204:◆58jPV91aG. 2009/10/22(木) 17:42:59.57 ID:vjZ8y7M0
みなさん、ありがとうございます。
低速になりますが、ご了承ください
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第一章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第二章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第三章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第四章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第五章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第六章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」最終章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第2部【その1】
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第2部【その2】
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第2部【その3】
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第2部【最終話】
低速になりますが、ご了承ください
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第一章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第二章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第三章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第四章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第五章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第六章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」最終章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第2部【その1】
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第2部【その2】
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第2部【その3】
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第2部【最終話】
205: 2009/10/22(木) 17:44:13.79 ID:vjZ8y7M0
イャンクック 「旧沼地で人間を拾ったんだが」
外伝 ~砦ドラゴンと少女~ 1
―クックの巣―
クック 「ふぁぁぁ……あ゛っ! 最近この辺りも寒くなってきたな」
少女 「おじさん、毛布が出来たよ!(バサッ)」
クック 「おお。少女は器用だな。私にもそのような指があれば手伝ってやれたのだが」
少女 「大丈夫。ハンマーさん達が、色々生活に役立つものをくれたから、心配ないよ」
少女 「うーん……まだ少し薄いかな……」
少女 「ナナ先生のたてがみが、まだちょっとあまってるから詰めてみよう」
クック 「少女、火の加減はどうだい? 寒かったらもう少し薪を足そう」
少女 「オオナズチさんがまた新しい皮をくれたから、私はへっちゃらだよ」
クック 「いや、風邪を引いたら困る。それならもっと私の近くに寄りなさい」
少女 「うん(ごそごそ)おじさんは寒くない?」
クック 「私は大丈夫。皮が厚いからな」
外伝 ~砦ドラゴンと少女~ 1
―クックの巣―
クック 「ふぁぁぁ……あ゛っ! 最近この辺りも寒くなってきたな」
少女 「おじさん、毛布が出来たよ!(バサッ)」
クック 「おお。少女は器用だな。私にもそのような指があれば手伝ってやれたのだが」
少女 「大丈夫。ハンマーさん達が、色々生活に役立つものをくれたから、心配ないよ」
少女 「うーん……まだ少し薄いかな……」
少女 「ナナ先生のたてがみが、まだちょっとあまってるから詰めてみよう」
クック 「少女、火の加減はどうだい? 寒かったらもう少し薪を足そう」
少女 「オオナズチさんがまた新しい皮をくれたから、私はへっちゃらだよ」
クック 「いや、風邪を引いたら困る。それならもっと私の近くに寄りなさい」
少女 「うん(ごそごそ)おじさんは寒くない?」
クック 「私は大丈夫。皮が厚いからな」
206: 2009/10/22(木) 17:45:11.29 ID:vjZ8y7M0
クック 「ん?」
少女 「おじさん?」
クック 「誰かが登ってくる。大きい足音が二つだ」
少女 「! きっとティガさんたちだ!」
クック 「夜も遅いというのに、どうしたんだろう」
少女 「私、お迎えに行ってくる」
クック 「待ちなさい。私も一緒に行こう」
少女 「うん………………わ、ここでも雪が降ってる……」
クック 「道理で寒いわけだ。樹海ももう冬か……」
クック 「ン……少女の勘はすごいな。ティガ君たちだ」
ティガ兄 「ふぅ……ふぅ……」
ティガ弟 「兄者。最近少し太りすぎなんじゃないか?」
ティガ兄 「じゃぁかしいわ。冬に備えて……脂肪を蓄えてる……計画的な増量と言え……」
ティガ弟 「こんな坂ぐらいで息切れしてたら、これからやってけねぇよ」
ティガ弟 「俺たちの無敗伝説に傷がつくようなことがあったら、兄弟コンビ解散だぜ?」
ティガ兄 「うるせぇ……てめぇにはわからねぇよ……冬篭りの重要性がなぁ…………!」
ティガ弟 「俺たち冬眠する必要ないじゃん。また、そうやって桜との関係悪化の度に爆食されたらたまんねぇぜ」
少女 「おじさん?」
クック 「誰かが登ってくる。大きい足音が二つだ」
少女 「! きっとティガさんたちだ!」
クック 「夜も遅いというのに、どうしたんだろう」
少女 「私、お迎えに行ってくる」
クック 「待ちなさい。私も一緒に行こう」
少女 「うん………………わ、ここでも雪が降ってる……」
クック 「道理で寒いわけだ。樹海ももう冬か……」
クック 「ン……少女の勘はすごいな。ティガ君たちだ」
ティガ兄 「ふぅ……ふぅ……」
ティガ弟 「兄者。最近少し太りすぎなんじゃないか?」
ティガ兄 「じゃぁかしいわ。冬に備えて……脂肪を蓄えてる……計画的な増量と言え……」
ティガ弟 「こんな坂ぐらいで息切れしてたら、これからやってけねぇよ」
ティガ弟 「俺たちの無敗伝説に傷がつくようなことがあったら、兄弟コンビ解散だぜ?」
ティガ兄 「うるせぇ……てめぇにはわからねぇよ……冬篭りの重要性がなぁ…………!」
ティガ弟 「俺たち冬眠する必要ないじゃん。また、そうやって桜との関係悪化の度に爆食されたらたまんねぇぜ」
207: 2009/10/22(木) 17:46:04.00 ID:vjZ8y7M0
―クックの巣、玄関―
少女 「ティガさんたち、こんばんは!」
ティガ兄 「うわぁびっくらこいた!」
ティガ弟 「ンだコラァ! ヤんのかオルァ!!」
クック 「おいおい、久しぶりだというのに突然どうしたんだ」
ティガ弟 「何だ、少女とおっさんか。おどかすなよ」
ティガ弟 「とりあえずびっくりしたら威嚇することにしてんだよ」
ティガ兄 「それが俺たちのライフスタイルだ」
クック 「そうかそうか。ここじゃ冷えるだろう。家に入らないか?」
ティガ兄 「願ったりだ。こちとらこの零下の中飛んできたから、すっかり冷え込んじまった」
ティガ弟 「今年の寒さは異常だぜ。見ろ。鼻水が凍って息が苦しい」
少女 「お家の中には焚き火もあるから、あったかいよ」
ティガ兄 「ひゅぅ! おめぇらのとこに来て正解だぜ!」
ティガ弟 「いきなり元気になったな兄者。だが火に当たれるのは嬉しいぜ」
少女 「本当。鼻の先が凍ってる……」
クック 「少女、中に入ろう。ティガ君たちもおいで。狂走エキスの酒でも飲めば、一気に寒さなんて吹っ飛ぶさ」
ティガ兄 「ああ。寒さが洒落になんねぇ。お言葉に甘えさせてもらうぜ」
ティガ弟 「俺も甘えさせてもらうぜ」
少女 「ティガさんたち、こんばんは!」
ティガ兄 「うわぁびっくらこいた!」
ティガ弟 「ンだコラァ! ヤんのかオルァ!!」
クック 「おいおい、久しぶりだというのに突然どうしたんだ」
ティガ弟 「何だ、少女とおっさんか。おどかすなよ」
ティガ弟 「とりあえずびっくりしたら威嚇することにしてんだよ」
ティガ兄 「それが俺たちのライフスタイルだ」
クック 「そうかそうか。ここじゃ冷えるだろう。家に入らないか?」
ティガ兄 「願ったりだ。こちとらこの零下の中飛んできたから、すっかり冷え込んじまった」
ティガ弟 「今年の寒さは異常だぜ。見ろ。鼻水が凍って息が苦しい」
少女 「お家の中には焚き火もあるから、あったかいよ」
ティガ兄 「ひゅぅ! おめぇらのとこに来て正解だぜ!」
ティガ弟 「いきなり元気になったな兄者。だが火に当たれるのは嬉しいぜ」
少女 「本当。鼻の先が凍ってる……」
クック 「少女、中に入ろう。ティガ君たちもおいで。狂走エキスの酒でも飲めば、一気に寒さなんて吹っ飛ぶさ」
ティガ兄 「ああ。寒さが洒落になんねぇ。お言葉に甘えさせてもらうぜ」
ティガ弟 「俺も甘えさせてもらうぜ」
208: 2009/10/22(木) 17:47:24.61 ID:vjZ8y7M0
―クックの巣―
ティガ兄 「………………ぷはぁ! あったまったぁ!」
ティガ弟 「火とお湯で酒を熱くするなんて、少女は器用なことしやがるぜ!!」
クック 「私も、このような方法があることを聞いて驚いたよ」
少女 「里の人が教えてくれたの。こうすると、普通にお酒を飲むよりあったまるって」
ティガ兄 「ケェ! 人間の癖に時たま役に立ちやがる!」
ティガ弟 「やっと鼻が通った。息が出来るぜ!」
クック 「そうだ、先日トトスさんにもらった、珍しいオオシッポガエルがあるんだが、食べるかい?」
ティガ兄 「何ィ!? オオシッポガエルがあるのか!?」
クック 「我が家ではカエルは食べなくてね。干物にしておいたんだが、よければ火で炙ろう」
ティガ弟 「あー……兄者は今減量中だから。俺が食うわ」
ティガ兄 「じゃかしゃぁわ! 減量がなんぼものんじゃい! 減量が恐くてメシが食えるかってんだよ」
ティガ弟 「兄者。言ってることが遂に滅茶苦茶だぜ」
少女 「お兄さんも食べるの? じゃあ二つ焼くね」
ティガ兄 「ひゃぁ! ついてるぜ!」
ティガ弟 「はぁ……」
ティガ兄 「………………ぷはぁ! あったまったぁ!」
ティガ弟 「火とお湯で酒を熱くするなんて、少女は器用なことしやがるぜ!!」
クック 「私も、このような方法があることを聞いて驚いたよ」
少女 「里の人が教えてくれたの。こうすると、普通にお酒を飲むよりあったまるって」
ティガ兄 「ケェ! 人間の癖に時たま役に立ちやがる!」
ティガ弟 「やっと鼻が通った。息が出来るぜ!」
クック 「そうだ、先日トトスさんにもらった、珍しいオオシッポガエルがあるんだが、食べるかい?」
ティガ兄 「何ィ!? オオシッポガエルがあるのか!?」
クック 「我が家ではカエルは食べなくてね。干物にしておいたんだが、よければ火で炙ろう」
ティガ弟 「あー……兄者は今減量中だから。俺が食うわ」
ティガ兄 「じゃかしゃぁわ! 減量がなんぼものんじゃい! 減量が恐くてメシが食えるかってんだよ」
ティガ弟 「兄者。言ってることが遂に滅茶苦茶だぜ」
少女 「お兄さんも食べるの? じゃあ二つ焼くね」
ティガ兄 「ひゃぁ! ついてるぜ!」
ティガ弟 「はぁ……」
209: 2009/10/22(木) 17:48:43.19 ID:vjZ8y7M0
クック 「ところで、どうしてこんな夜遅く? 君たちは、今はレウスさんのところで暮らしてるんじゃなかったかい」
ティガ弟 「いや、たいしたことはねぇ。桜レイアと兄者がまた喧嘩してな」
クック 「あぁ……またなのかい」
ティガ兄 「っるせぇ! 俺は何も悪くねぇ!」
ティガ弟 「はいはい。分かった分かった」
ティガ兄 「少し太ったくらいで何だ! 家の半分を吹っ飛ばすくらい俺、悪いことしたか!?」
少女 「半分……」
ティガ弟 「でも俺から見ても兄者は太りすぎだぜ。桜はそういうのに敏感だからな……」
ティガ弟 「おまけにレイアさんの血を受け継いで凶暴ときてる。たまんねぇよ」
ティガ兄 「てめぇ! 桜レイアちゃんの悪口を言うな!!」
ティガ弟 「おいおい、俺は、じゃあどうすればいいんだよ」
