507:◆zvY2y1UzWw 2013/08/25(日) 12:04:56.56 ID:rQ55dJmD0
モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです
前回はコチラ
乙です
未来の勇者もOKとは、これは将来が楽しみな能力。
肝試しで加蓮とカースドヴァンパイアお借りして投下
未来の勇者もOKとは、これは将来が楽しみな能力。
肝試しで加蓮とカースドヴァンパイアお借りして投下
508: 2013/08/25(日) 12:06:18.47 ID:rQ55dJmD0
姉を探して三千里?いえいえ、そこまで歩いてません。
そもそも…今出会ったのは全く違う存在だった。
『グァ…ゴァ…!』
「…誰?」
返事はなく、黒い泥が溢れ、殴るように攻撃を仕掛けてくる。
慌ててしゃがんで回避するが、素早く接近してきた。
『グオオオオ…』
「…」
泥…一瞬カースドヒューマンかと思ったが、その割には人格と言えそうな物がない。
呻くように出すその声、それを聞いてナニカの目の色が変わった。
「…ああ、そっか。」
黒い泥を操り、苦しむ…そんな目の前の彼が他人に思えない。
だって、自分の…奈緒の過去にそれと似たことがあったから。
適性の無い核を埋め込まれ、もがき苦しむその姿。
幸か不幸か、発狂後の記憶は曖昧だけど、核を埋め込まれ、苦しかった事は覚えている。
そして何より…彼も被害者ならば、自分の探す加蓮も危ないかもしれないのだ。
そもそも…今出会ったのは全く違う存在だった。
『グァ…ゴァ…!』
「…誰?」
返事はなく、黒い泥が溢れ、殴るように攻撃を仕掛けてくる。
慌ててしゃがんで回避するが、素早く接近してきた。
『グオオオオ…』
「…」
泥…一瞬カースドヒューマンかと思ったが、その割には人格と言えそうな物がない。
呻くように出すその声、それを聞いてナニカの目の色が変わった。
「…ああ、そっか。」
黒い泥を操り、苦しむ…そんな目の前の彼が他人に思えない。
だって、自分の…奈緒の過去にそれと似たことがあったから。
適性の無い核を埋め込まれ、もがき苦しむその姿。
幸か不幸か、発狂後の記憶は曖昧だけど、核を埋め込まれ、苦しかった事は覚えている。
そして何より…彼も被害者ならば、自分の探す加蓮も危ないかもしれないのだ。
----------------------------------------
それは、なんでもないようなとある日のこと。
それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。
~中略~
「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。
509: 2013/08/25(日) 12:07:59.25 ID:rQ55dJmD0
「…誰にやられたのかな?ちょっと教えて?」
『ガアアアアアアアアアア!!!』
質問には答えず、吠えるだけ。
「…どうしよう、お話しできない…あ、そうだ、倒せばいいんだ。」
『グアァ!!』
勝手に納得しているナニカに、無数の蝙蝠型カースが襲い掛かる。
すぐさま距離を取って黒い泥で捕獲し捕食するが、数が多すぎる。
「あ、バカ、ばか!血はダメェ!」
血を吸った蝙蝠をすぐに捕まえて捕食。血を吸血し返すがそれでも間に合わない。
それに弱体化しているからか…思ったよりも倒せていない。
やっとの思いで蝙蝠を全滅させるも、次は吸血鬼が接近してきた。
黒い泥で殴ってくるのを同じく黒い泥で殴って防ごうとするも力負けしてふっとばされる。
壁に叩き付けられて…それでもナニカは静かに微笑みを浮かべた。
―ぞっとするような捕食者の微笑みを
『ガアアアアアアアアアア!!!』
質問には答えず、吠えるだけ。
「…どうしよう、お話しできない…あ、そうだ、倒せばいいんだ。」
