1: 2014/09/04(木) 21:14:08.44 ID:B6cOE5Hxo
約一週間ぶり
初代
【アイマスオールスター】総合P「過労死必死」1
【アイマスオールスター】総合P「過労死必死」2
【アイマスオールスター】総合P「過労死必死」3
二代目
【アイマスオールスター】総合P「マスターズプロダクションのPです」1
【アイマスオールスター】総合P「マスターズプロダクションのPです」2
【アイマスオールスター】総合P「マスターズプロダクションのPです」3
三代目
【アイマスオールスター】総合P「色々と終わる気配がない」1
【アイマスオールスター】総合P「色々と終わる気配がない」2
【アイマスオールスター】総合P「色々と終わる気配がない」3
このスレッドは765+876+モバ+グリという
化物事務所の日常やら恋愛模様やら真面目な話やらを徒然なるままに書いていくスレです
ネタを落としてくれれば適当に拾っていきます
9: 2014/09/04(木) 21:31:24.59 ID:B6cOE5Hxo
【ラジトル】
春香「Pinky4のラジオトルネード!」
卯月「早くない!?」
春香「え?」
卯月「……いえ、だからタイトルコール早くないですか?」
未来「オープニングトークなし?」
愛「じゃあ未来ちゃんどうぞ」
未来「なにもないですけど」
春香「ほら、誰かある? オープニングで話したいこと、夢の話とかする?」
未来「え、それ前回の私ディスですか?」
卯月「んー……」
愛「あっそういえばありますあります!!」
春香「はいどうぞ」
愛「いつだったか忘れましたけど、焼売食べたことないって話あったじゃないですか」
未来「あー卯月さんが実はお嬢様っていう」
卯月「そんな話はしてないです」
春香「えー、でも焼売食べたことないってかなりの不思議だよ?」
卯月「崎陽軒の焼売を食べたことがないって言ったんです!」
愛「で」
未来「はい」
愛「崎陽軒さんから焼売が番組宛に届いたそうです」
春香「おー、言ってみるもんだね」
卯月「すごいすごい!」
愛「それが……あっ、来ました」
未来「食べていいの? いいの? やったー」
春香「はい卯月ちゃん。これが焼売だよ?」
卯月「だから焼売は知ってますよ!」
5: 2014/09/04(木) 21:16:43.97 ID:B6cOE5Hxo
あ、約二週間ぶりだった
10: 2014/09/04(木) 21:34:06.48 ID:B6cOE5Hxo
愛「凄い湯気ですね!」
卯月「もぐもぐ……」
春香「どう?」
卯月「美味しいです!」
未来「はー……、なんかスタジオ内凄い焼売の匂い」
愛「ご飯が食べたい」
春香「しかしたまにあるよね? こういう、番組中にぽっと言ったら後日届いたりすること」
未来「この間ガリガリ君の梨味が山ほど届きましたよ」
卯月「あ、冷凍庫占領してたの未来ちゃんのだったの?」
未来「いくら夏でもあの量は消費しきれないですよ!」
春香「ライラちゃんが立て続けに食べて怒られてたねー……あー」
愛「どしました?」
春香「そういえば私パティスリーμμのフルーツタルト食べてみたいなー」
卯月「この流れでそんな事をいいますか」
春香「たべたーい」
未来「フルーツタルトって送れますかね?」
愛「μμってあれですよね、最近大井町のだかにできた」
春香「そうそう。女子校の近くの所」
卯月「あー、じゃあ行き辛いですね」
春香「そうなの。いっつも女子高生が集まってるからね」
未来「この仕事始めると、どうしても有名なお店とか行き辛いですよね」
卯月「そういえば変装とかどうしてます?」
春香「キャスケットと眼鏡かな」
愛「髪長い人は髪型変えたりとか色々できていいなーって思います!」
卯月「えっと、でもこの間髪型変えて外にでてみたんですけど」
未来「ツインテール可愛かったよ!」
春香「ツインテールかぁ、私達には無理だね」
愛「ですねー」
卯月「即バレましたしね」
愛「あ、バレたの?」
卯月「あっという間に」
春香「もしかして髪型変えただけ? その他は?」
卯月「そのほか?」
春香「あ、アホの子だ」
未来「髪型だけじゃダメですか!?」
12: 2014/09/04(木) 21:57:03.24 ID:B6cOE5Hxo
春香「ダメだよ~流石にちょ……ちゃんと変装しないと。噛んだけど」
愛「噛みましたね」
未来「珍しい」
春香「ほら、あれ。焼売の所為で」
卯月「うわぁ」
春香「いいじゃん噛んだってー……、はぁそろそろタイトルコール行く?」
愛「あ、じゃあお願いします」
春香「Pi――
未来「Pinky4の……って」
春香「なんで被せてくるかなー!」
卯月「始まりまーす」
19: 2014/09/05(金) 19:52:53.46 ID:tY1D818Co
『Pinky4のラジオトルネード!!』
卯月「普通のお便り。略してフツおたのコーナー!」
春香「改めましてこんばんわ。今日も元気だリボンが凛々しい! 天海春香です」
愛「桃色ハートは愛あるしるし! ……ひ、日高愛です」
卯月「どうもー、フツおたが私のコーナーみたいに扱われてるのが納得いかない島村卯月でーす」
未来「この間先生に『お前、このままの成績だと未来ないぞ?』と言われた名前負けの春日未来です!」
春香「そんな事言われたの? ……というか、照れるならなんで言ったの愛ちゃん」
愛「あ、あはは……つい」
卯月「そんなに成績悪かったの?」
未来「いやぁ、夏休みの宿題を手伝って貰った感バリバリで持っていったら、ね」
春香「ね、じゃないよ。赤ペン先生、その未来ちゃんの成績表って写しとかない?」
愛(赤ペン先生?)
卯月(ほら、作家ペンの事だと。赤いから)
愛「なるほど!」
春香「来た来た」
未来「え、なんであるの!」
<ウサちゃんロボがコピーしてくれました
未来「凄い! けどなんてことを!」
春香「うわぁ凄い」
卯月「意欲態度は高いのがまた……」
未来「ちょ、ちょっと勘弁してください! お便りはっ!?」
愛「五十代以上に一通来てますよー! あと、十代の所になんか茶封筒が混ざってますね!」
20: 2014/09/05(金) 20:04:18.54 ID:tY1D818Co
春香「じゃあ茶封筒以外の十代で」
卯月「なんでですか?」
春香「えー、だってなんか嫌な予感するんだもん。なんかPNカルピスソーダの予感するんだもん」
愛「あー」
未来「もしくはテールランプですか?」
春香「絶対そうだって……だから嫌」
卯月「じゃああえて茶封筒で」
春香「話聞いてた?」
卯月「えーっと……あははは! 神奈川県在住の十七歳」
未来「あはは!」
春香「もー! ほらー!」
愛「春香さんがフラグ立てるからですよー!」
卯月「PNカルピスソーダさんからのお便りでーす」
『皆さんこんばんわ。いつも楽しくラジオ拝聴させていただいてます。
私は通学に電車を利用するのですが、最近よく車内でイヤホンをしてる男性と
同じ車両になります。大きな音で聞いているようで音が漏れていて、
迷惑だなぁと思っていると不意に聞き覚えのある歌が。
そう、それはこの季節にもピッタリな「太陽のジェラシー」だったのです!
途端にその人に親近感が沸き、一緒になってリズムをとっていたらテンションが上がってしまい、
つい車内で「私マーメイ!」と叫んでしまいました。慌てて周りを見渡すと乗客全員が私を見ていて
とても恥ずかしい思いをしました。皆さんはこんな恥ずかしい思いをしたことはありませんか?』
春香「ありません」 ポイッ
卯月「あー! 投げちゃダメですよ!」
春香「もー、カルピスソーダとテールランプには専用のコーナーあげればいいんじゃない?