ティガ弟 「元はといえば、兄者が……桜がダイエットの終わりに食べようとしてた極上モスの肉を勝手に食ったから……」
ティガ兄 「畜生。何だよ。何か異様に腹が立つぜ。モスの肉が何だ! 極上も並も大してかわンねぇだろうが」
ティガ兄 「おい少女。それに俺はそんなに太ったか!?」
少女 「弟さんと見分けがつくから、私はそれでいいと思うよ」
ティガ弟 「マジでか!? 遂に少女にさえ見分けられるようになっちまったぜ!!」
少女 「だってお兄さんの方が一回り大きいもん」
ティガ弟 「いや、たいしたことはねぇ。桜レイアと兄者がまた喧嘩してな」
クック 「あぁ……またなのかい」
ティガ兄 「っるせぇ! 俺は何も悪くねぇ!」
ティガ弟 「はいはい。分かった分かった」
ティガ兄 「少し太ったくらいで何だ! 家の半分を吹っ飛ばすくらい俺、悪いことしたか!?」
少女 「半分……」
ティガ弟 「でも俺から見ても兄者は太りすぎだぜ。桜はそういうのに敏感だからな……」
ティガ弟 「おまけにレイアさんの血を受け継いで凶暴ときてる。たまんねぇよ」
ティガ兄 「てめぇ! 桜レイアちゃんの悪口を言うな!!」
ティガ弟 「おいおい、俺は、じゃあどうすればいいんだよ」
ティガ弟 「元はといえば、兄者が……桜がダイエットの終わりに食べようとしてた極上モスの肉を勝手に食ったから……」
ティガ兄 「畜生。何だよ。何か異様に腹が立つぜ。モスの肉が何だ! 極上も並も大してかわンねぇだろうが」
ティガ兄 「おい少女。それに俺はそんなに太ったか!?」
少女 「弟さんと見分けがつくから、私はそれでいいと思うよ」
ティガ弟 「マジでか!? 遂に少女にさえ見分けられるようになっちまったぜ!!」
少女 「だってお兄さんの方が一回り大きいもん」
210: 2009/10/22(木) 17:49:35.64 ID:vjZ8y7M0
クック 「……それで喧嘩の末家を飛び出してきたっていうわけか」
ティガ弟 「まぁこんな時間だからフルフルばばあの所には行けねぇしな」
ティガ兄 「おめぇらならお手ごろかと思ったわけよ」
少女 「はい。オオシッポガエルが焼けたよ」
ティガ兄 「びゃぁぁぁ! 肉汁が滴るぜ!!」
ティガ弟 「鼻が通ったら、濃厚な肉の臭いが飛び込んできやがった……!!」
少女 「カエル、美味しい?」
ティガ兄 「(もぐもぐ)この弾力がたまんねぇ!!」
ティガ弟 「(もぐもぐ)オオシッポガエルなんて滅多に獲れるもんじゃねぇから、久しぶりだぜ」
ティガ弟 「(もぐもぐ)カエルを食わねぇなんて、お前らは不幸せな人生を歩んでるンだな」
クック 「はは。オオシッポガエルほどじゃないが、トトスさんがくれる釣りカエルなら干してあるのがまだある」
クック 「何なら食べていってくれていいよ」
少女 「私、とってくる」
クック 「転ばないように気をつけてな」
ティガ兄 「(げぷぅ)ふぅ。ンまかった。しかしこの『火』ってやつは便利だな」
ティガ弟 「(げぷぅ)俺らももっと早く使ってればよかったな」
クック 「いや、どうにも焚き火を起こして、そして『料理』をするというのは難しくてね……」
クック 「少女ほどの器用さがないと、私たちモンスターでは無理だろうと思う」
ティガ弟 「まぁこんな時間だからフルフルばばあの所には行けねぇしな」
ティガ兄 「おめぇらならお手ごろかと思ったわけよ」
少女 「はい。オオシッポガエルが焼けたよ」
ティガ兄 「びゃぁぁぁ! 肉汁が滴るぜ!!」
ティガ弟 「鼻が通ったら、濃厚な肉の臭いが飛び込んできやがった……!!」
少女 「カエル、美味しい?」
ティガ兄 「(もぐもぐ)この弾力がたまんねぇ!!」
ティガ弟 「(もぐもぐ)オオシッポガエルなんて滅多に獲れるもんじゃねぇから、久しぶりだぜ」
ティガ弟 「(もぐもぐ)カエルを食わねぇなんて、お前らは不幸せな人生を歩んでるンだな」
クック 「はは。オオシッポガエルほどじゃないが、トトスさんがくれる釣りカエルなら干してあるのがまだある」
クック 「何なら食べていってくれていいよ」
少女 「私、とってくる」
クック 「転ばないように気をつけてな」
ティガ兄 「(げぷぅ)ふぅ。ンまかった。しかしこの『火』ってやつは便利だな」
ティガ弟 「(げぷぅ)俺らももっと早く使ってればよかったな」
クック 「いや、どうにも焚き火を起こして、そして『料理』をするというのは難しくてね……」
クック 「少女ほどの器用さがないと、私たちモンスターでは無理だろうと思う」
211: 2009/10/22(木) 17:50:26.06 ID:vjZ8y7M0
ティガ兄 「ふーん。まぁいいや。あぁ゛~~、和むッ。あったけぇ。俺今日からここに住むわ」
クック 「まぁ、喧嘩が収まるくらいまでなら私はかまわないよ」
少女 「おじさん、カエルこんなに溜まってた(ドサッ)」
ティガ兄 「イエスッ! 今夜はカエルパーリィだ!」
ティガ弟 「あぁもう……兄者、減量の件は……もういいか」
少女 「じゃあ焼くね。お酒ももっと飲む?」
ティガ兄 「じゃんじゃん焼け! 酒も全部だしやがれ! 俺は今飢えてるんだ、愛に!」
ティガ弟 「何言ってんだよ」
クック 「しかしこう寒いと、狩りにも出れないし、体がなまってしまうな。すごい雪だ」
ティガ弟 「だなァ。この前雪山の裏が、積もった雪で崩れて、アゴ野郎に掘りなおしてもらったくらいだ」
クック 「アゴ美さんがここまで出てきたのか。それは大変だったなぁ」
ティガ弟 「レイアさんの家は、色々干しモノとかもあるし快適なんだが、何せ最近兄者と桜が不仲でさ」
ティガ弟 「やれクシャルが色目を使っただの、やれ腹が出てきて気に食わないだの、毎日喧嘩三昧よ」
ティガ兄 「るせぇ。俺は何も悪くねぇ(もぐもぐ)」
クック 「まぁ、若い頃のレイアさんも過激だったと聞くからね。桜ちゃんにもしっかり遺伝してるんだろう」
クック 「(しかし家が半壊か……レウスさんは大丈夫だろうか……)」
クック 「まぁ、喧嘩が収まるくらいまでなら私はかまわないよ」
少女 「おじさん、カエルこんなに溜まってた(ドサッ)」
ティガ兄 「イエスッ! 今夜はカエルパーリィだ!」
ティガ弟 「あぁもう……兄者、減量の件は……もういいか」
少女 「じゃあ焼くね。お酒ももっと飲む?」
ティガ兄 「じゃんじゃん焼け! 酒も全部だしやがれ! 俺は今飢えてるんだ、愛に!」
ティガ弟 「何言ってんだよ」
クック 「しかしこう寒いと、狩りにも出れないし、体がなまってしまうな。すごい雪だ」
ティガ弟 「だなァ。この前雪山の裏が、積もった雪で崩れて、アゴ野郎に掘りなおしてもらったくらいだ」
クック 「アゴ美さんがここまで出てきたのか。それは大変だったなぁ」
ティガ弟 「レイアさんの家は、色々干しモノとかもあるし快適なんだが、何せ最近兄者と桜が不仲でさ」
ティガ弟 「やれクシャルが色目を使っただの、やれ腹が出てきて気に食わないだの、毎日喧嘩三昧よ」
ティガ兄 「るせぇ。俺は何も悪くねぇ(もぐもぐ)」
クック 「まぁ、若い頃のレイアさんも過激だったと聞くからね。桜ちゃんにもしっかり遺伝してるんだろう」
クック 「(しかし家が半壊か……レウスさんは大丈夫だろうか……)」
212: 2009/10/22(木) 17:51:55.25 ID:vjZ8y7M0
少女 「おじさんも何か食べる?」
クック 「そうだな……私たちも夜食としようか。サシミウオがあっただろう?」
少女 「じゃあ、鍋にするね」
ティガ兄 「ナベ?」
少女 「うん。色々入れて、お湯で煮込んでスープにするの」
ティガ弟 「よくわかんねぇが、それで美味くなんのか?」
少女 「美味しくなるっていうか……食べやすくなるかな」
ティガ兄 「よし決まりだ。そのナベってやつにカエル全部入れろ」
少女 「えぇ? カエルはあんまりいいダシがとれないから、焼いた方が美味しいよ」
ティガ兄 「そうなのか? じゃあどっちでもいいからとっとと作れや」
ティガ弟 「いい加減だなぁ兄者は」
クック 「なぁ、最近雪山に行っていないんだが、フルフルさんの様子はどうだい?」
ティガ兄 「あ? あぁ……もうモウロクしたかと思ってたが、ありゃ駄目だ。ベビーフルフルにぞっこんだ」
ティガ弟 「おまけに、俺たちに規律ある、正しい大人の見本になれとかうるせぇんだよ」
ティガ兄 「知ったこっちゃねぇよなぁぁ。俺たちはいつでもッフリーダムッ」
ティガ弟 「兄者は、最近もう少しアンフリーダムになった方がいいぜ」
クック 「そうだな……私たちも夜食としようか。サシミウオがあっただろう?」
少女 「じゃあ、鍋にするね」
ティガ兄 「ナベ?」
少女 「うん。色々入れて、お湯で煮込んでスープにするの」
ティガ弟 「よくわかんねぇが、それで美味くなんのか?」
少女 「美味しくなるっていうか……食べやすくなるかな」
ティガ兄 「よし決まりだ。そのナベってやつにカエル全部入れろ」
少女 「えぇ? カエルはあんまりいいダシがとれないから、焼いた方が美味しいよ」
ティガ兄 「そうなのか? じゃあどっちでもいいからとっとと作れや」
ティガ弟 「いい加減だなぁ兄者は」
クック 「なぁ、最近雪山に行っていないんだが、フルフルさんの様子はどうだい?」
ティガ兄 「あ? あぁ……もうモウロクしたかと思ってたが、ありゃ駄目だ。ベビーフルフルにぞっこんだ」
ティガ弟 「おまけに、俺たちに規律ある、正しい大人の見本になれとかうるせぇんだよ」
ティガ兄 「知ったこっちゃねぇよなぁぁ。俺たちはいつでもッフリーダムッ」
ティガ弟 「兄者は、最近もう少しアンフリーダムになった方がいいぜ」
213: 2009/10/22(木) 17:52:47.31 ID:vjZ8y7M0
少女 「ベビーフルフルちゃん、元気なんだぁ。良かった」
ティガ兄 「ちゃんはねぇだろ。あれでもれっきとしたオスだぜ」
ティガ弟 「まぁオスだかメスだかわかんねぇ顔してやがるがな」
ティガ兄 「違ェねえ。ゲヘヘ!!」
ティガ兄 「そういえば少女、俺の腹の皮が剥けそうだ。やるよ」
少女 「本当!? 嬉しいな。とっていい?」
ティガ兄 「ああ。その代わりジャンジャンカエルを焼け!」
少女 「うん! ここかな?(バリバリ)」
ティガ弟 「兄者は最近成長期過ぎるんだよ。また脱皮か」
ティガ兄 「計画的な増量と言え」
少女 「ティガさんの皮は硬いから、コートに出来るね!」
クック 「良かったな少女。兄君、ありがとう」
ティガ兄 「何、てめえらにはいつもなんだかんだで世話になってるからな」
ティガ弟 「全くだ。ま、俺は今やれるようなものは何一つとしてないがな!!」
クック 「こうやってたまに元気な顔を見せに来てくれるだけでもありがたいことだよ」
ティガ弟 「ケェ。おためごかしで腹は膨れねぇぜ」
ティガ兄 「全くだ(もぐもぐ)ン、こっちの釣りカエルもイケるぜ!」
ティガ弟 「(もぐもぐ)カエル食えねぇなんて、おまえらホント残念な人生歩んでるな」
ティガ兄 「ちゃんはねぇだろ。あれでもれっきとしたオスだぜ」
ティガ弟 「まぁオスだかメスだかわかんねぇ顔してやがるがな」
ティガ兄 「違ェねえ。ゲヘヘ!!」
ティガ兄 「そういえば少女、俺の腹の皮が剥けそうだ。やるよ」
少女 「本当!? 嬉しいな。とっていい?」
ティガ兄 「ああ。その代わりジャンジャンカエルを焼け!」
少女 「うん! ここかな?(バリバリ)」
ティガ弟 「兄者は最近成長期過ぎるんだよ。また脱皮か」
ティガ兄 「計画的な増量と言え」
少女 「ティガさんの皮は硬いから、コートに出来るね!」
クック 「良かったな少女。兄君、ありがとう」
ティガ兄 「何、てめえらにはいつもなんだかんだで世話になってるからな」
ティガ弟 「全くだ。ま、俺は今やれるようなものは何一つとしてないがな!!」
クック 「こうやってたまに元気な顔を見せに来てくれるだけでもありがたいことだよ」
ティガ弟 「ケェ。おためごかしで腹は膨れねぇぜ」
ティガ兄 「全くだ(もぐもぐ)ン、こっちの釣りカエルもイケるぜ!」
ティガ弟 「(もぐもぐ)カエル食えねぇなんて、おまえらホント残念な人生歩んでるな」
214: 2009/10/22(木) 17:53:41.17 ID:vjZ8y7M0
少女 「私たちはお魚で大丈夫だもん。おじさん、サシミウオのスープが出来たよ」
クック 「どれ、私たちも食事としようか」
少女 「うん!」
クック 「(ズズズズ)うむ、美味い」
少女 「美味しいね!」
少女 「食べ終わったら、早速コートを作るよ!」
ティガ兄 「ああ作れ作れ。ふぅ。腹の剥けかけ皮が消えてすっきりしたぜ」
ティガ弟 「それにしてもスゲェ雪だ。洞窟の奥だってのに、ここまで吹き込んできやがる」
クック 「砂漠の方も、今年は寒波に襲われているらしいな」
少女 「うん。紫ちゃん達はお家を旧火山に移したって、この前言ってた」
ティガ兄 「ケッ。弱い奴らだぜ。大体俺はカニは好かね……はっ、バッ……ぶえっくしょ!!」
ティガ弟 「おいおい、唾こっちに飛ばすなよ」
ティガ兄 「ああ、すまねぇ(ズズ)」
クック 「風邪かい? 外で体を冷やしすぎたんだね」
ティガ兄 「バッカ言ってんじゃねぇ。俺様が風邪になんてやられ……ぶっくしょ!!」
