1: 2012/01/13(金) 05:14:52.20 ID:slCPnZTE0
C.C.「なぁルルーシュ、先日のアレなんだが……」


ルル「ん? アレとはなんだ、具体的に言え」


C.C.「いや……こう、手を回してきたじゃないか。あんなの打ち合わせになかったぞ」


ルル「?」

3: 2012/01/13(金) 05:16:58.26 ID:slCPnZTE0
C.C.「い、いつの間にあんな……というか、チキンのお前が人前でよくやれたものだと思ったんだ」


ルル(人前に出る、手を回す、いつの間にか、打ち合わせにない……ああ、あれか)


ルル「別に大したことじゃないだろう、いつも通りやっただけだ」


C.C.「い、いつも!? ままま待て、そんなの私は知らないぞ」


ルル「ああ、それはそうだろうな。お前がピザをたらふく食って、幸せそうに惰眠を貪っている間に済ませているからな」


C.C.「なっ! ひ、人が寝てる間に何を!」

6: 2012/01/13(金) 05:22:12.31 ID:slCPnZTE0
ルル「自分の知らないところで行われているのがそんなに気に食わないのなら、お前が起きてやってくれるのか?」


C.C.「お、おいルルーシュ、今なんて言った。お、お前……私からして欲しいのか……?」


ルル「ふむ……そうだな、お前がやってくれるなら俺は俺でいろいろと動けるからな」


C.C.「えぇっ!?」



書き溜め序章だけだから読みたい人いるなら続き書く

12: 2012/01/13(金) 05:25:42.27 ID:slCPnZTE0
ルル「もしC.C.があの時やってくれていたなら、俺はもっと大胆に動けたな」


C.C.「だッ――……大胆になんて、そんなの……こ、困る」

  (こ、こいつは何を言ってるんだ!? というかなんで私は焦ってるんだ!? どうして私が寝てる時なんだ!!)


ルル「だがあの時はあれで十分だったな。それにあれはあれで俺も恥ずかしかったんだ」


C.C.「そ、そうか。そうだな! あれで十分だったな!」

  (あれで十分なのか、別に私は……ってェ! ちがう、何を考えてるんだ私は!
   別にもっとしてくれてもよかったのにとか、してほしいとか、それ以上とかそれ以上ってなんなんだ!?)

14: 2012/01/13(金) 05:31:10.39 ID:slCPnZTE0
ルル「おい。おいC.C.。なに一人百面相してるんだ」


C.C.「はひぇっ!? なんでもないぞ!? 大丈夫だ!
   お前こそどうしたルルーシュ、眉をひそめてるぞ、便秘か!?」


ルル「お前な……魔女とはいえ仮にも妙齢の女が大声で品のないことを言うな」


C.C.(うわああぁぁ! 何を言っているんだ私は!)


C.C.「うう……すまない、少し一人にさせてくれ。先に戻って休む……」

17: 2012/01/13(金) 05:37:09.01 ID:slCPnZTE0
―ルルーシュの部屋―

C.C.(はぁ……なんなんだあいつは。
   童O、いや素人童Oの癖にあの平然とした態度、あんなの私の知っているルルーシュじゃないぞ)


