1: 2016/04/25(月) 21:47:41.004 ID:hHVdZc5Y0.net
< 学校 >
男「……」マゼマゼ
友人「お前ってホント納豆好きだよな」チューチュー
男「ああ、大好物だ」マゼマゼ
友人「100回以上混ぜるのがいいとか聞くけど、そこいくとオレなんかせっかちだからさ」チューチュー
友人「20回か30回ぐらいで食っちまう。お前はどのぐらい混ぜるんだ?」チューチュー
男「1万回」マゼマゼ
友人「いちまん!?」ブッ
男「……」マゼマゼ
友人「お前ってホント納豆好きだよな」チューチュー
男「ああ、大好物だ」マゼマゼ
友人「100回以上混ぜるのがいいとか聞くけど、そこいくとオレなんかせっかちだからさ」チューチュー
友人「20回か30回ぐらいで食っちまう。お前はどのぐらい混ぜるんだ?」チューチュー
男「1万回」マゼマゼ
友人「いちまん!?」ブッ
8: 2016/04/25(月) 21:50:15.583 ID:hHVdZc5Y0.net
友人「そりゃいくらなんでも混ぜすぎじゃないか?」チューチュー
友人「ネバネバを通り越して、ドロドロになりそうだけど……」チューチュー
男「そんなことはない」マゼマゼ
男「納豆とは混ぜれば混ぜるほど、うまくなるものなのだ」マゼマゼ
友人「そんなもんかねえ……」チューチュー
男「お前こそ、さっきからずっと豆乳をストローで吸ってるじゃないか」マゼマゼ
友人「なにしろオレ、豆乳切らすと手が震えちまうから。あ、なくなった」プルプル…
男「重症だな」マゼマゼ
友人「ネバネバを通り越して、ドロドロになりそうだけど……」チューチュー
男「そんなことはない」マゼマゼ
男「納豆とは混ぜれば混ぜるほど、うまくなるものなのだ」マゼマゼ
友人「そんなもんかねえ……」チューチュー
男「お前こそ、さっきからずっと豆乳をストローで吸ってるじゃないか」マゼマゼ
友人「なにしろオレ、豆乳切らすと手が震えちまうから。あ、なくなった」プルプル…
男「重症だな」マゼマゼ
10: 2016/04/25(月) 21:53:31.895 ID:hHVdZc5Y0.net
男「1万回、終わり!」
男「食う!」モッシャモッシャ
友人「いったぁぁぁ! タレもかけず、薬味も入れず、ご飯にもかけず、そのままかき込んだ!」
男「……」ゴクッ
男「くぅ~、うまい!」
男「かき混ぜ1万回を達成して疲弊し切った五臓六腑に、イソフラボンが染み渡る……!」
友人(それって空腹は一番の調味料、みたいな理屈なんじゃ……)
男「食う!」モッシャモッシャ
友人「いったぁぁぁ! タレもかけず、薬味も入れず、ご飯にもかけず、そのままかき込んだ!」
男「……」ゴクッ
男「くぅ~、うまい!」
男「かき混ぜ1万回を達成して疲弊し切った五臓六腑に、イソフラボンが染み渡る……!」
友人(それって空腹は一番の調味料、みたいな理屈なんじゃ……)
11: 2016/04/25(月) 21:56:26.250 ID:hHVdZc5Y0.net
男「……」ウットリ
友人「『おかめ納豆』のパッケージ見て、なにうっとりしてんだよ」
男「いや、実は――」
男「俺の初恋の人は、このおかめさんなんだ」
友人「ハァ!?」
男「というより、現在進行形で恋してる」
友人「純愛だなぁ……」
友人「『おかめ納豆』のパッケージ見て、なにうっとりしてんだよ」
男「いや、実は――」
男「俺の初恋の人は、このおかめさんなんだ」
友人「ハァ!?」
男「というより、現在進行形で恋してる」
友人「純愛だなぁ……」
12: 2016/04/25(月) 21:59:23.361 ID:hHVdZc5Y0.net
友人「二次元のキャラクターに恋するなんてのはよくある話だけど」
友人「おかめ納豆のおかめに恋した奴は、世界広しといえどお前だけだろうな」
男「そうかな」
イケメン「やぁ! ボクのライバル! 今日も勝負だ!」バババババッ
友人(出た! 豆腐屋のせがれ、イケメン!)
