380: ◆TAACIbOrYU 2013/08/06(火) 23:57:53.76 ID:nHHg/cJFo
モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです
前回はコチラ
周子「問題は無さそうかなー」
――『憤怒の街』から少し離れた場所。
――塩見周子の視線の先に、
――『浄化の雨』を降らせている間、動けずにいるナチュルスターと、
――彼女たちを、迫り来るカースから護衛している能力者たちの姿があった。
――周子は、更に別の場所からそれを見守り、
――何かあったときにいつでも助太刀できるようスタンバイしながら、
――後進の奮戦を眺めていた。
周子(人数も増えたし、連携も上手くなってきてる)
周子(志乃さんが大本を潰してくれたおかげで、体力も保ちそうだから)
周子(心配の必要は無い、かな)
――協力し合い、善戦する様に頼もしさを感じ、
――自分の出る幕は無さそうだ、
――と、安心すると同時に、
――あまりにも危なげのないこの状況に、
周子「暇だなー……」
――若干の退屈を持て余していた。
――『憤怒の街』から少し離れた場所。
――塩見周子の視線の先に、
――『浄化の雨』を降らせている間、動けずにいるナチュルスターと、
――彼女たちを、迫り来るカースから護衛している能力者たちの姿があった。
――周子は、更に別の場所からそれを見守り、
――何かあったときにいつでも助太刀できるようスタンバイしながら、
――後進の奮戦を眺めていた。
周子(人数も増えたし、連携も上手くなってきてる)
周子(志乃さんが大本を潰してくれたおかげで、体力も保ちそうだから)
周子(心配の必要は無い、かな)
――協力し合い、善戦する様に頼もしさを感じ、
――自分の出る幕は無さそうだ、
――と、安心すると同時に、
――あまりにも危なげのないこの状況に、
周子「暇だなー……」
――若干の退屈を持て余していた。
----------------------------------------
それは、なんでもないようなとある日のこと。
それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。
それと同じ日に、宇宙から地球を侵略すべく異星人がやってきました。
地球を守るべくやってきた宇宙の平和を守る異星人もやってきました。
異世界から選ばれし戦士をが悪のカリスマが
突然超能力に目覚めた人々が未来から過去を変えるためにやってきた戦士が。
他にも隕石が降ってきたり、先祖から伝えられてきた業を目覚めさせた人がいたり。
それから、それから――
「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。
381: 2013/08/06(火) 23:58:21.19 ID:nHHg/cJFo
――周子は、志乃にこの場を任されているが、
――事態がどんどん好転していき、
――もう、悪い方には転がりそうにないとなると、
――ただ、ぼーっと見ていてもつまらないし、
――いつまでもここに留まっている必要も無いだろう。
――と、考え始めていた。
――どこであろうと、有事にはすぐさま駆けつけられる。
――ならば、何もせずにいるよりは、
――彼らの手伝いをした方が有意義であろう。
――無論、裏方に徹しながら、だが。
――事態がどんどん好転していき、
――もう、悪い方には転がりそうにないとなると、
――ただ、ぼーっと見ていてもつまらないし、
――いつまでもここに留まっている必要も無いだろう。
――と、考え始めていた。
――どこであろうと、有事にはすぐさま駆けつけられる。
――ならば、何もせずにいるよりは、
――彼らの手伝いをした方が有意義であろう。
――無論、裏方に徹しながら、だが。
382: 2013/08/06(火) 23:58:54.79 ID:nHHg/cJFo
周子「アレをやるか」
――周子の瞳が、
――閉じられた地獄の釜……、
――カースの湧き出ていた箇所から、
――ナチュルスター達のいる場所まで、
――ずらりと列を成し、
――行軍するカースの群れを捉える。
――現状、
――アレを全滅させば勝利条件達成、
――といったところだ。
――つまり、アレをいくらか片付ければ、
――あの場で戦う彼らの負担を、