普通のお便りとして読むのしんどいんだけど」
愛「でも今回は割かしまともじゃないですか?」
未来「前の「お弁当箱におはぎを大量に詰めて、指に絆創膏はいて照れながら先輩にあげました」よりはずっと」
春香「それはテールランプでしょ? カルピスの一番酷いのは側転体当たり」
卯月「んふっ」
春香「もうこの二人の葉書はここに入れなくていいですよ作家さん」
未来「ここまでぞんざいに扱われるリスナー私始めてみました」
22: 2014/09/05(金) 21:16:00.58 ID:tY1D818Co
【日常】
このみ「あのさー」
杏「……」
このみ「……」
杏「……?」
このみ「無視?」
杏「あ、杏に話しかけてたの?」
このみ「そうだよーそうだよー」
杏「ごめんごめん、ぼーっとしてた。……で、なに?」
このみ「そのTシャツなんだけどね」
杏「あ、これ? いいでしょ、働いたら負けT」
このみ「杏ちゃんも働いてるけど」
杏「杏、敗北主義者なんだー」
このみ「……へー」
杏「……嘘ついた」
このみ「知ってる。……で、そういうのどこで買ってくるの? 悪即斬とか」
杏「……え、そんなのもってないけど。……あぁ、必要悪かな?」
このみ「そうそれそれ」
杏「ににゅー……、売ってるって言うかー作ってるー」
このみ「プリントスクリーンとかで?」
杏「そそー。簡単だよ? 数千円でキット売ってるしね」
このみ「作ってもらってもいいかな?」
杏「いいけど、どんなん?」
このみ「……大吟醸とか?」
杏「……ありだね」
このみ「でしょ?」
26: 2014/09/06(土) 13:41:47.05 ID:hI/9qstio
【なんか】
ちひろ「顔色よくなりましたねー」
P「……ん? あぁ、ごめんなんて?」
ちひろ「顔色ですよ」
小鳥「土気色ですよねって言ってた」
P「まーじでー」
ちひろ「言ってない言ってない。むしろよくなったって言ったの」
P「……どっちが本当か俺には判断しかねるなぁ」
小鳥「氏に体とも言ってた」
P「なんと」
ちひろ「それはまったく言ってない!」
小鳥「あと紅葉見に行きたい」
ちひろ「あ、完全に自分の関係ない意見いいだした」
P「紅葉か……紅葉? 黄葉?」
小鳥「え。なによくわからない」
ちひろ「多分もみじかいちょうかって所でしょ」
小鳥「あー、色か」
P「花見もできなかったし、見に行きたいは行きたいな。……ちっひは?」
ちひろ「まぁ、いきたいですね」
小鳥「じゃあ行きましょう」
P「おー……暇ができたらな」
乃々(変な会話)
輝子(秋はキノコ狩りが捗る……よ?)
乃々「それはいいです」
75: 2014/09/09(火) 19:56:15.10 ID:p1f8stI1o
【いつぞやの誕生日】
小鳥「……」
P「これでお前も30代か」
ちひろ「いえーい」
小鳥「はぁ、凹むなぁ……」
P「19から20になった時よりずっと重たいだろ?」
小鳥「きっつぅ……。ちっひも早くなりなさいよ」
ちひろ「二ヶ月半後によろしくお願いします」
P「誕生日プレゼントなにがいい? インドメタシン?」
小鳥「いらない」
ちひろ「大丈夫、今時30は全然全盛だから」
小鳥「まだ少し余裕あるからって調子乗って……すぐになるんだからね!」
ちひろ「あー怖い怖い更年期かしら?」
P「ふはっ!」
小鳥「舞さんにも同じこと言ってみなさい」
ちひろ「むぅーりぃー」
P「まぁなんにせよ、おめでとうピヨっち」
小鳥「はぁ……、ありがとうございます。今夜はごちそうになります」
ちひろ「はいはい、好きなだけ飲んで好きなだけ食べてください」
P「場所はどうする?」
ちひろ「ちょっといいとこ」
小鳥「この間のお高いところがいいー」
P「りょーかい」
79: 2014/09/09(火) 20:13:45.28 ID:p1f8stI1o
【泰葉13歳】
当時の私を思い出すのは、芋蔓式に嫌な出来事の想起に繋がるので
正直あまり能動的にやりたい作業じゃありません。
嫌なこと、嫌な事、嫌な子と……。なにより自分が嫌な子でした。
拗ねて、捻くれて、大人ぶって、悟った振りして、諦めた振りして。
そのくせ、何一つ納得してなんてなかった。
ただ、嫌と口にして私の事を嫌われるのが怖くて。
そんな昔、昔の私。
80: 2014/09/09(火) 20:22:40.61 ID:p1f8stI1o
―――
『芸能界は煌びやか。だからこそ、影は濃く深く』
私がこの世界に足を踏み入れたのは、まだまだ幼い頃。
小学校も卒業してない、お子様の頃。
なりたいなんて、思ってなかった。やりたいなんて、思ってなかった。
望まれたから、そうあっただけ。
親が全ての子供時分に抗うことなんてできなかった。
やれば喜んでくれる、やらなければ怒られる。
なら、子供が選べる選択肢なんてないに等しかった。
90: 2014/09/10(水) 22:55:20.98 ID:vPaWJwwio
>>80
幼いながらに汚いものを見てきた。
嫌なものを見てきた。自分も汚れた気がして、とても嫌だった。
悲しくて、辛くて、誰も取り合ってはくれなくて。
そんな日々が続いてしばらく。
「……キミ、ウチに来ないか?」
声をかけてくれた人が居ました。
幼いながらに汚いものを見てきた。
嫌なものを見てきた。自分も汚れた気がして、とても嫌だった。
悲しくて、辛くて、誰も取り合ってはくれなくて。
そんな日々が続いてしばらく。
「……キミ、ウチに来ないか?」
声をかけてくれた人が居ました。
92: 2014/09/10(水) 23:01:22.92 ID:vPaWJwwio
【そして】
P「今日からウチの所属になる、岡崎泰葉だ。みんな仲良くしてやってくれ」
泰葉(13)「……よろしく、お願いします」
春香(15)「あはは、なんだか転校生の紹介みたいですね!」
P「はっは、移籍だから似たような物かも知れないな」
愛(11)「あ、わたし愛って言います! 泰葉ちゃんよろしくね!」
泰葉「……ちゃん?」
愛「?」
泰葉「私のほうが……年上です」
愛「でもわたしの方が先輩ですよ!」
泰葉「……」 ムー
あずさ(18)「よろしくね泰葉ちゃん」
泰葉「……はい」
あずさ「……プロデューサーさん?」
P「あー、まぁ、色々あってな。頼むなあずさ」
あずさ「わかりました~」
泰葉「……」ムスー
98: 2014/09/11(木) 21:39:35.10 ID:rlQal+Hio
【あ】
愛「秋ももうすぐですね~」
歩「あー、最近夜も冷えてきたよな~」
愛「そうですよ! 収録がおしたりするともう肌寒いですよね」
歩「秋物のモデルとかのしごとも多くなってきたし、一年も早いよね」
愛「あたしもあとちょっとで受験生ですよ!」
歩「あっ、そっか。……ん~」
愛「?」
歩「いや、たまに思うんだよね。アタシもあと一・二年遅く生まれてればさって」
愛「よく大人組の人とかも似たような事言ってますよ!」
歩「あはは! なー、いいなーって思うよ。事務所のみんなが同じクラスとか凄い楽しそうじゃん」
愛「楽しいですよ!」
歩「羨ましいなー……あ、あずささん!」
あずさ「あら? 愛ちゃんに歩ちゃん、おはよう」
歩「おはようございます」
愛「おはようございます!」
あずさ「どうしたの?」
歩「あずささんが学生の頃ってもう事務所の学生とかってみんなあそこだったのかな?」
あずさ「そうね~、そもそも当時はあんまり同年代が居なかったから私は違ったけど、
当時中学生だった子はみんな一緒だったわね」
愛「あたしは小学生でした!」
歩「いいな~」
100: 2014/09/12(金) 21:57:52.86 ID:f+VkDDhCo
