自分に少し自信が持てただけ」
梢「……わたくしを好きじゃないっていうこと?」
花帆「梢センパイのことは好きです。大好きです」
梢「ならどうして──」
花帆「好きっていうのは、先輩として」
花帆「梢センパイの「好き」とあたしの「好き」は違うんです」
花帆「あたし、誰かに恋をしたことがないから」
花帆「いえ、梢センパイは優しくて、かっこよくて、綺麗で、あたしの憧れです」
花帆「その気持ちは付き合う前から変わってません」
梢「なら、どうして?」
花帆「変わってないからです」
梢「? ごめんなさい、どういうことかよくわからないのいだけれど」
花帆「あたしは、梢センパイに告白されて嬉しかったんです。憧れの人に好きって言ってもらえて嬉しかった」
花帆「でも、嬉しいだけなんです。自分に少し自信が持てただけ」
梢「……わたくしを好きじゃないっていうこと?」
花帆「梢センパイのことは好きです。大好きです」
梢「ならどうして──」
花帆「好きっていうのは、先輩として」
花帆「梢センパイの「好き」とあたしの「好き」は違うんです」
花帆「あたし、誰かに恋をしたことがないから」
2: 2023/10/20(金) 20:54:12.90 ID:ChJqzrDB.net
梢「そう、なのね」
花帆「昔から恋って素敵だな、とかいつかあたしもしてみたいなって憧れはあったんです」
花帆「少女漫画も大好きで、読んでるときゅんきゅんしちゃうんです」
花帆「でも、それはあくまで空想上の物語として楽しんでいるだけで、あたし自身は恋をしたことがなくて」
花帆「だから多分、あたしって変なんです」
花帆「恋っていうのがどういうものなのかわからなくて、でも憧れはあって」
梢「変では……ないと思うわ」
花帆「普通の人は高校一年生にもなれば恋を知ってるじゃないですか」
花帆「梢センパイがあたしを特別に好きになってくれたみたいに、普通は人のことを特別に好きになるんです」
梢「……。わたくしは、花帆さんとは違うけれど、違う意味で変なの」
梢「だってわたくしは、女性の花帆さんを好きになってしまったから」
花帆「昔から恋って素敵だな、とかいつかあたしもしてみたいなって憧れはあったんです」
花帆「少女漫画も大好きで、読んでるときゅんきゅんしちゃうんです」
花帆「でも、それはあくまで空想上の物語として楽しんでいるだけで、あたし自身は恋をしたことがなくて」
花帆「だから多分、あたしって変なんです」
花帆「恋っていうのがどういうものなのかわからなくて、でも憧れはあって」
梢「変では……ないと思うわ」
花帆「普通の人は高校一年生にもなれば恋を知ってるじゃないですか」
花帆「梢センパイがあたしを特別に好きになってくれたみたいに、普通は人のことを特別に好きになるんです」
梢「……。わたくしは、花帆さんとは違うけれど、違う意味で変なの」
梢「だってわたくしは、女性の花帆さんを好きになってしまったから」
3: 2023/10/20(金) 20:58:19.04 ID:ChJqzrDB.net
梢「さっき花帆さんが言っていたわよね? 普通は恋をするって」
花帆「だって、それが普通だから……」
梢「でもね、世間一般の普通は異性に恋をするものなの」
梢「だから、わたくしもおかしいの」
花帆「……」
花帆「あたしは、人を特別に好きになれるのが羨ましいと思います」
梢「……。花帆さんはわたくしと別れたいのよね?」
花帆「はい」
梢「どうして?」
花帆「だから、あたしは梢センパイに恋ができなかったから──」
梢「違うわ。どうして、交際してくれたの?」
花帆「それは……」
梢「それは?」
花帆「だって、それが普通だから……」
梢「でもね、世間一般の普通は異性に恋をするものなの」
梢「だから、わたくしもおかしいの」
花帆「……」
花帆「あたしは、人を特別に好きになれるのが羨ましいと思います」
梢「……。花帆さんはわたくしと別れたいのよね?」
花帆「はい」
梢「どうして?」
花帆「だから、あたしは梢センパイに恋ができなかったから──」
梢「違うわ。どうして、交際してくれたの?」
花帆「それは……」
梢「それは?」
4: 2023/10/20(金) 21:02:26.61 ID:ChJqzrDB.net
花帆「ごめんなさい、あたし今からひどいこと言います」
花帆「多分、梢センパイに幻滅されちゃうくらい」
