苗木「ふぅ、やっと着いた。」

葉隠「少しは年配者をいたわって欲しいものだべ。」

苗木「葉隠クンのスタミナがないのはタバコばっかり吸ってるからでしょ。まだ若いのに。」

葉隠「吸わないとやってられないべ、こんな生活。」

苗木「空気清浄機の劣化の理由、そのタバコだと思うんだけど。」

葉隠「もうあと2ダースしか無いんだべ。もう少しの辛抱だべ。」

苗木「とにかく、ハッチを開けてもらおう。不二咲さん？」

スピーカー「うん。今開けるよお…」

ｳｨｰﾝゴゴゴゴゴゴゴゴ…………

苗木「相変わらずここの自動洗浄装置は人の扱いが荒っぽいね。｣ｼﾞｬｰ…

葉隠「第4プラントのと比べたらジョウロみたいなものだべ。｣ｼｬﾜｰ…

苗木「あそこのは元々、自衛隊の戦闘用ロボットを整備するものだったんでしょ？使う方がおかしいよ。｣ｻﾞｯ

葉隠「たまにはあの刺激が欲しくなるべ…｣ｳｫｰﾝ…

苗木「ボクは遠慮しておくよ｡｣ﾌﾞｵｵ…

葉隠「一皮剥けるべ？｣ｼｭｳｳｰｰ…

苗木「……さあ、中に入ろう。」

舞園「お帰りなさい。2人とも」

葉隠「いつもながら、涙が出る瞬間だべ。」

苗木「ただいま、舞園さん。…霧切さんと戦刃さんは？」

舞園「今、地下火力発電所跡にいるみたいですよ｡｣ｶﾀｶﾀ…

苗木「そんなところに！？あそこは活動限界区域の外だったはずじゃ…」

山田「不可能を可能にする男。それがこの私、山田一二三ですぞ｣ｴｯﾍﾝ

苗木「あの改良型防護スーツ、もう完成したの？」

葉隠「その前に、実用試験は男の役目だったはずだべ！」

山田「ボクだって、当然止めたんですぞ！でも」



セレス「あの2人がそんなこと、気にするようにお思いですか？｣ｶｯ

苗木「セレスさん…」

セレス「もう女だとか男だとか、そんなことを気にしている段階ではございませんの。おわかりですか？」

葉隠「ま、3週間も新発見がないんじゃ、そう言われても仕方ないべ。なあ、苗木っち？」

苗木「それはおかしいよ！ボクたちがどうしてこんなことしてるのか、葉隠クンだって忘れたわけじゃないでしょ！？」

十神「苗木。その話はもう2万回は聞いた。さすがに飽きてる」

苗木「……っでも！」

十神「それに、実用試験は俺が済ませておいた。」

山田「ギョエーッ！！何時の間に！！？」

十神「ちょっと散歩にな。」

苗木「そういえば、不二咲さんは？」

舞園「まだ部屋に籠っているみたいですよ。朝からずっとなんです。」

葉隠「きっと、尻に根っこが生えたんだべ！俺の占いは3割当たる！｣ｼｭﾎﾞｯ

舞園「またタバコですか！体に毒ですよ！」

苗木「……ちょっと覗いておこう。」タッタッタ

ﾀﾀﾀﾀ…

苗木「…不二咲さん、入ってもいいかな？」

ドア「ちょっと待ってね…うん！いいよお｡｣ﾊﾞｼｭｰ

苗木「いつ見てもすごい部屋だね、ここは。」

不二咲「EMPに耐えるためには、これでも足りないくらいなんだぁ｡｣ｶﾀｶﾀ…

苗木「最近はNATOも疲弊してるみたいだけどね。…ボクたちが言えたことじゃないけど。」

不二咲「確かに日本本土への攻撃はここ数ヶ月無いね。でも、北の方はまだまだ戦闘が続いてるみたいだよぉ…」…ｯﾀﾝ！

苗木「そういえば、外で米帝の無人偵察機を見たよ。飛んでった方向が北の方だったかも。」

不二咲「米帝はウラジオストクへの侵攻を既に始めてるみたいだからね。モスクワはまだ無事みたいだけど｡｣ｸﾙｯ

苗木「UVB-76、か…」

不二咲「うん、まだ聞こえるんだぁ…このブザー音。」

苗木「米帝の偽装工作じゃ、ないの？」

不二咲「それはあり得るけど…どちらにしても、そこに人間がいるってことだよ。」