――ある程度は軽減できるだろう。
――周子の瞳が、
――閉じられた地獄の釜……、
――カースの湧き出ていた箇所から、
――ナチュルスター達のいる場所まで、
――ずらりと列を成し、
――行軍するカースの群れを捉える。
――現状、
――アレを全滅させば勝利条件達成、
――といったところだ。
――つまり、アレをいくらか片付ければ、
――あの場で戦う彼らの負担を、
――ある程度は軽減できるだろう。
383: 2013/08/06(火) 23:59:23.16 ID:nHHg/cJFo
周子「さて……」
――と、軽く伸びをして、
――それでは行くか、となった時に、
――ふと、
周子「そっか、一人か」
――そんなことに気付いた。
――私情を挟んだ戦いなど、だいぶ長いことしていなかった。
――歳を取るごとに、荒事などはだんだん面倒になってしまい、
――今や、自分から争いを仕掛けることなど殆ど無い。
――基本的には、誰かのサポートなり、助力なり、
――他の人について戦うことが多くなった。
――だから、なんとなく不思議な感覚だった。
――久しぶりに、
――誰を手伝うでもなく、
――自分から、一人で、自身の裁量で、
――この力を振るう。
――と、いうことが。
――と、軽く伸びをして、
――それでは行くか、となった時に、
――ふと、
周子「そっか、一人か」
――そんなことに気付いた。
――私情を挟んだ戦いなど、だいぶ長いことしていなかった。
――歳を取るごとに、荒事などはだんだん面倒になってしまい、
――今や、自分から争いを仕掛けることなど殆ど無い。
――基本的には、誰かのサポートなり、助力なり、
――他の人について戦うことが多くなった。
――だから、なんとなく不思議な感覚だった。
――久しぶりに、
――誰を手伝うでもなく、
――自分から、一人で、自身の裁量で、
――この力を振るう。
――と、いうことが。
384: 2013/08/06(火) 23:59:57.58 ID:nHHg/cJFo
周子「相手はカース……」
――周子の瞳に、
――妖しい光が灯る。
周子「じゃあ」
周子「たまには……、いいよね?」
――ゾッとするほど、冷たい声だった。
――その唇は邪悪に歪み、
――周子の纏う空気が、
――どす黒いものに変質する。
――今日、
――周子の目に留まってしまったカースは、
――運が無い。
――周子の瞳に、
――妖しい光が灯る。
周子「じゃあ」
周子「たまには……、いいよね?」
――ゾッとするほど、冷たい声だった。
――その唇は邪悪に歪み、
――周子の纏う空気が、
――どす黒いものに変質する。
――今日、
――周子の目に留まってしまったカースは、
――運が無い。
385: 2013/08/07(水) 00:00:25.38 ID:RXk4i6gXo
――この辺一帯のカース達は、
――煩わしい『雨』を降らせている存在に気づき、
――その者の息の根を止めんと、
――群れを成し、行軍している。
――そんな中、
――いくらかのカースが、列を外れ、
――ふらふらどこかへと、
――まるで誘われるように彷徨いだした。
――その数はどんどん増えていき、
――皆、てんでバラバラの方向へ向かうようでいて、
――最終的に、とある一箇所へと集まっていった。
――ビルや、高速道路などの建築物に阻まれ、
――若干、周りから見えづらくなっている場所。
――そこに、
――周子が居た。
――煩わしい『雨』を降らせている存在に気づき、
――その者の息の根を止めんと、
――群れを成し、行軍している。
――そんな中、
――いくらかのカースが、列を外れ、
――ふらふらどこかへと、
――まるで誘われるように彷徨いだした。
――その数はどんどん増えていき、
――皆、てんでバラバラの方向へ向かうようでいて、
――最終的に、とある一箇所へと集まっていった。
――ビルや、高速道路などの建築物に阻まれ、
――若干、周りから見えづらくなっている場所。
――そこに、
――周子が居た。
386: 2013/08/07(水) 00:01:01.67 ID:RXk4i6gXo
――周子を取り囲むように、
――大量のカースがひしめいていた。
――皆一様に押し黙り、
――ゆらゆらと、その場でうつろに揺れている。
――周子の力によって、催眠のかかったような状態になり、
――正気を失っているのだ。
――それは、
――パァンっ!
