250: ◆IRWVB8Juyg 2013/08/01(木) 22:32:44.09 ID:Z2ebxGWAo


モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ



ひなたん星人がリベリオンするフラグがたったところで
イベント進行

251: 2013/08/01(木) 22:33:23.03 ID:Z2ebxGWAo
 こんがりと焼けたトーストの表面へとバターがひとさじ落とされた。

 熱によって溶けて黄金色の輝きを残してしみこんでいく。表面がコーティングされ、美しいきらめきへと包まれた。

 音を立ててふたつに割れば、自らの熱を主張すべくあまく温かなパンの香りが湯気と共に立ち上る。


 別の皿にはカリカリになるまで焼かれたベーコンと、白と黄色の鮮やかな目玉焼きが盛られている。

 少し強めに主張するベーコンを、やわらかな玉子が寄り添うことによって受け止めようとしているかのようだ。


 また、鮮やかな緑のサラダも目を惹く。

 ドレッシングなどは特にかけられてはいないようではあるが、

 きちんと全体の調和を持って料理として完成されたそれは、ともすれば殺風景になる食卓の彩も受け持っている。

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それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。


それと同じ日に、宇宙から地球を侵略すべく異星人がやってきました。
地球を守るべくやってきた宇宙の平和を守る異星人もやってきました。

異世界から選ばれし戦士が悪のカリスマが
突然超能力に目覚めた人々が未来から過去を変えるためにやってきた戦士が。
他にも隕石が降ってきたり、先祖から伝えられてきた業を目覚めさせた人がいたり。

それから、それから――


「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。

・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。





252: 2013/08/01(木) 22:33:50.15 ID:Z2ebxGWAo

 そんな朝食をとりつつ、ヘレンはふと思い出したように口を開いた。


ヘレン「………精神操作、ね」

マシン「……いかがいたしましたか、マム」


 そばで待機していたマシンがその言葉を拾って意味を問う。

 会話は聞き手がいて初めて成り立つ。ヘレンは自己で完結しうることは特に口にはしない。

 ならば、これは聞き手を求める呼びかけなのだと彼は知っている。

253: 2013/08/01(木) 22:34:52.06 ID:Z2ebxGWAo
ヘレン「ハンテーンとアバクーゾ……あの2匹に仕込んだ能力と薬品の話よ」

マシン「本音……秘密を暴き、心を折るもの。反転……本人の意思や思想を改変し、別人と化させるもの、ですか」

ヘレン「えぇ。それに対しての個体差……なかなかに興味深い結果になったわ」


 パンを噛みきり、コーヒーを口に運びつつヘレンが言う。

 今回襲った人間たちのアクションや、暴いた秘密についての統計データを空中にウィンドウを開いて呼び出した。


マシン「……ハンテーンは好意を持って近寄ってきたものが触って敵対心を持ち、悪態をつくパターンが多いですね」

ヘレン「能力を持たない、確固たる信念も持たない。そういった相手にはその結果になるようね」

マシン「一般的な、どちらかといえば道徳といった感情まで制御しているようにも見られます。ヒーローにも効果があるのでは?」

ヘレン「そうであるのならば、楽なのだけど。次よ」


 滑るようにして別のウィンドウがマシンの前へと現れる。

 先ほどまで見ていたデータに比べて、個体差が激しいものについて詳しく書かれているようだ。

254: 2013/08/01(木) 22:35:31.53 ID:Z2ebxGWAo
ヘレン「明確に敵対して、ハンテーンなどへ意識が向いたものへの効果。いわゆるヒーローへの効果ね」

マシン「……先ほどまでに比べて、変化が多彩です。口調の変化や精神的な拠り所の反転などもあるようです」

ヘレン「そう。強く意識を持った状態で反転すれば、通常よりも大きく変わる。ただし」

マシン「――ただし。先ほどの一般人とは違い芯の部分までの変化が見受けられません」

ヘレン「……そう。いい子ね。続けなさい」


 ヘレンの言葉をマシンが継ぎ、満足気にヘレンは目を閉じた。


マシン「……気弱な善人が強気な善人になる、など。本質は変わっておらず、かえって厄介になったものもいるようです」

ヘレン「つまり。現時点でこちらを単品で運用しても大きな混乱は起こせないわ」

マシン「イエス、マム」

255: 2013/08/01(木) 22:37:04.21 ID:Z2ebxGWAo
ヘレン「次はアバクーゾ。こちらもそうね……」


 先ほどまでのウインドウが一旦消え、別のウインドウが現れる。

 一般人の本音、秘密。ヒーローの本音、秘密などまちまちだ。


マシン「……さらにばらけています。暴いた本音によっては本人以外が被害を被ったりもしているようですが」

ヘレン「おそらく、隠したいことをさらけ出す……その深度、なのでしょう。推論はあまり好まないのだけど」


 ヘレンが肩をすくめて息を吐く。お手上げの意思というよりもあきれているかのような動作だ。


マシン「その時の相手の警戒度にもよるようですが……あまり、大きすぎることを暴けはしないようでもあります」

ヘレン「そういうことね。どちらも相手の本質を暴き、裏返すには至らなかった……」

マシン「本人にとっては手痛いものであろうと、それによって失墜などを狙うには不十分です」

ヘレン「えぇ。よくわかってるわね」

256: 2013/08/01(木) 22:37:50.33 ID:Z2ebxGWAo
 ヘレンは顎へと手をやり、少し考えるようなそぶりをする。

 どうあれ、この星の生物たちを狂わせるには不確定で不明瞭なデータが多すぎるようだ。


マシン「あの2匹はいかがしましょうか」

ヘレン「……データは集まったわ。回収の準備をしなさい」

マシン「イエス、マム」

ヘレン「………フッ、問題ないわ」


 しかし、彼女は宇宙レベル。その個体差を生み出す『感情』へと興味は移っていく。

 地上の生物を襲う怪物『カース』のデータも収拾も含めて、あの2匹はなかなかの働きをみせた。

 帰ってきたら、マシンの焼いたパンの一切れぐらいはやろう。そう考えて彼女は再び朝食をとることを再開した。




ヘレン「――マシン。ソイソースがないわ」

マシン「イエス、マム」

 ……回収は、少し遅れそうではあるが。

257: 2013/08/01(木) 22:40:24.10 ID:Z2ebxGWAo
!イベント情報

『嘘つきと本音』イベントの怪人、アバクーゾとハンテーンの回収準備が始まりました
10日をリミットとして、それを超過した場合倒されていなければヘレンがこの2匹を回収します

怪人たちの撃破が解禁されました。倒したい方はWiki内掲示板にて一報ください

258: 2013/08/01(木) 22:41:56.86 ID:Z2ebxGWAo
以上、撃破解禁のお知らせとヘレンの優雅な企みレベル2でした

ヘレンさんは宇宙レベルなので醤油だけじゃなくてケチャップやソース、何もかけないなどをその時の気分で変えます。あしからず

259: 2013/08/01(木) 22:44:04.54 ID:of0IjczT0
乙です
宇宙レベルさんの貫録がすごい

260: 2013/08/01(木) 22:47:35.55 ID:8iVJgUwxO
乙ー

ヘレンさん流石宇宙レベル




【次回に続く・・・】



引用: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part5