1: ◆6dfnFN9Lqc 2012/01/20(金) 22:48:25.02 ID:mo7rrfIk0


どうも。

一応ほのぼの系で、そして超がつくほどの短編です。




2: 2012/01/20(金) 22:51:40.22 ID:mo7rrfIk0


コンコン。


弟「はいよ」

姉「うっす」ガチャッ

弟「どしたの?」

姉「……ちょっとね、話があってね、うん」

弟「ふーん。珍しいな」

姉「ていうか座布団ないの?」

弟「ない」

姉「じゃあ枕貸して」

弟「ったく。ほら」ポイッ

姉「さんきゅ」




3: 2012/01/20(金) 22:53:31.71 ID:mo7rrfIk0



姉「……」

弟「……」

姉「最近寒いねぇ」

弟「そうだな」

姉「あ、そういえば今日の晩御飯はおでんだって」

弟「マジで? よっしゃ」

姉「私さぁ、ほら。あのお餅が入った巾着あるじゃん? あれ大好きなんだよねぇ」

弟「あー確かにな。俺も好きだわ」

姉「あとさぁ聞いてよ最近学校でさぁ―――」

弟「いや、ちょっと待て」

姉「はい?」




4: 2012/01/20(金) 22:55:29.31 ID:mo7rrfIk0



弟「話があるんじゃないのか?」

姉「……あぁ、そうだった。そうだったね」

弟「そんじゃあ話してみ」

姉「……」

弟「……」

姉「……あのさぁ」

弟「……おう」





姉「……ちょろーっと服を脱いでくれない?」

弟「は?」




5: 2012/01/20(金) 22:58:33.86 ID:mo7rrfIk0



弟「ふ、服? なんでだよ……つーか嫌だ。寒いし」

姉「いいじゃん少しくらい!」

弟「嫌だっての。つーかそれが話かよ!心配して損したわ!」

姉「もち」

弟「よし。出てけ」

姉「まぁ、そうとんがるなって」

弟「あんたのせいだよ。どこまでもあんたのせいだよ」

姉「晩ご飯の時にコンニャクとはんぺんあげるから。ね?」

弟「……仕方ねーな……」




6: 2012/01/20(金) 23:00:47.04 ID:mo7rrfIk0



弟「……で、そもそもなんで服を脱がせたいんだよ」

姉「なぁに、ちょっと鎖骨を触りたくてね」

弟「…………すまん、もう一度言ってくれ」

姉「だーかーら!鎖骨を触りたいのさ!」

弟「……」

姉「……」

弟「……」

姉「……という訳で、服を脱いで」

弟「やっぱ自分の部屋に戻ってくれね? いやマジで」

姉「何でそんな事言うの?」

弟「あのさぁ、その俺が悪いみたいな言い方やめてくんないかな」

姉「分かったやめる。だから服脱いで!」

弟「……」




7: 2012/01/20(金) 23:03:46.11 ID:mo7rrfIk0



弟「……うん。嫌だ」

姉「いいじゃん服くらい!」

弟「い、いや……だから……」

姉「さーこーつ♪さーこーつ♪さーこーつ♪」

弟「いやマジで何これ」

姉「ね、お願い!」

弟「理由を聞かせろ」

姉「……男性の鎖骨が好きだから。以上」

弟「簡潔でよろしい(笑)」




8: 2012/01/20(金) 23:05:48.86 ID:mo7rrfIk0



姉「じゃ、失礼しまーす」

弟「ちょ、怖い怖い!近付くな!」

姉「更に言っちゃうと、体型が良い人よりも少し細身な人の鎖骨が好きなんだよねぇ」

弟「……で、俺のが見たいと」

姉「違う。見たいんじゃなくて触りたいの」

弟「まぁ、そこはどっちでも良いよ……」

姉「良いの!?」

弟「……すまん、やっぱ良くないわ」




9: 2012/01/20(金) 23:08:59.53 ID:mo7rrfIk0



姉「よーし、触らせて!」

弟「何一つ『よし』じゃないんだけどね」

姉「お願い!この通り!」

弟「……いや俺も触らせてやりたいのは山々なんだけど、寒いし恥ずかしいしで嫌になるんだよ」

姉「触らせたいの!?」

弟「都合の良い耳だなぁ!」

姉「私は恥ずかしくないよ?」

弟「俺は恥ずいんだよ」

姉「そこを何とか!大根もあげるから!」

弟「……」

姉「……」




10: 2012/01/20(金) 23:11:17.26 ID:mo7rrfIk0



弟「……んー、まぁ……服の上からなら……」

姉「直接じゃないと嫌」

