1: 2023/11/19(日) 23:48:41 ID:LmiT7N0A00
【SS】栞子「ツーリング……ですか……?」

このSSの裏話的なやつです。しずかす。
次から始めます。

2: 2023/11/19(日) 23:49:55 ID:LmiT7N0A00
ピピピピピ……

しずく「ん……もう朝……?ふわぁ……」ガシッ

しずく「今日は……特に何もないし二度寝でも……」ウトウト

しずく「って、ダメダメ。せっかくのお休み、有意義に使わないと!」フンス

しずく「あ、かすみさんからLINE……ふふっ、鯵丼美味しそう。富士山も綺麗だな。」

しずく「ええっと……安全運転で……楽しんで……きてね……っと」スマホイジイジ

しずく「さてと、何しようかな、今日。」

3: 2023/11/19(日) 23:51:46 ID:LmiT7N0A00
虹ヶ咲を卒業して2年、高校の頃ほど早起きしなくてもよくなったものの、大学や劇団の稽古で今でも普段から早起きな方ではないでしょうか。貴重な休日の過ごし方を思案しつつ、私はスマホの連絡先を眺め、その中から一人の同級生に連絡を取ってみることに。

prrrrr……

『ん……もしもし、しずくちゃん……?』

しずく「おはよう、璃奈さん。ごめん、起こしちゃった?」

璃奈『ううん、もう起きるところだったから大丈夫。』

しずく「そうだったんだ。璃奈さん、今日何か予定ある?」

璃奈『ううん、無いよ。私も、しずくちゃんから連絡あるかなって思ってた。』

4: 2023/11/19(日) 23:52:37 ID:LmiT7N0A00
しずく「ええっ!?どうしてそう思ったの!?」

璃奈『美味しそうだったね、鯵丼。』

しずく「……あれ、みんなに送ってたんだ……」ムスッ

璃奈『私としずくちゃんだけじゃないかな。栞子ちゃんは一緒に行ってるし。』

しずく「私だけだと思ったのになぁ」

璃奈『まあまあ。かすみちゃん、今でも同好会のみんなのこと、大好きだから。あっ!もちろんしずくちゃんはもっと特別だけど……』

5: 2023/11/19(日) 23:53:47 ID:LmiT7N0A00
しずく「ふふふっ、ごめんね、璃奈さん。怒ってないよ。ねえねえ、今日よかったら一緒に遊ばない?」

璃奈『ふぅ、よかった……。うん、いいよ。』

しずく「やった!じゃあ、お台場で……」

璃奈『待って、しずくちゃんと遊ぶとき、いつも来てもらってる。』

しずく「ええ、でも家の近く遊ぶところそんなに無いし……」

璃奈『うーん、あ、横浜は?』

しずく「うん、璃奈さんがいいなら大丈夫だよ?」

6: 2023/11/19(日) 23:54:49 ID:LmiT7N0A00
璃奈『じゃあ、決まりだね。時間分かったら、また連絡する。』

しずく「うん!じゃあ、また後でね!」

pi…

しずく「やっぱり優しいな、璃奈さん。」

璃奈さんの察しの良さに感心したり、かすみさんからのLINEが、私だけに宛てられたものでは無いことに少し凹んだり、いろんな感情がないまぜになったまま、電話を切りました。

7: 2023/11/19(日) 23:56:41 ID:LmiT7N0A00
しずく「璃奈さーん!」フリフリ

璃奈「あ、しずくちゃんいた。ごめんね、お待たせしちゃった。」

しずく「ううん、私もいま来たところだよ。今日はどうしよっか、璃奈さんは見たいお店とかある?」

璃奈「うーん、私はしずくちゃんの知ってるところで……」グウゥ……

しずく「ふふっ、先にご飯にしよっか!」

璃奈「朝ごはん食べてこなかったから……璃奈ちゃんボード『かたじけない』」

8: 2023/11/19(日) 23:57:35 ID:LmiT7N0A00
璃奈さん、朝電話してから急いで来てくれたのかな。私たちはまず、赤レンガ倉庫で開催されていたグルメイベントへ行ってみることに。たくさんの人で賑わう会場では、各地のご当地グルメが楽しめるそうです。そういえば高校のころ、みんなでここへ来たとき、かすみさん、みんなをまとめようと頑張ってたっけ。

