1: 2012/01/23(月) 23:31:38.03 ID:G/pWE5nK0
矢部「そうでやんす!一目見ただけで只者ではないとわかるでやんす!」
パワプロ「それは楽しみだね!今年こそあかつきを倒して俺たちパワ高が甲子園に……」
矢部「あっ、違うでやんす。新入生は野球部じゃないでやんす」
パワプロ「えぇ!?なんだ……期待させないでくれよー」
矢部「ゴメンでやんす。でもあれは一回見ておくべきでやんす!野球部に入らなくても一見の価値ありでやんす」
パワプロ「本当かい?じゃあ放課後一緒に見に行こうよ!その新入生っていうのは何部に入ったんだい?」
矢部「えーと確か……」
矢部「テニス部でやんす」
3: 2012/01/23(月) 23:32:31.01 ID:G/pWE5nK0
━━━━━━━━━放課後。
矢部「えーと……あっ、いたいた!あの人でやんすね!」
パワプロ「どれどれ……おお、あれは確かに高校一年生とは思えないね……でもなんかモメてるよ?」
テニス部員1「な、なんて奴だ……レギュラーの先輩たちにケンカ売って全員倒しちまうなんて……」
テニス部員2「ああ……中学時代に全国区だったのも頷けるな……でもあの態度はちょっとな……」
??「ふん……弱すぎる……やはりこの程度か……」
部長「お前!そんな口の聞き方が許されるとでも思ってるのか!」
??「失礼しました。だが事実です」
部長「お前っ……!入部を許可されると思うなよ!おい!何見てんだ!さっさと練習準備に入れ!」
4: 2012/01/23(月) 23:33:12.61 ID:G/pWE5nK0
パワプロ「どういう事?」
矢部「どうやら入部前の部活見学でテニス部にケンカ売ったようでやんすね……」
パワプロ「で、ボッコボコにしてしまったと……」
矢部「……のようでやんすね。はっ!これはチャンスでやんすパワプロ君!テニス部に入部が出来ないなら我が野球部に来てもらうでやんす!彼なら即戦力間違いないでやんす!」
パワプロ「うーん……でも初心者だろうし実際やってみてもらわないとわかんないよ。とりあえず声だけかけてみようか。あ、おーいそこの君ー」
??「……?俺のことですか?」
パワプロ「うん、君は野球経験とかある?」
??「いや、テニスしかやったことは無い」
パワプロ「そっかー、もし良かったら野球部を見に来ない?きっと退屈はさせないと思うよ!」
??「興味はないが……これ以上テニス部にいるのも退屈なので見学くらいは行きましょう」
パワプロ「ありがとう!じゃあ早速行こうか!」
6: 2012/01/23(月) 23:34:17.29 ID:G/pWE5nK0
━━━━━━━━━━グラウンド。
パワプロ「おーい!」
矢部「やんすー!」
野球部員1「何やってたんだよ矢部にキャプテン!もう見学希望の一年が来てるぞ!」
パワプロ「ゴメンゴメン、有望そうなのはいるかい?」
野球部員2「スゲーのがきてるぞ!最強中学校のエースで四番を打ってた奴が何故かうちに来た!」
最強の人「あなたがキャプテンですか……よろしくお願いします」アクシュ
パワプロ「こちらこそよろしく!じゃあホントは見学だけなんだけどちょっと実力を見せてもらおうかな!」
最強の人「お安い御用です。僕が入ったからには甲子園間違いないですからね。まずはバッティングからお見せしましょう」
最強の人「ふんっ!はっ!」カキーンカキーン
最強の人「次はピッチングを!」
最強の人「ふんっ!」スバーン
7: 2012/01/23(月) 23:34:56.50 ID:G/pWE5nK0
??「…………」
最強の人「どうでしょう?まぁ非の打ち所がないほど完璧だと思いますがね」
パワプロ「スゴいね!これは確かに期待できる!」
??「……ふん。下らん。この程度で即戦力とはここのレベルもたかが知れてるようだな……」
最強の人「!?……なっ、なんだお前は!?いきなりふざけた事言いやがって!」
??「……事実を言ったまでだ。あんなハエが止まるような球、あくびが出るわ」
最強の人「んだと!?じゃあ打ってみろよ!勝負しろ!」
??「ふんっ……まあいいだろう」
矢部「パワプロ君、部長なのに置いてけぼりでやんす……かっこ悪いでやんす」
パワプロ「完全に話しに入るタイミングを失ったよ……」
9: 2012/01/23(月) 23:36:03.44 ID:G/pWE5nK0
矢部「という訳で勝負でやんす!ルールは最強の人が十球投げて一球でも打ち返せればこっちの人の勝ちでやんす!」
パワプロ「そういえば君名前はなんていうの?」
??「弦一郎……、真田弦一郎だ」
真田「それより十球もいらん。一球だけでいい。その代わり勝ったら野球部への入部を辞めろ。負けたら何でも言うことを聞いてやる」
最強の人「ふ、ふざけやがって!後悔すんなよ!行くぞ!!」ビュッ
真田「……波動球に比べればハエが止まるわ。風林火陰山雷を使うまでもない」ガツーーーン!!