少女 「これ、今私が作った毛布なの。お兄さんにかけてあげるね」
ティガ兄 「何ィ? モウフって何だ?」
少女 「これ(バサッ)」
ティガ兄 「おお、こりゃ快適だ。あったけぇぜ!!」
ティガ弟 「すまねぇな。あれお前が寝るときに使うんじゃねぇのか」
少女 「私はおじさんと寝るから大丈夫だよ」
クック 「どれ、私たちも食事としようか」
少女 「うん!」
クック 「(ズズズズ)うむ、美味い」
少女 「美味しいね!」
少女 「食べ終わったら、早速コートを作るよ!」
ティガ兄 「ああ作れ作れ。ふぅ。腹の剥けかけ皮が消えてすっきりしたぜ」
ティガ弟 「それにしてもスゲェ雪だ。洞窟の奥だってのに、ここまで吹き込んできやがる」
クック 「砂漠の方も、今年は寒波に襲われているらしいな」
少女 「うん。紫ちゃん達はお家を旧火山に移したって、この前言ってた」
ティガ兄 「ケッ。弱い奴らだぜ。大体俺はカニは好かね……はっ、バッ……ぶえっくしょ!!」
ティガ弟 「おいおい、唾こっちに飛ばすなよ」
ティガ兄 「ああ、すまねぇ(ズズ)」
クック 「風邪かい? 外で体を冷やしすぎたんだね」
ティガ兄 「バッカ言ってんじゃねぇ。俺様が風邪になんてやられ……ぶっくしょ!!」
少女 「これ、今私が作った毛布なの。お兄さんにかけてあげるね」
ティガ兄 「何ィ? モウフって何だ?」
少女 「これ(バサッ)」
ティガ兄 「おお、こりゃ快適だ。あったけぇぜ!!」
ティガ弟 「すまねぇな。あれお前が寝るときに使うんじゃねぇのか」
少女 「私はおじさんと寝るから大丈夫だよ」
215: 2009/10/22(木) 17:54:33.86 ID:vjZ8y7M0
クック 「うむ。しかし風邪に効く薬は……あったかな……」
少女 「ヤマツカミ様なら持ってそうだけれど……」
クック 「こう寒波ではヤマツカミ様も外には出れないだろうな……」
クック 「そうだ、風邪にはニトロダケとロイヤルカブトの粉末が効くと、昔聴いたことがある」
少女 「それなら奥の方にしまってあったはずだよ。とってくる!」
クック 「ああ、頼む」
ティガ兄 「(ズズ……)あぁ゛~……酔っ払ってきたら体が重くなってきやがったぜ」
ティガ弟 「マジで風邪引いたのかよ。おいおいおい、無敵の俺たちが病原菌に負けてちゃ話になんねぇよ」
ティガ兄 「うるせぇ……誰が病原菌に負けるか……(ズズ……)」
クック 「まぁ、無理はしない方がいいだろう」
少女 「おじさん、あったよ。ロイヤルカブトも干したのがあった!」
少女 「ヤマツカミ様なら持ってそうだけれど……」
クック 「こう寒波ではヤマツカミ様も外には出れないだろうな……」
クック 「そうだ、風邪にはニトロダケとロイヤルカブトの粉末が効くと、昔聴いたことがある」
少女 「それなら奥の方にしまってあったはずだよ。とってくる!」
クック 「ああ、頼む」
ティガ兄 「(ズズ……)あぁ゛~……酔っ払ってきたら体が重くなってきやがったぜ」
ティガ弟 「マジで風邪引いたのかよ。おいおいおい、無敵の俺たちが病原菌に負けてちゃ話になんねぇよ」
ティガ兄 「うるせぇ……誰が病原菌に負けるか……(ズズ……)」
クック 「まぁ、無理はしない方がいいだろう」
少女 「おじさん、あったよ。ロイヤルカブトも干したのがあった!」
216: 2009/10/22(木) 17:55:25.31 ID:vjZ8y7M0
ティガ弟 「お前ら何でも干すんだな」
少女 「これを、すり鉢に入れてゴリゴリするね」
クック 「うむ。少女に任せるよ」
クック 「ん?」
ティガ弟 「……ンン?」
クック 「何だ、今日は忙しい日だな」
ティガ弟 「誰か来るぜ」
少女 「誰だろ? 吹雪もすごいのに」
クック 「私が見てこよう。みんなはここでゆっくりしていてくれ」
少女 「うん、お兄さんの薬作ってる」
ティガ弟 「言葉に甘えさせてもらうぜ。レイアさん家の誰かだったら、俺らは氏んだって伝えてくれ」
クック 「はは、まぁ程ほどに話をしておくよ」
少女 「これを、すり鉢に入れてゴリゴリするね」
クック 「うむ。少女に任せるよ」
クック 「ん?」
ティガ弟 「……ンン?」
クック 「何だ、今日は忙しい日だな」
ティガ弟 「誰か来るぜ」
少女 「誰だろ? 吹雪もすごいのに」
クック 「私が見てこよう。みんなはここでゆっくりしていてくれ」
少女 「うん、お兄さんの薬作ってる」
ティガ弟 「言葉に甘えさせてもらうぜ。レイアさん家の誰かだったら、俺らは氏んだって伝えてくれ」
クック 「はは、まぁ程ほどに話をしておくよ」
217: 2009/10/22(木) 17:56:16.13 ID:vjZ8y7M0
―クックの巣、玄関―
クック 「ん? あれは……」
キリン 「おじ様、ごきげんよう! 夜分遅くに失礼だとは思ったのだけれど……」
クック 「キリンちゃん! それに背中に……」
キングチャチャブー 「…………」
クック 「珍しい組み合わせだな。どうしたんだい?」
キリン 「キングのおじ様と、ふもとの海岸で偶然鉢合わせしたの。あそこからなら、おじ様の家が一番近いから……」
キングチャチャブー 「邪魔するぜ……」
クック 「ああ、かまわないよ。先客がいるけれど気にしないでくれ」
キリン 「あ、おじ様。これ、ゲリョス君から預かってた狂走エキス。お酒に使ってくださる?」
クック 「おおありがたい。在庫がなくなっていたところなんだ」
キングチャチャブー 「とにかく、中に入れろや……こう吹雪いてちゃァ、おちおち話もできやしねぇ」
クック 「そうだな、こっちだ。足元に気をつけて」
クック 「ん? あれは……」
キリン 「おじ様、ごきげんよう! 夜分遅くに失礼だとは思ったのだけれど……」
クック 「キリンちゃん! それに背中に……」
キングチャチャブー 「…………」
クック 「珍しい組み合わせだな。どうしたんだい?」
キリン 「キングのおじ様と、ふもとの海岸で偶然鉢合わせしたの。あそこからなら、おじ様の家が一番近いから……」
キングチャチャブー 「邪魔するぜ……」
クック 「ああ、かまわないよ。先客がいるけれど気にしないでくれ」
キリン 「あ、おじ様。これ、ゲリョス君から預かってた狂走エキス。お酒に使ってくださる?」
クック 「おおありがたい。在庫がなくなっていたところなんだ」
キングチャチャブー 「とにかく、中に入れろや……こう吹雪いてちゃァ、おちおち話もできやしねぇ」
クック 「そうだな、こっちだ。足元に気をつけて」
218: 2009/10/22(木) 17:57:08.58 ID:vjZ8y7M0
―クックの巣―
少女 「わー!! お姉ちゃん!! それにキングさんも!!」
キリン 「少女ちゃん! お久しぶり!!」
キングチャチャブー 「…………」
ティガ弟 「ゲェ! 雷女!!」
ティガ兄 「また俺たちを感電させにきやがったか……!(ズズ……)」
キリン 「あら、地獄兄弟さん達。どうかなさったの?」
キングチャチャブー 「先客たぁ、坊主どものことか」
ティガ弟 「ンだこらァ! やんのかオルァ!」
ティガ兄 「ヤんのかオッ……ゲフッ……! ゴホッ、ゴホッ」
キリン 「まぁ、お兄さん、風邪?」
ティガ弟 「おいおい、雷女にさえも見分けられたぜ。だから兄者、太りすぎだっつぅんだよ」
少女 「今お兄さんのお薬を作ってるところなの」
キリン 「少女ちゃんは何でもできるのねぇ」
クック 「自由に座ってくれ。キング、その焚き火の隅に、お湯に入ったとっくりがあるだろう?」
キングチャチャブー 「…………何してやがるんだこれは」
クック 「熱燗というらしい。暖かい酒だよ。百聞は一見にしかずと言うだろう、飲んでみてくれ」
キングチャチャブー 「(グビリ)……へェ」
キングチャチャブー 「珍しいことしやがる」
少女 「わー!! お姉ちゃん!! それにキングさんも!!」
キリン 「少女ちゃん! お久しぶり!!」
キングチャチャブー 「…………」
ティガ弟 「ゲェ! 雷女!!」
ティガ兄 「また俺たちを感電させにきやがったか……!(ズズ……)」
キリン 「あら、地獄兄弟さん達。どうかなさったの?」
キングチャチャブー 「先客たぁ、坊主どものことか」
ティガ弟 「ンだこらァ! やんのかオルァ!」
ティガ兄 「ヤんのかオッ……ゲフッ……! ゴホッ、ゴホッ」
キリン 「まぁ、お兄さん、風邪?」
ティガ弟 「おいおい、雷女にさえも見分けられたぜ。だから兄者、太りすぎだっつぅんだよ」
少女 「今お兄さんのお薬を作ってるところなの」
キリン 「少女ちゃんは何でもできるのねぇ」
クック 「自由に座ってくれ。キング、その焚き火の隅に、お湯に入ったとっくりがあるだろう?」
キングチャチャブー 「…………何してやがるんだこれは」
クック 「熱燗というらしい。暖かい酒だよ。百聞は一見にしかずと言うだろう、飲んでみてくれ」
キングチャチャブー 「(グビリ)……へェ」
キングチャチャブー 「珍しいことしやがる」
219: 2009/10/22(木) 17:58:16.55 ID:vjZ8y7M0
キリン 「はぁ、さすがに寒くて寒くて。私の雷膜でも防げないほどの寒波よ」
キングチャチャブー 「…………(グビリ)」
クック 「そうかい。海岸ぞいなんて、潮風が強くて出れないだろう」
クック 「二人とも、どうしたんだい?」
キング 「…………難しいことは言わねぇ。てめぇ、ちょっくら今から海岸に下りて手伝え」
クック 「今から? や、私は別に構わないが……」
ティガ弟 「ケェェ! マジかよ。おっさん一人でやれよな。俺たち関係ねー」
キングチャチャブー 「…………」
クック 「何だい? 訳アリなのかい」
キリン 「ええ。私たちじゃ、ちょっと運べなくて……」
クック 「?」
キングチャチャブー 「部族の見張りが発見してな……ついさっきのことだ」
キングチャチャブー 「近くの洞窟には運び込んだんだが、カッチンコッチンに凍ってやがって動かせねぇ」
キングチャチャブー 「生きてることには生きてるみてぇだが」
クック 「話が見えないんだが、とにかく、その海岸に漂着したモノを、私の家に運びこみたいというわけかい?」
キングチャチャブー 「砕けて話しゃぁそういうことだ」
キリン 「おじ様、駄目かしら? 私も、何だか見捨てておけなくて……」
キングチャチャブー 「…………(グビリ)」
クック 「そうかい。海岸ぞいなんて、潮風が強くて出れないだろう」
クック 「二人とも、どうしたんだい?」
キング 「…………難しいことは言わねぇ。てめぇ、ちょっくら今から海岸に下りて手伝え」
クック 「今から? や、私は別に構わないが……」
ティガ弟 「ケェェ! マジかよ。おっさん一人でやれよな。俺たち関係ねー」
キングチャチャブー 「…………」
クック 「何だい? 訳アリなのかい」
キリン 「ええ。私たちじゃ、ちょっと運べなくて……」
クック 「?」
キングチャチャブー 「部族の見張りが発見してな……ついさっきのことだ」
キングチャチャブー 「近くの洞窟には運び込んだんだが、カッチンコッチンに凍ってやがって動かせねぇ」
キングチャチャブー 「生きてることには生きてるみてぇだが」
クック 「話が見えないんだが、とにかく、その海岸に漂着したモノを、私の家に運びこみたいというわけかい?」
キングチャチャブー 「砕けて話しゃぁそういうことだ」
キリン 「おじ様、駄目かしら? 私も、何だか見捨てておけなくて……」
220: 2009/10/22(木) 17:59:11.54 ID:vjZ8y7M0
クック 「誰かが凍っているというなら大事だ。早く温めてあげよう」
クック 「で、誰がそんな目に……」
キングチャチャブー 「見たことのねぇ野郎だ。この辺りのモンじゃねぇな」
キリン 「私も、はじめて見るモンスターよ」
クック 「そうか……もしかしたら、あっちの大陸から来たのかもしれないな」
クック 「よし、行こう。少女はティガ君たちと留守番をしていてくれ」
少女 「うん、おじさん、気をつけてね」
ティガ弟 「ああせいぜい気をつけな」
キリン 「……弟さんは風邪を引いてないんですよね?」
ティガ弟 「な……何だよその目は」
キリン 「クックおじ様に行かせて、自分はぬくぬくするのって、最強っていえるのかしら……」
ティガ弟 「! ンだこらァ! 文句あんのか!!」
クック 「で、誰がそんな目に……」
キングチャチャブー 「見たことのねぇ野郎だ。この辺りのモンじゃねぇな」
キリン 「私も、はじめて見るモンスターよ」
クック 「そうか……もしかしたら、あっちの大陸から来たのかもしれないな」
クック 「よし、行こう。少女はティガ君たちと留守番をしていてくれ」
少女 「うん、おじさん、気をつけてね」
ティガ弟 「ああせいぜい気をつけな」
キリン 「……弟さんは風邪を引いてないんですよね?」
ティガ弟 「な……何だよその目は」
キリン 「クックおじ様に行かせて、自分はぬくぬくするのって、最強っていえるのかしら……」
ティガ弟 「! ンだこらァ! 文句あんのか!!」
221: 2009/10/22(木) 18:00:15.32 ID:vjZ8y7M0
キリン 「弟さんも手伝ってくださったら楽なのになぁ……って…………」
