1: 2016/04/09(土) 22:17:41.21 ID:+nt0zvTK.net
※乃木坂は関係ありません

3: 2016/04/09(土) 22:19:47.15 ID:+nt0zvTK.net
絵里「今日の練習はこれで終わり。みんなお疲れ様!」

9人「お疲れ様でしたー!!」

希「みんな、この後の予定は?」

凛「凛はかよちんとラーメン屋さんに行くにゃー♪」

真姫「またー?太るわよ」

花陽「わ、私はセットのライスだけもらうから……」ゴニョゴニョ

穂乃果「む、私もクレープ屋さん寄ろうかな」

海未「ダメです、穂乃果はそろそろ間食を控えなさい!」

穂乃果「うえぇー、いいじゃんちょっとくらいー!」ブー

海未「その甘さがいけないのです!もう少しアイドルとしての自覚をですね!」プンプン

凛「まあまあ二人とも、にこちゃんも一緒に行くにゃー!>ω</」

にこ「悪いわね、私は別に寄るところがあるから」

凛「そっかー、残念にゃー」



にこ「じゃ。……さて」

4: 2016/04/09(土) 22:21:26.41 ID:+nt0zvTK.net
ゲーセン

にこ「……ふっふっふ、ついにここまでこぎ着けたわ」ガチャガチャ

にこ「今まで何度苦い思いをしてきたことか……しかし!今日こそは引導を渡してやるわよ」ピコピコ

にこ「覚悟なさい、リョウ・サk――」

HERE COMES A NEW CHALLENGER !!

にこ「なっ、乱入!?……誰よ!にこの格闘道に水を差すのは!空気読めー!」

希「やっほ、にこっち」ヒラヒラ

にこ「」

5: 2016/04/09(土) 22:22:32.54 ID:+nt0zvTK.net
にこ「 」ズーン

希「にこっち、覚えとき。斬影拳だけでなんとかなるのは2までなんよ」ピース

にこ「なんであんたがここにいんのよ……」

希「たまたまにこっちが入るのを見かけたんよ。けど水くさいなぁ、ゲーセンなら他のみんなも誘えばよかったやん?」

にこ「しょおがないでしょ。みんながクレーンゲーやリズムゲーで盛り上がってるのに、一人だけあんな前世紀のレトロゲーやるってわけにもいかないじゃない」

希「あー、確かにね」

6: 2016/04/09(土) 22:23:54.67 ID:+nt0zvTK.net
にこ「今日は学校のそばの定食屋さんでお昼ごはんを食べるわ」

にこ「いい感じのお店ねー。部活紹介や学祭案内のポスターが昭和の青春って感じね」ウンウン

にこ「あら、スクールアイドルのポスターなんかもあるわね……って、このポスターμ'sじゃない!?」

ガチャ カランカラン

凛「あれー?にこちゃんじゃーん!」

花陽「ほんとだ、にこちゃんだ!今日はお友達といっしょなの?」

にこ「り、凛に花陽!?……ひ、一人よ!一人でご飯食べちゃ悪い?」

凛「じゃあ三人いっしょに食べるにゃー!>ω</」

8: 2016/04/09(土) 22:25:54.98 ID:+nt0zvTK.net
花陽「ここね、入学してからちょくちょく来るお気に入りのお店なの。ご飯大盛がタダだから」ホクホク

凛「かよちんはご飯の大盛りが食べられるならどこでも名店にゃー」モグモグ

にこ「なるほど、お店の人と懇意にしていたから宣伝ポスター貼らせてもらえたわけね……」

花陽「でねでね、ここの従業員さんが地方のスクールアイドルの追っかけでね!

今度新潟や山形のファンとオフ会するらしいの!いいなぁ、私も行きたい、です!」

凛「あれ?にこちゃんお箸が進んでないよ?もうお腹いっぱい?」

にこ「そ、そんなことないわよ?美味しいものはよく噛んで食べるものよ!」

花陽「あ、地方のスクールアイドルといえば!

今はコシライツとバンブーニシキがホットだと思うんだけど、にこちゃんはどう思う?」

にこ「もごっ!?……そ、そうねケホッ、今は地方のスクールアイドルの活動も活発化してるしゴホッ、もっと動向に注目してエホエホエホッ!!」

凛「にこちゃん、慌てて話すからだにゃー。はいお水」

にこ「す、すまなかったわね……」ゴクゴク



にこ(なんでみんな食べながら普通に話せるの!?そんなスキル学校の給食では習わなかったわよ!?)