矢部「ホ、ホームランでやんす……」
パワプロ「んなバカな……」
10: 2012/01/23(月) 23:36:48.08 ID:G/pWE5nK0
その後、真田弦一郎は調子に乗ってパワプロにも勝負を挑むが、さすがに初心者には強豪校のエースピッチャーの壁は高く、惜しくも敗れてしまう。
それから真田はパワプロに興味を持ったのか、入部することを決めた。テニスはテニスクラブでやるから部活はこっちをやってもいいそうだ。それから三日後。
11: 2012/01/23(月) 23:37:27.21 ID:G/pWE5nK0
真田「主将……今日は入部希望の同級生を紹介したいのだが……」
パワプロ「うん!部員少ないし見学は大歓迎だよ!(あの勝負のあと他の新入生たちはビビって一人も入らなかったからね……)」
真田「そうか……俺と同じく初心者なんだが中々やる奴らだ。安心してくれ」
真田「オイ!こっちだ!」
13: 2012/01/23(月) 23:39:46.43 ID:G/pWE5nK0
??「まさか、真田くんが野球とはね……興味があるよ」
??「おいおい……本当にユニフォーム着てるよ……プリッ」
??「ふむ……中々良い状態のグラウンドだ……」
真田「紹介しよう。不二周助、仁王雅治、乾貞治だ」
不二「よろしくお願いします」
仁王「よろしくっす、プリッ」
乾「ほほう、中々いい筋肉をしている……よろしく」
パワプロ「主将のパワプロです。ヨロシクね(ま、また何やら濃そうな……)」
矢部「この前まで中学生だったとは思えないでやんす……」
15: 2012/01/23(月) 23:40:41.41 ID:G/pWE5nK0
その後、入部して約一ヶ月、彼ら三人の上達は驚くほど早く、周囲を驚かせた。
初心者がここまでやるようになった、と言うよりもむしろ周囲を驚かせていたのは人外とも言うべき能力にあった。
不二「第一の返し球……ツバメ返し!」カキーン
矢部「ボ、ボールが着地した後跳ねないでやんす!」ガビーン!
仁王「ここぜよ!」カキーン
矢部「な、なんか打つ瞬間仁王君が王選手に見えたでやんす……き、気のせいでやんすよね。疲れてるでやんす」ゴシゴシ
乾「このコースにこの変化球が来る可能性は……98%」カキーン
控え投手「どこ投げても打たれる……もう勘弁してくれ」ドヨーン
真田「早きこと風の如く!」カキーン
矢部「ス、スイングが全く見えないでやんす……」
16: 2012/01/23(月) 23:41:45.38 ID:G/pWE5nK0
こうして……さらに一ヶ月練習を重ねた新入部員四人は、野球の技術もパワプロ並とまでは行かないものの、野球部のレギュラー達と同じくらいの技術を見につけた。
パワプロ「みんな集まってくれ!」
一同「うーす!」ザッ
矢部「どうしたでやんす?」
パワプロ「来月の夏の予選を前に練習試合が決まった。相手は恋恋高校だ。今週の日曜日にやるからみんな頑張ろう!」
一同「おー!」
19: 2012/01/23(月) 23:44:15.71 ID:G/pWE5nK0
━━━━━━━━━━日曜日。
パワプロ「よし集合!それじゃあまずオーダーを発表するよ!えーと……」
乾「あ、先輩。それでしたら相手のデータからするとこのメンバーがベストかと」
20: 2012/01/23(月) 23:45:06.21 ID:G/pWE5nK0
パワフル高校メンバー
1(中)矢部
2(二)不二
3(三)真田
4(投)パワプロ
5(右)仁王
6(捕)乾
7(一)田中
8(左)田中
9(遊)田中
21: 2012/01/23(月) 23:45:34.63 ID:G/pWE5nK0
不二「さすがは乾だね」
真田「悪くない」
仁王「燃えてきたぜよ」
矢部「おお!さすがデータの鬼でやんす!」
パワプロ「…………」
パワプロ(夜遅くまで考えてきたのに)
22: 2012/01/23(月) 23:47:16.94 ID:G/pWE5nK0
乾「それでは試合前に注意事項などを……」
乾「まず相手のチームですが女性ながら投手である早川あおいを中心とし、総じて攻撃力よりも守備力が高いと言えるでしょう」
乾「早川あおいを攻略する事が最大のポイントとなると思います」
仁王「でも所詮女ぜよ?」
矢部「油断は禁物でやんすよ!」
真田「その通りだ。乾、詳細なデータはないのか?」
23: 2012/01/23(月) 23:47:49.31 ID:G/pWE5nK0
乾「ああ……早坂あおい、17歳。誕生日は3/3で身長は165cm、体重は不明。右投げ右打ち、アンダースローで球速は135kmでコントロールは130でスタミナは65。あと特殊能力で短気を持っている」
乾「変化球はカーブが1でシンカーが4だ。やはりメインはシンカーだろう」
矢部「スリーサイズは!?スリーサイズはいくつでやんすか!?」
乾「すみません矢部先輩。探したんですがどこにも載ってなくて……」
乾「ですが推定で上から79、57、80ってところでしょう」キラーン
矢部「おお!貧Oはステータスでやんす!希少価値でやんす!」
真田(矢部さん……中々話がわかる人間のようだな)
あおい(な、なんか寒気がするよ……)ブルッ
パワプロ(というかもう俺いらないんじゃ……)
25: 2012/01/23(月) 23:48:49.93 ID:G/pWE5nK0
審判「それでは練習試合を始めます!」
一回表、パワフル高校の攻撃。
矢部「出番でやんす!」
乾「矢部先輩……ちょっと耳を」
矢部「なんでやんす?」
乾(…………)ゴニョゴニョ
矢部「ほうほう、了解でやんす」
あおい「何をアドバイスされたのか知らないけどボクの球は打たせないよっ」ビュッ
矢部「やんす!」ブンッ
審判「ストライーク!」
矢部、初球のストレートを空振りし、結局見逃し三振に終わる。
26: 2012/01/23(月) 23:49:27.69 ID:G/pWE5nK0
乾「ふむふむ……なるほど」
不二「なにか企んでいるのかい?」
乾「まぁそんなところだ。すまんが言う通りにしてみてくれないか?」
不二「いいよ。これはチームプレイだからね」
真田「あまり気は進まんが……」
仁王「司令塔が言うなら仕方ないぜよ」
パワプロ「あの……いや、もういいです」
27: 2012/01/23(月) 23:50:02.86 ID:G/pWE5nK0
結局この回の攻撃は全員三振で三者凡退に終わる。
あおい「やった!もしかして今日ボク絶好調!?」
あおい「打線は完璧に抑えてみせるから、みんな!援護ヨロシクね!」
恋恋部員「おー!」
一回裏、恋恋高校の攻撃。
乾のほぼ完璧なリードで、三振、三振、内野ゴロで三者凡退。
続く二回、三回もパワフル高校は全員三振で三者凡退し、守備では二本のヒットを許したものの、得点はゼロに抑えていた。そして試合は0-0で四回の表を迎えていた。
あおい「これまで九者連続三振って……もしかしてボク今日ヤバイくらい球走ってる!?ノーヒットノーラン狙えるかな!?」
28: 2012/01/23(月) 23:50:39.03 ID:G/pWE5nK0
━━━━━━パワフル高校ベンチ。
乾「よし、データは揃った。攻撃開始と行きましょう」
矢部「ヒィヒィ言わせてやるでやんす!」
仁王「待ちくたびれたぜよ」
田中「ああ!」
田中「やっと楽しめそうだ!」
田中「俺たちの力を見せてやろうぜ」
乾「よし、それじゃあ大まかな球種とコースをサインで送りますから後は前に飛ばすだけです。行きましょう」
パワプロ(えっ!?……あれ?俺のセリフは?)