ティガ弟 「…………」
キリン 「…………(パリ……)」
ティガ弟 「OK分かった。雷はやめろ…………」
ティガ弟 「………………しゃぁぁぁぁねぇぇぇぇなぁぁ! 俺も行くよ!!」
クック 「そうか、それはとても助かる」
ティガ弟 「(チッ)感電させられちゃたまんねぇからな。あれは腰に響く」
キリン 「だから地獄兄弟さん達って好きよ」
ティガ弟 「ゲェェエ! 吐き気がわいてきた!」
ティガ弟 「兄者はここで寝てろや……ってもう寝てやがるな」
ティガ兄 「ガァァァ~~ッ! ゴォォォォ~~ッ!!」
ティガ弟 「フリーダム過ぎるぜ……」
キングチャチャブー 「じゃぁな少女。クックの野郎を借りてくぜ……」
少女 「うん! あ……キングさんカエル食べる?」
キングチャチャブー 「…………」
少女 「じゃ、焼いておくね。戻ったら沢山食べて!」
キングチャチャブー 「……ああ……」
ティガ弟 「…………」
キリン 「…………(パリ……)」
ティガ弟 「OK分かった。雷はやめろ…………」
ティガ弟 「………………しゃぁぁぁぁねぇぇぇぇなぁぁ! 俺も行くよ!!」
クック 「そうか、それはとても助かる」
ティガ弟 「(チッ)感電させられちゃたまんねぇからな。あれは腰に響く」
キリン 「だから地獄兄弟さん達って好きよ」
ティガ弟 「ゲェェエ! 吐き気がわいてきた!」
ティガ弟 「兄者はここで寝てろや……ってもう寝てやがるな」
ティガ兄 「ガァァァ~~ッ! ゴォォォォ~~ッ!!」
ティガ弟 「フリーダム過ぎるぜ……」
キングチャチャブー 「じゃぁな少女。クックの野郎を借りてくぜ……」
少女 「うん! あ……キングさんカエル食べる?」
キングチャチャブー 「…………」
少女 「じゃ、焼いておくね。戻ったら沢山食べて!」
キングチャチャブー 「……ああ……」
222: 2009/10/22(木) 18:01:13.75 ID:vjZ8y7M0
―海岸―
クック 「(それにしてもすごい吹雪だ……例年にない豪雪だぞ、これは……)」
キングチャチャブー 「…………」
キングチャチャブー 「砦ドラゴンが……来てるのかもしれねぇな」
クック 「? 砦ドラゴン?」
キングチャチャブー 「……あァ、この異常な零下、そう考えても不思議はねぇ」
クック 「キング、砦ドラゴンなんて迷信上の生き物じゃないか。本当に存在しているのか?」
キングチャチャブー 「…………さぁな」
キングチャチャブー 「ただ、俺がまだガキの時分……同じような寒波に襲われたことがある……」
キングチャチャブー 「…………そのとき、俺ァ見た」
クック 「…………」
キングチャチャブー 「ラオシャンロンを遥かに超える、巨大な竜の姿を、霞の向こうにな……」
クック 「砦ドラゴン……季節を呼ぶ、巨大な、神に近い生き物だと聞くが……」
クック 「だが、確かにここ最近の寒波は異常だ」
クック 「何かが起こっているのかもしれないな……」
キングチャチャブー 「…………」
クック 「(それにしてもすごい吹雪だ……例年にない豪雪だぞ、これは……)」
キングチャチャブー 「…………」
キングチャチャブー 「砦ドラゴンが……来てるのかもしれねぇな」
クック 「? 砦ドラゴン?」
キングチャチャブー 「……あァ、この異常な零下、そう考えても不思議はねぇ」
クック 「キング、砦ドラゴンなんて迷信上の生き物じゃないか。本当に存在しているのか?」
キングチャチャブー 「…………さぁな」
キングチャチャブー 「ただ、俺がまだガキの時分……同じような寒波に襲われたことがある……」
キングチャチャブー 「…………そのとき、俺ァ見た」
クック 「…………」
キングチャチャブー 「ラオシャンロンを遥かに超える、巨大な竜の姿を、霞の向こうにな……」
クック 「砦ドラゴン……季節を呼ぶ、巨大な、神に近い生き物だと聞くが……」
クック 「だが、確かにここ最近の寒波は異常だ」
クック 「何かが起こっているのかもしれないな……」
キングチャチャブー 「…………」
223: 2009/10/22(木) 18:02:11.66 ID:vjZ8y7M0
ティガ弟 「カァァァーッ! 寒いッ!! 何だァ!? 雪が凍って雹になってやがる!!」
キリン 「ほ、本当。あ痛っ」
ティガ弟 「どーせ氏んでるって。溺氏体なんてうっちゃってとっとと帰ろうぜェ」
キリン 「そんな……困っている人を見捨てたら、地獄兄弟さんの正義の名前に傷がつきますよ」
ティガ弟 「ンだとォ? 俺らがいつ正義の味方になったってンだ? 俺たちは地獄の使いなんだぜ!」
キリン 「子供たちの間では、お二人は立派な正義の味方なんですから。いい歳して駄目な行動しちゃいけません」
ティガ弟 「うぉぉ今ゾッとした。聞き捨てならねぇな。ガキどもの見本なんて御免だ。考えただけで悪寒が走る」
キングチャチャブー 「……ここだ」
クック 「確かに、この洞窟ならある程度雪は避けられるな」
ティガ弟 「ケッ! でも満ち潮になったら、こんな場所一気に海に飲まれちまうぜ」
チャチャブーA 「ビィ! キング、クランケが意識を取り戻しました!」
チャチャブーB 「早急にここから退避する必要があるかと!!」
キングチャチャブー 「……生きてやがったか。まぁ上等だ」
クック 「火をたいて温めてあげていたのか。良かった」
キングチャチャブー 「以前にも別大陸から来た奴がいたからな……即頃すのは控えさせた……」
×××××× 「(ガタガタガタガタ)」
キリン 「ほ、本当。あ痛っ」
ティガ弟 「どーせ氏んでるって。溺氏体なんてうっちゃってとっとと帰ろうぜェ」
キリン 「そんな……困っている人を見捨てたら、地獄兄弟さんの正義の名前に傷がつきますよ」
ティガ弟 「ンだとォ? 俺らがいつ正義の味方になったってンだ? 俺たちは地獄の使いなんだぜ!」
キリン 「子供たちの間では、お二人は立派な正義の味方なんですから。いい歳して駄目な行動しちゃいけません」
ティガ弟 「うぉぉ今ゾッとした。聞き捨てならねぇな。ガキどもの見本なんて御免だ。考えただけで悪寒が走る」
キングチャチャブー 「……ここだ」
クック 「確かに、この洞窟ならある程度雪は避けられるな」
ティガ弟 「ケッ! でも満ち潮になったら、こんな場所一気に海に飲まれちまうぜ」
チャチャブーA 「ビィ! キング、クランケが意識を取り戻しました!」
チャチャブーB 「早急にここから退避する必要があるかと!!」
キングチャチャブー 「……生きてやがったか。まぁ上等だ」
クック 「火をたいて温めてあげていたのか。良かった」
キングチャチャブー 「以前にも別大陸から来た奴がいたからな……即頃すのは控えさせた……」
×××××× 「(ガタガタガタガタ)」
224: 2009/10/22(木) 18:03:05.01 ID:vjZ8y7M0
クック 「見たことのないモンスターだな……おい君、話は出来るかい?」
×××××× 「…………(カチカチカチ)」
クック 「これはまずい。早くここから避難して、もっと大きな火で温めてやろう」
キリン 「あなた、歩ける? すごく震えてる……無理もないわ、凍っていたんですもの」
ティガ弟 「はぁぁ……しゃぁねぇな。俺がおぶってやんよ」
ティガ弟 「おいボサッとしてんな! 名前くらい名乗れ!」
×××××× 「き…………君達は、こ、この土地のモンスター…………かい?」
ティガ弟 「あぁん? 何言ってやがるんだ。俺は生まれも育ちもこの土地よ!」
クック 「ああ。君は向こう側の大陸から来たのか?」
×××××× 「ぼ……僕の名前は……ロアルドロス…………ラギアクルス団長の使いで……ここに……」
クック 「何と。ラギアさんの使いか!」
ロアルドロス 「途中で…………意識がなくなってしまって…………うう、寒い…………」
クック 「とりあえず私の家に運ぼう。弟君、よろしくお願いできるかい?」
ティガ弟 「仕方ねぇからやってやんよ……よいしょ」
ロアルドロス 「す…………すまない…………」
キングチャチャブー 「撤収だ。お前たちは先に里に戻れ」
チャチャブーA&B 「ビィ!」
×××××× 「…………(カチカチカチ)」
クック 「これはまずい。早くここから避難して、もっと大きな火で温めてやろう」
キリン 「あなた、歩ける? すごく震えてる……無理もないわ、凍っていたんですもの」
ティガ弟 「はぁぁ……しゃぁねぇな。俺がおぶってやんよ」
ティガ弟 「おいボサッとしてんな! 名前くらい名乗れ!」
×××××× 「き…………君達は、こ、この土地のモンスター…………かい?」
ティガ弟 「あぁん? 何言ってやがるんだ。俺は生まれも育ちもこの土地よ!」
クック 「ああ。君は向こう側の大陸から来たのか?」
×××××× 「ぼ……僕の名前は……ロアルドロス…………ラギアクルス団長の使いで……ここに……」
クック 「何と。ラギアさんの使いか!」
ロアルドロス 「途中で…………意識がなくなってしまって…………うう、寒い…………」
クック 「とりあえず私の家に運ぼう。弟君、よろしくお願いできるかい?」
ティガ弟 「仕方ねぇからやってやんよ……よいしょ」
ロアルドロス 「す…………すまない…………」
キングチャチャブー 「撤収だ。お前たちは先に里に戻れ」
チャチャブーA&B 「ビィ!」
234: 2009/10/24(土) 16:32:07.97 ID:BEEeVHQ0
こんばんは。体調の心配、ありがとうございます
外伝は、前回までと比べ低速、不定期となってしまいますがご了承ください
書いた所までUPさせていただきます
外伝は、前回までと比べ低速、不定期となってしまいますがご了承ください
書いた所までUPさせていただきます
235: 2009/10/24(土) 16:33:30.71 ID:BEEeVHQ0
~外伝第1話 その2~
―クックの巣―
ティガ弟 「ふぅ……ふぅ……どぅりゃ!」
ロアルドロス 「うわっ(ゴロンッドガッ)」
キリン 「ちょっと、弟さん。乱暴よ!」
ティガ弟 「知るかァ! こちとら鼻水が凍ってさっきから息が出来なくて大変なんだよ!!」
クック 「雪が益々強くなってきた……キング、キリンちゃん。今日は私の家に泊まっていったほうがいいだろう」
キリン 「……え、ええ。そうね……お言葉に甘えさせていただくわ。この雹の吹雪、何だかおかしいわ」
キングチャチャブー 「………………」
少女 「おじさん! おかえりなさい! ……!?」
ロアルドロス 「あぁ……僕の美麗な浮き袋が……こんなにしおしおになってしまって……」
少女 「?? どちら様?」
ロアルドロス 「ひゃぁぁぁんっ! 人間!」
クック 「それだけ騒げるなら、命に問題はないな。大丈夫。私の娘だよ」
ロアルドロス 「あ……もしかして、団長が言っていた人の子って……」
少女 「団長さん? ラギアクルスさんのこと?」
ロアルドロス 「そうそう。じゃあ、あなたがウラガンキン様の……」
―クックの巣―
ティガ弟 「ふぅ……ふぅ……どぅりゃ!」
ロアルドロス 「うわっ(ゴロンッドガッ)」
キリン 「ちょっと、弟さん。乱暴よ!」
ティガ弟 「知るかァ! こちとら鼻水が凍ってさっきから息が出来なくて大変なんだよ!!」
クック 「雪が益々強くなってきた……キング、キリンちゃん。今日は私の家に泊まっていったほうがいいだろう」
キリン 「……え、ええ。そうね……お言葉に甘えさせていただくわ。この雹の吹雪、何だかおかしいわ」
キングチャチャブー 「………………」
少女 「おじさん! おかえりなさい! ……!?」
ロアルドロス 「あぁ……僕の美麗な浮き袋が……こんなにしおしおになってしまって……」
少女 「?? どちら様?」
ロアルドロス 「ひゃぁぁぁんっ! 人間!」
クック 「それだけ騒げるなら、命に問題はないな。大丈夫。私の娘だよ」
ロアルドロス 「あ……もしかして、団長が言っていた人の子って……」
少女 「団長さん? ラギアクルスさんのこと?」
ロアルドロス 「そうそう。じゃあ、あなたがウラガンキン様の……」
236: 2009/10/24(土) 16:34:38.91 ID:BEEeVHQ0
少女 「うん! ウラちゃんは元気!?」
ロアルドロス 「ウラガンキン様も、ボルボロス様も元気だよ……だけどちょっといいかな……寒くて意識が……」
クック 「こっちに来るといいだろう。先客がいるが、気にしないでくれ」
ロアルドロス 「おお! 火がある!! ありがたいよぉぉ!」
ティガ兄 「グガァァァァァ……!! グガァァァァ……!!」
ロアルドロス 「(ビクッ)」
ティガ弟 「俺を見るな。兄貴だよ」
少女 「わ、すごく体が冷たい。大丈夫?」
ロアルドロス 「ちょっと大丈夫じゃ……ないかも……」
少女 「毛布、つくりかけだけどもう一枚あるの。こっちに来て」
ロアルドロス 「うん、こっちかい?」
少女 「よいしょ(バサッ)」
ロアルドロス 「!! これは……古龍の毛皮か! 暖かい……」
クック 「しばらくそうしていれば、すぐに体が温まるさ。君、お酒は飲めるかい?」
ロアルドロス 「あ、お構いなく……僕は酒はやらないので……」
ロアルドロス 「ウラガンキン様も、ボルボロス様も元気だよ……だけどちょっといいかな……寒くて意識が……」