9: 2016/04/09(土) 22:28:42.13 ID:+nt0zvTK.net
にこ「今日はこのレトロな喫茶店で休日の午後をすごすわ」

にこ「今回は特別に、有名作家の小説も持ってきたの。

文学作品にふれて、インテリでクールビューティなにこちゃんを演出するにこ♪」ウンウン

にこ「コーヒーに砂糖も入れないんだから♪」

ブーンブブッ

にこ「ん?穂乃果からLINEだわ」


『踏切の5メートル以内って駐車禁止だっけ?』


にこ「はぁ?あの子免許でも取るつもりなの?」ポチポチ

『バカね、踏切は10メートル以内が駐車禁止よ』


ブーンブブッ

『あれ?じゃあ5メートル以内が駐車禁止なのってどこだっけ!?』


『交差点、曲がり角、横断歩道』


ブーンブブッ

『あー思い出した!!校長危篤、5歳の駒田、10年不安定だったね!』


ブーンブブッ

(スタンプ)


『駒田じゃなくてコマオ。駒田って誰よ』


ブーンブブッ

『にこちゃん知らないの!?プロ初打席で満塁ホームランを打った唯一の日本人打者なのに!!』


ブーンブブッ

(スタンプ)


『知るか!』

10: 2016/04/09(土) 22:30:30.09 ID:+nt0zvTK.net
ブーンブブッ

ブーンブブッ

ブーンブブッ

ブーンブブッ

ブーンブブッ……

~~~~

「ありがとうございました!」

にこ「……はぁ」

にこ「1ページも読めなかったにこ……」

11: 2016/04/09(土) 22:37:17.48 ID:+nt0zvTK.net
にこ「今日は映画を観に来たわ」

にこ「アイドルから女優に転身した女の子が主人公らしいわね。後学のためにも押さえておかないと」

にこ「おっと、ケータイの電源は切ったかしら」

にこ「劇場ではケータイの電源はオフ。これ、エチケットやで~。なんてね」クスッ

にこ「わくわく」

13: 2016/04/09(土) 22:41:09.50 ID:+nt0zvTK.net
~~~~~~~~

にこ「はー、面白かった」

にこ「まさかあの人が黒幕なんてね。身近な存在ほど怖いってのはほんとね、ためになるわ」ウンウン

にこ「さて、解説サイトでも見ようかしら」ポチー

未読:59件

(μ'sグループ:21件、希:1件、花陽:2件、まきちゃん:35件)

にこ「……げ」

prrrrr

ピッ

にこ「……はい」

真姫『にこちゃん?どこで何してたのよ、LINEもさっぱり既読つかないし、いくら電話してもつながらないし!』

にこ「ご、ごめん。ちょっと映画観てたから電源切ってたのよ」

真姫『……は?ナニソレ?』

14: 2016/04/09(土) 22:43:00.26 ID:+nt0zvTK.net
にこ「真姫ちゃんもわかるでしょ、映画館はちょっとの光やバイブ音が雰囲気を損ねることくらい」

真姫『……そんなこともうどうでもいいわよ。

それよりどうして、 私 を 誘 っ て く れ な か っ た の よ ?』

にこ「にこぉ!」ビクッ

真姫『あれれ友達よね?

私だってちょうど映画観たかったのよ?

どうして呼んでくれなかったの?

なんで一人で行ったの?

それとも他の誰かと行ったの?

私がいると不都合だったの?』

にこ「に……にっこにっk」

真姫『ふざけないで!!』

にこ「ひっ……ご、ごめん!悪かったわよ!一人で行くのに慣れてたし、誘うなんて発想自体無かったのよ!

