花丸「善子ちゃんは風邪でお休みだって先生が言ってた」


ダイヤ「あの堕天使モドキが体調不良だなんて珍しいこともあるのですね、馬鹿は風邪を引かないと言いますのに」ｶﾞﾁｬ


果南「すごい言われようだなぁ」


ルビィ「おねーちゃーん！」ﾀﾞｷｯ


ダイヤ「もう暑苦しい！なぜ会うたびに抱きついてくるの！」ｳｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞ


ルビィ「いいじゃんいいじゃんー」ｷﾞｭｩｩｩｩ


花丸「うへへへ」ｶｷｶｷ

鞠莉「今日は練習お休みでいいんじゃない？雨だし、風邪も流行ってるみたいだし」


ダイヤ「そうですわね、では今日は解散ということで」


千歌「残念だけど仕方ないねー」


曜「それじゃ私はプールに...」ｳｹﾞｯ


果南「だめだよー、風邪流行ってるって言ってるでしょ」


曜「えーいいじゃんかー」


千歌「それじゃまた明日ねー」


鞠莉「ちゃお」ﾉｼ


ダイヤ「うがぁぁもう離れなさい！」


ルビィ「えへへへ」

ｶｷｶｷ


ルビィ『ああ、おねぇさま...やっとお会いできました...』ｷﾞｭｯ


ダイヤ『わたくしも会いたかったですわ、さぁ愛しの妹よ、再会を祝して...』


『ﾁｭｯ』



ﾎﾟﾜﾜﾜｰﾝ


花丸「あぁ＾～」


ルビィ「？」


曜「...あれ、梨子は」


果南「もう帰ったんじゃない？」


ダイヤ「ほら帰るわよルビィ」


ルビィ「はーい」


ﾊﾞﾀﾝｯ


ｼｰﾝ


花丸「ふふふ、やっぱり時代はダイルビずらなぁ」ｶｷｶｷ

ｻﾞｧｧｧｧｧ


梨子「ふぅ...」


梨子「ここであってるよね...？」


ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ


梨子「...」


梨子「あれ、お家の人いないのかな」ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ


『はい、どちらさまですか？』ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ


梨子「うわわ！？あ、あの、私、浦の星女学院二年生の桜内梨子といいます」


梨子「あ、あのあのあの、よっちゃ...善子ちゃんが風邪だと聞いたので、その、ご迷惑かもしれませんけど、お見舞いに来ました！」


『あ、リリー？ｹﾞﾎｯ　ごめん今開けるわね』


梨子「え？」

梨子(ここがよっちゃんのおうちかぁ...)


梨子(なんというか...普通ね)


梨子(堕天使アクマ感０で安心した)


善子「ごごがわだしのへや"、入ってどうぞ」ｽﾞｽﾞｯ


梨子「うわっ、すごい鼻声だよよっちゃん」


善子「んーぐるじい」ﾌﾗﾌﾗ


梨子「やっぱり辛そうだし私帰るよ、ほらこれ差し入れのリンゴ買ってきたから、あとで食べ...」


ｷﾞｭｯ


梨子「？」

善子「...やだ」


梨子「で、でもそんな酷いなら薬飲んで寝てなきゃ！」


善子「やだ...」ｷﾞｭｯ


梨子「そんなこと言ったって」


善子「んーんー」


梨子「...はぁもう、わかったから離して」


善子「ん」

梨子「お邪魔します」


善子「ふふふ...ようこそ、リトルデーｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ」


梨子「...」


善子「我が城へ立ち入ることができるのは選ばれしｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ」


梨子「...」


梨子「...で、家族の人は？」


善子「今日は帰ってごない」ｽﾞｽﾞｯ


梨子「それはまたタイミングの悪い...んー」

梨子「わかった、ちょっと待ってて」


善子「やーどこいくのぉ」ｸﾞｲｯ


梨子「包丁持ってくるだけだよ、台所から借りるね？」


善子「んなっ、リトルデーモンが反乱！？」


善子「さよなら全てのリトルデーモン、ヨハネは今堕天使から本物の天使へとｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ」


