16: 2009/04/21(火) 09:55:46.03 ID:lUbUVC+k0

――5/5、火曜 20:30 神楽坂作業室
――メッセンジャー

男>>状況はどうですか

B>>最悪の一個上でござるね

男>>ふむ

B>>残った一人の女の方から事情は聞いたでござるが、
 仕事は教えないで、ただノルマだけ重くして縛ってた
 みたいでござるね。M野のハーレム計画が無くても、
 作業量でつぶされてたと思うでござる。

男>>神楽坂の半分だよね?

B>>半分でも致氏量でござろ
男>>そっか

B>>どこまで手を貸すべきか悩むでござる
男>>それはちょっと様子見をしながら、だね

57: 2009/04/21(火) 11:46:00.60 ID:ZyrkDBLnP
――ってなわけで、タイトルコール。
【同僚女「うちから、ウォリアー取っちゃダメだよ」】

同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」
同僚女「やっぱり二人っきりになっちゃったね」
【あらすじ】
 ブラック系IT企業でデータ変換業務を行なう男は
神楽坂班のプロジェクトマネージャー。
歴戦のウォリアー女先輩(指先から唐揚げを出したい)
陽気な同僚のB男(さすらいの忍者マスター。灰は消失に通じる)
口数少ないC男(捨てることに対する美学をもった職人)
そして新規加入した新人女をくわえた5人パーティー。
 なんだかんだでうだうだ底辺仕事をやってた五人だが
池袋で働いていた同僚パーティーが壊滅したことから
仕事量が急増。不穏な空気が流れ始める。
 萌え成分皆無。現代日本における残酷童話。
 あけてもあけてもまた徹夜なブラック物語。

17: 2009/04/21(火) 09:59:36.81 ID:lUbUVC+k0
男>>で、どの辺が「マシ」なの?
B>>M野が出社してないでござる

男>>へぇ
B>>さすがに釈明がつらいのか、体調不良だそうでござるよ
男>>ほうほう

B>>太平楽でござるね
男>>……1人残ってるんだよね?
B>>ええ、まぁ、そうでござるね。ちょっと話を聞いてみた
 でござるけど、他の派遣先を待って待機するのもつらい
 という状況だということらしいでござる。

男>>……。
B>>このへんも、派遣の弱みでござろうね。
男>>うん

B>>拙者はしばらくこっちにいることになりそうでござるね
男>>ありがたい
B>>M野がいなければ、十分耐えられるでござるよ

男>>手を抜きながらやって
B>>了解でござる

18: 2009/04/21(火) 10:03:43.35 ID:lUbUVC+k0
――5/6、水曜 6:00 神楽坂作業室

かちゃ

新人女「おはよーございます……」そぅっ
男「おはようございます」

新人女「やっぱりやってますね」

男 カタカタカタカタカタカタ

男「たまたま」

新人女「えっと、プリン買ってきましたよ。
 朝ご飯食べましたか? プリン食べませんか?」

男 カタカタカタカタカタカタ

新人女「……前におごってもらったので」
男「そういえばそだね。……いただきます」

ぱきゅ

新人女「いただきます」

19: 2009/04/21(火) 10:07:45.62 ID:lUbUVC+k0
新人女「えーっと、緊張しますねっ」
男「そう?」

新人女「はぁ。職場で2ショットプリンは」
男「異性慣れしてるかと思った」

新人女「いろいろ向こうから話しかけてきてくれてたので」
男「うわ。さすがリア充」
新人女「ニコニコしてるだけで、なんか間が持ってたんですよ」
男「さすがに言うこと違うな。後光が差して見えるよ」


新人女「男さんは、どうですか?」
男「へ? もぐ」

新人女「彼女さんとか?」
男「こんな生活でいる訳無いじゃないですか」

新人女「そうですか? じゃ奥さんとか」
男「どう思われてるんだ、俺」

20: 2009/04/21(火) 10:10:31.30 ID:lUbUVC+k0
新人女「落ち着いているので」
男「落ち着いてません」

新人女「場慣れれしているというか」
男「慣れたくて慣れた訳じゃないです」

新人女「えへへ」

男「……会話のリズムに合わせてきましたね」

新人女「もうじき二ヶ月になりますし」
男「慣れてきましたか」

新人女「はい。仕事も、思ったように出来ると、
 気分がよいですね」

男「ん。……思ったようにするのが、難しいんだけどね」
新人女「……」

男「しがらみとか、面倒くさいねー」
新人女「……」

21: 2009/04/21(火) 10:13:08.99 ID:lUbUVC+k0
新人女「あの」
男「ん?」

新人女「わたしは恩に着ていますので」
男「へ?」

新人女「助けてもらったと思ってますから」
男「大げさだなー」

新人女「勝手に恩に着てますので」
男「……うん」

新人女「……」おろおろ
男「……もぐ」

新人女「……」そわそわ
男「挙動不審だよ」にこっ

新人女「慣れないことをするものじゃないですねっ」
男「あんがとね」

22: 2009/04/21(火) 10:14:35.61 ID:lUbUVC+k0
――5/8、水曜 13:00 神楽坂作業室

新人女「とうとう憧れの休日出勤デビューですねっ」
女「やったね! これでウォリアーロードを一歩進んだ!」
C男「上るべき男坂」

男「ダメ人間の台詞だ」

新人女「本日は何をしましょうか? 手持ちの分の
 報告書は、昨日全部書きましたよ」
女「どうしよっかね、男ー」

男「んーっと。じゃ、保険屋いってみよか」
新人女「はいっ」

男「C男がやってるマクロをもらって、やり方教えてもらって」
C男「もうちょいで終わる。一人の方が早いけど?」

男「教えてあげて。何でも出来ないとね」
新人女「はい」
C男「了解」

女「うちは?」

23: 2009/04/21(火) 10:15:40.07 ID:lUbUVC+k0
男「女先輩はー」
女「うんうん」

男「俺とタイプ競争かなー」
女「やるかっ? がかっ!?」

新人女「女さんは、勝負好きですね」ボソボソ
C男「階級別とか性別別という概念を捨ててる」ボソボソ

男「んじゃ、共有の処理待ち案件で、クライアントに
 問い合わせ表を書く勝負ね」
女「やる! 男をいわす!」

男:カタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタ

男「やるな、先輩。界王拳かっ!」
女「ちがうもんね!」

男:カタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタガガガガ!

男「!?」 女「早いっ!!」

女「これがうちの卍解だぁ!」
C男「それは本気で捨てよう」

24: 2009/04/21(火) 10:16:38.32 ID:lUbUVC+k0
――5/8、水曜 19:00 神楽坂作業室

男「おーし、みんなー」
新人女「はーい」 女「ほい」 C男「ん」

男「進捗報告ー」
新人女「5つめですー」
女「うちと男で19勝、12敗」
C男「あと2時間で区切る」

男「おけー。……ん~。体力残量はどう?」

新人女「まだいけます」
女「うちに聞くべき言葉じゃないぜボーイ」
C男「退路は捨てた」

男「……ふむ。では、夜ご飯。なんかとろう」

女「おお! でた! マネジ48の殺人技の1つ『おごりピザ』!」

新人女「おごり決定なんですか?」
C男 こくこく

女「男が自分で『とろう』なんて言い出すときは、
 おごるつもりがある時だ」
男「くっ。どこまで手の内裸だよ、俺」

新人女「そうなんですか! いいなぁ」
C男「サイトだす。サイトで注文しよう」

25: 2009/04/21(火) 10:17:36.73 ID:lUbUVC+k0
男「んー。L2枚とサイドメニューで良いかな」
女「うち、チキン」
C男「ワンパターン」

女「チキンを愚弄するな」べちっ
C男「ぐっ。暴力教官」

女「新人女ちゃんなんにする?」
新人女「え」
女「?」

新人女「いえ」おろおろ
男「?」

女「何がいい? BBQガーリックチキン? ラザニアーノ?」
新人女「てへへ。ラザニアーノ美味しそうですね」

C男「ぅー」

女「ほら、C男はどくの。新人女ちゃんにくっつかない」
新人女「え? あ、いえいえいえ。
 ここはC男さんの席じゃないですか」

女「いいのいいの。選ぼう! うっれしいなぁ、ピザピザ!」

男「だからピザる」

女「なんか言うた?」ギロン

26: 2009/04/21(火) 10:18:37.07 ID:lUbUVC+k0
女「おーし! 頼んだった! あと45分でくる!」
C男「頼んだのは俺なのに」

男「メシのあとはちょい休憩するか、
 仕上げて解散かその時点で判断するので、
 ピザくるまで45分はスパートかけて。
 タイムアタックのつもりで仕事ねー!」

新人女「はーい」
女「うちはいつでもタイムアタック!」

男「女先輩はなぁ~」
女「なにさっ」

男:カタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタ

C男「ウォリアだってこと」
男「そうそう」

C男:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカ

女「ご飯がいままさにこっち向かってるかと思うと!
 気合いが乗るのだっ、タッチタイプにっ」
C男「ウォリアじゃなくて食欲魔神だったのかな?」

男「それもまたよし」

27: 2009/04/21(火) 10:19:37.11 ID:lUbUVC+k0
――5/8、水曜 20:00 神楽坂作業室

女「来たぞー! ほら、場所空けて!」

C男「間に合わなかった。もうちょいで終わったのに」
新人女「でも、もう一息です」

女「仕事はどうでも良いから、ピザ食べよう!」
C男「どの口で言う」

男「ピザって、時たま無性に食いたくなるよな」
新人女「気持ちはわかります」

女「いー匂い!」
C男「遠慮を捨てよう」

女「おお、C男! 良いことを言った!」
男「そうか?」

C男「かぶりつこう。野生の獣のように」

女「おお、食おう、食おう、無料飯だし」
男「いや、ちょと待とうぜ? いまさ……」

女「待ったなし! いっただきまーっす!」
C男「頂きます」 新人女「あの、いただきますねっ」

がちゃり

B男「おぬしら、それは冷たいでござる!」

28: 2009/04/21(火) 10:20:36.24 ID:lUbUVC+k0
男「お、やっときた」
新人女「あ、お帰りなさいです!」

女「おひゃふりー。なんれいふのぐもぐ?」
C男「忍者を捨てて取り分を増やそう」

B男「ピザとったから、食べに来ないかって男氏に
 誘われたんでござるよ。池袋から駆けつけたでござる」

新人女「あ、これコーラですけど」

B男「ありがとうでござる。やっぱりピザは炭酸飲料で
 ござるよね~」

C男「やっぱりニセ忍者だ」

女「……池袋どう?」がっふがっふ
男「女先輩、チキンスティックの箱を標準装備しなくても」

男「どう? B男」
B男「ダメでござるね。決まりかと」
男「そか……」

新人女「?」
男「しゃぁない」


29: 2009/04/21(火) 10:21:41.55 ID:lUbUVC+k0
女「どしたの? もぐもぐ」

男「んー。池袋は絶望的だって話だ」

C男「――」
新人女「えっと」おろおろ
女「そか……」

B男「説明するでござるよ、拙者」
男「あ、俺がする」

C男「……」

男「M野が復帰してな。んでま、部長会議に直訴したんだわ。
 神楽坂班が仕事さぼって池袋をつぶしたって」

女「は?」 C男「捨てる」

男「仕事配分がおかしいと」

新人女「なんで」

女「おかしいよ。そりゃおかしいって、うちら池袋の2倍仕事
 やってるんだよ! 最初からおかしいじゃん」

B男「頭がおかしいという意味ならおかしいでござる」

男「まぁまぁ。んで説明の続きを行く」


30: 2009/04/21(火) 10:22:36.65 ID:lUbUVC+k0
男「……と思ったけど、実はないな。会議は紛糾、以上」
女「は?」

男「つまり、紛糾してて結論が出ない。
 池袋班は実質機能停止。――させる気はないけど。
 とにかく、目の前の仕事が増える」

C男「捨てよう」
B男「今回ばかりはC男に賛成でござる」

男「……」

新人女「やっぱり……私も、おかしいと思います」

女「おかしいね。そりゃ、仕事はすべきだよ。
 うちも割り振られた保険屋の仕事はすべきだと思う。
 それだって2倍の量があるんだよ?
 でもさ、M野の後始末する義理はないよ」

男「……そか」

新人女「……」
女「……」
C男「捨てる以外にない」
B男「……」

男「ん。ほいじゃ、うちはうちの仕事を続行で、
 ただ、悪いけれどB男は戻せない」

女「池袋は開店休業でしょ? 戻しても良いんじゃない?」

31: 2009/04/21(火) 10:23:36.55 ID:lUbUVC+k0
男「そうも行かない。連絡つかない現場1つ作るのは
 さすがにまずい。爆弾がどんどんふくらむのを
 監視なしで放置するのは自殺行為だ」