【い】
伊織「なにしてんの?」
泉「人工知能プログラムのアップデートかな」
伊織「それって事務のパソコンの?」
泉「ううん、擬似人格を使ったのじゃなくてオリジナル」
伊織「はぁー……、よくもまぁそんなことできるわね」
泉「好きだから、こういうの」
伊織「ふぅん……よくわかんないわね」
泉「そう? 伊織先輩はこういうのやりだしたらハマリそうな気がするけど」
伊織「それで、その横にある装置はなに?」
泉「これ?」
伊織「そうそう」
泉「……以前擬似人格をインプットするのに使った装置なんだけど、
いま事務室のPCに入ってる三人のって、みんな素直ないい子でしょ?」
伊織「えっと春香と愛と卯月……だったかしら?」
泉「そう。オリジナルを作るのに参考にしようと思ったんだけど、
もう少しパターンが欲しくて、悪い子とか我侭な子とかのデータが」
伊織「……なんでそこで私を見るのよ」
泉「ちょっと被って欲しいんだけど」
伊織「嫌よ! そんな事言われた後に良いって言うと思った!?」
泉「大丈夫! ちょっと、ちょっとだけだから!」
伊織「絶対イヤ!」
101: 2014/09/12(金) 22:14:21.24 ID:f+VkDDhCo
【う】
卯月「ほ、……ほわぁっ!?」
(卯月がすっころぶ音)
海美「あっははは! なにやってんのー?」
卯月「いったた……んー、やっぱり私には海美ちゃんみたいなポーズ無理みたい……」
海美「あー……これ?」 びしっ
卯月「そーそれそれ!」
海美「これはコツ掴めばすぐできるって! こう……右足をさ、45度位に曲げて」
ウサちゃんロボ「うさっ!」びしー
海美「ほら! ウサちゃんロボもできてる!」
卯月「えーっ!?」
105: 2014/09/12(金) 22:52:39.63 ID:f+VkDDhCo
【え】
笑美「なぁなぁ、エミリーはんはPはんを仕掛け人様って呼ぶやろ?」
エミリー「え? えぇ、はい。私は大和撫子を目指してますから」
笑美「へぇ~、なるほどなるほど……ってなんでやねん!」
エミリー「?」
笑美「え、素?」
エミリー「私、いまなにか突っ込まれるような事を言ったでしょうか?」
笑美「……あー、なんやごめんなぁ」
エミリー「そうですか?」
笑美「……そーいえば、女子寮のアレなんとかならへんのかなー?」
エミリー「あれですか?」
笑美「そそ、アレやアレ。えっと名前がでてきぃひんなぁ……ほらエスカレーターやなくて」
エミリー「あぁ箱型昇降機ですか?」
笑美「は、箱型!?」
112: 2014/09/13(土) 20:31:43.67 ID:yTb0An6bo
【お】
乙倉悠貴「なんか、新鮮です」
音無小鳥「んー?」
悠貴「音無さんに付き添って貰うの」
小鳥「プロデューサーじゃなくて残念?」
悠貴「い、いえ! そっそんなことは!」
小鳥「ふふっ……。えっと、今日のお仕事はPRの撮影をして、サンモールで営業ね」
悠貴「はいっ!」
小鳥「どう? アイドルの仕事は楽しい?」
悠貴「はい、先輩達にもよくしてもらってとても楽しくできてます」
小鳥「それはよかった」
悠貴「……あの、音無さんも昔アイドルやってたって聞いたんですけど」
小鳥「……それプロデューサーから聞いたの?」
悠貴「え? はいそうです」
小鳥「もー、あの男は本当に口が……ペラペラと」
悠貴「あははっ。音無さんとプロデューサーさんって本当に仲がいいですよね」
137: 2014/10/01(水) 19:54:42.09 ID:KcNo855jo
「か(かなの場合)」
今井加奈「ただいまー」 ガラガラ
矢吹可奈「あ、おかえ……うわぁ」
加奈「? あ、これ? プロデューサーに頼まれちゃって」
可奈「パシ……おつかい?」
加奈「パシリじゃないよ!」
可奈「う、うん。そうだよね、ごめんね……なんか辛い事あったら言ってね?」
加奈「ないよ! もー!」
可奈「あはは……。で、なにを買ってきたの?」
加奈「え? あぁ、うん。醤油とかお米とか」
可奈「……大丈夫? いじめられてない?」
加奈「もー!!」
158: 2014/10/17(金) 23:50:28.19 ID:alWJL/v10
ひとまず生きている事が分かっただけでも一安心
この間出来たばかりのユニット岡山親善大使がどストライクなのでいつの日か書いて欲しいなあ
この間出来たばかりのユニット岡山親善大使がどストライクなのでいつの日か書いて欲しいなあ
169: 2014/10/31(金) 08:26:44.01 ID:HpXpcgY7o
【日常】
談話室
泉「あれ、誰かもってっちゃったのかな」
春香「? なにを?」
泉「え、あ、えっと……新聞です。今朝の東京新聞が読みたかったんだけど」
このみ「ん? あぁ、こっちにあるわよ」
泉「このみさんが読んでたんですか?」
このみ「うん。でも、もう一通り目は通したから、はい」
泉「どうも」
春香「ふぅん、みんな読んでるんだ新聞」
このみ「春香ちゃんは読まないの?」
春香「時間があまりないですし、種類も多いからちょっと……」
泉「特に事務所には沢山ありますよね」
このみ「そうね。三大紙だけじゃなくて東京・産経・日経」
春香「スポーツ紙も色々ありますよね」
泉「薄いよくわからない専門の新聞もあるし」
P「ま、知識はあって困るものじゃないからな。特に時事は」
春香「あ、お疲れ様です!」
このみ「聞いてたの?」
P「お疲れ……聞こえたんだよ」
このみ「で、こんなに取る必要ある? サービス品目当てって訳でもないでしょうに」
P「どうしてもアイドルには学生が多いからな……っと、ほらこんなのもある」
春香「中高生新聞……?」
泉「あ、これならさくらでも読めそう」
P「いつフリートークで振られるかもわからないしな、知ってて損はないだろ?
でもどこか一紙だとどうしても偏るからな内容が。報道が平等公正じゃないのは、
お前達も十二分に承知だとは思うけど」
このみ「ま、ね」
春香「で、こんなにいっぱいと」
P「そういう事。一面だけでも見れば大事な情報はわかるし」
春香「読み方がちょっと……、たまに飛ぶじゃないですか記事」
泉「プロデューサーはこれ全部目を通してるの?」
P「一応な、MJとか結構面白いぞ」
春香「いつ読んでるんですか……」
P「暇な時にまとめてな」
春香(その暇なときがいつあるのって話なんだけどなぁ……)
談話室
泉「あれ、誰かもってっちゃったのかな」
春香「? なにを?」
泉「え、あ、えっと……新聞です。今朝の東京新聞が読みたかったんだけど」
このみ「ん? あぁ、こっちにあるわよ」
泉「このみさんが読んでたんですか?」
このみ「うん。でも、もう一通り目は通したから、はい」
泉「どうも」
春香「ふぅん、みんな読んでるんだ新聞」
このみ「春香ちゃんは読まないの?」
春香「時間があまりないですし、種類も多いからちょっと……」
泉「特に事務所には沢山ありますよね」
このみ「そうね。三大紙だけじゃなくて東京・産経・日経」
春香「スポーツ紙も色々ありますよね」
泉「薄いよくわからない専門の新聞もあるし」
P「ま、知識はあって困るものじゃないからな。特に時事は」
春香「あ、お疲れ様です!」
このみ「聞いてたの?」
P「お疲れ……聞こえたんだよ」
このみ「で、こんなに取る必要ある? サービス品目当てって訳でもないでしょうに」
P「どうしてもアイドルには学生が多いからな……っと、ほらこんなのもある」
春香「中高生新聞……?」
泉「あ、これならさくらでも読めそう」
P「いつフリートークで振られるかもわからないしな、知ってて損はないだろ?