それに急に決めたことだし、いきなり誘っても困るだろうし……」オロオロ

真姫『イミワカンナイ!!!!!!!!!』

~~~~~~~~

にこ「はぁー……」

にこ(あれから真姫ちゃんをなだめるのに、30分も費やしたわ)

にこ(映画の余韻もへったくれもないにこぉ……)ズーン

18: 2016/04/09(土) 22:45:26.13 ID:+nt0zvTK.net
にこ(最近、プライベートがμ's一色になってる気がする)

にこ(気づけばみんながすぐそばにいて、独りのにこに構ってくれる。

それはとってもありがたいこと。去年までなら考えられなかったこと)

にこ(だけど……)

にこ(去年までも、何だかんだで楽しくやっていたのよね……)

にこ(放課後はメイド喫茶でバイトして)

にこ(たまったお金でライブに行って、余ったお金でアイドルグッズを買って)

にこ(夏休みや春休みには、有名アイドルが紹介した街の巡礼なんてのもやったわねぇ……)

にこ(北は青森、南は京都。

どこに行くのも独りだったけど、寂しくなんかなかったわ。修学旅行と違って、スケジュールは全日自由に決められたもの)

にこ(あの頃が懐かしいわね……)



にこ「……そうだ!」

20: 2016/04/09(土) 22:48:23.34 ID:+nt0zvTK.net
穂乃果「μ'sソロ充企画(仮)?」

にこ「そ。終日“お一人様”で過ごすことで、メンバー1人ひとりの個性とアドリブ力を発揮し、より多くのお客さんに親しみをもってもらうのが目的よ!」

凛「それ、活動記録を公式ブログで発表するってことだよね?ちょっと照れくさいにゃー」モジモジ

海未「私生活を公開するのは、私もいささか気恥ずかしいですね……」

ことり「大丈夫だよンミチャー。公開されるプライベートなんてもはやプライベートでも何でもないから」

花陽「ことりちゃんがなにやら難しいことを!」

ことり「ちょっと伝説のカリスマメイドやってたからね♪」

絵里「面白そうじゃない。本校の学生にふさわしい振る舞いを各自心がけてくれるなら、反対する理由は何もないわね」

希「それで、 企画のルールは?」

にこ「簡単よ!」

①自宅外での活動が大原則。午前10時以降も在宅の場合は失格とする。

②自宅外での友人や家族、知人との交流は禁止。ただし見知らぬ人とのコミュニケーションに関しては不問とする。

③通話やメール、各種SNSは緊急時を除き使用不可。

にこ「以上!違反者はペナルティを他のメンバー全員から受けてもらうわ!」

21: 2016/04/09(土) 22:50:46.49 ID:+nt0zvTK.net
穂乃果「うえぇー、ヒデコたちともお話しちゃダメなの?」

希「なんか真面目やね、にこっちにしては」

凛「文章が硬いにゃー、にこちゃんにしては」

にこ「うっさい!」

真姫「それ、経過は自己申告でしょ?

いくらでも見栄はれるしウソつき放題じゃない。にこちゃんあたりがやりかねないわね」ブスッ

花陽「真姫ちゃん、なんだかご機嫌ナナメ……?」ヒソヒソ

希「昨日ちょっとトラブったらしいんよ、にこっちと」ヒソヒソ

海未「それで、穂乃果はどう思いますか?日常生活に支障をきたさない企画とは言い切れませんが……」

にこ「もちろん、無理にとは言わないわよ。

誰だって好きな人と休日を過ごす自由はあるものね。アイドルは恋愛厳禁だけど」

穂乃果「ふーむ」

23: 2016/04/09(土) 22:52:59.18 ID:+nt0zvTK.net
穂乃果「……うん、やってみようよ!」

穂乃果「遊ぶ場所とか、いつもみんなで話し合って決めてたけど、たまにはこういう自由で気ままな一日も楽しいんじゃないかな!」

海未「もう、これもスクールアイドルの活動なんですからね。非常識な振る舞いは慎むように」

希「とか言っちゃって、海未ちゃんもなんだかワクワクしてるみたいやん?さては何をするか思い付いたね?」

凛「凛もどこに行くか決めたにゃー!」

花陽「わ、私はまだ……」

ことり「面白そう!やってみよっ♪」

絵里「あとは日取りだけね。みんなに不都合のない休日を探しましょう」

真姫「好きにすれば」フン

にこ「……決まりね」

穂乃果「みんな、一日だけのお一人様、ファイトだよっ!」

~~~~~~~~

にこ「……くっくっく」

にこ「わーっはっはっはっはっはっは!」

にこ「これで誰にも気を使わず、誰も傷つけない、完璧なお一人様ライフを満喫できるわ!