C.C.「だー! もういい、寝る! 今の私は変なんだ、そうだおかしいんだ……あ、ルルーシュの匂い」


C.C.「だから!! 何嗅いでるんだ私はーー! 匂いとか変態か!? それに今更、ルルーシュの匂いとか嗅ぎ慣れて――」


???「か、嗅ぎ慣れているんですか……?」

18: 2012/01/13(金) 05:43:22.40 ID:slCPnZTE0
C.C.「っ! な、ナナリー!? 」


ナナリー「お兄さまとC.C.さんがそういった間柄なのはわかっていましたが、その……」


C.C.「嗅ぎ慣れてない! いや慣れているが、それはあいつのベッドを使っているからで今まで気にしたことなんて別にっていうか」


ナナリー「ひ、避妊はしっかりしたほうがいいと思います!」

20: 2012/01/13(金) 05:46:55.73 ID:slCPnZTE0
C.C.「だからしてない!!」


ナナリー「ダメです! お兄さまはまだ学生ですし、C.C.さんが良くても周りがどう思うかは別です!」


C.C.「ってああもう! そっちじゃない! はぁ……いいか、ナナリー。私とルルーシュはそういう仲じゃない」


ナナリー「ですが、前にお兄さまと将来を誓い合った仲だと」


C.C.「あれは冗談だ。ああ言えばルルーシュが慌てふためく姿が見れると思ってな」


ナナリー「冗談、ですか?」

22: 2012/01/13(金) 05:51:22.34 ID:slCPnZTE0
C.C.「ああそうだ、冗談だ」


ナナリー「……嘘です。確かにあのときお兄さまは慌てていました。
     ですがC.C.さんの言葉は本物で、だからわたしはお兄さまをよろしくお願いしますと答えたのです」


C.C.「……」


ナナリー「今でもお兄さまとC.C.さんの関係は変わっていないと思っています」

24: 2012/01/13(金) 05:57:14.28 ID:slCPnZTE0
ナナリー「というのがわたしの中の答えなのですが、間違っているでしょうか」


C.C.「……やれやれ、お前はルルーシュよりも手強いな。真実だ、あの時の言葉は」


C.C.「だが……私とルルーシュとの関係は、そんなチーズくんのように甘い関係とは違うよ」


ナナリー「ふふっ、もっと深いですか?」


C.C.「はあ? 馬鹿を言え。誰があんな口煩いひ弱な真面目君を」

  (そうだ、なんで私なんかがあいつを意識しなきゃならないんだ)

25: 2012/01/13(金) 06:04:52.81 ID:slCPnZTE0
ナナリー「妹のわたしが言うのもなんですが、頭脳明晰で顔立ちも悪く無いと思いますし
     優しくて頼り甲斐のある素敵なお兄さまですから、そんなお兄さまを狙っている女性は多いと思いますよ?」


C.C.「そうなんだよ! いつもいつも違う女から話しかけられ、事あるごとにフラグを立たせ……まったく人の気も知らないで」


ナナリー「くすくす。C.C.さん、思った通りすごく可愛い。
     お兄さまが選ぶのも納得してしまいました」


C.C.「ぅ……か、からかうな」


ナナリー「それで、お兄さまとはどこまで? わたしでよろしければ未来のお姉さまの為に協力いたします。
     例えばお兄さまはストレートヘアーよりも、毛先に軽くウェーブが入っているほうが好みだと伺ったことがあります。
     ショートよりもロング派で、それから―― 」

27: 2012/01/13(金) 06:10:40.56 ID:slCPnZTE0
C.C.「え? いや別に聞いてな」


ナナリー「それとさっきも言いましたが、やはりまだお二人には早いと思います。
     若いうちにしか出来ないことも多いと聞きますし……なのでやはり避妊はしっかりするべきです!
     お兄さまがその、なななな生……を望まれても! C.C.さんがしっかりお兄さまをコントロールすべきです!」


C.C.「おち、落ち着けナナリー! そんなことどこで、いや年頃の女の子なら知っているだろうが! それ以上は言わなくていい!」


ナナリー「いいえ、止めません。お兄さまはええと……そう、ムッツリです! クラスの子たちが言っていましたが、ムッツリというやつです!
     頭の良い人には多いとのことですが、たしか……冷静を装っていても頭の中ではしっかりと異性のことを考えているタイプだとか」


C.C.「お、おいナナリー、それ以上は何故か私がルルーシュに怒られそうだから……」


ナナリー「ですがC.C.さんはわたしのお姉さまになるのですから、家族として心配するのは当然です。
     それで、どうなのですか?」


C.C.(ナナリー、お前のそういうところ、悪い意味でマリアンヌにそっくりだよ……)