でもどこか一紙だとどうしても偏るからな内容が。報道が平等公正じゃないのは、
お前達も十二分に承知だとは思うけど」
このみ「ま、ね」
春香「で、こんなにいっぱいと」
P「そういう事。一面だけでも見れば大事な情報はわかるし」
春香「読み方がちょっと……、たまに飛ぶじゃないですか記事」
泉「プロデューサーはこれ全部目を通してるの?」
P「一応な、MJとか結構面白いぞ」
春香「いつ読んでるんですか……」
P「暇な時にまとめてな」
春香(その暇なときがいつあるのって話なんだけどなぁ……)
191: 2014/10/31(金) 21:54:19.45 ID:HpXpcgY7o
【はろはろ】
未来「うわぁぁっ! か、かわいいぃぃ!」
仁奈「当然でごぜーます!」
未来「う、うわぁ……! もこもこのもふもふだぁ……」
仁奈「ふふ~ん、存分に愛でてくだせー」
未来「は、はわわ……」
(着ぐるみをもふる音)
愛「初めてみる着ぐるみですね」
仁奈「卸したててでごぜーますよ」
未来「もふもふもふ」
仁奈「あう、くすぐってーですよ未来おねーさん」
未来「ご、ごめんね!」
愛「それってかぼちゃ?」
仁奈「ハロウィン仕様でごぜーます」
未来「やわらかぼちゃ……」
仁奈「とりっくおあとりーと!」
愛「……お菓子もってないよ!!」
仁奈「……では悪戯でごぜーますね?」
愛「……」じり
仁奈「……」じり
愛「! と、トリックオアトリート!」
仁奈「!? ……に、仁奈もお菓子はもってねーです」
愛「つまり……?」
仁奈「お相子って事でおじゃんでごぜーますか?」
未来「あ、私春香さんから貰ったかぼちゃプリン持ってるよ」
仁奈「わーい!」
愛「わーい!」
未来「一個しかないよ!?」
192: 2014/10/31(金) 22:00:11.47 ID:HpXpcgY7o
【はろはろはろ】
P「などとアイドル達は仲睦まじくやっているようだが」
小鳥「ぐぬぬ……」
ちひろ「……ふぅ」
P「ま、事務室は変わらないなぁ……」
小鳥「いいから手を動かしてよ!」
ちひろ「イベント月の月末はまいどデスマーチですねぇ……」
小鳥「ちっひも! なにお茶飲んでるの!?」
P「俺は自分の分終わらせたし、あとはピヨが上げてきたのに目を通して判子おすだけだ」
ちひろ「こっちも決算終わったんで、あとはピヨちゃんが精査してくれれば大丈夫だもん」
小鳥「……くたばれ!」
P「なんと剣呑な……、まぁ実質中継ぎだからな。忙しいのは仕方ないね」
ウサちゃんロボ「うさうさ」
(暖かいお茶を渡すウサちゃんロボ)
小鳥「うぅ……ウサちゃんロボだけよ。私の味方は」
ちひろ「ちょっと手伝ってあげようかと思ったけどやーめた」
小鳥「うそうそ! お願いします!」
195: 2014/11/03(月) 22:45:00.93 ID:pSqQ4YKho
【飴】
可奈「おいふぃ……」
凛「なに食べてるの?」
可奈「飴れふ……涼はんがもごもご」
凛「え、ごめん。なに言ってるかイマイチわかんないんだけど」
可奈「……もごもご」
凛(伝えるの諦めた……)
秋月涼「あ、凛ちゃん」
凛「うわっと……、涼さんおはようございます」
涼「うんおはよう。凛ちゃんも飴食べる?」
凛「飴……あぁ、可奈が食べてるのも?」
涼「そう、ほらハロウィンで作った飴がちょっと余ってて」
凛「飴って作れるんですか?」
涼「材料があれば作れるよ?」
可奈「おいふぃれふ!」
凛「リスみたいになってるよ可奈」
可奈「もごもご……」
涼「はいどうぞ」
凛「ありがとうございます。……なんか涼さんってほんと女子力高いですよね」
涼「そ、そう? あはは……ありがとう」
凛「? ……あ、美味しい」
198: 2014/11/07(金) 21:57:48.96 ID:F1mUZDtOo
【他所からの】
凛「なんていうか、ウチっていい事務所だよね」
P「あ? なんだその唐突なよいしょは」
凛「よいしょって……別にそんなんじゃないけどさ」
昴「今日他所のアイドルと少し休憩中に話しててさ」
凛「寮の話とかしてたらすっごい羨ましがられた」
P「寮の話?」
昴「家賃も光熱費も全部事務所持ちだろ?」
P「あー……、まぁ確かに他にはないだろうな」
凛「実質寮生活してれば出費は食費だけだもんね」
昴「太っ腹だよな」
P「アイドルに限らず芸能界は収入のトップとボトムの差が激しいからなぁ……、
地方からわざわざ出てきてもらった子の事とか考えるとそれくらいはな」
凛「でも、新人とかはともかく私達は別にもう大丈夫だし、ね?」
昴「あぁ。別にいつまでも全部負担してもらわなくていいんだぜ?」
P「確かに今のお前らは光熱費程度払っても痛くも痒くもないだろうけどな……こっちが」
凛「どういう事?」
P「現時点で電気・ガス・水道等が月間どれくらいの金額になってると思う?」
昴「……わかんないけど」
P「寮の電気代だけで150万以上だな平均して、夏場とかだと更に跳ね上がる」
凛「電気代で150万!?」
昴「うおっ、すげぇ行ってるな」
P「まぁ人数も人数だし、廊下や大広間の照明や空調もあるからな」
凛「なら余計に私達が自分の分持ったほうがいいんじゃないの?」
P「そうでもない。毎月電気だけでそれだけあった出費だぞ?
さらにガスや水道やら諸々に家賃とかをお前達に払って貰ったら、
そのマイナスが綺麗になくなるんだ。めんどくさいぞ? 書類とか決算とか、色々突っ込まれるしな」
昴「え? そういう?」
P「でなくても、ウチは今十分に儲かってるのでわざわざお前達からとろうとは思わないよ」
凛「ふぅん……、ホント優良事務所だねウチは」
昴「事務室勤務の人間を除けばな」
凛「あ、そっか」
P「はっはっは。……言うな」
202: 2014/11/07(金) 22:14:54.51 ID:F1mUZDtOo
【豆タンク】
7F 会議室
P「……」
(ブラインドを指で広げ外を眺めるP)
亜季「……」
P「……大和」
亜季「はっ!」
P「なぜ呼ばれたかわかるか?」
亜季「……いえ! 正直検討がつきません!」
P「そうか……」
亜季「……」
P「……全長3.17m」
亜季「……?」
P「全幅1.42m全高1.30m重量3.15t。速度は42km毎時。8mm重機関銃を二門装備した装甲戦闘車両」
亜季「……っ!」
P「お前ならわかるだろ?」
亜季「カルロベローチェ33年型、L3/33……でありますか?」
P「そう……C.V.33だ」
亜季「な、何故いまそれを?」
P「まだ白を切るか?」
亜季「なにをおっしゃっているのかわかりません!」
P「……駐車場」
亜季「は?」
P「マスターズプロダクション関係者用駐車場に今朝未明から置かれているんだ」
亜季「……ま、まさかっ!?」
P「そう……そのC.V.33が、だ」
亜季「し、しかしそれと私との関連性が!」
P「お前しか居ないだろ!あんなもん買って、勝手に駐車場に置く馬鹿は!」
亜季「ほ、本当に知らないです! と言いますか、本当にあるんですかベローチェが!?」
P「嘘だったら……よかったんだけどな」
亜季「こ、……こうしてはおれません!」
(亜季が部屋から飛び出す音)
P「あっ! おいこら!」
205: 2014/11/07(金) 22:59:36.83 ID:F1mUZDtOo
駐車場
亜季「うおぉぉぉ! ほ、本当に本物!?」
P「……はぁ……はぁ。こ、こういう時のお前は恐ろしく早いな……ふぅ」
亜季「な、何故駐車場にカルロベローチェが……?」
P「それはこっちが聞きたい。てっきりお前が勢いで買ったんだと思ってたんだが」
亜季「流石にC.V.をポンと買えるほどのお金は持ってないでありますよ」
P「そうか……じゃあ誰だ?」
亜季「いくらしたのかは知りませんが、しかし豆とは言え戦車を買えるのはやはりウチでも限られてくるのでは?」
P「……伊織とか?」
亜季「萩原殿も結構怪しいであります」
P「……そっちの線はあまり考えたくないな。巴も含め」
亜季「で、ありますね」
P「しっかしそれはそうと、状態いいなこれ」
亜季「しかも機関銃が埋まってないですよ。8mm弾さえあれば撃てるんじゃないでしょうか」
P「……は? マジで?」
亜季「はい。大抵こういうのは銃口が埋められるものですが、これは多分製造時のままです」
P「あぶねぇな……弾とか中にないだろうな」
愛「なかったですよ!」
P「うわぁっ!?」
亜季「っ!?」
愛「うわわ!? ど、どうしたんですか!!?」
P「お前いつからベローチェの中に居たのか!?」
亜季「P殿! 日本語が少々行方不明です!」
愛「えっと、朝八時位ですかね? やっと届いたから中を見てたらウトウトしちゃって」
P「……ん? やっと届いた?」
亜季「もしや愛殿がこれの購入者だったのですか!?」
愛「そうですよ! あたし、アイドルになってからたまに豆タンクって
あだ名で呼ばれてるんですけど豆タンクってよくわからなくて!!!」
P「それでC.V.を?」
愛「はい!!」
亜季「で、実物を見た感想はいかほどで?」
愛「ちっちゃくて可愛いです! あたしももっともっと頑張ろう! って思いました!!!」
亜季「なるほど! ……ところで少し触っても?」
愛「どうぞ!」
亜季「ほ、ほわぁ……!」
P「……愛」
亜季「はっ!」
愛「? はい! なんですかプロデューサーさん!」
P「ちょっと来なさい」
この後めちゃくちゃ怒られたよ!
