213: ◆yIMyWm13ls 2013/08/20(火) 19:16:10.87 ID:VhaiNqaSo


モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ



ティアマット暗躍はっじまっるよー!

214: 2013/08/20(火) 19:16:50.10 ID:VhaiNqaSo
暗い、暗い、真っ暗闇。

何かが、誰かが杏を揺さぶる。

―――さん―――杏――ん――!


――『杏さん!』

あぁ……聞こえるよ。


杏「泰葉、うっさぃ……」

起き上がろうとすると、杏の背中に鋭い痛みが走る。

杏「はぁ……結構寝たと思ったんだけどなぁ…」

完全には傷が癒えていないみたいだ。

泰葉「……杏さん…」

杏「泰葉……うん…おはよう」


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それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。


~中略~


「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。

・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。





215: 2013/08/20(火) 19:17:57.35 ID:VhaiNqaSo
杏が目覚めたのは真っ白のベッドの上。

見渡せば隣に同じようにひとつベットがある。

杏「……保健室…?」

ベッドに横になったまま、開いたままの部屋の入り口をふと眺ると
プレートが掛かっており、寝ぼけ眼の目でも辛うじて『保健室』と読めた。

泰葉「…ここは私の拠点の中学校です」

杏「泰葉、聞きたいことは沢山あるよ」

なぜ、この街でこんな真似を。
ここで何をやっていたのか。
沢山氏んだ、泰葉はこんなことがやりたかったのか。
   そして……
杏たちのこと。

216: 2013/08/20(火) 19:18:38.86 ID:VhaiNqaSo
泰葉「…杏さん、あなたには関係の無いことです」

泰葉「今なら避難する住民に紛れれば出ること自体は容易でしょう」

杏「杏が聞きたいのはそんなことじゃない!」

泰葉「…分かっています」

杏「…だったら!」


泰葉「……うるさい…」

泰葉「うるさい、うるさい、うるさい!」

泰葉「分かってる、これ以上私を乱すなぁぁぁぁ!」

杏「……泰葉…?」

おかしい、私たちと一緒に居た時とは違ってイライラしてるんじゃなくて、なにかを怖がってるみたい。

217: 2013/08/20(火) 19:19:07.75 ID:VhaiNqaSo



 『おやおやぁ、泰葉ちゃん、どうしたんです?』

 『ご機嫌が宜しくないようで?』

杏の目の前にスーツを着た男が幽鬼のようにゆらりと表れる。

泰葉「……っ!」

泰葉「あなたを呼んだ覚えはない!」

 『およよ、そんなに嫌わないでくださいよ?ックク…!』
 
杏「…あんた誰?」

なんなのだこの男は、貼り付けたような笑みを浮かべて、気持ち悪い…。

 『ふぅ、そうカッカしないでください、ね?』
 
なにが、ね?だ……。

    『怠惰さん?』

218: 2013/08/20(火) 19:19:46.82 ID:VhaiNqaSo
杏「……へぇ、杏のこと分かるんだ?」

どうやらただの気持ち悪いヤツじゃないようだ。

 『泰葉ちゃんの『お友達』ですからねぇ』
 
杏「『お友達』ねぇ……本当は厄介者とか思ってるんじゃない?」

 『おやおや、手厳しい』
 
杏「…否定しないんだね?」

 『……』
 
杏「……」

あくまでも表情を変えずにスーツの男は返してくる。

219: 2013/08/20(火) 19:20:30.19 ID:VhaiNqaSo
 『率直に言わせて貰いますと…あなたは邪魔です』
 
杏「…ふぅん、黒幕っぽいこと言うんだね?」

 『クク……カハハ…黒幕ぅ…そうですねぇ……間違っちゃねぇなァ…』

杏がそう言った瞬間、男は突然狂ったように笑う。

 『泰葉ちゃんの意思は乱すし、ロクなことねぇしよォ……?』
 
杏「…泰葉の意思が乱れると駄目なんだ?」
 
 『…クヒ、私から誘導で引き出せる情報なんてないですよ?』
 
杏をからかう口調で男は突き放す。
まだだ、まだ情報が足りない。

220: 2013/08/20(火) 19:21:09.11 ID:VhaiNqaSo
 『まぁいいです、泰葉ちゃんの『お友達』ですもんねぇ……』
 