さすが私!さすが宇宙ナンバーワンアイドルにこ様ね!!」

24: 2016/04/09(土) 22:55:51.40 ID:zMkJibyV.net
※以下、時系列はバラバラですが深く考えないで下さい


■穂乃果の場合

穂乃果「う~~~~~~ん」

穂乃果「勢いで賛成しちゃったけど、なーんにも浮かばないよぉ!」

穂乃果「いつもだったらフミコやミカがなんとなく行き先決めてくれたし、一人でプールとかボーリングとか行っても寂しいしー」ゴロゴロ

穂乃果「パソコンで何か調べるか」カタカタ



検索ワード:スクールアイドル 一人 過ごし方

検索結果最上段:週末をぼっちで過ごしてそうなスクールアイドル挙げてけ



穂乃果「……なにこれ。2ちゃんねる?ラブライブ板?」

穂乃果「わっ、私たちに関する書き込みもいっぱい。っていけない、こんなの見てる場合じゃないや……ん?」



穂乃果「こ、これだああああぁぁぁーーーー!!!」ユビパチーン

雪穂「お姉ちゃん独り言うるさーい!」

26: 2016/04/09(土) 23:00:08.20 ID:zMkJibyV.net
横浜スタジアム

穂乃果「ベイスターズファイトだよっ!」

穂乃果「といっても、外野の立ち見席しか取れなかったけどね」

穂乃果「休日なのにお客さんいっぱい……しかも」

パパラパパーララパパーパパー

\くたばれ読売ジャイアンツー!/

隣のお姉さん「村田ァ!裏切り者がァ!!」



穂乃果「……ちょっと怖いよぉ」

27: 2016/04/09(土) 23:02:19.94 ID:zMkJibyV.net
■海未の場合

海未「 」スゥー

海未「っはああああぁぁー!」

海未「うーん、この澄んだ空気!土と草木のにおい!やっぱり山は最高です!」

海未「久しぶりに思い出しました、この高揚感。

にこには感謝しないといけませんね、こんな素敵な機会をつくってくれたのですから」ノビー

登山客「こんにちは」

海未「ごきげんよう!……さて」

海未「山頂アタックです!!」

28: 2016/04/09(土) 23:05:25.42 ID:zMkJibyV.net
■ことりの場合

ぶる~べりぃとれいん
……もとい総武線各駅停車

ことり「うーん、せっかくだから変わったところに行きたいけど……何も浮かばないよぉ」

ことり「メイド喫茶……は地元すぎてつまんないよね。衣装づくりの参考に原宿でも行こうかな」

『っえー、次はー市ヶ谷ー市ヶ谷ー』

ことり「新宿に出て、山手線に乗り換えよう……ん?あぁっ!」

~~~~~~~

ガタンゴトン

チャプン

ことり「こんなところに釣り堀があるなんて知らなかったな」ツリイトクルクル

ことり「んー、お日さまがポカポカで気持ちいいー。

東京の真ん中でもこんな静かでゆったりできる場所ってあるんだ」ノビー

ことり「なんにも釣れなくたっていいや、今日はここでのんびりすごそっと♪」チャポッ

ことり「……あ、餌おとしちゃった」

29: 2016/04/09(土) 23:08:12.17 ID:zMkJibyV.net
■凛の場合

凛「ふっふっふ……」

凛「かよちんにも他のみんなにも遠慮して、今まで来れなかったこのお店。ついに来てしまったのにゃ」

凛「魅惑の黄色い看板!魔法の呪文はニンニクアブラカラメ!」

凛「ラーメン二郎……いざ尋常に勝負にゃー!」ワクワク

「へい。ニンニクアブラカラメ」ドン

凛「」

凛「」

凛「……マジか」

30: 2016/04/09(土) 23:12:02.88 ID:zMkJibyV.net
■絵里の場合

絵里「……そうね、近ごろ思ってたの。

私っておカタい生徒会長というマイナスイメージが未だにつきまとっているんじゃないかと」

絵里「アイドルにふさわしくないイメージを、このイベントを利用して払拭してやるわ!その名も」

絵里「ザ・イロモノ大作戦!」バーン

絵里「この日のために、お一人様で行動するには向かないスポットを調べあげておいたわ!

たまにはイタいキャラに徹するのも悪くないはず!」ホワホワ

……

『あれ、あそこにいるの、μ'sの絵里ちゃんじゃない?』

『ほんとだ、やっぱリアルは映像よりかわいいね』

『もしかして一人?絵里ちゃんってもう少し生真面目なイメージがあったけど、こういうところも好きなのねー』

『だけどなんか寂しそう……あの、よろしかったら、私たちとご一緒していただけますか?』

……

絵里「……うん!」グッ

31: 2016/04/09(土) 23:13:50.52 ID:zMkJibyV.net
絵里「悪いわねみんな!一番ハラショーなお一人様ライフをするのは私よ!」

絵里「さて、最初に行くのは――」

~~~~~~~~

カラオケ店

店員「いらっしゃいませ、一名様でよろしいでしょうか?」

前の客「いっす、あざっす」

絵里(むっ、先を越されたわ)

32: 2016/04/09(土) 23:16:24.41 ID:zMkJibyV.net
■花陽の場合

花陽「いつも白米ばかりでは芸がないので、この企画をきっかけに普段と違うものを食べたいと思います」

花陽「というわけで、やって参りました横浜・中華街!」

花陽「今日は美味しい炒飯を食べようと思います!」キラキラ

花陽「おや、あそこにあるのは北京ダック……ぴぃ!一羽で90000円もするノォ!?」

花陽「点心だけで4桁するお店も少なくないですね、ここは慎重に選びたいと思います!」

花陽「……あぁ、おこげも美味しそうです……」フラフラ

33: 2016/04/09(土) 23:20:12.18 ID:zMkJibyV.net
■真姫の場合

真姫「……」

時計は9時50分を指している。

失格のタイムリミットまで残り10分。

思えば小さな頃は、近所の公園で同級生と遊ぶことも多かった。

中学校に上がってからは、週末は家でピアノを弾いてばかりいたけれど。

見かねた父親が、ドライブに連れ出してくれることもあった。

……真姫は未だに決めかねている。

動物園、水族館。美術館にショッピングにコンサート。

にこへの意趣返しに、映画を観に行くことも考えた。

けれど、一人でそれらを楽しむ自分がどうしても想像できなくて、腰を上げようとするたびに気力がクタクタと萎えてしまう。

公園の遊具で遊ぶには大きくなりすぎたし、かといって車を運転するにはあと2年待たなくてはいけない。

高校生は、中途半端だ。

……時計の音がうるさい。

高校を卒業して、親元を離れたとき、自分にはいったい何が残るんだろう。

そんなことを考えると、不意にいてもたってもいられなくなって。

焦りや苛立ちにかきたてられるままに、自転車を引っ張り出して。

気がつくと真姫は、行く宛もなくペダルを漕いでいた――。

35: 2016/04/09(土) 23:25:10.06 ID:zMkJibyV.net
■希の場合

希「やれやれ、にこっちもけったいな企画を思いついたもんや」

希「でもまぁ、うちにはにこっちの気持ちもわかるつもりよ」

希「どんなに仲のいい友達がいても、一人きりになりたくなることもある。

独りぼっちを嫌いながら、時には独りぼっちを望んでしまう」

希「孤独の味を知ってしまった人間の宿命やね……なーんて♪」

希「さて、うちはどこにいこっかな。スピリチュアルなスポットがええなぁ……せや!」

希「日本一のあそこにしよっと♪」

36: 2016/04/09(土) 23:28:31.88 ID:zMkJibyV.net
■にこの場合

――前日

にこ「さてさて、どこに行こうかしら。喫茶店?ゲーセン?

