372: 2009/10/22(木) 19:30:34.55 ID:/lnU+Lfb0


―馬車―

ガタタンガタタン

エルフ「く、鎖をはずしてください!」

男「ダメに決まってる」

エルフ「どうしてこんなことするんですか!」

男「お前が可愛いから」

エルフ「な、何を言って」

男「お前が可愛いから。つれて帰って嫁にする」

エルフ「ちょ、ちょっと!嫁になんかなりません!」

男「いいや、なるね」

エルフ「何を言ってるんですか!なるわけないでしょう!」

男「なるのさ。お前は俺の嫁だよ」

429: 2009/10/22(木) 20:50:53.74 ID:/lnU+Lfb0
トリミスだけどまぁいいや
後は任せた


―夜―

ウォォォー… カキィー…ン

エルフ「また、あの音…また人間同士が争っているのかしら…」

エルフ「だとすればあの人の怪我はそこで?」

エルフ「私の仲間たちが戦なんてするわけもないけど…けど、あの火傷は…魔法じゃぁ」

エルフ「火矢でも受けのかもしれないけど…わけがわからないわ…」

わぁぁぁぁー… ドドォー…ン

375: 2009/10/22(木) 19:32:46.24 ID:/lnU+Lfb0
エルフ「随分と自信があるんですね…」

男「いや、そういうわけじゃないけどな」

エルフ「じゃあなんで嫁になるって決めつけるんですか!私はエルフですよ!?」

男「それが何か問題か?お前は俺の嫁だよ」

エルフ「寿命も文化も何もかも違うじゃないですか!どうやって嫁にするって言うんです!」

男「さぁな。けどもう決めた」

エルフ「意味がわかりません!嫁にしようという相手に鎖をかけるなんて!」

男「鎖をはずしたら嫁になるか?」

エルフ「なるわけないでしょう…!」


377: 2009/10/22(木) 19:34:42.49 ID:/lnU+Lfb0
男「嫁になるなら外してやるよ。ほら着いたぞ」 ヒヒィーン

エルフ「なるから外してください!今すぐに!」

男「…ふん、外してすぐに逃げようとしても無駄だぞ?」

エルフ「…」

男「何故、鎖に繋がれているか、わかっているよな?」

エルフ「…あなたに捕まったからですね。」

男「わかったらさっさと降りろ」

エルフ「ここ…あなたの家…?」

男「ああ。今日、買った。」

エルフ「今日?」

男「ああ。新居にしようと思ってな」

エルフ「馬鹿げた事を…。わ、私と暮らすために?」


378: 2009/10/22(木) 19:36:31.34 ID:/lnU+Lfb0
男「当たり前だろう」

エルフ(こ、怖い…)ゾクゾクッ

男「さぁ来い」グイッ

エルフ「い、痛いっ!自分で歩きます…!」

男「いいだろう。こっちだ」

スタスタ

ジャラジャラ

エルフ「どうして私なの…」

男「可愛いからだといっただろう。何度も言わせるな」

エルフ「嘘!好きな相手に、普通はこんなことしない!」

男「好きだなど一言も言っていないぞ。『可愛いから』 そう言っただろう。」

エルフ「あ、あなた私に何する気よ…?」ブルブル

男「だから嫁にすると言っている」

エルフ「…」

380: 2009/10/22(木) 19:38:39.39 ID:/lnU+Lfb0
男「さぁ、ここがお前の部屋だ」

エルフ「…牢屋じゃないですか」

男「何か不満でも?」

エルフ「あるに決まってるじゃないですか!嫁を牢屋に入れるだなんて!」

男「ふん。知るか。さっさと入れ」ドンッ

エルフ「うぁ」ヨロヨロ

ガチャリ カシャカシャ ガキン

エルフ「トイレとベッドだけ…完全に牢屋じゃない…なんなのよ…」

エルフ「これ…外れないし…。うぅ…」ジャラリ

381: 2009/10/22(木) 19:39:35.79 ID:/lnU+Lfb0

シャー ジョボボボb



ドサッ

エルフ「どうしろっていうのよ…。嫁にする、なんて」

エルフ「それにこの扱い…意味がわからないわ…」

エルフ「私を閉じ込めるために牢屋付の家…?馬鹿じゃないの…」





エルフ「水浴びもしたいけど…お腹、すいたな…」

384: 2009/10/22(木) 19:41:22.23 ID:/lnU+Lfb0
―3日後―


カシャン

男「どうだ?腹は減ったか?」

エルフ「…」

男「おいおい、氏ぬなよ?俺の嫁になるんだから」

エルフ「食べ物を、くれ、るんですか…?」

男「嫁になるなら、な。別に口だけでも構わんぞ」

エルフ「…」グスッ

エルフ(言ったら、心が折れる…。そんなこと、口にしちゃ、ダメ…)