28: 2012/01/13(金) 06:18:22.98 ID:slCPnZTE0
――二時間後


C.C.「あ、ありがとうナナリー。いろいろ考えさせられたよ。私の知らないルルーシュの話も面白かったぞ」


ナナリー「未来のお姉さまのためですから、わたしでよければいつでもどうぞ。
     末永く、お兄さまのことをよろしくお願いします。あ、でもわたしまだ叔母にはなりたくないですからね?」


C.C.「わ、わかった。またな」
  
(やれやれ、もしかしたらナナリーはマリアンヌよりもいい女になるかもしれないな。
   さて、ナナリーには悪いがようやく一息つけるな……そういえば私は何を考えていたんだったか)

29: 2012/01/13(金) 06:23:37.36 ID:slCPnZTE0
C.C.「ええっと、たしか……そうだ、あの時の話をしていて……」


C.C.「……て! 思い出したらダメじゃないかー!」


C.C.「うぅ、あんな話をしたせいかまた頭がおかしく……そうだ、忘れるために寝ようとしてたんだ。ナナリーが来てすっかり忘れていた」


C.C.「ふぅっ。一度寝てしまえばいろいろと忘れられるだろう、むしろ忘れたい……あ、ルルーシュの匂い」


C.C.「だからこれさっきもやった! やったじゃないか!! ああもう、どうしたんだ私は……こんな……」


C.C.「……」


C.C.「……ルルーシュ……んっ」

31: 2012/01/13(金) 06:26:56.41 ID:slCPnZTE0
C.C.「うう……何を、あっ、やってるんだ私は……」


C.C.「それも……これ、も……ルルーシュが悪いんだ……」


C.C.「あれ以来して……くれないから、ぁ……あ、ひっ……」


C.C.「はあ……ふぅっ、ん……ルルーシュ……ルルーシュ…」

36: 2012/01/13(金) 06:33:15.33 ID:slCPnZTE0
C.C.「んっ、ふっ、や……やだ、そこっ……」


C.C.「……ん、ちが……もっと……あ、はっ……」


C.C.「んんっ! ……まっ、待てルルー……うあっ待って!おねがっ……」


C.C.「ひゃっ! ……あ、だめ、だめだルルーシュ……いや、一緒……」



『おい、C.C.』

38: 2012/01/13(金) 06:42:17.64 ID:slCPnZTE0
C.C.「きゃぁ!」


『おい、C.C.。』


C.C.「いや、ちょ! 待て!ち、違う! 違うぞルルーシュ! これはだな、その世間一般で言われるそのそれじゃなくてな!?
   か、勘違いするなよ!? 私がそんな低俗なことするわけないだろう!
   だ、第一なぜその、あ、相手がルルーシュなんだ。まぁ別に、お前がその、私をオカズにというのであればやぶさかでもないし? 許してもいいぞ!?
   それにその、そう、あれ以来ではあるがこの私がお前の相手をしてやっても、いやお前がどうしてもというのであればだが、その、どうしてもか!?


『おい、C.C.。 おい、C.C.。』


C.C.「って……な、なんだ携帯電話か……どうしてマナーモードが解除されているんだ! びっくりしたじゃないか!
   ふぅ、んっ――ルルーシュ、勝手にマナーモードが解除された。壊れたのかもしれんからなんとかしろ」


ルル「繋がったと思ったら急になんだ……何を怒ってる。
   取り出すときにボタンを押したんじゃないか、サイドにあるタイプの携帯にはよくあることだ」

39: 2012/01/13(金) 06:50:30.99 ID:slCPnZTE0
C.C.「そうなのか。で、なんの用だ?」
  

ルル「いや、特に用があるわけじゃない、今日のお前の様子がおかしかったからな……まぁそれも杞憂だったか。
   今帰るところだ、あと30分ほどでそちらに着く」


C.C.「なんだ、やけに優しいじゃないか。ようやく女心というものがわかってきたか?
   それとも優しくすれば女は簡単に落ちるとでも――っ!?」

   (万に一つでも本当にそうだったらどうする!? 落としにきたのか!? 落とされるのか!?
    つ、つまりなんだ、私を欲しているのか! し、しかしこの私がルルーシュなんかに落とされるのはどうなんだ!?
    ……待て、こちらから攻めてルルーシュをその気にさせればいいじゃないか! そ、そうすれば今夜、本物のルルーシュと……)