ノンノン、もっともっと面白いところを探すわよ!なんてったって宇宙ナンバーワンアイドルですもの!」

「おねーさま、大変です!洗面台の電球が切れました!」

「シャンプーも空っぽ!」

「ぺーぱー」カラカラ

にこ「わわっ、ちょっと待ちなさい!……そういや牛乳も単3の乾電池も切れてたわね、むぅ……」

41: 2016/04/09(土) 23:46:49.00 ID:zMkJibyV.net
カキーン

オオオオオーッ ワーッ

穂乃果「やったー!これで4点目だよぉ!」ピョンピョン

隣のお姉さん「へいお嬢ちゃん、いえーい!」

穂乃果「おういえー!」

(`・ω・)人(・ω・´)

隣のお姉さん「今日は一人で観戦?ビールおごってあげよっか?」

穂乃果「あはは、私未成年ですよー!」

隣のお姉さん「じゃあこれ、私がつくった応援歌&チャンステーマの歌詞カード!一枚あげるわ」

穂乃果「わあ、ありがとうございまーす!……ってあれ、ちょっとここ消えてますよ、25番のところ」

隣のお姉さん「ああ、そこは単なる誤植よ。気にしないで」

穂乃果「……えたそのパワー、かっとばせ?……あとは読めないや」

『ピッチャー、高木京介に代わりまして、笠原――』

42: 2016/04/09(土) 23:49:12.37 ID:zMkJibyV.net
海未「ついに踏破しました、山頂です……!」ジーン

登山客「お嬢さん、温かいコーヒーはいかが?」コポコポ

海未「ありがとうございます。いただきます」

「やっほおおおお」

\ヤッホー/

海未「ふふ、山びこですか。いかにも青春って感じでいいですね」

「ダレカタスケテー」

\チョットマッテテー/

「お前のことが好きだったんだよー!」

\マズイデスヨー/

海未「いい歌詞が浮かびそうです」ズズー

43: 2016/04/09(土) 23:51:22.09 ID:zMkJibyV.net
ことり「う~ん、予想はしてたけど、さっぱり釣れないよぉ」

ことり「竿を引くのが早すぎてもいけないし、かといって浮きが沈んでから引き上げるともう餌を取られてるし

……釣りって難しいねぇ」

(・8・) 「チュンチュン」

ことり「ここは都会なのに、鳥さんが多いね。せっかくだけどご飯は持ってきてないの、ごめんねぇ」

(^8^)「パクパク」

ことり「って、ああっ!それはお魚さんの餌だよぉ!やんやん、勝手に食べちゃだめぇ!」アセアセ

クンッ

グイグイッ

ことり「えっ、うそ、このタイミングで引き!?なんでぇ~!どうしよどうしよ……ダレカタスケテェー!!」

45: 2016/04/09(土) 23:54:29.13 ID:zMkJibyV.net
\アリアトアシター/

絵里「店員さんにも他のお客さんにも、別に憐れみの目で見られたりしなかったわ……」

絵里「って、よくよく考えたら当たり前じゃない!個室なんだから!」

絵里「なんだか期待はずれね……さて次は」

~~~~~~~

焼き肉屋

「らっしゃいあせー、何名様ですかー?」

絵里「一人です」ドヤッ

「したらこちらのお席どーぞー」

絵里(あれ?入店拒否とかしないの?)

46: 2016/04/09(土) 23:56:57.83 ID:zMkJibyV.net
絵里「……」

ジュウウウ

パチパチパチ

絵里「のぞみー、このお肉焼けたわよ……なーんてね」チラッ

カルピスソーダオモチシヤシター

ア! ソレオレノカルビ‼

コラ! ヤサイモタベナサイ‼

絵里「……あ、焦げちゃう」ヒョイヒョイ



絵里(誰かツッコみなさいよ!)

47: 2016/04/09(土) 23:59:58.12 ID:zMkJibyV.net
花陽「んぐっ!?」

花陽(はわわ、このふわりとお口でとろける角煮!そしてややエスニックな風味の蟹炒飯!)ジーン

花陽(絶品です!至福です!何気なく入ったお店がドンピシャでした!

嗚呼、こんな名店を独り占めにしたらバチがあたります!)

花陽(……凛ちゃんは、今ごろ何食べてるのかなぁ)モグモグ

48: 2016/04/10(日) 00:01:22.19 ID:qr/Tc0aK.net
凛「 」モグモグ

凛(凛知ってるよ。これは悪い夢だって)

凛(いくら食べても麺がなくならない……モヤシに手間取ったのが間違いだったにゃ)

凛(豚がまだ1枚残ってる……お水で流し込む?でも余計な水分なんてもうとれないよぉ)

凛(スープは……諦めよう)

49: 2016/04/10(日) 00:04:18.85 ID:qr/Tc0aK.net
~~~~~~~

凛「うぉーぷ……」タポタポ

凛「もうダメにゃ……何も入らないし一歩も動けないにゃー」

凛「そこの公園の芝生で一休みしよう……」

パパラパーパパララー

ワンワン!

凛「……誰かがトランペットの練習してる。犬の散歩をしている人もいる」

凛「平和だにゃー」ケプ

凛「空がきれいだにゃー。他のみんなも、凛とおんなじ空を見てるのかにゃ……」ウトウト

50: 2016/04/10(日) 00:06:51.99 ID:qr/Tc0aK.net
どっかの河川敷

イッタゾー

イケ、シュート‼

アーオシイ!

真姫「……」ダイノジ

真姫「腹立つくらい、空がきれいね……」

真姫「……どこなのよ、ここ」

52: 2016/04/10(日) 00:10:33.79 ID:qr/Tc0aK.net
いつかは富士山に登りたいといった時、あるスクールアイドル仲間から「富士山は遠くから見るから綺麗なんですよ」と言われたことがある。 
憧れは憧れとして遠くから眺めていた方が幸せだと言うのだろう。その時はその意味が分からなかった。 
いざ5合目まで登ってみて、その人が何を言いたかったかをはじめて理解した。
日本人の魂の象徴だと思っていた霊山は、近くで見れば外国人観光客と商売の論理が支配する寒々しい場所だった。 
うちは血の通った巡礼者ではなく、単なるテーマパークの来園者のように扱われた。

(東條希著書「スピリチュアル道」より)



希「……違うとこいこか」ガックシ

53: 2016/04/10(日) 00:13:12.54 ID:qr/Tc0aK.net
アキバ・某電気屋

にこ「あれ?うちの電球って60Wであってたかしら」

54: 2016/04/10(日) 00:18:58.15 ID:qr/Tc0aK.net
オーウオーウオーオー ヨーコハマベイスターズ‼
ユーメヲオイカケローー‼

バンザーイバンザーイバンザーイ‼

穂乃果「勝ちましたねー!」パーン

お姉さん「勝ったわね!」パーン

穂乃果「なんとかサヨナラできましたね!山口さんが三浦さんの勝ちを消しちゃったけど……」

お姉さん「さすがは金城よね!啓二朗もいぶし銀の活躍ぶりだったわ!」

穂乃果「この勢いで、今年はCS行けちゃうんじゃないですか!?」

お姉さん「あはは、まだわかんないって!

……ね、お嬢ちゃん。たしかに横浜って弱いし球場は小さいし売店のメニューも貧弱だけど、これからもずっと応援してね」

穂乃果「もちろんです!今日はありがとうございました!」

55: 2016/04/10(日) 00:22:41.36 ID:qr/Tc0aK.net
海未「さて、下山です」

海未「ふもとの温泉にでも行きたいところですが、時間があるでしょうか」

海未「お腹もすきました。下山したらどこかでお湯をいただいて、持参したカップ麺を食べましょう。

まだ残ってるんですよね、エースコックのあれ」

海未「充実した一日でした……また来たいですね」

56: 2016/04/10(日) 00:25:43.02 ID:qr/Tc0aK.net
線路下の喫茶店

「お待たせしました、チーズケーキとコーヒーのセットです」

ことり「いただきまーす……あれ?このアイスクリーム頼んでないです」

「ああ、それは飲み物につくオマケなのよ」

ことり「やんやん♪ありがとうございます♪」

ことり「ん~~~美味しい~~~~~!」

ことり(結局、釣れたのはまぐれの一匹だけ)

ことり(もしかしたら、あんまり下手くそな私を鯉さんが憐れんでくれたのかもしれないな)

ことり「……」スンスン



ことり(まだ手から練り餌のにおいがする……)

58: 2016/04/10(日) 00:28:32.76 ID:qr/Tc0aK.net
ことり「ごちそうさまでーす」

「ありがとうございましたー」

ことり「さて、今日は歩いて帰ろっと」

ことり「あっ、ここのお堀を越えたらドームはすぐなんだ。

今日はいつもより閑散としてる。ビジターゲームだからかな」



ことり「……いつかみんなで、あそこで踊れたらうれしいな♪」

59: 2016/04/10(日) 00:32:12.78 ID:qr/Tc0aK.net
凛「Zzz……Zzz……」

ボコッ

凛「に゛ゃっ……いたいにゃー!」

「ああっ、お姉さんごめんなさい!」

凛「いいよいいよ、これからは気をつけて遊ぶんだよ、ほい!」パス

凛「さてと。お腹の調子もよくなったしもう夕方だし、帰るにゃー」ノビー

凛「もう絶対に二郎にはいかないにゃー!

あんなうどんみたいに極太の麺も、分厚い肉の塊も、モヤシの山もオコトワリシマス!だにゃー!」ジュルリ

凛「……あ、あれ?」

62: 2016/04/10(日) 00:36:04.01 ID:qr/Tc0aK.net
花陽「はぁー、最高でした」ツヤツヤ

花陽「本場の麻婆豆腐はさすが違いますね!ご飯が何杯でもいけちゃいます!」

花陽「炒飯も美味しいけど、やっぱり白米!これは譲れません!」

花陽「ちなみにセットデザートの杏仁豆腐、こちらも脳トロ級の一品でした!」

花陽「あっ、あの桃饅頭もおいしそうです。今度はあそこのお店に行ってみましょう」

ドンッ

花陽「あ、ごめんなさい!」

お姉さん「気にしないで!横浜を楽しんでいってねお嬢ちゃん♪」ナゲキッス

花陽「ずいぶんフランクでフレンドリーな方です。それに着ているのは……野球のユニフォーム?」

63: 2016/04/10(日) 00:39:02.63 ID:qr/Tc0aK.net
忍野八海

希「うわぁ……富士の湧水がここまで澄んでいるとは思わなかったわ」

希「まるで魚が空を飛んでるみたいや……スピリチュアルやね」

希「それにどうして、あんなにアルビノの鱒がいるんやろうね」

希「あかん、なんだか水底に吸い込まれそうで怖い。怖いけど、見とれてまう」

希「……ほな、そろそろ帰ろっか。ほんとは氷穴と風穴も行きたかったけど、それはまた今度」



希「……えりちは今ごろ何してるかなぁ」

64: 2016/04/10(日) 00:41:49.59 ID:qr/Tc0aK.net
某大手テーマパーク

絵里「……」

「ねえ、ちょっとあれ……」

「ほんとだ、マジウケるんだけど」ピロリン

「やだ。こっち見てる?」カシャー

「あ。逃げた!」


「「まってー、ミッチー!!!」」

ハハッ ツカマエテゴラン!



絵里「ふ、ふふ……」

65: 2016/04/10(日) 00:44:49.72 ID:qr/Tc0aK.net
絵里(この企画で、一つだけ賢くなったわ)

絵里(世間様って、他人がひとりぼっちで行動しても気にしないのね)

絵里(そうよ、一人でいるのなんか怖くも恥ずかしくもないのよ。

だからそれぞれが好きなことで頑張れば、それでいいのよ……ふふふ……)

マッテヨミッチー!

ハハッ コマッタコネコサンダナァ!