エルフ「な、な」

エルフ「なるわけないでしょう…この鬼畜人間!」

男「ふん。好きにしろ」

カシャン

385: 2009/10/22(木) 19:42:17.25 ID:/lnU+Lfb0
―更に2日くらい後―


カタタン

男「そろそろ氏にそうだな。嫁になるか氏ぬかどちらか選べよ」

エルフ「…わたs、わたしが氏んだら、困るん、じゃ、ないん、ですか…?」

男「ははは。困るなぁ。それは。しかしお前が言うことを聞かないのでは生きていてもらっても仕方ないな。」

エルフ(ここで、氏ぬの?森に、帰りたい…)

エルフ(頭がボーっとする…もう、よく、わからない…)

男「氏にたいか?生きたいか?言葉にしてみろ」

エルフ「よ、嫁に…なります。」

男「違うな。俺の嫁になる。そう言え」



エルフ「あなたの、お嫁に…。」グスッ

エルフ「なります」ポロポロ

388: 2009/10/22(木) 19:44:03.45 ID:/lnU+Lfb0
男「そうか。じゃあこれを食え」ガシャン カタ ズズズ

エルフ「」フラフラ… ガッ モグモグ…ゴクリ

男「喉に詰まらせるなよ」

エルフ「」グァツグァツ 

エルフ「…ッフ!ゲフッ」

男「言わんこっちゃない、ほら水だ」

エルフ「」…ッ グビグビグビ

エルフ「ぷはっ」

男「食べ終わったら少し眠れ」スタスタ

エルフ「」ガツガツガツガツグビグビグビ

エルフ「…」

ドサリ

エルフ「zzz」



389: 2009/10/22(木) 19:46:39.50 ID:/lnU+Lfb0



カタタン
男「起きているか?」

エルフ「なんですか 笑いに来たんですか」

男「湯浴みでも、と思ってな」

エルフ「あなたは何がしたいんですか」

男「元気は出たようだな。行かないなら引きずっていくぞ」

エルフ「…わかりました」

男「いい子だ」


スタスタ
ジャラジャラ

エルフ「逃げませんからこの鎖外してくださいよ」

男「断る。」

エルフ「何故ですか!外れていたって私はあなたに抵抗できない!」

男「それでもダメだ」

394: 2009/10/22(木) 19:58:08.91 ID:/lnU+Lfb0
エルフ「この…変態…ッ!」

男「それならお前は変態の嫁だな」

エルフ「ッ…!」ギリッ

男「さぁ、湯浴みするぞ」

エルフ「服が脱げませんよ」

男「こうすればいい」 ビリリ

エルフ「い、いやっ!」

男「抵抗するな」グイィ

エルフ「い、痛い!いた、うぐぅ」

ビリビリ、ビリリィ

ブァリブァリブリビリブバァ

398: 2009/10/22(木) 19:59:36.46 ID:/lnU+Lfb0
男「ほら、流すぞ」

エルフ「あ、あなたが?自分でさせてください…!」

男「鎖なら外さないと言ったはずだ」

エルフ「うぅ…」

ザバァーン ザァー

男「…手の届くところは自分でやれ。」

ザァー ペタ ゴシゴシ

エルフ「っひ うぁ 触らないで下さい!」

 ドン

 ツル ドタァ


男「ぐぁっ…」

エルフ「うぅぅ」

男「よく泣くな。しかし泣いても助けなんか来ないぞ。いいから起きろ」

ザバァー ゴシゴシ シクシク ザバァー

