1: 2011/09/10(土) 00:00:51.23 ID:6ga1/alD0

ーーーー学園都市第23学区にてーーーー


上条「あー、そこならこの道をまっすぐいって突き当たりを右だ」

少女「そうなんだー。ありがと、お兄さん」

上条「どういたしまして」ニコッ

少女「バイバーイ!」タタタッ

上条「気をつけてなー!」




上条「ふぅ……」


上条「さーて今日は一日何して過ごそうかなー」
とある魔術の禁書目録 4巻 (デジタル版ガンガンコミックス)

3: 2011/09/10(土) 00:04:09.72 ID:6ga1/alD0
>>2
ち、違うんだ……まぁいいや。

4: 2011/09/10(土) 00:04:25.40 ID:6ga1/alD0

美琴「あ、いたいた。おーい、ヒーローさん!」

上条「おっ?御坂か大学は終わったのか?」

美琴「今日の講義はもう終わったわよ。それよりヒーローさんは何してたの?」

上条「おいおい、よしてくれよこんな所でヒーローなんて」

美琴「何言ってんのよ、この辺じゃあんた有名じゃない。知らない人なんて居ないわよ」

上条「そ、そうかな……」

美琴「自信持ちなさいよ。あんたはこの街の『ヒーロー』よ」

上条「……そうか」

6: 2011/09/10(土) 00:11:54.35 ID:6ga1/alD0
ーーーーーーーーーーーーーーーーー

私こと上条当麻はヒーローである。いきなりとんでもなくおかしな事を言い出したがこれは自他共に認める事実である。
この年になって何を言うんだといわれるかも知れないが俺は職業に『ヒーロー』を選んだ。
この職業になった経緯を話し出すと長くなるので割愛する。


美琴「ちょっと、私の話聞いてるの?お兄さん」

彼女は御坂美琴。
俺の数少ない友人の1人である。学園都市でも有数のお嬢様学校に進学した彼女は見た目とは裏腹にとても暴力的で粗暴な性格の持ち主である。

上条「悪い悪い。で、なんだって?」

美琴「だからあんたら何してたのよ」

7: 2011/09/10(土) 00:13:11.63 ID:6ga1/alD0
美琴「あんたら」

じゃなくて

美琴「あんたは」

ですすみません

10: 2011/09/10(土) 00:18:01.58 ID:6ga1/alD0

上条「その話はもう聞き飽きたよ」

美琴「何言ってんのよ。あんたにはする事があるんでしょ」

上条「あぁ、今日はどこで『ヒーロー』になろうか。って考えてた」

美琴「そっちじゃなくて……」

おばあさん「あのぉ……すいません。この銀行にはどういけば………」

上条「あ、この銀行ならすぐ近くだから案内するよ」

おばあさん「そうなの。ありがとねぇ……」

上条「じゃあ行きましょうか」

美琴「ちょ、ちょっと!」

上条「悪い御坂、またなー」テクテク

15: 2011/09/10(土) 00:24:59.13 ID:6ga1/alD0


美琴「はぁ…。あいついつまでこんな事するのかしら……」

美琴「ま、あいつらしくて良いけどねぇ。私には関係ないしいっか!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

上条サイド

上条「ここだよ」

おばあさん「ありがとねー」

上条「じゃ、失礼します」

おばあさん「またお願いね。ヒーローさん」

上条「……はい!」ニコッ




上条「ふぅ……」

こうして俺は今日もヒーローをやりきった。

17: 2011/09/10(土) 00:29:33.00 ID:6ga1/alD0

上条「ただいまーって誰も居ないか」

黒猫「にゃー」

上条「なーんてな。お前が居るか」

黒猫「……」スリスリ

上条「ハハッ!さっさと飯食って寝るか!」

黒猫「にゃー!」


ピンポーン

上条「ん、誰か来たのか?」


18: 2011/09/10(土) 00:35:52.78 ID:6ga1/alD0

上条「どなたさんですかーっと」

ガチャッ

青髪ピアス「カミやーん!元気しとったー?」

ガチャン

上条「誰も居なかったな。うん、誰も居なかった」

ドンドンドン!

青髪ピアス「ちょっとちょっと!カミやん!この扱いはあんまりやでー」

ガチャッ

上条「なんだよ、突然来てうるさいな。近所迷惑だろ」

青髪ピアス「久しぶりに同級生が来たってのにカミやんは冷たいなー。ええんかなー?お土産だって持って来たのに」

上条「お土産?珍しいな、お前がそんな物持って来るなんて」

19: 2011/09/10(土) 00:39:47.42 ID:6ga1/alD0

上条「いったい何を持って来たんだよ」

青髪ピアス「ふふっ聞いて驚けー。とある電気街で今人気のフィギュアをカミやんの為に……ってカミやんっ!」

ガチャン!