弟「……」

姉「さーこーつ♪さーこーつ♪さーこーつ♪」

弟「神様助けて……」

姉「じゃあこうしよっか。脱ぐのは上着だけで良いよ!」

弟「そういう事じゃねーよ。つーか全部脱がすつもりだったの!?」

姉「うん」

弟「下も!?」

姉「うん。でも諦めるよ」

弟「……あのね、世間ではそういうのを変態って呼ぶんだよ?」




11: 2012/01/20(金) 23:13:13.98 ID:mo7rrfIk0



姉「じゃあ上着のボタンを外すだけで良いから。これ以上の譲歩は出来ないよ?」

弟「なんでさっきからそんな偉そうなの? 完全に姉ちゃん>>>俺になってるよな?」

姉「触らせて?」

弟「……」

姉「……」

弟「……つーか姉ちゃんって鎖骨フェチだったのかよ……」

姉「うん!」

弟「胸張ってるとこ悪いんだけど、それ全く誇れないからね?」

姉「うん!触らせて!」

弟「断る」




13: 2012/01/20(金) 23:17:05.31 ID:mo7rrfIk0



姉「……」

弟「……」

姉「……そんなに嫌なの?」

弟「あぁうん、嫌っつーか恥ずい。そして寒い。かなり」

姉「……」

弟「……」

姉「……分かった。諦める」

弟「良かった!そうしてくれ……」




14: 2012/01/20(金) 23:19:18.98 ID:mo7rrfIk0





姉「……その代わりに項の匂いを嗅ぎたい!」

弟「悪夢は去っていなかった……!!」






15: 2012/01/20(金) 23:21:02.96 ID:mo7rrfIk0



姉「うーなーじ♪うーなーじ♪うーなーじ♪」

弟「つーか……え!? 匂い!?」

姉「うん。項の匂いを嗅ぎたいの」

弟「おおっふ……コレはかなり変態じゃね?」

姉「そうかなぁ」

弟「自覚無し!?」

姉「だって嗅ぎたいんだもん」

弟「だってじゃねーよ!『自覚無いから嗅ぎたい』って何だよ!」

姉「嗅がせて!ね? ちょっとだけで良いから!ちょっとだけで良いから!」




16: 2012/01/20(金) 23:22:55.60 ID:mo7rrfIk0



弟「……」



拝啓

父上、母上。

わたくしの、そして御二人の愛すべき姉上は……




変態さんでした☆




敬具




17: 2012/01/20(金) 23:24:50.26 ID:mo7rrfIk0



姉「ほら!早く匂いを!カマン!」

弟「なんで主導権がそっちにあるのかなぁ?」

姉「うーなーじ♪うーなーじ♪うーなーじ♪」

弟「助けて……誰でも良いから……」

姉「じゃあ逆に聞くよ? 今あんたの目の前には項があります。さぁどうしますか?」

弟「……」

姉「……」

弟「……」





姉「嗅ぐ…しかないでしょ?」

弟「どや顔すんな」




18: 2012/01/20(金) 23:28:12.85 ID:mo7rrfIk0



姉「おーねーがーい!十秒で良いから!」

弟「時間の問題じゃ――いや、十秒って長くねぇ!?」

姉「分かった。五秒でどう?」

弟「人の話聞いてる?」

姉「……三秒。これ以上は譲歩出来ないなぁ」

弟「何その上から目線」

姉「なんで嫌なのさ? 私はあんたのおねーちゃんなんだよ?」

弟「いや、急に言われても普通は断るだろ!姉とか関係ねーし!」

姉「目上の人の言うことは聞きなさい」

弟「部屋に帰れ。帰って『目上』の意味を五百回調べやがれ」




19: 2012/01/20(金) 23:33:11.43 ID:mo7rrfIk0



姉「もう……意地ばっか張って」

弟「変態には言われたかないね」

姉「そんな抵抗したって無駄だと思うけどなぁ?」

弟「は?」

姉「私は無駄だと思うよぉ?」

弟「……あぁそうかい」

姉「無駄だよー?」

弟「ちっ……」

姉「絶対に無駄だよ?」

弟「……はぁ……」

姉「無駄ですよー?」

弟「……」




20: 2012/01/20(金) 23:36:53.88 ID:mo7rrfIk0



姉「……」

弟「……」

姉「……」

弟「……」

姉「……全盛期のアレン・アイバーソンに対してマンツーマンディフェンスするくらい無駄だよ?」

弟「うるっせぇ!さっきからうるせぇ!あと分かんない人もいるだろうから変な例えすんな!!」