苗木「…不二咲さん。頑張ってくれるのはありがたいんだけど、たまには休まなきゃダメだよ。このシェルターは不二咲さん無しでは成り立たないんだから。」

不二咲「ありがとぉ、苗木くん…でも、もう少しでエシュロンの防壁、破れそうなんだ。これを使えたら、生存者の探索がもっと効率的にできると思うんだ。」

苗木「不二咲さん…」

不二咲「お願いだよぉ…みんなの役に立ちたいんだよ。」

苗木「…ふぅ｣ﾊﾞｼｭｰﾝ

霧切「お疲れ様、苗木くん。」

苗木「ありがとう…って霧切さん！？もう帰ってたの？」

霧切「私が帰って来ちゃダメかしら？」

苗木「いやそうじゃなくて…さっきまで発電所跡にいたんでしょ？それにしては早すぎ…」

霧切「地下鉄を辿ってきたのよ。運良く塞がってなかったわ。」

苗木「あ、なるほど……とにかく無事でなによりだよ。」

霧切「ありがとう。」

戦刃「…｣ﾁｮﾝﾁｮﾝ

苗木「ん…何、戦刃さん？」

戦刃「これ…」

苗木「これって…タービンじゃないか！ひょっとして、発電所の？」

霧切「そう。誰かさんのおかげで、空気清浄機の調子がよくないから、ね。」

葉隠「困ったもんだべ。」

戦刃(お前が言うなよ…)

霧切「これでまだ移動せずに済みそうよ。
」

苗木「…ありがとう。助かるよ。」

>>18
俺もやってないから大丈夫

苗木「早速、大和田クンに渡しに行こう｡｣ﾄﾃﾄﾃﾄﾃ

石丸「兄弟、そこは掘るとまずいんじゃ…」

大和田「うるせえ！！ヤッてみなきゃわかんねえだろうが！！｣ｶﾞﾝｯ！ｶﾞﾝｯ！

石丸「ああ…神様、お助け…」

苗木(音声だけ聞くと生々しいな)

苗木「あの…大和田クン？」

大和田｢｣ｶﾞﾝｯ！

大和田「ああん！！？」

石丸「だ、誰だ！名を名乗れ！」

苗木「ボクだよ…こんなとこで何してるの？」

大和田「最近する事が無くてな…」

石丸「兄弟と共に、温泉を掘っていたのだ！」

苗木(本当に優等生なのかこいつ)

苗木「ええと…そうだ、こいつを手に入れたから交換してほしいんだけど」

大和田「こっ、これは！」

石丸「正真正銘日本純正のタービンじゃないか！」

苗木「そんなこと、どこ見てわかるの？」

大和田「ああん！！？ここに小さく"大日本技研"って書いてあるだろうがあ！！！」

苗木(本当だ)

石丸「ハッハッハ！兄弟は体力と目だけはいいからなあ！」

大和田「おう！当たり前よ！目の悪いバイク乗りなんざ聞いたことねえ！！」

大和田「…バイクか｣ﾊｧ…

石丸「どうしたのだ、兄弟？」

大和田「…いや、もう何ヶ月跨って無いんだろうと思っちまってな……」

大和田「…よし！温泉発掘は終わりだ！」

石丸「何を言い出すのだ、兄弟！？あんなに夢中で掘っていたというのに！」

大和田「これからはサーキットを作るぞ。この地下に、直線バリバリのな！」

石丸「…それは素晴らしいアイディアだ！すぐ作ろう！！」

苗木「ちょ、ちょっと待ってよ！」

大和田「ああん！！？」

苗木「ま、まずはこのタービンを交換してよ！せっかくの仕事だよ！」

大和田「それもそうか…よし、苗木。」

苗木「？」

大和田「次外に出るときは、バイクの1台や2台、引っ張ってこいよ。」

苗木「」

大和田「カワサキなら文句無いんだが…最悪ベスパでもいい。」

石丸(シュールだな)

大和田「とにかく…頼んだぞ｣ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ

苗木「」

苗木「……という訳なんだ。」

葉隠「そんな任務無視だべ。」

苗木「まともなことも言えるんだね。」

葉隠「だべ。」

苗木「ところで、明日の予定は？」

戦刃「…改良型防護スーツのサイズ、私たちには大きすぎるみたいだから、やっぱり男組で使って。」

苗木(皮肉だなあ)