梢「幻滅するかどうかはわたくしが決めることよ」
花帆「……あたし、梢センパイを利用したんです」
花帆「梢センパイに告白されて、嬉しかったから。きっとあたしも梢センパイになら恋ができるって」
花帆「梢センパイとお付き合いしてみてすごく楽しかったんです。だから最初は恋ができるって思って浮かれてました」
花帆「でも、ある日気付いたんです。あたしは梢センパイのこと好きだけど、この気持ちは恋じゃないって」
花帆「そうは思っても、あたし恋をしたことがないから本当に恋じゃないなんて言いきれないのかも、とも思って」
花帆「恋って何だろう、家族や友達に対する好きと何が違うんだろうって考えたら余計わからなくなっちゃって」
花帆「もし、あたしが梢センパイに恋をしているのだとすれば、あたしはお母さんにも、ふたばにも、みのりにも、さやかちゃんにも、瑠璃乃ちゃんにも、綴理センパイにも……慈センパイにも恋をしちゃってることになって」
花帆「だからきっと、あたしは梢センパイに恋は出来なかったんです。だから、別れてほしいんです」
花帆「きっと、梢センパイは傷付くけど、このままお付き合いを続けた方がきっと梢センパイを傷つけることになるから──」
花帆「多分、梢センパイに幻滅されちゃうくらい」
梢「幻滅するかどうかはわたくしが決めることよ」
花帆「……あたし、梢センパイを利用したんです」
花帆「梢センパイに告白されて、嬉しかったから。きっとあたしも梢センパイになら恋ができるって」
花帆「梢センパイとお付き合いしてみてすごく楽しかったんです。だから最初は恋ができるって思って浮かれてました」
花帆「でも、ある日気付いたんです。あたしは梢センパイのこと好きだけど、この気持ちは恋じゃないって」
花帆「そうは思っても、あたし恋をしたことがないから本当に恋じゃないなんて言いきれないのかも、とも思って」
花帆「恋って何だろう、家族や友達に対する好きと何が違うんだろうって考えたら余計わからなくなっちゃって」
花帆「もし、あたしが梢センパイに恋をしているのだとすれば、あたしはお母さんにも、ふたばにも、みのりにも、さやかちゃんにも、瑠璃乃ちゃんにも、綴理センパイにも……慈センパイにも恋をしちゃってることになって」
花帆「だからきっと、あたしは梢センパイに恋は出来なかったんです。だから、別れてほしいんです」
花帆「きっと、梢センパイは傷付くけど、このままお付き合いを続けた方がきっと梢センパイを傷つけることになるから──」
5: 2023/10/20(金) 21:05:18.23 ID:ChJqzrDB.net
梢「花帆さんは恋がしたいのよね?」
花帆「……」
花帆「無理です。あたしにはできないんです」
花帆「梢センパイは、あたしのことを特別に好きになってくれたのに、あたしはそれに応えることができなかったから──」
梢「わたくしといて楽しかった。そういったわよね?」
花帆「それは、はい……」
梢「なら、別れる必要なんてないわ」
花帆「でも──」
梢「わたくしは傷付かない。花帆さんの本当の気持ちを知っているから」
花帆「……あたし、多分好きになれないですよ」
梢「好きになってくれたら嬉しいけど、構わないわ」
花帆「……」
梢「ただし、無理に好きになろうとしないでね」
花帆「え?」
花帆「……」
花帆「無理です。あたしにはできないんです」
花帆「梢センパイは、あたしのことを特別に好きになってくれたのに、あたしはそれに応えることができなかったから──」
梢「わたくしといて楽しかった。そういったわよね?」
花帆「それは、はい……」
梢「なら、別れる必要なんてないわ」
花帆「でも──」
梢「わたくしは傷付かない。花帆さんの本当の気持ちを知っているから」
花帆「……あたし、多分好きになれないですよ」
梢「好きになってくれたら嬉しいけど、構わないわ」
花帆「……」
梢「ただし、無理に好きになろうとしないでね」
花帆「え?」
6: 2023/10/20(金) 21:08:52.20 ID:ChJqzrDB.net
梢「そうしたらまた花帆さんが苦しむだけでしょう?」
花帆「で、でも、梢センパイが──」
梢「わたくしはいいの。普通の交際関係を求めているわけではないわ」
梢「あなたを離したくないだけなの」
梢「こういってしまうと花帆さんに悪いかもしれないけど、花帆さんの気持ちはどうでもいい」
