546: ◆EBFgUqOyPQ 2013/08/26(月) 18:17:37.06 ID:gnTJ7exGo



モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ




イルミナティの唯ちゃん投下します

547: 2013/08/26(月) 18:18:11.53 ID:gnTJ7exGo
 ある薄暗い部屋の中、小さな明りのほかには様々なモニターが光源となっている。
 その中で一人の男がモニターに向かい、手元のキーボードを忙しそうに打鍵する。

「やあやあ、おつかれー!」

 それは男の背後に音もなく現れた。
 椅子に座る男の背中にさほど重くない何かが寄りかかる。

「今日は随分と急ですね。バアル・ゼブル」

 男は手を止めて、視線を後ろへ持っていく。

「その呼び方は、必要以外の時にはできれば言わないでほしいなー。アタシの名前はゆいちゃんでーす♪」

 口に口リポップを抱えたまま少女、大槻唯は腕を男に絡めた。

唯「で、首尾はどうかな?イルミナPちゃん♪」

 イルミナPと呼ばれた男は視線をモニターに戻して手を動かしながら喋る。

イルミナP「例の機械、えーとなんでしたっけ?」


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それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。


~中略~


「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。

・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。





548: 2013/08/26(月) 18:18:45.49 ID:gnTJ7exGo

唯「ああ、『境界ぶっ壊しくん初号機』のことだね」

イルミナP「魔術を組み込んだ制御機械、でしたね。術式は私が組んだので完璧ですが、やはり動力源の問題が一番ですね。あとは出力も安定しているとはいいがたい。まぁぶっちゃけ問題だらけですね」

唯「あちゃー、まじっすか。先は遠そうだじぇ」

 唯はそう言って、口を少し膨らませた。
 イルミナPはまとわりついている唯のことを気にせず手を動かし続ける。

唯「イルミナPー、飴いる?」

 唯はポケットから口リポップを一つ取り出してイルミナPの視線の前をちらつかせた。

イルミナP「じゃあ一つもらいます」

 そう言って目の前にちらつく飴を指でつまんで受け取り、包み紙を開く。
 その飴は紫と藍色がねじれるような模様をしていた。

イルミナP「これは……さすが私は食べられませんよ。普通のはないんですか?」

 そう言ってイルミナPは飴を包み紙で包みなおして、唯に返した。

唯「あら、これは確かに間違えた。しっけいしっけい♪」

 唯はその飴を受け取って、代わりの口リポップを懐から出した。
 それは先ほどのような無地の包み紙ではなく、有名メーカーのロゴがプリントされている。

549: 2013/08/26(月) 18:19:21.14 ID:gnTJ7exGo

イルミナP「まったく……あ、この味はあまり好きじゃないんですけど……」

唯「あん?なんだー、ゆいの飴を受け取らないっていうのかー?」

 唯は不満そうな顔をしながらイルミナPの頬をぷにぷにと突っつく。
 イルミナPはもらった飴を開いて口にくわえた後に、頬を突く唯の手を振り払った。

イルミナP「要りますよ。唯のくれるものならありがたく。さぁ、邪魔になりますからどっかいってください」

 イルミナPはまとわりついていた唯を振り落すように座っている回転椅子を左右に半回転を繰り返す。
 それに振り落されないように唯はさらにしっかりと抱き着いてくる。

イルミナP「ちょ、子供みたいなことしないでください!」

唯「だったらその無駄な抵抗もやめるんだじぇ!」

イルミナP「ええい、この……って首はまずい首はまずい!」

 唯は振り落されまいと首にしがみついてきた。
 そのままイルミナPの首は締まり、頭に酸素がいかなくなったためか椅子の回転は止まる。

唯「イエーイ!ゆいの勝ちー!あ」

550: 2013/08/26(月) 18:19:50.02 ID:gnTJ7exGo
 唯は勝利宣言をしたが、二人分の体重が不安定にかかった椅子はそのまま重力に引かれるように倒れる。
 そして二人は椅子から転がり落ちて、イルミナPはデスクの角に頭を打ち付けた。