 『泰葉ちゃんはねぇ、唯一無二、絶大な力を持つ王様になってくれるんですよぉ!』
 
杏「…泰葉はそんなのにならないよ」

むざむざと持ってかれてなるもんか。

 『この街に溢れる憤怒の気!大量の憤怒のカース!』
 
 『馬鹿正直にヒーロー共がカースを狩ってくれてるお陰で時間稼ぎは出来たしなぁ』
 
 『まぁ、この忌々しい雨が少し邪魔ですが、より強い憤怒の厳選に使えたと思えばいいですしね』
 
杏「ふぅん…ご機嫌だね」

 『いえ、丁度今面白いのが生まれましてね?』

杏「面白いの?」

男は窓際まで歩いて行き、閉めていたカーテンを開く。

 『ほぅら?』

221: 2013/08/20(火) 19:22:04.90 ID:VhaiNqaSo
杏「なっ!?」

窓の外を見ると遠くの建物の一角から瓦礫が噴き上がる。
瓦礫の中からここからでも明確に見えるほど巨大な蛇が首を出す。
地上に見える部分だけであれなのだ。
地中も含めたらどのくらいの大きさになるのか……。

 『まだです、まだ『化けます』よ、あれは……』
 
男の言うとおり、蛇の進化は止まらなかった。
まるで二枚の大きな革を剥ぐように、両翼が表れる。

 『嫉妬だけじゃない…強力な憤怒も感じます、あぁ、この街を生み出して良かったですねぇ…』

 『今回もバカ正直にヒーロー共があのデカブツを狩ってくれる……』
 
杏「…狩られていいの、あれ?」

 『この街の主は図体だけのデカブツじゃないです、泰葉ちゃんですもんねぇ?』
 
泰葉「……」

泰葉は俯いたまま何も言わない。

222: 2013/08/20(火) 19:22:52.59 ID:VhaiNqaSo
杏「泰葉っ!」

 『あァ……それとやっぱあなた、邪魔です』
 
男が指を鳴らすと杏を中心に紫の霧が広がる。
 
 『精々あがいて、苦しんで氏んでくださいねぇ?』
 
その言葉を聞いて杏は呼吸を止める。
逃げ出すなら今しかない。
今こいつは苦しんでと言った。そしてこの紫の霧……。

杏『あ、ぐ……あぁ……』

吸わないようにベッドから跳ね起き、カーテンの開いた窓ガラスを破って窓の外に飛び出す。

…クソ、少し吸った、頭がクラクラする……。

杏「頼むよ、皆!」

怠惰のカースを生み出し、杏を運ばせる。

杏「ぐぅっ!」

毒が弱まるまで新陳代謝を遅くする。
脂汗が止まらない。
 
ヒーローで構わない。早く誰かに……!
ただあれを倒すだけじゃ駄目だ。
この街の憤怒が強まってしまう…。
そうしたら泰葉が……!

223: 2013/08/20(火) 19:24:19.63 ID:VhaiNqaSo

泰葉「……あの娘を頃す気?」

 『クク、刹那で忘れちまったよ、まぁいいかこんなカースドヒューマン』
 
泰葉『…ふざけたこといってんじゃ…』

 『冗談です、流石泰葉ちゃんの『お友達』…聡いですねぇ…』
 
 『私、邪龍ティアマットの毒から逃げられるなんてそうないですよ?』
 
 『お陰でサタンの魔力を少し使ってしまいました』
 
 『それにどちらにせよ止まれませんし止まりません』
 
 『泰葉ちゃんが『憤怒の王』になるまで後少し……』
 
 『この街の憤怒、そしてこの私が持つ『サタンの魔力』…』
 
 『あぁ、それにあのデカブツの蛇がおっ氏んで憤怒をまき散らしてくれると尚良いですね』


 『この街の憤怒を全部集めて魔王を凌ぐ最高の『お人形』を作りましょう』
 
 『そのために魔族の魔術にも手を出したのですから…』
 
 『この街の憤怒を集める所から『サタンの魔力』まで…』
 


 『私が最高の『プロデュース』を致しましょう』

224: 2013/08/20(火) 19:25:11.52 ID:VhaiNqaSo
終わりです。


イベント情報

・杏が誰でも良いので『絶望の翼蛇龍』を無闇に倒してはいけないことを伝えたいようです。

・邪龍ティアマットは憤怒の街に溢れる憤怒と『サタンの魔力』でなにかを企んでいるようです。


こんな感じでどうでしょう。
変な所あったら指摘お願いします!

225: 2013/08/20(火) 19:29:18.03 ID:o1YedBRAO
乙ー

>泰葉『…ふざけたこといってんじゃ…』 やめろ泰葉っちゃん!

226: 2013/08/20(火) 19:29:21.48 ID:f79Wmad7o
乙乙

恐ろしい……おのれティアマット!

しかし簡単に無力化させられるような相手でもないし、まずいんじゃないかこの状況
杏ちゃん瀕氏状態になりすぎワロエナイ




【次回に続く・・・】



引用: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part 6