上条「やっぱり誰も居なかったな。さーてそろそろ風呂入るぞー」

黒猫「ニャ!」ジタバタ

上条「こらこら逃げるんじゃありません。大人しく観念しなさい。」

ドンドンドン!

青髪ピアス「おーい、カミやん!ホントにこの扱いはヒドイでー!!」






さらば青髪ピアス。

24: 2011/09/10(土) 00:54:35.04 ID:6ga1/alD0

上条「フーッ!スッキリしたなー」

黒猫「……」プルプル

上条「ハハッ!悪かったって!」

黒猫「……」テテテッ

上条「おい、逃げなくてもいいだろー。……行っちまった」

プルルルル………プルルルル………プルルルル………

上条「電話?誰からですかーって母さんかよ」

上条「もしもし?」

詩菜「もしもし?そちらは当麻さんかしら?」

上条「母さん俺だよ。当麻だよ」

詩菜「あらあら?何故だか詐欺の電話がかかってきたみたいねー」

上条「そっちからかけて来たんだろ!間違ってないよ俺だよ」

詩菜「あらあら最近の詐欺の電話は諦めが悪いみたいねー」

上条「だ、だから違うって……」

25: 2011/09/10(土) 01:03:46.56 ID:6ga1/alD0

詩菜「はいはい、ちゃんとわかってますよー当麻さん」

上条「う、うん」

上条(挨拶で既に疲れた……)

