1: 2015/10/29(木) 00:03:21.122 ID:akSfN/zAa.net
ピノコ「そうなのよさ!今テレビでやってゆのよさ!」

ブラックジャック「馬鹿馬鹿しい!そんなこと出来るもんか!アニメでも見てたんじゃないのか?」

ピノコ「んまーーーー!しぇんしぇえったら失礼ね!ほら、こっち来ゆのよさ!」

ブラックジャック「そんなに引っ張るなって...ん、これは...?」

7: 2015/10/29(木) 00:10:01.022 ID:akSfN/zAa.net
テレビ「はい...これは動物の分化した細胞に弱酸性溶液に浸すなどの外的刺激(ストレス)を与えることによって
再び分化する能力を獲得することができる細胞で...」

ブラックジャック「」

ピノコ「しぇんしぇえ?」






ブラックジャック「ばからしい!!!!!!!」
ピノコ「きゃっ」

8: 2015/10/29(木) 00:14:58.240 ID:akSfN/zAa.net
ブラックジャック「こんなことがあり得る訳が無いだろう!」

ピノコ「でも!でも!有名な大学の教授がこう言ってるのよさ!それにほら、これを見つけたの女の人だっていうのよ!」

ブラックジャック「なんだって?」




小◯方「嫁入り前なので可愛く撮ってください♡」

ブラックジャック「(まさか...こんな胡散臭い奴が世紀の発見を...?)」

13: 2015/10/29(木) 00:18:58.408 ID:akSfN/zAa.net
ブラックジャック「とりあえずこの話はまた今度だ...」

ピノコ「ねえしぇんしぇえ...ピノコがこの話しぇんしぇえにした理由って分かゆ?」

ブラックジャック「大方お前の体を元に戻せるとでも思ったんだろう」

ピノコ「さっすがしぇんしぇえだわ!きっとこれがあればピノコはアダルティックでちぇくしーな身体になっt」

ブラックジャック「その話はまた今度だ。私は個人的にSTAP細胞とやらを調べてみるよ。何かよからぬ展開が待ち受けてるような気がするんでね...」

15: 2015/10/29(木) 00:25:29.785 ID:akSfN/zAa.net
ブラックジャック「...ってことでもしこのSTAP細胞とやらの情報があったら教えてほしいんですよ、山田野先生」

山田野「突然来ていきなりそんなことを言われてものぉ...」

ブラックジャック「本当にすみません...でも私はどうしてもこれを信じられないんです」

山田野「しかしあの笹井くんがバックについているんだ。疑う余地は無かろう」



ブラックジャック「......笹井だって?」

18: 2015/10/29(木) 00:32:26.720 ID:akSfN/zAa.net
山田野「ん?君は笹井くんを知っておるのかね?」

ブラックジャック「いや、前に一度話しをしたことがあるのですが、まぁそんなことはどうでもいいでしょう」

山田野「君がそう言うなら詮索はせんよ。ふむ、どうやらこれは胎盤や子宮を作ることも可能だというじゃないか」

ブラックジャック「...ということはもし女性の機能を完全に再生することが出来るということですか?」

山田野「科学雑誌にはそう書いてあるが...肉体の完全な再生を行った例は無いのでなんとも...」

ブラックジャック「(STAP細胞...今までで最も希望が持てるかもしれない)」




ブラックジャック「分かりました。山田野先生ありがとうございます」

山田野「ブラックジャック君...君が何をしようとしてるかは分からんが、あまり無茶をするなよ」

19: 2015/10/29(木) 00:35:12.338 ID:akSfN/zAa.net
ブラックジャック「(なるほど...さっきピノコが言っていた有名な教授とは笹井のことだったのか)」

ブラックジャック「(近いうちに会う必要があるかもしれないな...)」

20: 2015/10/29(木) 00:43:20.673 ID:akSfN/zAa.net
~回想~

ドン...ドン...

ガチャ
ブラックジャック「誰ですかこんな夜更けに」

笹井「君があの◯◯家のご令嬢を手術したブラックジャックとかいう医師か」

ブラックジャック「どこからその情報を入手したのか知りませんがいきなり何です」

笹井「失礼した、私はこういう者だ」

ブラックジャック「はぁ...こんなお偉いさんがなんでこんな所にいらっしゃったんでしょうかね」

笹井「ちょっと研究のことでね...君が手術したという...その、妹さんに会いたいんだが」

ブラックジャック「生憎"それ"はまだ培養液の中でね。あなたの望むような状態では無いと思いますよ」

24: 2015/10/29(木) 00:52:41.097 ID:akSfN/zAa.net
笹井「いや...その状態でいいんだ。むしろそのままの方がいい」

ブラックジャック「何を言っているんですあなたは」

笹井「もし、彼女を生身の人間に再生することが出来たら...と思いませんか?」

ブラックジャック「!...あなた何を企んでいるんですか?信じがたいことに彼女は意志を持っているんでねぇ、変なことをしようとすると酷い目に遭うかもしれませんよ」

笹井「意志を...?」

ブラックジャック「はい、もし私以外の医者が近づこうなら頭が割れるような痛みに襲われて、先生のような方だとひとたまりも無いと思いますよ」

笹井「ううむ...私なら彼女を人間の姿に戻すことが出来るかもしれないのだが...」

ブラックジャック「人間の姿に?どうやってです、もしかして彼女のパーツをそれぞれ縫い合わせるなんてことじゃないですよね」

笹井「それよりももっと確実な方法だ...だが調査が出来ないのではまだ君には言えない。しかし、いつかまた会う時が来るだろう。その時になって後悔しても知らんからな」


ガチャ....ブロロロオオオオォォォ...

ブラックジャック「なんだったんだ今のは...しかし私もとんでもない事を言ったもんだ...ふむ、縫い合わせる....か....」



................


.........

26: 2015/10/29(木) 00:55:22.553 ID:akSfN/zAa.net
~回想終~

ブラックジャック「しかしあの時の笹井という医者がこの件に関わっていたとはな」

ブラックジャック「彼もあの後私が本当にピノコを縫い合わせるとは思わなかっただろう」

ブラックジャック「しかし、まさかこんなものを作っていたとはな...」




ブラックジャック「笹井...もう一度会ってみるか」

27: 2015/10/29(木) 01:00:59.769 ID:akSfN/zAa.net

~某理化学研究所~

ワイワイ...ガヤガヤ...

ブラックジャック「ということで来てみたは良いがやはりマスコミが沢山居て入れそうもないな...どうしたものか」

ポンポン
研究員「もしかしてあなたがブラックジャック先生ですか?」

ブラックジャック「ん?そうだが」

研究員「あなたがここに現れると聞いてお待ちしておりました。私が笹井先生のところまでご案内します」

ブラックジャック「待て待て、俺はここに来るなんて一度も....」

研究員「えぇ!?しかし笹井先生がそうおっしゃられて...」

ブラックジャック「(やはり読まれていたか)」

研究員「ささ、こちらに関係者用通路がございます」

ブラックジャック「分かった。ご案内どうもありがとう」

28: 2015/10/29(木) 01:07:54.892 ID:akSfN/zAa.net
カンカンカンカン

カンカンカン


ブラックジャック「ふぅ、どうやらこの部屋みたいだな」

トントントン
ガチャ

笹井「...いつか来ると思っていたよ」

ブラックジャック「お久しぶりです、笹井先生」

笹井「なんだかしこまって...まぁゆっくりしたまえ」

ブラックジャック「それにしてもとんでもないことをしたものですね、先生」

笹井「とんでもないことなんて酷い言い草だな。君の患者を治せる手段を見つけたというのに」

ブラックジャック「あの子の件ですがね、私が治しましたよ」

29: 2015/10/29(木) 01:08:52.426 ID:akSfN/zAa.net
笹井「.....一体どういう方法で治したというんだ」

ブラックジャック「あの時言ったままですよ。身体のパーツはそっくりそのままあったんで人間の形に縫ったんです」






笹井「......フフフ」

ブラックジャック「何がおかしいんです?」

笹井「君も気付いてしまったのか、生命というのは複雑に見えて実は非常に単純明快であることを」

30: 2015/10/29(木) 01:16:53.821 ID:akSfN/zAa.net
笹井「君の顔を見れば分かるよ。私の...いや、私の"共同研究者"が開発したあれに対して疑いを持っているんだろう?」

笹井「しかし、よく考えてみろ。君が行った手術も非常に滑稽に聞こえるじゃないか。人体のパーツを縫い合わせれば人間が復活する?そんなこと誰も信じないだろう」

笹井「私も君と同じだよ、単純に、そして人体の真理に近づいたんだ...そして君が来たことによって私の研究は完成する...」

ブラックジャック「...何を企んでいるのですか?」

笹井「数年前のその子、もし完全な肉体を手に入れることができれば、私の実績は完璧だ...何せ人間を再生するんだ」

ブラックジャック「!!!もしかしてピノコに何か」

笹井「なあに、君の家に私の友人がちょっとお邪魔させて貰ったよ。それに君が来たこの通路は関係者用じゃない、君だけの専用の通路だよ。





治療が終わるまで私と一緒にいてもらうために特別に工事した、ね」

31: 2015/10/29(木) 01:19:31.564 ID:akSfN/zAa.net
ブラックジャック「謀ったな!!!」

笹井「待て待て、なぜそんなに怒るんだ。君の患者が治るというのに」

笹井「それに私はこの実績を自分だけのものにするつもりはない。君も勿論共同研究者として加えるつもりだよ」

笹井「一世一代のチャンスじゃないか、医師免許が無い君もこれでやっと世界に認めらr」

ブラックジャック「そんなことを言っているんじゃない!!」

笹井「ひっ」

32: 2015/10/29(木) 01:22:34.613 ID:akSfN/zAa.net
ブラックジャック「確かにあんたはピノコを治してくれる、神に等しい技術を開発したのかもしれない」

ブラックジャック「しかし治療を受けるかどうかを決めるのは患者の意志だ!医者や研究者が実績だのなんだの...自分のエゴで患者を実験台にするんじゃない!」

ブラックジャック「誘拐まがいのことをしてピノコに手を出したらただじゃおかないからな!!!!」


笹井「ひぃ...そんなに詰め寄るなって...分かった...もう少し話し合おう...な?」









ドンドンドンドン!!!
研究員「先生!開けてください!大変なことになりました!」

33: 2015/10/29(木) 01:26:19.809 ID:akSfN/zAa.net
笹井「な、なんだ君たちは騒がしい...」

ガチャ

研究員「大変です!STAP細胞の研究が...全て、全て...もう終わりです...」

笹井「どういうことだ!説明しろ!」

研究員「あの研究は...無かったんです!元々無かったんです!もう私たちはおしまいです!」

笹井「何!?!?無かったなんて...それは...そんなはずは...私がずっと研究してきたものは...」


ブラックジャック「一体どういうことなんですかね?先生。私は世間を巻き込んだ大きな学芸会を見に来た訳じゃないんだが」

プルルル...プルルル...
ブラックジャック「(ん...山田野先生?)」

34: 2015/10/29(木) 01:29:41.586 ID:akSfN/zAa.net
ピッ
ブラックジャック「私です。先生どうしたんですか?」

山田野「いやぁ、君がね、この論文のこと気になるっていうからワシが色々調査してたんじゃが」

山田野「この論文、読んだことがある箇所があってね。おかしいと思ってデータも見たらこりゃびっくり、ハリボテだよ」

山田野「君が言う通りじゃった。これは完全な"不正"だよ。STAP細胞なんてもんは無かったんじゃ。ワシは怒りのあまりマスコミにたれこんじまったよ」

ブラックジャック「そうですか、教えて頂きありがとうございました」




ガチャ


ブラックジャック「さぁ、説明してもらいましょうか」

35: 2015/10/29(木) 01:32:56.097 ID:akSfN/zAa.net
ブラックジャック「...って笹井先生がいないじゃないか!君たち、どこに逃がしたというんだ」

研究員「それが...さっき突然この部屋を飛び出して...この通路は先生が直接工事に関わっていたもので、この部屋に繋がる通路以外は我々も...」

ブラックジャック「ええい役立たず!私が探しに行く!お前らは誘拐した私の妻を早く解放しろ!」

ブラックジャック「もし妻の身に何かがあったらお前らを細胞の一個一個になるまで切り刻んでやるからな!」

研究員「わわわわわわわわわわ分かりましたああああああああああああああああああああああ」

36: 2015/10/29(木) 01:34:27.936 ID:akSfN/zAa.net
笹井「もう...終わりだ....」

笹井「私は...私の研究は...なぜ...」

笹井「あの女を信用したばかりに...私は...もっと冷静になれば...」





笹井「ここなら...まだ誰も来ない...」


...........................

37: 2015/10/29(木) 01:36:17.750 ID:akSfN/zAa.net
ブラックジャック「せんせーーーーーーーーーい!!!どこに居るんですか!先生!!!!」

ブラックジャック「マズいな...このまま見つからないと...何かもっと悪いことが起きる気がする」








ブラックジャック「そこにいらっしゃったんですか、先生...............あっ!」

38: 2015/10/29(木) 01:40:10.983 ID:akSfN/zAa.net
ブラックジャック「先生!なんでこんなバカなことを........息はしてない、心臓も止まっている」

ブラックジャック「だがまだ助かるかもしれない、すぐに手術をしなくては」






ブラックジャック「誰かいるか!すぐにオペの準備をしてくれ!」





~完~

39: 2015/10/29(木) 01:42:04.816 ID:akSfN/zAa.net
こんな時間まで見てくれた人ありがとう。ブラックジャックは小さい時に読んだっきりだけど、もしあの時に彼がいたらどうなってたかなって思って書いた。
あの事件に関わった人には関係ないし、この話は全てフィクションで実在の人物や団体には関係無いよ。
一応書いておかないと怖いからね。

じゃあみんなヤングブラックジャック見ようね。原作は手塚リスペクトが多くてとても面白いよ。

40: 2015/10/29(木) 01:43:51.614 ID:19oWDOJe0.net
おつ

引用: ブラックジャック「STAP細胞...?」