327: ◆yIMyWm13ls 2013/08/22(木) 21:46:33.47 ID:NYpt1yZZo


モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ



憤怒の街投下。
Anzuchangお借りします。

328: 2013/08/22(木) 21:47:02.91 ID:NYpt1yZZo
――

…時々感じる揺れが杏の意識を確かなものにする。

杏「っぐぅ……」

逃げ出した当初より心なしか毒による痛みは減った気がする。

杏「はー、杏、怠惰で良かった…」

毒の回りを故意に遅くした甲斐はあったようだ。

杏「もう大丈夫、歩けるよ」

杏の一言で杏を載せて運んでいた怠惰のカースが溶けて消える。


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それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。


~中略~


「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。

・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。





329: 2013/08/22(木) 21:48:19.81 ID:NYpt1yZZo
杏「さぁて、ヒーロー探さなくちゃ…」

ヒーローを探すのにカースに運ばれてる状態じゃ一緒に襲われかねないしね。

杏「しっかしあれ、どうしようかな…」

ズゥン…と衝撃。
ここからでも見えるほど巨大化な翼の生えた蛇。
その巨大な蛇が地面から這い出てくる。

杏「じょ、冗談でしょ……?」

阿呆みたいに大きな巨体が全身を顕す。
口をパカァと開いたかと思えば巨大なカース弾を吐き出し、周囲を破壊する。

そして、それを見ている一人の少女。

杏「…あれ、あの娘……」

330: 2013/08/22(木) 21:49:09.06 ID:NYpt1yZZo
――

裕美「嘘……?」

翼の生えた大蛇が地面から這い出てくる。
でも大事なのはそこじゃない、翼だ。

あの翼と同じものを私は見た。
ううん、確かに倒したハズ。
巨大なビルで叩き潰した。


……違う、私は核の破壊を見届けてない。

私が見たのは瓦礫に埋もれていく翼竜を見ただけ。

でも確かにその時見た翼を持つ蛇が目の前に居る。

歯を食いしばる。

裕美「倒さなくちゃ…」


『どうやって倒すの?』

私は背後からの声に振り返る。

331: 2013/08/22(木) 21:49:38.30 ID:NYpt1yZZo
『あの蛇でっかいよ?』

『人間一人なんて一呑みでぺろんなんじゃない?』

私の目の前には小柄な女の子。
女の子はどこからか飴玉を取り出して口に放り込む。

裕美「私が倒し損ねたから……」


杏「杏には何言ってるんだかさっぱりだけど」

裕美「あはは、そうだよね…あなたもこんなところに居たら危ないよ?」

裕美「やっぱり師匠に手伝って貰って……」

あの巨大な口から吐き出されるカース弾の矛先が病院に向いてもおかしくないし……。

332: 2013/08/22(木) 21:50:13.61 ID:NYpt1yZZo
杏「ねぇ、ちょっと待ってよ」

女の子はニヤリと笑う。

杏「あなたは大量の水とか冷気って起こせるヒーローかな?」

杏「それも結構強いの、あの蛇覆えるくらい」

裕美「ヒ、ヒーロー?そういうのじゃないけど…」

裕美「…水と冷気……」

水と冷気、両方共強力じゃないと駄目じゃ私じゃ……。

……いや、違う…水ならあった……。
最後の一つ。とっておきが…。

杏「心当たりがあるみたいだね?」



杏「ねぇ、杏と一緒に蛇退治してみる気はない?」

333: 2013/08/22(木) 21:51:22.56 ID:NYpt1yZZo
――


目の前まで近づくと恐ろしい威圧感を感じる。
翼竜の時とは桁違いの大きさだ。

阿呆みたいに大きな尻尾が私に向かって振り下ろされる。

裕美「行くよっ!」

杏「…久々に杏、真面目だよ」

いつもは不真面目なのだろうか。

『風よ!』

彼女を抱えて横っ飛びに飛んで尻尾を避ける。

杏「いい?」

杏「このでっかい蛇をヒーローの密集してる街の外縁まで追い立てるよ!」

彼女が言うにはこの街でこの巨大な蛇を倒すより、ヒーローの密集している外縁で倒したほうが良いそうだ。
それに、なにより外縁に行けばGDFの兵器も憤怒の街の影響を気にせず放つことも出来る。