C男「それは連中の作った爆弾だ」

男「誰が作ったかは関係なく、自分たちが巻き込まれる
 危険があるか無いかの方が重要だと考える」

新人女「……はぅ」おろおろ

女「……くっ」
B男「けたくそは、わるいでござる。ござるけど」

男「あっちは何も知らない素人一人残ってる」

B男「見捨てて放置するのは、寝覚めが悪いでござるよ。
 拙者、残ると思ってござった」

男「野良だから、最後は見捨てるように」

C男「それが捨てすぎだって」いらっ
新人女「……でも」

女「C男も、新人女ちゃんも。……しゃぁないよ。
 いけるところまではそのフォーメーションでつっぱろ」

32: 2009/04/21(火) 10:24:37.49 ID:lUbUVC+k0
857 :◆wv7AuSzhEg [sage]:2009/04/21(火) 04:45:47.06 ID:1tzz4cYo
これでトリップつくんかな。
で、良ければモリタポ恵んでください~。と
ホントはなんかお返しできると良いんですけど
ポンチ文章といずみのおばちゃんのママレードサンド(主食)くらいなんすよね。
引っ張りまくりで申し訳ないです。

33: 2009/04/21(火) 10:25:36.49 ID:lUbUVC+k0
867 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/21(火) 08:25:01.53 ID:oX9HisAO
よく分からんが
続きはここでやるのか?期待期待

868 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/21(火) 08:36:45.97 ID:1tzz4cYo
>>867
うんにゃー。できればVipでやりたいよー。
vipで続くと信じて向こうで検索してくれてる人もいるみたいだしさ。
でも、現状、dion軍は当分vip書き込めないんだ……。
保守あらしさんのお馬鹿ー。
そんなわけで、ここでモリタポクレクレしながら、先行公開気味に
まったりやるくらいしかないかなぁ、と。
ここも昨日から変なスクリプト嵐が来てこまっちゃうんやけどね。
うまくモリタポもらえれば、vipに建てるし。
このスレが落ちればそこで打ち切りにするのが妥当かなぁと
思っております。

あさは焼きそばパンでした。焼きそばパンうましうまし。

34: 2009/04/21(火) 10:26:36.53 ID:lUbUVC+k0
――5/13、月曜 15:00 神楽坂作業室

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ

男「――」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ

新人女「……えっと、と」
女「おとこー?」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ

男「――はい」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ

女「新人女ちゃんが、声かけたそうにしてるぞー」
新人女「あの、すいません」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ

男「了解」

男:カタッ

男「なにかな?」

35: 2009/04/21(火) 10:27:36.47 ID:lUbUVC+k0
新人女「b系列の処理なんですけれど、指示のところまで
 終わりまして……」
男「んじゃ、次はcだね」

新人女「cも手をつけてみました。でも、判らないところが
 あって、それで……」

男「あー。ごめんなさい。……まだ説明してないんだから
 判らなくって当たり前だよね。それは、c用のマクロと
 書式使うんだけど」

新人女「あ。はい。それは共有アーカイブからもらいました」

男「共有アーカイブ、覚えた?」

新人女「いろいろありました」
男「暇なとき……なんて無いけど、見ておくと良いよ」

新人女「がんばります……あの」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ

男「――?」

新人女「c系列、がんばります」

男「よろしくね」

36: 2009/04/21(火) 10:28:36.40 ID:lUbUVC+k0
――5/13、月曜 23:00 神楽坂作業室

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ

男「――ん」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ

男「――」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ

男「――んんぅー」ごきっ、ごきっ

男「ん、こうかなっ」

男:タタン

女「肩、重そうだね」
男「まぁねぇーって、わぁっ!?」

女「なんやねー!?」
男「いや、近くにいたからびっくりした」


37: 2009/04/21(火) 10:29:36.75 ID:lUbUVC+k0
女「いや、いやいや。びっくりされても」

男「あれ? えっと。もう23時じゃん! 女先輩、
 帰んなきゃ!」

女「ん。あー」

女:カタカタカタカタカタカタカタカタ

女「もうちょい、切りの良いとこまで」
男「だって、もうさ」

女:カタカタカタカタカタカタカタカタ

女「まぁまぁ」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ

男「――」
女「男さー」
男「はい」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ

女「返事せんでも、ええよー」

38: 2009/04/21(火) 10:30:36.07 ID:lUbUVC+k0
女「男さ、結局、池袋の仕事、一人でかぶってるでしょ」
男「――」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ

女「みんなの前では、判りました。なんて頷いておいて
 ホントは全然判ってない意地っ張りでしょ」

男「それは……」
女「だから、返事しないでええって」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ

男「――」
女「男、土日も出てたしょ?」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ

女「神楽坂の仕事だって、そりゃ相当に厳しいけどさ。
 男の担当分はオンタイム進行でしょ。
 C男とか新人女ちゃんは気づいてないみたいだけどさ
 神楽坂の仕事だけで、男はそんなにぼろぼろになんないよね」


39: 2009/04/21(火) 10:31:36.53 ID:lUbUVC+k0
男「――」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ

女「うちはいまでも池袋の仕事まで面倒見るの、
 反対だからね。そういうんとは違うんだけどさ」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ

女「必要なんだ?」
男「……うん」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ

女「んじゃ、うちが男の神楽坂の分は、持つ」
男「それは、無理でしょ。スケジュール的に」
女「いける」
男「無理っ」 どんっ

女:カタカタカタカタカタカタカタカタ

女「うち、ウォリアーやし」

男「もういい加減長いつきあいでしょ。先輩がウォリアーでも
 無理なものは無理っ。キャパシティってもんがあるっ」


40: 2009/04/21(火) 10:32:36.56 ID:lUbUVC+k0
女「じゃ、男は神楽坂と池袋と両方抱えていけんの?
 そのキャパシティとやらはさ」
男「……」

女「あんまり周り舐めるのもいい加減にしといたがいいよ?
 まだ3ヶ月の新人女ちゃんでも男の気配が
 変なのにくらい気がついてるって。
 声かけるの躊躇わせるほど黒オーラだしてさ」
男「そか……」

女:カタカタカタカタカタカタカタカタ

女「そだよ」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ

男「……」
女「だから、うちが男の神楽坂の分は、持つ」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ

男「それはキャパ的に無茶があるって」
女「返事しなくて良いし。むしろ、返事を許した覚えはないし」

男「なんですか、それって」


41: 2009/04/21(火) 10:33:36.67 ID:lUbUVC+k0
女「問答無用ってこと」
男「言葉の使い方間違えてるよ」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ

女「これで、いいのっ! うへへ」
男「笑い事じゃなくて」
女「おとこ。うちの云うこと聞くのいや?」
男「いや、嫌とか嫌じゃないとかでなく」

つかつかつか

女「いうこと、聞きなさい」
男「女先輩、論理が曲がって」

女「き・き・な・さ・い」
男「……」

女「一人で行かないでうちにも一緒に走らせなさい」
男「……」

女「ぐーでぶつよ?」

男「もう……。俺、一生女先輩に勝てないのかよ」

42: 2009/04/21(火) 10:34:36.59 ID:lUbUVC+k0
女「偉いぞっ」にこっ
男「偉くない」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ

女「?」
男「ちっとも偉くない」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ

女「んー? そうかなぁ」
男「あきれ果てる」
女「ま、仕方ないよ」
男「え?」

女「ブラックだしね」
男「そっか」
女「ブラックだもん。そういうことも、あるよ」

男「ブラックだから、か」

51: 2009/04/21(火) 11:33:27.06 ID:ZyrkDBLnP
――5/14、火曜 16:00 神楽坂作業室

男:カタカタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタカタ

新人女「今日は男さんも女さんもすごいですね」
女「そう?」
男「そんなことないっしょ」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタカタ

新人女「すごい勢いですよ」
C男「遅さを捨ててる」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタカタ

男「――」
女「おとこ、張り詰めてる」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタカタ

新人女「?」
男「はいはい。先輩。判ってますよーって」タタン!

53: 2009/04/21(火) 11:37:19.66 ID:ZyrkDBLnP

C男「……」
女「うちが見張ってるから、平気」
男「――この程度じゃ、つぶれない」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタカタ

C男「――俺もそこに行く」
新人女「……」

C男:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカ

男「――」
女「おお♪ 良いリズム! みんな早くなってきたなぁ」
C男「まだだ」
新人女「わたしは一杯一杯です……」

C男:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「無理はしないで」
女「……む」

男「でも、がんばって」

54: 2009/04/21(火) 11:41:01.97 ID:ZyrkDBLnP
新人女「はいっ」
女「うう。うちも頑張るぞぅ!」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタカタ

C男「セット6消去、セット7消去」
男「お。C男やるなぁ」
C男「捨てる。進捗表を捨てる。終わった順から捨てまくる」

女「ウォリアーくさい顔するようになったじゃん」

C男「……」ニカッ
女「いや、あんた笑わないでいいや」

C男:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「風俗貯金ってすごいな。見習うべきかな」
新人女「はい?」

男「いやいやいやいや。何も言ってませんよ?」
新人女「?」

男「何でもありませんよ。ほんと」

59: 2009/04/21(火) 11:52:08.24 ID:ZyrkDBLnP
――5/17、金曜 20:00 神楽坂作業室

男「――二週間か」
女「うぉぉぉ! か・ら・あ・げ~!」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカ

女「――っ」
男「……」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカ

男「女先輩」
女「からあげ~」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカ

男「女先輩っ!」
女「む。おとこ、どうした? メシの時間?」
男「メシはさっき食ったでしょ」
女「じゃ、からあげ?」

63: 2009/04/21(火) 11:58:58.70 ID:ZyrkDBLnP
男「違います。今日は切り上げて帰りますよ。帰ってください」
女「やだ」

女:カタカタカタカ

男「先輩も、ぼろぼろでしょ」
女「男にゆわれたくないし。男見張らないと暴走するし」

女:カタカタカタカ

男「俺も帰りますから。ってか、今日は全員解散! 明日は休み。
 全員オフで休養日っ。みんな撤収準備で」

C男「……ふっ。勤務を捨てる」ふらっ
新人女「あ、は、はい」ふらぁっ

女「……むぅ」
男「ふくれてもダメですよ。ほら、先輩、帰る支度」

女「はいはい、わかりましたよーっだ。マネジのケチ」
男「ケチで云ってる訳じゃないです」

男「10分くらいで撤収するよー」
新人女「はい、はーい」もたもた

男(新人女さんも、体力限界だよな……)

65: 2009/04/21(火) 12:06:53.79 ID:ZyrkDBLnP
――女性トイレ

女「……顔、洗わんと」

女「わぁ、うち。かなり氏んでる。氏んだ魚の目。
 アーカムもびっくり! ……あはは」

女「……あはは」

ばしゃばしゃ

女「はぁ……。ん。呼吸整えて、髪の毛整えて」

かちゃん

新人女「あ」
女「お?」

新人女「あの、そろそろ退出するって、男さんが」
女「おけおけー。ちょいまってね~」

新人女「あの、女さん?」
女「ほい?」

69: 2009/04/21(火) 12:12:42.91 ID:ZyrkDBLnP
>>66
前回規制後、多重規制に巻き込まれdion全滅。
どこでやろうかと苦しんだあげく、しかたないんでパー速で
昔書いてたSSスレの余白でだべっていると、Vipにスレを立てて
書き込み転送をしてくれる人出現→つづいてモリタポくれる人出現
→これでなんとか再開できるか!?
 ↑イマココ

71: 2009/04/21(火) 12:19:04.85 ID:ZyrkDBLnP
新人女「大丈夫ですか? お顔、真っ青ですよ」
女「美白?」

新人女「そうじゃなくて」
女「室内系おとなし清純娘路線?」

新人女「じゃなくってっ」
女「えへへ」

新人女「……」
女「だいじょうぶ、だいじょうぶ。新人女ちゃんは
 ちょっとびっくりしてるだけ。うちウォリアーだから
 こんなの日常茶飯事。ブレックファーストの前に
 ベビーのハンドをサブミッション」

新人女「でも」
女「唐揚げ食べれば治るよ」

新人女「女さん、私の倍もタイムカード埋まってますよ」
女「大げさな~」

新人女「やっぱり、私、男さんに言って何とかしてもらいます」
女「新人女ちゃん」

73: 2009/04/21(火) 12:27:28.89 ID:ZyrkDBLnP
新人女「――っ」
女「うちから、ウォリアー取っちゃダメだよ」

新人女「……え?」
女「他の何をとっても良いけど、ウォリアーはだめ」

新人女「え? え?」
女「なんちて。えへへ」

新人女「……」

女「そんな顔しないで、だいじょぶだって!
 最近新人女ちゃんも早くなってきたな、ありがたいなーって。
 男とも話してるんだからさ。確かに鬼忙しいけど
 みんなでがんばれば、ぎりぎりしのげるって」