『グアァ!!』
勝手に納得しているナニカに、無数の蝙蝠型カースが襲い掛かる。
すぐさま距離を取って黒い泥で捕獲し捕食するが、数が多すぎる。
「あ、バカ、ばか!血はダメェ!」
血を吸った蝙蝠をすぐに捕まえて捕食。血を吸血し返すがそれでも間に合わない。
それに弱体化しているからか…思ったよりも倒せていない。
やっとの思いで蝙蝠を全滅させるも、次は吸血鬼が接近してきた。
黒い泥で殴ってくるのを同じく黒い泥で殴って防ごうとするも力負けしてふっとばされる。
壁に叩き付けられて…それでもナニカは静かに微笑みを浮かべた。
―ぞっとするような捕食者の微笑みを
510: 2013/08/25(日) 12:09:11.81 ID:rQ55dJmD0
「乱暴者はキライ…ちょっと大人しくして?」
痛みには慣れている為、すぐに復帰する。
『ガァ…!グオオオオオオオオオオオオオ!!』
元々奈緒に比べて非力な泥操作をするナニカなのに、力が弱まっているのだ。力比べで勝てるとは思えない。
…でもナニカは逃げなかった。
「…」
『ガアアアアアアアアア!!』
やはり問いには答えず、再び泥で殴り掛かってくる。
ナニカは泥をアバクーゾの毛に変えて受け止め、そのまま肉体を泥のように変化させて吸血鬼の泥の隙間を駆けた。
吸血鬼が蝙蝠型カースを放ち妨害するがもう遅い。
龍の尾の子虎の姿になり、咆哮を上げる。4つの真っ赤な瞳がぎらぎらと光った。
「にゃん!キシャアアアア!」
『~~、~~~!』
顔面を切り裂き、ヒットアンドアウェイ。
尾の竜が詠唱し、大気の魔力が反応する。
上空から暴風が叩き付けるように襲い掛かったのだ。
しかし魔力の素質がないからか、起こした風は蝙蝠を消し相手を地面に抑えつけただけ。
…それで十分だったのだが。
両脇の壁に黒い影のようなものが浮かび上がっている事に気付いても手遅れだ。
真っ赤なサンゴが飛び出し、挟んで捕える。そのまま人の姿に戻り、すぐに接近した。
痛みには慣れている為、すぐに復帰する。
『ガァ…!グオオオオオオオオオオオオオ!!』
元々奈緒に比べて非力な泥操作をするナニカなのに、力が弱まっているのだ。力比べで勝てるとは思えない。
…でもナニカは逃げなかった。
「…」
『ガアアアアアアアアア!!』
やはり問いには答えず、再び泥で殴り掛かってくる。
ナニカは泥をアバクーゾの毛に変えて受け止め、そのまま肉体を泥のように変化させて吸血鬼の泥の隙間を駆けた。
吸血鬼が蝙蝠型カースを放ち妨害するがもう遅い。
龍の尾の子虎の姿になり、咆哮を上げる。4つの真っ赤な瞳がぎらぎらと光った。
「にゃん!キシャアアアア!」
『~~、~~~!』
顔面を切り裂き、ヒットアンドアウェイ。
尾の竜が詠唱し、大気の魔力が反応する。
上空から暴風が叩き付けるように襲い掛かったのだ。
しかし魔力の素質がないからか、起こした風は蝙蝠を消し相手を地面に抑えつけただけ。
…それで十分だったのだが。
両脇の壁に黒い影のようなものが浮かび上がっている事に気付いても手遅れだ。
真っ赤なサンゴが飛び出し、挟んで捕える。そのまま人の姿に戻り、すぐに接近した。
511: 2013/08/25(日) 12:09:49.04 ID:rQ55dJmD0
まともに動ける姿勢ではない。だから安心して近寄ったのが油断となった。
『グガアアアアア!!』
「え?」
関節があり得ない動きを起こし、拘束していたサンゴを破壊したのだ。
そのまま接近していたナニカの腹を爪で切り裂く。
そして髪を掴んで地面に叩き付けた。
『グゲ、クケケ…』
切り裂かれどこまでも真っ黒な腹に蹴りを何度も入れる。
これで勝った。そう確信した。
『グガアアアアア!!』
「え?」
関節があり得ない動きを起こし、拘束していたサンゴを破壊したのだ。
そのまま接近していたナニカの腹を爪で切り裂く。