402: 2009/10/22(木) 20:02:55.32 ID:/lnU+Lfb0
男「ほら、流すぞ」

エルフ「あ、あなたが?自分でさせてください…!」

男「鎖なら外さないと言ったはずだ」

エルフ「うぅ…」

ザバァーン ザァー

男「…手の届くところは自分でやれ。」

ザァー ペタ ゴシゴシ

エルフ「っひ うぁ 触らないで下さい!」

 ドン

 ツル ドタァ


男「ぐぁっ…」

エルフ「うぅぅ」

男「よく泣くな。しかし泣いても助けなんか来ないぞ。いいから起きろ」

ザバァー ゴシゴシ シクシク ザバァー

408: 2009/10/22(木) 20:08:38.48 ID:/lnU+Lfb0

男「さて 体を拭くぞ」

エルフ「…いいです、別に」

男「そうか、なら勝手にさせてもらおう」

バサッ フキフキ

エルフ「…」

男「おい、こっち向け」

エルフ「嫌です」

男「そうか」グィ

エルフ「自分で、拭きます…」

フキ ゴシゴシ

411: 2009/10/22(木) 20:12:12.69 ID:/lnU+Lfb0
>>410
お前は早く続きかけw 俺のために、そう、俺のためにだ




ガチャリ カシャカシャ ガキン

エルフ「…貫頭衣なんか着せてどう言うつもりですか」

男「そうでないと入らないだろう」

エルフ「修道女にでもなれと?鎖をつけたままで?」

男「さっぱりしたというのに疲れた顔をしている。可愛い顔が台無しだぞ」

エルフ「どの口がそんな台詞を…!」

男「お前の旦那の口だ」

エルフ「無理やり言わせたくせにっ…!」

男「無理やり?そんなつもりはなかったが。生きて俺の嫁になるというのがお前の選択だったのではないのか?」

男「それならどうしてあの食事を食べた?言ってみろ」

エルフ「氏にたくないからです。当然でしょう!」

男「違うな。俺の、嫁に、なるためだ。」

412: 2009/10/22(木) 20:13:35.36 ID:/lnU+Lfb0
男「そうだろう?ひとまず生き延びれば逃げられるとでも思ったのか?」

男「逃げられるわけがない。そんなこと、わかっていたはずだろう」

エルフ「…!」

エルフ「そ、そんなことは…」

男「完全に否定できるか?俺がお前を逃がすほど馬鹿に見えるなら、そうなのかもしれんがな」

エルフ「…」ガクリ

男「ふん」

ガシャン カタ ズズズ

男「食事をここに置いて行くが──ここで生きるのが嫌なら食わないことだ」

エルフ「食べる、もんですか…!」

男「そうか。好きにしろ」

カシャン スタスタスタ  …フラッ 

…スタスタスタ


414: 2009/10/22(木) 20:15:33.19 ID:/lnU+Lfb0

――


グゥ

エルフ「我慢…我慢よ…」

エルフ「けど、食べなければどの道氏ぬわよね…」

エルフ「いつか、逃げることが、できる?」

エルフ「ここから?どうやって?」

エルフ「…」

シクシク シクシクシク ジュルジュル ズバビッシュ

グウゥー


415: 2009/10/22(木) 20:16:15.82 ID:/lnU+Lfb0
エルフ「…氏んだら楽になるのかしら…これだけ辱められて、それでも生きているなんて…」