216: 2014/11/08(土) 10:12:27.16 ID:7LmHIXM4o
【その後】
伊織「へぇこれが噂の軽戦車?」
愛「軽戦車じゃなくて豆戦車です!!」
美世「二人乗りなんだっけ?」
愛「はい! えっと、中のペダルがですね……」
P「愛」
愛「……はい」
伊織(躾けられてるわね……)
美世「これって普通免許で運転できるかな?」
このみ「どうみても普通車じゃないから無理でしょ」
美世「でもクラッチとかギアとかは大体同じでしょ?」
伊織「完全に同じじゃない時点でダメよ」
P「そもそも履帯にゴムつけてないから舗装路は走れないぞ」
美世「えー……」
伊織「というかエンジンかかるの?」
愛「はい、それはもう元気でした!」
P「……試したのか?」
愛「え? ……えっと」
P「お前いくつだっけ?」
愛「……もうすぐ15になります」
P「……ちょっと来なさい」
愛「あー……うー……」とぼとぼ
伊織(なんか面白いわねー)
美世「……あっ! 閃いた!」
このみ「なに?」
美世「ほら、私有地なら! 私有地なら免許も路面も気にしなくていいよね!」
伊織「もしかしてあの島の事言ってるの?」
このみ「あそこなら確かに問題ないだろうけど……どうやってもってくの?」
美世「……伊織ちゃん先輩!」
伊織「えっ、私頼み?」
222: 2014/11/09(日) 19:44:33.84 ID:fVDB4EnWo
>>207
【翌日】
舞「……」カタカタ
P「あ、居た」
舞「ん? あら、もしかして私を探してた?」
P「おう、愛の事でな」
舞「愛の? ……あぁ、駐車場のアレ?」
P「他にあるか? お前から言っといてくれ、流石にアレは看過できないぞ。
ただでさえ島買ったり長者番付上位を独占したりで最近色々言われてるんだから」
舞「別にいいじゃない言われたってほっとけば」
P「ほっとけるレベルか? アレは」
舞「そうね、まぁ私からも一応言うつもりだったけど」
P「そうか、ならよか――
舞「買うにしても豆戦車はないわよね? どうせ買うんだったら大きいのでしょ?
砲塔がない戦車なんて買ってもつまらないものね」
P「……おい?」
舞「ま、その辺はね。下手に言うより実際に見せたほうが早いと思って……コレ!」
P「……同じイタリアでP40じゃないんだな」
舞「あれって生産数少ないし出回ってないのよ。不良品だし」
P「だからヤークトティーガーか?」
舞「えぇ、だってほら! 128mm砲よ!?」
P「……えぇっと」
舞「もっと欲を言えばマウスが欲しかったんだけどねぇ」
P「舞」
舞「なに?」
P「……はぁ。……ちょっとこっち来い」
この後めちゃくちゃ怒られたよ!
【翌日】
舞「……」カタカタ
P「あ、居た」
舞「ん? あら、もしかして私を探してた?」
P「おう、愛の事でな」
舞「愛の? ……あぁ、駐車場のアレ?」
P「他にあるか? お前から言っといてくれ、流石にアレは看過できないぞ。
ただでさえ島買ったり長者番付上位を独占したりで最近色々言われてるんだから」
舞「別にいいじゃない言われたってほっとけば」
P「ほっとけるレベルか? アレは」
舞「そうね、まぁ私からも一応言うつもりだったけど」
P「そうか、ならよか――
舞「買うにしても豆戦車はないわよね? どうせ買うんだったら大きいのでしょ?
砲塔がない戦車なんて買ってもつまらないものね」
P「……おい?」
舞「ま、その辺はね。下手に言うより実際に見せたほうが早いと思って……コレ!」
P「……同じイタリアでP40じゃないんだな」
舞「あれって生産数少ないし出回ってないのよ。不良品だし」
P「だからヤークトティーガーか?」
舞「えぇ、だってほら! 128mm砲よ!?」
P「……えぇっと」
舞「もっと欲を言えばマウスが欲しかったんだけどねぇ」
P「舞」
舞「なに?」
P「……はぁ。……ちょっとこっち来い」
この後めちゃくちゃ怒られたよ!
231: 2014/11/10(月) 21:05:39.76 ID:47MduJ0Wo
【日常風景】
律子「プロデューサー」
P「おう律子、どした?」
律子「NJの看板あるじゃないですか」
P「あぁ、新しく上がってきた奴な。あれも打ち合わせしないといけないんだけど」
律子「こっちでやっとます? 大体目を通しましたけど、プロデューサーが出なくても大丈夫だと思います」
P「そうか? なら頼む」
律子「はい。……ただ、初めての看板ですからちょっと緊張してますし、声かけくらいは」
P「わかってる。さんきゅな」
律子「いいえ、他になにかあったら言ってください」
P「いまは大丈夫かな」
留美「プロデューサー、こっちの書類まとめ終わったけど」
P「おう、こっち持ってきてくれ」
留美「はいはい」
232: 2014/11/10(月) 21:14:03.47 ID:47MduJ0Wo
このみ「くっ……届かない」
P「あー無理しなくていいから」
留美「私が取るわね」
このみ「うぅ、ありがとう……」
P「そういえば棚の整理もしとかないとなぁ……」
律子「この間新旧日付順に直しておきましたよ」
P「マジでか、助かる」
ウサちゃんロボ「うさうさ」
P「おっ、ナイスタイミングだロボ」
律子「はぁ、しかし終わりませんね」
P「ま、もう年末だからな」
ちひろ「それでも皆さんが手伝ってくれるので助かりますよ」
小鳥「合間合間に休憩するくらいはなんとかね」
留美「もっと色々こっちが手伝えればいいんだけれど」
P「十分助かってるよ……あれ、あのデータは……愛」
AI愛『はーい!! 検索しますねー!!』
このみ「っ」びくっ
P「声落とすこといい加減覚えような」
AI愛『はい! すみません!』
233: 2014/11/10(月) 22:23:10.39 ID:47MduJ0Wo
【ポカン】
談話室
未来「もー! んもぉぉー!」
笑美「なに? どしたんアレ」
美希「わかんないの。なんかやってくるやいなや突然発症したの」
笑美「怖いわー……、なんかやってるんとちゃう?」
美希「未来の事だから落ちたもの食べたとかだと思うな」
未来「そんなことしませんよ!!」
美希「あ、聞こえてたの」
笑美「まともな判断力は残っとるみたいやな」
未来「もー! 二人ともなんなんですかー!!」
笑美「それはこっちの台詞やで」
未来「いやね、あれなんですよ。ラジオ、やってるじゃないですか私」
美希「あぁ、うん。春香に弄られてるのをよく聞くの」
笑美「あれな。あれはおもろいと思うわ。普段からあんなんやったらもっとなかようなれる気ぃするわ」
未来「なれませんよ! もー! あのラジオやるようになって、最近事務所でも扱いが雑な気がします!」
美希「おいしくていいと思うな。美希は絶対ヤだけど」
笑美「みんなに親しまれてるっちゅう事でな、一つ」
未来「うぅ……アレの所為でどんどん私がお馬鹿キャラになってるんですよ」
美希「え? キャラ?」
笑美「化けの皮剥がれただけちゃうんか?」
未来「うーがぁー! 忘れろー!」
笑美「えっ!? なにを忘れさせる気なん!?」
美希「……1・2の……ポカン!」
笑美「あ、なんか忘れたで?」
未来「え!?」
美希「かえんほうしゃ をわすれた!」
笑美「あ、アカン! それは忘れたらあかん技や!」
美希「かわりに みき は だいもんじ を おぼえたの!」
未来「あぁ! 威力しか見えてない選択だ!」
笑美「はかいこうせんとか、ふぶき・だいもんじ・かみなりが最強と思ってる小学生の発想や!」
未来「タイプ一致とかも気にしないでカビゴンに全部覚えさせる小学生だ!」
234: 2014/11/10(月) 22:23:32.44 ID:47MduJ0Wo
美希「……」
笑美「……」
未来「……」
美希「……1・2の……ポカン!」
未来「こ、今度はなにを!?」
美希「みらい は うたう を わすれた!」
笑美「アイドルとして大事な要素忘れてもうた!」
未来「そもそもなんで私!?」
美希「かわりに みらい は どわすれ を おぼえたの!」
未来「しかも実質なにも覚えてない!」
笑美「他の技構成が気になるわー」
美希「(プロデューサーに)しっぽをふる・(プロデューサーに)あまえる・(本番中に)ねむる・どわすれなの」
