415:◆UCaKi7reYU 2013/08/07(水) 01:15:18.17 ID:WNKxiXl+0


モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ



 「………まったく、やってくれるわね」

先ほどまで憤怒の翼竜と魔法使いが激闘を繰り広げていた瓦礫の山に、のあの姿はあった。

憤怒の翼竜が地に落ちたのは分かっていたが、その場所はのあが居たビルからは氏角となっており攻撃できずに居た。

仕方なく、見える範囲で仲間の捜索と各所に散らばる者達の支援をしていたが、一際大きな轟音が鳴り響いた事が気になり降りてきたのだった。

そして、目的の場所で見た光景は大量の瓦礫の山と何者かが交戦した跡―――翼竜の姿は消えていた。

「……そう、誰かは知らないけど倒したようね」

ならば、自分は自分の目的を果たすだけだ。

「ゼンブコワシテヤンヨ!!」

「ショートヨリロングガウエダロガオラア!!」

ぞろぞろと、四方からカースが集いだしてきた……あれだけ大きな音がしたのだから仕方ない。

―――内心、少し失敗したと思ったが切り替える。

上でいくら探しても見つからなかったのだから、次にとるべきは大きな変化があった場所に居てみること。

たとえ目的の人物で無くても、騒ぎに引き寄せられるものは必ず居るはずである………敵か味方かは問わず。

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それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。


それと同じ日に、宇宙から地球を侵略すべく異星人がやってきました。
地球を守るべくやってきた宇宙の平和を守る異星人もやってきました。

異世界から選ばれし戦士をが悪のカリスマが
突然超能力に目覚めた人々が未来から過去を変えるためにやってきた戦士が。
他にも隕石が降ってきたり、先祖から伝えられてきた業を目覚めさせた人がいたり。

それから、それから――


「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。

・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。





416: 2013/08/07(水) 01:16:36.56 ID:WNKxiXl+0

《Weapon:コロナ・グレネードランチャー》

《Weapon:ピルム・アサルトライフル》

《Arm:ブレード内蔵ミスリル・ガントレット》

《Leg:特殊機動装甲[白兎]》

「―――オープンコンバット」

右手には状況を問わず安定した性能を発揮するアサルトライフル、左手には取り回しが良く威力も申し分ないグレネードランチャー。

更に脚部には立体的な立ち回りを可能とする白兎に両腕には肘までを覆う、魔力耐性が高い銀色のブレード内蔵型ガントレット。

それらの装備を一息に装着すると同時に跳躍、容赦なくグレネードを放ち先制を取る。

「ハァ!?ジダイハツインテナンダヨオオオ!!」

それを合図にしたように、カースの中でも機動力の高い鳥型と狼型が突出してくる。

だが、それを冷静にアサルトライフルで撃ち落とし飛び跳ねまわる。

「バカジャネ?ヤッパポニテダロガヨオ!!」

ユニコーン型が数体到着し、そのまま突撃の構えを見せる。

更に狼型が連携するように数体で集まりだす。

417: 2013/08/07(水) 01:17:27.33 ID:WNKxiXl+0
「……良い的よ?」

そこにグレネードを打ち込む、時には瓦礫の山に打ち込み崩し埋める。

それでも生き残ったカースに対してはライフルで対処、更に常に動きを止めることなく撹乱する。

「ドリルコソガシコウダロ!!」

「クルクルサイコー!!」

しかし、徐々に徐々にカースの数は増えていく。

「………思ったより辛いわね…」

瓦礫と、まだ原型をとどめている建物を足がかりに白兎の跳躍力でカースより上空をキープし続けながら、爆撃と射撃を繰り返す。

泥のカースも混ざり始めるが、他のカース諸共爆撃で吹き飛ばす。

追い縋ってくる鳥型を撃ち落とし時には強烈な蹴りを叩きつける。












『―――貴女、邪魔です』

「……っ!?」







418: 2013/08/07(水) 01:20:15.31 ID:WNKxiXl+0
そんな状況を維持していた矢先、いきなり巨大な瓦礫が飛んできたのをギリギリで回避する。