エルフ「…うう、帰りたい…帰れない、の…?」

エルフ「…?」   キィー…ン カァー…ン

エルフ「金属音?」 ウォオー… わああああー…

エルフ「人間の、声?方角がわからない……どこからかしら…この屋敷のすぐ外?」

エルフ「…遠く、なのかしら…わからないわ」

ジャラ…

エルフ「…氏にたくない…」ポロポロ

416: 2009/10/22(木) 20:18:03.13 ID:/lnU+Lfb0
────

ガギィィィン

ヒュゴッ ボウゥン

男「うおぉぉっ!」

ブシュ ズババァ

???「グハァッ」ドサッ

男「はぁ…はぁ…」

男「ちっ、腕を…クソッタレが」ブスブス…


???「きあああああっ!」

男「ふんっ!せいっ!」クルリ ブォン ズバァー

???「ぎぃあー」ドサー

男「ぐぅあ…これで最後か?」

男「くっ」ヨロヨロ

男「まだ、氏ねんぞ…」ヨ口リ スタ…スタ…

418: 2009/10/22(木) 20:19:30.22 ID:/lnU+Lfb0
────


ガシャン カタ ズズズ

男「ふん、食べたか。今日の分も置いておくぞ」

エルフ「何があったんですか」

男「何のことだ?」

エルフ「昨夜、音が聞こえました。大勢の人間が声を上げていました。戦ですか?」

男「知らんな」

エルフ「そんな…あなたにも聞こえたはずです!」

男「知らんと言っている。幻聴でも聞こえるようになったんじゃないのか」

エルフ「違う!確かに聞きました!」

男「幻覚を見た奴は揃ってそう言うんだ」

男「食べたら湯浴みだ。早く食え」

422: 2009/10/22(木) 20:29:58.21 ID:/lnU+Lfb0


ザバァー

エルフ「…私を娶って嬉しいのですか」

男「あぁ、嬉しいね」

エルフ「…」

フキフキ

男「…っく」

エルフ「? どうしたんですか」

男「なんでもない」

エルフ「…何も話してくれないで嫁だなんて可笑しな話ですね」

男「そうだな。しかし、なんでもないものはなんでもない」

エルフ「…」 ドン

425: 2009/10/22(木) 20:40:41.77 ID:/lnU+Lfb0


男「ぐぁっ!…っくぅ お前!」

エルフ「あらすいません。腕、どうなさったの?」

男「なんでも無いと言っているだろう!」グィッ

エルフ「きゃぁっ!」ドサァ

男「ちっ 戻るぞ」

エルフ「は、はい…」

フキフキ バサッ

552: 2009/10/23(金) 01:12:17.10 ID:UcWCBoCcO


ズル…ズルリ…

ガシャン カタ ズズズ

男「よう」

エルフ「おはようございます」

男「飯を…置いておくぞ」

エルフ「なんなんですか?戦なのでしょう?あなたも加わっているのでしょう?」

男「ふん」

エルフ「人間は愚かすぎます!なぜ争わなくてはならないのですか!」

男「知るか。それに俺はそんな戦などに加わってはいない」

エルフ「それなら体を見せてください」

553: 2009/10/23(金) 01:13:50.17 ID:UcWCBoCcO
男「どうした 俺と寝る気にでもなったか?」

エルフ「血の匂いが、します。怪我をしているのでしょう?」

男「…いいか?俺は、戦になど、参加していない」

エルフ「じゃあその怪我はなんなんですか!それこそ証拠でしょう?」

男「だから怪我などしていない」

エルフ「…グスッ」

男「泣いても何にもならんぞ」

エルフ「…わかってますよ…グス」

男「じゃあな」

ズル…ズルリ

ドサ

エルフ「!」

557: 2009/10/23(金) 01:24:32.36 ID:UcWCBoCcO
……

男「これで何をするんだ」スッ

エルフ「コップを置いて…こうします」グッ スパッ

男「お前、何を」

エルフ「初めて慌てた顔見れましたね」ツツーッ トポトポ

男「…エルフの血か。コップ半分でどのくらい治る」

エルフ「傷も半分、ですかね。私にもわかりませんが命の危機は免れると」グッ ピタッ

男「伝説だと思っていたが、こうも都合のいいものとは」グビッ

エルフ「知っていたならどうして試さなかったんです?」

男「知るか」

エルフ「傷は一晩寝れば治ると思います。ここまでしても私は出してもらえないんですか?」

559: 2009/10/23(金) 01:28:23.28 ID:UcWCBoCcO
男「当たり前だ。どの道俺が氏ねば出れはしなかっただろう」

エルフ「それもそうですが」

男「それに嫁だしな」

エルフ「…まだ言うんですか」ハァ

男「ともあれ助かった。ありがとう」

エルフ「感謝の念を持ち合わせているとは思えない待遇ですね」


ガチャリ カシャカシャ ガキン


男「そうか?俺はお前に感謝している。止血はしっかりしておけよ」

