1: 2016/11/12(土) 01:12:03.75 ID:NIdpjPI+0

――事務所

P「ハッピーバースデー、美嘉」

美嘉「ありがと、プロデューサー★ でも……まさか、こんなに遅くなるとはねー」

P「終電はもうない……か。車で送れないこともないが」

美嘉「大丈夫。まあ、プロデューサーと夜のドライブデート、っていうのは惹かれるけどねー」

P「……ごめんな。せっかく、誕生日なのに」

美嘉「いいのいいの。大きな仕事だったし、さすがに外せないでしょ」

P「それは……否定できないが」

美嘉「それに、いちばん最初にアタシを祝ってくれたのがプロデューサーっていうのは、嬉しいから」

P「……俺より前に莉嘉からメール来てなかったか?」

美嘉「それは……まあ、そうだけど。『アタシがお姉ちゃんをいちばんにお祝いするのー!』ってうるさかったし」


城ヶ崎美嘉 Tulip Ver. 1/8スケール PVC&ABS製塗装済み完成品フィギュア

2: 2016/11/12(土) 01:12:43.01 ID:NIdpjPI+0
P「そんな莉嘉がかわいいって?」

美嘉「んー……そうだね。かわいいよ。アタシ、割りと姉バカ?」

P「姉バカだな。……良い姉妹だよ、本当に」

美嘉「『城ヶ崎姉妹』だからね」

P「自分で言うか」

美嘉「言うよ。……あ、ポッキー。誰かの忘れ物かな?」

P「かもな。……ポッキーの日、か」

美嘉「……ポッキーゲーム、する?」

P「しない。もうポッキーの日でもないからな」

美嘉「んー……それじゃあ、誕生日プレゼント、ってことで」

P「誕生日プレゼントがポッキーゲームって……いいのか?」

美嘉「いいよ。プロデューサーとこうやっていられるだけで、もう十分もらっているようなものだしね」

P「じゃあポッキーゲームはいらなくないか?」

美嘉「ちょ、そういう意味じゃないって。……もう。わかってて言ってるよね、プロデューサー」

3: 2016/11/12(土) 01:13:23.49 ID:NIdpjPI+0
P「……そりゃ、正面から受けるわけにはいかないからな」

美嘉「正面から受けたらアタシに惚れちゃう?」

P「もう惚れてる」

美嘉「あー。プロデューサーがアイドルにそんなこと言っちゃいけないんだー」

P「お前……はぁ。アイドルとして、だよ」

美嘉「えー。それじゃあ女の子としては惚れてくれてないの? アタシのあんなところまで見たくせに」

P「あんなところってどこだよ……」

美嘉「どこだろうね。でも、アタシはプロデューサーになら、ぜんぶ見せてもいいと思ってるよ?」

P「……お前、それはずるいぞ」

美嘉「ふふっ、そう?」

P「そうだ」

美嘉「だって、プロデューサー、かわいいもん。もちろん、かっこよくもあるけどね」

P「そこはよくわからないんだよな。何がかわいくて、何がかっこいいんだ」

美嘉「このカリスマのプロデューサーなんだから、わかってもらわなくちゃ困るなぁ。まあ、わかってないところもプロデューサーの魅力なんだけど」

P「どうしろって言うんだよ……」

美嘉「んー……プロデューサーは、これまで通りでいいかな」

P「いいのか」

美嘉「うん。あ、もちろん、だからって甘えられたら困るけどね。プロデューサーに限ってそんなことはないだろうけど」

P「……そりゃ、俺はプロデューサーだからな。これからも、美嘉をトップアイドルにするために頑張るよ」

美嘉「頼もしいね、プロデューサー」

P「そうか? もっと頼ってくれていいぞ」

美嘉「それじゃあポッキーゲーム」

P「……そんなにやりたいのか?」

4: 2016/11/12(土) 01:14:05.29 ID:NIdpjPI+0
美嘉「うん。負けた方は、一日相手の言うことを聞く、っていうことで」

P「しかも罰ゲームもアリか……」

美嘉「ダメ?」

P「……まあ、誕生日だからな。わがままも聞いていいだろ」