そして髪を掴んで地面に叩き付けた。
『グゲ、クケケ…』
切り裂かれどこまでも真っ黒な腹に蹴りを何度も入れる。
これで勝った。そう確信した。
512: 2013/08/25(日) 12:10:36.83 ID:rQ55dJmD0
「…あは」
切り裂かれた腹に牙が生み出され、口のようになって思い切り噛みながら起き上る。
『!?』
足をひっこめていなかったら噛み砕かれていただろう。
「残念でしたーあたしの体はそこももどこかで、どこかもそこなんだ!」
訳の分からない事を言いながら手を振るとその手が蝶に変わる。
その手に気を取られた次の瞬間、ナニカの背から飛び出したいくつもの巨大な蟹の鋏のようなモノで壁に縫い付けられていた。
「キシシ、ばーか、ばーか!キシャシャ!」
さっきまで真面目に憎しげに戦っていたのに楽しそうに馬鹿にする。
それが子供だからか、気狂い少女だからかは分からない。取りあえずボキャブラリーが乏しい事は分かるが。
切り裂かれた腹に牙が生み出され、口のようになって思い切り噛みながら起き上る。
『!?』
足をひっこめていなかったら噛み砕かれていただろう。
「残念でしたーあたしの体はそこももどこかで、どこかもそこなんだ!」
訳の分からない事を言いながら手を振るとその手が蝶に変わる。
その手に気を取られた次の瞬間、ナニカの背から飛び出したいくつもの巨大な蟹の鋏のようなモノで壁に縫い付けられていた。
「キシシ、ばーか、ばーか!キシャシャ!」
さっきまで真面目に憎しげに戦っていたのに楽しそうに馬鹿にする。
それが子供だからか、気狂い少女だからかは分からない。取りあえずボキャブラリーが乏しい事は分かるが。
513: 2013/08/25(日) 12:11:09.32 ID:rQ55dJmD0
そしていつの間にかナニカの服装が、ノースリーブのワンピースから時期外れなモコモコな物に変わっていた。
仮装用の羊の角と合わさって、羊のキグルミのように見える。
もちろんただの衣装チェンジではない。
アバクーゾの毛を服のように体表に纏うことで、本音薬に耐性を作り、その本音薬で自白させようとしているのだ。
「聞きたい事言ってくれるまで…逃がさない…」
口が裂けるほどの微笑みを浮かべながら、手に作った口から薬を放った。
仮装用の羊の角と合わさって、羊のキグルミのように見える。
もちろんただの衣装チェンジではない。
アバクーゾの毛を服のように体表に纏うことで、本音薬に耐性を作り、その本音薬で自白させようとしているのだ。
「聞きたい事言ってくれるまで…逃がさない…」
口が裂けるほどの微笑みを浮かべながら、手に作った口から薬を放った。
514: 2013/08/25(日) 12:11:48.29 ID:rQ55dJmD0
精神操作すら破る強烈な本音薬は彼の情報を確かに吐かせた。
浮気の回数に始まり、好きな体位だとか色欲まみれではあったが、ナニカは彼が変態のクズと言うこと以外理解できてなかった。
幼いからか、究極生命体故に『 必要なし』だからか…
それはともかく、ぶっかけた液体まみれでぐしゃぐしゃになっても欲しい情報を吐かないので、さすがにイライラしてきた。
『俺をこんな目に合わせたのはあの女だ!!』
眉間にしわが寄っていたが、やっと出てきた情報にピクリと反応する。
『あの悪魔が、俺に核を埋め込んだ!』
「悪魔?」
『…』
「…もっと吐けー」
それ以降、何度本音薬をぶっかけても反応がない。つまり、洗いざらい話したという事なのだろう。
「終わったんだ、じゃあおやすみなさーい」
モコモコで覆われた触手で真上に持ってくると、顔がクリオネのように裂け、そこから6本の触手が伸び、捕食しようとする。
落下していたカースドヴァンパイアだったが、急に再び動き出し、泥で壁にしがみつき、蝙蝠の翼を出して飛んで逃げてしまった。
『グオオオオオオオ!!』