友人「おかめ納豆のおかめに恋した奴は、世界広しといえどお前だけだろうな」
男「そうかな」
イケメン「やぁ! ボクのライバル! 今日も勝負だ!」バババババッ
友人(出た! 豆腐屋のせがれ、イケメン!)
13: 2016/04/25(月) 22:02:12.766 ID:hHVdZc5Y0.net
イケメン「見たまえ! この木綿豆腐の繊細さを! 絹ごし豆腐のつややかさを!」
男「うん、すごい」
イケメン「トレビア~ン! ってことは今日もボクの勝ちってことでいいね!?」
男「いいよ」
イケメン「ひゃっほう! お礼にこの豆腐はプレゼントしよう!」サッ
男「ありがとう、麻婆豆腐にするよ」
男「いつもこうやって作りたての豆腐をくれて……あいつ、いい奴だよな」
友人「……ライバルに全く相手にされてない悲しい奴でもあるけどな」
男「うん、すごい」
イケメン「トレビア~ン! ってことは今日もボクの勝ちってことでいいね!?」
男「いいよ」
イケメン「ひゃっほう! お礼にこの豆腐はプレゼントしよう!」サッ
男「ありがとう、麻婆豆腐にするよ」
男「いつもこうやって作りたての豆腐をくれて……あいつ、いい奴だよな」
友人「……ライバルに全く相手にされてない悲しい奴でもあるけどな」
14: 2016/04/25(月) 22:05:11.835 ID:hHVdZc5Y0.net
そんなある日のこと――
担任「紹介しよう。転校生のおかめさんだ」
おかめ「よろしくお願いします」ペコッ…
男「!」ドッキーン
男(まるで、『おかめ納豆』から飛び出してきたような絶世の美女じゃないか!)
男(まさかこんな女性がこの世にいたなんて……!)
男(彼女こそ、俺の運命の人……! 俺と彼女の小指は、納豆の糸で結ばれている……!)
担任「紹介しよう。転校生のおかめさんだ」
おかめ「よろしくお願いします」ペコッ…
男「!」ドッキーン
男(まるで、『おかめ納豆』から飛び出してきたような絶世の美女じゃないか!)
男(まさかこんな女性がこの世にいたなんて……!)
男(彼女こそ、俺の運命の人……! 俺と彼女の小指は、納豆の糸で結ばれている……!)
15: 2016/04/25(月) 22:09:27.612 ID:hHVdZc5Y0.net
放課後――
男「あ、あのっ! おかめさん!」マゼマゼ
おかめ「なんでしょう?」
男「俺、一目惚れしてしまいました! 俺と付き合って下さい!」マゼマゼ
おかめ「!」ドッキーン
おかめ「……」
おかめ「ごめんなさいっ!」
男「あ、あのっ! おかめさん!」マゼマゼ
おかめ「なんでしょう?」
男「俺、一目惚れしてしまいました! 俺と付き合って下さい!」マゼマゼ
おかめ「!」ドッキーン
おかめ「……」
おかめ「ごめんなさいっ!」
18: 2016/04/25(月) 22:12:07.008 ID:hHVdZc5Y0.net
おかめ「わたくし……あなたとは付き合えません」
男「な、なぜですか!?」マゼマゼ
おかめ「え、と……それはその……えぇと……」チラッ
おかめ「わたくし、納豆が嫌いなの!」
男「!」ガーン
男「な、なぜですか!?」マゼマゼ
おかめ「え、と……それはその……えぇと……」チラッ
おかめ「わたくし、納豆が嫌いなの!」
男「!」ガーン
20: 2016/04/25(月) 22:14:07.609 ID:hHVdZc5Y0.net
……
男「なぁ親友……」
友人「ん?」チューチュー
男「俺はどうすればいい?」
友人「どうすればって?」チューチュー
男「納豆を取るか、女を取るか」
友人「!」ブハッ
男「なぁ親友……」
友人「ん?」チューチュー
男「俺はどうすればいい?」
友人「どうすればって?」チューチュー
男「納豆を取るか、女を取るか」
友人「!」ブハッ
22: 2016/04/25(月) 22:17:43.555 ID:hHVdZc5Y0.net