詩菜「それより当麻さん。お話があるのだけれど…」

上条「一体なんなんだよ」

詩菜「それが、刀夜さんが昨日……」

上条「父さんが倒れた!?」

詩菜「そうなのよ」

上条「で、で!?父さんは大丈夫だったのかッ!」

詩菜「……病気自体は大丈夫だったみたいなんだけど」

上条「半年も入院する事になっただって!?」

詩菜「だから、その……しばらくは大丈夫なんですけどこういうこともあるから当麻さんにはもうそろそろ真剣に将来を決めて欲しいのよ」

上条「ッ!?……そ、それはっ!」



26: 2011/09/10(土) 01:06:38.76 ID:6ga1/alD0

詩菜「す、すぐにと言う訳ではないんですけれど……早めに決めてくださいね………それじゃ」


ツーツーツー……

上条「……父さんが入院か。いやいや、それよりも!」

上条「就活……か」

27: 2011/09/10(土) 01:16:57.07 ID:6ga1/alD0

ーーーーーーーーーーーーーー

街角にて

店員「いらっしゃいませー」

上条「あのー、バイトの面接で来たんですけど……」

店員「えっ、そうなんですか?店長ー」

店長「あー、君が上条君?待ってたよーささ、こっちで面接しようか」

上条「は、はい」


ーーーーーーーーーーーーーーー
事務所にて

店長「さて、履歴書をくれるかな」

上条「は、はい。どうぞ」

店長「ありがとう。……ふむふむ。経歴の所なんだけど、高校を卒業してからイギリス清教所属ってあるけど具体的に何してたの?」

上条「あ、はい。友達のやってる仕事の手伝いですね」



30: 2011/09/10(土) 01:24:22.95 ID:6ga1/alD0

店長「へー、珍しいね。若い子が宗教関係の仕事なんて。なんで辞めたの?」

上条「辞めたっていうかもう仕事がなくなったので……」

店長「そうなんだー。うんうん良いねー。でもそこからの履歴が……こ、これ正気かい?」

上条「は、はい正気ですが……」

店長「り、履歴書の経歴にひ、ヒーローなんて書いた子は多分君が初めてだよ」

上条「はぁ、そうですか」

店長「で、何してたの。一応聞いてあげるよ」

上条「そうですねー。町に繰り出して困っている人の人助けですね」

店長「それは……何故人助けするの?」

上条「……ヒーローですからっ!」ニコッ





ーーーーーーーーーーーーーー


上条「落ちた……」

33: 2011/09/10(土) 01:36:54.75 ID:6ga1/alD0

上条「はぁ……俺は何を間違えたんだろうか」

「何故だかわかりませんが、恐らく人生の選択でしょう、とミサカは答えます」

上条「ん、登場してそうそうに上条さんを馬鹿にするのは感心しないぞー。御坂妹」

御坂妹「しかし貴方が珍しく悩んでいたのでこれしか思いつきませんでした、とミサカは正直に返答します」

上条「むっ。流石の上条さんもそこまで否定されると怒るぞ」

御坂妹「では貴方は一体何を悩んで居たのですか?とミサカは問いかけます」

上条「うっ……」

御坂妹「貴方が道端肩を落として先程の発言を言う光景は知り合いとしてもあまり見たくは無い光景でした、とミサカ心境を伝えます」

上条「……」

御坂妹「場所を変えて話しませんか?とミサカは提案します」

上条「…………あぁ」

御坂妹「では行きましょう」

36: 2011/09/10(土) 01:52:58.64 ID:6ga1/alD0
ーーーーーーーーーーーーー
病院

御坂妹「わざわざこのミサカの家まで来ていただいてありがございます。疲れましたか?とミサカは出来る女として気遣いを見せます」

上条「いや、そんな事はないさ」

御坂妹「今日は非番ですので心置きなくお話ができます、とミサカは報告します」

上条「非番?」

御坂妹「おや、こちらの報告の方がまだでしたか、とミサカは重要な事を失念していた自分に溜息をつきます」

上条「報告?こちらの?なんの事だ?」

御坂妹「はい。先々月程前からこの病院で研修医として働かせてもらってます、とミサカは今更ながら重大発表をします」フンスッ

上条「えっ……えぇっ!?お前ここで働いてるの!?」

御坂妹「はい!とミサカは自信を持って答えます。実は数年前よりカエル顏の医者がミサカ達に行く所が無いならここで働かないか、と提案してくださっていたのです。とミサカは答えます」二ヘラっ

上条(妹が働いてたッ!?……こいつらだって立派に働いているってのに俺は今何をやって………クソッ!)

御坂妹「ふふっ、正直に言うとミサカ達は路頭に迷うのかと思っていましたが渡に船とはこの事かと思いました、とミサカは当時の事を思い出します」

御坂妹「キチンと研修が終われば貴方に報告するつもりだったのですが、とミサカは
……ッ!急にどこに向かうのですかとミサカはッ!」


俺は、それ以上御坂妹の声を聞く事は出来なかった。

37: 2011/09/10(土) 02:01:21.21 ID:6ga1/alD0
ーーーーーーーーーーーーー
公園にて


上条「ハァッ……ハァッ……」

上条「……ッ!?何やってんだ俺は……急に逃げ出すなんて………」


とは言っても、今から御坂妹の所に戻るなんて…………出来ないよな。

上条「はぁ……。さて、次の面接に行こうか」



ーーーーーーーーーーーーーー

それから二週間、俺は面接を受ける為だけに行動した。
正直、二週間目に入ってからというもの、落ちるのが当たり前になっていた俺はダブル受験、はたまたトリプル受験までこなすようになり変な自信までついて来た。

しかし、結果は奮わず面接の最後に
「……ヒーローですからっ!」ニコッ
っと言った途端に必ず事務所から押し出されてしまう事にもいい加減慣れてきてしまった。


上条「よーし。今度はどこ受けよっかなー」

39: 2011/09/10(土) 02:10:18.28 ID:6ga1/alD0

美琴「あ、いたいた。おーい!ヒーローさん!」

上条「ん、なんだ御坂か」

美琴「なんだじゃないでしょー。ていうか最近見なかったけどどうしたの?」

上条「あぁ、転職しようと思ってな」

美琴「えっ…?て、転職?ってなに?」

上条「はぁ?転職は転職だろ。職業を違う物に……」

美琴「そんなの知ってるわよ!でもなんでいきなりヒーローを辞めるってのよ」

上条「それは……俺にも事情があるんだよ」

美琴「アンタはッ!…………こほんっ、あんたはそれでいいの?」

上条「……良い訳ないだろ」

美琴「だったら!」

上条「だからって俺がヒーローに戻る訳にはいかない」


上条「……ヒーローは……………引退だよ」

美琴「そんな…………」

41: 2011/09/10(土) 02:15:33.30 ID:6ga1/alD0

美琴「そ、そんなのって……」ポロッ…ポロッ…

上条「……泣いてるのか」

美琴「………泣いてなんかないわよ。あんたなんか興味ないしね」グスッ……

上条「そうか……」

美琴「………」

上条「………」

美琴「もう、ヒーローが帰ってくる事はないの?」

上条「さっきも言ったろ?ヒーローは……引退だ」

美琴「ッ!……そ、そう。………じゃ、またね。今日は課題出てるから早めに帰る」

上条「……あぁ、気をつけてな」

美琴「……さよなら、ヒーローさん」

43: 2011/09/10(土) 02:25:35.90 ID:6ga1/alD0
上条「……………さ、今日は俺も変えるか。今日も落ちたしな」
ーーーーーーーーーーーー
自宅にて