戦刃「…ということで、苗木は明日、私と組んで。」

苗木「えっ」

霧切「えっ」

情勢:人類史上最悪の絶望的事件の結果、世界各国で核が使われ、アメリカは合衆国と帝国に二分、ロシアは言わずもがな
核の冬こそ訪れていないものの、放射性降下物は北半球を覆い、生き残った人類は南半球に移動、その氏を待っている

苗木たちは黒幕の正体を破り(2周目だから)、外に出たのは良いものの…という状況

霧切「それはおかしいわ。」

戦刃「おかしくない。」

霧切「今まで私と組んできたじゃない。」

戦刃「戦場では臨機応変でなくてはいけない｡｣ﾁﾗｯ

苗木「？」

戦刃「…///」

葉隠「この期に及んで色恋沙汰とは、さすが苗木っt霧切「あなたは黙ってて」

苗木「うーん、ボクは構わないけど。」

戦刃「…！｣ﾊﾟｱｱｱｱｱｱ

翌日

葉隠｢さすが改良型、動きやすさからして全然違うべ。｣ﾉｯｼﾉｯｼ

霧切「…｣ﾄﾞｼﾝﾄﾞｼﾝ

十神「…なぜ俺まで｣ｳｨｰﾝｳｨｰﾝ



戦刃「…苗木。そこ、危ない｡｣ｶﾞｯｼ

苗木「あ…ありがとう、戦刃さん｡｣ｽﾀｯ

戦刃「う、うん///｣ｶｧ

苗木(すごい握力…さすが軍人)

苗木「あ、あれって！」

戦刃「うん？」

苗木「昨日見た米帝の無人偵察機だ！隠れよう！」

戦刃「……人が乗ってる。」

苗木「え？」

戦刃「あれは無人偵察機じゃない。OV-10、ベトナム戦争の時の骨董品。」

苗木「…米帝はなんでそんなものを？
」

戦刃「EMPで全部やられちゃったのよ、最先端のものは。最前線はもう1世紀くらい遡ってるかも。」

苗木「…なんてことだ。」

葉隠「お｣ﾉｼ!

十神「どうした、単細胞｡｣ｳｨｰﾝ

葉隠「ひどいべ！」

霧切「どうせタバコでも見つけたんでしょ。やめときなさい。放射線まみれよ。」

葉隠「どのみち氏ぬなら別にいいべ｡｣ﾊﾊﾊ

霧切「…」

十神「…｣ｳｨﾝ…

葉隠「じょ、冗談だべ！！｣ﾉｯｼﾉｯｼ!

霧切「…急ぎましょうか。」

舞園「ヒマですねー。」

朝比奈「オペレーターって、体動かせないからね。」

舞園「不二咲さん…くんに紅茶でもいれましょうか。」

朝比奈「紅茶なんて嗜好品があるの！？」

舞園「この間、苗木くんが拾ってきてくれた金庫の中に大量に入っていたんです！」

朝比奈「…それって大丈夫なの？」

舞園「一応鉛製でしたよ、金庫。」

朝比奈「よし！さくらちゃんも呼んで、みんなで飲もう！」

霧切「あ｣ﾄﾞｽ!

十神「今度はなんだ？｣ｳｨﾝ

霧切「あそこにあるの、車じゃないかしら？」

葉隠「久しぶりに見たべ｣ﾉｯｼ!

十神「…一応調べるか。ガイガーカウンターはこのザマだがな｡｣ｶﾞﾘｶﾞﾘ…

霧切「いつものことよ、見てみましょう｡｣ﾄﾞｼｰﾝﾄﾞｼｰﾝ

葉隠(…なんで霧切っちのスーツはあんな音なんだべ？)

苗木「その…OV-10の航続距離はどれくらい？」

戦刃「そんなに長くは…海は渡れないと思う…｣ﾊｯ!