笑美「なんか……えげつなぁ」
未来「私べつに尻尾振ったりしてないもん!」
P「お前ら頭悪い会話してるなぁ……」
笑美「おっ、まいどおおきに! 笑美ちゃんや!」
P「おぅ……なんだその挨拶」
未来「プロデューサーさん! この二人が酷いです!」
P「いや、聞いてたけどさ」
美希「ハニーはどう思う?」
P「ん? ……個人的にどわすれは最初から覚えてるだろと思った」
笑美「あー」
未来「酷い!?」
238: 2014/11/11(火) 09:03:16.60 ID:G/OH7GrCo
【名刺】
P「そろそろまた印刷しとかないとな」
加蓮「なにを?」
P「これだよこれ」
加蓮「名刺入れ?」
P「の、中身だな。初めて会った人には必ず渡す物だし、ある程度常に持っておかないとな」
加蓮「あー、そういえば私も昔貰ったね。……その時は違う名刺入れだった気がするけど」
P「そうだな、これは……そこでうどんすすってる奴に貰ったものだな」
静香「?」
加蓮「名刺入れの話」
静香「んぐ……えぇ、そういえばそうですね。誕生日のときにプレゼントしました」
P「丈夫で助かってるよ」
静香「そういうの選びましたから。……ずっと、使ってもらえるように」
加蓮(わお)
P「おう、ありがとな」
静香「けど、あれですよね」
P「ん?」
静香「今の名刺、随分デザイン変わりましたよね」
加蓮「あ、確かに。やっぱり偉くなったから?」
P「その言い方はなんか嫌だが……、まぁ役職が変われば会う人間も、その対応も変わってくるしな。
どうしても一々名刺を書き換える必要があるし、……そもそもウチは社名も一度変わってるからな」
加蓮「そっか、元は765だもんね」
静香「でも大変じゃないんですか?」
P「ま、そりゃな。今回は特に社長になっちゃったから、改めて色んな人に渡したり面倒もあるけど
社会人としては個人個人の看板みたいな物だからな。キチンとしないとな」
絵里「昔のプロデューサーの名刺はプレミアついてるみたい?」
加蓮「うわっ、い、居たんだ」
絵里「ん」
静香「プレミアってどういう事ですか?」
絵里「紙が変わったり電話番号が増えたり、社名肩書き等々で何回も変わった
プロデューサーの名刺を集めてるコレクターがいる……んだって?」
P「いや、俺に振るなよ。知らなかったよそんな事。どこで調べたんだ?」
絵里「ヤフオクにも出品があるみたい?」
加蓮「世の中なんにでもマニアはいるんだねぇ」
P「そんなもの流せるのは業界関係者だけだろ……」
静香「ちなみに絵里さんのは?」
絵里「当時貰ったのはまだ765の頃の最初期名刺? ヤフオク相場だと2万円ちょっと」
P「えっ高っ」
267: 2014/11/14(金) 22:13:33.68 ID:wE0BxG1io
【怒ったら】
神谷奈緒「誰が一番怖い?」
琴葉「どうでしょう? 普段怒らない人かなとは思いますけど」
奈緒「やっぱプロデューサーかなぁ、あの人マジで怒らないしな」
杏「……え?」
奈緒「あ、そっちはもう別区域で」
杏「なんだそりゃ」
琴葉「怒るって言っても叱るとか、そういう窘めるのとは別方向で怒った時ですよね?」
奈緒「そうそう。杏・乃々のやる気無い組とか、環とか麗奈達みたいな悪戯組相手とは別にで」
琴葉「でもやっぱり事務室のお三方が本当に怒ってるのって見たことないですよね」
杏「ね。基本そういうのは先輩の大人組が担当してる節あるし」
奈緒「プロデューサーはフォローに回ることが多いもんな」
美希「……いまはそうでも昔はそうでもなかったの」
杏「おっ」
奈緒「昔を知る人が現れた! ……で、具体的には?」
美希「昔はよく怒られたの。人も少なかったし、ハニーも仕事先とか契約先とか、電話口でよく怒ってたの」
琴葉「想像つきませんね」
美希「そういうの表にださないようにしてたけど。美希、よくソファで寝てて気付かれてないことあったから」
杏「あー、今の杏にちょっと近いかもね」
奈緒「杏はあるのか? そういう、こっそり見てしまった的なの」
杏「少しね。口調が荒い位だけど」
美希「でも、美希的には一番怖いのはハニーじゃないって思うな」
琴葉「というと? 律子さんとかですか?」
美希「ううん、怒ったとき一番怖いのは――
あずさ「あ、美希ちゃん居た」
美希「っ!?」
あずさ「“さっき“の事の続き、お話しましょう?」
美希「あ、あぅ……はい、なの」
あずさ「ごめんなさい。ちょっと美希ちゃん借りるわね?」
奈緒「うっす! ど、どうぞ!」
杏(あー、笑顔が怖い人ってパターンか……)
268: 2014/11/14(金) 22:40:00.40 ID:wE0BxG1io
【温泉 その1】
比奈「う~……あ~……」
あずさ「あらあら、比奈ちゃん顔が顔が」
比奈「いいじゃないッスかぁ~……こんな所でくらい~……あ~」
このみ「いやぁ、しかし大きい温泉よね。これが貸切どころか事務所の物って言うんだから頭が下がるわ」
比奈「あ~……」
このみ「聞いて」
比奈「真冬の温泉は生き返るッス~」
あずさ「日本酒持って来ちゃった」
このみ「あっ、いいわね。頂きましょ」
比奈「逆上せますよ?」
あずさ「ちょっとだけ、……ね?」
比奈「んもー……」
このみ「……空も綺麗ねー」
比奈「孤島ッスからね」
あずさ「空気も澄んでて……んっ、美味しい」
このみ「……はぁ」
比奈「おや? なんで急に落ち込んで?」
このみ「なんかねぇ、ずるいと思わない?」
あずさ「?」
比奈「え? ……あー、あずささんめちゃくちゃ色っぽいッスよね」
あずさ「え? そ、そうかしら?」
このみ「……はぁ~、そりゃこういう仕事沢山くるわ」
比奈「同姓から見ても魅力的ですからね、そりゃあもう」
あずさ「ちょ、ちょっと……もう!」
このみ「いいなー、私ももう少し……少し? ……結構……かなり」
比奈「ままま、さ、飲んで」
このみ「んぐんぐ……あー! 胸が欲しい!」
比奈「心の叫びッスねー」
あずさ「は、恥ずかしいから!」
275: 2014/11/15(土) 08:25:43.99 ID:cjo1kpi4o
【こんなこともありました】
小梅「……と、いうわけ……です」
P「なるほど……この部屋にねぇ?」
小梅「ちょっと……性質の、悪い……悪霊、だから」
楓「悪い霊が悪霊なら善良な霊は善霊……なんて」
小梅「……」
P「……小梅続けて」
小梅「……はい。えっと……心の狭い霊みたい……で、みんなに悪さするかもって……あの子が」
楓「心の狭い霊……狭霊?」
P「……小梅」
小梅「えっと……だから除霊をしないと……」
P「だからこの部屋をしばらく空けて欲しいと?」
小梅「……はい」
楓「ここにワインが! これがホントのボ除霊!」
P「……」
(懐から笛を出す音)
小梅(笛に耳がついてる……)
P「すぅ……」
楓「えいっ!」
(笛が飛んでいく音)
P「なにをする」
楓「ホイッスルをポイッする」
P「……」
(笛を出す音)
小梅(二つ目……)
(笛が鳴る音)
ウサちゃんロボ「うさうさ?」
P「つまみ出せ」
楓「お酒を飲むからつまみだぁぁ……ふがんぐっ!」
(ウサちゃんロボが楓を押し出す音)
P「……はぁ、まぁとにかくわかった。どれくらいかかりそうだ?」
小梅「た、多分……今日明日には……」
P「わかっ――?」
(ウサちゃんロボが再びやってくる音)
(ウサちゃんロボが見えない何かを掴んででていく音)
小梅「……ぇー」
P「なんだったんだ?」
小梅「……あ、悪霊……つまみだしちゃった……」
P「えー」
こうしてウサちゃんロボに見えないモノ対策係ができましたが、
彼らが頑張って毎日働いているとアイドルが不安になるので直ぐ解体されました。
278: 2014/11/15(土) 20:44:22.93 ID:cjo1kpi4o
【温泉 その2】
友紀「よっし一番!」
莉緒「にーばん!」
(二人が走る音)
舞「はいストッープ!」
(舞の両腕が二人の首を捉える音)
友紀「うげっ!?」
莉緒「うわぁっ!」
(倒れる音)
舞「湯船に入るなら身体と頭洗ってかけ湯してから入りなさい!」
律子(口頭で言えばよかったんじゃ……?)
友紀「うぐぐ……すみません」
莉緒「うにー……」
279: 2014/11/15(土) 20:44:59.99 ID:cjo1kpi4o
―――
舞「ねぇ」
友紀「はい?」
舞「ちょっといい? あ、動かないでそのまま」
友紀「あ、はい」
舞「ほら、この辺とか洗えてないわよ?」
友紀「え、あ……すみません」
舞「……いや、さっきはやりすぎたけど。そこまで怯えないでよ」
律子(いきなりダブルラリアットされたら怯えますって……)わしゃわしゃ
友紀「あははー……」
舞「ふぅ……、ほら頭貸して」
(舞が友紀の髪を丁寧に洗う)
舞「折角長くて細い良い髪してるんだから、キチンと手入れはしないとだめよ?」
友紀「はーい」
莉緒「あはは」
友紀「……誰かに頭洗って貰うなんて久しぶりだなぁ……」
舞「ふふっ、たまには悪くないでしょ?」
律子(お母さんしてるなぁ……流石ね)
莉緒「ユッキいつもより子供みたい」
舞「あ、次は莉緒ちゃんだからね」
莉緒「え、私も!?」
舞「うなじの所とこめかみが全然洗えてないじゃない」
莉緒「うそー」
友紀「お母さん!」
舞「こんな大きな子供産んだ覚えはないわね」
283: 2014/11/15(土) 21:31:56.94 ID:cjo1kpi4o
【対象】
春香「おはようございまーす」
まゆ「おはようございます。……表のアレみました?」
春香「あの記者さん達?」
まゆ「はい、なんかずっと張ってるみたいですよぉ」
翼「だれ目的なんだろうね~。アイドルが通っても挨拶しても撮影はしないんだよ?」
春香「へぇー……不思議だねぇ」
春香(あれ? でも、前にもこんなことなかったっけ……?)
「きたぞ!」
(ざわつく外)
まゆ「あら?」
翼「おっ、目当ての人が帰ってきたのかなっ? ってあれは」
「今回の総選挙で出馬依頼が各党からあったと聞きましたが!」
「出るとしたらどこからですか!?」
「以前総理と会食を行ったと報じられてましたがその時に―――」
P「あぁもう邪魔だなあんたら! 選挙なんてしてる暇があるか!」
春香(やっぱり……)
285: 2014/11/15(土) 22:01:23.05 ID:cjo1kpi4o
―――
まゆ「という事がありまして」
舞「へー……んふっ」
まゆ「?」
舞「Pが政治家とか……絶対無理なのに、んふふふ」
まゆ「そうですか? 仕事はできるし知識もあるし、できそうですけど」
舞「無理よ無理。政治家って隠して騙してズルしてって奴等でしょ?
若い政治家は頭の固い年寄りに気を遣わなくちゃいけないし、絶対向かないわよ」
まゆ「た、確かにそうかもしれませんけど! そういう形だってPさんなら――
舞「無理よ。結構短気なところもあるし、どうせやるならトコトン喧嘩するタイプだもの。
すぐ追い出されるわよ」
まゆ「そんなこと!」
P「お? 珍しい二人だな、何の話だ?」
まゆ「あ、その……」
舞「あなた、自分が政治家になってやっていけると思う?」
P「無理無理。絶対向かないって俺あぁ言うの嫌いだし、喧嘩売って直ぐ干されそう」
舞「そうよね。私もそう思うわ」 ちら
まゆ「……」
舞「……」にへら
まゆ「」イラッ
295: 2014/11/16(日) 19:57:33.46 ID:WOTdGeSBo
【カットされた追いかけっこ】
有香は一心不乱に走っていた。
自分を追う鬼を撒くため、あわよくば待ち伏せし撃退するため。
鬱蒼と生い茂る人の手が余り入っていない森の中を、
極力気配を消し、足跡を残さないように、全力で。
『一時間経過、現時点で78名が捕まったぞー
まだ3分の1以下だ。……なので、鬼側”本気”で捕まえるように
逃げる側も”本気”で逃げろよー』
あと僅か、僅か数十メートルで森を抜けようかというタイミング。
島中に響いた“それ“が耳朶を叩いた直後、戦慄する。
はるか後方にいた筈の『鬼』。木場真奈美の気配が後頭部を焦がす。
「っ!?」
長い間磨いた感覚、経験。
そんな技術的な素晴らしい研鑽の結果ではなく、生存本能。
生物として、動物として生まれて落ちた全ての物が持つソレが、
咄嗟に彼女を地に伏せさせた。
転ぶように、転がるように、額を地面にぶつけ一張羅が破ける事も厭わず、
たった一点の為に命を賭け、全力でホームに飛び込む高校球児の様に。
瞬間。轟音が頭上を通り抜けた。
速度300kmを突破した新幹線が通り過ぎたのかと錯覚する、轟音と突風。
地に伏せたまま、微かに耳鳴りの残る頭を前方に向ければ。
「……き、木が……!」
目前。自分の前方にあった樹齢三桁にも及ぼうかという太く逞しい、
生命力に溢れた木々が『それ』が通り抜けたであろう場所だけぽっかりと抉り取られていた。
「……よかった、避けてくれると信じていたよ」
その光景に息を呑んでいると、悠然とした声が聞こえる。
自分を追いかける、自分が必氏で逃げていた『鬼』の物である事に気づくのは一瞬で、
けれどそれと目の前の光景がどうにもつなげられなかった。
「ま、真奈美さん……!」
「どうした、有香君? 随分いい格好だが、逃げなくていいのかい?」
296: 2014/11/16(日) 20:12:35.04 ID:WOTdGeSBo
肩を竦め、首を傾げながら余裕綽々。
というに相応しいニヒルな笑みを浮かべてみせる。
「……っ!」
まるで年下に対する年上の対応。
言い換えれば、弱者に対する強者の対応。
それが、有香の呆然とする心のどこかを強く引っかいた。
彼女の、プライドを傷つけた。
「限定解除されたのは、真奈美さんだけではありませんよ……!」
冷静に考えれば明らかな挑発。
それは有香もわかっていた、わかっていたけれど。
この道を進んでそれなりに長い彼女は引けなかった。
まして、これだけの兵に出会って、戦わずに引くなど選択肢に無かった。
「来たまえ――
満足気に笑う真奈美がその台詞を言うが早いか、
有香は目を瞑り、トントンと二度地面を確かめるように踏む。
「っつ!」
その次の瞬間には、真奈美の眼前。
拳を振りかぶり今にも振るおうとしていた。
(武術における伝統的歩法……活歩という奴か!)