友人「いきなり何をいうかと思えば、豆乳噴き出しちまったじゃねえか」
男「ごめん」
男「実はさっき、おかめさんに告白したんだけどさ」
友人「はやっ!」
男「彼女……納豆嫌いなんだってさ。つまり大好きな納豆を断たなきゃ彼女とは付き合えない」
男「だけど俺は、水戸で生まれ、納豆を食い、納豆菌と遊び、納豆で育った生粋の納豆っ子だ」
男「なぁ、俺はどうすればいいと思う?」
友人「うーん……」
男「ごめん」
男「実はさっき、おかめさんに告白したんだけどさ」
友人「はやっ!」
男「彼女……納豆嫌いなんだってさ。つまり大好きな納豆を断たなきゃ彼女とは付き合えない」
男「だけど俺は、水戸で生まれ、納豆を食い、納豆菌と遊び、納豆で育った生粋の納豆っ子だ」
男「なぁ、俺はどうすればいいと思う?」
友人「うーん……」
24: 2016/04/25(月) 22:20:48.497 ID:hHVdZc5Y0.net
友人「もしオレだったら、納豆を取るかなぁ」
友人「オレ、豆乳飲むなっていわれたら生きてけねえもん」プルプル…
男「そうか……」
友人「だけどこれはあくまでオレの場合だ。お前の気持ちはどうなんだ?」
友人「毎食1万回混ぜるほどに好きな納豆と、初恋の人おかめさん……どっちを取るんだ?」
男「……」
友人「オレ、豆乳飲むなっていわれたら生きてけねえもん」プルプル…
男「そうか……」
友人「だけどこれはあくまでオレの場合だ。お前の気持ちはどうなんだ?」
友人「毎食1万回混ぜるほどに好きな納豆と、初恋の人おかめさん……どっちを取るんだ?」
男「……」
25: 2016/04/25(月) 22:24:13.611 ID:hHVdZc5Y0.net
男「俺は……俺は……!」
男「俺は……彼女を取る!」
友人「おおっ、よく言った!」
イケメン「さすが我がライバル!」バッ
イケメン「祝福としてこの豆腐をあげよう」スッ
男「ありがとう、湯豆腐にするよ」
男「俺……もう一度、彼女に告白してくる!」タタタッ
男「俺は……彼女を取る!」
友人「おおっ、よく言った!」
イケメン「さすが我がライバル!」バッ
イケメン「祝福としてこの豆腐をあげよう」スッ
男「ありがとう、湯豆腐にするよ」
男「俺……もう一度、彼女に告白してくる!」タタタッ
26: 2016/04/25(月) 22:27:02.100 ID:hHVdZc5Y0.net
男「おかめさん!」
おかめ「あなたは先ほどの……どうなさったのです?」
おかめ「あなたは先ほどの……どうなさったのです?」
27: 2016/04/25(月) 22:29:29.660 ID:hHVdZc5Y0.net
男「俺、納豆やめます!」
おかめ「えっ……! そんな……!」
男「だから俺と……俺と付き合って下さい! お願いしますっ!」
おかめ「……」キュンッ
おかめ「ダメ……なのです」プイッ
男「なぜ!?」
おかめ「わたくしには、あなたと付き合えない事情があるのです!」タタタッ
男「おかめさん……」
おかめ「えっ……! そんな……!」
男「だから俺と……俺と付き合って下さい! お願いしますっ!」
おかめ「……」キュンッ
おかめ「ダメ……なのです」プイッ
男「なぜ!?」
おかめ「わたくしには、あなたと付き合えない事情があるのです!」タタタッ
男「おかめさん……」
28: 2016/04/25(月) 22:34:34.143 ID:hHVdZc5Y0.net
男「運命の人だと思った……。だけど結局、これは俺の思い込みだったってことか……」
友人「いや、思い込みなんかじゃないぜ!」チューチュー
男「お前……!」
友人「後ろから見てたけど、今の彼女の反応、まんざらでもないって感じだったぞ」
男「そんなこと……ないだろ」
友人「……」
友人「諦めるのか!?」
男「!」
友人「本当に好きなら追いかけろよ……粘り強く! そう……納豆のように!」
納 豆 の よ う に ! ! !