――と、周子が大きく手を叩くと、
――一斉に取り戻され、
――各々、しばらくは現状に戸惑いを見せたものの、
――すぐに目の前の少女へと『憤怒』の罵声を浴びせかけ、
――圧倒的な物量で押し潰さんと襲いかかり、
――そして……。
周子「悪いけど……」
――ピタリと止まった。
――大量のカースがひしめいていた。
――皆一様に押し黙り、
――ゆらゆらと、その場でうつろに揺れている。
――周子の力によって、催眠のかかったような状態になり、
――正気を失っているのだ。
――それは、
――パァンっ!
――と、周子が大きく手を叩くと、
――一斉に取り戻され、
――各々、しばらくは現状に戸惑いを見せたものの、
――すぐに目の前の少女へと『憤怒』の罵声を浴びせかけ、
――圧倒的な物量で押し潰さんと襲いかかり、
――そして……。
周子「悪いけど……」
――ピタリと止まった。
387: 2013/08/07(水) 00:01:30.98 ID:RXk4i6gXo
――カース達の動きを止めたのは、
――『恐怖』であった。
――本来、カースの抱き得る感情は、
――七つの大罪、それぞれに該当するどれか一つであり、
――彼らの場合は『憤怒』だ。
――それ以外の感情は一切持たず、
――ただひたすら『憤怒』の激情のままに行動する。
――そのカースが、今『恐怖』を抱いていた。
――――目の前の少女にだ。
周子「今日は」
――初めて訪れた感情に戸惑い、
――それが何なのかわからず、
――動ける筈なのに動けぬことに混乱し、
――わけもわからぬまま、
――より、『恐怖』の深みへとはまっていく。
――『恐怖』であった。
――本来、カースの抱き得る感情は、
――七つの大罪、それぞれに該当するどれか一つであり、
――彼らの場合は『憤怒』だ。
――それ以外の感情は一切持たず、
――ただひたすら『憤怒』の激情のままに行動する。
――そのカースが、今『恐怖』を抱いていた。
――――目の前の少女にだ。
周子「今日は」
――初めて訪れた感情に戸惑い、
――それが何なのかわからず、
――動ける筈なのに動けぬことに混乱し、
――わけもわからぬまま、
――より、『恐怖』の深みへとはまっていく。
388: 2013/08/07(水) 00:02:03.38 ID:RXk4i6gXo
周子「愉しませてもらうよ」
――瞬間、
――目に見えぬ、
――何かおぞましいものが、
――この場を覆った。
――暗く、
――昏く、
――どこまでも深い、
――闇。
――ぽっかりと開いた、
――穴。
――地獄の底の、
――更に奥、
――何も見えぬ陰を、
――上から塗りつぶす程の、
――漆黒。
――望む望まぬに関わらず、
――覗きこんでしまった、
――深淵。
――その時気付く、
――深淵もまた、
――こちらを覗いていることに……。
――瞬間、
――目に見えぬ、
――何かおぞましいものが、
――この場を覆った。
――暗く、
――昏く、
――どこまでも深い、
――闇。
――ぽっかりと開いた、
――穴。
――地獄の底の、
――更に奥、
――何も見えぬ陰を、
――上から塗りつぶす程の、
――漆黒。
――望む望まぬに関わらず、
――覗きこんでしまった、
――深淵。
――その時気付く、
――深淵もまた、
――こちらを覗いていることに……。
389: 2013/08/07(水) 00:02:32.57 ID:RXk4i6gXo
――その場全てのカースが震えだす。
――許容を超えた『恐怖』が、更に膨れ上がり、
――周りを伝播して、飽和状態になった。
――そして、たった一言、
カース「―――――コワイ」
――と、誰かが呟いたのをきっかけに、
カース「ウ……、ウワアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」
カース「イヤダアアアアアアアアアアアアアアアァアァアア!!!!!!!!!!」
カース「タスケテェェェェェエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!」
カース「ヒィィィィイイイイイイィイィィィィイイイイィィイイ!!!!!!!」
――パニックが起こった。
――許容を超えた『恐怖』が、更に膨れ上がり、
――周りを伝播して、飽和状態になった。
――そして、たった一言、
カース「―――――コワイ」
――と、誰かが呟いたのをきっかけに、