「あ…」
逃げたと気付いてももう遅い。顔を元に戻し、飛んで行ってしまった方向をしばらくポカーンと見つめていた。
浮気の回数に始まり、好きな体位だとか色欲まみれではあったが、ナニカは彼が変態のクズと言うこと以外理解できてなかった。
幼いからか、究極生命体故に『 必要なし』だからか…
それはともかく、ぶっかけた液体まみれでぐしゃぐしゃになっても欲しい情報を吐かないので、さすがにイライラしてきた。
『俺をこんな目に合わせたのはあの女だ!!』
眉間にしわが寄っていたが、やっと出てきた情報にピクリと反応する。
『あの悪魔が、俺に核を埋め込んだ!』
「悪魔?」
『…』
「…もっと吐けー」
それ以降、何度本音薬をぶっかけても反応がない。つまり、洗いざらい話したという事なのだろう。
「終わったんだ、じゃあおやすみなさーい」
モコモコで覆われた触手で真上に持ってくると、顔がクリオネのように裂け、そこから6本の触手が伸び、捕食しようとする。
落下していたカースドヴァンパイアだったが、急に再び動き出し、泥で壁にしがみつき、蝙蝠の翼を出して飛んで逃げてしまった。
『グオオオオオオオ!!』
「あ…」
逃げたと気付いてももう遅い。顔を元に戻し、飛んで行ってしまった方向をしばらくポカーンと見つめていた。
515: 2013/08/25(日) 12:12:37.89 ID:rQ55dJmD0
ハッと我に返って先ほどの情報を思い出す。
「…悪魔かぁ…それでもやってる事、ひどいよねぇ。あの人だって…乱暴者で、変態じゃなければお兄ちゃんにしても良かったのに。」
取りあえず、加蓮を探さなければ…その悪魔に誘拐されてたら大変だ。
核を埋め込むなんて…そう思うだけで怒りが湧き上がってくる。
体が黒く染まり、さらに真っ赤な瞳に合わせるように真っ赤に染まる。
それはまるで炎にも見えた。
本人もそれに気づくと慌てて元の色に戻る。ついでに服装も戻す。さすがにもふもふは暑い。
「…悪魔かぁ…それでもやってる事、ひどいよねぇ。あの人だって…乱暴者で、変態じゃなければお兄ちゃんにしても良かったのに。」
取りあえず、加蓮を探さなければ…その悪魔に誘拐されてたら大変だ。
核を埋め込むなんて…そう思うだけで怒りが湧き上がってくる。
体が黒く染まり、さらに真っ赤な瞳に合わせるように真っ赤に染まる。
それはまるで炎にも見えた。
本人もそれに気づくと慌てて元の色に戻る。ついでに服装も戻す。さすがにもふもふは暑い。
516: 2013/08/25(日) 12:13:26.02 ID:rQ55dJmD0
「?」
体の違和感に気付く。しこりのような何かがあるような…
手を開いて意識をそのしこりに集中する。
遺伝子や生体データとは違う…それを取り出すように。
両手に泥から浮き上がるように現れたのは、二つの歪んだ球体。
一つ目は真っ白。向こう側が見えない程に濁った白い核。
二つ目は真っ黒。目を閉じてしまったように暗い黒い核。
それを認識したとたんに、体中に熱いような、冷たいような奇妙な感覚が襲ってきた。
それはナニカに力を与える。無意識だった力を手に取ったように。
「…白ちゃん、黒ちゃん」
二つの核をそれぞれ泥で包む。するとその核の影響か、一つは白く染まり、もう一つは更なる闇の色に染まる。
赤い瞳の白兎と黒兎のぬいぐるみになると、腕にしがみついた。
「…キシシ」
その核の属性は、七つの大罪の番外…八つ目の罪。
―『正義』それは思い込みの力
―『狂信』それは信じさせる力
イレギュラーな生命体が手に入れたのは、イレギュラーな祝福のような呪い。
それでもそのイレギュラーは笑う。自分が何かに認められたような気がして。
体の違和感に気付く。しこりのような何かがあるような…
手を開いて意識をそのしこりに集中する。
遺伝子や生体データとは違う…それを取り出すように。