璃奈「牛タン丼、味噌煮込みうどん、豚骨ラーメンもいいなあ。璃奈ちゃんボード『じゅるり』」

しずく「……。」ジィッ……

璃奈「うん?しずくちゃん何見てるの?」

『静岡・沼津直送!活き鯵丼』

しずく「あぁっ!!ごめんなさい、璃奈さん……」

璃奈「ううん、大丈夫。食べよ?すみません、活き鯵丼二つください。」ズイッ

9: 2023/11/19(日) 23:58:40 ID:LmiT7N0A00
しずく「……おいしい。」モグモグ

璃奈「しずくちゃん、生姜も入れると美味しいよ。璃奈ちゃんボード『ハッピー』」モグモグ

しずく「ほ、本当だね!香りも良くなって……」

私ってば、璃奈さんと遊んでるのに、ついついかすみさんのことばっかり考えて……それでも璃奈さんは嫌な顔ひとつせずに付き合ってくれる。実は私たちの中でいちばん大人なのかもしれません。そのあと私たちは近くのショッピングモールで買い物をすることにしました。

10: 2023/11/20(月) 00:00:25 ID:/rk84QKU00
璃奈「私、マフラーが欲しい。見てもいい?」

しずく「急に寒くなったよね。いいよ、それならそこのお店がいいかも。」

璃奈「可愛いのあるといいな。私、普段はネットで買うことが多いから、こうやってお店で選んで買うの楽しい。」

しずく「ふふっ、私も最近忙しくて友達とお買い物とか来れなかったから楽しいよ。」

璃奈「私、これにする。しずくちゃんも買うの?」

しずく「……。」ジイッ……

12: 2023/11/20(月) 00:02:38 ID:/rk84QKU00
璃奈「それ、かすみちゃんによく似合うと思うよ。璃奈ちゃんボード『キラキラ』」

しずく「あはは……璃奈さんは誤魔化せないなあ……」

璃奈「ううん、気にしないで。私、お会計してくる。」

しずく「わ、私も……!」

ーーーーーーーーーーーーーーー

店員「包装はどうされますか?」

しずく「あの、プレゼント用で……!!」

璃奈「璃奈ちゃんボード『うんうん』」

13: 2023/11/20(月) 00:04:41 ID:/rk84QKU00
璃奈「寒い季節のキャラメルマキアート、最高。しずくちゃんは何にしたの?」

しずく「カフェラテだよ。ちょっと飲む?」

璃奈「いいの?わーい。しずくちゃんもマキアート、一口どうぞ。」

しずく「ありがとう……。あの……!!璃奈さん、今日はごめんね。私、璃奈さんといるのに、その……かすみさんの……」

璃奈「ううん、気にしてない。寂しかったんだよね、しずくちゃん。」

しずく「でも……」

14: 2023/11/20(月) 00:06:41 ID:/rk84QKU00
璃奈「私は嬉しかったよ?しずくちゃん、出会ったばかりのころは自分の気持ち隠して平気なフリすること多かったから。その……私が言うのもなんだけど。」

しずく「璃奈さん……」

私は高校一年の演劇祭のときの出来事を思い出していました。主演を降ろされて、悔しい気持ちを必氏に隠していた、変な子って思われるのが、嫌われるのが怖くてありのままの自分を出せなかった私にかすみさんが言った言葉。

ーーしず子のこと好きじゃないっていう人もいるかもしれないけど、
ーー私は桜坂しずくのこと、大好きだから。

璃奈「しずくちゃん、かすみちゃんのこと大好きだもんね。私は誰かとお付き合いしたことないから、どんな気持ちかは正直よく分からないけど、その気持ち、私の前では隠さないで欲しい。」