新人女「はい……」
女「いろいろ負けないよ! うちはっ」

新人女「あの」
女「?」

新人女「私もがんばりますので」
女「おうっ♪」

74: 2009/04/21(火) 12:36:34.86 ID:ZyrkDBLnP
――5/18、土曜 12:00 神楽坂作業室

女「えへへ~」
男「なにが『えへへー』ですか、先輩」
女「いやぁ。男と休日お昼ご飯だし、
 おごりを要求しようかと」

男「何がおごりですか。そんな顔色で」
女「えへへ~」へろっ

男「っ!」
女「おお。よろけた。ごめん、ごめん」

男「帰りましょうよ。先輩」
女「水島ぁ一緒に日本に帰ろう~」
男「なんでビルマの竪琴の物まねなんですか」

女「なんかこう……敗残兵気分を盛り上げるため?」
男「やですよ。敗残兵なんて。縁起でもないっ」

女「まぁまぁ。ちょっとさ」
男「?」

女「たんま」
男「どうして?」

女「胸が高鳴っちゃってさ」
男「どんな乙女ですか」

75: 2009/04/21(火) 12:41:45.72 ID:ZyrkDBLnP
女「ただの動悸だって」
男「……」

女「もう平気。でも、お昼ご飯はいいや。もうちょい後で」
男「なんでですか」
女「18番ファイルだけ、処理しちゃいたい」
男「もう……」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカ

女「……」
男「……」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカ

女「――おし。もちょい」
男「……」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカ

女「――」
男「……。……っ」

77: 2009/04/21(火) 12:45:32.19 ID:ZyrkDBLnP
――5/18、土曜 13:00 神楽坂作業室

女「おっし、仕上げたよ」
男「はい、お疲れ様です」
女「まぁね、うち偉いからね」
男「――」

女「ほ? どした?」
男「偉いです、女先輩」
女「変な顔して。またまた」

男「……いえ」
女「んじゃ、ご飯にしようか」

男「俺買ってくるんで。女先輩は休憩で」
女「おー。レディなんとかのサービス?」
男「いえ、年長者を敬うようなサービスで」

女「……」
男「……」

女「うち、いま突っ込む気力無いから無理にぼけなくても良いよ?」
男「いや、ぼけじゃないんですけど」

女「なぬ!?」

79: 2009/04/21(火) 12:51:43.46 ID:ZyrkDBLnP
男「とにかく。行ってきますから。コンビニで良いですよね?」
女「うちプリン~。出来ればカボチャプリン」
男「はいはい」

女「あと、おにぎり。シーチキン」
男「了解」

がちゃん。たっ、たっ。

女「……ふはぁ」

女「うー。ちょっとつらいかなぁ。目が、きついや」

女「アイマスク、あったっけかな。
 ロッカーに入れといたような……。目薬もか」

女「ま、いっか……。取りに行かないでも」とさっ

女「ちょっとくたびれちったな。
 座り仕事なのに、息が、きれるとはね。あはは~」

女「休憩しよ」かたん

女「男が帰ってくるまで、ちこっとだけ」

女「まだまだ、こんなもんじゃないかんね。うちは」

83: 2009/04/21(火) 13:04:49.34 ID:ZyrkDBLnP
――5/18、土曜 13:20 神楽坂作業室

男「ただいまぁ、買ってきましたよ」
女「ご苦労! おとこ! 輜重部隊の任務は重要である」

男「女先輩の分は、シーチキンと、おかかと、カボチャプリンと
 煮物と野菜ジュース。それからジャスミン茶で」
女「あんがと!」にこっ

男「で、こっちは俺の分っと」
女「ふむ」じーっ

男「なんですか?」
女「男のおにぎり、なんなの?」
男「俺のは昆布と高菜ですよ。それからおひたし」

女「なんか、男は」
男「へ?」

女「お総菜のこの身が、下町のおばさんみたい」
男「っ!?」

女「世話好きの献立というか」
男「なんかショックなんすけど」

女「別にけなしてないってば」

84: 2009/04/21(火) 13:09:59.34 ID:ZyrkDBLnP
――コンビニ食事

男「なんか納得行かないすな」
女「まぁまぁ。シーチキン美味いしもぐ、もぐ……」

男「……」
女「ん? どしたん?」

男「やっぱ、体調つらそうですね。食べるペース、落ちてる」

女「そ、そんなことないよ? うちだって女じゃない?
 ほらね。やっぱ、小さな口で小鳥みたいにね。
 ちょこっとずつ食べる訳ですよ」

男「『カーネルの首は私が取る』って両手にチキンドラム
 装備して交互に食ってたじゃないですか」

女「それは、ほら。宴会芸ですよ!
 うちのサービス精神って云うかっ」

男「……」じーっ
女「えへへ。あはは~」

男「先輩、飯食ったら帰ってくださいね」

85: 2009/04/21(火) 13:15:01.21 ID:ZyrkDBLnP
女「やだ」
男「ヤダじゃないでしょ」

女「やだもん」
男「『もん』とかつけたって可愛くなりませんよ」

女「うがっ!!??」

男「口を四角く開けてると、ロボみたいですよ」
女「ギギ……うち、イヤだぽん。拒否スル」

男「どんなロボですか」
女「コレジャナイロボ?」

男「訳判りませんよ。だいたいっ」
女「――」

男「ぼけたってダメですよ。息粗いじゃないですか。
 運動なんてちっともしてないのに。
 動悸してるじゃないですか。
 それ、心因性過呼吸ですから」

女「真・淫世過去級」
男「へんな読み替えしたってちっとも解決しないですから」

女「あはは~」

86: 2009/04/21(火) 13:19:44.54 ID:ZyrkDBLnP
男「笑ってる場合じゃないですよ」
女「笑ってる場合なんだって」
男「いつも冗談ばっか」

ぽむんっ

男「先輩?」
女「おし、止まった」

男「止まりもしますよっ。いきなりっ!!」

女「いいやん。得したやん。うちの胸ぎゅむっ! って」
男「損しました」
女「酷っ!」

男「萎えます」
女「無残だっ!」

男「萎えてしまいます」
女「あははは~。汗臭いしなぁ……。ま、おとこもさ。ほら」

男「?」

87: 2009/04/21(火) 13:24:34.12 ID:ZyrkDBLnP
女「仕事席ついて」

女:カタカタカタカタカタカ

男「――そんな話を」
女「ごまかす気なんて、無いってば」

女:カタカタカタカタカタカ

女「ちょっとでも、手元を遊ばせていたくないんだってば」
男「――」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカ

女「そうそう。こうやってるとさ」
男「――」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカ

女「なんだか、ずーっと昔からデスマーチしてる気分だね♪」
男「うっわ、最悪の返しだ!」

90: 2009/04/21(火) 13:28:06.67 ID:ZyrkDBLnP
女「まぁまぁ。お話を聞かなきゃ、男」
男「まぁ、聞きますけど」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカ

女「仕事が忙しくなると」
男「……」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカ

女「何もかんも、煩わしくなるでしょ。最初は、会議とか
 打ち合わせとか、電話とか」
男「――」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカ

女「で、携帯が煩わしくなって、メール見るのも面倒になって。
 食事が面倒になって……。
 そのうち、周りから質問されるのも煩わしくなる」

男「――」

92: 2009/04/21(火) 13:31:32.13 ID:ZyrkDBLnP
女「休憩の暇も痛いくらいに仕事がぎっちり詰まってるとさ」
男「――」

男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカ

女「話すのも、笑うのも煩わしくなるでしょ」
男「――」

男:カタ――
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ

男「――」

女「それじゃ、だめなんだってば」

女:カタカタカタカタカタカタカタカタ

女「人間、仕事がきつくて身体はこわしたとしてもさ
 気持ちはそう簡単に折れたりしないんよ。笑えてれば」

女:カタカタカタカタカタカタカタカタ

女「でも、笑えなくなったら、デスマは
 本当にデスマになっちゃうよ」

93: 2009/04/21(火) 13:36:32.86 ID:ZyrkDBLnP
男「――」
女「だから、笑い事なんだよ。笑い事じゃなきゃダメなんだよ」

女:カタカタカタカタカタカタカタカタ

女「笑ってないと、みんなで笑ってないと。
 誰も欠けないで笑ってないと、本当にブラックになっちゃうよ」

男「……」
女「ほら、男も、手を動かすのだ」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

男「なんか俺、先輩にいろいろ言われてばっかりな気がします」
女「ま、うちはウォリアーやしね! 先輩やしっ」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

男「へこむって云ったら信じます?」
女「信じない」
男「うわ、信用無いなぁ」
女「信用なんかしてないんやってば」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

94: 2009/04/21(火) 13:40:00.19 ID:ZyrkDBLnP
女「大丈夫。男は、センスあるから」
男「――」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

女「男の引くスケジュールは、センスあるもん。
 男の戦力把握はうちよりずっと正確だし、
 男の読みはうちよりずっと遠くまで見えてる。
 ――見えすぎて責任感で身動きできないときもあるくらい」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

女「うち、男のこと、信頼してるって。
 うわ、めっちゃ恥ずいやん? 信頼って。えへへ」
男「そりゃ、もう」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

女「?」
男「救われちゃってます。悔しいことに」

女「ん。偉いぞ。――あとは、勝つだけやん」

97: 2009/04/21(火) 13:53:08.76 ID:ZyrkDBLnP
――5/19、日曜 7:00 神楽坂作業室

がちゃり

C男「捨てよう」
男「あー。おはよ。朝から不法投棄か-?」

C男 こくり

男:カタカタカタカタカタカタカタ

男「どしたんだ? こんな日曜の朝早くから事務所来て。
 私生活が寂しいヤツみたいに見えちゃうぞ」

C男「自己批判を捨てよう」

男:カタカタカタカタカタカタカタ

男「まったくだ」

C男「俺もやる」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタ

男「立ち上がりも、手際も早くなったね」

C男 こくり

98: 2009/04/21(火) 13:56:22.46 ID:ZyrkDBLnP
男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタ

C男「先輩は?」
男「女先輩?」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタ

C男 こくり

男「会議室で爆眠」
C男「観てくる」

男「んー。おい、あれでも一応女性だし」

かちゃ

男「まぁ、いいか」

男:カタカタカタカタカタカタカタ

102: 2009/04/21(火) 14:01:56.46 ID:ZyrkDBLnP
――会議室

女「すぅ……。くぅ……」

C男「……」

女「くふぅ……。すぅ……」くてん

C男「……」

女「と、……ちょい……。くふぅ……」

C男「――」

C男「ぼろぼろだ」

C男「ミントコンディションにはほど遠い」

C男「要メーカー修理」

C男「……やっぱり。足りて、無い」

104: 2009/04/21(火) 14:06:41.58 ID:ZyrkDBLnP
――作業室

かちゃり

男「寝てたでしょ?」
C男 こくり

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタ

C男「ぼろぼろ」
男「先輩?」
C男「うん」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタ

男「だね」
C男「捨てよう」
男「いやいや、捨てちゃダメだろ。先輩だし」

C男「足手まとい」
男「んなこといってもなぁ」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタ

106: 2009/04/21(火) 14:09:56.96 ID:ZyrkDBLnP
男「そんなこと云ってもさ。ボロってきても
 先輩の戦闘力って頭1つ抜けてるんだよな。
 俺としても悔しい訳なんだけどさ」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタ

C男「捨てよう」
男「だからさ」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタガガガガ

C男「あんなポンコツ女は、すぐに廃棄すべき」
男「お!」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタガガガガ

C男「捨てても、問題ない」
男「なんだなんだ。化けたな」
C男「ふふんっ」

C男:カタカタカタカタカタガガガガ

男「風俗パワーか?」
C男「っ!?」

108: 2009/04/21(火) 14:16:19.46 ID:ZyrkDBLnP
男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタガガガガ

男「すげぇな、予想以上だ。鶯谷とかか?」
C男「その妄想を捨てろ」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタガガガガ

男「ペースあがってるわ。いつの間にか育つもんだな」
C男「鍛えた」
男「そっか」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタガガガガ

C男「俺が作業持てる」
男「――」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタガガガガ

C男「先輩を捨てよう」
男「C男さ」

112: 2009/04/21(火) 14:19:12.23 ID:ZyrkDBLnP
男「気を遣ってるの?」
C男「違う」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタガガガガ

C男「俺も童O捨てる」
男「ふむ。ソープはまだか」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタガガガガ

C男「俺もデスマに侵入って、童Oを、捨てる」
男「――」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
C男:カタカタカタカタカタガガガガ

男「そか」
C男「ウォリアーに、なる」

女「風俗ウォリアーが、うちのことを
 捨てる捨てるいうなーっ!」 ボカッ!!
C男「!?」


114: 2009/04/21(火) 14:26:22.02 ID:ZyrkDBLnP
――5/19、日曜 8:00 神楽坂作業室

女「ごちそーさまでしたっ♪」
男「ごちそーさま。たまに食うと朝マックうまいな」
C男「俺が買ってきたのに」

女「なんか云った?」
C男「……」

男「えーっと」

女「いや、ひどいよ。男。これはゆゆしき事態ですよ?
 うちさ、これでもやっぱり先輩としてさ?
 C男を、うちなりにちゃんと育ててきた訳ですよ。
 この表情の読めない廃棄星人をですよ」

C男「……」

女「それを事もあろうに、こやつ、私を捨てようと
 してた訳ですよっ! 下克上ですよっ!
 最近妙に修行チックで腕を上げてきたなと思えばこれですよ
 先輩を追い落としてその地位を
 簒奪するつもりだった訳ですよっ」

117: 2009/04/21(火) 14:34:49.18 ID:ZyrkDBLnP
C男「捨てたい……」
男「いや、女先輩? それはちょっと違うんじゃないかな」