29: 2012/01/23(月) 23:51:36.24 ID:G/pWE5nK0
矢部「さぁこいでやんす!」
あおい「フフッ、今日のボクの球はあかつきさえ打てないよっ!」ビュッ
矢部「ここでやんす!」カキーン
矢部、ヒット。
矢部「本当にサイン通りでやんす!すごいでやんす!」
乾「フフフ……まだまだいきますよ」
あおい「打たれちゃった……。で、でもたまたまだよね!まだ完封勝利狙っていくよ!」
あおい「えいっ!」ビュッ
不二「第四の返し球、蜉蝣包み」カキーン
真田「侵略する事火の如し!」カキーン
パワプロ「俺キャプテンなのに……ブツブツ」カキーン
乾「データ通りだ」カキーン
仁王「甘いぜよ、ピヨッ!」カキーン
田中??3「「「おらっ!」」」カキーン
あおい「」
あおい「フフッ、今日のボクの球はあかつきさえ打てないよっ!」ビュッ
矢部「ここでやんす!」カキーン
矢部、ヒット。
矢部「本当にサイン通りでやんす!すごいでやんす!」
乾「フフフ……まだまだいきますよ」
あおい「打たれちゃった……。で、でもたまたまだよね!まだ完封勝利狙っていくよ!」
あおい「えいっ!」ビュッ
不二「第四の返し球、蜉蝣包み」カキーン
真田「侵略する事火の如し!」カキーン
パワプロ「俺キャプテンなのに……ブツブツ」カキーン
乾「データ通りだ」カキーン
仁王「甘いぜよ、ピヨッ!」カキーン
田中??3「「「おらっ!」」」カキーン
あおい「」
31: 2012/01/23(月) 23:52:19.85 ID:G/pWE5nK0
打者一巡し、なおも攻撃の手はゆるまない。僅かな時間でスコアボードにはパワフル高校の得点は12と刻まれていた。この間にアウトはひとつも取れていない。マウンド上の早川あおいは、すでに涙目になっていた。
あおい(グスッ……な、泣いちゃダメだ……ウッ……やっぱり女だって馬鹿にされる……グスッ……せっかく皆が署名を集めてまで野球ができるようにしてくれたのに……な、泣いてなんかいられないよね)
あおい「……」ビュッ
仁王(リリアデント・蔵兎座)
「Southern Cross!」カキーン
32: 2012/01/23(月) 23:52:51.60 ID:G/pWE5nK0
乾「あ、あれは名古屋聖徳の……リリアデント・蔵兎座か!」
真田「うちの切原とやった奴か……」
不二「やっぱり彼の『イリュージョン』は凄いね」
矢部「なんか仁王君が金髪外人になってるでやんすー!」ガビーン
パワプロ「みんな冷静でツッコまないね……」
33: 2012/01/23(月) 23:53:21.34 ID:G/pWE5nK0
打球はホップしながらピッチャーに一直線に向かっていた。
仁王(リリアデント・蔵兎座)
「Bear the cross and suffer……(十字架を背負って生きろ……)」
あおい(……えっ、嘘?早……避け……否、……氏?)
ドゴォォォン
あおい「」
恋恋部員「あ、あおいちゃん!?」
恋恋部員「だ、ダメだ!白目むいてる!」
恋恋部員「き、救急車を!」
34: 2012/01/23(月) 23:53:56.14 ID:G/pWE5nK0
矢部「な、なんかえらい事になったでやんす……」
パワプロ「試合どころじゃないね……」
仁王「ちょっとやりすぎたぜよ」
乾「さて……監督さん。試合はどうしますか?」
加藤先生「……無理ね。うちの負けだわ。この借りは一ヶ月後に返すからクビを洗って待ってなさい」
35: 2012/01/23(月) 23:54:28.03 ID:G/pWE5nK0
パワプロ「な、なんか勝っちゃったね……」
矢部「相手投手をKOとかもはや野球じゃないでやんす……」
真田「テニスではごく普通の事だ。しかしあの程度で倒れるとはたるんどるな。とてもテニスの世界では生きられないだろう」
不二「まぁまぁ、女の子なんだししかたないじゃないか」
乾「さて……それじゃあ帰ろうか」
こうして練習試合は12-0(4回KO勝ち)でパワフル高校が勝利し、夏予選に向けて勢いをつけたのだった。
39: 2012/01/23(月) 23:59:56.28 ID:G/pWE5nK0
そして一ヶ月後。
パワプロ「いよいよ夏予選だ!みんな!甲子園まで一気につっ走ろう!」
矢部「おおー!でやんす!」
一回戦・対バス停前高校
真田「風林火陰山雷を使うまでもない……」カキーン ドゴォ!!