エルフ「…感謝しているというのなら出してください 森に…帰して…」グスッ

560: 2009/10/23(金) 01:32:53.21 ID:UcWCBoCcO
男「…それはできん」

エルフ「どうして!どうしてなの!娶るといって何をするわけでもなく!」

エルフ「いったい何が目的なの!出して!出しなさいよ!」

男「…」スタスタスタ

エルフ「出して…よ…」グスッ シクシクシク

男「…」スタスタスタ


―夜―

エルフ「今日はあの音…聞こえない」

ジャラリ

エルフ「…」

ジャラ ジャラリ

エルフ「すぅ…」

561: 2009/10/23(金) 01:35:27.39 ID:UcWCBoCcO
―朝―

ガシャン カタ ズズズ

男「よう」

エルフ「…おはようございます」

男「ああ」

エルフ「傷は治りましたか」

男「ふん。 飯だ」

エルフ「…」スッ パクパク

男「今日は鎖を外してくれって言わないのか」

エルフ「どうせ外してくれないんでしょう?」

男「まぁ、な」

エルフ「…そんなこと聞いてどうするつもりですか」

男「別に」

563: 2009/10/23(金) 01:41:13.27 ID:bIpFX1nF0
―朝―

ガシャン カタ ズズズ

男「よう」

エルフ「…おはようございます」

男「ああ」

エルフ「傷は治りましたか」

男「ふん。 飯だ」

エルフ「…」スッ パクパク

男「今日は鎖を外してくれって言わないのか」

エルフ「どうせ外してくれないんでしょう?」

男「まぁ、な」

エルフ「…そんなこと聞いてどうするつもりですか」

男「別に」

565: 2009/10/23(金) 01:42:27.10 ID:bIpFX1nF0
エルフ「…夜、音が聞こえるって言いましたよね」

男「ああ」

エルフ「どうせ外してもらえない、自分は動けないと思うと、安心するんです」

男「そうか」ニヤ

エルフ「…いえ、忘れてください」

男「断る」

エルフ「…」

568: 2009/10/23(金) 01:48:50.27 ID:bIpFX1nF0


―数日後―

夜毎に音は響き渡る。

エルフ「またあの音…。」

ジャラ

エルフ「私はどうせ動けないし…」

ジャラリ

エルフ「…本当にお嫁になんて…まさか」

ジャラリ

エルフ「…嫌だけど…ううん」

ジャラ

エルフ「…わからない…」

569: 2009/10/23(金) 01:51:21.39 ID:bIpFX1nF0
―また朝―


ズルル、スタ、ズル

ガキン カシャカシャ

エルフ「?」

男「出て行け」

エルフ「はぁ?」

男「出て行けと言ったんだ」

エルフ「何の罠ですか…?」

男「罠などではない。出て行けと、言ってるんだ。ほら、自由だぞ」

エルフ「嫁にするというのは?」

男「それは、まぁ、否定しないが。お前の、自由に、するといい」

571: 2009/10/23(金) 01:55:28.45 ID:bIpFX1nF0
エルフ「そ、そんな!ふざけるのもいい加減にしてください!」

男「出て行きたく、ないなら、いても、構わないが?」

エルフ「一体どうして?」

男「気がな、変わった、んだ」

エルフ「…。 そうですね。出て行きます。」

男「それじゃ、その、鎖、外そうか」

エルフ「お願いします」

男「あぁ…」

カシャン ジャラ ジャララ カシャンカシャン ジャララ

エルフ「…」

男「じゃあ、な」フラリ

エルフ「また大怪我を…今度は血、出しませんよ」

572: 2009/10/23(金) 01:58:16.72 ID:UcWCBoCcO
男「ああ。わかって、いる。早く、行け」

エルフ「…」スッ

男「悪かった、な」

エルフ「…そうですね。氏を以って償ってください。」

男「そう、する」ドサリ

エルフ「…」

573: 2009/10/23(金) 01:59:04.47 ID:UcWCBoCcO
─数時間後─

スタスタスタ

エルフ「何よこの臭い…」

スタスタスタ―

エルフ「森が…森が…」

タタタタタタタタタ

エルフ「森が!山火事でもあったの…!?」

エルフ「仲間たちは…!?」

エルフ「一体、何が…夜に聞こえていた声…まさか…」

エルフ「そうだとしてもエルフが負けるなんて有りえない!」

エルフ「人間を探そう…何があったのか調べないと」

トボトボ…

574: 2009/10/23(金) 01:59:50.98 ID:UcWCBoCcO

――


男「ゲホッ…クソ」

男「血ぃ、もらっとけばよかったな…少しくらい」

男「…氏ね、なんて、言いいやがって…」

男「…一つでも望みがかなえてやれる…か……」

男「…」

576: 2009/10/23(金) 02:01:00.52 ID:UcWCBoCcO