姉「あ、それならマイケル・ジョーダンの方がいいかもね」

弟「うるっせぇ!!」




21: 2012/01/20(金) 23:40:05.05 ID:mo7rrfIk0



姉「少しだけ!少しだけだから!」

弟「嫌だっての……なんでよりによって俺なんだよ」

姉「いいじゃん少しくらい!」

弟「つーか、普通…かは分かんねぇけど、普通は逆だろ」

姉「え?」

弟「男が女の項を嗅ぎたいっつーなら分からなくもないけど……」

姉「ふーん……でもいいじゃん逆でも。新鮮味があって」

弟「ねぇよ。もうパッサパサに渇ききってるよ。不毛地帯だよ」




22: 2012/01/20(金) 23:42:43.59 ID:mo7rrfIk0



姉「……はぁ。分かったよ」

弟「マジか!それなら――」

姉「……はい」

弟「……へ?」

姉「……」

弟「な、なぁ姉ちゃん」

姉「うん?」

弟「なんで後ろ向いてんの?」

姉「……いや、私の項の匂い嗅ぐんでしょ?」

弟「は?」

姉「え?」





23: 2012/01/20(金) 23:46:00.29 ID:mo7rrfIk0



弟「何言ってんの? 話が全く繋がらないんだけど」

姉「だーかーら!交換条件よ交換条件!」

弟「お、おう……?」

姉「私が先に匂いを嗅がせてあげるから」

弟「ん?」

姉「その次はあんたの番だよ?」

弟「……」

姉「早くしてよ。案外項って冷えるんだからね」

弟「……うん、やっぱ訳分かんねぇわ」




24: 2012/01/20(金) 23:48:42.01 ID:mo7rrfIk0



弟「……断る」

姉「えぇぇ!? 女の子の項の匂い嗅げるんだよ!?」

弟「俺は至ってノーマルですから」

姉「……要するに、また恥ずかしいの?」

弟「……まぁ概ね正解だな」

姉「私だって流石に恥ずかしいよ? でも勇気出してるんだよ? だから嗅がせて!」

弟「ほんの少しモラルが残ってて安心したけど気のせいだったわ」

姉「気のせい。だから嗅がせて」

弟「だからじゃねーよ!つーかこのやりとり何回目だよ!」




25: 2012/01/20(金) 23:51:35.31 ID:mo7rrfIk0



姉「うーなーじ♪うーなーじ♪うーなーじ♪」

弟「うるせぇ。いい加減うるせぇ」

姉「うーなーじ……うーなーじ……」

弟「それでも尚うるせぇ」

姉「なっ? 嗅がせてくれよぉ!」

弟「フランクに言っても駄目だ。つーか野郎の項嗅いでも何一つ良い事無いだろ……」

姉「そんな事ないよ。いい匂いがしたらどうするのさ」

弟「……」

姉「……っていうか絶対いい匂いするって!」

弟「そういやあんたが純粋な変態なの忘れてたわ」




26: 2012/01/20(金) 23:53:48.61 ID:mo7rrfIk0



姉「ねぇ、いい加減にしてよ。いつまで水掛け論を続けるつもり?」

弟「その言葉、そっくりそのまま送り返してやる。しかも着払いでな」

姉「……」

弟「……」

姉「……」

弟「……」

姉「……ねぇ」

弟「何だよ」





姉「……項嗅がせて?」

弟「今の間は何だったの!? 反省したのかと思ったのに!」




27: 2012/01/20(金) 23:56:27.32 ID:mo7rrfIk0



姉「お願い!」

弟「……嫌だ。はい終了」

姉「……」

弟「……」

姉「……」

弟「……」

姉「……そっかぁ。ごめんね、変な事言って」

弟「……あ、いや、なんか俺も……ごめんな?」

姉「あんたは悪くないよ」

弟「……はは……」




28: 2012/01/20(金) 23:58:11.94 ID:mo7rrfIk0



姉「……」

弟「……」

姉「……ねぇ」

弟「ん?」

姉「お詫びと言ったらなんだけどさぁ」

弟「うん」










姉「耳、甘噛みさせてくれない?」


弟「予想はしてたよ畜生ぉ!!」




29: 2012/01/20(金) 23:59:47.62 ID:mo7rrfIk0

短いですがおわりです。


30: 2012/01/21(土) 00:01:55.68 ID:8ncGerMR0

31: 2012/01/21(土) 00:34:56.85 ID:ORF7XQuIO
乙乙

引用: 姉「いいじゃん少しくらい!」