仁王「目をつぶってても打てるぜよ!」カキーン ドゴォ!!
バス停前投手「」
10-0でパワフル高校の勝利。
40: 2012/01/24(火) 00:00:39.93 ID:RfZnEa2A0
その後の二回戦、三回戦と順調に勝ち進み、準決勝で恋恋高校と戦うことになったが……。
不二「その打球……消えるよ?」
あおい「えっ!?打球が……消え……」
ドゴォォォン
あおい「」
仁王(デビル赤也)「ヒャッハーー!ぶっ潰してやんよ!」カキーン
ドゴォォォン
あおい「」
ピーポーピーポー
こうして恋恋高校に勝利したパワフル高校は、甲子園出場をかけてあかつき大付属高校と戦う事になった。
43: 2012/01/24(火) 00:03:20.66 ID:RfZnEa2A0
━━━━━━━━━決勝戦。
パワプロ「ついにここまで来たね!」
矢部「あと一つでやんす!」
パワプロ「みんな!去年の悔しさ忘れずに全力で戦おう!」
一同「おー!」
猪狩(きたな……我がライバル)
猪狩(今年も我があかつき大附属が甲子園はいただく!)
47: 2012/01/24(火) 00:04:34.58 ID:RfZnEa2A0
乾「さて……それではいつも通り作戦会議を始めよう」
矢部「了解でやんす!」
仁王「頼りにしているぜよ」
パワプロ(この空気もう慣れました)
乾「まず今日の相手、あかつき大附属だが……一言で言うと現時点では弱点が見つからん」
乾「キャプテンでありエースピッチャーである猪狩守を中心とした隙のない守備、攻撃面も猪狩守、猪狩進を中心にかなりのチーム打率を出している。おそらく甲子園ベスト4位の実力は持っているだろう……」
49: 2012/01/24(火) 00:05:32.43 ID:3tYSgvkW0
乾「だが同じ人間だ。完璧などということはありえない……チームに隙がなければ作るまで。大黒柱である猪狩守がいなくなれば必ず勝機は見えるはずだ」
矢部「つまり今日の作戦は……」
乾「猪狩守を再起不能にする。これが作戦です、先輩」
真田「うむ。乾にしてはわかりやすい作戦だ」
仁王「血が騒ぐぜよ、プリッ」
不二「勝負というものは時に非情だからね」
田中「やってやろうぜ!」
田中「俺たちのバットで」
田中「完膚なきまでに!」
パワプロ(え……おかしいと思うの俺だけ?)
51: 2012/01/24(火) 00:06:24.34 ID:3tYSgvkW0
乾「よし、とにかくターゲットの投手データを伝えておく」
乾「猪狩守、誕生日は12/24で17歳。フォームはスタンダードなオーバースロー。球速は149kmでコントロールA、スタミナB、特殊能力として安定度4、ピンチ4、リリース○を持っている」
乾「変化球の球種はカーブ4、スライダー4、フォーク3と多彩で変化量も多い。さらにはオリジナル変化球『ライジングショット』を持っている」
乾「この球は打者の手前で浮き上がるジャイロボールだ。実際に打ったことはないが打席で見るとかなりの球だと思う。注意してくれ」
乾「猪狩守以外の攻撃陣もかなりの能力だ。だから今回は打者一巡様子を見てデータを集める暇がない」
乾「だからまずは比較的使用頻度が高く狙いやすいカーブを狙う。カウントにもよるが、一打席につき一球以上投げる確率は82%。十分勝負に出れる数字だ」
乾「点を取るよりは作戦通りに彼を狙っていってくれ。まずは戦力差を埋めることを優先しよう」
パワプロ以外「おう!」
パワプロ(マジかこいつら……)
52: 2012/01/24(火) 00:07:35.41 ID:RfZnEa2A0
審判「それでは試合を始めます」
一回表、あかつきの攻撃。
乾の好リードもあって、なんとか三者凡退に抑える。
猪狩「ふっ、それでこそ我がライバルだ……」
一回裏、パワフル高校の攻撃
矢部「気合入れるでやんす!」
猪狩「君ごときに僕の球が打てるかな……?」ビュッ
ズバーン
矢部「お、思ったのと全然ノビが違うでやんす……」
その後、矢部は三振。続く不二。
53: 2012/01/24(火) 00:07:51.72 ID:3tYSgvkW0
不二「蜉蝣包み!」カーン
審判「ファール!」
不二(なんて球威だ……蜉蝣包みでも回転を無効化しきれないなんて……)
猪狩「何をするつもりなのかは知らないが……その程度の技でライジングショットを返せるとは思わない方がいい……」
その後不二は言われた通りにカーブに的を絞るものの、内野ゴロに終わる。
54: 2012/01/24(火) 00:08:31.28 ID:3tYSgvkW0
真田「出番のようだな」
真田「テニスラケットではないからバットが持つか分からんが……」
真田「ここだ!雷っ!!」カキーン
矢部「あ、あれは練習中に木製バットを何本もへし折った技でやんす!」
金属バットが凹むほどの威力を持った真田が返した打球は猪狩に一直線に向かって行った。
ギュゥゥゥゥン
パシッ
猪狩「フッ、この程度か?」
矢部「と、取られたでやんす……練習中はグローブを突き破るほどの威力だったでやんすのに……」
猪狩は捕球の際上手く打球の勢いを頃し、グローブが破られるのを防いでいた。
真田「面白い……なかなかやるようだな」
55: 2012/01/24(火) 00:09:17.56 ID:RfZnEa2A0
その後の攻撃も、カーブを狙い撃ちしピッチャー返しを試みるものの、ことごとく猪狩は捕球していた。
たまに打ち損じがヒットになることはあっても得点には結びつかず、カーブを狙い撃ちされてると気づいてからはカーブが減り、パワプロ高校はますますピンチに立たされるのであった。
しかし守備では乾の好リードに加え、パワプロの好ピッチングにより、時々ヒットは許すものの、こちらもやはり得点には結びついていなかった。
試合は大きな動きがないまま最終回にもつれ込んだ。
だがこの過酷な投手戦に両チームの投手は明らかに疲労の色を見せていた。
57: 2012/01/24(火) 00:11:16.41 ID:RfZnEa2A0
九回表、あかつきの攻撃。
パワプロ「ハァ……ハァ……くそっ、代わりがいないんだから俺が何とかしないと……」ビュッ
ストライーク!バッターアウト!