両手に泥から浮き上がるように現れたのは、二つの歪んだ球体。
一つ目は真っ白。向こう側が見えない程に濁った白い核。
二つ目は真っ黒。目を閉じてしまったように暗い黒い核。
それを認識したとたんに、体中に熱いような、冷たいような奇妙な感覚が襲ってきた。
それはナニカに力を与える。無意識だった力を手に取ったように。
「…白ちゃん、黒ちゃん」
二つの核をそれぞれ泥で包む。するとその核の影響か、一つは白く染まり、もう一つは更なる闇の色に染まる。
赤い瞳の白兎と黒兎のぬいぐるみになると、腕にしがみついた。
「…キシシ」
その核の属性は、七つの大罪の番外…八つ目の罪。
―『正義』それは思い込みの力
―『狂信』それは信じさせる力
イレギュラーな生命体が手に入れたのは、イレギュラーな祝福のような呪い。
それでもそのイレギュラーは笑う。自分が何かに認められたような気がして。
517: 2013/08/25(日) 12:15:23.14 ID:rQ55dJmD0
その後もナニカは加蓮を探し続けた。
歩いて歩いて…やっと探し人を見つけた。
「誰かっ!助けてぇ!」
『待たれよ…』『来いよぉ…』
「!?」
見つけた愛しの姉は、小さくなっていて、しかも得体のしれないモノに追いかけられていた。
でもそれに突っ込む前に、加蓮を助けようという使命感が燃える。
「…いくよ?初めてだから少しだけ不安だけど…っ!」
加蓮を優しく抱きしめるように回収。すると影がナニカに触手を伸ばしてきた。
なんだかよく分からないけど、加蓮が怯えてるなら敵だ。まずは逃げなくては。
触手を蹴り飛ばすと同時に黒兎が目を輝かせた。
―認識操作・『認識不可』
―接触時間不足 操作時間・数秒
『ありゃ…?』
動きが止まり、目の前にいるのにも関われず探すようにきょろきょろ探し始める。
その隙に加蓮を抱いたまま走り出した。
歩いて歩いて…やっと探し人を見つけた。
「誰かっ!助けてぇ!」
『待たれよ…』『来いよぉ…』
「!?」
見つけた愛しの姉は、小さくなっていて、しかも得体のしれないモノに追いかけられていた。
でもそれに突っ込む前に、加蓮を助けようという使命感が燃える。
「…いくよ?初めてだから少しだけ不安だけど…っ!」
加蓮を優しく抱きしめるように回収。すると影がナニカに触手を伸ばしてきた。
なんだかよく分からないけど、加蓮が怯えてるなら敵だ。まずは逃げなくては。
触手を蹴り飛ばすと同時に黒兎が目を輝かせた。
―認識操作・『認識不可』
―接触時間不足 操作時間・数秒
『ありゃ…?』
動きが止まり、目の前にいるのにも関われず探すようにきょろきょろ探し始める。
その隙に加蓮を抱いたまま走り出した。
518: 2013/08/25(日) 12:15:54.97 ID:rQ55dJmD0
「あ、ありがとう…!」
訳の分からない様子の加蓮がナニカを見ると、夢の中での記憶が一気に流れ込んできた。
「…まさか…夢の中で会った…」
それを言い終える前に、黒兎が目を輝かせる。
「…お姉ちゃん、『夢の中で会った』はおかしいよ?」
肩に加蓮を乗せながら、力を使う。
―認識操作
「だってこれ夢だもん。」
―『これは夢』
「お姉ちゃんが小さくてかわいいのも、変なモノに追いかけられているのも、夢だからなんだよ?」
「あ…!そっか、そうなんだ…!」
本当に今の状況を夢と認識し、ほっとした加蓮。
それも気にせず続いて白兎が目を輝かせる。
―記憶操作
現実で思い出してしまった究極生命体に関する記憶を消し…そして次の目覚めの時に日付等に違和感を抱かないように仕掛ける。
訳の分からない様子の加蓮がナニカを見ると、夢の中での記憶が一気に流れ込んできた。
「…まさか…夢の中で会った…」
それを言い終える前に、黒兎が目を輝かせる。
「…お姉ちゃん、『夢の中で会った』はおかしいよ?」
肩に加蓮を乗せながら、力を使う。
―認識操作