334: 2013/08/22(木) 21:52:09.36 ID:NYpt1yZZo
ガパァ、と蛇の巨大な砲身のような口がこちらを向く、それと同時にカース弾が放たれる。

裕美「緑のぷちちゃんが風、赤のぷちちゃんが炎なら…」

裕美「文字が青の契約書はきっとっ!」

――魔術管理人ユズは契約を行い、使い魔を託す。確実な信頼者 関裕美へ


 『みーっ!』

裕美「水だよねっ!」

カース弾がぷちちゃんが現れると同時に水流で押し流されて逸れる。

335: 2013/08/22(木) 21:52:52.19 ID:NYpt1yZZo
裕美「ぷちちゃんゴー!」

 『みみー!』

複雑な魔法陣が巨大な蛇の前に現れたかと思えばそこからダムの放水のように蛇に向かって水が放たれる。

杏「次、冷気を頼むよっ!」

裕美「そういえば、他のカースが全然襲ってこないのはなんで?」

杏「怠惰のカー……杏の部下が頑張ってくれてるからじゃない?」

裕美「そんな人居たの?」

杏「い、今はいいじゃん!冷気!冷気!」

杏「なにがなんでもこの街からあの蛇を離すよ!」

裕美「う、うん…?」

なんだか釈然としないけど……。

336: 2013/08/22(木) 21:56:04.97 ID:NYpt1yZZo
『冷気よ、大いなる我が力に従い、慈悲なきその力を宿せ!』

突き出したボールペンにありったけの魔力を全て込める。

確かイヴさんはこうやって付与して…。

『冷気よ、大いなる我が力に従い、慈悲なきその力を開放せよ!』

込められた魔力が開放され、冷気となって蛇を襲う。
全身、ぷちちゃんの放水で押し出されていく蛇に駄目押しに全力の冷気を浴びせる。


杏「よし、いい感じ、予想通り動きも鈍くなってるし、そのまま押し出していって!」

蛇はこちらに背を向け、ヒーローの集まっている外縁へ向かって這っていく。

裕美「でも何でこの蛇、逃げてるのかな?」

裕美「特にダメージになるようなことしてないよね?」

杏「まぁ、モチーフが変温動物の蛇だしね、そりゃ水浴びせて冷気浴びせれば寒くて逃げるよ」

杏「ふふふ、杏を敵に回したことを後悔しろ、スーツ男…」

裕美「スーツ男?」

杏「…ほら、そのまま冷気出し続けて!」

裕美「え…と…もう少しで魔力切れちゃう…」

杏「本当に追いたてただけじゃん!?」

 『みーっ♪』

裕美「あはは……」

337: 2013/08/22(木) 21:57:41.86 ID:NYpt1yZZo
終わりです。


イベント情報

・絶望の翼蛇龍をヒーローの集まる外縁部へと逃げました


Anzuchangはティアマットに挑んでいく所存らしい。

338: 2013/08/22(木) 22:04:43.42 ID:+ojAVOE9o
乙乙
がんばれ裕美ちゃん、地味に活躍数も多いぞ裕美ちゃん

外縁部……どうなってるかなぁ、服部さん、無事合流できてるかどうか心配

防衛戦開始→魔法少女合流→ネバーディスペア合流→カース根源爆砕
→蛇龍襲撃、里美合流→(ここから先は不明)

翼蛇龍襲撃、弱ってるなら全力攻撃で案外あっさりいけそうだけれど

339: 2013/08/22(木) 22:06:46.21 ID:AM5BYkqZ0
乙です
杏が働くと頭いいからか恐ろしいことがよく分かるな…参謀ポジがよく似合う
裕美ちゃんはガチで頑張ってるのがいい。応援したい

そしてぷちユズ全員それぞれの属性を生かして役に立ってるのに地味に感動している…




【次回に続く・・・】



引用: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part 6