男「そのとおりだ……納豆はやめても、“納豆精神”までは失っちゃいない!」
男「俺、追いかけるよ!」ダッ
友人「いや、思い込みなんかじゃないぜ!」チューチュー
男「お前……!」
友人「後ろから見てたけど、今の彼女の反応、まんざらでもないって感じだったぞ」
男「そんなこと……ないだろ」
友人「……」
友人「諦めるのか!?」
男「!」
友人「本当に好きなら追いかけろよ……粘り強く! そう……納豆のように!」
納 豆 の よ う に ! ! !
男「そのとおりだ……納豆はやめても、“納豆精神”までは失っちゃいない!」
男「俺、追いかけるよ!」ダッ
29: 2016/04/25(月) 22:37:27.685 ID:hHVdZc5Y0.net
……
男「おかめさん、待ってくれ!」
おかめ「あなたもなかなか粘りますわね」
男「それだけが取り柄だからね」
おかめ「わたくし如きにそこまで目をかけて下さって、ありがとうございます」
おかめ「わたくしもあなたを一目見た瞬間、なにか運命めいたものを感じました」
おかめ「しかし……ダメなのです」
男「どうして!?」
おかめ「なぜならわたくしには……婚約者(フィアンセ)がいるからです」
男「フィアンセ!?」
おかめ「その名も――」
ひょ~っひょっひょっひょ……
男「おかめさん、待ってくれ!」
おかめ「あなたもなかなか粘りますわね」
男「それだけが取り柄だからね」
おかめ「わたくし如きにそこまで目をかけて下さって、ありがとうございます」
おかめ「わたくしもあなたを一目見た瞬間、なにか運命めいたものを感じました」
おかめ「しかし……ダメなのです」
男「どうして!?」
おかめ「なぜならわたくしには……婚約者(フィアンセ)がいるからです」
男「フィアンセ!?」
おかめ「その名も――」
ひょ~っひょっひょっひょ……
31: 2016/04/25(月) 22:41:02.705 ID:hHVdZc5Y0.net
ひょっとこ「おかめの婚約者は、この私だ!」ザッ
男「誰だ!?」
ひょっとこ「ひょっとこさ」
男(ひょっとこ……!)
ひょっとこ「やっと見つけたよ、おかめ」
ひょっとこ「まさか私のもとから逃げて、こんな高校に転校しているとはねえ」
ひょっとこ「だが、それは全て私への愛情表現――ツンデレなんだろう?」ギロッ
おかめ「は、はい……」
ひょっとこ「ひょひょひょ、ならばよろしい」
ひょっとこ「キサマはとっとと消えるがいい。なんか納豆くさいしな」シッシッ
男「……」
男「誰だ!?」
ひょっとこ「ひょっとこさ」
男(ひょっとこ……!)
ひょっとこ「やっと見つけたよ、おかめ」
ひょっとこ「まさか私のもとから逃げて、こんな高校に転校しているとはねえ」
ひょっとこ「だが、それは全て私への愛情表現――ツンデレなんだろう?」ギロッ
おかめ「は、はい……」
ひょっとこ「ひょひょひょ、ならばよろしい」
ひょっとこ「キサマはとっとと消えるがいい。なんか納豆くさいしな」シッシッ
男「……」
33: 2016/04/25(月) 22:45:23.885 ID:hHVdZc5Y0.net
男「そんなことはない!」
男「俺の方がおかめさんを愛している! お前なんかより、ずっとな!」
ひょっとこ「ほう、なかなかの粘り強さだ」
ひょっとこ「ならば、力ずくでねじ伏せるしかあるまい」
男「来い!」サッ
ひょっとこ「≪ひょっとこ≫の語源は≪火男≫とも言われている……」
ひょっとこ「つまり、私は火を操れる!」ボウッ
ボワァァァァァッ!!!