女「どこが違うんですかっ?
 うちは捨てられようとしてた訳ですよ。
 うわ、、むかつくっ! なんか付き合ってもいないヤツに
 フラれたような気分をなんでうちが感じなきゃいけないっ!?
 捨てるってなんか酷い言葉ですよ、まったくっ」

男「えーっと、そう言うんじゃなくて、C男としては」

女「謀反ですよ、本能寺ですよ。
 じゃーんじゃーん孔明の策略だ。
 呂不様がまた裏切ったぞーですよ。竜騎士カインですよ」

男「えーっと」
C男「俺を捨てたい」

男「女先輩、女先輩ちょっと」
女「なに? おとこ。いっとくけど、
 うちの心は深く深く傷ついてるんよ? 繊細なハートに
 茨のようなひびが入ってるんよ?」

男「C男がパーティーバーレルおごるそうですよ」

女「よし許す」

133: 2009/04/21(火) 15:50:30.36 ID:lUbUVC+k0
元は
B夫とC次郎だった

>>132
まとめサイトでもぐぐってこい

172: 2009/04/21(火) 20:02:28.02 ID:ZyrkDBLnP
――5/22、水曜日 18:00 神楽坂作業室

男「んっと。おーい野郎どもー。進捗確認」
新人女「予定より先行で、んっと半日くらいです。
 ファイルは48」

女「う~。遅延~。一日くらい」
C男「ファイル24。ちょうど」

男「で、俺がぎりぎりオンタイムっと。女先輩が遅延か」
女「面目ない」

新人女「割り振りが大きかったですから」

C男 こくり

男「うん、まだ許容できるんで、後で辻褄あわせましょう」

新人女「はい」

C男「了解」
女「がんばる~」

176: 2009/04/21(火) 20:07:04.44 ID:ZyrkDBLnP
男「んで、もうそろそろ良い時間なので、本日は解散気味で」
新人女「はい。さすがにちょっとへこたれました」
C男「勤務を捨てよう」ふらり

男「はいはい、おつかれー」

新人女「えっと、男さんは?」
男「俺は、もう一息。後始末してあがります」

新人女「私も残りましょうか?」
C男「妖怪マネジは捨てよう」

男「いや、みんなも体力レッドランプでしょ。そろそろ
 大変だよ。俺も後始末だけやったらあがるからさ」

女「うん、早くあがって休むのも仕事のうちだよ~」

新人女「はい……。ではお言葉に甘えて」
C男 こくり

新人女「では、お先します~」
C男「また明日」こくり

178: 2009/04/21(火) 20:10:44.48 ID:ZyrkDBLnP
――5/22、水曜日 22:30 神楽坂作業室

男「――なんてね。そんな話してると」
女「こんな時間になる訳だ」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

男「うっし、もうちょい。もう一息」
女「その台詞、1時間くらい前にも聞いた」
男「う~」
女「リアクションが薄いぞ~」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

男「先輩だって突っ込みぬるいですよ」
女「やっぱ体力切れると鈍るね」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

男「帰る時間になるとさ」

179: 2009/04/21(火) 20:15:24.75 ID:ZyrkDBLnP
女「ん?」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

男「なんかこう、考えちゃうでしょ。ああ、いま会社を出たら
 家に着くのは午前様で、7時に出なきゃならないから4時間
 しか寝れないなぁ、とか」
女「あー、あるねー」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

男「そーなるともう、いっそ泊まった方が楽かもみたいな」
女「なるなる。その方が寝られるじゃん。みたいなね」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

男「実際には、同じ時間寝ても会社だと回復しないんだけど」
女「やっぱりどろどろ畳とか、会議室の段ボールとか、
 机の下とか、そういうのだとね~」

181: 2009/04/21(火) 20:20:11.73 ID:ZyrkDBLnP
女「うはは。相当に惨めな話してるね、うちら」
男「まったくだよ」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

女「うちなんかさ。やっぱ女だし。毎日同じ服って訳にも
 いかないしさ。会社に着替え持ち込んじゃったよ」
男「あー。やっぱし。そんな気配してた」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

女「ばれてた?」
男「そりゃ、四六時中一緒だから。……やっぱり給湯室?」

女「うんうん。給湯室で、洗面器にお湯張って身体だけ拭く」
男「わー」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

男「合コンじゃ絶対に言えない話題だね」
女「うち、そんなの出たこと無いから平気!」

男「平気なのかなぁ、それ」
女「ま、他所様に言える話じゃないよね」

183: 2009/04/21(火) 20:25:25.32 ID:ZyrkDBLnP
男「先輩。先輩~」
女「なにー? おとこー」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

男「先輩、そろそろ終電じゃない?」
女「あー」
男「?」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

女「男は泊まるつもりでしょ? いいよ、うちもそうする」
男「帰らないと、回復しないよ」
女「だって、面倒くさい……」
男「面倒じゃないでしょ。そんな負け犬台詞」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

女「聞いてよ、男」
男「あー。はいはい?」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

185: 2009/04/21(火) 20:29:55.23 ID:ZyrkDBLnP
女「うちね、うちねっ」
男「はぁ?」
女「もう、2月からゴミ捨ててない」
男「へ?」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

女「だって生活不規則だし。ゴミの曜日なんて覚えてられんし。
 ――夜中にだすと五月蠅いしね。うちの部屋、ポリ袋あるん」
男「えーっと」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

女「あ。別に量は多くないんよ? 3つだけで、カピカピで。
 汚い訳でもなくて、そもそも家で出るゴミってコンビニの
 袋だけだしね……ってそういう話じゃないんじゃーっ」
男「いや、自己切れされても」

女「別に、困る訳でもないんやけどね。なんてぇかね」
男「ふむ」

女「駅から家まで、歩くじゃないですか?」
男「はぁ」

187: 2009/04/21(火) 20:35:06.19 ID:ZyrkDBLnP
女「そん時、何とも言えない気分なるんよ。
 『うちゴミ部屋に帰る女なんやな……』って。
 判る? その切なさ、むなしさっ?」
男「ゴミ捨てなよ」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

女「彼氏が待ってたり子いぬが待ってたりとか、
 そんなささやかな夢を追いかけてる訳じゃないんやけどね。
 それでも年頃の女として、家で待っててくれてるのが
 ポリ袋ってのはやっぱりね」
男「いや、だからゴミの日にだせばいいじゃない」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

女「いっそゴミ袋達に名前つけようとも思うん。
 アルファ、ブラボー、チャーリーって
 そうしたらこのささくれた気持ちにも潤いが戻る気がする」

男「なんで特殊部隊のABCネームなんですか」

女「そうしたら会社に行くときもお見送りしてもらえてさ」
男「俺にはむなしさ倍増計画に聞こえるんだけど」


188: 2009/04/21(火) 20:39:44.09 ID:ZyrkDBLnP
女「ぐはぁ! 男はそれでもマネジですか!」
男「は、はいっ!?」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

女「もっとこう、部下の気持ちを盛り上げて。
 能力を引き出す戦い方をですね」
男「そんなこと云われても、いまの話題って
 励ませる要素が微塵もないじゃないですかっ」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

女「まぁ、そんな部屋で待つ三人のことを考えると」
男「スルーだよ」

女「会社に泊まっちゃうのも悪くないよなとか
 思えて来ちゃうんだよ。青春って怖いね」
男「青春と接続!?」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

女「だからうちも、泊まるよ」

189: 2009/04/21(火) 20:45:40.70 ID:ZyrkDBLnP

男「だーめ。女先輩も限界近いんだから」
女「むー。男の方が一杯仕事してる」

男「それは体力の問題でしょ。女先輩の武器は
 集中力なんだから、自分で自分の武器鈍らせて
 どうするんです」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

女「そんなこと云ったって、現に池袋の分は二人合わせても
 四日分遅延してるよ。ううん、シビアに見積もれば
 一週間分くらい遅延してるかも」
男「週末どうにかしますよ」

男:カタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカカタ

女「そんな無茶な。うちも泊まってやってく」
男「ダメです。今日のところは」

女「たんま」

203: 2009/04/21(火) 21:16:58.44 ID:ZyrkDBLnP
男「強制仕切り直しってことで」
女「それ『最後の弾薬を再配分せよ』みたいだなぁ」

男「仕事の指示もだしたっと。撤収しますよ、女先輩」
女「んー」

男「どうしたんです」
女「いいのかなぁ。まだまだ仕事終わってないのに。
 佳境モードなのにさ」

男「んな二ヶ月も続く佳境なんかありますか。
 こんな地獄はただの日常ですってば」

女「うはは。余計に救われないね」

男「イイから帰りますよ。駅までちゃんと連行しますからね」
女「うーん」
男「乗り気じゃないですね」

女「ほら、やはり三人の留守番が」
男「だからゴミくらいだそうよ」

205: 2009/04/21(火) 21:22:06.43 ID:ZyrkDBLnP
女「結局4時間くらいだし、睡眠」

男「先輩、家遠いんでしたっけ」
女「結構ね。駅から徒歩15分。その分ちょっと広い」

男「この生活だと広くてもね」

女「まぁね。うちよりアルファとブラボートチャーリーの
 方が家にいる時間長いくらいだしね」

男「そいつら24時間引きこもりじゃないですか」

女「女は何かと身支度とか時間かかって
 面倒くさくてやんなっちゃうね~」
男「そっか。そういうのもあるかぁ」

女「電気けしたよー」
男「了解-。んじゃ撤収しますよ」

 ガチャリ


207: 2009/04/21(火) 21:27:30.00 ID:ZyrkDBLnP
――駅への路上

女「明日は暑くなるってね」
男「そろそろ夏の気配だね。梅雨っぽいのはさっぱりだ」
女「うっわぁ、ラッシュ電車で出社も萎えるな」
男「そーなるね」

女「男、すごいイヤそうな顔」
男「いやだもん」
女「うちもだけどさ」

男「どこか寄る? 終電まではあと30分くらいだから
 牛丼屋くらいならいけるよ?」
女「んー。アイス食いたい」
男「真夜中にアイス!?」

女「だってやけくそっぽい気持ちでしょ?」
男「まぁ、そういう気分の時もあるけどね」

女「あーーー!」
男「へ?」
女「ああああーーー!!」
男「?」
女「アイス食おう! うん、そうしよう」にこーっ

209: 2009/04/21(火) 21:33:34.36 ID:ZyrkDBLnP
コンビニ店員「ありがとうございましたー」

女「テイクアウト~」にこっ
男「何で上機嫌かな」
女「ナイスなアイデアがあるから」

男「なんです?」
女「なんと8時間寝れる孔明の策」
男「マジでっ!?」
女「はい」

男「――だまし?」
女「騙してません」

男「――びっくり?」
女「ヘッドロココより誠実」

男「なんだかなぁ」

女「こっちこっち」
男「へいへい」

女「ここを曲がる」
男「え? ええ!?」


215: 2009/04/21(火) 21:40:21.52 ID:ZyrkDBLnP
――5/22、水曜日 23:30 いわゆるそんなホテル

女「ワリカンだからね。一人4000円くらいね」
男「えええー!?」
女「移動距離15分! トイレ浴室完備!」

男「おーい正気残ってますかー」
女「眠るためならうちは正気なんて悪魔に売りわたす」

男「いや。売っちゃダメだよ」
女「ふわーっはっはっは」わきわき
男「――そのポーズ、何?」

女「ドクター・ヘルの地球侵略の笑い」
男「ある意味安心するなぁ。女先輩といると」

女「さ、入ろ」
男「う。うう~」

女「なんですか男。初心者でもあるまいし」
男「女先輩。流石にこういうのは」

女「部屋選ばせてあげるよ?」

217: 2009/04/21(火) 21:46:01.34 ID:ZyrkDBLnP
男「……えーっと」
女「選んで良いぞ? お部屋。マニアックなのでもうちは良いぞ?」

男「えー」

女「往生際が悪いなぁ。寝るだけだよ。
 もしかしてなんか意識してるのか? うちを」

男「イヤ全然。さっぱり。ラブホの前でマジンガーに
 殴られるあしゅら男爵の小芝居出来る人間には
 萌えられません」

女「――っ。……でしょでしょ?
 ざばーっと風呂に入って、アイスとおにぎり食べて、
 ぱりっとシーツですぱっと寝るだけ。
 電車で移動しないで済むから8時間睡眠。ばっちり!」

男「……」

女「足を伸ばせる風呂はいいよ? うちも男もアパートだし
 ユニットでしょ。ゆったりつかると、疲れが取れるよ」
男「えーっと」

女「ちょっと魅力あるしょ?」
男「確かに」

221: 2009/04/21(火) 21:51:35.95 ID:ZyrkDBLnP
女「それに、あれだ」
男「?」

女「男が彼女もちなら、絶対に何にも無いとは言え
 彼女さんに悪いから誘わないけどさ。
 いまはいないって話だし、迷惑もかからないし。
 っていうか話してたらだんだん腹が立ってきた。
 うちの睡眠欲をなんだと心得る。
 これでも天王寺第三で知られたわがままボディなんだぞ。
 覚悟を決めてさっさと半額払いなさい。
 むしろ払え。うちの快適睡眠のために」