上条「ただいまーっと」

黒猫「にゃー」

上条「おっ、お出迎えとは珍しいですな。今日のご飯は多めにしてやるよ」

黒猫「ニャーっ!」

上条「………ん、郵便受けに何かたくさん入ってるな」

ガサゴソ……

上条「えーっと、『この度は残念ながら貴方の………』ってなんだよ。落ちたのにわわざわざ送りつけてくんなよ」

パサッ

黒猫「にゃ」ズリズリ

上条「おいおい、いらない紙だけどおもちゃにしてはいけませんよーって!あれっ!?」

『この度の面接の結果を受け、是非当社としては貴方の入社を………』

上条「こ、こここれはっ!まま待ち望んだ!い、いやいや落ち着けっ!最後まで読んでみないと!」

45: 2011/09/10(土) 02:27:31.42 ID:6ga1/alD0

『貴方の正社員として採用致したく』

上条「キターーーーーーッ!!!!やった!やったぞっ!俺は成し遂げたんだぁーーー!!」

ドンドン!

隣人「ウルサイッ!」

上条「す、すいません!け、けど!やったぞぉーーー!!」

隣人「黙れって言ってんだろぉ!」

上条「やったぁーーーーー!」


こうして俺の就活は最高の終わりを迎えた。

47: 2011/09/10(土) 02:34:39.82 ID:6ga1/alD0

上条「ふんふふん、ふんふふん、ふんふんふーん♪」

今日から俺は社会人の仲間入りを果たす。
未経験な事も多く、まだ見ぬ世界に不安が多いがその分、感じた事のない多幸感と希望に溢れていた。

コンコン
上条「失礼します」

「どうぞー」

受付「はい、本日はどのようなご用件で……ってなんだか見覚えが………」

上条「あ、多分面接の時にお会いしたと思います」

受付「面接?あ、君が上条君ね!おめでとう!そして宜しくね?」

上条「はい、よろしくお願いします!」

その後ほかの社員や社長にも挨拶を済ませ、明日よりここで働く事となった。
小さな会社だがその分社員みんなが仲良が良く、俺もすぐに馴染むことができた。

50: 2011/09/10(土) 02:40:59.78 ID:6ga1/alD0
ーーーーーーーーーーーーーー
社員生活、一週間後


社員「上条くーん、上司さんが呼んでるよー」

上条「はーい、すぐ行きまーす」

上司「上条君?ここはこうして、って昨日言ったじゃない?」

上条「す、すいません。気をつけます」

社員「ははっ!まだ一週間なんだからいいじゃないですか」

上司「そうは行きません。上条君にはしっかりしてもらわないと……」

社員2「しっかりしてもらわないと……なんですか?」

上司「し、知りませんよ………///」

社長「熱いねー」

社員一同「ゲラゲラゲラ」

上条「ははは……」


悪くない、本当にそう思った。

52: 2011/09/10(土) 02:46:03.39 ID:6ga1/alD0
ーーーーーーーーーーーー
社員「お疲れ様でーす」

社長「お疲れ様。また明日もよろしくね」

社員「はーい」

上司「……ふぅ。そろそろキリがいいし上条も帰っていいわよ?」

上条「わ、わかりました」

上司「ふふっ、まだ慣れない?」

上条「えっ、いや……ハハッ………少し」

上司「もう少し肩の力抜いていいのよ?


上条「そ、そんな……まだ俺には早いですよ」

54: 2011/09/10(土) 02:48:12.90 ID:6ga1/alD0

上司「そんなんじゃダメね」

上条「は、はぁ……」

上司「これから暇?」

上条「えっ?」

上司「暇かって聞いてるのよ!」

上条「は、はい!暇です!!」

上司「じゃ、食事にいくわよ」

上条「えっ………えっ!?」

上司「なによ……ちゃんと私の奢りよ?」

上条「い、いえそうではなく………良いんですか?」

上司「いいのよ。それにこれが1番慣れるのが早いに決まってるわ!」

上条「は、はぁ……」

56: 2011/09/10(土) 02:50:40.26 ID:6ga1/alD0

上司「じゃ、早速行くわよ」スタスタスタ

上条「ちょ、ちよっと待ってくださいよー!」





社長「…………ウチの娘に手を出したら………わかってるね、上条君?」


上条「ヒッ!」ゾクッ

上司「ど、どうしたの?」

上条「い、いえ……」

上条(き、気のせいか?)