イルミナP「ぐげえ!」

 イルミナPはその瞬間カエルの潰れるような声を出し、頭を押さえて悶絶する。
 それでも口から飴を落とさなかったのはある意味意地でもあった。

 唯は尻もちをついたためにお尻をさすりながら立ち上がる。

唯「あいててて……イルミナPが無理するから倒れるんだよ!」

 なぜか怒りをイルミナPにぶつけるが、悶絶している彼は話を聞いていないようである。

唯「まったくもー……あれ?これって」

 唯は先ほどまでイルミナPが座っていたデスクの上のモニターを見る。
 そのままデスクに近づいて近くにあったマウスを手に取って、画面をスクロールしていった。

唯「これ……憤怒の街の情報だね。確認されてるヒーローの活動状況みたいだけど」

 イルミナPはようやく痛みが引いてきたのか、頭をさすりながら立ち上がって唯の隣に立つ。

551: 2013/08/26(月) 18:20:32.58 ID:gnTJ7exGo
イルミナP「いつつ……ええ、憤怒の街のほぼリアルタイムでの状況です。中の様子も気になりましたしね」

唯「あれ?電子機器は使えなかったんじゃありませんかー?イルミナPせんせー」

 唯は小さく挙手してそんな疑問を口にする。

イルミナP「ちょっとした魔法ですよ。まぁこんなことできるのは世界に一人二人いるかいないかくらいですけど」

唯「さっすがイルミナPー!ゆいたちにできないことを平然とやってのけるー!」

イルミナP「ええ、そうです。シビれてください、あこがれてください。まぁというわけでその整理をやっていたところなんですよ」

 イルミナPは得意そうな顔をしてキーボードを操作する。
 そこに空欄もあるが顔写真、というには少しぶれたものや存在し明らかな盗撮写真だと思われるものもあるさまざまな写真が映し出された。
 その一覧は整理されており、写真の下には備考もついており、リンク付きのものもある。

イルミナP「今憤怒の街で活動しているヒーローや、ヒーロー活動している者についての情報です。まぁ謎が多い人のもありますけど」

 唯はモニターを食い入るように見ている。

イルミナP「邪魔になりそうなのはチェックしておくべきでしょう?さらに顔写真付き、調べられることはいろんなところから自動的に情報を集めるように魔法を組みましたからね」

552: 2013/08/26(月) 18:21:00.43 ID:gnTJ7exGo

唯「……ちょっとここまでやるのは、引くわー」

 唯は感心しているかと思いきや、すこし引いた顔をしてイルミナPの方を向いた。

イルミナP「そんな!?」

唯「……ふっふっふ。冗談だよーん。真に受けた?」

 イルミナPがショックを受ける中、唯は表情を一変させていたずらな笑みを浮かべた。

イルミナP「うっ……はぁ、驚かせないでくれ……」

 安心したようにイルミナPは息を吐いた。

イルミナP「あなたの考えが、わからないですよ……」

唯「ポーカーフェイス唯ちゃんの実力はこんなものじゃないじぇ!というよりイルミナPがからかいやすいだけなんだけどねぇ♪」

 そう言って唯はモニターに背を向けて部屋の入り口の方へと進む。

553: 2013/08/26(月) 18:21:40.41 ID:gnTJ7exGo
唯「イルミナPも頑張ってることだし、ゆいもすこしがんばってくる!」

 そう言って唯の前に身の丈はある青い魔方陣が出現した。
 その中心はより濃い青色で渦を巻いている。

イルミナP「いったい今度は、どこへ?」

唯「ちょっと宇宙の最果てまで♪」

 唯はそう言うと、魔方陣の中に跳び込む。
 そして唯を飲み込んだ魔方陣はそのまま消える。
 部屋の中はさまざまなパソコンの作動音のみが聞こえる。

イルミナP「ほんと……あんたの考えが、わからないよ。長い付き合いだけど、いまだに……」

 イルミナPは倒れた椅子を起こして座って、モニターへ向かいなおした。





554: 2013/08/26(月) 18:22:07.95 ID:gnTJ7exGo






 地球とは遠く離れたこの地は宇宙連合の本部である。

 現在、その頂点である『評議会』、長官である少女は不在である。

唯「だからこそ、なんだけどね」

 唯はその宇宙連合本部の一画に青色の魔方陣が出現してその中から出てくる。

唯「認識遮断魔術も使ってあるから、警備の薄いところなら楽だしねー」

 そう言って唯は誰にはばかることなく、地球から離れた地であるここを我が物顔で歩き始めた。



555: 2013/08/26(月) 18:23:39.72 ID:gnTJ7exGo


 評議会では長官がいない中、会議が行われていた。

「やはり長官を一人で行かせて正解だったのか?」

「別にかまわんだろう。あの小娘が行ったところでなにかできるとも期待はしていないがな」

「きさま!その言いぐさは何だ。これは記録に残る会議だ。不適切な発言は控えろ!」

 一人が立ち上がって、先ほどの発言をした者を非難するが、その者は気にした様子はない。

「ふん、どうせその当人はいないんだ。記録に残るとはいっても誰が見ているわけでもない。改ざんはいくらでもできる」

「たしかにそうだ。正直あの娘があの男の子どもというだけだろう。それだけだというのに出しゃばられては目障りなのだよ」

 先ほどの者に同調し始める者まで出てくる。

「そうだ。あの娘の手腕はある程度認めるが、やり方がぬるすぎるのだよ。あのお父上とよく似てな」

「なら、この隙にいっそ事故に見せかけて、というのはどうだ」

「おい!それはさすがに……」

556: 2013/08/26(月) 18:24:16.53 ID:gnTJ7exGo

 止めようとするものもいたが、それでも一部の反長官派の発言が過激になっていく。

「気にすることはない。不慮の事故なんだからな」

 初めに不適切な発言をした者が、笑みを浮かべてそう言った。

唯「なっるほどね。鬼の居ぬ間に洗濯とはまさにこのことだねー!」

 会議中の中に突如響いた少女の声。
 一斉にその方向へ向くと、本来は不在であるはずの長官の席に一人の少女、大槻唯は座っていた。

唯「あれ?どうぞ続けてー。みなさんはよからぬことをどんどん企んでくださーい。飴なめて待ってるんで♪」

 唯はそう言って脚を組んで笑みを浮かべる。

「だ、誰だお前は!?警備は何をしていた!?」

唯「別にここにゆいは直接来ただけだよ。ん?それともゆいのお願いをいまから聞いてくれるの?」

「ふ、ふざけるなよ!」

 そう言って唯の一番近くにいた者が懐から銃らしきものを出して唯に構えた。

557: 2013/08/26(月) 18:24:54.66 ID:gnTJ7exGo

唯「できればおとなしく話を聞いていてほしかったんだけどなー」

 唯は慌てることなく、口にくわえていた口リポップを出して、その男の方へと放り投げた。
 その黄色の口リポップは空中で泥を纏い始め男の目の前に到達するころには巨大な獅子となっていた。

「あ、ひぃ……」

 その獅子に睨まれた男は手の震えで銃を落とす。
 そして銃が床に落ちる頃には、獅子は男に頭からかぶりついて首から上を咀嚼した。

 それによって周囲の評議会のメンバーに動揺が走る。
 実力のある者もメンバーにはいるが、この少女の正体を測りきれず動くことができない。
 その間も、獅子は男の氏体を食い漁ることに夢中であり、少女は少女で懐から新しい飴を出してなめている。