男「ぐわあぁぁぁぁぁっ……!」
男「俺の方がおかめさんを愛している! お前なんかより、ずっとな!」
ひょっとこ「ほう、なかなかの粘り強さだ」
ひょっとこ「ならば、力ずくでねじ伏せるしかあるまい」
男「来い!」サッ
ひょっとこ「≪ひょっとこ≫の語源は≪火男≫とも言われている……」
ひょっとこ「つまり、私は火を操れる!」ボウッ
ボワァァァァァッ!!!
男「ぐわあぁぁぁぁぁっ……!」
35: 2016/04/25(月) 22:47:44.251 ID:hHVdZc5Y0.net
男「……」プスプス…
ひょっとこ「返事がない、ただのしかばねのようだ」
おかめ「ひょっとこ様! なんてひどいことを……!」
ひょっとこ「ひょひょひょ、悪いのはあの男さ。私に歯向かったのだからね」
ひょっとこ「おかめ、来い! 二度と逃げられぬよう、私の屋敷に監禁してやる!」グイッ
おかめ「いやぁぁぁっ……!」
ひょっとこ「返事がない、ただのしかばねのようだ」
おかめ「ひょっとこ様! なんてひどいことを……!」
ひょっとこ「ひょひょひょ、悪いのはあの男さ。私に歯向かったのだからね」
ひょっとこ「おかめ、来い! 二度と逃げられぬよう、私の屋敷に監禁してやる!」グイッ
おかめ「いやぁぁぁっ……!」
37: 2016/04/25(月) 22:51:19.284 ID:hHVdZc5Y0.net
……
ザバァッ!
男「――うっ!? これは……豆乳!?」ペロッ
友人「よかった、気がついたか」ホッ
男「俺は……どうしてたんだ?」
友人「燃えてた」
友人「だけどオレが豆乳で消火したから、どうにか一命はとりとめたよ」
男「ありがとう……助かったよ」
友人「しっかし、なにがあったんだ? お前は燃えてるし、おかめちゃんはいないし……」
男「実は――」
ザバァッ!
男「――うっ!? これは……豆乳!?」ペロッ
友人「よかった、気がついたか」ホッ
男「俺は……どうしてたんだ?」
友人「燃えてた」
友人「だけどオレが豆乳で消火したから、どうにか一命はとりとめたよ」
男「ありがとう……助かったよ」
友人「しっかし、なにがあったんだ? お前は燃えてるし、おかめちゃんはいないし……」
男「実は――」
39: 2016/04/25(月) 22:54:38.534 ID:hHVdZc5Y0.net
友人「なにぃ!? おかめちゃんに婚約者がいて、相手はあのひょっとこ!?」
男「知ってるのか?」
友人「知ってるもなにも、ひょっとこっていったら日本有数の財閥『ひょっとこ財閥』の御曹司だ!」
友人「屋敷には、ボディガードを何百人も配備してるらしいぜ」
友人「正直いって、おかめちゃんを救出するのはかなり難しいぞ……」
男「だけど俺は諦めたくない! ネバー・ギブアップだ!」
男「俺の大好きな、納豆にかけて!!!」マゼマゼ
納 豆 に か け て ! ! !
男「知ってるのか?」
友人「知ってるもなにも、ひょっとこっていったら日本有数の財閥『ひょっとこ財閥』の御曹司だ!」
友人「屋敷には、ボディガードを何百人も配備してるらしいぜ」
友人「正直いって、おかめちゃんを救出するのはかなり難しいぞ……」
男「だけど俺は諦めたくない! ネバー・ギブアップだ!」
男「俺の大好きな、納豆にかけて!!!」マゼマゼ
納 豆 に か け て ! ! !