乾(……マズい。このままだといずれ打たれる……)
乾(だが相手の投手も限界が近い……この回を無得点で抑えれば勝機はある。だが無得点で抑える確率は……22%って所か……)
アナウンス「四番、ピッチャー、猪狩守」
猪狩「ハァ……ハァ……。こい!パワプロ!決着をつけてやる!」
パワプロ「望む所だ!行くぞ!」ビュッ
猪狩「くっ!」カキーン
審判「ファール!」
58: 2012/01/24(火) 00:11:40.14 ID:RfZnEa2A0
九回表、あかつきの攻撃。
パワプロ「ハァ……ハァ……くそっ、代わりがいないんだから俺が何とかしないと……」ビュッ
ストライーク!バッターアウト!
乾(……マズい。このままだといずれ打たれる……)
乾(だが相手の投手も限界が近い……この回を無得点で抑えれば勝機はある。だが無得点で抑える確率は……22%って所か……)
アナウンス「四番、ピッチャー、猪狩守」
猪狩「ハァ……ハァ……。こい!パワプロ!決着をつけてやる!」
パワプロ「望む所だ!行くぞ!」ビュッ
猪狩「くっ!」カキーン
審判「ファール!」
59: 2012/01/24(火) 00:12:46.06 ID:RfZnEa2A0
その後も
審判「ファール!」
パワプロ「ハァ……ハァ……な、なんてしつこい奴なんだ……もう10球連続ファールだ……」
猪狩「ハァ……ハァ……やるじゃないか。フォアボールなんてのはやめてくれよ……?」
乾(マズい……コントロールが乱れてきている……)
パワプロ「言われなくても俺は逃げない!くらえ!」ビュッ
パワプロ「……!しまった!」
乾(……!!これはっ……!!)
猪狩「甘い!もらった!!」カキーン
ついに失投したパワプロの甘い球を猪狩が見逃すはずもなく、打球はライトスタンドに消えていった。
審判「ファール!」
パワプロ「ハァ……ハァ……な、なんてしつこい奴なんだ……もう10球連続ファールだ……」
猪狩「ハァ……ハァ……やるじゃないか。フォアボールなんてのはやめてくれよ……?」
乾(マズい……コントロールが乱れてきている……)
パワプロ「言われなくても俺は逃げない!くらえ!」ビュッ
パワプロ「……!しまった!」
乾(……!!これはっ……!!)
猪狩「甘い!もらった!!」カキーン
ついに失投したパワプロの甘い球を猪狩が見逃すはずもなく、打球はライトスタンドに消えていった。
60: 2012/01/24(火) 00:13:55.40 ID:RfZnEa2A0
なんかIDころころ変わるな
パワプロ「……そ、そんな……」
猪狩「僕の勝ちだ!そしてこの得点でチームの勝ちは決まった!」
パワプロ「……まけ、た……?」
パワプロ「……そ、そんな……」
猪狩「僕の勝ちだ!そしてこの得点でチームの勝ちは決まった!」
パワプロ「……まけ、た……?」
61: 2012/01/24(火) 00:14:35.99 ID:RfZnEa2A0
仁王「まだぜよ!キャプテン!」
パワプロ「!?」
仁王「まだこっちの攻撃は残ってる!諦めるな!」
パワプロ「仁王君……」
不二「キャプテンはキャプテンらしく堂々と構えてて下さい」
パワプロ「不二君……」
真田「そんな軟弱な男の下についたつもりはないぞ!しっかりせんか!」
パワプロ「真田君……」
パワプロ「みんな……ありがとう」
パワプロ「そうだ!まだ攻撃は残ってる!諦めちゃダメだ!」ウオオオオオ
ビュッ
ズバーン!