クック 「こっちに来るといいだろう。先客がいるが、気にしないでくれ」
ロアルドロス 「おお! 火がある!! ありがたいよぉぉ!」
ティガ兄 「グガァァァァァ……!! グガァァァァ……!!」
ロアルドロス 「(ビクッ)」
ティガ弟 「俺を見るな。兄貴だよ」
少女 「わ、すごく体が冷たい。大丈夫?」
ロアルドロス 「ちょっと大丈夫じゃ……ないかも……」
少女 「毛布、つくりかけだけどもう一枚あるの。こっちに来て」
ロアルドロス 「うん、こっちかい?」
少女 「よいしょ(バサッ)」
ロアルドロス 「!! これは……古龍の毛皮か! 暖かい……」
クック 「しばらくそうしていれば、すぐに体が温まるさ。君、お酒は飲めるかい?」
ロアルドロス 「あ、お構いなく……僕は酒はやらないので……」
237: 2009/10/24(土) 16:35:51.56 ID:BEEeVHQ0
キングチャチャブー 「…………ふん、つまらねぇ野郎だ(グビリ)」
キングチャチャブー 「少女……この熱燗とやら、イケるぜ」
少女 「わぁ、嬉しい。キングさん、弟さん、カエル沢山焼いておいたよ!」
ティガ弟 「その前に俺にも酒をよこせ。俺を労え!!」
クック 「焦らなくてもなくなりはしないさ。ほら」
ティガ弟 「……ックゥゥゥゥゥ!! 冷えた体に効くぜ!」
キリン 「ロアルドロスさんという方で、向こうの大陸からいらっしゃったらしいの」
少女 「そうなんだあ。こんなに寒いときに、大丈夫だった?」
ロアルドロス 「大丈夫じゃなかったみたいだよ……(ガタガタ)」
少女 「何か、あったまるものないかな……あ! サシミウオのスープがまだあった!」
少女 「これ飲んで。暖まるよ」
ロアルドロス 「すまないねぇ、かわいらしいバンビーナ(お嬢さん)」
ティガ弟 「ケェェ! 人間のガキだぜ!? 何がかわいらしいだ? ばんびーなァァ?」
ロアルドロス 「バンビーナはバンビーナじゃないか」
少女 「可愛いなんて……他人(ひと)から言われると照れるな」
キリン 「少女ちゃんは十分可愛いわよ。もっと自分に自信を持っていいのよ?」
ロアルドロス 「……(グビッ)うん! 美味い!! 我が部族にはない食べ方だ!!(ズルズル)」
キングチャチャブー 「少女……この熱燗とやら、イケるぜ」
少女 「わぁ、嬉しい。キングさん、弟さん、カエル沢山焼いておいたよ!」
ティガ弟 「その前に俺にも酒をよこせ。俺を労え!!」
クック 「焦らなくてもなくなりはしないさ。ほら」
ティガ弟 「……ックゥゥゥゥゥ!! 冷えた体に効くぜ!」
キリン 「ロアルドロスさんという方で、向こうの大陸からいらっしゃったらしいの」
少女 「そうなんだあ。こんなに寒いときに、大丈夫だった?」
ロアルドロス 「大丈夫じゃなかったみたいだよ……(ガタガタ)」
少女 「何か、あったまるものないかな……あ! サシミウオのスープがまだあった!」
少女 「これ飲んで。暖まるよ」
ロアルドロス 「すまないねぇ、かわいらしいバンビーナ(お嬢さん)」
ティガ弟 「ケェェ! 人間のガキだぜ!? 何がかわいらしいだ? ばんびーなァァ?」
ロアルドロス 「バンビーナはバンビーナじゃないか」
少女 「可愛いなんて……他人(ひと)から言われると照れるな」
キリン 「少女ちゃんは十分可愛いわよ。もっと自分に自信を持っていいのよ?」
ロアルドロス 「……(グビッ)うん! 美味い!! 我が部族にはない食べ方だ!!(ズルズル)」
238: 2009/10/24(土) 16:36:55.75 ID:BEEeVHQ0
―しばらく後―
ロアルドロス 「……………………ふぅぅぅ…………大分温まった……」
ロアルドロス 「小さなバンビーナ、白いバンビーナ、僕を助けてくれてありがとう。心からお礼を言わせてください」
キリン 「白いバンビーナって私のことかしら?」
キングチャチャブー 「…………」
ティガ弟 「男には礼はなしか。いけすかねぇ野郎だ」
ロアルドロス 「教えられた通りの道を通ってきたんだけれど、途中で氷河に入り込んでしまって……」
ティガ弟 「無視かよ」
クック 「氷河!? そんな、ここ辺りの海でそんなものは冬でも出来ないはずだぞ」
ロアルドロス 「僕も訳が分からなくて、とにかく抜け出そうとはしたんです」
ロアルドロス 「しかし、急に海が氷のように冷たくなってしまい、動けなくなって……」
ティガ弟 「ケッ! 軟弱な野郎だ!」
キリン 「ちょっと弟さん、言葉遣いが乱暴ですよ」
キングチャチャブー 「……で、てめぇは運良くこのあたりの海岸に打ち上げられたっつうわけか」
ロアルドロス 「ええ。幸運だった。あなた方に運んでいただけなかったら、凍氏していたところでした」
クック 「これも何かの縁だろう。外は出れないほどの吹雪だし、落ち着くまで私の家にいてくれていいよ」
ロアルドロス 「ありがとう、小さなバンビーナのお父さん」
ロアルドロス 「しかし、冬とはいえ……向こうの大陸では、ここまですさまじくはありませんでした」
ロアルドロス 「……………………ふぅぅぅ…………大分温まった……」
ロアルドロス 「小さなバンビーナ、白いバンビーナ、僕を助けてくれてありがとう。心からお礼を言わせてください」
キリン 「白いバンビーナって私のことかしら?」
キングチャチャブー 「…………」
ティガ弟 「男には礼はなしか。いけすかねぇ野郎だ」
ロアルドロス 「教えられた通りの道を通ってきたんだけれど、途中で氷河に入り込んでしまって……」
ティガ弟 「無視かよ」
クック 「氷河!? そんな、ここ辺りの海でそんなものは冬でも出来ないはずだぞ」
ロアルドロス 「僕も訳が分からなくて、とにかく抜け出そうとはしたんです」
ロアルドロス 「しかし、急に海が氷のように冷たくなってしまい、動けなくなって……」
ティガ弟 「ケッ! 軟弱な野郎だ!」
キリン 「ちょっと弟さん、言葉遣いが乱暴ですよ」
キングチャチャブー 「……で、てめぇは運良くこのあたりの海岸に打ち上げられたっつうわけか」
ロアルドロス 「ええ。幸運だった。あなた方に運んでいただけなかったら、凍氏していたところでした」
クック 「これも何かの縁だろう。外は出れないほどの吹雪だし、落ち着くまで私の家にいてくれていいよ」
ロアルドロス 「ありがとう、小さなバンビーナのお父さん」
ロアルドロス 「しかし、冬とはいえ……向こうの大陸では、ここまですさまじくはありませんでした」
239: 2009/10/24(土) 16:38:00.93 ID:BEEeVHQ0
クック 「や、ここ最近の寒波が度を越しているという部分が大きいんだ。私たちも困っている所さ」
クック 「ところで、ここには君一人で? もしかしてはぐれた仲間がいるとか、そういうことはないかい?」
ロアルドロス 「簡単な旅だと思っていたので、僕一人で。かえってその方がよかった……」
クック 「全くだ。ラギアクルスさんの使いと言っていたが……」
ロアルドロス 「あぁ、あなた方に、向こうの大陸から色々と届け物があるんです」
ロアルドロス 「あの事件の時には、僕は参加できなかったので、あなた方の顔を一度見てみたいと思いまして」
クック 「そうだったのか。わざわざすまないことだねぇ」
ロアルドロス 「よっと……団長から、シーブライト鉱石、デプスライト鉱石の贈り物です」
少女 「わぁ、綺麗!」
キリン 「透き通っているわ。普通の鉱石じゃないのかしら」
ロアルドロス 「海の力を持っているといわれる石です。持っていると幸運を呼ぶと言われますよ」
ロアルドロス 「そして、少女さんにはこちら。ウラガンキン様から、上鱗の贈り物です」
少女 「! これ、ウラちゃんの……」
クック 「生え変わった鱗を取っておいてくれたのか! 順調に育ってくれているようで、とても安心したよ」
少女 「ウラちゃん、何してるかな。会いたいな」
クック 「春になったら、また行けばいいさ」
少女 「うん。この鱗は、お兄さんがくれた皮に縫い付けてコートの材料にするよ」
クック 「ところで、ここには君一人で? もしかしてはぐれた仲間がいるとか、そういうことはないかい?」
ロアルドロス 「簡単な旅だと思っていたので、僕一人で。かえってその方がよかった……」
クック 「全くだ。ラギアクルスさんの使いと言っていたが……」
ロアルドロス 「あぁ、あなた方に、向こうの大陸から色々と届け物があるんです」
ロアルドロス 「あの事件の時には、僕は参加できなかったので、あなた方の顔を一度見てみたいと思いまして」
クック 「そうだったのか。わざわざすまないことだねぇ」
ロアルドロス 「よっと……団長から、シーブライト鉱石、デプスライト鉱石の贈り物です」
少女 「わぁ、綺麗!」
キリン 「透き通っているわ。普通の鉱石じゃないのかしら」
ロアルドロス 「海の力を持っているといわれる石です。持っていると幸運を呼ぶと言われますよ」
ロアルドロス 「そして、少女さんにはこちら。ウラガンキン様から、上鱗の贈り物です」
少女 「! これ、ウラちゃんの……」
クック 「生え変わった鱗を取っておいてくれたのか! 順調に育ってくれているようで、とても安心したよ」
少女 「ウラちゃん、何してるかな。会いたいな」
クック 「春になったら、また行けばいいさ」
少女 「うん。この鱗は、お兄さんがくれた皮に縫い付けてコートの材料にするよ」
240: 2009/10/24(土) 16:38:53.73 ID:BEEeVHQ0
ロアルドロス 「他にも色々、珍しいものをお持ちしました。皆さんで分けてください」
ティガ弟 「ケッ、くだらねぇ。俺は向こうの大陸になんて興味はねぇ。前だってつれてってもらえなかったしな!」
クック 「まぁそう言わないで。向こうの仲間も、いいモンスターばかりだよ」
キリン 「届け物をしにきてくださっただけなのに、災難でしたわねぇ」
ロアルドロス 「いやはやまったく……その通りです」
少女 「あ! ロアルさんが持ってきてくれた荷物の中に、オオシッポガエルがある!」
ティガ弟 「!」
キングチャチャブー 「ほう?」
少女 「ロアルさん、これみんなで食べていい?」
ロアルドロス 「どうぞどうぞ。こっちのものとは少し味が違うかもしれないけど」
ティガ弟 「どうしてもってんなら食ってやらんこともねぇぜ」
キリン 「素直に食べたいって言えないんですか?」
ティガ弟 「………………」
キングチャチャブー 「(グビリ)」
クック 「どれ、私も一献(グビリ)……うむ、やはり温めた方が体が温まるなぁ」
少女 「サシミウオのスープも、もっと沢山作るね」
ロアルドロス 「いいのかい? 君は、ウラガンキン様の仰るとおり、素敵なバンビーナなんだね」
少女 「素敵って……そんな」
ティガ弟 「ケェェ。少女。そんなカマ野郎うっちゃって、とっとと焼け」
ロアルドロス 「…………」
少女 「うん。あ、その前にお兄さんの薬、作ったの」
ティガ弟 「ケッ、くだらねぇ。俺は向こうの大陸になんて興味はねぇ。前だってつれてってもらえなかったしな!」
クック 「まぁそう言わないで。向こうの仲間も、いいモンスターばかりだよ」
キリン 「届け物をしにきてくださっただけなのに、災難でしたわねぇ」
ロアルドロス 「いやはやまったく……その通りです」
少女 「あ! ロアルさんが持ってきてくれた荷物の中に、オオシッポガエルがある!」
ティガ弟 「!」
キングチャチャブー 「ほう?」
少女 「ロアルさん、これみんなで食べていい?」
ロアルドロス 「どうぞどうぞ。こっちのものとは少し味が違うかもしれないけど」
ティガ弟 「どうしてもってんなら食ってやらんこともねぇぜ」
キリン 「素直に食べたいって言えないんですか?」
ティガ弟 「………………」
キングチャチャブー 「(グビリ)」
クック 「どれ、私も一献(グビリ)……うむ、やはり温めた方が体が温まるなぁ」
少女 「サシミウオのスープも、もっと沢山作るね」
ロアルドロス 「いいのかい? 君は、ウラガンキン様の仰るとおり、素敵なバンビーナなんだね」
少女 「素敵って……そんな」
ティガ弟 「ケェェ。少女。そんなカマ野郎うっちゃって、とっとと焼け」
ロアルドロス 「…………」
少女 「うん。あ、その前にお兄さんの薬、作ったの」
241: 2009/10/24(土) 16:40:09.00 ID:BEEeVHQ0
少女 「お兄さんに飲ませたいんだけど……」
クック 「起きたらでいいだろう。随分といい夢を見ているようだ」
ティガ兄 「グガァァァァ……グガァァァァァ……」
ロアルドロス 「それにしても……この辺りには、ジエン様と並ぶほどの大きな方がいらっしゃるんですね」
キングチャチャブー 「?」
クック 「ジエン老と? いや、ラオシャンロンは確かに大きいが、ジエン老程はないと思うよ」
ロアルドロス 「ん? お知り合いじゃなかったのですか?」
キリン 「誰とかしら?」
ロアルドロス 「氷河に呑まれて意識を失う少し前に、海を泳ぐ巨大な影を目にしたんです」
ロアルドロス 「まるで暗闇の山が動いているようでした」
ロアルドロス 「最初は山かと思ったくらいです」
ティガ弟 「そんなにでかいのが水に浮くかよ。寝ぼけて幻でも見たんじゃねぇか?」