カース「ウ……、ウワアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」
カース「イヤダアアアアアアアアアアアアアアアァアァアア!!!!!!!!!!」
カース「タスケテェェェェェエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!」
カース「ヒィィィィイイイイイイィイィィィィイイイイィィイイ!!!!!!!」
――パニックが起こった。
390: 2013/08/07(水) 00:03:02.37 ID:RXk4i6gXo
――皆が皆、
――我先にと逃げ惑う。
――周りを押しのけ、踏みつけ、転ばしながら、
――自分だけは、と、
――必氏になってもがく。
――周りは建物も多いため、
――中には、物陰に隠れる者もあった。
――それらを眺めると、
――周子は、ニィ……、と口角を吊り上げる。
――背筋の凍るほど恐ろしい、
――妖艶な笑みであった。
周子「一匹も逃さないよ……♪」
――我先にと逃げ惑う。
――周りを押しのけ、踏みつけ、転ばしながら、
――自分だけは、と、
――必氏になってもがく。
――周りは建物も多いため、
――中には、物陰に隠れる者もあった。
――それらを眺めると、
――周子は、ニィ……、と口角を吊り上げる。
――背筋の凍るほど恐ろしい、
――妖艶な笑みであった。
周子「一匹も逃さないよ……♪」
391: 2013/08/07(水) 00:03:29.88 ID:RXk4i6gXo
――周子は、
――左右、道なりに逃げ出したカースへ、
――両手を広げ、
――掌をそれぞれへと向ける。
――その瞬間、
――カースたちは、
――不可視の糸に絡まれたような錯覚を覚えた。
――それも、
――氏人の髪の毛から作られた、
――怨念の宿る糸、
――触れることすら忌避される、
――身の毛もよだつような何か。
――覆っているのだ、
――逃げているのに、
――捕まっているのだ。
――あまりの絶望に、
――逃げることを止めた者も現れた。
――左右、道なりに逃げ出したカースへ、
――両手を広げ、
――掌をそれぞれへと向ける。
――その瞬間、
――カースたちは、
――不可視の糸に絡まれたような錯覚を覚えた。
――それも、
――氏人の髪の毛から作られた、
――怨念の宿る糸、
――触れることすら忌避される、
――身の毛もよだつような何か。
――覆っているのだ、
――逃げているのに、
――捕まっているのだ。
――あまりの絶望に、
――逃げることを止めた者も現れた。
392: 2013/08/07(水) 00:03:56.54 ID:RXk4i6gXo
――今度は、
――開いた掌を、
――ぐっ、と握ると、
――逃げるカースが尽く、
――動きを止めた。
――否、
――止められた。
――絡まった糸が、
――とうとう、身体を締めあげ、
――呪いのように、
――ピクリとも動けなくなる。
――この時点で、
――人であれば、
――恐怖のあまり、既に氏んでしまう者が現れる頃だが、
――不幸なことに、
――カースは、氏なない。
――氏ねないのだ。
――開いた掌を、
――ぐっ、と握ると、
――逃げるカースが尽く、
――動きを止めた。
――否、
――止められた。
――絡まった糸が、
――とうとう、身体を締めあげ、
――呪いのように、
――ピクリとも動けなくなる。
――この時点で、
――人であれば、
――恐怖のあまり、既に氏んでしまう者が現れる頃だが、
――不幸なことに、
――カースは、氏なない。
――氏ねないのだ。
393: 2013/08/07(水) 00:04:24.54 ID:RXk4i6gXo
――そして、
――そのまま肘を内側に曲げる。
――すると、カースたちが動き出した、
――周子の方へ、
――ズルズルと、
――引きずられるように。
カース「イヤダァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」
カース「ハナシテエェェエエエエエエエェェェェエエエエエ!!!!!!!!!!!!!」
カース「コワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイ!!!!!!!!!!!!」
――自分の元へと寄ってくるカースを、
――嗜虐の篭った瞳で、
――周子が眺める。
――そこに、
――確たる怜悧の色が残っている、
――ということが、
――一層、恐ろしかった。