梢「わたくしと一緒にいてくれれば、わたくしは幸せなの」
花帆「……」
梢「もちろん、わたくしが花帆さんに向ける感情が理解できないこともあると思うわ」
梢「それが苦しいなら、無理強いはしない」
梢「いつでも言ってくれていいわ」
梢「でも、折角カミングアウトしてくれたのだから、新しい恋人──いえパートナーの形を試してみるのもいいんじゃない?」
花帆「パートナー?」
梢「ええ。恋人だと恋をしなきゃいけないみたいでしょう?」
梢「だから、パートナー」
花帆「!」
花帆「で、でも、梢センパイが──」
梢「わたくしはいいの。普通の交際関係を求めているわけではないわ」
梢「あなたを離したくないだけなの」
梢「こういってしまうと花帆さんに悪いかもしれないけど、花帆さんの気持ちはどうでもいい」
梢「わたくしと一緒にいてくれれば、わたくしは幸せなの」
花帆「……」
梢「もちろん、わたくしが花帆さんに向ける感情が理解できないこともあると思うわ」
梢「それが苦しいなら、無理強いはしない」
梢「いつでも言ってくれていいわ」
梢「でも、折角カミングアウトしてくれたのだから、新しい恋人──いえパートナーの形を試してみるのもいいんじゃない?」
花帆「パートナー?」
梢「ええ。恋人だと恋をしなきゃいけないみたいでしょう?」
梢「だから、パートナー」
花帆「!」
7: 2023/10/20(金) 21:11:22.67 ID:ChJqzrDB.net
花帆「パートナー……」
梢「き、気に入らなかったかしら?」
花帆「逆です! なんだかすっと胸が軽くなった気がして!」
梢「そう、ならよかった」
花帆「で、でも、本当にいいんですか?」
梢「さっきも言ったでしょう? わたくしは花帆さんと一緒にいたいだけ」
梢「でももし、少しでもわたくしの言動が嫌だったらすぐに言ってちょうだい」
梢「わたくしは花帆さんのことが好きで、花帆さんが理解できない感情をぶつけてしまうかもしれないから」
梢「お互いに一番いいパートナーの形を見つけていきたいの」
梢「そのためには言葉にすることが一番大切だから」
花帆「……」ポロポロ
梢「か、花帆さん? やっぱり嫌だった?」アセアセ
梢「き、気に入らなかったかしら?」
花帆「逆です! なんだかすっと胸が軽くなった気がして!」
梢「そう、ならよかった」
花帆「で、でも、本当にいいんですか?」
梢「さっきも言ったでしょう? わたくしは花帆さんと一緒にいたいだけ」
梢「でももし、少しでもわたくしの言動が嫌だったらすぐに言ってちょうだい」
梢「わたくしは花帆さんのことが好きで、花帆さんが理解できない感情をぶつけてしまうかもしれないから」
梢「お互いに一番いいパートナーの形を見つけていきたいの」
梢「そのためには言葉にすることが一番大切だから」
花帆「……」ポロポロ
梢「か、花帆さん? やっぱり嫌だった?」アセアセ
8: 2023/10/20(金) 21:14:01.07 ID:ChJqzrDB.net
花帆「違うんです……。あたし変だと思ってたから、受け入れてくれる人がいるのが嬉しくて……」
梢「嫌なわけではないのね、安心したわ」
花帆「で、でも、梢センパイにいっぱい我慢させちゃうかも──」
梢「その時はわたくしも言葉にするわ。きちんと話し合って線引きを決めましょう」
花帆「でも──」
梢「何度も言ってるでしょう? わたくしは一緒にいられればそれで十分なの」
花帆「梢センパイ……!」
梢「これから、2人が納得出来る形を作っていきましょう」
花帆「……はい!」
おわり
梢「嫌なわけではないのね、安心したわ」
花帆「で、でも、梢センパイにいっぱい我慢させちゃうかも──」
梢「その時はわたくしも言葉にするわ。きちんと話し合って線引きを決めましょう」
花帆「でも──」
梢「何度も言ってるでしょう? わたくしは一緒にいられればそれで十分なの」
花帆「梢センパイ……!」
梢「これから、2人が納得出来る形を作っていきましょう」
花帆「……はい!」
おわり
9: 2023/10/20(金) 21:19:07.14 ID:M/E5Yq9p.net
もっと浮かれてけ
10: 2023/10/20(金) 21:19:08.72 ID:refscYBW.net
素晴らしいわね
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