40: 2016/04/25(月) 22:57:33.843 ID:hHVdZc5Y0.net
パチパチパチパチパチ…
イケメン「フッ、それでこそ我がライバル」パチパチ…
イケメン「おかめ君を取り戻す愛の旅路……ボクも同行させてもらうよ」
イケメン「ついでにこの豆腐を差し上げよう」サッ
男「ありがとう、豆腐ステーキにするよ」
男「イケメンって、本当にいい奴だな!」
友人「オレも、イケメンって実はただのいい奴なんじゃって気がしてきたぜ……」
イケメン「フッ、それでこそ我がライバル」パチパチ…
イケメン「おかめ君を取り戻す愛の旅路……ボクも同行させてもらうよ」
イケメン「ついでにこの豆腐を差し上げよう」サッ
男「ありがとう、豆腐ステーキにするよ」
男「イケメンって、本当にいい奴だな!」
友人「オレも、イケメンって実はただのいい奴なんじゃって気がしてきたぜ……」
41: 2016/04/25(月) 23:00:05.827 ID:hHVdZc5Y0.net
< ひょっとこ屋敷 >
ひょっとこが住む屋敷には、やはり大勢のボディガードが待ち構えていた。
男「二人とも……行くぞ!」マゼマゼ
友人「おう!」チューチュー
イケメン「任せてくれたまえ」
ひょっとこが住む屋敷には、やはり大勢のボディガードが待ち構えていた。
男「二人とも……行くぞ!」マゼマゼ
友人「おう!」チューチュー
イケメン「任せてくれたまえ」
43: 2016/04/25(月) 23:04:08.296 ID:hHVdZc5Y0.net
「侵入者だ!」 「返り討ちにしろ!」 「かかれーっ!」
ワァァッ!!!
男「“納豆ネット”!」ネバァァァァァ
たっぷりかき混ぜられた納豆が、屈強なボディガードたちに絡みつき、動きを止める。
友人「“豆乳ビーム”!」バシュゥッ
ナイアガラの滝にも匹敵する水圧で放たれる豆乳が、ボディガードたちを撃ち抜く。
イケメン「“トウフ・カド・アタック”!」バキィッ
液体窒素で凍らされた豆腐が、ボディガードの頭にめり込む。
ワァァッ!!!
男「“納豆ネット”!」ネバァァァァァ
たっぷりかき混ぜられた納豆が、屈強なボディガードたちに絡みつき、動きを止める。
友人「“豆乳ビーム”!」バシュゥッ
ナイアガラの滝にも匹敵する水圧で放たれる豆乳が、ボディガードたちを撃ち抜く。
イケメン「“トウフ・カド・アタック”!」バキィッ
液体窒素で凍らされた豆腐が、ボディガードの頭にめり込む。
45: 2016/04/25(月) 23:07:24.624 ID:hHVdZc5Y0.net
友人「くそっ、いくら倒しても次から次へと出てきやがる! キリがねえ!」チューチュー
友人「こうなったらしゃーねえ! ここはオレたちに任せて先に行け!」
男「しかし……!」マゼマゼ
イケメン「早く行くんだ! おかめ君を救えなかったら、ボクはキミを軽蔑する!」
男「……二人とも、ありがとう!」マゼマゼ
友人「こうなったらしゃーねえ! ここはオレたちに任せて先に行け!」
男「しかし……!」マゼマゼ
イケメン「早く行くんだ! おかめ君を救えなかったら、ボクはキミを軽蔑する!」
男「……二人とも、ありがとう!」マゼマゼ
46: 2016/04/25(月) 23:10:29.069 ID:hHVdZc5Y0.net
< ひょっとこの寝室 >
男「ひょっとこォ!」マゼマゼ
ひょっとこ「ひょっひょ、よくぞここまでたどり着いた」
男「おかめさんを……返してもらう!」マゼマゼ