41: 2012/01/13(金) 06:54:13.53 ID:slCPnZTE0
ルル「お前がこの程度で懐柔されてくれるならここまで苦労しなくてすむんだがな。
   まあいい、そういうことだから俺が帰るまで下手に出歩くなよ」


C.C.「三時間! い、いや二時間だ!! いいな!? 二時間後だぞ! それまで帰ってくるなよ!?」


ルル「は? どういうことだC.――おい、おい! ……あ、あの魔女、一方的に切りやがった」

42: 2012/01/13(金) 07:01:02.06 ID:slCPnZTE0
C.C.「ふう……よし、ナナリーの厚意をを無碍にするのもあれだからな、うん。
   えーっと髪は毛先にウェーブだったか? ……こ、こうか? こんな感じに巻けばいいのか?」

……

C.C.「むー、おとなしめの色使いで、大人っぽさと可愛さを両立させた服なんて持ってないぞ。
   仕方ない、服は咲世子に頼んで急いで買ってこさせるか。おーい咲世子ぉー」


…………

C.C.「何々、大人可愛い? ちょい★キラ?? ……さっぱりだ。ええと清潔感……ナチュラルメイク……
   アヒル口はもう古い……そうか、古いのか。これからは目力、ふむふ――!?」


C.C.「今年の流行はタンジェリン タンゴ……赤味がかった強いオレンジだと!? ジェレミアのやつ……!」


―そのころのルルーシュ―

ルル「……くそっ、なんで俺がこの寒空の下で二時間近く時間を潰さねばならんのだ……」

44: 2012/01/13(金) 07:07:34.66 ID:slCPnZTE0
ルル「まったくC.C.のやつ、今日はいつにも増しておかしい女だ。……ちっ、家の鍵はかけておけとあれほど……!」


ルル「帰ったぞ。おいC.C.、今日という今日は許さん、いつになったら鍵を――」


C.C.「お……おかえりなさい……ルルーシュ」


ルル「……」

45: 2012/01/13(金) 07:15:20.94 ID:slCPnZTE0
C.C.「今日は早かったな! ピザを頼んでおいたんだ、夕飯にしよう! ……ん? どうした、ルルーシュ?」


ルル「え、あ、いや……た、ただいま」


C.C.「ちょっと待っててくれ。今温めてくる」


ルル「お、おいC.C.お前、電子レンジの使い方、わかるのか?」


C.C.「馬鹿にするな、それくらいよゆーだ。といっても前に咲世子に習ったからなんだがな。オーブンはまだ無理だ」


ルル「そ、そうか」

47: 2012/01/13(金) 07:20:05.32 ID:slCPnZTE0
ルル(どういうことだ、何が起きた? この状況はなんだ。あれはC.C.か? あれが?
   ありえん、ドッキリか? カメラは……見当たらんな、ドアの向こうに人の気配もない。
   なにか企んでいる? だめだ、行動からは推測できん。もしやまた記憶が? いや、以前の時は俺を覚えていなかった。
   しかも……な、なんだあれは。お、俺にどうして欲しいんだ? とりあえずいつも通りに話しかけるか……)


C.C.「飲み物は何がいい?」


ルル「……なぁC.C.」


C.C.「紅茶か? シャンパンはないがワインならあるぞ。ジュースは――」


ルル「なんなんだその化物みたいな特殊メイクは。ハロウィンはまだ九ヶ月以上先だぞ」


C.C.「」

50: 2012/01/13(金) 07:25:53.66 ID:slCPnZTE0
ルル「それにお前その服、ナナリーじゃあるまいし……。まさかそのメイクといいおしゃれのつもりか? あまり俺を笑わせるな、それこそ洒落にもなってないぞ」


