1: 2012/01/17(火) 21:42:33.30 ID:RRxDrJRI0


とある公園――

ほむら「こんな所に呼び出して、なにか用かしら杏子」

杏子「んーいや、ワルプルギスも倒したことだし聞いておきたいことがあってさ」

ほむら「……?共闘も終わったし、これ以上聞くことなんか」

杏子「アンタ、この町出てくんだろ?……今でも決意変わらないのか?」

ほむら「……え?」

杏子「あたし的には、…残ってもらってもいいんだけどさ」ポリポリ

ほむら「」

魔法少女まどか☆マギカ ~The different story~ (上) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)
3: 2012/01/17(火) 21:47:18.14 ID:RRxDrJRI0

ほむら「(し、しまったあああああああああああ)」

ほむら「(ワルプルギスを倒して早1週間、すっかりそのことを失念してたわ!)」

ほむら「(ど、どうしましょう…今さら嘘でしたって訳にもいかないし…)」

ほむら「(それに)」チラ

杏子「まあ、さやかもまどかって子も寂しがるだろうけどさ。行くって言うなら、仕方ないよな…」

ほむら「(なんだかそういう空気じゃない…)」

杏子「別れる前に、ぱーっと皆で騒ぐのもいいかもな」


4: 2012/01/17(火) 21:48:51.00 ID:RRxDrJRI0


翌日、学校

ほむら「はあ…どうしましょう」

ほむら「(結局あの場はなんとか取り繕ったけど…このままじゃ本当に出ていく事になる)」

ほむら「(折角手にいれた未来を私は…失いたくない)」

ほむら「(でもどうしたら…ああああ何で私ったらあの時あんな事言ったのかしら!馬鹿馬鹿馬鹿!)」

ほむら「(とりあえず一刻も早く、何か策を考えないと…)」

まどか「ほ、ほむらちゃん?」

5: 2012/01/17(火) 21:50:16.37 ID:RRxDrJRI0

ほむら「ってま、まどか!?何か用かしら…?」

まどか「う、うん…さっきからほむらちゃん慌てたり机叩いたりしてるから、どうかしたのかなって」

ほむら「あ、いえ…なんでもないのよ。少しふざけただけ、まどかが気にする事は何もないわ」

まどか「ウェヒヒ、そっか。何か悩み事があるなら言ってね?ほむらちゃんは、私の恩人なんだからさ!」

ほむら「まどか…」

6: 2012/01/17(火) 21:51:18.81 ID:RRxDrJRI0


ほむら「(嗚呼まどか、貴女はなんて優しいのかしら…)」

ほむら「(やっぱり私……まどかがいるこの場所から、離れたくなんかない)」

ほむら「(……決めたわ、授業が終わったら杏子に会って、やっぱりこの町に残ることを伝えよう)」

ほむら「(私と貴女の未来のために―――待ってて、まどか!)」

ほむら「まどか…。私、頑張るからね!」

まどか「え?う、うん…頑張ってね?」

ほむら「(早速学校終わったら杏子を探しましょう、行動あるのみよ)」

まどか「(ほむらちゃん…やっぱり今日はなんかおかしいよ…)」

8: 2012/01/17(火) 21:52:41.82 ID:RRxDrJRI0

授業後

ほむら「見つけたわ、杏子――!?」

杏子「お、主役が来たぜマミ。やったな」

ほむら「げ、巴マミ!?」

マミ「暁美さん……話は聞かせてもらったわ」

ほむら「(また厄介なのが……)」

9: 2012/01/17(火) 21:53:24.09 ID:RRxDrJRI0

ほむら「あ、あのね巴マミ、実は――」

マミ「暁美さん……私は怒ってるのよ」

ほむら「え?」

マミ「何で、黙って出ていこうとしたのかしら?」

ほむら「そのことで話が」

マミ「暁美さん、とりあえず私の話を聞いて頂戴?」

ほむら「……はい」

杏子「いい先輩だな、マミは」

10: 2012/01/17(火) 21:55:15.68 ID:RRxDrJRI0

――――――

ほむら「……」トボトボ

ほむら「はあ、結局伝えられなかった…」

ほむら「私結局、出ていくことになるのかしら……」

ほむら「まどかぁ…」

ほむら「(もう今日は帰って寝ましょう、疲れた…)」

12: 2012/01/17(火) 21:57:28.76 ID:RRxDrJRI0

一方そのころ

さやか「ええ!?ほむらがここからいなくなるって…それ本当なんですかマミさん!」

まどか「ほむらちゃんが…」

マミ「ええ。…でも二人とも、これは暁美さんが前から決心していたことなの」

マミ「彼女の悲壮な決意を無駄にしないためにも――しっかり送り出してあげましょう」

まどか「……っ」ダッ

さやか「まどか!……くそ、ほむらの奴、一人でそんな事抱えてたなんて…」

杏子「ああ…大馬鹿野郎だぜ、アイツは」

マミ「暁美さん…」

16: 2012/01/17(火) 21:59:42.47 ID:RRxDrJRI0




ほむら「……あまり眠れなかったわ」

ほむら「…考えても仕方ないわね、学校に行かなくちゃ」

―――――――

パンッ パンッ

女子1「暁美さん!他の学校に行っても元気でね!」

中沢「たまにはこっちにも顔出せよ!」

早乙女「今日はクラス全員で、暁美さんを送り出しましょう!暁美さん、悩みがあったらいつでも私を頼ってね!」

アケミー アケミサーン ホムホムー

ほむら「」

23: 2012/01/17(火) 22:04:35.89 ID:RRxDrJRI0