しかし地に足をつけた瞬間に数体のカースが飛びかかり、それを回避するために跳躍。

『逃がしはしませんよ!』

「くっ…」

そこを狙い撃ちするかのように再び瓦礫の投擲、回避と迎撃はできるが今度は鳥型カースの突撃により反撃に移れない。

謎の投擲とカースによる攻撃、間断なく連続で攻めら周囲を包囲され、少しづつ追い詰められていく。

『ちょこまかと腹立たしいですねッ!!』

「……厄介ね、本当に!」

更に問題なのが、明らかにカースの動きが良くなっている事だ。

おそらくは、この声の主―――少し離れた位置で瓦礫を投げつけてくる少女、岡崎泰葉………そのドッペルゲンガー―――が指示を出しているのだ。

なんとか猛攻を凌ぎライフルを向けるが、すぐそばのカースが盾になるように割り込む。

構わず銃弾を叩き込むが、次の瞬間にはカースの背後から巻き込むのを構わず瓦礫が投げつけられる。

それを回避した先にはユニコーン型の突進、勢いを殺さずに蹴り飛ばしてすぐに跳躍。

縦横無尽に動き回りながら、反撃の糸口を探す。

419: 2013/08/07(水) 01:22:28.36 ID:WNKxiXl+0
『行きなさい!』

「…しまっ!?」

何度目かもわからない繰り返し、壁を蹴り地面を蹴り車を蹴り、そして積みあがった瓦礫の山に足を着けた瞬間に足元からトカゲ型が飛び出てきた。

とっさにライフルを盾にし、左手のランチャーを捨てガントレットの刃を出してライフルに噛み付いているトカゲの首を切り落とす。

しかし、そのときには待ち構えていたように複数の狼型が襲い掛かろうと飛び込んできていた。

「―――ヒーロー登場だにゃ!」

同時に、何故か空から一人の少女が降ってくるとそのまま狼型を一体切り裂く。

《Weapon:高収束型デュアルマシンガン》

「…ふふ、遅いわね」

「主役は遅れてくるものにゃ!」

いつものように軽口を叩きあい、いつものようにしなやかな動きを見せながらさらに一体カースを切り裂くネコ耳少女、みく。

そしてみくに背を預けながらライフルを捨て、飛び込んできた狼型を切り払いのあは新たな装備を召喚する。

「…厄介なのがいるわよ」

「そっちは大丈夫にゃ、つよーい味方が行ったからみく達はこいつらに集中するにゃ!」

「……そう」

そう言って、のあはカースの群れに向き合う。

「…さぁ、仕切りなおしよ」


420: 2013/08/07(水) 01:25:17.67 ID:WNKxiXl+0
―――少し離れた瓦礫の山。





みくと二人でのあを探しだした愛梨は、今、瓦礫を投げ込んでいた存在と対峙していた。

『………なんでですか』

「………泰葉…ちゃん…?」

目の前には片腕を失っているこの街の王、岡崎泰葉、その偽者。

それを前にして、十時愛梨は半ば信じられないといった顔をしていた。

―――それは、まだ愛梨がアイドルであった頃に幾度か話したことがある顔であった。

『…なんで、貴女がここにいるんですか?』

「………泰葉ちゃんこそ…ううん、泰葉ちゃんだけど……泰葉ちゃんじゃない」

『イラつく…本当にムカつく…なんで今になってまた貴女が出てくるんですか!』

片腕になってもなお余りある力を振るい、愛梨に殴りかかる。

それを四肢に風を纏い、更には魔力で作った風の槍で受け止める。

まだ良く分からないが、みくと二人でのあを探し回り、やっと見つけたと思ったら辺りはカースだらけ。

そのカースを従えているような少女を見つけた二人は、みくがのあを助けに行く間に愛梨が謎の人物を撃破するという話をすぐに決めた。

そして、その人物がきっと、この街の惨状と何か関係があると思えた。

だからこそ、かつて見知った顔であっても愛梨は戦うことにした―――何が起きているのか、さらに知るためにも。

421: 2013/08/07(水) 01:26:29.14 ID:WNKxiXl+0
「一体、なにがあったの!」

『貴女には分かりませんよ!絶対に!!』

裏拳を槍で弾き、続けざまに来た回し蹴りを受け流すようにいなす。

『だいたいなんで、そんな力を貴女が持ってるんですか!!本当に腹立たしい!!』

「そんなの…!」

横払いに槍を叩きつけるが凄まじい力で蹴られ弾かれる。

しかし槍をそのまま霧散させ、腕に纏わせた暴風を泰葉に叩きつけようとするがこれも右腕で払われる。

『貴女さえ、貴女さえ居なければ!!』

「くぅぅっ!?」