――そのまま肘を内側に曲げる。
――すると、カースたちが動き出した、
――周子の方へ、
――ズルズルと、
――引きずられるように。
カース「イヤダァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」
カース「ハナシテエェェエエエエエエエェェェェエエエエエ!!!!!!!!!!!!!」
カース「コワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイ!!!!!!!!!!!!」
――自分の元へと寄ってくるカースを、
――嗜虐の篭った瞳で、
――周子が眺める。
――そこに、
――確たる怜悧の色が残っている、
――ということが、
――一層、恐ろしかった。
394: 2013/08/07(水) 00:04:53.01 ID:RXk4i6gXo
――一方、
――隠れる事を選んだカースたちは、
――見つからぬよう、息を潜め、
――止まらぬ震えを何とか抑えつけながら、
――周りへと注意を払っていた。
――外の様子を伺いたかったが、
――身体を遮蔽物から出した途端、
――”アレ”に見つかってしまいそうで、
――あまりにも恐ろしく、
――ただ、小さく縮こまる他無かった。
――隠れる事を選んだカースたちは、
――見つからぬよう、息を潜め、
――止まらぬ震えを何とか抑えつけながら、
――周りへと注意を払っていた。
――外の様子を伺いたかったが、
――身体を遮蔽物から出した途端、
――”アレ”に見つかってしまいそうで、
――あまりにも恐ろしく、
――ただ、小さく縮こまる他無かった。
395: 2013/08/07(水) 00:05:20.66 ID:RXk4i6gXo
カース「ギィィィィイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!」
――そんな彼らの元へ、
カース「ヤメテエエエェェエエエエエエエエエェエエエエエエ!!!!!!!」
――仲間の悲鳴が、
カース「ア゙ア゙アア゙アア゙アア゙ァ゙ァァアア゙ア゙アァ゙アアアアア!!!!!!!」
――届いてきた、
カース「ゴメンナサイィイィィイイイイイィイィィィイイイイ!!!!!!!!!!」
――何か、
カース「ユ゙ル゙ジデェェェエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!」
――よくわからないが、
カース「グル゙ジイ゙ィィイィイイイイイイィィイイィイイイイイ!!!!!!!!!!」
――おぞましい事が、
カース「イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ!!!!!!!!!!!!!」
――行われている、
カース「ダズゲデェエエエェエエエエエェェェェエェェエエエエエ!!!!!!!!!」
――らしい。
――そんな彼らの元へ、
カース「ヤメテエエエェェエエエエエエエエエェエエエエエエ!!!!!!!」
――仲間の悲鳴が、
カース「ア゙ア゙アア゙アア゙アア゙ァ゙ァァアア゙ア゙アァ゙アアアアア!!!!!!!」
――届いてきた、
カース「ゴメンナサイィイィィイイイイイィイィィィイイイイ!!!!!!!!!!」
――何か、
カース「ユ゙ル゙ジデェェェエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!」
――よくわからないが、
カース「グル゙ジイ゙ィィイィイイイイイイィィイイィイイイイイ!!!!!!!!!!」
――おぞましい事が、
カース「イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ!!!!!!!!!!!!!」
――行われている、
カース「ダズゲデェエエエェエエエエエェェェェエェェエエエエエ!!!!!!!!!」
――らしい。
396: 2013/08/07(水) 00:05:47.93 ID:RXk4i6gXo
――何が起きているのかは不明だが、
――見つかれば、
――捕まれば、
――自分も同じ目に遭う。
――嫌だ。
――ゴメンだ。
――誰か、助けて。
――ヒーローはいないのか。
――今なら神だって信じる。
――楽に氏ねるなら、悪魔でもいい。
――怖くて堪らない。
――恐ろしくて仕方ない。
――救いは無いのか。
――誰か。
――誰か。
――見つかれば、