さやか「ほむら……」

ほむら「み、美樹さやか…これは一体…」

さやか「私とまどかが皆に話したんだよ、そしたら早乙女先生が皆でほむらを送り出そうって…」

ほむら「いやあの、私は」

さやか「私も色々考えたけど、アンタはもう決心…したんだもんね。だから何も言わないよ」

ほむら「いやだから」

さやか「今日は名一杯楽しんでよ!そんでそのあと、笑顔で別れよ?」

ほむら「人の話を聞いて頂戴!」

25: 2012/01/17(火) 22:06:27.32 ID:RRxDrJRI0

ほむら「(ああ、まずいわ…このまま行くと取り返しのつかないことに)」

ほむら「(何か…何か手はないかしら)」キョロキョロ

ほむら「!!」

まどか「あ、ほむら、ちゃん…」

ほむら「まど、か……」

30: 2012/01/17(火) 22:11:39.48 ID:RRxDrJRI0

まどか「……」

ほむら「(まずいまずいまずいまずい、沈黙が重い)」

ほむら「(せめて…まどかだけにでも理解してもらわねば!)」

ほむら「あ、あのねまどか。これはそのね」

まどか「……」

ほむら「えっと…、まどか?話を聞いて――」

まどか「………………嫌い」

ほむら「え?」

まどか「ほむらちゃんなんか、大嫌い!!!」

まどか「馬鹿!!」タタタ





ほむら「氏にたい」

33: 2012/01/17(火) 22:15:36.40 ID:RRxDrJRI0

そして日は経ち―――

QB「暁美ほむら、本当に行くのかい?」

ほむら「ええ。まどかに嫌われた以上、もうここに残る意味はないもの」

QB「そうか……寂しくなるね」

ほむら「思ってもないこと言わないで頂戴、あとまどかに手を出したら、真っ先に頃しに来るわよ」

QB「はいはい、それは何度も聞いたよ」

QB「そんな事はしないから、遠慮なく行ってくるがいいさ」

ほむら「…………………………………………………まどかぁ」

36: 2012/01/17(火) 22:19:26.03 ID:RRxDrJRI0

ほむら「(結局、私は誰にも話を聞いてもらえなかった)」

ほむら「(クラスメイトからは惜しまれながらも背中を押され)」

ほむら「(巴マミや佐倉杏子からは、涙ぐまれながら別れを告げられた)」

ほむら「(まどかはあれから一度も……話をしてくれなかった)」

ほむら「もうどこか遠いところへ行こう。そして――一人で暮らそう」

40: 2012/01/17(火) 22:22:38.99 ID:RRxDrJRI0

まどか「ほむらちゃん!!」

ほむら「!?まどか―――」

QB「やれやれ、僕はお邪魔みたいだね。退散するとするよ」キュップイ

まどか「ほむらちゃん…」

ほむら「見送りに…来てくれたの?」

まどか「……」

ほむら「……」

42: 2012/01/17(火) 22:26:31.22 ID:RRxDrJRI0

まどか「ほむらちゃん…あの時、酷いこと言ってごめんね…?」グズッ

ほむら「いいのよ…そんなの」

まどか「私、ほむらちゃんと、これからもずっと一緒にいられると思って、でもそんなこと、なくて……」

ほむら「……うん」

まどか「マミさんからほむらちゃんがいなくなるって聞いた時、凄く悲しくなって。そのあと泣いて…」

まどか「それで学校でほむらちゃんと顔を合わせたら、ついカッとなっちゃったの……ごめんね、ごめんねほむらちゃん」

ほむら「……まどか」

48: 2012/01/17(火) 22:29:37.80 ID:RRxDrJRI0

ほむら「(私、何をしてたんだろう)」

ほむら「(まどかに勝手に嫌われたと勘違いして、挙げ句泣かせて…)」

ほむら「(ちゃんとまどかと、向き合うべきだったんだ)」

ほむら「(だっていうのに私は…!)」


ほむら「まどかぁ!」ダキッ

まどか「ほむらちゃん!」

ほむら「(大切なものはここに――あったんだ)」

50: 2012/01/17(火) 22:31:45.17 ID:RRxDrJRI0

ほむら「まどか、まどか!」

まどか「ほむらちゃん…行っちゃやだよお」グスッ

ほむら「安心してまどか―――どこかに行くなんて、嘘だから」







まどか「えっ?」

53: 2012/01/17(火) 22:35:41.41 ID:RRxDrJRI0

まどか「ほむらちゃん………嘘だったの?」

ほむら「え?あ、いや、今のは誤解ある言い方でその…」

まどか「ねえほむらちゃん、ちゃんと話してほしいんだけど」

ほむら「いやだから、そもそも皆が私の話も聞かず勝手に話を大きくして……」

まどか「ほむらちゃん」

ほむら「私はどこにも行かないって言おうとしたのよ?なのに杏子やマミが――」

まどか「ほむらちゃん!!」

ほむら「あ、はい」

60: 2012/01/17(火) 22:40:55.12 ID:RRxDrJRI0

ほむら「(――こうして私は、やっぱりこの町に残ることにした)」

ほむら「(なんだか周囲の目が痛いが、それでも私は元気だ)」

ほむら「(今日もこの見滝原の平和――そして、大好きなまどかのために、戦っていきたいと思う)」

ほむら「(すべての物に、感謝して―――)」


まどか「もうほむらちゃんか知らない、どっか行って!」

ほむら「まどかあああああああああ」


65: 2012/01/17(火) 22:47:25.05 ID:B0IsBcG8O
おつ

引用: まどか「さよならほむらちゃん!」