ひょっとこ「ひょひょひょ、どうやらまだ燃やされ足りないらしいな」
ひょっとこ「ファイヤー!!!」ボワァァァァ
男「“納豆ガード”!」ネバァァァァ
ひょっとこ「ひょ!?」
納豆独特の粘り気が、ひょっとこが生み出した炎を完全に遮断した。
男「ひょっとこォ!」マゼマゼ
ひょっとこ「ひょっひょ、よくぞここまでたどり着いた」
男「おかめさんを……返してもらう!」マゼマゼ
ひょっとこ「ひょひょひょ、どうやらまだ燃やされ足りないらしいな」
ひょっとこ「ファイヤー!!!」ボワァァァァ
男「“納豆ガード”!」ネバァァァァ
ひょっとこ「ひょ!?」
納豆独特の粘り気が、ひょっとこが生み出した炎を完全に遮断した。
47: 2016/04/25(月) 23:14:33.347 ID:hHVdZc5Y0.net
ひょっとこ「ふん……たかが納豆如き、すぐに焼き尽くしてくれる!」ボワァァァァァ
男「……」ネバァァァァァ
ひょっとこ「火力アップ!」ゴワァァァァァ
男「……」ネバァァァァァ
ひょっとこ「最大火力ゥ!!!」ゴォワァァァァァァ
男「……」ネバァァァァァァァ
ひょっとこ(なんだとォ!? 納豆は熱に弱いはずなのにィ!)
男「……」ネバァァァァァ
ひょっとこ「火力アップ!」ゴワァァァァァ
男「……」ネバァァァァァ
ひょっとこ「最大火力ゥ!!!」ゴォワァァァァァァ
男「……」ネバァァァァァァァ
ひょっとこ(なんだとォ!? 納豆は熱に弱いはずなのにィ!)
48: 2016/04/25(月) 23:17:36.584 ID:hHVdZc5Y0.net
ひょっとこ「なんで……!? なんで私の炎が通じない!?」
男「1万回混ぜた俺の納豆に、そんな炎は通じない!」ネバァァァ
ひょっとこ「お、おのれえ!」
ひょっとこ「だったら肉弾戦だぁ!」バキィッ
男「毎日毎食1万回納豆を混ぜ続けた俺の肉体に、そんなパンチは通じない!」
男「“納豆ロープ”!」ヒュルルルルッ
ひょっとこ「うひょ~!」ギュッ
納豆の細く丈夫な糸が、ひょっとこを緊縛した。
男(終わった……納豆の勝利だ!)
男「1万回混ぜた俺の納豆に、そんな炎は通じない!」ネバァァァ
ひょっとこ「お、おのれえ!」
ひょっとこ「だったら肉弾戦だぁ!」バキィッ
男「毎日毎食1万回納豆を混ぜ続けた俺の肉体に、そんなパンチは通じない!」
男「“納豆ロープ”!」ヒュルルルルッ
ひょっとこ「うひょ~!」ギュッ
納豆の細く丈夫な糸が、ひょっとこを緊縛した。
男(終わった……納豆の勝利だ!)
49: 2016/04/25(月) 23:20:59.964 ID:hHVdZc5Y0.net
おかめ「助けにきて下さったのですね!」
男「うん、遅くなってすまない!」
ひょっとこ「ひょひょひょ、ちょっと待ったァ!」
ひょっとこ「私はまだおかめを諦めたわけではないぞ!」
ひょっとこ「ひょっとこ財閥のボディガード軍団は、まだまだいるんだからな!」パチンッ
ズラッ……!
恐るべき策略! ひょっとこは万一に備え、援軍を300人も用意していたのである!
男「無駄なことを……」
ひょっとこ「強がるな! いくらキサマでも300人には勝てまい!」
男「そうじゃない。援軍を用意していたのは、お前だけではないということだ!」
男「うん、遅くなってすまない!」
ひょっとこ「ひょひょひょ、ちょっと待ったァ!」
ひょっとこ「私はまだおかめを諦めたわけではないぞ!」
ひょっとこ「ひょっとこ財閥のボディガード軍団は、まだまだいるんだからな!」パチンッ
ズラッ……!