C.C.「ル……」


ルル「まあいい、飯にするか。お前がピザを分けてくれるというのも珍しいからな。
   と、忘れるところだった、今日も玄関の鍵、かかってなかったぞ。言っても無意味だと思うが次からは」


C.C.「ルルーシュのアホ! 素人童O!! 早漏!!! 仮面にでもこすりつけてオ**ーしてろ、このナルシストもやしっ子!!!!」


ルル「なっ! おい待てC.C.! まさか本気だったのか……? しまったな……
   だが……いくらなんでも言い過ぎだぞ、あのピザ女」

52: 2012/01/13(金) 07:33:26.47 ID:slCPnZTE0
ルル「……起きてるか、C.C.」


C.C.「寝てる」


ルル「そうか寝てるか」


C.C.「ああ」


ルル「じゃあ寝たままでいいから聞いていろ」

53: 2012/01/13(金) 07:37:23.02 ID:slCPnZTE0
C.C.「……」


ルル「すまない、さっきは少し言い過ぎた」


C.C.「うるさい、寝ているんだから静かにしろ」


ルル「今日のお前は少し変だぞ。昼間といい、なにかあったのか?」


C.C.「……」


ルル「それにあのメイクと服……あれはその、卑怯だろう。誰だって驚く」


C.C.「驚く!? はっ! それが着飾った女に対する評価か!? 普通は賛辞するものだろう!?」

55: 2012/01/13(金) 07:43:33.98 ID:slCPnZTE0
ルル「落ち着け。そうは言うがな、お前あのメイク自分でやったのか」


C.C.「そ、そうだ。びゅーらー? やらこーむやら……とにかく店にあるだけ買ってきた。高かった……ピザが何枚も食べれた……」


ルル「そ、そうか、それは残念だったな? ところでお前、メイクした経験はあるのか」


C.C.「馬鹿にしてるのか貴様。私ほどのイイ女が化粧をしたことがないなどありえないだろう」


ルル「……お前が言っているのはギアスがあった頃の舞踏会やパーティじゃないだろうな? あの頃とは時代も、モノも違うだろう。
   それにどうせお前のことだ、最初は自分でやっていても途中から身の回りの世話は全てしてもらっていたんじゃないのか」


C.C.「ぐっ……言うじゃないか坊や」

57: 2012/01/13(金) 07:51:15.72 ID:slCPnZTE0
ルル「やり方も忘れているようじゃほぼ素人同然、しかも使ったことのない道具を前にして右往左往したんじゃないか?
   それでいてだ、おおかた特定層向けの女性用雑誌の記事を見て最近の流行でも真似しようとしたのだろうが……一体何を参考にしたらああなるんだ」


C.C.「ははっ……なるほどな。いやはやポアロもびっくりの名推理だ、ここまで見透かされると流石に称賛に値するよ」


ルル「茶化すな。正直、先ほど見たのはメイクとは呼べない代物だったぞ……お前はどこの口裂けグレイだと思ったくらいだ。
   通常メイクとは元よりも綺麗に見せるためのものだろう?
   中には自分に自信を持てない女性が変身するためのものだとも聞くが……劣化させてどうする」