57: 2011/09/10(土) 02:55:02.63 ID:6ga1/alD0

ーーーーーーーーーーーーーー
とある駅前にて

上司「この辺は初めて?」

上条「よく来る事には来るんですが店とかはあんまり……」

上司「そう、じゃあこの辺で1番良い店でも行きましょうか!」

上条「ホントですか!やったー!」

「あぁ~~~!!こんな所にいたんだよっ!」

上条「えっ?」

「もう!とうまは久し振りに会ったっていうのに挨拶の一つもしてくれないんだねっ!そういう所は相変わらずかもっ!」

上条「も、もしかして……インデックス!?」

59: 2011/09/10(土) 03:01:09.41 ID:6ga1/alD0

禁書「もしかしなくても私はインデックスなんだよっ!」

上条「い、インデックスッ!今までどこに居たんだよ!」

禁書「そ、それは……仕事の都合ででとうまには内緒なんだよっ!」

上条「し、仕事ッ!?もしかして今までお前1人で魔術師と戦っていたのか!?」

禁書「そ、そうなんだよっ!」フンスッ

上条「お、お前は……どうして俺を頼らなかったんだッ!」

禁書「そ、そそそれはとうまの事を考えて……」

上条「俺がどれだけ心配したと思ってるんだッ!?俺はお前が何処かの魔術師に連れ去られたかもしれないと必氏に探したというのにッ!」

禁書「と、とうま……」

上条「俺たちが一緒にいた日数は確かに少ない!だけどそれ以上にお互いが信頼しあっていたと………俺は、……………思って居たのにッ…………!!!!」

62: 2011/09/10(土) 03:05:58.70 ID:6ga1/alD0

禁書「とうま………ごめんなさい。とうまがそんなに私の事を心配してくれてたなんて……知らなかったんだよ」

上条「うっ、お、俺は………お前を…………」

禁書「と、とうまは悪くないんだよ。………全部私が悪いかも」

上条「く、くぅ………」ボロボロ……




禁書(とうまが就職したって元春から聞いてきてみたけれど………これは予想以上なんだよっ!またしばらくお世話になるかもっ!)

