かのん「だっでぇぇ〜！、みんなすごい期待して見送ってくれたんだもん！今更実は留学してませんでしたとか言えないじゃ〜ん！」ﾋﾞｴｰﾝ



マルガレーテ「だからっていつまでも私の下宿先に入り浸ってていいわけ無いでしょ!?」


かのん「お願い！もうちょっとだけ！この通りだからぁ！」ﾄﾞｹﾞｻﾞ



マルガレーテ「年下にジャパニーズドゲザかましてんじゃないわよ！いいから帰りなさい！」


かのん「やだぁ〜　お願いしますぅ〜マルガレーテちゃぁん」ﾒｿﾒｿ


マルガレーテ（私こんなのに負けたの…?）

マルガレーテ「もうわかったから…起きなさいよ、虚しくなってくるわ」


かのん「よかった、今追い出されたら路頭に迷う所だったよ」ﾑｸｯ


マルガレーテ「…春休み終わったら絶対バレるけど、どうするのよ」

かのん「そこはまぁ……『やっぱり日本が忘れられなくて帰ってきちゃった！』でなんとかなるかなぁ…って」


マルガレーテ「なるわけ無いじゃない…ちぃはぶち切れるわよ、多分」



かのん「そうかな？ちぃちゃん毎日のように私にメール送ってくるし、実は帰ってきてほしいと思ってる気がするんだよね」


マルガレーテ「希望的観測がすぎる…言っとくけどどうなっても私は知らないから」

かのん「任せて、伊達にラブライブ優勝グループのセンターやってないから！切り抜けて見せる！」


マルガレーテ「ラブライブの看板が泣くわよ」

マルガレーテ「そんな嘘で塗り固めて、私がみんなに喋ったらどうするのよ」

かのん「大丈夫…私はマルガレーテちゃんを信じてるからね」ｷﾘｯ


マルガレーテ「今の状態でかっこつけないでよ…はぁ…」ｽｸｯ


かのん「あれ？どこか行くの？」


マルガレーテ「歌のレッスン、あんたがここでボヤボヤしてる間に追い越してあげるわ」


かのん「おっ？負けないよ〜、実は私、この状態でもこっそり練習してるんだよね、カラオケとかで」



マルガレーテ「はいはい、知り合いに鉢合わせないといいわね」

かのん「あっ、帰りに買い物してきてね、パスタ作ってあげる」


マルガレーテ「私ある意味イタリアンの本場出身なんだけど…」ｶﾞﾁｬ

マルガレーテ（あの居候、どうしてやろうかしら）ﾃｸﾃｸ


千砂都「あ、マルガレーテちゃん、こんにちは」

マルガレーテ「こんにちは…今からバイト？」


千砂都「うん！かのんちゃんもあっちで頑張ってるからね！私も頑張るんだ！」


マルガレーテ「あっち、ねぇ」ﾁﾗｯ


千砂都（家のドア見つめてどうしたんだろう）

千砂都「私、かのんちゃんが出発前に最後に言った言葉がね、ずっと心に残ってるんだ…！」


かのん『私、絶対世界に歌を響かせられる人間になって帰ってくる！』

かのん『みんなに次会うのは、その時だよ！』ｷﾘｯ



マルガレーテ（うわぁ…）


千砂都「私はかのんちゃんを信じてる！どれだけかかっても絶対成し遂げてくるって！」

千砂都「何年も会えないのは…寂しいけどね…」


マルガレーテ「そこは安心してもいいんじゃないかしら」


千砂都「そうだよね！かのんちゃんなら、案外早く目標達成しちゃうかも」ｱﾊﾊ


マルガレーテ「いや、そうじゃなくて…」ﾓｳｲｲｶ

千砂都「マルガレーテちゃんは日本に残るんだよね、結女にくるって噂になってるよ！」


マルガレーテ「ええ、よろしくね、千砂都先輩」


千砂都「うんうん！やっぱり後輩ができるのは嬉しいねぇ〜」

千砂都「そうだ！マルガレーテちゃん一人暮らしでしょ？今夜は私が栄養たっぷりキャベツたこ焼き作ってあげようか！」


マルガレーテ「千砂都先輩のたこ焼き…」


マルガレーテ「いや、嬉しいけど、先約があってね、悪いけど断るわ」


マルガレーテ（なんでこんなに気を使わないといけないのかしら）ﾊｧ


千砂都「そっかぁ、残念、じゃあ私行くね！」ﾀﾀｯ

マルガレーテ「ええ、さよなら」

かのん「カフェオレ、焼きりんご〜♪…あれ？マルガレーテちゃんまだ居たの？」ｶﾞﾁｬ

マルガレーテ「あんた危なかったわね、今千砂都先輩と喋ってた所よ」


かのん「え！嘘！やばい！まだいる!?」ｺｿｺｿ

マルガレーテ「もう行ったわよ」



かのん「良かった〜、やっぱり日が出てるうちは危ないね、見つかる所だったよ」ﾌｩ


マルガレーテ「あなた指名手配犯なの？」



かのん「なっ、元はと言えばいきなり留学中止にする方が悪いと思うんだけど！」


マルガレーテ「はぁ!?あなたが変な意地張るからこうなってるんでしょうが！」

千砂都「あ、マルガレーテちゃんに歓迎会の事言うの忘れてた…」ｸﾙｯ

ﾉcﾉﾉσﾉ△ σb　💢꒰ﾉﾙ ⩌⤚⩌)ﾙ.　ｷﾞｬｰｷﾞｬｰ


千砂都「……」

千砂都「私、疲れてるのかな…かのんちゃんとマルガレーテちゃんが言い争ってる様に見える…」ﾌﾗﾌﾗ



マルガレーテ「もう知らない！あんたなんかさっさと嘘がバレて袋叩きにでもあえばいい！」ﾀﾀｯ


かのん「ふんだ！絶対バレないもん！」ﾌﾟｲｯ

夜

かのん「」ｽﾞｰﾝ

マルガレーテ「で、コンビニ帰りに散歩してたきな子先輩に見つかった、と」


かのん「せめて変装すればよかったぁ〜、どゔじよゔマルガレーテちゃ〜ん」ｸﾞｽｸﾞｽ


かのん「今日はきな子ちゃんに土下座して秘密にしてもらったけど、もう誤魔化せないよぉ」


マルガレーテ「あなた一日に2回も年下に土下座したの…？」

マルガレーテ「というか、もう諦めたら？年貢の納め時ってやつ」


かのん「これでもLiella!のリーダーなんだよ！そう簡単に諦めるなんて思っちゃダメだよ！」


マルガレーテ「自分に土下座してきた人をリーダー扱いしないといけない私ときな子先輩の気持ち考えた事ある？」


マルガレーテ「それで、どうするの？きな子先輩聞かれたら多分口割っちゃうと思うけど」


かのん「あのね、古今東西、いけない事を知ってしまった子にする事は2つしか無いんだよ」

かのん「消すか、巻き込むか…」



マルガレーテ「やっぱり指名手配犯じゃない！言っとくけど私は悪くないから！」

かのん「まあそれは冗談として、もう観念して話すしかないかなって…」


マルガレーテ「そうね、大人しくお得意の土下座でもして黙っていたこと謝ったら？」


かのん「やめてよ！どこに土下座を得意技にしてるスクールアイドルがいるって言うの!?」


マルガレーテ「ここに…」


かのん「土下座は最終手段だもん！お母さんへのお願いとか、ちぃちゃんがブチ切れた時にはこれで凌いできただけ！」


マルガレーテ「得意技じゃない…というかあなたの土下座軽すぎない？」



マルガレーテ「まあ、みんな許してくれるでしょ、多分。で？部室で直接言うの？」


かのん「そこなんだけど、せっかくだからマルガレーテちゃんときな子ちゃんに協力してほしくて…」ｺｿｯ

〜歓迎会〜

千砂都「いやぁ、とうとうこの日が来たねぇ」

恋「Liella!にまた、新しい仲間が増えるのですね…感激です！」


可可「クラッカーの準備もバッチリデース！」ｸｿﾃﾞｶｸﾗｯｶｰ

すみれ「あんたそれちゃんと支えられるの？私も支えたほうがいいんじゃない？」


可可「すみれは黙って見てるがいいデス！」


すみれ「はいはい」

メイ「クラッカーの紐を引く大役…き、緊張する…」

四季「メイなら大丈夫…きっと」


夏美「きな子、随分テンションが低いけど、何かあったんですの？」


きな子「い、いや！？そそそんなことないっすよ！め、めちゃくちゃ楽しみっす〜！」ｱｾｱｾ

〜外〜

マルガレーテ「ほ、本当にやるの？」ｺｿｺｿ

？「やるよ！ここまで来たら後に引けないから！」ｺｿｺｿ


千砂都「さぁ！いよいよ主役の登場だよ！マルガレーテちゃんどうぞー！」


マルガレーテ「え、ええい、ままよ！」ｶﾞﾗｶﾞﾗ

可可「マルマル！ようこそーっ…てｱﾘｪ?」


メイ「可可先輩！これ引っ張ったら紐だけ抜けちまったよ！」


可可「ふ、不発…そんな…」ｶﾞｸｯ


すみれ「というか、マルガレーテ、そのでかい箱は何？」

マルガレーテ「…これは、その」ﾁﾗｯ


きな子「はっ！ま、マルガレーテちゃん！お土産っすか？早く見せてくださいっすぅ〜！！」ｶﾝﾍﾟ

マルガレーテ「え、ええ！ほら！」ﾊﾟｶｯ


かのん「はいどうもー！みんな！元気だったかなー！？」ﾊﾞｯ



チクレスメシナ「…は？」


かのん「いやぁ〜！実は出発直前で留学中止になっちゃってさぁ〜！黙ってたのは悪かったけど、ま、これからもLiella!のセンターとしてよろしくね！何てね！」ﾃﾍｯ

全員「……」
　
かのん「あ、あれ？」


きな子「わ！わぁ〜！カノンセンパイガカエッテクルナンテー！」ｶﾝﾍﾟ


かのん「……」


全員「……」＼ﾊﾟｧﾝ／


可可「あ…クラッカー鳴ったデス」

すみれ「かのん、あんた…後輩巻き込んで何やってんのよ…」


恋「かのんさん、どうしてこんなことを…」ﾖﾖﾖ


メイ「この…何とも言えない感情は何なんだろうな…」

四季「喜怒哀楽の喜では無いことは確か」


夏美「オニナッツー！今日は部室から、修羅場の様子をお伝えしますの〜！」


かのん「え…嘘、もしかしてみんな結構怒ってる？」

千砂都「…かのんちゃんさぁ、家にも帰らず今まで何してたの?」


かのん「えっと…その、マルガレーテちゃんの所で歌の特訓、というか…」ｱｾｱｾ

千砂都「…」

かのん「すいません、帰りづらくて居候してました…」


すみれ「メールで『やっぱスペインのクオーターだから欧州の空気は合うなぁ〜』とかやたら変なアピールしてきたのは？」


かのん「ごめんなさい、嘘です…」


マルガレーテ「あんたメールでもそんな嘘ついてたの…？」

千砂都「ふーん、かのんちゃん、留学に行ってるふりして、私達に嘘ついてたんだ」


かのん「え、えっと、何か気まずくて〜、というか」ｱﾊﾊ…


千砂都「かのんちゃんがいない間に進めてた歌詞のパート分けやフォーメーションの変更も、無駄になっちゃったなぁ〜」ｺﾞｺﾞｺﾞ

かのん「ひっ…！」


千砂都「雑誌の取材やSNSでも、かのんちゃんは留学するから脱退したって言っちゃったんだけどなぁ〜」ｺﾞｺﾞｺﾞ


かのん「あの、その…」ｵﾛｵﾛ

千砂都「…マルガレーテちゃんときな子ちゃんは知ってたの？これはどういう事かな？」ｺﾞｺﾞｺﾞ


きな子「ひっ…！」


マルガレーテ「き、きな子先輩と私は悪くない！全ての罪はこの馬鹿にあるの！」


かのん「ちょっ…マルガレーテちゃん！酷いよ！リーダーを見捨てるの！？同じ釜の飯を食べた仲じゃん！」


マルガレーテ「あなたが勝手に食べてただけよ！この穀潰し！」


マルガレーテ「ほら予定通り抱きついて再会を喜びあいなさいよ！」


かのん「無理だよ！こんな目が据わってるちぃちゃん見たことないんだから！」

夏美「おほほ〜！すごい同接者数！マニーの匂いがいたしますの〜！」


メイ「なになに？『【悲報】かのんちゃんの留学先、後輩の家だった』『さすが"lie"llaのリーダー』これ炎上してるじゃねぇか！」


四季「これはもうおしおきマシーン3号を起動させるしかないかも」


きな子「こんな事ならあの時見なかったふりすれば良かったっす…」

千砂都「で、かのんちゃん、これからどうするの？」

かのん「え？いや、学校に戻ってスクールアイドル続けられたらなって…」



千砂都「恋ちゃん、この学校にかのんちゃんの籍ってまだ残ってたっけ」


恋「いえ？かのんさんは今頃海外のはずですから、籍が残ってるのはおかしいですね？」ﾆｺｯ


かのん「ちょ…待って、謝る！謝るから！Liella!でいさせてください！」ﾄﾞｹﾞｻﾞ


マルガレーテ「結局土下座したわね」


終わり

面白かった乙