C.C.「うるさい! やっぱりお前、私を馬鹿にしてるだろ!」


ルル「馬鹿にしたくもなる。お前のどこにメイクする必要があるんだ」


C.C,「あ、あのなぁ! 私はお前のために、お前に少しでも可愛いと思ってもらおうと……ん?」

60: 2012/01/13(金) 07:57:43.43 ID:slCPnZTE0
ルル「俺のため? 俺がいつ頼んだ」


C.C.「いやそれは頼まれてはいないが……え、その前にルルーシュお前、今なんて言った?」


ルル「お前のどこにメイクする必要があるんだ」


C.C.「お約束の言い回しをスルーするとは、お前……って、それどういう……」


ルル「そのままの意味だ」


C.C.「……そうか」


ルル「そうだ」

65: 2012/01/13(金) 08:03:19.64 ID:slCPnZTE0
C.C.「そうか……ふふっ、うふふふふ」


ルル「き、気持ち悪いぞ……それとさっきの服だが」


C.C.「お、お前はああいった服が好みだと聞いてな。その、髪も少し……ふんわりさせてみた。エアリーというらしい」


ルル「ああ、それでこんなボンバーヘアなのか」


C.C.「ボンッ!? なんなんだお前は! 持ち上げておいて落とすな!」

70: 2012/01/13(金) 08:09:37.18 ID:slCPnZTE0
ルル「いや、だってな……お前これどう見てもウェーブというか、パーマかけすぎだろう……自分でも少し後悔したんじゃないか?」


C.C.「う、ううう……そのとおりだ、けっこう、いやかなり凹んだ……」


ルル「愚かしいほどに馬鹿だな……向こうを向け」


C.C.「は? お、おい急になんだ」


ルル「いいから大人しくしていろ。ったく、どうやったらここまで器用に不器用なことができるんだ……」


C.C.「う、うるさい! もっと優しく扱え! 髪は女の命なんだぞ、まったく……。そうだ、その調子で丁寧に頼むぞ」


ルル「なぜ髪を梳かしてやっているのに俺が怒られるんだ……」

74: 2012/01/13(金) 08:14:15.92 ID:slCPnZTE0
C.C.「元はといえばお前のせいだからだ。 そうだ、全部お前が悪い! だからこれは当然だ」


ルル「俺が何をした」


C.C.「何って、それはお前……うう、アレだ、アレ」


ルル「ん? アレとはなんだ、具体的に言え」


C.C.「そこだけ昼間と同じやりとりをしなくてもいい!」

75: 2012/01/13(金) 08:21:48.99 ID:slCPnZTE0
C.C.「ああもう、だから昼間! お前言ってたじゃないか! 私が寝てる時にしたとか、私からして欲しいとか……いろいろ」


ルル「昼に?」


C.C.「そうだ」


ルル「ああ、そういえばそんな話もしたな。だからこの間のイベントの時の話だろ? まったく、久しぶりに集まったとはいえ主催者がスザクと楽耶だとはな。
   あの二人じゃうまくいくはずがないことくらい、誰にだってわかる。お前だって招待状を見ながら言っていただろ。
   だからお前が寝てる間に計画を練り準備を済ませ、作業員や係員にギアスを使っておいた。
   バレないよう手を回すだけでも大変だったのにあの馬鹿、開始早々ミスるとは……なぜこの俺がわざわざ着ぐるみを着てまで場を回さなければいけないんだ」


C.C.「ちょ、ちょっと待て、何の話をしている」


ルル「何って、だから先日のイベントの話だが。違うのか?」

76: 2012/01/13(金) 08:27:38.45 ID:slCPnZTE0
C.C.「私は! し、新作の宣伝とかで撮影をした時のことを言っているんだ!」


ルル「撮影? ああ、そういえばなんだったかロボットアニメの主人公が持っている能力みたいな名前の雑誌から写真撮影の依頼が来たな」


C.C.「そう、そうだそれだ。あの時お前、私にこう……回しただろう! 手を!! 回してないとは言わせんぞ」


ルル「あ、ああ。そういえばそうだったか」


C.C.「そうだ、打ち合わせやリハの段階ではそんな予定なかっただろう。なぜあんなことをした?」


ルル「と言われてもな……あの時はああしたほうがより自然だと思っただけだ」

79: 2012/01/13(金) 08:31:21.18 ID:slCPnZTE0
C.C.「……は?」
  (今、こいつ、なんて言った?)