梨子「いいからおとなしく寝てなさい、りんご剥いてあげるから」


善子「はい。」

ｼｭｯｼｭｯｼｭｯ


善子「上手ね」


梨子「はいどーぞ」


善子「うさぎだ！」


梨子「ほら、あーんして」


善子「あーん」ﾓｸﾞﾓｸﾞ


善子「ん、うまい！」


梨子「うまいじゃなくて"美味しい"でしょ」


善子「もっともっと！」ｱｰﾝ


梨子「はいはい」ﾌﾌｯ


善子「んー！」ﾓｸﾞﾓｸﾞ


善子「朝から何も食べてなかったから助かりました」ｹﾞﾌﾟｯ

梨子「口拭いて」


善子「んーんー」ｺﾞｼｺﾞｼ


梨子「ほら薬飲んで」


善子「ん」ｺﾞｸｺﾞｸ


梨子「布団ちゃんと被って」


善子「ん」ﾊﾞｻｯ


梨子「おやすみ」


善子「...」


善子「なんでよぉ！」ﾊﾞﾝｯ


梨子「なにが？」

善子「もっと梨子とお話したいのー」


梨子「病人なんだから寝てないと」


善子「えーつまらないー、初めて梨子が家に来てくれたのに」


梨子「んーそうだけど」


梨子「早く治さないとみんなにも会えないよ？」


善子「...梨子がいてくれれば十分だもん」


梨子「うっ...」ｷｭﾝ


梨子「...だめ、だめだめ！」

梨子「風邪を治すことが優先です、心を鬼にしてでも寝かせつけます！」


善子「ふふふ、やれるならやってみなさいリトルデーモン...返り討ちにしてくれるわ」


梨子「その弱った身体で何が出来るというの」


善子「ヨハネの病を分け与えてくれよう...」


梨子「うげっ...どうやって」


梨子(というか既にうつってる可能性も...)

善子「え、うーん、そうだなぁ...」


善子「...キスとか？」


梨子「え！？」ﾎﾞﾝｯ


善子「え、あ、今のなし今のなし！！」///


梨子「う、うん...」///


善子「...」


梨子「...」


善子「りこ？」


梨子「ん、そろそろおいとまするね」


善子「え」


梨子「ちゃんと寝てなきゃダメだよ？」

梨子「それじゃね」ﾊﾞｲﾊﾞｲ


ｸﾞｲｯ


梨子「うげっ！」


善子「逃がさん」ﾖﾛｯ


梨子「ちょ、何するのよっちゃん、ほらそんなフラフラして」


善子「やだのぉやだのぉ...」


善子「一緒にいてくれなきゃ」


善子「...寂しいじゃない」


梨子「寂しいって、子供じゃないんだから...」


善子「...」ｳﾙｳﾙ

梨子「うっ...(こっちが悪者みたいじゃん)」


梨子(でも風邪引くと心細くなるんだよね...)


梨子(ましてやお家に誰もいないとなると...)