審判「ストライーク!バッターアウト!チェンジ!」
63: 2012/01/24(火) 00:17:39.63 ID:RfZnEa2A0
そして迎えた九回裏、パワフル高校最後の攻撃。打順は二番からの好打順である。
━━━━━━━━━━ベンチ前。
乾「後がない。作戦は上手く行かなかったがここまで消耗させれば打つことが出来るはずだ」
矢部「だけどそれでも厳しいのは確かでやんす……そうだ!仁王君がイチロー選手になるってのはどうでやんすか!?」
仁王「ダメぜよ……俺の『イリュージョン』は能力を自分の能力を大幅に超えてる人物だと100%引き出せない……練習中に王選手になってみたけど完璧には行かなかったぜよ……」
矢部「そうでやんすか……」
真田「不二……お前のカウンターはもう使えないのか?」
不二「落ちたといってもあの球威だとカウンターは難しいね……星花火もやって見たけどダメだった。せめてテニスラケットで打てるなら……」
真田「確かにな……」
66: 2012/01/24(火) 00:19:21.97 ID:RfZnEa2A0
なんかさみしくなってきた。誰かいるなら反応してくれ……
乾「だがあれだけ疲労しているならば風林火陰山雷が通用するかもしれない。なんとか粘って甘い球を引き出してみてくれ」
真田「わかった。任せろ」
パワプロ「みんなごめん……俺のせいで……」
矢部「何言ってるでやんす!パワプロ君はよく投げたでやんすよ!誰もせめてなんていないでやんす!」
真田「その通りだ。さっきも言ったがそんなに軟弱な男の下についたつもりはない。しゃきっとせんか!」
不二「援護出来なかったのは僕達の責任だったからね」
パワプロ「みんな……よし!じゃあ最後の攻撃だ!もう少しこのメンバーで野球をするためにも頑張ろう!」
一同「おー!!」
乾「だがあれだけ疲労しているならば風林火陰山雷が通用するかもしれない。なんとか粘って甘い球を引き出してみてくれ」
真田「わかった。任せろ」
パワプロ「みんなごめん……俺のせいで……」
矢部「何言ってるでやんす!パワプロ君はよく投げたでやんすよ!誰もせめてなんていないでやんす!」
真田「その通りだ。さっきも言ったがそんなに軟弱な男の下についたつもりはない。しゃきっとせんか!」
不二「援護出来なかったのは僕達の責任だったからね」
パワプロ「みんな……よし!じゃあ最後の攻撃だ!もう少しこのメンバーで野球をするためにも頑張ろう!」
一同「おー!!」
75: 2012/01/24(火) 00:32:25.06 ID:RfZnEa2A0
不二「真田君……ちょっと」
真田「なんだ?」
不二「恐らくキャプテンは限界だ。何とかツーアウトでキャプテン回さないようにしないと」
真田「当たり前だ」
不二「出来ればキャプテンの時にランナーをためてゲッツーは避けたいから何とか僕を返してくれないか?僕は出来るだけ球数を稼いで出塁してみせるよ」
真田「よし、任せておけ」
アナウンス「二番、セカンド、不二」
猪狩「あと三人……なんとかいけるか」
不二(絶対に終わらせないっ……!)
77: 2012/01/24(火) 00:33:57.86 ID:RfZnEa2A0
猪狩「ハッ!」ビュッ
不二「くっ!」カキーン
審判「ファール!」
不二(これで8球……その体で失投しないとはさすがだね……)
猪狩「くっ……しつこい奴め……」
猪狩「これで今度こそとどめだ!」
ギュゥゥゥゥン
不二「!!……この球はっ」ブンッ
審判「ストライーク!バッターアウト!」
79: 2012/01/24(火) 00:41:20.02 ID:RfZnEa2A0
不二「し、信じられない……あれが肩で息をしてる人の球威か……?」
猪狩(あ、あと二人……!)
不二「すまない……後はよろしく頼むよ……」
真田「ああ、お前の敵はとってやる……」
アナウンス「三番、サード、真田」
真田「こいっ!」
猪狩「ハァ……ハァ……甲子園に行くのは僕達あかつきだ!」
ギュゥゥゥゥン
ズバーン
真田「!?」
真田(これ程とはな……ツーアウトで主将に回すのだけは避けなければ……)
81: 2012/01/24(火) 00:43:00.90 ID:RfZnEa2A0
“もう後がない”
この意識が真田を追い詰めた。だがこの時、極限まで高まった真田の集中力がある異変を起こした。
ゴオオオオオオオ
矢部「な、なんでやんす!?真田君から黒いオーラが出てるでやんす!」
仁王「あ、あんなの今まで見たことないぜよ!!」
不二「なんて……禍々しいオーラなんだ……」
乾(今まで見たことのないタイプのオーラだ……前例がないだけにどうなるか予測がつかない……)
パワプロ「真田君……」
83: 2012/01/24(火) 00:49:55.75 ID:RfZnEa2A0
猪狩(な、なんだあれは!?寒気が止まらない……)
真田「…………」
猪狩(くっ……だが何を恐れる事がある!僕はあかつきのエース、猪狩守だ!)
猪狩「行くぞ!」ウオオオオオ
ギュゥゥゥゥン
84: 2012/01/24(火) 00:50:34.78 ID:RfZnEa2A0
真田「動くこと…………」
真田「雷霆の如し!!」バキーン!