男「ぇー。そう云われると逆らいたく」

女「払っえっ。うちはこのままじゃ
 満足にお風呂にも入れない三日ぱんつの女として
 花のような青春をくさいという評価で過ごす羽目になる。
 それはぜんぶマネジの責任っ。
 だからお風呂をワリカンするのは当然っ」


226: 2009/04/21(火) 21:57:21.41 ID:ZyrkDBLnP
男「そうかなぁ。なんか論理が歪んでるような」

女「は、ら、えっ」ぎりぎり

男「痛っ。――りょ、了解」

女「うんっ。偉いぞっ」にこっ
男「――かなわんなぁ」

女「選んでいいぞ?」
男「あー、もう。これで」
女「2、0、3っと」

がちゃこん

女「よし、さっさといこう!」
男「はいはい」

女「早くしないと、アイス溶ける」


233: 2009/04/21(火) 22:04:01.68 ID:ZyrkDBLnP
――5/22、水曜日 23:30 存外おとなしめの部屋

女「おー。思ったより広い」
男「ほんとだー」

女「空調効いてるし、これは良いね」
男「たしかに。その辺は認めざるを得ないですね」

女「――とりあえず、お風呂張ろう」
男「あー。いいですいいです。俺がやりますから。
 女先輩はアイス溶けるんで食っててください」

女「む。いいの? 普通は女がやったりしない?」

男「何いってんですか、今更。
 変に手間取るのだるいでしょ。
 二人とも眠すぎて頭痛始まってるのに」

女「それもそっか。マネジ了解。アイス食べてます」

男「んーっと。捻るだけね。……うっわ。装備満載だな。
 ……えーっと。隠しておこう。はしゃがれても、困る」

234: 2009/04/21(火) 22:09:24.29 ID:ZyrkDBLnP
女「もぐもぐ」
男「……」

女「もっぐもっぐ」
男「えーっと、先輩? なんで正座して食べてるんです?」

女「ぬっ! ――いや、うちの部屋、布団だから。
 なんかボヨンボヨンのベッドスプリングに、
 思わず正座をしてしまった」

男「はぁ……。まぁ、おにぎり食いますか」
女「うん、食べよう~」

男「いっただきます」
女「いただきまーっす」

男「……もぐもぐ。ん」
女「もぐ……」

男「割といけますよ、新作」
女「野沢菜らっけ?」

男「はい……もぐ」

238: 2009/04/21(火) 22:14:36.89 ID:ZyrkDBLnP
女「なんか二人で向かい合って」
男「?」
女「ベッドの上で正座でおにぎりってシュールだ」

男「足を崩せば?」

女「崩したところでシュールさはもはや薄れない」
男「つまり手遅れって事ですね」

女「んだね。疲れてるとき煮物食べると、スゴイ視野狭窄だ。
 手元しか見えない感じ。周辺真っ暗」
男「それ、末期症状だよ」

女「幻聴とか聞こえたり?」
男「それは薬がきまってる」

女「んっ。っと」ぺろっ
男「指舐めたりしないの」
女「だって、ご飯粒着いてた」

男「はしたない」
女「いいじゃん。自分の指くらい」

242: 2009/04/21(火) 22:19:42.93 ID:ZyrkDBLnP
男「先輩はそういうところはお子様だ」

女「いいの。うちにはうちの流儀があるのっ。
 ごちそーさまでしたっ!」
男「ごちそうさまでした」

女「男だって、自分がご飯食べ終わってても、相手が
 食べ終わるまで待ってからごちそうさまするじゃない。
 それも絶対に」
男「うん。そうだけど?」

女「だれでも流儀というものがあるのです」
男「そんな大層な話じゃないよ。全然。あ、そういや」
女「?」

男「もうお風呂は入れるよ?」
女「へ? まだ10分くらいだよ?」

男「こういうところはセントラルで沸かして
 いきなりお湯で張るからね。早いんだよ」

女「すごい慣れてない?」

男「普通だよ」
女「またまたぁ!」

248: 2009/04/21(火) 22:24:56.86 ID:ZyrkDBLnP
男「いや、そういう親父的な微笑みとか突っ込みは良いから」
女「一応、礼儀かなぁと」

男「いいからお風呂入ってきてくださいよ。女先輩」
女「うち先!?」

男「何びっくりしてるの」
女「い、いや。てっきり男が先に入るのかと」

男「なんで?」
女「え。いや……。理由は別にないけど」

男「ま。先輩お先にどうぞ。一応女性だし。さくっと入って
 さくっと寝ちゃうと良いですよ。せっかく睡眠時間確保
 する作戦なんだから」

女「そ、それはそうだけど」
男「?」

女「や。うん……おっし」ばしばし!
男「気合い入れてかかるほどのことか?」

女「い、行きますっ!」

252: 2009/04/21(火) 22:30:23.42 ID:ZyrkDBLnP
――5/22、水曜日 深夜 むやみにゆったりした風呂

女「……。ん。ん」

女「普段とシャンプー違うと、なんか変な気分」

女「……でも、広いなぁ。
 ユニットバスと比べると雲泥やね。つか、ユニットバスは
 シャワールームって名前変えるべきやと思うわ、うち」

女「……♪ ……♪」にへらっ

女「む。うち、いま、顔ゆるんでなかった?
 ゆるんでなかったか? いかん。
 そんな甘いことではなめられてまう。
 ここは毅然とした態度で睡眠をっ」

女「ま、そのまえにリンスもね」

女「……♪ ……♪」にへらっ

女「い、いかんいかん。うちにも先輩の威厳がっ」


257: 2009/04/21(火) 22:35:26.78 ID:ZyrkDBLnP
ぶくぶくぶくぶくっ!!

女「お、おおっ!? 泡が出るっ」

女「お、おとこー。おとこー」

  男「なんですかー。ったく」

女「あわっ……えっと、なんでもなーい」

  男「はーい」

女「浮かれすぎだ。私」

ちゃぷん。ちゃぷん。

女「小娘でもあるまいし。たかがこの程度で
 はしゃぐなんてアホだ。デスマの最中だって」

女「だいたい、男はうちと、そう言うんじゃない。
 そんなのじゃないんやしっ」

女「うち、ウォリアーなんやし」

264: 2009/04/21(火) 22:41:28.76 ID:ZyrkDBLnP
――5/22、水曜日 深夜 未経験なほどでかいベッド

女「お風呂有りがとさんっ」
男「あがりました?」

女「うん、広くてよかったよー。さっぱりした」

男「んじゃ俺も行ってこようかな」
女「行っておいでー」

男「先輩、気にしないで寝ちゃって良いですからね?
 手前の方の端っこあけといてくれれば」

女「うわ。ここは、ほら。ソファで寝るとか床で寝るとか
 譲り合いというか、騎士道精神というかでぐだぐだする
 場面ちがうの?」

男「ヤですよ。半額払ったのに。そもそもなんでここに
 来たかって手足伸ばして寝るためでしょうが」
女「正論だ」

男「寝ちゃってて良いですよ」
女「うち、髪の毛乾かさないと眠れんし」
男「ああ、そか」

269: 2009/04/21(火) 22:46:51.42 ID:ZyrkDBLnP
がー。ががおー。がー。

女「こんなもんかなっ。わ。枝毛だ」

女「美容室もいってないもんなー。そら枝毛もあるかー」

女「ま。そのキャラはしゃぁない。うちは、無理やね。
 そういうのはちっこくて、目が大きくて、
 栗色の髪でふわーっとした感じのさ」

(一人前にはほど遠いんですけど、数のうちというか
 戦力として数えてくれたので……)

女「……うん、担当。違うんよね」

女「その辺は適性無いからしかたない。
 うちは、うちの担当分を確実にこなす。
 おけー。ばっちり!」

女「……担当分が寂しいとか、考えちゃいけません」

女「よし。布団入ろう。男が上がってくると、恥ずかしいし」

277: 2009/04/21(火) 22:52:05.20 ID:ZyrkDBLnP
もそもそ

女「うっわぁ。シーツぱりっとしてて、さわさわってしてて」

女「これは大正解じゃないですか? 慧眼ですよ。
 すごく贅沢気分ですよ。わー、脚とか、すべすべだ」

もそもそ

女「やー。いいな。メイド萌えとか判るよなー。
 毎日ご飯作ってもらって、こんなシーツの
 ベッド用意されてたら、普通に惚れるわ。
 かなりマジで。勉強になるなぁ。
 人間生理的欲求には勝てないや」もぞもぞ

 ざーっ。ざざーっ。

女「――おとこのお風呂の音だ。む?」

 ぶくぶくぶく。

女「ふふふ。男も泡に気づいたな」

女「泡はいいなー。背中に当たって、肩こりのとこが
 ほぐれて軽くなって」うっとり

280: 2009/04/21(火) 22:58:03.80 ID:ZyrkDBLnP
 ざーっ。ざざーっ。

女「そろそろ、あがりかな」

女「……なんだかな」

女「うち緊張してるんか?」

女「え? ええっ? まじでっ? 緊張?」

女「というか、むしろ照れてるのか」かぁーっ

男「お風呂あがりましたよー」

女「そんなわけあるかーっ。
 うちは北斗ウォリアー拳目録の腕じゃーっ」

男「は、はいっ」

女「……」
男「……」

女「いえ、すいません。興奮してました」

286: 2009/04/21(火) 23:04:05.65 ID:ZyrkDBLnP
男「ほら、そっちいって」
女「うん」

もそもそ

男「なんか、風呂入ったらすげー眠くなって来ちゃいましたよ」
女「あー、身体が温まって、血液が疲労物質を
 洗い流し始めてるんだよ」
男「そうなの?」
女「よく判らないけど」

男「わぁ」
女「な? な? ちょっと感動するでしょ?」
男「かなりね」

女「風呂上がりで、ぱりっとしたシーツにすべりこむとさ、
 シーツが素肌をくすぐるんよ。贅沢でしょ」
男「うん」

女「ほら、こっちこっち」もぞもぞ
女「ここも、すべすべだから、ちょっと来てみ?」

男「ん」
女「ほらな?」
男「って乗せられるかっ」

293: 2009/04/21(火) 23:12:25.43 ID:ZyrkDBLnP
男「ったく。女先輩は、はしゃぎすぎ」ぺち
女「む、やったな」ぺちっ

男「おでこはないでしょ」ぺちぺちっ
女「二回すること無いでしょ」ぺちぺちっ

男「ったく。眠くてまぶたくっつきそうなくせに」
女「男だってそうでしょ。眠そうな顔して」

男「先輩ほどじゃないです」
女「そうさ。眠いさ。眠くて何が悪いのさっ」

男「開き直ったよ。この人」

女「ああ。眠いさ。眠いとも。
 高さは東京タワーにして四本分、量にいたっては
 後楽園ドーム18杯を埋め尽くすほど眠いさっ。
 なんか文句があるのかねっ」

男「全く無意味な場面で格好良いなぁ。女先輩」

女「眠いぞぅ!」
男「それは判りましたから」

305: 2009/04/21(火) 23:18:30.00 ID:ZyrkDBLnP

女「寝るから」
男「はいはい、お休みなさい」

女「ん……」きゅ
男「先輩?」

女「……人見知りの男でも、うちとなら寝れるのしってる」
男「……」

女「うち、身内に入れてもらっとるもんね。
 警戒心の内側だから」にぱ

男「……別にそんなに神経質じゃないです」

女「安心して寝て良いよ。うちは、男に悪いこと、しない」
男「……」

女「……噛まないから、安心しろ?」
男「そんなこと。コタツの猫みたいな顔で云われても」

女「むー。気むずかしいなぁ」
男「……」

314: 2009/04/21(火) 23:24:51.52 ID:ZyrkDBLnP
女「後頭部撫でてあげるから」
男「なんですかそれ」

女「これすると、くつろぐ」
男「そうなの?」

女「うちが」
男「意味ないじゃないですかっ。つか、いいですよ。
 触わったりするのはNGですからね……。
 ったく。眠いってのに……ふわぁあ」

女「……ほら、男も、もう眠い」
男「そら……」

女「感染したでしょ……。ん?」
男「これは感染じゃなくて、最初から眠いの……」

女「偉いぞ……。すぅ……」
男「意味通ってないですよ……」

女「おやすみ……」
男「おやすみなさい……」


418: 2009/04/22(水) 12:17:22.75 ID:RSslweiZP
――5/23、木曜日 黎明

(暖かいなぁ……)

(すごいなぁ。これ。もしかしてこれが噂の
 ヘブン状態なんではないだろうか)

(うちの身体、ふわふわで、ぽにぽにで。
 間接がじわーっと甘くてさー。これなんだろ……。
 はちみつっぽいな……)

(はちみつ……だぁ……)

(まさにヘブン状態だぁ……癖になる、これ)

(あ。浮かびそう)

(浮かんでいきそう……)

421: 2009/04/22(水) 12:21:59.69 ID:RSslweiZP
ん……

(なんだろ……これ……)

こつん

(なんか、あったかくて、よいものだ……)

すりすり……

(まぁいいや……もうちょい、はちみつ……)

(ヘブンだぁ……)