しずく「ありがとう……私、璃奈さんと友達になって良かったな。」

璃奈「それは、お互い様。というわけでしずくちゃん……」

15: 2023/11/20(月) 00:07:55 ID:/rk84QKU00
しずく「へぇっ!?電話!?今からかすみさんに……?」

璃奈「迎えに来てもらおうよ。かすみちゃんに。」

しずく「うぅ……でも、せっかくみんなで遊びに行ってるのに、わがままって思われちゃったら……」

璃奈「かすみちゃんのこと大好きな気持ち、隠さないで欲しいのはかすみちゃんも同じだと思う。」

璃奈「出来ないからやらない、は無しだから。」

16: 2023/11/20(月) 00:09:12 ID:/rk84QKU00
prrrr……

しずく「あの、かすみさん?今から迎えに来て欲しいんだけど……今どこにいるの?」

しずく「よかった、近くだね。横浜駅なんだけど……」

しずく「やった!!……うん、気を付けてね!!」

pi…

璃奈「璃奈ちゃんボード『グッジョブ』」

しずく「もう、璃奈さんには敵わないな。」アハハ

17: 2023/11/20(月) 00:10:07 ID:/rk84QKU00
しずく「じゃあね、璃奈さん。今日は本当にありがとう。」

璃奈「私も楽しかった。……これ、さっきのお店で買ったの。二人で食べて?」

しずく「これは……マカロン?ありがとう、かすみさんも喜ぶよ。」

璃奈「うん、今度はかすみちゃん、栞子ちゃんも一緒に遊びに行こうよ。」

しずく「そうだね。また連絡するね!」フリフリ

璃奈「じゃあね、しずくちゃん。璃奈ちゃんボード『ファイト』」

18: 2023/11/20(月) 00:11:03 ID:/rk84QKU00
ブロロロ……

かすみ「しず子ーっ!!ごめんね、遅くなって!!」

しずく「ううん、私も急に呼んでごめんね?その……どうしてもかすみさんに会いたかったから……」

かすみ「も、もう、もしかすみんがヘルメット持ってなかったらどうするつもりだったの……でも、何だかしず子がそういうこと言うの珍しいね?」

しずく「そうかな?……そうだ、かすみさん、いいものあげるね。」

19: 2023/11/20(月) 00:12:11 ID:/rk84QKU00
かすみ「なになに~?……わあっ!!マフラー、すごく可愛い!!」

しずく「バイク、寒そうだなって思ったから……どうかな?」

かすみ「すっごくうれしいよ、しず子!!」フフン

しずく「よかった。じゃあ、行こう?乗っていい?」

かすみ「うん!」

20: 2023/11/20(月) 00:12:48 ID:/rk84QKU00
ブーン……

しずく「楽しかった?かすみさん。」

かすみ「うん!すっごく楽しかったよ!しず子も免許取ればいいじゃん!」

しずく「うーん、私はここが、かすみさんの後ろが好きだからいいかな。」ギュッ

かすみ「ええっ……しず子ってば、仕方ないなあ~」ニヘラ~

しずく「ねぇっ!?今度私もどこか連れて行ってよ!」

かすみ「う、うん!じゃあ、かすみんしっかりプラン立てちゃいますよ~」

21: 2023/11/20(月) 00:14:43 ID:/rk84QKU00
しずく「楽しみだな。でも、それまで待ちきれない。ねえ、かすみさん、ベイブリッジ通っていこうよ。」

かすみ「え?ベイブリッジってしず子の家反対方向だけど……?」

しずく「いいじゃん。遠回りのほうが長くいっしょにいられるよ?」

かすみ「し、仕方ないですねぇ~。今日のしず子は甘えんぼさんだね。」

22: 2023/11/20(月) 00:15:35 ID:/rk84QKU00
しずく「いいもん。そうだ、マカロンあるから帰ったらいっしょに食べよう?」

かすみ「やったぁ!かすみんも、しず子にいっぱいお土産買ってきたんだよ!」

しずく「ありがとう、かすみさん。」

しずく「……わがままな私だけど、これからもよろしくね。」ボソッ

かすみ「えぇ!?なになに?よく聞こえない!」

しずく「何でもないよ、かすみさん♪」

おしまい

23: 2023/11/20(月) 00:16:07 ID:/rk84QKU00
おまけ

かすみ「久しぶり、りな子。これこの前のお土産ね。」

璃奈「……鯵の干物。ありがとう。しずくちゃんにも買ってきたの?」

かすみ「しず子にもいろいろ買ってきたよ、干物に釜揚しらす、桜えびでしょ、あとわさび漬けに……」

璃奈(渋い……)

かすみ「しず子すっごく喜んでくれたんだ~、その日もすぐにお酒といっしょに食べてる写真送ってくれて、その写真が可愛くって~、あ、もちろんかすみんの方が可愛いけど!」

璃奈「(まあ、本人たちがいいならいいか)お、お幸せに。」スンッ

本当におしまい

24: 2023/11/20(月) 00:18:12 ID:/rk84QKU00
以上です。自画自賛になりますが、前作のおまけで書いたしずくちゃんが可愛かったので掘り下げて書いてみました。お読みいただいた方、ありがとうございました。

25: 2023/11/20(月) 00:32:05 ID:.k7PTnGgMM
良いですねえ

引用: 【SS】しずく「へぇっ!?電話!?今からかすみさんに……?」