猪狩「くっ……目にゴミが……」
ゴシュッ
次の瞬間、オーラに心を乱され、目にゴミが入ってしまった猪狩に向かって、ガットを突き破るほどの力を持った打球が直撃した。
ゴシュッ
といういやな鈍い音と共に、猪狩はマウンド上に倒れてからピクリとも動かない。
89: 2012/01/24(火) 00:56:50.34 ID:RfZnEa2A0
あかつき監督「い、猪狩っ!しっかりしろ!くそっ!すぐにタンカを回してくれ!」
部員たち「先輩!しっかりして下さい!」
90: 2012/01/24(火) 00:57:22.21 ID:RfZnEa2A0
真田「や、やった……のか」
そう一塁上で呟いた真田は、集中力を使い果たして黒いオーラは出てなく、いつもの状態に戻っていた。
不二「真田……君ってやつは」
仁王「やってくれたぜよ!」
乾「ああ!これで可能性は出てきたぞ!」
矢部「いけるでやんす!パワプロ君!ここが正念場でやんす!」
パワプロ「(猪狩……すまない)ああ!真田君の思いを無駄にはしない!」
91: 2012/01/24(火) 01:01:44.46 ID:RfZnEa2A0
矢部「でも代わりのピッチャーは誰でやんすかね?」
乾「恐らく……二中の快速急行と呼ばれていた手塚隆文でしょう。今の先輩でも打てない球じゃないはずです」
あかつき監督「マズイな……この場面は想定外だ……」
あかつき監督「手塚じゃあ抑えられん……仕方ない、本当は完治したばかりで無理はさせたくないし甲子園まで取っておくつもりだったんだが……」
あかつき監督「おい、やってもらえるか?」
??「分かりました。行きましょう」
あかつき監督「すまんな。審判!ピッチャー、猪狩守に代わって……」
93: 2012/01/24(火) 01:08:25.24 ID:RfZnEa2A0
あかつき監督「幸村精市!」
仁王「!?」
乾「!?」
真田「!?」
不二「!?」
矢部「??」
矢部「手塚じゃないみたいでやんすね。……みんなどうしたでやんす?顔が青いでやんすよ?」
96: 2012/01/24(火) 01:11:42.35 ID:4lpEs61c0
不二「まさか……」
仁王「奴がなんでここに……」
乾「これは……」
矢部「?……知り合いでやんすか?」
乾「ハイ……幸村精市、元立海大付属中学校のキャプテンです。日本中学テニス会で最強の男と呼ばれ、別名『神の子』と呼ばれていました……」
矢部「そ、そんな奴が何故野球を!?」
乾「分かりません……ただ」
不二「パワプロキャプテン……」
仁王「マズイぜよ……」
97: 2012/01/24(火) 01:12:19.19 ID:4lpEs61c0
真田「幸村!何故ここに!?」
幸村「いや……真田達が野球をやってると聞いたら少し興味が出てきてね……やるからには勝たせてもらうよ」
真田(くっ……敵だとこんなに怖ろしいものか……)
パワプロ「誰だか知らないけど……ここで俺たちは負けるわけには行かないんだ!!」
幸村「いいよ……僕も先輩から受け継いだこのチームを優勝に導かなくてはならないからね……勝負だ」
99: 2012/01/24(火) 01:19:35.27 ID:4lpEs61c0
パワプロ「な、なんてオーラだ……」
幸村「さあ、行くよ!」
ビュッ
ズバーン
審判「ボール!」
ビュッ
ズバーン
審判「ボール、ツー!」
矢部「なんだ……肩書きの割には猪狩の方が球威があるでやんすね。心配しなくてもよさそうでやんす」
不二(本当にそうなのだろうか……
いや、あの時越前は……)
100: 2012/01/24(火) 01:25:27.99 ID:4lpEs61c0
幸村「……」
ビュッ
パワプロ「……くっ」ブンッ
ズバーン
審判「ストライーク!」
矢部「??……いくら疲れてるといってもあの球くらいは打てるはずでやんすが……」
乾「ま、まさか……あの時と同じ……」
不二「始まったようだね……」
真田「まさか……パワプロ主将!」
幸村「フフ……」
101: 2012/01/24(火) 01:26:10.73 ID:4lpEs61c0
パワプロ(な、なんだ……?)
パワプロ(バットを……掴んでいる『感触』がない……?)
103: 2012/01/24(火) 01:35:39.33 ID:4lpEs61c0
幸村「無駄だよ真田……君もよく分かっているだろう?今彼は五感のうち触覚を奪われている。全てがなくなるのも時間の問題だ」
真田「まさか野球でも可能だとはな……」
幸村「いや、まだ打者全員には不可能だよ。……と、喋りすぎたか。さあ、続きといこう」
104: 2012/01/24(火) 01:36:15.65 ID:4lpEs61c0
幸村「ハッ!」
ビュッ
ギュゥゥゥゥン
ズバーン
審判「ボール、ワンスリー!」
幸村「フフ、フォアボールまであと一球だ……」
幸村「次の球は見逃すかい?と言っても………」
幸村「すでに聞こえてはいないだろうけどね」
105: 2012/01/24(火) 01:40:17.49 ID:4lpEs61c0
パワプロ(な、なんだ……?急に周りが静かに……いや……)
パワプロ(何も『聞こえて』こない……??)ゾッ
幸村「さあ、行くよ!」ビュッ
ギュゥゥゥゥン
パワプロ「……っ!」カーン
審判「ファール!」
106: 2012/01/24(火) 01:41:01.11 ID:4lpEs61c0
幸村「ほう……今のを当てるとは……」
幸村「と言っても」
幸村「もう何も見えてないだろうね」
108: 2012/01/24(火) 01:45:20.59 ID:4lpEs61c0
パワプロ(なんだ……急に……暗く……)
パワプロ(何も……『見え』ない……)
パワプロ(怖い……野球って……こんなに辛いものだったっけ……?)
パワプロ(もう……イヤだよ……)
パワプロ(何も……『見え』ない……)
パワプロ(怖い……野球って……こんなに辛いものだったっけ……?)
パワプロ(もう……イヤだよ……)
109: 2012/01/24(火) 01:45:51.13 ID:4lpEs61c0
・
・・
・・・
・・・・
??「野球は好きかい?」
パワプロ「うん!大好きだよ!」
??「そうか……その気持ちをいつまでも忘れないようにね」
パワプロ「うん!」
??「その気持ちを忘れずにいられたなら……開くことが出来るかもしれないね……」
パワプロ「開くって?なにをー?」
??「ハハハ……まだちょっと早いかな」
パワプロ「えー、教えてよー」
112: 2012/01/24(火) 01:52:59.13 ID:4lpEs61c0
パワプロ(そうだ……、あの時)
パワプロ(約束したんだ……)
パワプロ(野球を好きな気持ちを忘れない……野球って……楽しいものなんだって)
パワプロ(野球を始めたあの頃の……あの気持ちを忘れないって!!)
113: 2012/01/24(火) 01:53:36.43 ID:4lpEs61c0
幸村「同じだ……あのボーヤと……」
幸村「誰もが絶望するこの状況で……キミは……」
パワプロ「だって……」
パワプロ「野球って、楽しいよ!」
パワプロ(ありがとう神童さん……あなたのおかげであの時の気持ちを思い出せました!)