くてんっ

(暖かいなぁ……)

“ちくん”

(あれ……)

424: 2009/04/22(水) 12:28:09.03 ID:RSslweiZP
(……そか)

(ダメかぁ……)

“ちくん”

(ん。しゃぁない……。これ、うちのものじゃないもんね)

(今日はちょっと借りてただけ……)

(そろそろ……戻らなきゃね……)

男「すぴぃ……。んぅ……」

女「……」“ちくん”

男「んぅ。……すんっ。すんっ」

女(鼻すすり上げたりしてる。ぷくく)

429: 2009/04/22(水) 12:44:46.14 ID:RSslweiZP
女(……ん)

女(起きよかっ)

もそもそ

女「……そーっと、そーっと」

男「んぅ……。くふぅ……」ぱたぱた

女「?」

男「……」ぱた

女(なんか探してるのかな? マクラ押しつけとこ)

男「んっ。すぅ……。すぅ……」

女「よし、ちゃちゃっと洗顔して身繕いをしよー」

女(元気、少し出たなぁ)

433: 2009/04/22(水) 12:50:25.34 ID:RSslweiZP
ういさー。こんちはー。
混乱させてごめんなさい。本物だよー。
といってもあんまし説得力無いけどっ。
本日はちょっと私事で断続になるかもだけど
可能な限り投下していこうと思います。
がんばります。猿敬遠でレス少なくて申し訳ない。
感謝しております。
あげるくいもの、今日はないんだけど。ハラヘッタ。

441: 2009/04/22(水) 12:55:06.36 ID:RSslweiZP
――5/23、木曜日 07:00 パン屋

女「もうちょっとゆっくり寝てても良かったのに。
 8時半に間に合えば良いんだからさ」
男「いや、起きちゃうと気が焦る」

女「まぁ、気持ちは判るけどね~」
男「女先輩、何買うの?」

女「うち、コーンブレッドと焼きそばパンと
 メロンパンと唐揚げロールふたつ」
男「なんか、えらい買い込むね」

女「あ。お昼ご飯も。買い出し面倒だし」
男「そっか。それいいな。俺もそうしよう」

女「うんうん。うち賢いなぁ」
男「唐揚げ2つってちょっと馬鹿っぽいけど」

女「なぬ? 唐揚げを愚弄するのか!?」
男「しません」

女「よし」

490: 2009/04/22(水) 14:12:24.13 ID:RSslweiZP
――5/23、木曜日 07:10 神楽坂の路上

女「暖かいね~」
男「初夏だね、これは」

女「やー。これは本当に、電車じゃなくて良かったよ」
男「その点だけは全く同意だ」

女 けふっ
男「ん? どした?」

女「花粉症?」
男「しゃっきりしてな。女先輩。多少疲れとれたでしょ?」

女「おお。もう、ばっちり!」
男「今日はなんかこざっぱりしてるもんね」

女「まぁね! ちゃんと身支度したしね! 睡眠足りてるしっ」
男「今日は社会人みたいに見えるよね」
女「普段は?」
男「幽霊船みたいな感じ?」

女「あははは」べきっ

男「すんませんしたっ」

493: 2009/04/22(水) 14:20:43.12 ID:RSslweiZP
――5/23、木曜日 08:20 神楽坂作業室

C男「今日も捨てに来た」
女「おはよー」
男「おはよう」
新人女「おはようございますっ」

女「新人女ちゃんもおはようー」
男「おはよー。今日もよろしくねー」

新人女「わ。ちゃんと帰れたみたいですね」
女「?」

新人女「いえ、昨日もあんな感じでしたから、
 会社泊まりになっちゃったかと」

C男「そう言えば、今日はまとも」

女「失敬だなぁ。キミたちはいつもうちをどうゆう
 目線で見てたのかね」

新人女「いえ、それは。……うぉりあ」ぼそっ
C男「妖怪人間カイシャセンジュウミンゾク」

女「あははは」べきっ

497: 2009/04/22(水) 14:27:10.01 ID:RSslweiZP
男「ほいほい。そろそろ時間だ。本日分を始めよう」
新人女「はい」

C男「く。理不尽な暴力を捨てよう」
女「なんか云った?」ぎろっ

C男「ううう」

男「それぞれ昨日の続きでお願いします。俺は午後は
 池袋いかなきゃならんので。多分2、3時間だと思うけど」
新人女「B男さん?」
女「なんぞ救援でも出ておるん?」

男「んー。いや、クライアントと会う」
女「そっか」

男「その間は、まぁなんもないと思うけど。
 先輩おねがいします」
女「ほーい」

男「んじゃがんばろー」
新人女「はーい」



499: 2009/04/22(水) 14:30:38.77 ID:RSslweiZP
――5/23、木曜日 15:00 池袋/ドーナツ屋

B男「旨いでござるなぁ。フレンチクルーラーは
 バカ旨でござるなぁ。もしゃもしゃ」

男「ホントに忍者なのか?」
B男「!? ほ、ほんとでござるよっ!
 拙者これでも脱いだらACは-4達成でござるよ。
 う、疑うならすぐさま脱ぐでござるよっ」

男「ごめんなさい。疑いません」
B男「それでいいでござるよ-。拙者も変態の汚名を
 着たくはないでござる」

男「なんか理不尽な感じだなぁ」
B男「まぁまぁ。男氏も食べるでござるよ」

男「食うけどさ」
B男「そうでござるよ。もしゃもしゃ」

男「――どんな感じかな」

505: 2009/04/22(水) 14:41:32.07 ID:RSslweiZP
B男「ん~。M野は、まぁ、一日半分くらいはいるでござるね」
男「何やってるの?」

B男「あちこち電話したり。マインスイーパーしたり?」
男「上手いの?」

B男「天才チンパンジーのアイちゃんクラスでござるね」

男「――まぁ、どうでも良いか」
B男「どうでも良いでござるよ」

男「仕事の方は、どう?」

B男「きつくないでござるよ。というか、楽勝でござるね。
 なんといっても、ほとんど全部の仕事、神楽坂班に
 行ってる訳でござるから」

男「そりゃそうだ。交通整理が終わったら」
B男「戻すでござるか?」

男「いやー。戻すのも面倒でしょ。なんせM野が上で
 ガチャガチャやって仕事の流れふってるんだから。
 それをメンテして戻したところでね」

B男「ふむ」

男「べつに、M野とケンカしても実務が減る訳じゃないし」

506: 2009/04/22(水) 14:47:05.95 ID:RSslweiZP

B男「ちょっと臆病に聞こえるでござる」
男「そうじゃない、とは思うけど」
B男「拙者もそう思うでござるよ」

男「んじゃま、それは当面後回しで」
B男「了解でござる」

男「で、もう一人の女の人、様子は?」
B男「ちょっと落ち着いたでござるね」
男「M野のちょっかいは?」

B男「M野はご存じの通り、顔だけで選んだみたいで
 ござって。でもまぁ、手を出す順番としてその人
 ――眼鏡女氏と呼んでおきますが、彼女は後回しに
 したみたいなんでござるよ。地味だから」
男「ふむ」

B男「ま、そんな流れで手を出すつもりは、
 当面はなさそうでござる」
男「その人にも悪いことしてるな-。このごたごたで」

B男「結構タフな人でござるよ」
男「ほー」

B男「修羅場くぐってきたん匂いがするでござる。
 生活保護とか云ってましたし」

510: 2009/04/22(水) 14:55:08.94 ID:RSslweiZP
男「あー。そうゆう人は、強いよね」
B男「同意でござる」

男「仕事の方はどう?」
B男「こっちの業界はド素人でござるね。エディタと
 Exelと……まぁ、つまり入力くらいはここ数日で」

男「さきゆきは、どうかな」
B男「……?」

男「腕は、あがりそう? それ以前に生き抜けそう?」
B男「それは男氏の判断領域ではござらんか?」

男「時間がないから、ここはB男を信じる」
B男「いけると思うでござるよ」
男「即答か」
B男「推挙を考えてござった」

男「了解。――女所帯だね」
B男「仕方ないでござるよ。あるもので戦わないと」

512: 2009/04/22(水) 15:00:22.59 ID:RSslweiZP
男「状況把握。んじゃ、今日からでもこっちの仕事回す」
B男「ふむ。こっそりで?」

男「もちろん。さすがにB男いないときついんだ」
B男「拙者の活躍が認められてきたでござるね」

男「ぬるい池袋でなまってないか?」
B男「ぎくっ」
男「うわ。眼鏡っ娘とナニしてなまってるのかー!?」
B男「そんなことはないでござる」

男「ま。いいや。ファイル送るよ」
B男「了解。単純作業は、眼鏡女氏にも
 振っていいでござるか?」

男「うん。積極的にそうしてあげて」

B男「――で、マネジ氏。拙者の方の案件は?」
男「難所は通した」

B男「ではっ」ぎらっ
男「ん。今週末、必要な書類。送っておくよ」

B男「ありがたいでござる」
男「こっちこそだ」

515: 2009/04/22(水) 15:06:59.45 ID:RSslweiZP
――5/24、金曜日 15:00 神楽坂作業室

女「うー」ぽきっ
男「女先輩、進んだ?」
女「めたくた進んでますよ。うち」
C男「悪魔のような素早さだ」

女「ふはははは。ドクター・ヘルのポーズ」
男「……もはやコメント不能領域だ」

新人女「負けてられません」

新人女:カタカタカタ

C男「――捨てる」

C男:カタカタカタカタカタ

女「みんなやるなぁ。けふんっ」
男「女先輩、なんかその咳。変に可愛くてヤダ」

新人女「ヤダって云うなっ。うちだって花粉症になるの
 初めてだからよくわかんないのだ」

518: 2009/04/22(水) 15:12:02.79 ID:RSslweiZP
新人女「マスクつけて生姜湯が良いと云いますよ?」
女「ディケイドか……。あれもなぁ」

男「いま、確実に違うマスクを想像したでしょ」
女「通りすがりやから、うち」
男「良いから仕事しましょう」

女「くしゅんっ」
男「鼻水ふいて」

女「うちは鼻たれたりしないもんっ。
 そんな乙女にあるまじき真似ですよ。
 男こそ鼻すんすんしてたくせに」ずびしっ

新人女「?」 男「へ?」 C男「捨てよう」

男「俺は花粉症じゃないですが」

女「いや、そうじゃなくて、こう……。
 ぱたぱた枕を探しちゃったりしてっ」

新人女「??」

男「女先輩壊れたんですか?」

520: 2009/04/22(水) 15:17:23.27 ID:RSslweiZP
女「そうじゃなくて男のなっ。寝す」

男「?」 新人女「?」 C男:カタカタカタカタカタ

女「ね、ねす……ネス……」

男「あ」

女「PKサンダーっ」
C男「ムーンサイドッ!?」がくがくがく

女「……」ちらっ
男「?」
新人女「――」

男「まぁ、いいや。とにかく、やっぱりちょっと遅れ気味。
 それもこれも仕事が多すぎるせいで申し訳ないけど。
 ともあれ納期は絶対なんで」

女「納期は絶対」じゃきーん

男「期限は厳守ですからね」

新人女「はい」
C男「納期も期限も捨て去る」

女「捨てるなっ」べしっ

541: 2009/04/22(水) 16:52:02.59 ID:RSslweiZP
――5/24、金曜日 19:00 神楽坂作業室

女「……よし。うち、今日の分終わった!」
男「お、すごい」

女「褒めても良いよ?」
男「女先輩、えらい。スゴイ!」

女「ふふーん。ふふふーん」
男「えいっ」ベキッ

女「何をしますかっ!?」
男「いや、鼻高々になっていたので、折っておいた」
女「これは丁寧に、すいません」
男「いえいえ。どういたしまして」

女「……」
男「……」

C男「神楽坂小芝居劇場を捨てよう」

女「うち、コンビニいってくるけど」
男「あ、ご飯?」

女「一緒に来る人ー? 何か頼む人-?」

547: 2009/04/22(水) 16:58:56.10 ID:RSslweiZP
C男「む……。じゃアクエリアス・カボス味を」
女「そんなのあるかーっ。C男はうちと一緒に来るの」

C男「へ?」
女「うちの子分でしょ。ほら」
C男「な、なぜ?」

女「うちのことポンコツ女とか捨てるとかゆったでしょ。
 荷物持たせてあげるから。ほら、行くよ。」

新人女「えと、お願いして良いですか?」
女「いいよ、いいよ。なんでもゆって」

新人女「タマゴサンドと何か紅茶を」
女「おっけー。おとこは?」

男「おにぎり。……高菜と昆布。あと日本茶。それから
 カ口リーメイト」

女「フルーツ味ね」
男「おねがいします」

C男「ううう」
女「ほら、いくよっ。C男」
C男「人間の尊厳が捨てられた」

549: 2009/04/22(水) 17:04:18.56 ID:RSslweiZP
――5/24、金曜日 19:10 神楽坂作業室

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「……」
新人女「……。えと、こう……。ん」ちらっ

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「あの……」
男「……」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「男さん? すいません」
男「……はい? ごめん、聞こえてなかった」