美嘉「やたっ。それじゃ、んー♪」パクッ

P「早いな……ん」パクッ

美嘉「……」サクッ

P「……」サクッ

美嘉「……」サクッサクッサクッ

P「……」サクッサクッサクッ

5: 2016/11/12(土) 01:14:30.35 ID:NIdpjPI+0
美嘉「……ね、プロデューサー」

P「なんだ?」

美嘉「もう、当たっちゃうよ?」

P「……そう言えば、どっちも離さなかったらどっちの勝ちなんだ?」

美嘉「……どうしよっか」フフッ

P「考えてなかったのか」

美嘉「んー……その時は、まあ、その時考えるってことで」

P「そうか」

美嘉「うん」

P「……」パキッ

美嘉「あ」

P「……はい、これで俺の負けだな」

6: 2016/11/12(土) 01:15:00.05 ID:NIdpjPI+0
美嘉「むぅ……意気地なし」

P「おいおい。勝ったんだからよろこべよ」

美嘉「でも……でもさぁ。せっかく、アタシが覚悟決めたのに……」

P「……美嘉」

美嘉「なに?」

P「今負けたから、今日一日、俺はお前の言うことを聞くよ」

美嘉「……そう言えば、そんな約束してたっけ」

P「ああ。……美嘉が望むなら、もう一度ポッキーゲームをしてもいい」

美嘉「……ふふっ。プロデューサー、それ、アタシに言わせるの?」

P「さあ? 何のことやら」

美嘉「……それじゃ、プロデューサー。ポッキーゲーム、しよっか。ただし、今度は絶対に負けないこと」

P「仰せのままに、マイアイドル」

美嘉「なに、それ」フフッ

P「言うことを聞くんだから、執事風に?」

7: 2016/11/12(土) 01:15:25.38 ID:NIdpjPI+0
美嘉「……恥ずかしいの?」

P「実は」

美嘉「そっか。……アタシも、同じだよ」

P「……そうか」

美嘉「……じゃ、しよっか。プロデューサー、あーん」

P「……あーん」パクッ

美嘉「……」パクッ

P「……」サクッサクッサクッ

美嘉「……」サクッサクッサクッ

8: 2016/11/12(土) 01:15:54.49 ID:NIdpjPI+0

――

美嘉「……ね、プロデューサー」

P「なんだ? 美嘉」

美嘉「アタシの顔、今、どうなってる?」

P「……赤いな」

美嘉「プロデューサーも、だよ」

P「……だろうな」

美嘉「……ね、プロデューサー」

P「なんだ?」

美嘉「アタシ、今、幸せだよ」

P「俺もだよ」

美嘉「そっか」

P「そうだ」

9: 2016/11/12(土) 01:16:25.07 ID:NIdpjPI+0
美嘉「……とりあえず、寝よっか。プロデューサーも、きちんと寝てね」

P「ああ。今日一日は疲れそうだからな」

美嘉「うん、疲れさせるから、覚悟しててよね」

P「ああ」

美嘉「……本当は、一緒に寝ること、とか言いたいんだけど、さすがにそれをしたら、たえられなくなっちゃうかも」

P「俺もだ。だから、できればやめてもらいたい」

美嘉「アタシも、さすがにそこまでは心の準備もできてないからね。……下着は、一応選んできたけど」

P「……そういうことは言わないでほしいんだが」

美嘉「あ、想像しちゃった? プロデューサー、やっぱり工口いね★」

P「……相手が美嘉なんだから、仕方ないだろ」

美嘉「かもね♪ ……それじゃあ、おやすみ、プロデューサー。起きてから、楽しみにしてるからね」

P「ああ。……おやすみ、美嘉。ハッピーバースデー。生まれてきてくれて、ありがとう」

美嘉「……アタシこそ、いつもありがとっ♪」




10: 2016/11/12(土) 01:16:56.64 ID:NIdpjPI+0
終わりです。ありがとうございました。

11: 2016/11/12(土) 02:42:45.38 ID:kiwqRjIsO
おつである

引用: 城ヶ崎美嘉「一日遅れのポッキーゲーム」