767:◆llXLnL0MGk 2013/09/10(火) 00:18:24.74 ID:FE4wXpZP0



モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ




憤怒の街時系列で投下します

768: 2013/09/10(火) 00:19:43.66 ID:FE4wXpZP0

―――憤怒の街。

精霊の祝福を受けた樹の下に、いくつかの人影があった。

拓海「ふんっ! でやぁっ!」

有香「はぁっ! せいっ!」

その中の二人、内片方はカミカゼの鎧を纏っていた向井拓海。

もう片方さ先ほどまで憤怒の凶戦士として暴れていた中野有香。

二人の激しい戦いでカミカゼは損傷、現在は病院内で修理が行われている。

その間、拓海と有香はこうして鍛錬を繰り返しているのだ。

かれこれ数時間にも及ぶ鍛錬ながら、二人に疲労の色は見えない。

それは精霊の祝福を受けた樹の力もさることながら、もう一人の人影の力あってこそのことだった。

星花「…………」

涼宮星花。オーラを操る能力者にして、チーム『フルメタル・トレイターズ』の一員。

偶々鍛錬中の拓海と有香を見つけ話を聞いた所、放って置けなくなり、現在に至る。

では、一見ただ座っているだけに見える彼女は今何をしているのか?

その答えは、星花の指と二人の首筋を繋でいる『糸』にあった。

その淡く輝く糸は星花をオーラを練り合わせて作られており、それを通じて星花のオーラを二人へ分け与えている。

そのオーラと精霊の祝福を受けた樹の力で、二人は疲れ知らずで鍛錬を続けられているのだ。

また星花自身も、精霊の祝福を受けた樹の恩恵でオーラの回復が普段より早まっている。


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それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。


~中略~


「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。

・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。





769: 2013/09/10(火) 00:20:47.94 ID:FE4wXpZP0
拓海「星花のお陰で、ッシ! 疲れがかなり、ッデェ! 溜まりにくいな、ッラァ!」

有香「そうですね、ッハ! 普段と倍以上の、ッフン! 鍛錬量が期待でき、ッオォ!」

星花「…………」

この間、星花もただオーラを送っているわけではない。

星花は今、頭の中でオーラのイメージを描いている。

星花(オーラで回転させ、穿つ……オーラを掌に纏わせ、叩き斬る……)

星花が操る能力、オーラは、当人の精神力や体力はもとより、想像力にも大きく左右される。

頭の中で描いたイメージを具現化させるので、まあ当然と言えよう。

これから訪れるであろう激戦、それに備え、頭の中で新たなイメージを思い描く。

星花「…………」

拓海「おあああぁっ!」

有香「でやああぁっ!」

三人の激しく、静かな鍛錬はまだまだ続く。

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770: 2013/09/10(火) 00:22:25.70 ID:FE4wXpZP0
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――地下。

カイ「あーもう! さっきからキリが無いよ!」

海底都市の反逆者にしてフルメタル・トレイターズの一員。アビスナイトことカイ。

彼女は今、地下水道内部で大量のカースと交戦していた。

『ニゲンナヤテメェェー!』『スッゾオラー!』『ボクニナグラレテタダノシカバネニナッテヨォ!』

正確に言えば、倒しても倒しても湧いてくるカースから、消耗を避けるために逃げていた。

カイ「さっきからめちゃくちゃ湧いてくる……ええい、こうなりゃ一網打尽だ!」

カイは逃げる脚を止め、カースの群れに向き直った。

カイ「アームズチェンジ! ハンマーヘッドシャークアームズ!」

シュモクザメとなったガントレットにエネルギーをチャージし、正面へ向けた。

カイ「ここは一本道、逃げ場は無いよ! シャーク・インパクトォっ!!」

カイの放った極太のビームが、多数のカースを焼き払いながら地下水道を進んでいく。

『ギャアアアー!?』『アイエェェェェ!?』『コンナノッテナイヨォォォー!?』

カイ「よし、全滅……!」

バチィン! どごぉっ!!

カイ「…………へっ?」

カイは思わず素っ頓狂な声を上げた。謎の異音と共に、ビームが消えたのだ。

そして遠めに、一人の女性が見える。

『何かを素手で弾いたようなポーズ』で立つその女性の手からは、少し煙が上がっている。

そしてその女性の真横には、先ほどまで無かったはずの大穴が開いている。

カイ「え……ビーム、弾いた? いやいやまさかね? ……ね?」

771: 2013/09/10(火) 00:23:26.34 ID:FE4wXpZP0
カイが一人で錯乱していると、女性がツカツカとこちらへ歩いてきた。

??「……こういうビームを撃つ時は、周りに人がいないか確認してから撃つべきだな」

カイ「えっ、あっ、はい…………すみません」

??「今回は私が咄嗟に弾いたから良かったものを……」

カイ「やっぱり弾いたんだ!? ……というか、えーと……どちら様ですか?」

ようやく落ち着いたカイは、一つ気になったことを女性にぶつけた。

キバ「私は……そうだな、キバでいい」

カイ「キバさん……あ、あたしはカイって言います」

キバ「カイ君か、よろしく。で、カイ君は何故こんな所に?」

カイ「ああえっと、話すと少しだけかかるんですけど……」

――――

地下水道の散策を続けながら、カイとキバは会話をしていた。

キバ「なるほどね。それで仲間と手分けして街を探索しているわけか」

カイ「はい。それで、キバさんは一体どうして……」

キバ「ああ、私か。まあ、色々とな」

はぐらかされた。しかし、カイはさして気にしない。

人間なんだ。他人に言いたくない事の一つもあるだろう。

キバ「それはそうと……気付いているかな」

カイ「はい……そこっ!」

カイが突然後ろへ向けてエネルギー弾を連射した。

『グルルォ!?』『ギャア!?』

??『オノーレェ! ばっくあたっくニカンヅキオッタカァ!』

その先にいたのは、大量のカース。そして、カースと同じく黒い泥で出来た人型の何かだった。

772: 2013/09/10(火) 00:24:50.06 ID:FE4wXpZP0
カイ「あれって……?」

キバ「カースの派生種か?」

コマンドカース『コォノこまんどかーすノサクニキヅクトハァ、ナカナカノキレモノトミタワァ!』

コマンドカースと名乗ったカースは大仰なしぐさで二人を指差す。

カイ「コマンドカース……?」

キバ「これは滑稽だ。カースの分際で指揮官を名乗るか」

困惑するカイとは逆に、キバはふん、と鼻で嘲笑する。

コマンドカース『ワラッテイラレルノモイマノウチヨォ! イザ、ヒッショウサク!!』

コマンドカースが右腕を高く掲げた。すると、

??「ッシャアアアアアアアア!!」

カイ達の背後から大量のカース弾と、それに混じって二筋のビームが飛んできた。

カイ「うわわっ! ……今のまさか!」

Cイワッシャー「ヨォウラギリモノォ! ウッゼェェーカラブッコロガシテヤンゼ!!」

大量の獣型カースを引きつれ、カースに侵食されたカースドイワッシャーが姿を現した。

カイ「やっぱりイワッシャー! しかも、瞳子さんが言ってたカースに取り込まれた奴……!?」

キバ「ああ、さっき聞いた奴か……しかし、少しばかり数が多いな」

Cイワッシャー「ヨォアイボウ! サクハジュンチョウミテェダナ!」

コマンドカース『ソノトオリダアイボウヨ! アトハコヤツラヲチマツリニアゲルノミ!』

大声で会話を交わすコマンドカースとカースドイワッシャー。どうやら『ヒッショウサク』とは、伏兵の事のようだ。

カイ「完全に囲まれちゃってますね……」

キバ「負けはしないだろうが……骨が折れそうだね」

コマンドカース『サア、シヌガイ……』

ドスッ

コマンドカース『グギャア!?』

773: 2013/09/10(火) 00:26:20.96 ID:FE4wXpZP0
どこからか飛来した一本の剣が、コマンドカースの体に突き刺さった。

Cイワッシャー「ア、アイボウ!?」

??「むふふ、ここで会ったのも何かの縁ですし……」

こつ、こつ……と、地下水道に足音が響く。

カイも、キバも、カースも、イワッシャーも、誰もが音のする方を向く。

やがて暗闇から姿を現したのは、無数の剣を従えた少女だった。

日菜子「日菜子が助けてあげますよぉ……むふ」

カイ「日菜子……ちゃん? あ、あたしカイ。こっちはキバさん」

キバ「よくこの状況でそんな冷静に自己紹介が出来るな。まあいいが。日菜子君、といったね」

日菜子「はい、何でしょうか」

キバ「この状況、手伝ってもらえるのかな?」

日菜子「もちろんですよぉ。袖擦りあうも多生の縁、というじゃありませんか」

カイ「助かるよ、日菜子ちゃん。よろしくね!」

日菜子「ええ、よろしくお願いしますねぇ、むふふ」

コマンドカース『エエイ、ダマッテキイテオレバベラベラト! イツマデワレラヲマタセルキカァ!』

Cイワッシャー「チョヅイテンジャネーゾウラギリモンガァァァ!!」

三人の会話の長さに苛ついたカース達がカース弾やビームを乱射してきた。

キバ「ふん……」『~~~、~~』

キバが口元で何かを唱えると、彼女の背中に巨大な翼が出現した。

カイ「わっ!?」

日菜子「まあ……」

そして、そのまま翼でビームとカース弾を全て弾き返した。

774: 2013/09/10(火) 00:28:04.47 ID:FE4wXpZP0
コマンドカース『ナント! アヤツハマモリノカナメカ! マワリノフタリカラカタヅケヨ!』

『アラホラサッサー!!』『ギャオオオオオン!!』『アーレールーゼー、トメテミナ!!』

日菜子「ここは日菜子が」

日菜子は周囲に浮く剣の中から黄色い剣を手に取り、真一文字に軽く振るった。

剣の軌道に沿うように雷撃が走り、何体かのカースが一瞬で消滅した。

カイ「うっそ、一撃……!?」

Cイワッシャー「ソ、ソリャコッチノセリフダ、コノタコガ!」

Cイワッシャーが拳を握り締めてカイに飛び掛る。

カイ「タコはマキノ、あたしはサメだよ!」

飛び退いて避けながらどこかずれた反論をするカイ。

Cイワッシャー「ンナロー……ユケ、カースドモ!」

『ギャロロロロロォォォン!!』『グアオォォォォォ!!』『ギシャアアアア!!』

Cイワッシャーの号令で、三体の獣型カースがカイの前に立ち塞がる。

カイ「…………ふっふっふ。言っとくけどさ、あたし閉所が大得意なんだよ。それっ!」

不敵に笑ったカイが勢いよく地面に沈む。

日菜子「あら」

Cイワッシャー「アアン? ニゲヤガッタカ?」

Cイワッシャーが首をひねった、その時。

『ギャロロォッ!?』『グオオ!?』『シャギャアアアア!?』

Cイワッシャー「ド、ドウシタオマエラ! ……コレハ!?」

苦痛の悲鳴を上げた獣型カースは、皆一様に脚を切り裂かれている。

Cイワッシャー「アンニャロウ、マサカ……」

カイ「そのまさかだよ! シャークソード!」

右の壁からカイが飛び出し、Cイワッシャーの背中を切りつける。

775: 2013/09/10(火) 00:29:17.51 ID:FE4wXpZP0
Cイワッシャー「グアッ! クッソ……アレ、ドコイキヤガッタ!?」

コマンドカース『アイボウヨ! アヤツハヒダリノカベニモグ……ウゲッ!?』

Cイワッシャーに助言を送るコマンドカースの腹に、鉤爪付きの鉄拳が突き刺さる。

キバ「余所見はよくないな、指揮官殿?」

コマンドカース『ウッグゥゥ……』

Cイワッシャー「ヒダリノカベ! ヒダリノカベダナ!?」

Cイワッシャーは左側の壁をじっと見つめる。

Cイワッシャー「…………」

カイ「……左に潜ったものがさあ」

Cイワッシャー「!?」

カイ「左から出るわけないでしょぉー!」

Cイワッシャーの真上から、カイが刃を構え振ってきた。

Cイワッシャー「チ/ /ョ」

カイは勢いに乗せてCイワッシャーを縦に両断した。

カイ「一丁あがりぃ!」

日菜子「むふふ、なかなかのものですねぇ」

そう言って日菜子は青い剣を地面に突き立てる。

刺さった地点から氷が広がり、周辺の獣型カースを氷付けにした。

日菜子「それっ」

そして氷付けになった獣型カースを、まるで早朝の霜柱を踏む子供のように無邪気に踏み砕いていく。

日菜子「もう大丈夫そうですねぇ。じゃあ、日菜子は奥に用があるのでこれで失礼します」

キバ「助かったよ、お陰で多少楽になった」

カイ「またね、日菜子ちゃん」

日菜子「ええ、『また』お会いしましょうねぇ……むふふ」

日菜子はひらひらを手を振りながら、闇の中へと消えていった。

776: 2013/09/10(火) 00:30:35.47 ID:FE4wXpZP0
コマンドカース『オオ、オノレオノレェ!!』

コマンドカースは両手を槍に変え、キバへ向け突き立てる。

キバ「ふん、甘いな」

しかし、その槍はキバにがっしりと掴まれてしまった。

コマンドカース『ウオ、オオオオ!?』

キバ『~、~~、~~』

キバが再び何かを唱える。と、キバの掌から激しい稲妻が迸った。

コマンドカース『アガガガガガガガガガガ!?!?』

キバ「面倒だ、一気に決める。カイ君、雑魚は任せよう」

カイ「はい! フルスピード!!」

カイが駆け出し、残るカースを目にも留まらぬスピードで切り刻んでゆく。

キバ「……ふんっ」

キバは掴んだ槍をグイと引き込み、コマンドカースの体をよろけさせた。

そして――。

カイ「でぇりゃあ!」 キバ「はぁっ!」

カイが最後の一体を切り裂くと同時に、キバの鋭い膝蹴りがコマンドカースの核を打ち砕いた。

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777: 2013/09/10(火) 00:32:42.68 ID:FE4wXpZP0
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――――――――――――

キバ「うん、君がいてくれて助かったよ」

カイ「えへへ、そう言ってもらえると嬉しいです」

『キンキン』

カイは少し照れながら、携帯していた塩水を自らの頭上にぶちまけた。

キバ「さて、私はもう少し地下を散策するよ。探し物があるのでね」

カイ「はい、分かりました。あたしはこの辺でもう少しカースを散らしときます」

キバ「そうだね。ここにいる奴らが地上へ出ないとも限らない」

キバはそう言ってくるりと踵を返した。

キバ「それでは、ね。私が言えた立場では無いが、君も精進したまえ」

カイ「はい! キバさんもお気をつけて」

『キキーン』

キバはこつ、こつと足音を残し、その場を去った。

カイ「よし、そんじゃもう一頑張りしよっかホージロー」

『キキン』

二人が歩を進めようとした、その時。

コマンドカース『ミツケタゾォ! ワガドウホウヲウッタ……エー、あびすないと、ダナ!!』

カイ「へッ!?」

『キン!?』

声のするほうを向くと、先ほどとは別のコマンドカースと大量のカースが待ち構えていた。

コマンドカース『こまんどかーすハイマダワレラニタイシカイナカッタトイウイノニ……ユルセヌ!』

カイ「ええー……ちょっと遭遇速すぎない?」

コマンドカース『モンドウムヨウ! モノドモカカレェイ!!』

『オオオオオ!!』『マソップ!!』『ウェーーーーイ!!』『シッタコトカァァァァ!!』

カイ「あーもう! しょーがない! オリハルコン、セパレイション!!」

カイとホージローの第二ラウンドが幕を開けた。

続く

778: 2013/09/10(火) 00:35:52.66 ID:FE4wXpZP0
・コマンドカース
憤怒の街地下に少数出現した、カースの指揮官。
ある程度の知能を持ち、簡単な作戦を立てることも出来る。

・イベント追加情報
星花が拓海と有香の鍛錬に力を貸しています

カイ、キバ、日菜子が共闘しました。
日菜子とキバは探し物をしています。

カイが二体目のコマンドカースと遭遇しました。

779: 2013/09/10(火) 00:38:43.11 ID:FE4wXpZP0
以上です
亜季「べっ、別に上空だと誰とも会わないって分かってるから寂しくないですし!」

拓海、有香、キバ、日菜子をお借りしました

780: 2013/09/10(火) 00:43:19.24 ID:7G6adCQM0
乙です
それぞれがそれぞれのできる事をやってていいねぇ
コマンドカースといういよいよ知能を本格的に持ったカースも現れ始めてしまったな…

…亜季ちゃん…w

781: 2013/09/10(火) 00:51:50.74 ID:0f1zN8JyO
乙ー

コマンドカースのキャラがなんか好き。

そして、軍曹……ほ、ほらきっと空からできることだってあるよ!




【次回に続く・・・】



引用: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part 6