新人女「いえ。はい。……あの、明日なのですが」
男「うん。土曜だよ。ちゃんと休んでね」

新人女「男さんはいらっしゃいますよね?」


555: 2009/04/22(水) 17:17:14.06 ID:RSslweiZP
男「うん? ……んー。まぁ、そうなる、かな?」
新人女「あの」そーっ

男:カタカタカタカタカタカタ

男「ん? どしました?」
新人女「私も、出たいです」

男:カタカタカタカタカタカタ

男「スケジュールとか仕事量は気にしないで良いよ。
 ――週休二日の条件でここに来たのでしょ?」

新人女「それは、はい。……出ては、ダメですか?」

男「理由は?」

男:カタカタカタカタカタカタ

新人女「……はい。えっと」

男:カタカタカタカタカタカタ


557: 2009/04/22(水) 17:22:16.87 ID:RSslweiZP
男「……」

男:カタカタカタカタカタカタ

男「……」
新人女「…………。男さん」

男:カタ

男「ん」くるっ

新人女「私、いま伸びてると思うんです」
男「うん、保証する」

新人女「……」
男「大丈夫、伸びてるよ」

新人女「だから、いま頼ってもらえれば
 わたし『何か』になれる気がするんです」

男「何か」

560: 2009/04/22(水) 17:27:33.37 ID:RSslweiZP
新人女「ウォリアー……は、わたしよく判らないんですけど。
 でも、いつまでもお豆さんって云うか、
 女の子扱いっていうか。そうじゃない何かに。
 ――ちがう、何かになりたいんです。
 すみません、訳の判らないこと云って」

男「……」

新人女「だから使ってください。一緒にいたいんです」

男「はい?」

新人女「あ……」かぁっ

男「えーっと」

新人女「この職場、楽しいんです。いつまでも新人扱いは
 肩身が狭いです。お願いします。使ってください」

男「……」

新人女「まだ力不足ですか?」

565: 2009/04/22(水) 17:33:39.59 ID:RSslweiZP
(あの子が根性見せたら、残業許可出してあげて)

男「……」

(見せたら、で良いから。覚えておいて。
 一応うち先輩だし。先輩のコメントって事で)

男「いや、力なんかじゃないよね。根性、かな」

新人女「?」

男「ありがたい。戦力が欲しかったのは本当だ。
 新人女さんは、うちの戦力だよ」

新人女「はいっ!」 ぱぁっ

男「――うん」
新人女「はい?」

男「いや、そういう表情するんだな、って。
 びっくりした。
 新人女さんのこと始めてちゃんと見たような気がする。
 マネージャーなのにいろいろ気を遣わせて、ごめんね」

新人女「いえいえっ。こちらこそ不出来で済みません」

567: 2009/04/22(水) 17:39:45.20 ID:RSslweiZP
――5/24、金曜日 19:30 神楽坂作業室

がちゃん

女「アイス買ってきたでー!」
C男「カ口リーメイト捨てよう」

男「初っぱなから捨てるな」

女「きょうはうちの奢りだ。遠慮せずに食べてくれ!」
男「……スーパーカップじゃん」

新人女「バニラですね。これ好きです」
女「やっぱね。判る娘にはわかるんだよ」

男「もらえるものはもらうけど」
新人女「頂きます」ぱくっ
C男「……はぁ。後悔を捨てよう」

女「文句ある?」
男「ぜんぜん無い」

新人女「美味しいですよ?」

569: 2009/04/22(水) 17:46:06.09 ID:RSslweiZP
女「美味いよね~」にこっ
新人女「はいっ」

  C男「うう。結界発生」
  男「いいからメシにしようぜ。俺たちは」

新人女「あの、女さん……」
女「なに? もきゅもきゅ」

新人女「明日、私も来ます」
女「へ? ああ。土曜出勤? 根性見せるね!」
新人女「はいっ」

  C男「ふっ。昆布など過去の遺物。捨てよう」
  男「王道ってのは正しいから王道なんだ」

女「新人女ちゃんも、ウォリアになってきたかな」
新人女「いえ。ウォリアは判らないんですけど」

  男「お。これ何? 美味いじゃん」
  C男「わさび漬けおにぎりだ」

新人女「女先輩は、あの。
 その……」
女「うちは根っからのウォリアーだよ?」

571: 2009/04/22(水) 17:52:06.07 ID:RSslweiZP
新人女「男さんの、ウォリアーですか?」ぽそり

女「――」

新人女「……ですか?」じ、じぃっ

女「新人女ちゃん。びっくりしたよ、うち。
 新人女ちゃんも、ウォリアやん」

新人女「自分が一番びっくりしてます。
 なんでこんな事口走ってるんだろうって思ってます。
 緊張しすぎで心臓壊れそうです」じ、じぃっ

女「そっか。えへへ」
新人女「……」

女「うちはー……。違うかな。男のウォリアじゃ、ないよ」
新人女「……」

女「そういうんや、ないよ。うちは。……うちらは」
新人女「……でも」

女「男のウォリアになりたいん?」
新人女「……判らない、です」

576: 2009/04/22(水) 18:01:25.28 ID:RSslweiZP
新人女「けれど」
女「うん」

新人女「何かに。
 ……『そういうの』っていう用意されたお誕生日席じゃ
 ないような、ちゃんとした『何か』に。
 なれるかもしれないと。なり、たい……と。
 ……だいそれてるんですけど」

女「……」

新人女「望んで、得るような。何かに。
 ……。済みません。
 日本語壊れてますよね。
 ゆとりなんです、わたしっ。
 日本人なのにまともに説明も出来ないでっ。
 男さんの『何か』って、それがどんなものか
 説明も出来ないんですけど、どんなものかも
 判らないんですけど」おろおろ

女「ん」
新人女「シリメツレツなんです。お恥ずかしい」

女「それは、やっぱりさ」

584: 2009/04/22(水) 18:10:25.41 ID:RSslweiZP
  C男「だから、おかかは貧乏人のおにぎり」
  男「ちょっと表出ろ」

  C男「その無駄な国粋プライドを捨てよう」
  男「お か か な め る な ッ !!!」

女「じゃかしい、キミらっ!!」だむんっ!

  C男&男 びくっ!!

女「君らがカラケヨメ星人だって事は判った。
 そこでうちが特別にエアリードの技能講習をしたげる」

  C男&男 ぶるぶる

女「安心していいって。うちのは、
 ハンニバル・レクター直伝の高速学習だからっ
 もちろん、テキストはバインダー式っ」わきわきっ

  C男&男 がくがくっ!!

女「楽しい講義の時間だ、諸君……ッ!」

男「ちょ、女先輩ったんまっ」 C男「現世を捨てよう」

新人女「……」
女「そこへ座んなさいっ」


611: 2009/04/22(水) 19:59:55.20 ID:RSslweiZP
――5/24、土曜日 11:30 神楽坂作業室

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「――」
新人女「女さん、来ませんね」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「先輩にしては珍しいね」
新人女「ん……。はい……」
男「どした?」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「いえ、気を遣わせてたりしたら悪いと」
男「女先輩が? 遠慮するような人じゃないよ」
新人女「そうですか?」
男「……」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

614: 2009/04/22(水) 20:04:58.67 ID:RSslweiZP
新人女「出来ましたっ」
男「ほい、見るよ」

男:カタカタカタカタカタカタ

新人女「どうでしょう?」
男「ん。なれたね。この工程は、もう任せる」
新人女「はい。残りに進んで良いですか?」
男「うん。もう個別チェック出さなくて良いよ。まとめてで」
新人女「了解です」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「……」
新人女「……」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「新人女さん、そう言えばさ。先週仮納品したやつの
 担当分の帳票ってあがってる?」
新人女「あがってますよ-。
 女さんの分と、C男さんの分もあがってますよ。
 連番処理をして、共有の日付に入れてます」

男「あんがと」

618: 2009/04/22(水) 20:10:51.58 ID:RSslweiZP
男「新人女さんは、伸びてるよ」
新人女「そうですか?」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「うん。――女先輩やB男とはタイプ違うけどね」
新人女「……?」
男「二人は、集中力で仕事するタイプ。瞬間的な速度と
 それを維持するための精神力で切り込む感じだよね」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「新人女さんは、細かい仕事の繰り返しを続けるタイプ」
新人女「はい。自分でも意外ですけど」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「地味仕事、苦にならない?」
新人女「一個ずつ部品がたまっていくみたいで、
 ちょっと嬉しいですよね」にこっ

621: 2009/04/22(水) 20:16:33.23 ID:RSslweiZP

男「視野も広がってきてるよ」
新人女「そうですか?」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「ん。集中タイプは集中すると、目の前の仕事しか
 見えなくなるから。その代わり驚異的な速度が出るんだけどね。
 新人女さんは、俺と似た側だよね。スケジュール管理とか
 すぐ出来るようになるよ」

新人女「そうですか? 嬉しいですね」にこっ

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「そう?」
新人女「はい。褒められなれてないので、すごく照れます」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「そうかー?」

625: 2009/04/22(水) 20:23:09.53 ID:RSslweiZP
新人女「仕事で褒められると嬉しいですよー」にこぉ

 (偉いぞっ)

男「うん。そだね。判るよ」

男:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

とててて。がちゃっ。

女「おくれてごめんっ!」
男「おはようございます。女先輩」
新人女「おはようございますー」

女「や! いろいろ事情が」
男「休日出勤だし時間決めてないんだから、そんなに焦らないでも」
新人女「ええ」こくり

女「仕事たまってるしさ。よいしょ」

男「で、事情って?」

629: 2009/04/22(水) 20:28:13.60 ID:RSslweiZP
女「実はさ――」
新人女「そんなに深刻な話なんですか」
女「ちょっとね」
男「なんだよ」

女「洗ってないぱんつがなくなっちゃってね」

男「……」
新人女「……」

女「いや、うち青ざめたよ。気がついたのが早くて良かった。
 このままじゃ乙女として色々失格しちゃうところだったね。
 そこで急遽連続洗濯作戦を実行せざるを得なくなってさ」

  男「これはまだ失格前なの?」こっそり
  新人女「審判が見てない反則は反則じゃないんですよ」こそっ
  男「女って奥が深いんだなぁ」
  新人女「女の子っての基本卑怯なイキモノですから」

女「まぁ、そんなわけで。洗い立てぱんつを装備した
 うちにもはや敵はいないねっ!」

635: 2009/04/22(水) 20:33:59.47 ID:RSslweiZP
男「あー」
新人女「はい?」

男「やっぱさ。職場でぱんつの色とか胸のサイズとか聞くと、
 セクハラになる訳じゃない?」
新人女「ですね」こくこく

男「でもさ、聞かないうちから大声で教えてくれるってのも
 ある種のセクハラだと思うんだよ」

女「今日は水色だよっ」にこーっ

男「……」
新人女「……」

女「え? どして黙る?」

男「ウォリアーってのも善し悪しだなぁ」

新人女「えっと、私が話しましょうか?」

男「悪いけど、頼める?」

新人女「女さん、あの。ちょっと」
女「へ?」
新人女「ちょっと、あっちでですね」

645: 2009/04/22(水) 20:39:01.95 ID:RSslweiZP
 新人女「――。――――」
 女「――?」

男「いや、こんなに新人女さんが頼りがいあるとは」

男:カタカタカタカタカタカタ

 新人女「――――。――」
 女「――っ!?」

男「まじでありがたいな。ほんと」
男:カタカタカタカタカタカタ

 新人女「――。……!?」
 女「――。――ッ!」

男「さばけてるのは良いんだけど、返答に困るのはなぁ」

男:カタカタカタカタカタカタ

新人女「男さん。男さん」

男「話判ってくれた?」

新人女「水色なのは確認しました」こくり

男「……」

651: 2009/04/22(水) 20:44:51.25 ID:RSslweiZP
男「あのさ。えーっと。頭追いついてないんだけど」
新人女「はい。えっと」

 女「――」ぱたぱた。ぴしり。

男「あれ、なんかのブロックサイン?」
新人女「えっと、はい。……そ、それでですね」かぁっ

男「……なんか惨劇の予感しかしない」

新人女「つまり」

 女「――!」びっ。ぴしり。

新人女「わたしは、その。今日は白ですからっ」

男「先輩っ。新人さんに何言わせてんですかっ!
 マジハラスメントじゃないですかっ!」

女「ええじゃないか」
男「へ?」

女「セクハラでもええじゃないか!」ばむばむっ
男「えーっ!?」

655: 2009/04/22(水) 20:51:34.93 ID:RSslweiZP
女「そもそもえろ発言はうちの芸風の1つだったのだ。
 最近は新人女ちゃんがいたから抑制してただけ」

男「ずっと抑制しようよ。社会人として」

新人女「いえ、その」おろおろ

女「しかし。その新人女ちゃんも土曜日デビュー。
 いわばうちら前線豚の仲間入りですよ。
 銀十字勲章を得たとなれば手加減無用。
 今後は多少のえろトークは個性のうちだと説得したまで。
 いや、むしろえろ発言を禁止するのはうちの人格否定だ」