65: 2011/09/10(土) 03:12:48.49 ID:6ga1/alD0

上司「ハッ!か、上条君!よくわからないけどこんな所じゃ……」

通行人「……」ジロジロ

禁書「とうま、向こうでお話しよっ?」

上条「あ、あぁ……」





ーーーーーーーーー

女子学生「どうされたんですか?」

美琴「…………………私には、関係ないからいいのよ」

女子学生「えっ?」

美琴「………」

女子学生「おーい」

美琴「………ふぇっ!?な、なな何ッ!?」

女子学生「もー、また話聞いてなかったでしょー」

美琴「ご、ごめんごめん。でなんの話だったー?」

91: 2011/09/10(土) 04:04:46.54 ID:6ga1/alD0

禁書「とうま、落ち着いた?」

上条「あ、あぁ……」

禁書「その、今までごめんなさいなんだよ。黙ってとうまの前から居なくなって……」

上条「いや、いいんだ。インデックスが帰って来てくれたらそれでいい。もう、他に何もいらないさ」

禁書「とうまっ!」

上条「インデックス……インデックスッ!」

ガシッ


この時、俺は予想だにしなかった。インデックスが大きな変貌を遂げていた事なんて……

93: 2011/09/10(土) 04:12:21.48 ID:6ga1/alD0

ーーーーーーーーーーーーー
上条当麻家にて


禁書「とうまーこの子猫はどうしたのー?」

上条「あぁ、そいつは最近御坂妹から預かったんだよ。あっ!そっか!流石に病院に就職するなら子猫はアウトだなー。だから俺に預けたのか……」フムフム

禁書「……」ペシッ

黒猫「キャフッ!」

上条「なっ、何するんだよインデックスッ!可哀想だろっ!」

禁書「知らないんだよ」

上条「なに言って……」

禁書「とうまが他の女の子からもらった物なんてこの家には必要ないんだよ」

上条「馬鹿ッ!だからって子猫を叩く奴が………ッ!」

禁書「とうま!とうまは他の女の子と私のどっちをとるの!?」

上条「はぁ?だ、だからそれとこれとは……」

禁書「……とうま、私を捨てるの?」ウルウル

上条「うっ……」

94: 2011/09/10(土) 04:15:54.86 ID:6ga1/alD0

禁書「とうま……」

上条「うっ……で、でも!子猫を捨てる訳にはいかないだろっ!」

禁書「そんなのクールビューティーに返してくればいいんだよ。そしたら子猫も幸せなんだよっ!」

上条「そっ、そうか!その手があったか!!早速行って来る!」

禁書「わかったんだよー!」




禁書「まずは1人目………だね」

95: 2011/09/10(土) 04:22:25.32 ID:6ga1/alD0

ーーーーーーーーーーーーー
病院にて

御坂妹「受付から呼び出しがあると思ったら……まさか貴方だとは思いませんでした、とミサカは…………その子はッ!」

上条「ほら、久し振りのお前の名付け親だぞー」

黒猫「にゃーん」ゴロゴロ……

御坂妹「あっ今は………。あぁ……この子の毛が服についてしまいました……。これでは猫アレルギーの患者さんには会えませんね……」

上条「な、なぁ御坂妹。頼みがあるんだが……」

御坂妹「なんでしょう。この子の為ならそれなりには無茶も厭わないことも宣言いたします」

上条「よ、よかった!実はこの子を返したいんだよ」

御坂妹「えっ?も、もう一度………」

上条「だ、だからこの子をお前に返したいんだよ……た、頼んだぞっ!じゃあな!」タタタッ……



御坂妹「ミ、ミサカが貴方の家に行く口実が…………」ガクッ

黒猫「にゃー」(おいおいヒドイぜ姉さん)

101: 2011/09/10(土) 04:27:50.38 ID:6ga1/alD0
ーーーーーーーーー
上条当麻家


ガチャ

上条「た、ただいまー。帰ったぞーインデックスー」

禁書「おかえりなんだよっ!とうま」ニコッ

上条「あぁ、あの猫はちゃんと御坂妹に返して来たからな」

禁書「うん!ありがとうなんだよ!」ダキッ!

上条「イ、インデックスさんッ!?」

禁書「とうまが私の為に行動してくれたお礼なんだよ!」ニコニコ

上条「インデックス………」ギュッ




禁書(次は、次は……っと。)

104: 2011/09/10(土) 04:33:39.95 ID:6ga1/alD0

禁書「とうま、このケータイストラップかわいいね」

上条「ッ!?」

禁書「私、これ欲しいな!」

上条「こ、これは……」

禁書(このカエルのストラップはきっと短髪の好みなんだよ!こんなにボロボロになっても持ってるなんておかしいんだよ!)

禁書「とうま?」

上条「そ、そうかな?これは『友達』との大切なものだからお前にもやれないよ………すまない」

禁書「そう、なんだ」



禁書(これは……重傷だね)

107: 2011/09/10(土) 04:42:08.58 ID:6ga1/alD0

それからというものは……

「もしもし、上条さん!?最近連絡がないので心配しまし……」

禁書「こんにちは、五和。とうまに何か用なのかな?」

五和「えっ!?い、今の声って……インデッ」ブチッ…



ピンポーン。

………………………ピンポーン。

■■「ふふっ。いつ来ても留守」



神裂「も、もしもし。上条当麻さんのお電話でしょうか?」

禁書「うん。合ってるんだよ!かおり」

神裂「い、インデックス………」

禁書「それで、どうしたのかな?」

神裂「い、いえ。掛け直します」

109: 2011/09/10(土) 04:47:26.66 ID:6ga1/alD0

禁書「ふー。だいたい片付いたかも」

上条「なにが片付いたんだ?」

禁書「ッ!?と、とうまー。今日は一緒に寝るんだよ!」

上条「な、何言ってんだよ!だ、男女は別々に寝なきゃって昔の偉い人が……」

禁書「イギリスにはそんな風習ないんだよ!さ、諦めてこっちに来るんだよ!とうま!」

上条「イ、インデックス……」ふらふら



この夜、2人が一線を超えることはなかった。

112: 2011/09/10(土) 04:52:11.69 ID:6ga1/alD0

翌朝、

上条「ふぁ~あ。って!もうこんなじかんかよっ!」バッ!

禁書「ふぇっ!?と、とうま?な、なにごと!」

上条「あ、悪い悪い。もう会社に行かなきゃ」

禁書「えー。今日くらいいいんだよ!もう少し一緒に寝るんだよー」

上条「しょ、しょうがないなー」




おしまい

引用: 上条(24)「その幻想をぶち殺す!」