「だってこれ夢だもん。」
―『これは夢』
「お姉ちゃんが小さくてかわいいのも、変なモノに追いかけられているのも、夢だからなんだよ?」
「あ…!そっか、そうなんだ…!」
本当に今の状況を夢と認識し、ほっとした加蓮。
それも気にせず続いて白兎が目を輝かせる。
―記憶操作
現実で思い出してしまった究極生命体に関する記憶を消し…そして次の目覚めの時に日付等に違和感を抱かないように仕掛ける。
519: 2013/08/25(日) 12:16:38.78 ID:rQ55dJmD0
「でも夢ならもっといい夢が良かったなぁ…」
「加蓮お姉ちゃん、きっと疲れてるんだよ。」
「そうなのかな…そうだ、君の名前いつも聞こうとして聞けなかったんだ。…教えてもらえるかな?」
記憶を少しいじって罪悪感を抱いたものの、肩に乗った加蓮に癒される。そのまま問いに答えようとして…
「あたしの名前はかみやな…」
一瞬出かけた名前を全力で飲み込む。それだけは言う訳にはいかない。
「かみやな?」
「か、かみやなにか!あたし、上簗仁加っていうの!」
全力で誤魔化す。ちょっと違和感が出るほどに。
「そっか、仁加ちゃんって言うんだ!ちゃんと名前聞けてよかった!」
しかし、加蓮は全く気にしていなかった。というか違和感に気付いてすらいない。
『…みーつけた』『追いついたぞ…』
声に振り返ると、影。もう見つかってしまったらしい。
「あ、アレってなんなの…?」
「わかんない…」
『貴様も同じ…』『こっちにおいでー』
「…お姉ちゃん、アレ怖い…!」
先程は無我夢中だったから蹴り飛ばせたが、しっかり見ればちゃんと恐怖が襲ってきた。
氏の恐怖。苦しみの果てに意識が途切れる瞬間。アレはそういったモノの塊のように思えた。
「取りあえず逃げて!」
「わかった!」
肩に乗せていた加蓮を壊さないように両手で抱きしめるように抱えると、全力疾走した。腕に捕まっている兎のぬいぐるみが揺れる。
影もそれを追いかける。鬼ごっこはまだ終わらない。
「加蓮お姉ちゃん、きっと疲れてるんだよ。」
「そうなのかな…そうだ、君の名前いつも聞こうとして聞けなかったんだ。…教えてもらえるかな?」
記憶を少しいじって罪悪感を抱いたものの、肩に乗った加蓮に癒される。そのまま問いに答えようとして…
「あたしの名前はかみやな…」
一瞬出かけた名前を全力で飲み込む。それだけは言う訳にはいかない。
「かみやな?」
「か、かみやなにか!あたし、上簗仁加っていうの!」
全力で誤魔化す。ちょっと違和感が出るほどに。
「そっか、仁加ちゃんって言うんだ!ちゃんと名前聞けてよかった!」
しかし、加蓮は全く気にしていなかった。というか違和感に気付いてすらいない。
『…みーつけた』『追いついたぞ…』
声に振り返ると、影。もう見つかってしまったらしい。
「あ、アレってなんなの…?」
「わかんない…」
『貴様も同じ…』『こっちにおいでー』
「…お姉ちゃん、アレ怖い…!」
先程は無我夢中だったから蹴り飛ばせたが、しっかり見ればちゃんと恐怖が襲ってきた。
氏の恐怖。苦しみの果てに意識が途切れる瞬間。アレはそういったモノの塊のように思えた。
「取りあえず逃げて!」
「わかった!」
肩に乗せていた加蓮を壊さないように両手で抱きしめるように抱えると、全力疾走した。腕に捕まっている兎のぬいぐるみが揺れる。
影もそれを追いかける。鬼ごっこはまだ終わらない。
520: 2013/08/25(日) 12:18:04.00 ID:rQ55dJmD0
認識操作・記憶操作 (※精神操作は未覚醒)
ナニカが無意識に使用していた力。
触れた相手の認識や記憶を操作したり、すり替えることができる。スイッチ式に発動させることも可能。
あくまで一部を変えるだけで、その相手の価値観・過去を一気に覆すような洗脳じみた事はできない。そんな事をしてもすぐに戻る。