 「要件は……なんだ?」

 一人の男が恐る恐る口を開く。
 唯はその言葉を聞いて楽しそうに喋りだした。

唯「できればこの宇宙連合の軍隊の一部を貸してほしいんだけど、ダメ?」

「い、いいわけないだろそんなこと!」

558: 2013/08/26(月) 18:25:23.71 ID:gnTJ7exGo

 実際この宇宙連合の軍隊は様々な星の連合軍隊でもある。
 一部の者の一存で判断できるわけもない上、その戦力は一部だけでも星ひとつ落とすのに容易い戦力だからだ。

唯「そっか……それは残念」

 唯は少し落ち込んだような表情をしながら指を鳴らす動作をする。
 しかしうまくいかなかったのかあまり響く音はならなかった。

唯「あれ?うーんと……こうかな?」

 唯は何回か繰り返すが思ったような音は出ない。

唯「まーいっか♪」

 そして唯は諦めてそんな言葉を口にした途端に、爆発音。

「うわ、なんだ!」
「いったい……これは?」

 評議会のメンバー内に動揺が走る中、警報が鳴り響いて空中にモニターが映し出された。
 そこにはそこら中に立ち上る煙、さらには逃げ惑う民間人が映し出されている。

559: 2013/08/26(月) 18:25:52.25 ID:gnTJ7exGo
 その場所は、宇宙連合本部の中にある居住区であった。
 必氏に避難する人々であったが、いたるところで新たな爆発が起きてそれに巻き込まれていく。

「よ、よくもこんなことを……」

 唯は事前に宇宙連合本部の中を回って、様々なトラップを仕掛けていた。
 交渉は当然うまくいくはずがないので、はじめから民間人を巻き添えにするように配置を考えてだ。

唯「で、ゆいのお願いを聞いてくれるの?おじさんたち?ダメならここも爆破するしかないけど……」

 彼女の目は本気であった。
 この場を爆破しても彼女は生き残る算段があるのだろう。
 彼らはただ少女に頷くしかなかった。

唯「ありがと♪やっぱり正面から向かうよりも中から落とすのがが一番楽だじぇ」

 彼らはその存在をよく知らないので表現することはできないが、知っているものからすれば少女のその笑みはまさに『悪魔』と言っても過言ではなかった。


560: 2013/08/26(月) 18:26:22.52 ID:gnTJ7exGo
大槻唯(??)

個人空間
空間を自由に形成することのできるバアルの能力。
その出口と入り口は唯の好きに作り出すことができ、場所さえ知っていれば、宇宙の果てまでつなぐことが可能。
ただし作れるのは世界がつながっている場所までで、魔界などには出口を作ることはできない。
また空間内は時間が静止しており、中に入れたものは時間が静止したまま動くことはできない。
空間内で唯一動けるのは唯だけである。
ただし唯が空間内にいる間は出口と入り口の設定を変えることはできず、外の空間の時間も止まる。
つまりは籠城し続けることはできない。
事象を保存しておくことも可能であり、強力な魔術を大量に保管してある。

イルミナP(357)
イルミナティ創設メンバーの一人で、現在までのイルミナティの運営はほぼ彼が行ってきた。
創設当時は表立って活動することもあったが、すでにその時には人間をやめておりしばらくした後には影から運営をしてきた。
幼少期にバアルと出会い、いろいろあった後にバアルの補佐を続けてきている。
人間世界においては、最高レベルの魔術師であり魔法使い。
機械と魔法の融合など並の魔法使いが聞いたら卒倒するほどのことができる。
自分の体を改造しており、中身はほぼ化物で老化も止めている。
見た目は20くらいの眼鏡青年。唯にぞっこんだが当の唯本人は気づいていない。童O。

561: 2013/08/26(月) 18:27:08.86 ID:gnTJ7exGo
以上です

決して宇宙連合は弱くないですよ
内側からは無理なだけだったんです

562: 2013/08/26(月) 18:30:26.62 ID:rxty6sBmO
乙ー

宇宙ヤバイよりバアルヤバイ(震え声

そしてイルミナPの最後の説明wwww

563: 2013/08/26(月) 18:35:02.26 ID:5JC3kWwwo
乙乙

初代暴食……こわいこわい
そしてイルミナPwwwwそうか、だから世界最高の魔法使いかwwww
がんばれ。なんかとても報われない気がするがどうにかがんばれwwww




【次回に続く・・・】



引用: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part 6