絵里「……え」ブワッ



\エ リ チ カ お う ち か え る ー ! !/

66: 2016/04/10(日) 00:54:29.10 ID:qr/Tc0aK.net
真姫「……はーっ、はー……」

真姫「最果てね……」

川の終わり。

目の前に海が広がっている。

汚い野良猫が横切る。

欠けた松ぼっくりが転がっている。

はっきり言って、風光明媚には程遠い。

両親の別荘からの眺めには、到底及ばない。

それでも、

真姫はその海のことを、ずっと覚えていたいと思った。

両親や友達にも頼らず、お金の力も借りず、自分一人で見つけた海。

その輝きは、迷える時に、真姫を正しく導いてくれるだろう。


真姫「……髪、ゴワゴワ。服は汗でびっしょびしょだし、足はパンパンだし……」

真姫「アイドル的には、ちょっとあり得ないわね」フフッ

真姫「さ。帰ろう」

67: 2016/04/10(日) 01:01:08.34 ID:qr/Tc0aK.net
後日 
~結果発表会~~

海未「……と、いうわけで、非常に充実した、爽やかな一日をすごせました。以上です」ツヤツヤ

絵里「はーい。素晴らしい発表でしたー。よかったやん?おめでとうにこー」ナゲヤリパチパチ

穂乃果「絵里ちゃん、なんだか機嫌悪い?」

凛「かよちんはかよちんで朝から落ち込んでるし……」

花陽「……チョウシニノリスギマシタ……」ズーン

希「真姫ちゃんは反対に、なんだか吹っ切れたみたいやね」

真姫「べ、別にそんなことないわ」カミノケクルクル

ことり「じゃ、トリは言い出しっぺのにこちゃん♪」

にこ「えっ……わ、私は別にとばしてよくない?みんな違ってみんな面白い、それが結論で」

海未「ダメですよ、にこ。これはスクールアイドルの活動で、公式ブログで発表するんですから」

希「そうやでにこっち。……忠告しておくけど、嘘ついたりごまかしたらワシワシMAXの刑やからな?」

にこ「ぎくっ」

68: 2016/04/10(日) 01:04:59.49 ID:qr/Tc0aK.net
にこ「えー、私は」

穂乃果「うんうん」

にこ「まずは電球を買いにアキバの電気屋さんに行って」

穂乃果「ほうほう」

にこ「そのまま企画のネタを考えるためにブックオフに行って」

にこ「気がついたら20世紀少年と寄生獣とハチクロをほぼ全巻読んでて」

にこ「昼御飯は迷ったけどマックですませて」

にこ「帰りにドラッグストアとスーパーで買い物して」

にこ「……以上です」

8人「……」


真姫「……は?」

凛「地味だにゃー!!」ブーブー

69: 2016/04/10(日) 01:11:05.68 ID:qr/Tc0aK.net
絵里「生活感むき出しじゃない。認められないわぁ」

希「お客さんを笑顔にする仕事しておきながら、それはないんちゃう?これじゃあ苦笑しかできへんて」

海未「提案者が企画倒れさせてどうするんですか、もう」

真姫「イミワカンナイ」ジトー

花陽「ダイエット……ゲンリョウ……」ブツブツ

にこ「なっ……なによぉ!あの日はたまたま調子が出なかったのよ!仕方ないじゃない!

それに私だって大変だったんだから!電球のWがわからなくて、家に電話してもこたろうしか出てくれなくて……」

ことり「あれ?たしかおうちの人とコミュニケーションしちゃいけないはずじゃ……」

にこ「あ゛」



希「……全員から、ペナルティやね」ニッコリ

にこ「にこぉ~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!」

70: 2016/04/10(日) 01:16:33.27 ID:qr/Tc0aK.net
――にこの悲劇は、こうして始まった。

花陽のくすぐり攻撃、穂乃果のデコピンフラッシュ、ことりの一日ファッションモデルなどはかわいいものであった。

絵里主催の勉強会、海未の私的トレーニングへの参加、ジ口リアンと化した凛とのランチ……。

とりわけ屈辱的だったのは、希のエンドレスワシワシアタックだったろうか。

満身創痍のにこにトドメを刺したのは真姫であった。

にこは同じ映画をもう一度見るはめになった――。

72: 2016/04/10(日) 01:19:52.23 ID:qr/Tc0aK.net
にこ「……あのー、真姫ちゃん?ちょっと近すぎじゃないですかね?」

真姫「どっ、どどどどどこがいい映画なのよ!氏ぬほど怖いじゃない!」ガチガチ

真姫「にこちゃんてば、こんな悪趣味な映画が好きなの!?」ガクガク

にこ「あー、たしかにちょっとグロかったかもね。でも今後の勉強にはなったでしょ?」

真姫「ナラナイワヨッ‼」ギュウ

にこ「もぉ、悪かったわよぉ!少し離れて!暑い!恥ずかしい!」

73: 2016/04/10(日) 01:25:39.85 ID:qr/Tc0aK.net
~~~~~~~~

喫茶店

にこ「落ち着いた?」

真姫「ええ……」カミノケクルクル

にこ「ここね、1年の頃からお気に入りの隠れ家なの。

いつも静かで、他に学生もいなくて。真姫ちゃんには特別に紹介してあげる」

真姫「な、なによそれ////……ひとりでカフェなんか来て、寂しくなかったの?」

にこ「寂しくなんかないわよ!

……そりゃ、部室に一人きりだった頃は少し退屈だったけどね」

にこ「でもお出かけのときは、一人でもけっこう楽しくやってたものよ。

……まっ、真姫ちゃんにはわからないだろうけど」

真姫「ううん、今ならわかるわ。にこちゃんの言いたいこと」

74: 2016/04/10(日) 01:33:09.69 ID:qr/Tc0aK.net
真姫「みんな少しずつ変わってきてるもの。

海未は今ごろどこかの山で雄叫びを上げてるだろうし、花陽は花陽で最近一人の食べ歩きに凝ってるし」

にこ「あの子まだこりてないの……。

みんなソロで出来る遊びにも目覚めた、ってことかしら」

真姫「本当の友達って、常に一緒に過ごす必要なんてないのよね。

一人になりたい時は、一人になればいい。一人の時しかわからない面白さだってある。……そういうものよね」

にこ「真姫ちゃん、なんか変わったわね。いったいあの日何を見てきたのよ?サイクリングとしか言わなかったけど」

真姫「教えないわ。絶対に内緒」

にこ「ケチ」

真姫「あ、さっきの話だけど、にこちゃんは例外ね。

にこちゃんは何をやらかすかわからない危うさがあるし、私の目の届く範囲にいなさい」

にこ「な……///」ボッ


にこ「なんでよっ!!//////」



おしまい

77: 2016/04/10(日) 01:44:02.43 ID:qr/Tc0aK.net
冷静に考えたら、あのハイスペックでイケメンパイセンで見た目に反して母性に溢れてて意識高くてノリもよくて家事万能な大天使兼宇宙ナンバーワンアイドルのにこにー様が、暗黒の高校生活を過ごしていたはずがない。

何だかんだでソロ充していたに違いない!……という推理(願望)をもとに書きました。

ちなみに、にこちゃんの観ていた映画は今敏監督の「パーフェクトブルー」です。みんな観てね。

85: 2016/04/10(日) 06:15:01.96 ID:E2cUE/6H.net
おつ、よかった
次回作にも期待

引用: にこ「一人でいるのが一番楽だった」