――捕まれば、
――自分も同じ目に遭う。
――嫌だ。
――ゴメンだ。
――誰か、助けて。
――ヒーローはいないのか。
――今なら神だって信じる。
――楽に氏ねるなら、悪魔でもいい。
――怖くて堪らない。
――恐ろしくて仕方ない。
――救いは無いのか。
――誰か。
――誰か。
397: 2013/08/07(水) 00:06:16.28 ID:RXk4i6gXo
――気がつけば、
――いつの間にか外は静かになっていた。
――一体どうなったのだろうか。
――周りの状況を確認することも、
――何もせず、この場に留まり続けることも、
――どちらも恐ろしく、
――気が変になってしまいそうで、
――迷った挙句、
――少しだけ覗いてみることにした。
――結果から言うと、
――”何も無くなっていた”。
――仲間のカースも、
――あの恐ろしい存在も、
――どこにも見当たらない。
――別の場所に行ったのだろうか。
――そんな希望的観測は、
「見ぃつけた……♪」
――氏の抱擁によって、
――握りつぶされた。
――いつの間にか外は静かになっていた。
――一体どうなったのだろうか。
――周りの状況を確認することも、
――何もせず、この場に留まり続けることも、
――どちらも恐ろしく、
――気が変になってしまいそうで、
――迷った挙句、
――少しだけ覗いてみることにした。
――結果から言うと、
――”何も無くなっていた”。
――仲間のカースも、
――あの恐ろしい存在も、
――どこにも見当たらない。
――別の場所に行ったのだろうか。
――そんな希望的観測は、
「見ぃつけた……♪」
――氏の抱擁によって、
――握りつぶされた。
398: 2013/08/07(水) 00:06:46.78 ID:RXk4i6gXo
―――
――
―
周子「はぁぁ~……」
――泥にまみれ、
――恍惚の表情を浮かべながら、
――周子が、桃色の吐息を吐く。
――カースを、一体残らず狩り尽くし、
――意地悪く弄んだことで、悦に浸っている。
――指先に付着した泥を舐めとり、
――口に含むと、舌の上で転がし、
――艶かしく嚥下する。
――カースの身体は、核も泥も呪いの塊だ。
――ただの人間にとっては危険極まりないが、
――周子にとっては、極上の甘露であった。
――
―
周子「はぁぁ~……」
――泥にまみれ、
――恍惚の表情を浮かべながら、
――周子が、桃色の吐息を吐く。
――カースを、一体残らず狩り尽くし、
――意地悪く弄んだことで、悦に浸っている。
――指先に付着した泥を舐めとり、
――口に含むと、舌の上で転がし、
――艶かしく嚥下する。
――カースの身体は、核も泥も呪いの塊だ。
――ただの人間にとっては危険極まりないが、
――周子にとっては、極上の甘露であった。
399: 2013/08/07(水) 00:07:14.00 ID:RXk4i6gXo
周子「あーあ、はしたない……」
――”甘露”にまみれた自分の姿を見て、
――少しはしゃぎ過ぎた、と、
――反省しながら、
――そう独りごちた。
――くるり、と、
――その場で華麗にターンを決めると、
――全身に付着した泥が、
――綺麗に全て剥がれ落ちる。
周子「よし」
――”甘露”にまみれた自分の姿を見て、
――少しはしゃぎ過ぎた、と、
――反省しながら、
――そう独りごちた。
――くるり、と、
――その場で華麗にターンを決めると、
――全身に付着した泥が、
――綺麗に全て剥がれ落ちる。
周子「よし」
400: 2013/08/07(水) 00:07:41.17 ID:RXk4i6gXo
――周子は九尾の狐である。
――九尾の狐といえば、悪女と相場が決まっている。
――例に漏れず、彼女もそうだ。
――角が取れ、丸くなったとはいえ、
――魂の根っこの部分は、やはり”悪”なのだ。
――生まれ持っての”悪”。
――それも、”邪悪”と言っていいほどの、
――ドス黒く、おぞましいもの。
――他人を嬲り、痛めつけることに快楽を覚え、
――怯える者を追い詰め、恐怖に慄く様を嗤う。
――この街の惨状を見て、
――『悪くないが、まだまだ可愛らしいものだ』、
――『国が傾くわけでもあるまいし』、
――と、”まだ足りぬ”と判断する。
――九尾の狐といえば、悪女と相場が決まっている。
――例に漏れず、彼女もそうだ。
――角が取れ、丸くなったとはいえ、
――魂の根っこの部分は、やはり”悪”なのだ。
――生まれ持っての”悪”。