触れた時間が短かったり、触れた面積が小さいと中途半端だったり、僅かな時間だけになる。
生まれた時から認識されないようになっていた記憶から生まれたナニカが、その存在としての呪いをコントロールし始めたという事でもある。
…しかし、どう足掻いても『自分は奈緒である』と認識させることは不可能。実行しようとしても激しい頭痛が襲う。理由は不明。
加蓮がナニカを奈緒に似ていると思わないのもその影響の模様。
白・黒の核
ナニカの中で生まれた七つの大罪の八つ目にあたるとされる『正義』『狂信』を意味する核。つまり番外。
兎のぬいぐるみ形態で持ち歩かれ、戦闘時や中で眠っているは体内の空間に収納されている。
ある程度の意思を持っているようで、ナニカの力の補助を行うことができる。
カースが生まれるわけではないが、泥を纏って変身する等、何らかの別の力を持っているようだ。
ナニカが無意識に使用していた力。
触れた相手の認識や記憶を操作したり、すり替えることができる。スイッチ式に発動させることも可能。
あくまで一部を変えるだけで、その相手の価値観・過去を一気に覆すような洗脳じみた事はできない。そんな事をしてもすぐに戻る。
触れた時間が短かったり、触れた面積が小さいと中途半端だったり、僅かな時間だけになる。
生まれた時から認識されないようになっていた記憶から生まれたナニカが、その存在としての呪いをコントロールし始めたという事でもある。
…しかし、どう足掻いても『自分は奈緒である』と認識させることは不可能。実行しようとしても激しい頭痛が襲う。理由は不明。
加蓮がナニカを奈緒に似ていると思わないのもその影響の模様。
白・黒の核
ナニカの中で生まれた七つの大罪の八つ目にあたるとされる『正義』『狂信』を意味する核。つまり番外。
兎のぬいぐるみ形態で持ち歩かれ、戦闘時や中で眠っているは体内の空間に収納されている。
ある程度の意思を持っているようで、ナニカの力の補助を行うことができる。
カースが生まれるわけではないが、泥を纏って変身する等、何らかの別の力を持っているようだ。
521: 2013/08/25(日) 12:19:13.18 ID:rQ55dJmD0
イベント情報
・ナニカが加蓮と合流。影から逃走中。何あれ怖い状態
・加蓮が今日の出来事を全て夢だと認識し始めました
・ナニカは加蓮の前では目に見える能力の使用はしない模様
・偽名として上梁仁加(かみやな にか)を名乗ってます
・ナニカが加蓮と合流。影から逃走中。何あれ怖い状態
・加蓮が今日の出来事を全て夢だと認識し始めました
・ナニカは加蓮の前では目に見える能力の使用はしない模様
・偽名として上梁仁加(かみやな にか)を名乗ってます
522: 2013/08/25(日) 12:21:29.50 ID:rQ55dJmD0
以上です
白と黒の核が出せて本格的にナニカが化け物に…元から怪物だったよ
ソロだと人目を気にせずバッカルコーンで捕食するような子だよ!
白と黒の核が出せて本格的にナニカが化け物に…元から怪物だったよ
ソロだと人目を気にせずバッカルコーンで捕食するような子だよ!
523: 2013/08/25(日) 12:22:12.19 ID:rQ55dJmD0
あ、表記ブレが…上簗です
524: 2013/08/25(日) 13:05:41.45 ID:88SbN/TgO
乙ー
ナニカつよい(確信
正義と狂信か……また恐ろしい核が産まれたか。果たしてどうなることやら
そして、影コワイ。氏の概念とかの世界の抑止力っぽいな?
ナニカつよい(確信
正義と狂信か……また恐ろしい核が産まれたか。果たしてどうなることやら
そして、影コワイ。氏の概念とかの世界の抑止力っぽいな?
【次回に続く・・・】
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります