865: ◆EBFgUqOyPQ 2013/09/19(木) 16:12:15.34 ID:tVuPxCeEo
モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです
前回はコチラ
投下します
866: 2013/09/19(木) 16:13:05.03 ID:tVuPxCeEo
夏も過ぎ去りすっかり蝉も鳴かなくなった9月半ば。
残暑は晴れの日の昼間ならば地上をじわりと焼いている。
しかし9月も半ばに入り日中はまだ暑さは残るものの、日が傾き始めれば少し秋の寒さを感じるようになってきた。
そんな中、アナスタシアはメイド喫茶エトランゼの冷房の効いた店内の中で接客に勤しんでいた。
最近は目立った事件もなく、本業であるはずのヒーロー活動はあまりなく、ここで猫耳メイドをしていることが多くなっていた。
「……おかえりなさいませ、お嬢様」
初めの方は、その神秘的な雰囲気と猫耳メイドという組み合わせの珍しさに加えて、決まったシフトが組まれていないことによっての遭遇率の低さから、話題になっていたが最近はそれもようやく落ち着いてきていた。
それについてはここで彼女よりも先に働いていた猫耳(天然)メイドはこう語っている。
『はじめはみくのポジションが危うくなるかと思っていたけれど、やっぱりみくにゃんもいいですって言ってくれるお客さ、ご主人様もいてくれて一安心だにゃ。一時は自分のキャラ変更もかんが……っていや、そんなことはないにゃあ!みくは自分を曲げ』
今は平日の昼間なので客足もまばらである。
アーニャは入ってきた女性、見た目は白人の外国人を店内の一席へと案内する。
「……注文がお決まりしだい、およびください。お嬢様」
アーニャはメニューをその女性に渡して、厨房の方へと入っていく。
厨房には冷蔵庫の前にチーフがいた。
「今日はお客さんも少ないみたいだし、次のシフトの人が来たら帰ってもいいよ」
チーフはそう言うとメイド服から伸びる腕に巻かれた時計を確認する。
残暑は晴れの日の昼間ならば地上をじわりと焼いている。
しかし9月も半ばに入り日中はまだ暑さは残るものの、日が傾き始めれば少し秋の寒さを感じるようになってきた。
そんな中、アナスタシアはメイド喫茶エトランゼの冷房の効いた店内の中で接客に勤しんでいた。
最近は目立った事件もなく、本業であるはずのヒーロー活動はあまりなく、ここで猫耳メイドをしていることが多くなっていた。
「……おかえりなさいませ、お嬢様」
初めの方は、その神秘的な雰囲気と猫耳メイドという組み合わせの珍しさに加えて、決まったシフトが組まれていないことによっての遭遇率の低さから、話題になっていたが最近はそれもようやく落ち着いてきていた。
それについてはここで彼女よりも先に働いていた猫耳(天然)メイドはこう語っている。
『はじめはみくのポジションが危うくなるかと思っていたけれど、やっぱりみくにゃんもいいですって言ってくれるお客さ、ご主人様もいてくれて一安心だにゃ。一時は自分のキャラ変更もかんが……っていや、そんなことはないにゃあ!みくは自分を曲げ』
今は平日の昼間なので客足もまばらである。
アーニャは入ってきた女性、見た目は白人の外国人を店内の一席へと案内する。
「……注文がお決まりしだい、およびください。お嬢様」
アーニャはメニューをその女性に渡して、厨房の方へと入っていく。
厨房には冷蔵庫の前にチーフがいた。
「今日はお客さんも少ないみたいだし、次のシフトの人が来たら帰ってもいいよ」
チーフはそう言うとメイド服から伸びる腕に巻かれた時計を確認する。
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それは、なんでもないようなとある日のこと。
それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。
~中略~
「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。
867: 2013/09/19(木) 16:14:54.04 ID:tVuPxCeEo
「3時くらいになったら来るからね。夏休みも終わっちゃったし平日の昼間じゃあんまりお客さんはいらないからアーニャに来てもらう頻度も少なくなると思う」
「ダー……。わかりました」
「ヘルプできてくれる時にはちゃんとお給料出せるんだけど、こうやって自発的に手伝いに来てくれるとお給料が出しにくいんだよね。一応店長に頼んで小遣いレベルのお金ならあげられるけど、やっぱりシフトが組めればいいんだよね」
アーニャはヒーロー活動(最近は暇だが)をメインとしているのでシフトは組みにくい。
なのでヘルプ専門でのバイトになっているのだが、昼間は暇になってしまい呼ばれもしないのにたまに足を運んでしまうのだ。
「ンー……やっぱり、難しいです」
「だろうね。まぁ手伝いに来なくとも誰か連れてお客として来なよ」
「ダー……。はい……考えておきます」
「そういえばアーニャって学校は行ってないの?」
今は平日の昼間でありお客も少ないが当然メイドも少ない。
バイトの中には高校生や大学生もいたりするのでさも当然のように来ているアーニャに対してチーフが疑問に思ったのだ。
実際チーフは言うまでもなく、店長もアーニャを一目見て即決で雇うことにしたのでアーニャについて履歴書どころか素性さえよくよく考えてみれば、わかっていないのだ。
「スコーラ……学校、ですか。……それなりの教育は、受けてきましたけど……どうなんでしょうね?」
868: 2013/09/19(木) 16:15:37.33 ID:tVuPxCeEo
「いや、逆に聞かれても……。大体アーニャって年いくつだっけ?」
「エー……。確か15ですね」
「……今更だけど、それって労基的に大丈夫なの?」
「ダー、この国は寛容なので」
「別に寛容でもないよ!?下手したら店仕舞いになりかねない問題だよ!」
「……私の元上司……ニェート、いや先生みたいな人はこう言ってましたよ。『細かいことは考えなくていい』って」
「問題の棚上げじゃないのそれ……」
「すみまセーン、注文いいですかー?」
そんな中に先ほどの外国人が流ちょうな日本語で呼びかけてくる。
「はーい、ただいまー。……まぁいいや。とりあえず私が対応してくる」
そう言ってチーフは呼んだお客の下へと向かっていく。
アーニャはチーフの背中を目で追っていった。
「あたし今日誕生日なんですけど、これってできる?」
「はい、誕生日のお祝いですねー。もちろんできますよ」
「オゥ!本当ですか。じゃあよろしくおねがいします!」
そんな会話のやり取りを聞いていたアーニャはあることを思い出した。
「デイェーニ ラジュディエーニェ……誕生日。そう言えば、今日は私の誕生日でした」
そんな小さなつぶやきは誰にも聞かれなかった。
869: 2013/09/19(木) 16:16:13.46 ID:tVuPxCeEo
アーニャにとっては、今考えてみれば部隊にいたころでは数少ない自身についての情報である。
ただしそれは誰かに祝われるものではなく、ただ生きた年月を刻む指標となっていた。
だから彼女は、誕生日は祝うものだとは教えられてもいないし、誕生日に特に思い入れなどないのだ。
自宅である女子寮へと向かう途中、シンプルな電子音が響き渡る。
それはアーニャのポケットから発せられていた。
アーニャはその場で立ち止まりポケットに手を入れてその中にある物を取り出す。
それは特に凝った機能のない料金安めの携帯電話であり、それから初期設定であろう呼び出し音が響いていた。
少し前に携帯電話を連絡用にとプロダクションから渡されていたのだ。
「……もしもし、アナスタシアです」
アーニャは通話ボタンを押して電話を耳に押し当てる。
「もしもし、アーニャか?今大丈夫か?」
スピーカーから聞こえてきたのはピィの声だった。
「ダー、今帰ろうと思ったところですが、どうかしましたか?」
「すこし連絡したいことがあってな。直接伝えないといけないことだから今からプロダクションの方に来れないか?」
「ええ、わかりました。……じゃあ今から向かいますね」
「すまないな、急に呼び出して。じゃあまたあとで」
その声を最後に電話は切れる。
アーニャは電話を仕舞って帰路ではなく、今度はプロダクションへ向かって歩き出した。
870: 2013/09/19(木) 16:17:38.56 ID:tVuPxCeEo
しばらくした後にアーニャはプロダクションの入り口前にたどり着いていた。
その扉の前で少しだけアーニャは少し様子がおかしいことに気が付く。
いつもならばプロダクションの中は何かしらの音、喋り声やテレビの音などがしているのだが今は全く音がしないのだ。
そんな様子にアーニャは少し警戒しつつ、扉を開いた。
その瞬間、『パン!』と乾いた音が響く。
そしてその音と同時に跳んできた細かい紙きれや細長い紙テープはアーニャの頭の上や床に着地した。
『アーニャ誕生日おめでと―!』
皆が手には発射済みのクラッカーをもって口をそろえてアーニャにそう言う。
そんな突然のことにアーニャは呆然とする。
「どういうことですか?これは。私……誕生日について言いましたっけ?」
「あたしが知ってたんだ」
そう言ったのは周子だった。
かつてアーニャについて調べたときにそのことも知っていたのだろう。
「ちょっと前にそのことを美玲に言ったらなんだかんだで誕生日会を開こうってことになってね」
「さぁ、主役なんだからさっさと座れ!」
いつの間にかアーニャの背後に回っていた美玲がアーニャの背中を押してソファーへと強引に座らせた。
その正面にあったのは大きめのホールショートケーキ。
そこには『アナスタシア誕生日おめでとう』と書かれたチョコレートも乗っていた。
「アー……えーと……。誕生日を祝われたことなどないので、どうしたらいいのでしょう?」
871: 2013/09/19(木) 16:18:40.60 ID:tVuPxCeEo
「そうだな。じゃあとりあえずプレゼントでも渡そうか」
ピィはそう言って手に持っていた箱をアーニャに渡した。
それを開けると中には星を象られたペンダントが入っていた。
「前に星が好きだってのを聞いてな。こういうのあんまり選んだことなかったからみんなに協力してもらって選んでみたんだ」
アーニャはそのペンダントを目の前まで持ち上げてまじまじと見る。
「……ズヴェズダ、星を見るのは好きですが、星そのものにはあまり興味はないです」
「あれ?そうなのか……」
そんな反応をされたピィはすこしだけ残念そうな表情をする。
「ですが、この星は……好きですよ」
そう言ってアーニャはそのペンダントを胸の位置で握りしめた。
「スパシーバ。ありがとう、大切にします」
アーニャはそう言って笑みを浮かべた。
872: 2013/09/19(木) 16:19:36.04 ID:tVuPxCeEo
「さて、じゃあ次は私のプレゼントだな」
そんなアーニャを囲む輪から離れて謎の布が被った大きな物の前に立つのは晶葉であった。
晶葉は眼鏡を上げて、待ちわびたようにしゃべりだした。
「私も事前にアーニャの『星を見るのが好き』という情報を知ってな。今日のためにこれを作ってきたのだ!」
そう言って晶葉は背後にあった布を取り去ってその中のものを露わにした。
「池袋晶葉特製の高性能天体望遠鏡だ!」
白と黒で彩られた部品が様々に組み合わさった円筒状の物体。それは天体望遠鏡であった。
「倍率については様々な調節が可能だ。オリンポス山の火口までくっきりと見えるぞ!」
「さらにガイド機能や、天体検索も可能」
「そして極めつけは喋る!」
『アレガ、デネブ、アルタイル、ベガー』
そして望遠鏡から発せられる機械的な声。
「どうだアーニャ!これで天体観測が捗ること間違いなし!やはり私は天才だ!」
873: 2013/09/19(木) 16:20:22.90 ID:tVuPxCeEo
「ス、スパシーバ、晶葉……」
アーニャは微妙な顔をしながら一応礼を言った。
「そうだろうそうだろう。さらにこれには他にもな……」
「ま、まぁ……とにかく次だ次」
ピィのその言葉によってその後、アーニャの誕生日会は進んでいった。
楓などにお酒が入り室内も混沌としだした頃、アーニャは騒がしい室内を見渡しながらそっと呟く
「デイェーニ ラジュディエーニェ……誕生日とは、いいですね」
誕生日パーティーはまだ続く。
874: 2013/09/19(木) 16:21:11.52 ID:tVuPxCeEo
以上です。
エトランゼ、みくにゃんとプロダクションの面々をお借りしました。
ちなみに労基的にはぎりぎり大丈夫みたいです
どうやらローディングのアイドルが増えたようですね
あの日逃したアーニャは二度と僕の手には届かない
とにかくハッピーバースデー、アナスタシア
875: 2013/09/19(木) 17:47:13.80 ID:44apRJ2no
おつー
アーニャ誕生日おめでとう
こんなご時世だから、法律とかもだいぶ様変わりしてそうだよね
ヒーローの中には未成年も多いし
というか、ヒーローって仕事なんだろうか……
アーニャ誕生日おめでとう
こんなご時世だから、法律とかもだいぶ様変わりしてそうだよね
ヒーローの中には未成年も多いし
というか、ヒーローって仕事なんだろうか……
876: 2013/09/19(木) 18:39:59.41 ID:7bAg86zC0
乙です
アーニャおめでとー!
プロダクションは本当にほのぼのするなー
お客さん…キャシーかな?
アーニャおめでとー!
プロダクションは本当にほのぼのするなー
お客さん…キャシーかな?
【次回に続く・・・】
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