ズダンッっと凄まじい音を立てながら、泰葉が踏み込んだ瓦礫の地面から大量の粉塵が巻き上がる。

それに意識と視界を一瞬取られた直後、こんどは首元を狙って腕が伸びてきたのを紙一重で避ける。

「どうしてそこまで……これなら!!」

『なっ!?』

両腕の風を束ねて解放、強烈な突風と化して一気に偽泰葉ごと粉塵を吹き飛ばす。

さらに再び風の槍を作り出して追撃する。

422: 2013/08/07(水) 01:27:28.02 ID:WNKxiXl+0
『このッ!!』

「邪魔!」

そこに今までそばで待機していたカースが割り込んでくるが槍を突き刺し解放、真空の刃が内側からカースを切り刻む。

間髪居れずに続けて小型の竜巻を作り出し、偽泰葉に向けて放つと同時に偽泰葉が瓦礫を投げつけ、竜巻が瓦礫を巻き上げる。

『ちっ、それな―――っ!!?』

「そこ!!」

偽泰葉が何かする前に、風と一体化して背後に回り槍を叩きつける。

完全に不意を突かれた偽泰葉だったが、それでも倒れるまでにはいかなかった。

しかし、直撃を受けた隙を逃さずに愛梨は右腕に風を集めて叩きつけ、偽泰葉は軽く吹っ飛ばされてかろうじて残っていた建物の外壁に叩きつけられた。

『ぐぅ……はぁ…はぁ……』

「…………………」

『…う……本当に、ムカつき…ますね………なんで、消えてくれないんですか…』

「……どうして、こんなことに」

『…貴女が、それを言いますか……貴女さえ居なければ、私は……「私」は…』

423: 2013/08/07(水) 01:28:36.11 ID:WNKxiXl+0
短いながら、激闘を制した愛梨は問いかける。

そして、敗者である偽泰葉は身を起こす事もせずに言葉を吐き出していた。

『……叶うはずもない夢を、見なくて済んだのに……』

「…………」

『だから………「私」は貴女を、確かに一度……―――――…』

「………え…?」

その体が黒く変色し、ドロドロと溶け出していく。

『……会えばいいですよ…「私」に……何があったか、知りたければ、ですけど……ね……』

そうして、半ば呆然とした愛梨の目の前で、岡崎泰葉のドッペルは溶けて消えたのだった。

424: 2013/08/07(水) 01:29:14.30 ID:WNKxiXl+0











―――「確かに一度……頃したのに…」―――そう言葉を残して。









425: 2013/08/07(水) 01:30:03.86 ID:WNKxiXl+0

「………どうかしたの?」

「……ごめんなさい、やらなきゃならない事が、できちゃった」

少しして、集まったカースを全滅させたみくとのあが愛梨の所に来ていた。

「……はぁ、しかたないにゃあ」

「……手伝うわ…いえ、言わないで…友達だもの、当たり前のことよ」

「…ありがとう……二人とも」

そうして三人は、その場を後にする。

自分の身に起こった、アイドルを辞めるきっかけになった一つの事件、その真実を知るために、岡崎泰葉という少女に何があったのかを知るために、愛梨はその姿を探し始めるのだった。





続く?

426: 2013/08/07(水) 01:31:14.16 ID:WNKxiXl+0
・のあの装備

「Weapon:ピルム・アサルトライフル」
→バランスよく、尚且つ高水準に性能が纏め上げられた黒いアサルトライフル。
状況を問わず使い勝手が良いため、目まぐるしく状況が変わる戦場でも安心して使える。

《Arm:ブレード内蔵ミスリル・ガントレット》
魔力耐性を持つミスリル銀を使い、大型ナイフほどのブレードを収納しているガントレット。
防御にも攻撃にも使える装備ではあるが、精密さを求められる銃器にとは少々相性が悪い。



・イベント情報
1.最後の偽先輩が撃破されました!
2.愛梨とみくがのあと合流しました!
3.愛梨が本物の泰葉を探し始めました。

427: 2013/08/07(水) 01:33:17.98 ID:WNKxiXl+0
投下終了、とうとう偽先輩全滅だよ!

これからどうなるか…

ということで、いつもながらお目汚し失礼しました。

428: 2013/08/07(水) 01:36:19.57 ID:RJFSXdg00
乙ー

終わりまであと少しだね
そして、先輩ととときんの関係が気になる




【次回に続く・・・】



引用: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part5