――

エルフ「動かないで下さい。動くと頃します」

兵士「ひ…え、エルフ…!」

エルフ「何があったんですか?森はどうしたんです」

兵士「や、病が蔓延したとかで…!エルフが攻めてきて…!自分たちも必氏で…」

エルフ「エルフが人間を?嘘をつかないで下さい!」

兵士「ひ、ヒィッ!ほ、本当です!自分も殺されかけて!た、助けて…」グス

エルフ「…その病と言うのはなんですか」

兵士「知りません!けど、病に罹ったエルフは見境が無くなって…人里を…」グスグス

エルフ「…そんなバカな…確かにそんな病があると伝承されてるけれど…」

578: 2009/10/23(金) 02:04:42.35 ID:UcWCBoCcO

兵士「本当です!本当なんです!ほ、ほら、自分も足を!風の刃で!」

エルフ「…そんな、バカな…」

兵士「あ、あなたは病に罹っていないのでしょう…?は、話が、できる…」

エルフ「…まさか、あの人は!」ドカッ

兵士「あふぅ!」ドサー じょびじょばー ビクンビクン

ダダダダダダダダ

579: 2009/10/23(金) 02:07:55.29 ID:UcWCBoCcO


―男の新居―

ギィガタン!ダダダ!バン!

エルフ「…! 荷物…。」

ガサガサ ゴソ

エルフ「何か…何か手がかりになるものは…!」

エルフ「…これは…エルフの笛…まさか…あの人は!?」

ダダダダダダダダ

男「何しに、かえtt ゴフ」ドバ

エルフ「喋らないで!」

男「やめろ、いい、んだ 済まない、と、思って、いる」ゲフ ゴホ

エルフ「だから喋らないで下さい!今、血を!!」

男「けど、外に、出ようなん、て 思わずに、すん、だ、だろ…?」

エルフ「ええそうです!おかげさまで出れるなんて微塵も思いませんでしたよ!」

580: 2009/10/23(金) 02:10:48.50 ID:UcWCBoCcO
男「はは、ざまぁ、ねぇや、 本当は、もっと、やs、しk」

エルフ「わかりましたから!いいから黙ってください!」

男「…やめるん、だ、氏を、以って、償えと」

エルフ「いいんですもう!十分に償ってもらいました!あなたは私を助けた!そうでしょう!?」

男「さぁ、な、知ら、ない、な」ブルブルブル

エルフ「まだ嘘を…ハーフとはいえエルフは血が少ないんです!このままでは本当に氏んでしまいますよ!」

男「ハー、フ…?なん、で、」ガク

エルフ「…!」カシャン スパ ツー ポタポタポタ

エルフ「飲んで!飲んでください!」

581: 2009/10/23(金) 02:13:53.83 ID:UcWCBoCcO


男「…」ピクピク

エルフ「もう飲むことも…!」

エルフ「私が可愛いから嫁にするんでしょう!?」

エルフ「氏んじゃあダメです!私は一人で生きていくんですか!?」ポロポロ

エルフ「鎖つけていいから!氏なないで…!」

エルフ「こうなったら…口移ししか…ええいっ」

583: 2009/10/23(金) 02:21:52.93 ID:UcWCBoCcO
男「」パチッ

男「生きている…あのエルフ…」

タッタッタ

男「どこだ」

男「どこにいるっ!」

バン ダダダダダダ

男「俺の部屋か…!?」

男「いた…おい」

男「おい、返事をしろ」

男「おいぃ!!!おい、こら!」

エルフ「あは…生きてたんですね…」

男「馬鹿なことを…!一体どれだけの血を俺に…!」

585: 2009/10/23(金) 02:30:03.69 ID:UcWCBoCcO
エルフ「大した量じゃ…ないで、すよ…」

男「馬鹿野郎!お前が氏んだら俺は何のために!」

エルフ「助かったんだから、いいじゃ、ないで、すぅ…」

男「…眠ったか…ちっ やってられん」

男「ん…俺の笛…そうか」

男「ちゃんと隠しておいたはずだが、流石、偽者と違って鼻がいいらしい」

男「さぁて、これからどうするか」

男「そういや、口移しで飲まされたような気がするんだが」

男「いまいち記憶にない」

男「…クソッタレ」




ちゅっ

586: 2009/10/23(金) 02:35:13.16 ID:UcWCBoCcO
エルフ「…安心できません」

男「…! …は? お前寝てたんじゃ!」

エルフ「私を嫁にするんでしょう?」

男「…!!」

エルフ「ちゃんと鎖で繋いでおかないと、逃げ出しちゃいますからね」

男「ふん、そうかい」

ジャラリ

男「だから言っただろうが。お前は俺の嫁だってな」

男「鎖を外しても逃げられやしないんだ」

エルフ「…その通りね。もう見えない鎖でガッチリ」

男「…ふん」


おしまい

588: 2009/10/23(金) 02:37:25.52 ID:MoM7f+zMO


引用: エルフ「く、鎖をはずしてください」