669: ◆hCBYv06tno 2013/09/05(木) 20:39:37.41 ID:/8ZvmZlGO


モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ



投下します

670: 2013/09/05(木) 20:40:13.76 ID:/8ZvmZlGO
「ただいまー」

返事を返す相手もいないが、加蓮は元気よく自分の部屋に帰ってきた。

手には包装紙にくるんであるプレゼントや紙袋を持っている。

何故、こんなにも彼女が嬉しそうにしているかというと…

「始めてだったな……病院以外で誕生日をお祝いするなんて」

部屋にあるぬいぐるみに抱きつきながらボソッと呟いた。


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それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。


~中略~


「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。

・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。





671: 2013/09/05(木) 20:40:59.22 ID:/8ZvmZlGO
そう。今日は彼女の誕生日である。

フラリと朝に出かけたら、たまたま(実は待ち伏せされていたのが加蓮は知らない)奈緒達、ネバーディスペアのメンバーに会い、プレゼントと誕生日をお祝いされて

ご飯を食べに日菜子の家に遊びにいったら、どこから聞いたのか彼女の誕生日だと知られて、誕生日パーティーが開かれていてビックリし

そして、寮に帰ったら寮のみんなから誕生日プレゼントをもらったのだ。

「まさかこんなにお祝いされるなんて……ふふっ」

貰ったプレゼントを一つ一つ眺めながら微笑む。

672: 2013/09/05(木) 20:42:16.99 ID:/8ZvmZlGO
「昔は誕生日嫌いだったのに……不思議だな…今はこんなに嬉しいなんて……」

ギュッとぬいぐるみを抱く力を強めながら、彼女は天井を見上げた。

始めて、病院以外で誕生日を迎えた。

それは彼女にとっては奇跡に近いものだ。

誕生日は昔の加蓮にとって嬉しいものではなく恐怖だった。

また来年も誕生日を迎えられるのか?時が立つにつれ病状も悪化し、まるで氏がどんどん迫ってきてるような不安に襲われる。

ナースや担当医にお祝いされてもどこか悲しそうな笑顔で言われ、嬉しくも感じない。

両親も小さい頃は祝ってくれたが、時が立つにつれお祝いにも来てくれなくなった。

だから、誕生日にはいい思い出なんてなかった。

673: 2013/09/05(木) 20:43:25.65 ID:/8ZvmZlGO
「………パパやママも私がいなくなってせいせいしてるんだろうな……」

思い出すのは自分の両親。

時が立つにつれ、お見舞いさえ来なくなった二人。

加蓮が失踪したあの日も捜索届を出さず、数週間後には氏亡届をだした二人。

加蓮としては、親を怨むことはなく、寧ろ散々迷惑をかけしてしまい、自分という鎖がなくなった事により自由になった両親が幸せに暮らしてもらうように願っている。

本音を言えば寂しいが、重病だった娘が失踪したと思ったら≪エンヴィー≫になり悪事をしていたと知られれば、世間帯と父親の≪役職の立場≫としてマズイ事になると彼女はわかっている。

だから、今の状況で彼女は充分幸せだ。病気でできなかったことがなんでもできるんだから。

674: 2013/09/05(木) 20:47:04.71 ID:/8ZvmZlGO
「来年もまた笑顔で誕生日を迎えられるといいな」

楽しそうにいうと、彼女はお風呂に入る準備をする。

明日も絵空ごとだった日々を肌で感じるように…

明るく笑えるように…

友達が増えるように…

昔のように、諦めて、暗い病室で一人いたあの頃とは違う。

未来ある明日へ


終わり

675: 2013/09/05(木) 20:48:53.50 ID:/8ZvmZlGO
以上です

加蓮誕生日SSでした。
加蓮誕生日おめでとぉぉぉぉお!!!!

676: 2013/09/05(木) 21:38:32.78 ID:o3eNYhu+0
うおおおお加蓮おめでとおおおお!
幸せそうで何よりだよ!




【次回に続く・・・】



引用: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part 6