恐るべき策略! ひょっとこは万一に備え、援軍を300人も用意していたのである!
男「無駄なことを……」
ひょっとこ「強がるな! いくらキサマでも300人には勝てまい!」
男「そうじゃない。援軍を用意していたのは、お前だけではないということだ!」
50: 2016/04/25(月) 23:23:52.049 ID:hHVdZc5Y0.net
外国人A「This is a pen!」
外国人B「Government of the people, by the people, for the people!」
外国人C「You still have lots more to work on!」
ドカァッ! バキィッ! ドゴォッ!
「ぐわぁっ!」 「うぎゃぁぁぁ!」 「ぐええっ……!」
どこからともなく助っ人外国人軍団が現れ、ひょっとこのボディガードを蹴散らしていく。
ひょっとこ「なにこれ!? ねえ、なんなのこれ!?」
外国人B「Government of the people, by the people, for the people!」
外国人C「You still have lots more to work on!」
ドカァッ! バキィッ! ドゴォッ!
「ぐわぁっ!」 「うぎゃぁぁぁ!」 「ぐええっ……!」
どこからともなく助っ人外国人軍団が現れ、ひょっとこのボディガードを蹴散らしていく。
ひょっとこ「なにこれ!? ねえ、なんなのこれ!?」
51: 2016/04/25(月) 23:26:39.524 ID:hHVdZc5Y0.net
外国人A「サー、全軍を率いて援軍に参りました!」ババッ
男「ありがとう、助かったよ」
ひょっとこ「なんなんだよ、こいつら!? いったいなんの軍勢なんだ!?」
男「決まってるだろう?」
男「NATO(北大西洋条約機構)だ」
ひょっとこ「ひょーっ!!?」
男「ありがとう、助かったよ」
ひょっとこ「なんなんだよ、こいつら!? いったいなんの軍勢なんだ!?」
男「決まってるだろう?」
男「NATO(北大西洋条約機構)だ」
ひょっとこ「ひょーっ!!?」
54: 2016/04/25(月) 23:31:17.256 ID:hHVdZc5Y0.net
たかが一財閥のボディガードが、NATO(北大西洋条約機構)全軍に勝てるはずもなく――
ひょっとこ「降参です……」ピクピク…
男「おかめさん……」ギュッ…
おかめ「男さん……」ギュッ…
男はついに愛しのおかめを取り戻した。
友人「ふぅ……運動した後の豆乳は格別だぜ」チューチュー
イケメン「ボクの豆腐が解凍されて、ちょうど食べごろの固さになってるよ」モグモグ
ひょっとこ「降参です……」ピクピク…
男「おかめさん……」ギュッ…
おかめ「男さん……」ギュッ…
男はついに愛しのおかめを取り戻した。
友人「ふぅ……運動した後の豆乳は格別だぜ」チューチュー
イケメン「ボクの豆腐が解凍されて、ちょうど食べごろの固さになってるよ」モグモグ
56: 2016/04/25(月) 23:34:15.978 ID:hHVdZc5Y0.net
男「ごめんよ、君を助けるためとはいえ、君の嫌いな納豆を持ってきてしまって」ネバァァァ
おかめ「いいえ、あれはあなたの告白を断るためのウソです」
男「え……」
おかめ「わたくし、本当はあなたも納豆も大好きなの!」
男「だったら俺、今日からは毎食2万回納豆をかき混ぜるよ」
男「俺と……君のために!」
おわり
おかめ「いいえ、あれはあなたの告白を断るためのウソです」
男「え……」
おかめ「わたくし、本当はあなたも納豆も大好きなの!」
男「だったら俺、今日からは毎食2万回納豆をかき混ぜるよ」
男「俺と……君のために!」
おわり
57: 2016/04/25(月) 23:48:56.519 ID:wYZPOfXqr.net
乙
この世界には枝豆使いもいそう
この世界には枝豆使いもいそう
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