咄嗟に屈み打ち上げ気味の拳を避けるも、
間髪入れずに中腰の体制に叩き込まれる左膝。
(これは……回避できないっ!)
右腕を畳む様にしわき腹を守る。
その上から叩きつけられる鞭の様にしなる左足に、
体制の崩れた真奈美はたまらずそのまま吹き飛び、先刻の攻撃の被害を避けた大木に衝突する。
297: 2014/11/16(日) 20:26:49.23 ID:WOTdGeSBo
ぱらぱらと。衝撃で木々から葉が落ち、宙を舞う。
ぶつかったまま動かない真奈美を睨みながら、
荒く有香は息を吐く。
上手く動けた、一撃を入れられた。
けれど安堵よりも、驚きの方が勝っている。
「……はははは」
攻めるべきか、動かないことをいいことにまた逃げるか。
悩みは一瞬。しかし答えを出す前に笑い声が。
「悩んではいけない。攻めるなら攻め続けなければ、その迷いは致命的だ」
大木に手をつき、もう片腕で前髪をかき上げ不適に振り向く真奈美の顔に
ダメージは見受けられなかった。
「しかし驚いた。『入りを』と『技へ』が完璧だった、あの活歩には不意を突かれたよ。
あれは私にはできない芸当だ。素晴らしい」
拳に力をいれ、腰を落とし。今にも飛び掛ろうとする有香に対して、
真奈美は今にも両の手で拍手でも打ちかねない様子で「けれど」と続ける。
「あのような縮地法には及ばないが……」
どんと、地面が爆ぜ。その余裕のある姿が有香の視界から消える。
「荒い瞬動術なら私にもできる」
そして言葉の続きが聞こえたのは、有香の背後から。
―――中野有香 OUT
298: 2014/11/16(日) 20:51:13.51 ID:WOTdGeSBo
―――
「はぁっ……! はぁっ……!」
島の中でも比較的舗装された道。
地面や砂浜よりも走りやすく、体力的にもやや楽。
そう思っていたのも束の間。律子は早くもピンチに追い詰められていた。
「……」
タッタッタと、息切れもせず歩調も乱れずピッタリと後方を
約十メートル程の距離を維持して黙々と追いかけてくる忍。
浜口あやめによって。
「さ、さすがに速い……」
ぼそりと愚痴らずにはおられず、
しかしその一言の所為でまた酸素を余計に消費する。
額には汗が雫になって流れ、体力の差を思い知らされる。
アイドルとして身体を動かし鍛えても、その道の専門家には適わないという事実が浮き彫りになる。
「……?」
しかし同時に律子の頭に疑問が沸く。
このゲームは捕まえれば、更に言えば触れれば鬼の勝ちになる。
わざわざ体力が尽きるのを待つ理由があるだろうか? と。
全力であやめが捕まえようとすれば一瞬で決着がつくだろうに、
なぜ自分自身の体力も無駄に消耗するような追いかけ方をするのだろうかと。
(……どうせ開放されてるんだし、一つ試してみましょうか)
意識的に走るテンポを落とす。
後方の足音もそれに呼応するかのようにテンポを遅らせ距離を保つ。
(やっぱり……もしかして)
律子は不自然にならないように走りながら眼鏡を指先で下ろし、
眼鏡の上から裸眼で後方のあやめを見つめる。
『照合…………0%』
ほんの数秒。そのいつの間にか鮮明に見えなくなった代わりに
見えるようになった世界を見つめ、理解する。
(これは分身体……つまり、本体の所に誘導されてる)
繰り返すがあやめは忍である。
分身程度はお手の物、ならば分身に追わせ本体は離れた所で悠々と待つ。
一気に攻めてこないのは分身体で触れても『タッチ』した事にならないからだ。
(そうとわかれば……!)
ぐっ、と足に力を入れ前に向かっていた自分の身体にブレーキをかけて
そのまま反転。突然の行動に反応しきれていないで、こちらにまだ向かってきている
あやめに向き直り、全力で接近し。
「私の間違いだったらごめんね!」
身体を捻り、渾身の肘鉄をその頬に叩き込む。
すると、一瞬肘に柔らかい肉が触れた感触があった後、
するっと。空を切り、自分を追っていたあやめの姿が掻き消える。
残ったのは一枚の紙型。
「分身と言うより古いタイプの式神……? まぁ、いいわ今のうちに離れなくちゃ!」
そうして道に残ったのは律子一人。
激しい行動で乱れた呼吸と心臓を整えきる間もなく、反対の方向に向かって走り出す。
299: 2014/11/16(日) 20:59:46.63 ID:WOTdGeSBo
(大通りはまずいかしら? ……でも土地勘もないここで変に入り組んだところ入ってもそれこそ……)
一方的に逃げ惑っていたときには見落としていた、
いくつかのルート。そのどれに向かえば生存率が上がるか考えて……。
(やめましょ、こんなの時間の無駄)
考えを早々に諦めて、再び眼鏡を下ろし裸眼で周囲を見渡す。
『……5%・27%・48%』
目から取り入れる情報は考えるのではなく感覚的な物として
律子の脳に叩きつけられる。
「あのルートが一番高いわね」
下げた眼鏡をかけなおし、決めた道へ走っていく。
「……まさかあそこに逃げるとは思いませんでしたな」
その直後。律子が危険と判断した道から人影が走ってくる。
黒を基調とした衣装に身を包んだ、あやめの分身体。
それらが複数人、顔を合わし頷いて律子が入っていった道を追いかけていく。
300: 2014/11/16(日) 21:16:47.87 ID:WOTdGeSBo
『15%・36%』
『12%・21%・7%』
『9%・14%』
入り組んだ道。捨てられた木箱。
朽ちた井戸。廃材、塗炭、煉瓦の山。
目を頼りに少しでも可能性が高いほうへ逃げていくものの、
やがてその目に映る数字はドンドンと小さく変わっていく。
(数も個人のスペックも劣る私が無事逃げ切るにはどうすれば……)
耳に自分以外の足音は聞こえず
目に自分以外の人影は見えず。
普通に逃げているだけなら自分が追われている、
追い詰められているとは露にも思わないであろう状況。
しかし律子の目は確かに現状が危険であると知らしている。
それがまた、焦燥感を煽る。
そして、……その時はやってくる。
『0%』
足を止めて、縋るように振り返り今来た道を見る。
『0%』
前も後ろも、見えるのは同じ数字。
ゆっくりと目を閉じて、空を仰ぐ。
レンズを通さずに仰ぎ見た空は滲んでいて、雲の形もはっきりとわからなかった。
――ただ、数字が浮かんでいないことだけは確かだった。
「……まさかこれほど粘られるとは正直思ってなかったです」
いつからそこにいたのか、あるいは最初から居たのか。
目の前一メートルの位置から声をかけられても律子は驚きはしなかった。
「……ふぅ。私の能力がもう少し攻撃的だったらよかったんだけどね」
などと自嘲気味に空に向かって笑い。
律子は目の前にいるあやめの方へ手を伸ばした。
――― 秋月律子 OUT
301: 2014/11/16(日) 21:19:41.79 ID:WOTdGeSBo
あとは
雪歩VS真・愛海
志希・アーニャVS貴音・野々原茜
だよ。でも300行ったし後は明日にするよ!
じゃあの
雪歩VS真・愛海
志希・アーニャVS貴音・野々原茜
だよ。でも300行ったし後は明日にするよ!
じゃあの
302: 2014/11/16(日) 21:21:07.96 ID:0phM48seo
乙
しのさんはこの時酒呑んでだらだらしてたんだっけか
しのさんはこの時酒呑んでだらだらしてたんだっけか
303: 2014/11/17(月) 01:18:15.95 ID:nwz8HdCDO
お前ら人じゃねえwwwwwwwwww
乙
乙
引用: 総合P「過労死しそうにない」
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