男「いや、まぁ。そりゃね。女先輩がえろトークするのは
 問題ないけど……いや、ないのか? あるだろ」
女「問題ないよ」

男「でもそれと新人女さんにえろ発言強要はちがうでしょ」
新人女「あの……」

男「それはさすがに先輩らしくないですよ」
新人女「その」

女「ええじゃないか」
新人女「え、ええじゃないですか?」

男「は?」

661: 2009/04/22(水) 20:56:45.15 ID:RSslweiZP
新人女「いえ、その」

女「やっぱね。多少のえろトークはしていかなければ
 いけないという合意に達した。
 うちと新人女ちゃんはセクハラ仲間なのだ」

男「へ?」

女「パレスチナでの調印と相成った」
男「……」がくっ

新人女「あの。すみません、男さん……。
 本当に他意はないので」

男「他意はないって……。なんでそうなるんですか」

女「職場の彩り?」
新人女「熱に押されたというか……。多少なりとも
 意識してもらえないとと云うか」おろおろ

男「……仕事」
新人女「?」 女「?」

男「仕事開始」

女「あははは~」 新人女「は、はいっ」

664: 2009/04/22(水) 21:03:41.18 ID:RSslweiZP
――5/25、土曜日 18:30 神楽坂作業室

女「けしゅんっ」
男「なにその可愛い咳」
新人女「風邪ですか?」

男:カタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

女「ちょっと抵抗落ちてるのかな。免疫低下」
男「気をつけないと。そろそろ疲労もピークでしょ」
女「年齢やね。疲れても抜けないし」

男:カタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

男「筋肉痛も時間差でくるし?」
女「お肌がねー」
新人女「気を遣いますね」

女「新人女さんにツッコミされたっ!」
男「ツッコミじゃないと思うぞ?」

668: 2009/04/22(水) 21:08:04.57 ID:RSslweiZP
女:カタカタカタカタカタカタガガガガ

新人女「すごい速度ですね」

男「一回座って6時間ノンストップだし。本気で午前中の
 分取り返すつもりだと思うよ」

新人女「集中力、続くものですか?」
男「その辺は気合いとしか云いようがないなぁ」

女:ぴたり

男「おろ?」
女「おとこー。おとこー」

男「なんです? 女先輩」
女「おなかすいた」

男「あーそんな時間かぁ」
新人女「そういえば、もう暗いですね」

女「うし、柴犬いきたい」
男「んー。じゃ、切り上げようか」

671: 2009/04/22(水) 21:14:07.86 ID:RSslweiZP
新人女「私、まだ平気ですよっ」
女「いやいやいや」
男「いやいや」
新人女「?」

女「休日出勤で終電までやったら、氏んじゃうよ?」
男「うん。確実に氏ぬ」
新人女「そうですか?」

女「うん。頃合いだよ。切り上げよ?」
男「だね。撤収準備して」

新人女「はい、判りました」

女「ふんふんふ~ん。しっばいぬー♪」
男「久しぶりだね」

女「新人女ちゃんも行くよね?」
男「ラーメンどう?」
新人女「行きますっ」

女「じゃ、出発だ!」

676: 2009/04/22(水) 21:20:35.66 ID:RSslweiZP
――5/25、土曜日 19:00 駅前ラーメン「柴犬」

男「豚骨焦がしネギ入りで」
女「うちもそれー」
新人女「私もそれでお願いします」

男「矢吹ジョーのさ」
女「ん?」
男「ノーガード戦法ってキーボードの叩きすぎだと思うんだよね」

女「ああ。肩こりだね、あれは」
男「腕あがらなくなってるね」

新人女「わたし、最近腕太くなりました」
女「おー。見せて見せて」
新人女「ほら」

男「これで太いの?」
女「よく判らない」
新人女「筋肉ついたんですよ。力こぶだって出来るかも」

男「ちょっと無理じゃないかなぁ」


親父「トンコツ焦がしネギ三丁、お待ち」とんっ!

684: 2009/04/22(水) 21:26:48.20 ID:RSslweiZP
女「あったかー……ずず」

男「ずず……ん。……んまっ」
女「ずるずる……。なんか久しぶり」
新人女「暖かいです……」

女「ずっず……おとこー」
男「ずずー。……なんです?」
女「来週って、風向きどんな感じ?」

男「まぁ、今週の続きで。正直風向きはあんまし
 良くないですね。俺はちょっと外回りが多いかな。
 クライアントに進捗説明しないと」
女「なんでまた?」

男「M野に任せてたら仕事しないでしょ?」
女「そっか」

新人女「私たちは留守番ですか?」

女「ずる……。留守番でも仕事満載やけどね」

690: 2009/04/22(水) 21:32:16.48 ID:RSslweiZP
男「いない間の仕切りは、女先輩で」
女「らじゃー。ずずっ……」

男「で、共有フォルダの整理と門番は、新人女さん。
 やってみて」
新人女「はい」こくりっ

女「男が外回りだと、また処理速度落ちるね」
男「仕方ないですよ。きちんと説明して理解を
 得ておくのは必須ですからねー。クライアントとの
 信頼関係がないとデータ移行なんてやっちゃダメです」

新人女「ああっ!」
男「どしたの?」
新人女「いえ、今ので急に納得しちゃって」
女「どして?」

新人女「お客さんの企業秘密というか、顧客情報を
 預かってるんですもんね。やっつけはいけないですよね」

女「合格っ」
男「……」

女「うちの言うたとおりやん?」
男「ですね」

692: 2009/04/22(水) 21:37:19.97 ID:RSslweiZP
――5/25、土曜日 19:30 神楽坂駅

新人女「では、お疲れ様でした」
女「おつかれさまー!」
男「はい。お疲れ様です。ゆっくり寝てください」

新人女「お休みなさーい」ぱたぱたぱた
女「またー!」ぱたぱたぱた

男「はーい。月曜日にー」

男「……ふぅ」

男「……二人は元気だなぁ。元気、かな。
 元気な訳無いか。……余計根性あるよな」

男「このまま、いけば……行く訳ないか」

男「あとどれだけ戦力があれば、勝てるんだかなぁ」

男「そもそも、勝ちってよく判らん」

男「負けないこと、と一緒じゃないのだけは
 判るんだけどなぁ。……疲れるなぁ」

813: 2009/04/23(木) 04:49:39.35 ID:WIVkXIxWP
――5/28、火曜日 14:00 神楽坂作業室

女「……おっけ。いいよー、このまま進めて」
新人女「……。ん」

新人女:カタカタカタ

C男「了解」

女「えーっと……。ふぅ」

女:カタカタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「……大丈夫ですか? 女さん」
女「へ? なんで?」

女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ

新人女「いえ。体調」
女「へいきへいき。うち、ウォリアだもん」
新人女「でも、顔色悪いです」

815: 2009/04/23(木) 04:57:06.75 ID:WIVkXIxWP
女「まぁ、時期がね。忙しいから体力はきついけどね」
新人女「はい」
C男「――」

女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

女「笑えているうちは平気」
新人女「?」

女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

女「いやね。人間、忙しいから気持ちが折れるんじゃないよね。
 笑えないから、気持ちが折れるんだよ。
 だから、忙しくても笑うんよ。そうすれば、平気」

新人女「――」
C男「サボりマネジは捨てよう」

女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

女「男はクライアント回ってる。締め切り交渉含めて。
 うちらには出来ない仕事してるんだよ」

816: 2009/04/23(木) 05:05:42.31 ID:WIVkXIxWP
おはようございます(T∇T)
三日だと思ってて油断ぶっこいていたとか
みんなには内緒で1つお願いします。
ほんとすみません。

でも、せっかく明け方に目覚めたから明け方気分で
2シーンくらいは投げたいこころ。

つか、寝てる間にみんなで唐揚げ+ラーメンパーティー
ですよ。呼んでよっ。そういうとこにっ(T∇T)

819: 2009/04/23(木) 05:10:44.61 ID:WIVkXIxWP
新人女「……」にこっ
C男「!?」
女「うん、そうだよっ。わ、新人女ちゃんは反則だなっ。
 その微笑みで何人犠牲者にしてきたことか」

新人女「……こんなの役に立たないですよ」

女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

女「そうなん?」
新人女「欲しくないものが増えて、
 欲しいものとは交換できないです」

女「いや、それも大概リア充な意見だと思うけど」
新人女「……すみません」

女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

女「ね、C男も可愛いと思うよね」
C男「戦場豚はかわいさを捨てる」

822: 2009/04/23(木) 05:16:42.88 ID:WIVkXIxWP
新人女「ほら」
女「そこは空気を読め、C男っ!」べきっ
C男「……かわ、いい」

女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

女「――わらにでもすがるって言うかさ。なんにも
 出来ないときは、せめて笑うくらいしないと。
 それくらいしか身内にしてやれない時ってのもね。
 あったりしちゃう困った業界なんだな」
新人女「……」

女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

C男「……そうだ」ニカッ
女「あんたは笑わないでいいや。けふんっ」
新人女「……」

825: 2009/04/23(木) 05:23:03.86 ID:WIVkXIxWP
――5/29、水曜日 9:00 神楽坂作業室

ピ口リ

C男「メール着信」
女「あー。うちだ。仕事のにはアラーム設定してある」

女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

新人女「男さんでしょうか? でも今日は直行で蕨って
 行ってましたよね」
女「なんか訂正じゃないのかなー? んーっと」

新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

女「……」

新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

女「……っ」

新人女「どうされました?」

829: 2009/04/23(木) 05:30:06.10 ID:WIVkXIxWP
C男:カタカタカタカタ

女「ん」
新人女「……」

C男:カタカタカタカタ

女「仕様漏れ。……設計前でトラブってる」
C男:ぴたり

新人女「よく判りません」
C男「……いつの? 何件?」

女「池袋が持ってた仕事。もうほとんど終わらせてた。
 件数は10万以上。ってか、データ構造に手をつけて
 リテイクだ」
新人女「……?」

C男「――捨てよう。捨てる。いや捨てさせる」

新人女「……??」

女「後ろから撃たれるんか……。あはは」

834: 2009/04/23(木) 05:45:45.80 ID:WIVkXIxWP
――5/29、水曜日 13:00 神楽坂作業室

男「ん。概要はわかった。で、電話は誰から?」
女「部長」
男「ほいほい、ま。仕事してて」

女:カタカタカタカタカタ
新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

男「もしもし? はい。神楽坂です。はい、お疲れ様です。
 部長いますか? はい、おねがいします」

新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

女「……」すとん

女:カタカタカタカタカタ

男「はい。話の概要を聞きました。――はい? はい。
 ふむ。はい。……そうです。はい。
 ――要件定義ですよね? それは」

男「ふむふむ。うちに降りてきている書類では、
 前回のデータ構造ですよ。
 いえ、僕はそのクライアントとはお会いしてないんです」

C男「ボクを捨てよう」

838: 2009/04/23(木) 05:54:53.21 ID:WIVkXIxWP
男「管理部の人間は呼ばれていませんよ。え? ああ。
 池袋班が? なるほど……。はい」

女「……っ」

新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

男「そうなりますね。……いえ、お受けできないです。
 体力? ……は、まぁ、はい。相当きついですが。
 それは今回のボトルネックではないですよ。
 はい、はい……」

男「いえ、そうではないです。
 ただし、このリテイクの作業を行うとなると、現在業務に
 手をつけている7社分はすべて期限内の実行が
 不可能となります。体力よりも、すでに物理的な
 実時間レベルの問題になっていますから……。はい」

新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

男「もちろんです、はい。……そうなりますね。
 池袋班? ……池袋班は、実働体制にないですよね。
 人数補充の予定は先週でしたが……。いえ、聞いていません。
 はい。……そうですか」

841: 2009/04/23(木) 06:00:42.80 ID:WIVkXIxWP
男「いえ。そうですね。……では直接伺ってみます」

新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

男「そう言う訳にも行きませんよ。
 あははは……はい、仕事ですから。
 えっと、その足で開発に回って、時間があったら
 そちらにお邪魔しても良いですか?」

女「……っ」

新人女:カタカタカタ
C男:カタカタカタカタ

男「いえいえ。では、そうですね。はい。
 17:00過ぎにはお伺いできると思います」

新人女「……」 C男「……」

女「あんな。……どうやった?」

男「やっぱ出向いて聞かないと判らないかな。
 ――やだなぁ。
 そう思い詰めた顔しないで。先輩らしくもない。あはは」
男「こんな逆境今までいくらでもあったでしょ?
 話聞いてきますから」

847: 2009/04/23(木) 06:07:36.05 ID:WIVkXIxWP
おっし、ここまででっ!
あと7分だからこれ以上の投下は危険(T∇T)

続きはパー速にでもスレもらってやろうかと思います。
dionにやられたとはいえ、こんなに長くなるとは。
女僧侶の時以来だよ。
短くて格好良いの書けるようになりてぇなぁ-。

建てたら
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1224960080/l50
にでも告知します-。

みんなにママレードサンドの幸あれ!!

848: 2009/04/23(木) 06:08:26.74 ID:PgNhFIMp0
おつー

849: 2009/04/23(木) 06:08:45.27 ID:XxsG8A42i
おっつん

引用: 同僚女「お前ら喜べ!」