――それも、”邪悪”と言っていいほどの、
――ドス黒く、おぞましいもの。
――他人を嬲り、痛めつけることに快楽を覚え、
――怯える者を追い詰め、恐怖に慄く様を嗤う。
――この街の惨状を見て、
――『悪くないが、まだまだ可愛らしいものだ』、
――『国が傾くわけでもあるまいし』、
――と、”まだ足りぬ”と判断する。
401: 2013/08/07(水) 00:08:10.90 ID:RXk4i6gXo
――周子本人も、悪趣味だと感じている。
――だから、普段は隠している。
――そもそも、周子程にもなれば、
――自身の感情の制御など造作もない。
――趣味を我慢することなど、
――1年だろうと、10年だろうと、100年だろうと、
――容易に耐えられる。
――今回はたまたま、
――場所とタイミングと相手が良かった。
――周りに誰もおらず、
――倒すことに躊躇の無いカースを、
――一人で始末する。
――我慢する必要の無い状況だ。
――となれば当然、
――する。
――解禁。
――だから、普段は隠している。
――そもそも、周子程にもなれば、
――自身の感情の制御など造作もない。
――趣味を我慢することなど、
――1年だろうと、10年だろうと、100年だろうと、
――容易に耐えられる。
――今回はたまたま、
――場所とタイミングと相手が良かった。
――周りに誰もおらず、
――倒すことに躊躇の無いカースを、
――一人で始末する。
――我慢する必要の無い状況だ。
――となれば当然、
――する。
――解禁。
402: 2013/08/07(水) 00:08:41.55 ID:RXk4i6gXo
――思えば、
――志乃は、気を使ってくれたのだろうか。
――普段できないことをする場を設けてくれたのかもしれない。
――どうせ隠し事などしても仕方の無い相手だが、
――それでも、やはりこの姿は見られたくない。
――だから、あえて何も言わず、
――この場に一人残して、
――単独、行動に移った、
――……というのは考えすぎだろうか。
――志乃は、気を使ってくれたのだろうか。
――普段できないことをする場を設けてくれたのかもしれない。
――どうせ隠し事などしても仕方の無い相手だが、
――それでも、やはりこの姿は見られたくない。
――だから、あえて何も言わず、
――この場に一人残して、
――単独、行動に移った、
――……というのは考えすぎだろうか。
403: 2013/08/07(水) 00:09:18.31 ID:RXk4i6gXo
周子「しっかし、こんな姿、人に見せられないなー……」
――志乃に見られれば、
――相変わらずいい趣味してるわね、
――と、皮肉を言われる程度で済むだろうが、
――もし、
――美玲に見られたら、
――『プロダクション』の皆に見られたら、
――と、考える。
――恐れを抱くだろうか。
――軽蔑するだろうか。
――もし、
――紗枝に見られたら……、
――どんな表情を浮かべるだろう。
――周子の胸に、
――チクリとした小さな痛みが去来する。
――志乃に見られれば、
――相変わらずいい趣味してるわね、
――と、皮肉を言われる程度で済むだろうが、
――もし、
――美玲に見られたら、
――『プロダクション』の皆に見られたら、
――と、考える。
――恐れを抱くだろうか。
――軽蔑するだろうか。
――もし、
――紗枝に見られたら……、
――どんな表情を浮かべるだろう。
――周子の胸に、
――チクリとした小さな痛みが去来する。
404: 2013/08/07(水) 00:09:52.06 ID:RXk4i6gXo
――根が”悪”だとして、
――しかし、
――美玲を拾い育て、
――娘のように愛で。
――紗枝を気にかけ、
――想いを寄せる。
――その優しい気持ちも、
――本物だ。
――人を虐め、愉しむ、
――暗い悦びを知っている。
――同時に、
――人を愛し、慈しむ
――暖かい喜びも知っている。
――一概に、
――彼女を、悪人だの善人だのと、
――色眼鏡を掛けて見るべきではない。
――しかし、
――美玲を拾い育て、
――娘のように愛で。
――紗枝を気にかけ、
――想いを寄せる。
――その優しい気持ちも、
――本物だ。
――人を虐め、愉しむ、
――暗い悦びを知っている。
――同時に、
――人を愛し、慈しむ
――暖かい喜びも知っている。
――一概に、
――彼女を、悪人だの善人だのと、
――色眼鏡を掛けて見るべきではない。
405: 2013/08/07(水) 00:10:19.96 ID:RXk4i6gXo
志乃「あら、少し片付けてくれたのね」
周子「うわっ、と」
――スッ、とその場から湧いて出たように、
――唐突に志乃が現れた。
――まったく、雲のように掴めない人だ、
――と、周子は改めて思う。
志乃「それにしても、相変わらずいい趣味してるわね」
周子「う……」
――想定していた皮肉の内容と、
――一言一句違わぬ台詞だ。
――読心術か何かではあるまいか、と邪推してしまう。
志乃「まったく……」
志乃「周子さん、怖い人だわ、貴女って本当に」
周子「……それはお互い様だと思うよ、志乃さん」
志乃「あら、酷いわね」
周子「うわっ、と」
――スッ、とその場から湧いて出たように、
――唐突に志乃が現れた。
――まったく、雲のように掴めない人だ、
――と、周子は改めて思う。
志乃「それにしても、相変わらずいい趣味してるわね」
周子「う……」
――想定していた皮肉の内容と、
――一言一句違わぬ台詞だ。
――読心術か何かではあるまいか、と邪推してしまう。
志乃「まったく……」
志乃「周子さん、怖い人だわ、貴女って本当に」
周子「……それはお互い様だと思うよ、志乃さん」
志乃「あら、酷いわね」
406: 2013/08/07(水) 00:10:46.83 ID:RXk4i6gXo
――『憤怒の街』の少し外。
――恐ろしい程に強い力を持つ二人。
――揃って、ただ縁の下の力持ちに徹し、
――静かに佇みながら、成り行きを見守る。
――この二人なら、あるいは、
――本気で解決に乗り出せば、
――大きな進展もありえるかもしれない。
――ともすれば、
――あっさり全てが解決するかもしれない。
――しかし、
――それはしない。
――強い力を持つ者ほど、
――それを安易に行使することは無い。
――今日の周子だって、
――ただの戯れで、
――本気の10分の1も出していないのだ。
――恐ろしい程に強い力を持つ二人。
――揃って、ただ縁の下の力持ちに徹し、
――静かに佇みながら、成り行きを見守る。
――この二人なら、あるいは、
――本気で解決に乗り出せば、
――大きな進展もありえるかもしれない。
――ともすれば、
――あっさり全てが解決するかもしれない。
――しかし、
――それはしない。
――強い力を持つ者ほど、
――それを安易に行使することは無い。
――今日の周子だって、
――ただの戯れで、
――本気の10分の1も出していないのだ。
407: 2013/08/07(水) 00:11:14.10 ID:RXk4i6gXo
志乃「さて、それじゃあ、あの子たちの所へ戻りましょうか」
周子「そだね」
――いつの時代も、
――問題事を解決するのは若い力だ。
――周子と志乃の二人は、
――若者たちに期待を託し、
――力強く支えながら、
――いつか、事が終わるのを、
――ただ、待つのみ。
周子「そだね」
――いつの時代も、
――問題事を解決するのは若い力だ。
――周子と志乃の二人は、
――若者たちに期待を託し、
――力強く支えながら、
――いつか、事が終わるのを、
――ただ、待つのみ。
408: 2013/08/07(水) 00:11:55.45 ID:RXk4i6gXo
以上です
しおみーは、ただ強いだけじゃなく
恐ろしさとおぞましさを伴った強さも持ちあわせているんじゃなかろうかと
しおみーに清廉潔白なイメージを抱いている人がいたら申し訳ない
カース相手なら、まぁいっかと思い、ド外道になってしまった
しおみーは、ただ強いだけじゃなく
恐ろしさとおぞましさを伴った強さも持ちあわせているんじゃなかろうかと
しおみーに清廉潔白なイメージを抱いている人がいたら申し訳ない
カース相手なら、まぁいっかと思い、ド外道になってしまった
409: 2013/08/07(水) 00:14:13.72 ID:KS4U0DoD0
乙です
なんかよく分からないけど怖い!カースと同じ心境になれたよ!?
なんかよく分からないけど怖い!カースと同じ心境になれたよ!?
509: 2013/08/07(水) 19:15:07.96 ID:RXk4i6gXo
おつー
ギャグイベントのはずなのに、ものすごく熱いラストだ
ギャグイベントのはずなのに、ものすごく熱いラストだ
【次回に続く・・・】
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