ロアルドロス 「失敬な。あのとき感じた鼓動や重量は、生き物のものでした」
ロアルドロス 「この辺りの海の神かと思い、挨拶をしようとしたのですが適いませんでした」
クック 「ふむ…………ラオシャンロンがこの最中泳ぐとは考えづらいしな……」
クック 「起きたらでいいだろう。随分といい夢を見ているようだ」
ティガ兄 「グガァァァァ……グガァァァァァ……」
ロアルドロス 「それにしても……この辺りには、ジエン様と並ぶほどの大きな方がいらっしゃるんですね」
キングチャチャブー 「?」
クック 「ジエン老と? いや、ラオシャンロンは確かに大きいが、ジエン老程はないと思うよ」
ロアルドロス 「ん? お知り合いじゃなかったのですか?」
キリン 「誰とかしら?」
ロアルドロス 「氷河に呑まれて意識を失う少し前に、海を泳ぐ巨大な影を目にしたんです」
ロアルドロス 「まるで暗闇の山が動いているようでした」
ロアルドロス 「最初は山かと思ったくらいです」
ティガ弟 「そんなにでかいのが水に浮くかよ。寝ぼけて幻でも見たんじゃねぇか?」
ロアルドロス 「失敬な。あのとき感じた鼓動や重量は、生き物のものでした」
ロアルドロス 「この辺りの海の神かと思い、挨拶をしようとしたのですが適いませんでした」
クック 「ふむ…………ラオシャンロンがこの最中泳ぐとは考えづらいしな……」
242: 2009/10/24(土) 16:41:53.53 ID:BEEeVHQ0
キングチャチャブー 「砦ドラゴン……」
クック 「!」
キングチャチャブー 「(グビリ)奴が、冬を運んできやがったんだ……」
ロアルドロス 「砦ドラゴン……とは?」
ティガ弟 「おいおい、じじい。そんなの迷信だろ」
ティガ弟 「何よりも大きく、何よりも強い太古のドラゴンなんているわけねぇんだよ」
クック 「ふむ……いや、この大陸のモンスターに伝わる、伝説のドラゴンでね」
クック 「季節を背負ってつれてくると言われているものなんだ」
クック 「その大きさは、太陽や月を隠してしまうとまで言われている」
キリン 「私も、小さい頃聞いたことがあるわ」
キリン 「何でも、春夏秋冬四匹の砦ドラゴンがいて、それぞれの季節を背中に乗せて歩いているって」
キリン 「でもそれって、お話の中のことでしょう?」
キングチャチャブー 「………………(グビリ)」
キングチャチャブー 「お話……お話の中のこと……な」
キングチャチャブー 「そのお話を作った奴に、てめぇは真偽を聞いたことがあんのかよ……?」
キリン 「それは……」
ティガ弟 「ねーものはねーんだよ。世の中そういうもんだ」
キングチャチャブー 「ふん………………(グビリ)」
キングチャチャブー 「そう思うなら、そうなんだろうさ……」
クック 「!」
キングチャチャブー 「(グビリ)奴が、冬を運んできやがったんだ……」
ロアルドロス 「砦ドラゴン……とは?」
ティガ弟 「おいおい、じじい。そんなの迷信だろ」
ティガ弟 「何よりも大きく、何よりも強い太古のドラゴンなんているわけねぇんだよ」
クック 「ふむ……いや、この大陸のモンスターに伝わる、伝説のドラゴンでね」
クック 「季節を背負ってつれてくると言われているものなんだ」
クック 「その大きさは、太陽や月を隠してしまうとまで言われている」
キリン 「私も、小さい頃聞いたことがあるわ」
キリン 「何でも、春夏秋冬四匹の砦ドラゴンがいて、それぞれの季節を背中に乗せて歩いているって」
キリン 「でもそれって、お話の中のことでしょう?」
キングチャチャブー 「………………(グビリ)」
キングチャチャブー 「お話……お話の中のこと……な」
キングチャチャブー 「そのお話を作った奴に、てめぇは真偽を聞いたことがあんのかよ……?」
キリン 「それは……」
ティガ弟 「ねーものはねーんだよ。世の中そういうもんだ」
キングチャチャブー 「ふん………………(グビリ)」
キングチャチャブー 「そう思うなら、そうなんだろうさ……」
243: 2009/10/24(土) 16:42:48.47 ID:BEEeVHQ0
ロアルドロス 「うーん……じゃあ僕が見たものは何だったんだろう……」
少女 「はい! ロアルさん。サシミウオのスープがまたできたよ!」
ロアルドロス 「おおお! ありがとう(ズズズ)くぅぅ! 温まる!」
少女 「オオシッポガエルも、みんなに均等に分けるね」
キリン 「私もサシミウオのスープをいただこうかしら」
クック 「私もスープでいいな」
少女 「うん、分かった!」
ティガ弟 「(もぐもぐ)この脂身がたまんねぇ……!!」
キングチャチャブー 「………………(もぐもぐ)」
クック 「とりあえず、みんなで十分体を温めたら、今日は休もう」
クック 「明日になれば寒波も少しは収まっているかもしれないしね」
少女 「はい! ロアルさん。サシミウオのスープがまたできたよ!」
ロアルドロス 「おおお! ありがとう(ズズズ)くぅぅ! 温まる!」
少女 「オオシッポガエルも、みんなに均等に分けるね」
キリン 「私もサシミウオのスープをいただこうかしら」
クック 「私もスープでいいな」
少女 「うん、分かった!」
ティガ弟 「(もぐもぐ)この脂身がたまんねぇ……!!」
キングチャチャブー 「………………(もぐもぐ)」
クック 「とりあえず、みんなで十分体を温めたら、今日は休もう」
クック 「明日になれば寒波も少しは収まっているかもしれないしね」
244: 2009/10/24(土) 16:44:25.42 ID:BEEeVHQ0
ティガ弟 「そうだな。連日この雹吹雪が続くとは思いたくねぇ」
少女 「キングさん用のベッド、こっちに用意してあるよ!」
キングチャチャブー 「…………あぁ。ご苦労」
キリン 「少女ちゃん、私と一緒に寝ましょう」
クック 「ああ、それがいい。行っておいで」
少女 「うん! ありがとうおねえちゃん!」
ロアルドロス 「クックさん、それでは少しお世話になります」
クック 「気にしないでくれ。困ったときはお互い様さ」
クック 「(しかし……ロアルさんが見たという巨大な影……気になるな……)」
クック 「(キングの言うとおり、砦ドラゴンが本当に存在しているのだとしたら……)」
クック 「(そのドラゴンのせいで、この寒波が……?)」
クック 「(だとしたら、何かが起こっているのかもしれない……)」
クック 「(何事もなければいいが…………)」
少女 「キングさん用のベッド、こっちに用意してあるよ!」
キングチャチャブー 「…………あぁ。ご苦労」
キリン 「少女ちゃん、私と一緒に寝ましょう」
クック 「ああ、それがいい。行っておいで」
少女 「うん! ありがとうおねえちゃん!」
ロアルドロス 「クックさん、それでは少しお世話になります」
クック 「気にしないでくれ。困ったときはお互い様さ」
クック 「(しかし……ロアルさんが見たという巨大な影……気になるな……)」
クック 「(キングの言うとおり、砦ドラゴンが本当に存在しているのだとしたら……)」
クック 「(そのドラゴンのせいで、この寒波が……?)」
クック 「(だとしたら、何かが起こっているのかもしれない……)」
クック 「(何事もなければいいが…………)」
250: 2009/10/28(水) 16:04:31.73 ID:yBtv3UY0
こんにちは。
第1話の終わりまで書きましたので、投稿の方をさせていただきます。
第1話の終わりまで書きましたので、投稿の方をさせていただきます。
251: 2009/10/28(水) 16:05:23.91 ID:yBtv3UY0
-真夜中-
少女 「(ん……)」
少女 「(風が玄関から吹き込んできてる……)」
少女 「(この前作った、葦の扉を使ってみようかな……)
クック 「グガァ……グガァ……」
キリン 「スゥ……スゥ……」
少女 「(確か玄関の近くに置いておいたはずだから……)」
少女 「(もぞもぞ)」
少女 「(お姉ちゃん、すぐ戻るね)」
少女 「(ん……)」
少女 「(風が玄関から吹き込んできてる……)」
少女 「(この前作った、葦の扉を使ってみようかな……)
クック 「グガァ……グガァ……」
キリン 「スゥ……スゥ……」
少女 「(確か玄関の近くに置いておいたはずだから……)」
少女 「(もぞもぞ)」
少女 「(お姉ちゃん、すぐ戻るね)」
252: 2009/10/28(水) 16:09:46.25 ID:yBtv3UY0
-クックの巣、玄関-
少女 「うわ……っ! こんなところまで雪が入り込んでる……」
少女 「すごい吹雪……さ、寒い……」
キングチャチャブー 「ン……少女か……」
少女 「キングさん!? どうしてこんなところに? 寒くない?」
キングチャチャブー 「俺の仮面は燃えてるからな……寒さには強ェ」
少女 「そ……そうなんだ。でも、この吹雪じゃ、頭が無事でも体の方が凍っちゃうよ。一緒に中に入ろう?」
キングチャチャブー 「…………」
少女 「?」
キングチャチャブー 「闇の中を、何かが動くのが見えた」
少女 「え? 海岸の方?」
キングチャチャブー 「あァ。何かいやがるな……」
少女 「私には何も見えないけど……」
少女 「……ッ!!」
少女 「(何だろう……今、体に電気みたいな、ピリッとした衝撃が……)」
キングチャチャブー 「どうした?」
少女 「え……うぅん、何でもないよ」
少女 「それより、早く扉をしよう。キングさん、手伝ってくれる?」
キングチャチャブー 「扉?」
少女 「葦で編んでみたの。洞窟の入り口に蓋ができるように」
キングチャチャブー 「器用な野郎だ……」
少女 「うわ……っ! こんなところまで雪が入り込んでる……」
少女 「すごい吹雪……さ、寒い……」
キングチャチャブー 「ン……少女か……」
少女 「キングさん!? どうしてこんなところに? 寒くない?」
キングチャチャブー 「俺の仮面は燃えてるからな……寒さには強ェ」
少女 「そ……そうなんだ。でも、この吹雪じゃ、頭が無事でも体の方が凍っちゃうよ。一緒に中に入ろう?」
キングチャチャブー 「…………」
少女 「?」
キングチャチャブー 「闇の中を、何かが動くのが見えた」
少女 「え? 海岸の方?」
キングチャチャブー 「あァ。何かいやがるな……」
少女 「私には何も見えないけど……」
少女 「……ッ!!」
少女 「(何だろう……今、体に電気みたいな、ピリッとした衝撃が……)」
キングチャチャブー 「どうした?」
少女 「え……うぅん、何でもないよ」
少女 「それより、早く扉をしよう。キングさん、手伝ってくれる?」
キングチャチャブー 「扉?」
少女 「葦で編んでみたの。洞窟の入り口に蓋ができるように」
キングチャチャブー 「器用な野郎だ……」
253: 2009/10/28(水) 16:10:37.10 ID:yBtv3UY0
キングチャチャブー 「…………こんなもんか」
少女 「わあ、キングさん、ありがとう。これで中に雪が吹き込んでこないね」
キングチャチャブー 「……」
少女 「ね、キングさん」
キングチャチャブー 「?」
少女 「砦ドラゴンって、おっきいの? ラオ様より?」
キングチャチャブー 「ラオシャンロンなんざ、目じゃねぇな……」
キングチャチャブー 「……俺がガキの時分の話だ」
キングチャチャブー 「あのときもひどい寒波で……一族の半分が氏んだ」
キングチャチャブー 「丁度疫病が重なってな……」
少女 「そうなんだ……」
キングチャチャブー 「俺も高熱で苦しんでいたが……その時、海の向こうに奴の姿を見た」
キングチャチャブー 「月を覆い隠すほどの、巨大な竜の姿をな……」
キングチャチャブー 「陸に上がったそいつは、やがて俺の頭の上を通っていって、そして消えた」
キングチャチャブー 「……一族の中で、あれを見たのは俺一人だ」
少女 「わあ、キングさん、ありがとう。これで中に雪が吹き込んでこないね」
キングチャチャブー 「……」
少女 「ね、キングさん」
キングチャチャブー 「?」
少女 「砦ドラゴンって、おっきいの? ラオ様より?」
キングチャチャブー 「ラオシャンロンなんざ、目じゃねぇな……」
キングチャチャブー 「……俺がガキの時分の話だ」
キングチャチャブー 「あのときもひどい寒波で……一族の半分が氏んだ」
キングチャチャブー 「丁度疫病が重なってな……」
少女 「そうなんだ……」
キングチャチャブー 「俺も高熱で苦しんでいたが……その時、海の向こうに奴の姿を見た」
キングチャチャブー 「月を覆い隠すほどの、巨大な竜の姿をな……」
キングチャチャブー 「陸に上がったそいつは、やがて俺の頭の上を通っていって、そして消えた」
キングチャチャブー 「……一族の中で、あれを見たのは俺一人だ」
254: 2009/10/28(水) 16:11:36.05 ID:yBtv3UY0
キングチャチャブー 「誰もがヨタ話と笑ったが、あの時感じた力強い鼓動……」
キングチャチャブー 「すさまじい存在感……」
キングチャチャブー 「魂を振るわす、生命の足音……」
キングチャチャブー 「あれは夢じゃねぇ」
キングチャチャブー 「だから俺ァ、冬になるといつも海を見るのさ」
キングチャチャブー 「また、奴が現れるんじゃないかとな……」
少女 「……」
キングチャチャブー 「しゃべりすぎたか……寝るぜ」
少女 「私、キングさんの言うこと信じるよ」
キングチャチャブー 「…………」
少女 「ロアルさんも何かを見たって言ってたし、私も、海の方に何かがいるのを感じるの」
キングチャチャブー 「……そうか」
少女 「もし本当に、砦ドラゴンさんがいるのなら、お話してみたいな」
キングチャチャブー 「…………」
少女 「キングさん、どうしたの?」
キングチャチャブー 「……いや、昔、てめぇと同じようなことを言った奴がいてな……」
キングチャチャブー 「何でもねぇ。気にするな……」
少女 「? ……うん! ほら、キングさん。奥に行かないと凍えちゃうよ」
キングチャチャブー 「………………(スタスタ)」
キングチャチャブー 「(もし本当に砦ドラゴンだとしたら……)」
キングチャチャブー 「(茶アイルー…………)」
キングチャチャブー 「(お前もそこにいるのか……)」
キングチャチャブー 「すさまじい存在感……」
キングチャチャブー 「魂を振るわす、生命の足音……」
キングチャチャブー 「あれは夢じゃねぇ」
キングチャチャブー 「だから俺ァ、冬になるといつも海を見るのさ」
キングチャチャブー 「また、奴が現れるんじゃないかとな……」
少女 「……」
キングチャチャブー 「しゃべりすぎたか……寝るぜ」
少女 「私、キングさんの言うこと信じるよ」
キングチャチャブー 「…………」
少女 「ロアルさんも何かを見たって言ってたし、私も、海の方に何かがいるのを感じるの」
キングチャチャブー 「……そうか」
少女 「もし本当に、砦ドラゴンさんがいるのなら、お話してみたいな」
キングチャチャブー 「…………」
少女 「キングさん、どうしたの?」
キングチャチャブー 「……いや、昔、てめぇと同じようなことを言った奴がいてな……」
キングチャチャブー 「何でもねぇ。気にするな……」
少女 「? ……うん! ほら、キングさん。奥に行かないと凍えちゃうよ」
キングチャチャブー 「………………(スタスタ)」
キングチャチャブー 「(もし本当に砦ドラゴンだとしたら……)」
キングチャチャブー 「(茶アイルー…………)」
キングチャチャブー 「(お前もそこにいるのか……)」
255: 2009/10/28(水) 16:14:06.16 ID:yBtv3UY0
―雪山―
ノノ・オルガロン 「あなた、雪が強いわ」
カム・オルガロン 「ああ、雪が強すぎるな」
ノノ・オルガロン 「あなた、これ以上は無理よ。火山への入り口が分からないわ」
カム・オルガロン 「ふむ……これ以上進むのは無理か。火山への入り口が分からない」
ノノ・オルガロン 「困ったわ。旅から戻ったばかりだというのに」
カム・オルガロン 「困ったな。旅から戻ったばかりだというのに」
ノノ・オルガロン 「!! 誰か来る!」
カム・オルガロン 「!! ノノ、私のそばを離れるな!」
ノノ・オルガロン 「ええ、カム。あなたのそばを離れないわ」
テオ・テスカトル 「……っ、くっ。すさまじい吹雪だ……」
カム・オルガロン 「その声は……テオ・テスカトル!」
ノノ・オルガロン 「テオ・テスカトル!? 良かった!」
テオ・テスカトル 「カム、ノノ!! 久しぶりだ! よく戻ってきたなぁ!!」
テオ・テスカトル 「懐かしい気配がしたので、見回りもかねて外に出てきたんだ。いやぁ、偶然だな!」
ノノ・オルガロン 「あなた、雪が強いわ」
カム・オルガロン 「ああ、雪が強すぎるな」
ノノ・オルガロン 「あなた、これ以上は無理よ。火山への入り口が分からないわ」
カム・オルガロン 「ふむ……これ以上進むのは無理か。火山への入り口が分からない」
ノノ・オルガロン 「困ったわ。旅から戻ったばかりだというのに」
カム・オルガロン 「困ったな。旅から戻ったばかりだというのに」
ノノ・オルガロン 「!! 誰か来る!」
カム・オルガロン 「!! ノノ、私のそばを離れるな!」
ノノ・オルガロン 「ええ、カム。あなたのそばを離れないわ」
テオ・テスカトル 「……っ、くっ。すさまじい吹雪だ……」
カム・オルガロン 「その声は……テオ・テスカトル!」
ノノ・オルガロン 「テオ・テスカトル!? 良かった!」
テオ・テスカトル 「カム、ノノ!! 久しぶりだ! よく戻ってきたなぁ!!」
テオ・テスカトル 「懐かしい気配がしたので、見回りもかねて外に出てきたんだ。いやぁ、偶然だな!」
256: 2009/10/28(水) 16:15:21.19 ID:yBtv3UY0
カム・オルガロン 「テオ。この寒波はどうしたことだ? こちらの大陸に入る前は何ともなかったのだが」
ノノ・オルガロン 「ええ。何ともなかったわ」
テオ・テスカトル 「私たちも、この異常事態に戸惑っている。ともかく火山に入ろう」
テオ・テスカトル 「私の炎でも、冷風を完全に防げない……君たちでは凍ってしまう」
ノノ・オルガロン 「そうね、カム。今は避難を優先しましょう」
カム・オルガロン 「そうだな、ノノ。今は避難を優先しよう」
テオ・テスカトル 「いつもの火山への出入り口は凍り付いてしまった」
テオ・テスカトル 「こちらに、急遽用意した入り口がある」
カム・オルガロン 「おお、そうだったのか」
ノノ・オルガロン 「やはり移動していたのね」
テオ・テスカトル 「この辺りの者はみな、火山に避難を始めている。だんだん凍り付いているようだ」
カム・オルガロン 「数刻前から突然雪が、倍近くに強くなった」
ノノ・オルガロン 「そうね。数刻前から突然、倍近くにひどくなったわ」
テオ・テスカトル 「……何かが起こっているのかもしれない。さ。こっちだ」
カム・オルガロン 「ありがたい。ノノ、行くぞ」
ノノ・オルガロン 「ええ。ありがたいわ。行きましょう。カム」
ノノ・オルガロン 「ええ。何ともなかったわ」
テオ・テスカトル 「私たちも、この異常事態に戸惑っている。ともかく火山に入ろう」
テオ・テスカトル 「私の炎でも、冷風を完全に防げない……君たちでは凍ってしまう」
ノノ・オルガロン 「そうね、カム。今は避難を優先しましょう」
カム・オルガロン 「そうだな、ノノ。今は避難を優先しよう」
テオ・テスカトル 「いつもの火山への出入り口は凍り付いてしまった」
テオ・テスカトル 「こちらに、急遽用意した入り口がある」
カム・オルガロン 「おお、そうだったのか」
ノノ・オルガロン 「やはり移動していたのね」
テオ・テスカトル 「この辺りの者はみな、火山に避難を始めている。だんだん凍り付いているようだ」
カム・オルガロン 「数刻前から突然雪が、倍近くに強くなった」
ノノ・オルガロン 「そうね。数刻前から突然、倍近くにひどくなったわ」
テオ・テスカトル 「……何かが起こっているのかもしれない。さ。こっちだ」
カム・オルガロン 「ありがたい。ノノ、行くぞ」
ノノ・オルガロン 「ええ。ありがたいわ。行きましょう。カム」
257: 2009/10/28(水) 16:16:32.69 ID:yBtv3UY0
―旧火山、テオとナナの巣―
カム・オルガロン 「…………ふむ。大分体が温まった」
ノノ・オルガロン 「そうね。体が温まったわ。火山はちゃんと活動しているようで良かったわ」
ナナ・テスカトリ 「お魚が焼けました。どうぞ召し上がってください」
ノノ・オルガロン 「ありがとう、ナナ。おなかがぺこぺこなの。いただくとするわ」
カム・オルガロン 「そうだな。おなかがぺこぺこだ。いただくとしよう(もぐもぐ)」
テオ・テスカトル 「クック殿からいただいた酒がまだ余っていただろう。二人に振舞ってやってくれないか?」
ナナ・テスカトリ 「ええ。分かりました(ごそごそ)」
テオ・テスカトル 「修行の旅はどうだった? そろそろ今年も君たちが戻る時期だとは思っていたんだ」
カム・オルガロン 「……森の奥地に行ってみたが、いつもと同じだ」
ノノ・オルガロン 「ええ、いつもと同じ。あまりいい成果は得られなかったわ」
テオ・テスカトル 「そうか。まだ私たち以外の古龍や新種のモンスターがいるかと思っていたが……」
テオ・テスカトル 「やはりこの大陸では、もうこの辺りにしかモンスターは生息していないのか……」
カム・オルガロン 「代わりに人間の村が増えていた」
ノノ・オルガロン 「人間は森を切り、焼いて居住空間を広げていたわ」
ノノ・オルガロン 「私とカムは、沢山の森が人間の住処になっているのを見てきたわ」
カム・オルガロン 「そうだな。沢山の森が人間の住処になっていた」
カム・オルガロン 「…………ふむ。大分体が温まった」
ノノ・オルガロン 「そうね。体が温まったわ。火山はちゃんと活動しているようで良かったわ」
ナナ・テスカトリ 「お魚が焼けました。どうぞ召し上がってください」
ノノ・オルガロン 「ありがとう、ナナ。おなかがぺこぺこなの。いただくとするわ」
カム・オルガロン 「そうだな。おなかがぺこぺこだ。いただくとしよう(もぐもぐ)」
テオ・テスカトル 「クック殿からいただいた酒がまだ余っていただろう。二人に振舞ってやってくれないか?」
ナナ・テスカトリ 「ええ。分かりました(ごそごそ)」
テオ・テスカトル 「修行の旅はどうだった? そろそろ今年も君たちが戻る時期だとは思っていたんだ」
カム・オルガロン 「……森の奥地に行ってみたが、いつもと同じだ」
ノノ・オルガロン 「ええ、いつもと同じ。あまりいい成果は得られなかったわ」
テオ・テスカトル 「そうか。まだ私たち以外の古龍や新種のモンスターがいるかと思っていたが……」
テオ・テスカトル 「やはりこの大陸では、もうこの辺りにしかモンスターは生息していないのか……」
カム・オルガロン 「代わりに人間の村が増えていた」
ノノ・オルガロン 「人間は森を切り、焼いて居住空間を広げていたわ」
ノノ・オルガロン 「私とカムは、沢山の森が人間の住処になっているのを見てきたわ」
カム・オルガロン 「そうだな。沢山の森が人間の住処になっていた」
258: 2009/10/28(水) 16:17:35.40 ID:yBtv3UY0
ナナ・テスカトリ 「そうですか……ラオシャンロン様が、この土地を動かないようにとみなに厳命しているのは……」
テオ・テスカトル 「ああ。やはり、年々我らが移住できる土地は減っているからだろうな」
ノノ・オルガロン 「こちらはどうですか? 子供たちは?」
カム・オルガロン 「そうだな。子供たちのことが気になる」
テオ・テスカトル 「みんな順調に成長しているよ。一人も欠けていない」
テオ・テスカトル 「それに、フルフルさんの卵が見つかってな、息子さんが生まれて大きくなってきているんだ」
カム・オルガロン 「なんと!」
ノノ・オルガロン 「それはめでたいわ、カム」
カム・オルガロン 「そうだな、めでたいな、ノノ。あとで挨拶に行かなければ」
テオ・テスカトル 「今はこの寒波のため、登校できない生徒も多いが、君たちが顔を見せてくれれば火山の子供たちは喜ぶだろう」
ナナ・テスカトリ 「はい、どうぞ。狂走エキスの熱燗です」
ノノ・オルガロン 「あつかん?」
カム・オルガロン 「あつかんとは?」
ナナ・テスカトリ 「ある優秀な子が教えてくれた方法です。お湯でお酒を温めると、体の温まり方が全然違うんですよ」
テオ・テスカトル 「ああ。やはり、年々我らが移住できる土地は減っているからだろうな」
ノノ・オルガロン 「こちらはどうですか? 子供たちは?」
カム・オルガロン 「そうだな。子供たちのことが気になる」
テオ・テスカトル 「みんな順調に成長しているよ。一人も欠けていない」
テオ・テスカトル 「それに、フルフルさんの卵が見つかってな、息子さんが生まれて大きくなってきているんだ」
カム・オルガロン 「なんと!」
ノノ・オルガロン 「それはめでたいわ、カム」
カム・オルガロン 「そうだな、めでたいな、ノノ。あとで挨拶に行かなければ」
テオ・テスカトル 「今はこの寒波のため、登校できない生徒も多いが、君たちが顔を見せてくれれば火山の子供たちは喜ぶだろう」
ナナ・テスカトリ 「はい、どうぞ。狂走エキスの熱燗です」
ノノ・オルガロン 「あつかん?」
カム・オルガロン 「あつかんとは?」
ナナ・テスカトリ 「ある優秀な子が教えてくれた方法です。お湯でお酒を温めると、体の温まり方が全然違うんですよ」
259: 2009/10/28(水) 16:18:27.29 ID:yBtv3UY0
ノノ・オルガロン 「温かい酒……(ぐびり)……~~ッ!!」
カム・オルガロン 「ノノ、どうした? ノノ?」
ノノ・オルガロン 「非常に美味だわ! カム。あなたも飲んでみて」
カム・オルガロン 「分かった(ぐびり)…………~~ッ!!」
カム・オルガロン 「カァァッ! 効くなぁ!」
カム・オルガロン 「優秀な子がいるのだな。こんな方法を思いつくとは」
ノノ・オルガロン 「ええ、優秀な子ね」
ナナ・テスカトリ 「ふふ。とてもかわいらしい、自慢の生徒です」
カム・オルガロン 「一体どこの子がこんな方法を?(ぐびり)」
ナナ・テスカトリ 「話すと長いのですが……」
テオ・テスカトル 「そうだな。私から話そう。その前に、二人とも体は大丈夫か? 火をもっと強くするか?」
カム・オルガロン 「火山の熱気でほてってきたくらいだ。問題はない」
ノノ・オルガロン 「そうね、問題はないわ」
テオ・テスカトル 「そうか。君たちが旅に出ている間、いろいろなことがあってね……」
カム・オルガロン 「ノノ、どうした? ノノ?」
ノノ・オルガロン 「非常に美味だわ! カム。あなたも飲んでみて」
カム・オルガロン 「分かった(ぐびり)…………~~ッ!!」
カム・オルガロン 「カァァッ! 効くなぁ!」
カム・オルガロン 「優秀な子がいるのだな。こんな方法を思いつくとは」
ノノ・オルガロン 「ええ、優秀な子ね」
ナナ・テスカトリ 「ふふ。とてもかわいらしい、自慢の生徒です」
カム・オルガロン 「一体どこの子がこんな方法を?(ぐびり)」
ナナ・テスカトリ 「話すと長いのですが……」
テオ・テスカトル 「そうだな。私から話そう。その前に、二人とも体は大丈夫か? 火をもっと強くするか?」
カム・オルガロン 「火山の熱気でほてってきたくらいだ。問題はない」
ノノ・オルガロン 「そうね、問題はないわ」
テオ・テスカトル 「そうか。君たちが旅に出ている間、いろいろなことがあってね……」
260: 2009/10/28(水) 16:21:18.27 ID:yBtv3UY0
カム・オルガロン 「………………では人間の子を、あのクックさんが育てているというのか」
ノノ・オルガロン 「珍しいこと……」
ナナ・テスカトリ 「もう人間というよりは、私たちモンスターに近い子なのですけれどね」
テオ・テスカトル 「いい子だ。我らに仇なす子ではない。それは私の名にかけて誓おう」
カム・オルガロン 「テオ・テスカトルがそこまで言うというのであれば、私は信じよう。ノノはいかにする?」
ノノ・オルガロン 「私も信じましょう。カムのように」
カム・オルガロン 「そうだな。一度会ってみたいものだ」
ノノ・オルガロン 「そうね。会ってみたいものです」
テオ・テスカトル 「この大吹雪がやめば、すぐにでも顔を見ることが出来るさ」
テオ・テスカトル 「それにしても……今年の寒波はおかしいな。雪はやむどころか、益々強さを増しているような気がする」
テオ・テスカトル 「これでは狩りにも出れない。生活に支障が出てくる者もいるだろう」
テオ・テスカトル 「とりわけ、森林と樹海に住む者が心配だ」
テオ・テスカトル 「一部の民族はこの旧火山に避難をさせたが、いまだ連絡の取れない者も多い」
テオ・テスカトル 「カム、ノノ。出来れば明日から、その者たちを探して、避難させる作業を手伝ってもらいたい」
カム・オルガロン 「構わない。どちらにせよ、樹海のヤマツカミ様にお会いしなければいけない」
ノノ・オルガロン 「そうね、ヤマツカミ様にお会いしなければ」
ノノ・オルガロン 「珍しいこと……」
ナナ・テスカトリ 「もう人間というよりは、私たちモンスターに近い子なのですけれどね」
テオ・テスカトル 「いい子だ。我らに仇なす子ではない。それは私の名にかけて誓おう」
カム・オルガロン 「テオ・テスカトルがそこまで言うというのであれば、私は信じよう。ノノはいかにする?」
ノノ・オルガロン 「私も信じましょう。カムのように」
カム・オルガロン 「そうだな。一度会ってみたいものだ」
ノノ・オルガロン 「そうね。会ってみたいものです」
テオ・テスカトル 「この大吹雪がやめば、すぐにでも顔を見ることが出来るさ」
テオ・テスカトル 「それにしても……今年の寒波はおかしいな。雪はやむどころか、益々強さを増しているような気がする」
テオ・テスカトル 「これでは狩りにも出れない。生活に支障が出てくる者もいるだろう」
テオ・テスカトル 「とりわけ、森林と樹海に住む者が心配だ」
テオ・テスカトル 「一部の民族はこの旧火山に避難をさせたが、いまだ連絡の取れない者も多い」
テオ・テスカトル 「カム、ノノ。出来れば明日から、その者たちを探して、避難させる作業を手伝ってもらいたい」
カム・オルガロン 「構わない。どちらにせよ、樹海のヤマツカミ様にお会いしなければいけない」
ノノ・オルガロン 「そうね、ヤマツカミ様にお会いしなければ」
261: 2009/10/28(水) 16:22:10.83 ID:yBtv3UY0
テオ・テスカトル 「……私たちが子供の頃、このような寒波がここを襲ったことがあった……」
ナナ・テスカトリ 「あの時は、沢山の仲間が犠牲になりました……」
テオ・テスカトル 「だが今回は避難経路をきちんと用意しておいたおかげで、備えることが出来たのはいいが……」
テオ・テスカトル 「何か、私は自然以外の者の力を感じるのだ」
カム・オルガロン 「………………」
ノノ・オルガロン 「そうね……カム」
カム・オルガロン 「ああ、ノノ」
テオ・テスカトル 「?」
カム・オルガロン 「おぬし達には言っておいたほうがいいだろう」
カム・オルガロン 「何かが海岸にいる」
テオ・テスカトル 「何かとは?」
ノノ・オルガロン 「得体の知れない何かよ。決して、いいものではないわ」
カム・オルガロン 「そう。得体の知れない何か。いいものではない」
カム・オルガロン 「私たちは吹雪の中、一瞬だけ何かが、海に潜るのを見た」
カム・オルガロン 「あれが何だったのかは分からないが……」
カム・オルガロン 「今でも、手の震えが止まらない」
ノノ・オルガロン 「ええ。震えがとまらないわ……」
ナナ・テスカトリ 「あの時は、沢山の仲間が犠牲になりました……」
テオ・テスカトル 「だが今回は避難経路をきちんと用意しておいたおかげで、備えることが出来たのはいいが……」
テオ・テスカトル 「何か、私は自然以外の者の力を感じるのだ」
カム・オルガロン 「………………」
ノノ・オルガロン 「そうね……カム」
カム・オルガロン 「ああ、ノノ」
テオ・テスカトル 「?」
カム・オルガロン 「おぬし達には言っておいたほうがいいだろう」
カム・オルガロン 「何かが海岸にいる」
テオ・テスカトル 「何かとは?」
ノノ・オルガロン 「得体の知れない何かよ。決して、いいものではないわ」
カム・オルガロン 「そう。得体の知れない何か。いいものではない」
カム・オルガロン 「私たちは吹雪の中、一瞬だけ何かが、海に潜るのを見た」
カム・オルガロン 「あれが何だったのかは分からないが……」
カム・オルガロン 「今でも、手の震えが止まらない」
ノノ・オルガロン 「ええ。震えがとまらないわ……」
262: 2009/10/28(水) 16:23:27.58 ID:yBtv3UY0
ナナ・テスカトリ 「別大陸からの方でしょうか……?」
テオ・テスカトル 「いや……カムとノノは、人一倍敏感だからな。何かを感じ取っているのかもしれない」
テオ・テスカトル 「我々モンスターを超越した何かを……」
テオ・テスカトル 「寒波は、ここから、人間の里に向かって降りていっているようだ」
ナナ・テスカトリ 「……まさか……」
テオ・テスカトル 「ああ。子供の時と同じことが今、起こっているのかもしれない」
テオ・テスカトル 「もしかしたら、モンスター以上の力を持つ何かが、この寒波を呼んでいるのだとしたら……」
ナナ・テスカトリ 「今回も、沢山の犠牲が出るかもしれませんね……」
テオ・テスカトル 「いかにも。これは、何とかヤマツカミ様とラオシャンロン様にご相談しなければ」
カム・オルガロン 「樹海は今どうなっているのだ? テオ」
ノノ・オルガロン 「この雪で、私たちは迷ってしまったの」
カム・オルガロン 「ああ、迷ってしまってたどり着けなかった」
テオ・テスカトル 「昼間に行こうとしたのだが、通り道がふさがってしまい確認できなかった」
テオ・テスカトル 「夜が開けたら、また向かうつもりだ」
カム・オルガロン 「お前もだったのか。ならば明日、雪が収まっていることを祈るばかりだな」
ノノ・オルガロン 「ええ、祈るばかりね」
テオ・テスカトル 「(いずれにせよ、あの頃のような寒波だとすると、これは天災に近いものがある……)」
テオ・テスカトル 「(止められるものなら何とか止めたいものではあるが……)」
テオ・テスカトル 「いや……カムとノノは、人一倍敏感だからな。何かを感じ取っているのかもしれない」
テオ・テスカトル 「我々モンスターを超越した何かを……」
テオ・テスカトル 「寒波は、ここから、人間の里に向かって降りていっているようだ」
ナナ・テスカトリ 「……まさか……」
テオ・テスカトル 「ああ。子供の時と同じことが今、起こっているのかもしれない」
テオ・テスカトル 「もしかしたら、モンスター以上の力を持つ何かが、この寒波を呼んでいるのだとしたら……」
ナナ・テスカトリ 「今回も、沢山の犠牲が出るかもしれませんね……」
テオ・テスカトル 「いかにも。これは、何とかヤマツカミ様とラオシャンロン様にご相談しなければ」
カム・オルガロン 「樹海は今どうなっているのだ? テオ」
ノノ・オルガロン 「この雪で、私たちは迷ってしまったの」
カム・オルガロン 「ああ、迷ってしまってたどり着けなかった」
テオ・テスカトル 「昼間に行こうとしたのだが、通り道がふさがってしまい確認できなかった」
テオ・テスカトル 「夜が開けたら、また向かうつもりだ」
カム・オルガロン 「お前もだったのか。ならば明日、雪が収まっていることを祈るばかりだな」
ノノ・オルガロン 「ええ、祈るばかりね」
テオ・テスカトル 「(いずれにせよ、あの頃のような寒波だとすると、これは天災に近いものがある……)」
テオ・テスカトル 「(止められるものなら何とか止めたいものではあるが……)」
263: 2009/10/28(水) 16:25:27.80 ID:yBtv3UY0
―海岸―
ラージャン 「……………………」
ブランゴA 「キィ! ボス、雪が強い! ここは避難するべきだ!!」
ブランゴB 「鼻の穴まで凍っちまった!!」
ブランゴC 「だんだん風も強くなってきやがる!!」
ラージャン 「…………来る…………」
ブランゴA 「は? 何がですかい?」
ババコンガ 「族長、民の避難は完了しました!」
ラージャン 「…………そうか」
ラージャン 「日が昇り次第、樹海のもっと奥、火山へ移動する……」
ババコンガ 「了解です。しかし何なのでしょう、この猛吹雪は……」
ラージャン 「……お前たちには見えないのか……」
ババコンガ 「? 何がでございますか?」
ラージャン 「いや…………良い…………」
ラージャン 「………………」
砦ドラゴン 「(ズズズズズズズズズ)」
ラージャン 「……………………」
ブランゴA 「キィ! ボス、雪が強い! ここは避難するべきだ!!」
ブランゴB 「鼻の穴まで凍っちまった!!」
ブランゴC 「だんだん風も強くなってきやがる!!」
ラージャン 「…………来る…………」
ブランゴA 「は? 何がですかい?」
ババコンガ 「族長、民の避難は完了しました!」
ラージャン 「…………そうか」
ラージャン 「日が昇り次第、樹海のもっと奥、火山へ移動する……」
ババコンガ 「了解です。しかし何なのでしょう、この猛吹雪は……」
ラージャン 「……お前たちには見えないのか……」
ババコンガ 「? 何がでございますか?」
ラージャン 「いや…………良い…………」
ラージャン 「………………」
砦ドラゴン 「(ズズズズズズズズズ)」
264: 2009/10/28(水) 16:28:29.02 ID:yBtv3UY0
お疲れ様でした。
次話に続かせていただきます。
インフルエンザが流行っていますが、皆さん予防の方は大丈夫でしょうか。
手洗いうがいが意外と効果的らしいです。かからず乗り切りたいものですね。
次話に続かせていただきます。
インフルエンザが流行っていますが、皆さん予防の方は大丈夫でしょうか。
手洗いうがいが意外と効果的らしいです。かからず乗り切りたいものですね。
225: 2009/10/22(木) 18:03:59.96 ID:vjZ8y7M0
お疲れ様でした。続かせていただきます
次回の更新をお待ちくださいね
次回の更新をお待ちくださいね
226: 2009/10/22(木) 18:52:09.24 ID:GYj3VbQo
GJ!
246: 2009/10/24(土) 16:58:54.83 ID:imLU/MSO
乙した
247: 2009/10/24(土) 17:16:56.46 ID:6R5l4TMo
砦ドラゴンって?
ミケさんのオリジナルですか?
それともF以前の?
ミケさんのオリジナルですか?
それともF以前の?
248: 2009/10/24(土) 22:08:49.06 ID:BEEeVHQ0
>>247
『ハンター大全G』という本の中に載っているイラスト+私のオリジナルです
内容が濃くて面白い本です。オススメですよ
『ハンター大全G』という本の中に載っているイラスト+私のオリジナルです
内容が濃くて面白い本です。オススメですよ
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