114: 2012/01/24(火) 01:55:08.74 ID:4lpEs61c0
その時、パワプロの体を眩しいほどの光が包んだ。
不二「!?」
仁王「!?」
真田「!?」
乾「!?」
田中「!?」
田中「!?」
田中「!?」
矢部「!?……あれは、一体……」
116: 2012/01/24(火) 01:58:31.21 ID:4lpEs61c0
幸村「同じだ……あの時のボーヤと……」
真田「まさか……パワプロ主将も扉を開けたというのか」
乾「あれはまさしく……『天衣無縫の極み』……」
117: 2012/01/24(火) 02:02:19.96 ID:4lpEs61c0
幸村「確かめてあげるよ……本物かどうかを!」ビュッ
ギュゥゥゥゥン
パワプロ「ハッ!」バキーン
審判「ファール!」
パワプロが打った打球は、ライトスタンドのポールからわずかに切れた。
パワプロ「タイミングを失敗しちゃったか……次は入れるよ!」
118: 2012/01/24(火) 02:03:37.49 ID:4lpEs61c0
幸村「……どうやらホンモノのようだね……ならばこれはどうだい?」ブワッ
次の瞬間、幸村もオーラに包まれた。
仁王「あ、あれは……」
乾「『無我の境地』……」
真田「幸村め……試合でも使わなかったというのに……この場面でなんて奴だ」
120: 2012/01/24(火) 02:11:23.92 ID:4lpEs61c0
つーか誰か見てるのかこれ
124: 2012/01/24(火) 02:14:52.53 ID:4lpEs61c0
あんがと
もう少しだから良かったら寝ないで見てってくれ
もう少しだから良かったら寝ないで見てってくれ
125: 2012/01/24(火) 02:15:25.86 ID:4lpEs61c0
パワプロ「……猪狩。この球を打って、俺達は甲子園に行く!」
矢部「今こそ……今こそパワ高の柱になるでやんす!!パワプロ君!!」
パワプロ「うおおおおおお!」
パワプロ「『サムライドライブ』!」
カッキィィィィン
126: 2012/01/24(火) 02:16:18.81 ID:4lpEs61c0
パワプロが打った球は、センターの頭上を遥かに越え、バックボードにめり込んだ。
パワプロ「はいった……」
パワプロ「はいった……!勝った!勝ったんだ!」
パワプロ「うおおおおおお!やったあああああああ!!」
審判「2-1で、パワフル高校の勝ち!礼!」
一同「ありがとうございました!」
127: 2012/01/24(火) 02:17:24.21 ID:4lpEs61c0
Dear Prince~テニスの王子様達 へ~
作詞:許斐剛
作曲:佐々木收
Dear Prince 会いに行くよ
Dear Prince 理由はいらない
Dear Prince 頑張ってる
Dear Prince トコロが大好きさ
キミが勝ってるまで見ててあげるから
いつもより早く目覚めた朝は
トキメキ鞄にがっつり詰めて
キミに伝える勇気Getでも
その声援(エール)はまだ届かない
選手交代せまる太陽に
負けじと粘る透けた月やるじゃん
「さあ行くよ!」ラケット握り
お前を打てば今日の幕明けだ
一生で最高のチャンス(Chance of lifetime)
逃したとしても(Don’t worry ab out it)
世界が終わる訳じゃなし
Yeah 前に進もう
128: 2012/01/24(火) 02:17:56.99 ID:4lpEs61c0
Get ready 会いに行くよ
Get ready 理由はいらない
Get ready 頑張ってる
Get ready トコロが大好きさ
Ready go! 手をつなごう
Ready go! 逃げ腰なキミへの
Ready go! プレゼントだから
Ready go! 立派にやれるさ
キミに届ける勇気はまだ1つしかないけれど
きみから届くHappy Dream 星の数だから
いつもより粘り粘り粘って
Never give up
負ける時もあるけれど
キミに伝える勇気2倍Get
でもまだそれじゃ物足んない
ガンガン全開飛ばして走るボクの頬を伝う悔し涙2つ
129: 2012/01/24(火) 02:19:07.98 ID:4lpEs61c0
「勝ち負けだけが全てじゃない! 」
って誰かさんが言ってたっけな
いつかは誰も(in the course of ti me)
自分の夢に(my sweet dream)
区切りを着けなくちゃと言うけど嫌だよ
Get ready 明日の為に
Get ready リスクは承知さ
Get ready 我慢できるかな
Get ready とても辛いけれど
Ready go! テニスボール
Ready go! 握りしめた
Ready go! プレッシャーの中
Ready go! 限界(リミット)を超えよう
130: 2012/01/24(火) 02:19:42.19 ID:4lpEs61c0
キミに届ける勇気が少し溜まった時は
これからの物語を共に描き出そう
My friend
Dear Prince 会いに行くよ
Dear Prince 理由はいらない
Dear Prince 頑張ってる
Dear Prince トコロが大好きさ
Ready go! 手をつなごう
Ready go! 逃げ腰なキミへの
Ready go! プレゼントだから
Ready go! 立派にやれるさ
いままでの勇気を たくさん拾い集めて 桜咲くこの街で 大きく笑おう
Thank you!
(JASRAC申請済)
134: 2012/01/24(火) 02:24:53.20 ID:4lpEs61c0
大西「終わったか……どうだ?」
手塚「予想以上でしたが……まだチームとしてはこちらの方が上回るでしょう」
跡部「当たり前だ。俺様が入ったからには甲子園優勝間違いないぜ」
大西「フッ、頼もしい奴らだ……」
おしまい
引用: パワプロ「すごい新入生だって?」
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります