P「そんなにやりたいなら昨日やればよかったのに」

心「昨日はあれやこれや仕事とか用事とか詰まってて時間取れなかったし♪」

P「ああいうのは決まった日にするのがいいんじゃないですか？　11月11日、ポッキーの日って」

心「ちっちっち♪わかってないなあプロデューサーは！」

心「笑っちゃうほどスウィーティーだぜ☆」

P「なんかの決め台詞ですかそれ」

心「今日は何月何日？」

P「11月12日ですが」

心「と、素人はそう答えるわけなんだけど♪」

P「なんかイラッとくるぜ」

心「実は今日は昨日以上にポッキーの日なんだぞ☆」

P「どうしてです？」

心「11月12日、分解すると11月11プラス1日！」

心「なんとポッキーが5本も♪」

P「世界広しと言えど、そんな無茶苦茶な考え方するアイドルはあなたくらいでしょうね」

P「ポジティブなのは嫌いじゃないですけど」

心「やん♪照れる☆」

P「そんな褒めてないです」

P「とりあえず是が非でもポッキーゲームしたい気持ちは伝わってきました」

心「ならばよし♪早速ポッキーを……あれ？」

心「ここの棚に置いてたポッキーは？」

P「ああ、それなら昨日みんながポッキーゲームに使ってましたよ？」

心「なん……だと……？」

P「あ、もしかして心さんが買ってきたやつでしたか」

心「せっかく10日前から準備しておいて楽しみにしてたのに……」ｼｸｼｸ

P「遠足前の小学生よりお菓子の用意早いですね」

心「ほかに、ほかになんかないの？　トッポでもプリッツでもなんでもいいから！」

P「そうですね……」ｶﾞｻｶﾞｻ

P「あ、これなんかどうですか」

心「あった！？」

P「はい」

つ　じゃがりこ


心「ポッキーじゃない！」

P「いや、この際棒状のお菓子ならセーフかと」

心「むむむ……スウィーティーじゃない」ﾌﾞｰﾌﾞｰ

P「まあ甘い系のお菓子ではないですね」

心「味の話じゃないぞ☆」ｼﾞﾄｰ

心「こうなったら今からコンビニに行って」

P「もうすぐ撮影の時間ですよ。そんな時間あるかな……」

心「ぐぬぬ………」

P「アイドルがしちゃいけない顔になりかけてる」

心「……しょうがないな♪じゃがりこゲーム、いえーい☆」

P「妥協しましたね」

心「妥協いえーい☆」

心「つーことで、はやいとこ始めちゃおう♪」

心「はい、じゃがりこくわえてくわえて♪」

P「了解です」ﾊﾟｸ

心「で、はぁとが反対側くわえて☆」

P「………」

心「………」

P・心「（じゃがりこ、最初から距離近いな……）」

P「（心さんの顔がいきなり近い……）」

心「（やばっ。勢いで入ったせいで思った以上に心の準備が）」

P「（こうして見ると美人なんだよな……肌もきれいだし、目も）」

心「（お、落ち着けはぁと。とにかく、このまま見つめ合っていてもゲームにならない）」

P「（とりあえず距離を詰めるか……）」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

心「（と、とにかく少しずつかみ砕いて）」

心「………」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

ガリ！　バリ！　ガリ！　ボリ！


心「………」


ジャガ！　リコ！　ジャガ！　リコ！


心「って、音でかいわ！　スウィーティーな雰囲気ぶち壊し！」ｳｶﾞｰｯ

P「そりゃあ、じゃがりこですし。固いから強く噛まないとダメですし」

P「というか、先に口離したから心さんの負けですよ」

心「しまったー！」

P「芸人魂がツッコミを拒否できなかったのが敗因ですね」

心「まさかこんな形で終わってしまうとは……って」

心「だ・れ・が・芸人だってー？　もっぺん言ってみ☆」

P「いはいいはい頬つねらないで」

P「というわけでじゃがりこゲームは終わりです。撮影に行く準備しましょう」

心「えー？　もう一回できないのー？」

P「キリがなさそうなんで」

P「（あと俺が恥ずかしいんで）」

心「勝ち逃げだー、ぶーぶー☆」

P「残りのじゃがりこあげるから許してください」

心「そんなんじゃ納得できないぞ☆」ﾊﾞﾘﾎﾞﾘ

P「でも食べるんですね」

心「こうなったら明日！　明日こそちゃんとポッキー用意してリベンジ♪」

P「明日って、もう13日ですよ……11月11＋1＋1日とでも言うつもりですか」

心「おう☆」

心「というかよく考えたら、『＋』ってポッキー2本がクロスしてるから……明日はポッキー合計10本♪」

P「なんて強欲な人だ」

心「照れる☆」

P「だから褒めてないですって」

P「というか、今さら聞きますけど」

心「うん？」

P「ポッキーゲーム、最後までいったらキスすることになるんですよ？　いいんすか」

心「………」

心「はっ！？」

P「え、気づいてなかったんすか」

心「いやさすがにそれは冗談♪」

P「ですよね、びっくりした」

心「ぶっちゃけた話すると、ほんとにキスしそうになったら無理やり切り上げるつもりだったし☆」

P「……なるほど」

心「ん？　ひょっとしてー、ほんとは最後まで行ってほしかった？」

心「はぁとに口づけしてほしかったー？」

P「べ、べつにそういうわけじゃ」

心「ほんとかなー♪　ニヤニヤ☆」

P「ノーコメント、ノーコメントで！　ほら、撮影行きますよ」

心「かわいいなあ、Pは♪」ﾂﾝﾂﾝ

P「（くっ、いつの間にか完全に心さんのペースに呑まれている……）」

P「こうなれば……」

心「どうなのかなー☆」

P「心さん」ｽﾞｲｯ

心「ん？　どうしたの、いきなり顔近づけて」

P「いつか本気で唇奪いますよ」

心「………」


心「……な、なあっ！？」ｶｱｧ

P「（よし、一矢報いたな）」ｶﾞｯﾂﾎﾟ

心「い、いまなんて」

P「だから、いつか本気であなたの唇を奪うと」


ピッ


P「ピッ？」

心「今の、ケータイで録音しといたから言質とったぞ☆」

P「！？」


おしまい

終わりです。お付き合いいただきありがとうございました
昨日がポッキーの日だと気づいたのが昨日の夜だったので、開き直って一日遅れというネタで書きました
真面目にポッキーゲームする話書こうとも思いましたが、しゅがはさんなのでこんな話に

健康的はぁとキックは威力65で相手のすばやさを一段階下げそう

言い忘れてました
一応↓の続編という形でした（話自体はそれぞれで完結しています）
モバP「先輩！　なにしてんすか！」　心「え゛」

読み返してきたわ、いつ読んでもよくまとまってるいいSSだなあ
恋人になっても心さんとPが互いにリードしようちするのに肝心なトコまでは進めない関係が好きです
乙