苗木「さすが超高校級の軍人さん、気づいたみたいだね。」

戦刃「日本の沿岸に…米帝の揚陸艦が？」

苗木「たぶんね。…舞園さん？」

無線「……ｶﾞｰｰｰｰ……ｯｽﾁｭｲｰｰｰ」

戦刃「電波障害…あれ、電子戦機だったのかも。」

不二咲「うーん、この影、あやしいなあ｡｣ｶﾁｯ

腐川「あ、怪しすぎるわ…」

舞園「影が、どうかしたんですか？」

不二咲「うん…房総半島の沖に、巨大な影があるんだ…」

朝比奈「どうしてわかるの？」

不二咲「中国の軍事衛星を借りてみたんだぁ｡｣ｶﾀｶﾀｯ

舞園「…そういえば、中国ってどうなったんでしょう？」

腐川「知りたくもないわよ、そんなこと…」

不二咲「今ごろは砂漠になってると思うよ…灰色の。」

戦刃「…揚陸艦を襲えば、食料が手に入るかもしれない。」

苗木「む、無茶だよ！だいたい、海だってここからは見えないよ！」

戦刃「…奪う。」

苗木「何、を…？」

戦刃「あの電子戦機。」

苗木「」

戦刃「信じて、私を。」

霧切｢｣ﾎﾟｲｯ

葉隠(いとも簡単に車のドアを捨てたべ…)

十神「あの探偵女のスーツ、暴力女の戦闘用アーマーなんじゃないのか？」

葉隠「お、オーガの！？」

霧切「あら、どうりで｡｣ｸﾞｼｬｯ

葉隠(屋根ははがすことないと思うべ)

十神「車から採るものと言ったら発煙筒だな。」

霧切「備蓄しすぎて、今じゃ食料より多いくらいね。」

葉隠「この間こいつで一服してみたべ。代用品にはならないことが判明したべ！」

霧切(吸うなよ)

十神(吸うなよ)

戦刃「いい？まず、次の飛行機が見えたら、発煙筒を開封して振り回すの。」

苗木「ボクらの間じゃ携帯電話よりも普及してるね。」

戦刃「私のもあげる。両手に持って振り回して。」

苗木「ロックだね。」

戦刃「？」

苗木(映画は観ないのか…)

戦刃「MW2みたいに。」

苗木(ゲームはするんだ…)

戦刃「十中八九、飛行機は降りてくる。」

苗木「そうかなあ…」

戦刃「彼らだってヒマなはず。特にアメリカの男の兵士は。」

苗木(妙に説得力があるな)

戦刃「私は隠れるから、苗木は適当にそいつらの相手をして。」

苗木「英語は苦手だよ！」

戦刃「それでいいの。その隙に私がそいつらを眠らせる…OV-10には2人乗ってるはず。」

苗木(その手に持ってる石は何ですか)

ﾌﾞｵｵｵｵｵｵｵｵﾝ……

戦刃「…来た。」

苗木「目が輝いてるね。」

戦刃「苗木。」

苗木「うん、何？」

戦刃「こんな私を嫌いにならないで。」

苗木「！？」

戦刃「…できれば、2人を襲う間、苗木は目を瞑ってて。私は今から人を頃すの。」

苗木「…」

戦刃「…苗木には、見られたくない。そんなところ。」

苗木「ボクは瞑らないよ、戦刃さん。」

戦刃「え…」

苗木「ボクは…みんなと同じ苦しみを乗り越えなきゃならないんだ！戦刃さんの苦しみを、目の前にいるボクが共有しなくて、どうするんだよ！」

戦刃「…///」

戦刃「…ありがと。」

発煙筒｢｣ｼｮｱｱｱｱｱｱｰｰ…

苗木「よし、やるぞ！」

苗木｢｣ﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝ



パイロット「おいネルソン、あんなところに人がいるぞ。」

スカウター「こいつは珍しい。撃ちますか？」

パイロット「バカか。こんなご時世に動く日本人を見れるんだぜ。スニッカーズの1つや2つでも渡そうや。」

スカウター「へいへい、これだから万年大尉さんは。」

ﾌﾞｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵ…

ｷｭｲｯ

ｶﾞﾀﾝ

パイロット"ほら見てみろ、まだ子供じゃないか。"

スカウター"俺の弟と同い年くらいっすね。…まあ氏んじまったけど。"

苗木(うわあ…何言われてるんだろ)ﾋﾞｸﾋﾞｸ

戦刃(…悪いヤツじゃない、な。)ﾎﾟｲｯ

パイロット"スヌーピー34からママキャットへ、生存者を発見。敵国の領土じゃないが、どうします？"

HQ"こちらとしても助けたいのは山々だが、物資が足りん。残念だが、俺たちはもうアメリカじゃない。"

戦刃(合衆国の兵隊。情が入るかも…)

パイロット"…了解。あー、嫌になるなあ、おい。"

スカウター"大尉、俺、実はウォーカーズ派で…"ﾁﾗｯ

パイロット"この野郎、口がパサパサするだろうが！牛乳なんざ無いんだぞ！"ﾌﾟﾝｽｶ

戦刃｢｣ｽｯ

苗木「…っ！」

苗木(戦刃さんは速かった。背後から両腕を2人の首に巻きつけたと思うと、2人は既に地面に横たえられていた。その動きには、もはや美しさすら感じた。)

パイロット「」

スカウター「」

戦刃「……ふぅ」

苗木「…うまくいったね。」

戦刃「うん。当然。」

苗木「石は使わなかったの？」

戦刃「え？あ、ああ…うん。気が変わって…頃してはいない｡｣ｶｧｧ…

苗木「そっか…良かった。」

戦刃「う、うん///」

戦刃(こんなことなら、あんな台詞言わなきゃよかった…////)

ｶﾞﾀﾝ

苗木「あの2人、あのままで大丈夫なの？」

戦刃「私たちより上等の防護スーツ。生命維持装置付き。多分、大丈夫｡｣ｶﾁｯｶﾁｯ

苗木「そ、そっか」

戦刃「機内はNBC兵器に耐えられるよう改造してあるはずだから、防護スーツ、脱いでも大丈夫だよ。」

苗木「これでスニッカーズが食べられる。」

戦刃｢｣ﾇｷﾞｯ

苗木(そういう恥じらいは無いのね)

戦刃「浪漫飛行｣ﾎﾞｿｯ

苗木「えっ｣ﾄﾞｷｯ

戦刃「…そろそろ見えてくる。」

苗木「…舞園さん、応答して｡｣ｶﾞｯ

無線「はい！なんでしょう？」

苗木(まあ、なんてクリアな音)

戦刃「さすがアメリカ」

無線「そちらの動きは確認してます。あと18分で揚陸艦へ着陸できるそうです。」

苗木「着陸できるの？戦刃さん？」

戦刃「ヘリでなら。飛行機は初めて。」

苗木「離陸だけは簡単って話、本当だったんだね。」

無線「揚陸艦の管制AIをいじってみたから、たぶんイケるとおもうよぉ。」

苗木「不二咲さん…」

無線「もともとは自律型無人機のAIだったんだろうけど、もう使われてないみたいだね。使用履歴が4年前になってるよ。」

戦刃「完全自律型の無人機の使用は今、国際法で偵察機のみに認められている。」

苗木「戦闘機とかは、ダメってこと？」

戦刃「人の命がかかってないと、戦争の価値が下がる。それを防ぐため。」

苗木「皮肉な話だね。」

ｷｭｲｰｰｰｰﾝ


ﾁｬｯ


戦刃「…着いた。」

苗木「戦刃さん、今気づいたんだけど…」

戦刃「ん？」

苗木「帰りはどうするの？」

戦刃「また、奪えばいい。」

苗木「…みんな出払っちゃってるけど。」


ｶﾞﾗﾝ……

戦刃「プランB」

苗木「しかし…大きい船だね。」

戦刃「防護スーツ着て。出るよ｡｣ｽﾁｬｯ

苗木「整備兵はどうごまかすの？」

戦刃「見つからなければいい。」

苗木「甲板にはこれ1機だけだっていうのに？」

戦刃「…仕方ない。」

整備兵「」

苗木「これは氏んでる…よね。」

戦刃「首をひとつき」

戦刃「脱がすよ。」

苗木「え？」

戦刃「苗木じゃなくてこの整備兵を。」

苗木「ああ、そういう…」

戦刃「服を血で汚さないやり方はこれしかないの。」

苗木「なるほど、ボクがこれを着るってこと？」

戦刃「着るのは私。」

苗木「…え？」

戦刃「サイズが合わないから、仕方ない。」

苗木「じゃあ、ボクは…どうするの？」

戦刃「ちょっと待ってて｡｣ﾀｯﾀｯﾀ

戦刃｢｣ﾄﾞｽｯ

戦刃｢｣ﾀｯﾀｯﾀ

戦刃「はい、これ。」

苗木「スネークもびっくりだね。」

苗木「サイズはいい感じかな。」

戦刃｢｣ﾎﾟｲｯﾎﾟｲｯ

苗木(氏体は海へ、か…)

戦刃「そんな目で見ないで…」

苗木「生きるためだよね。」

戦刃「そう。悲しいことだけど、こうでもしなきゃ明日はない。」

苗木「…行こう。」

おしまい

荒廃した世界と聞いて、
falloutを思い浮かべるか、
北斗の拳を思い浮かべるか、
マッドマックスを思い浮かべるかで世代が分かれると思う