ルル「それに対してお前が俺の腕を軽く掴んできただろ? おかげでいい画が撮れたと撮影スタッフが喜んでいたぞ」


C.C.「は、はは、あははは……そうか、いい画が……」


ルル「お前もそれをわかっていて動いてくれたと思ったんだが……違ったのか?」

83: 2012/01/13(金) 08:36:53.24 ID:slCPnZTE0
C.C.「もういい、寝る」


ルル「おい、なぜまた急に不機嫌になる」


C.C.「うっさいルルーシュのばーかばーかあほーへたれー」


ルル「貴様……」


C.C.「……」
  (私が勝手に勘違いして、期待して、一喜一憂して……馬鹿みたいじゃないか)


ルル「……」


C.C.「……」

86: 2012/01/13(金) 08:42:41.01 ID:slCPnZTE0
ルル「……」


C.C.「入ってくるな」


ルル「……」


C.C.「……」


ルル「……」


C.C.「……」


ルル「……したくないわけじゃない」





アニメージュだったわすまん

89: 2012/01/13(金) 08:46:05.47 ID:slCPnZTE0
C.C.「……」


ルル「……」


C.C.「……工口ガキ」


ルル「ガ……子供なのはどっちだ」


C.C.「……」


ルル「……服」


C.C.「!……」

91: 2012/01/13(金) 08:49:09.03 ID:slCPnZTE0
ルル「ああいうのが好きだったのは……お前に会う前だ。今は趣味が変わった、いろいろ似合っていていい……と思う」


C.C.「……」


ルル「髪も、なんだ、サラサラのストレートも嫌いじゃない。き、綺麗だ……と思っている」


C.C.「……ふん」

93: 2012/01/13(金) 08:52:14.80 ID:slCPnZTE0
ルル「……相手からも、その、行動してくれたら嬉しいと言うか……きっかけを作ってくれると、やりやすいなとは、思う」


C.C.「へたれ」


ルル「ぐっ」


C.C.「しかもマゾときた」


ルル「……」


C.C.「ぷっ……やれやれ、私の共犯者は仕方がないな」


ルル「それはお互い様だろう」


C.C.「そうか?」


ルル「そうだ」


C.C.「そうか、そうだったな」

94: 2012/01/13(金) 08:54:22.07 ID:slCPnZTE0
ルル「……」


C.C.「……」


ルル「……いつからだったか」


C.C.「なにがだ」


ルル「男は床で寝ろと言われなくなったのはいつからだったかと思い出していた」

95: 2012/01/13(金) 08:57:00.48 ID:slCPnZTE0
C.C.「何なら床で寝るか? そのほうが私はいいんだがな、ベッドを専有できて」


ルル「それは困るな」


C.C.「困るのか」


ルル「ああ」


C.C.「そうか」


ルル「ああ」


C.C.「……ルルーシュ、お前、私のことをどう思っている? こ、答え次第では、その、久しぶりに……」

99: 2012/01/13(金) 09:04:12.03 ID:slCPnZTE0
ルル「我侭だ。傍若無人が服を着て歩いているかのようだな」


C.C.「おい、そういうことじゃない。この状況でそれは巫山戯てるのか」


ルル「NEETでピザばかり食って、人をからかうのが趣味で」


C.C.「……」


ルル「寂しがり屋で、おせっかいで、人一倍他人を気にしていて」


ルル「……」


ルル「大嫌いな女だ」


C.C.「ふっ、この嘘つきめ」


ルル「ああ、俺は……嘘つきだからな」

                      fin.

100: 2012/01/13(金) 09:05:41.38 ID:slCPnZTE0
ということで『コードギアス 亡国のアキト』並びに様々なコードギアスプロジェクト発表記念で書いてみた
正直冒頭だけ提示して、誰かに続けてもらって自家発電しようと思っていたのにどうしてこうなった……
最後は工口って締めようか綺麗に締めようかで悩んだけど、たまにはこういうのもいいだろwww書かなくてもこのあとの展開わかるよね

101: 2012/01/13(金) 09:06:12.32 ID:O0N6dNaa0
わっふるわっふる

104: 2012/01/13(金) 09:09:07.52 ID:TwRRGmw3O
良い話だった乙


引用: C.C.「な、何故急に抱き寄せられたんだ……」