梨子「はぁ...わかった、今日１日だけ付き合ってあげます」


善子「ほんと！？」


梨子「ただ、１回家に戻って着替え持ってこさせて」


善子「そうやって逃げる気じゃ」


梨子「そんなこと言ってると本当に逃げるよ」


善子「やーごめんなさい」

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---
-


ｶﾞﾁｬ


梨子「ただいま」


善子「...」ｽｰｽｰ


梨子「よしよし、ちゃんと寝てるね」


善子「んん...」ｽｰｽｰ


梨子「大人しくしてれば良い子なんだけどねぇ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ


善子「んー...梨子？」


梨子「あ、起しちゃったか」

善子「うぅ、ふわぁぁぁ」


梨子「ほら、ちゃんと傍にいるから、もう一回目閉じて」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ


善子「ん...手握って欲しい」


梨子「はいはい」


ｷﾞｭｯ


善子「ありがと...」








善子「...」ｽｰｽｰ


梨子「おやすみ、よっちゃん」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

次の日　朝


梨子「元気になったし、熱も下がってよかったね」


善子「堕天使ヨハネが風邪なんかに屈するわけないわ！」ﾊﾞｰﾝ


梨子「まぁそれはいいとして、早く準備しないと学校遅れちゃうよ？」


梨子「それとも今日もお家で安静にしとこっか？」


善子「えー、せっかく梨子と一緒に登校できるんだもん、行くよ」


梨子「そ、そう」///


善子「あと、梨子に渡したいものがあって」


梨子「？」


善子「これ、一日遅れたけど」

梨子「...ケーキ？」


善子「この前一緒にチョコケーキ作ったでしょ、それのお返し、ホワイトデー」


梨子「わっ、ほんと！？」


善子「うん、あんまり自信ないけど」


梨子「すごい、よっちゃんの手作りなんて」


梨子「えーすごく嬉しいよよっちゃん、ありがと！」


善子「う、そんな喜んでもらえると思わなかったわ」ｴﾍﾍ


善子「納得いくまでやってたら何時の間にか徹夜しててさぁ」


善子「そしたら風邪引いちゃってたわ」ｱﾊﾊ

梨子「え...風邪を引いた原因って、これ？」


善子「うん」


梨子「これ一つ作るのに徹夜したの？」


善子「だって美味しくできないんだもん」


善子「梨子と一緒に作ったチョコケーキみたく上手くいかないんだもん！！」


梨子「そんなことで徹夜して体調崩したら馬鹿みたいでしょ！」


善子「んなっ、馬鹿って言うほうが馬鹿なのよ！」


梨子「子供みたいなこと言わないの！」


善子「うるさい、なしこ！なしこ！」


梨子「言ったなぁ！なしこって言ったな！！！」


梨子「もう許さない、置いてっ行っちゃうから！」ﾊﾞﾀﾝｯ


善子「あー待ってよぉ！」ﾊﾞﾀﾝｯ

部室


ルビィ「へぇ、善子ちゃんがお菓子作りって意外です！」


花丸「何作ったの？」


善子「チーズケーキよ！」


梨子(今朝は怒っちゃったけど)


梨子(徹夜してまで私のために頑張ってくれたんだよね...)


梨子「よっちゃん」


善子「ん？」


梨子「ありがとね」


善子「...うん///」


ルビィ「よかったね善子ちゃん」


花丸「時代はよしりこ...」

善子「ね、ね、早く食べてみなさいよ」


梨子「これ？」


善子「うんうん！」


梨子「せっかくよっちゃんが作ってくれたんだもん、後でゆっくり食べよっかなぁって」


善子「えー、生の感想が聞きたい」


梨子「もぉ仕方ないなぁ」ｶﾞｻｺﾞｿ


梨子「それじゃ、いただきます」


善子「どうぞ」


梨子「...」ﾓｸﾞﾓｸﾞ


梨子「...」ﾋﾟﾀｯ

梨子(わっ...なんっっっだこれ...)


梨子(なんだろ...味とか香りとかそういう問題じゃなくて)


梨子(噛んでも噛んでも飲み込めない...消しゴムみたいな触感...)


善子「どうどう？」ｷﾗｷﾗ


梨子(うわっ、なんて期待の眼差し...)


梨子「ん、頑張ったね」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ


善子「えへへへ」


善子「実は二人の分も作ったのよ」


梨子(え"っ！？)


ルビィ「ほんと！？」


花丸「わーいいただきます！」


梨子「あ、だめ！」

るびまる「...」ﾓｸﾞﾓｸﾞ


るびまる「...」ﾋﾟﾀｯ


梨子(次の日、１年生二人はお腹の調子が悪いと学校を休んだらしい)


梨子(私はというと、確かにお腹の調子も悪かったのだが...)


梨子「んん...３８℃...」ｳｳｩ


梨子(よっちゃんの風邪が見事にうつったみたい)


善子「おじゃまします！」


梨子「よっちゃん！？」


善子「お見舞いに来てあげたわ！」


善子「ほらほら、ヨハネ特製の...」


善子「じゃーん、チーズケーキよ！」





梨子(お父さん、お母さん...梨子は今、この堕天使のせいで)


梨子(天国に行くかもしれません)




おわり。

これの後日談(善子「梨子のお家に」梨子「いらっしゃい！」)

よがっだずら